教師支援のための「行動チェックリスト」作成の試み
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(2) 目次. 第1節 第2節 第3節 第4節. 軽度発達障害児への支援. 第1項. 発達的な理解. 第2項 第3項 第4項. つまずきの行動理解. 第5節 第6節 第7節. 第2章 第1節 第2節 第1項 第2項 第3項 第4項. つまずきを見る視点 教師支援の必要性. 行動特性の理解. アセスメントの必要性. アセスメントの問題点 チェックリスト 早期診断早期介入の必要性 本研究の目的. 予備調査 目的. 方法. 予備調査質問紙 対象 手続き 教示. 第3節. 結果. 第1項 第2項 第3項. 予備調査の配布時期・回収結果 予備調査の結果. 第3章. 12344668810n. 第1章 序論. 本調査質問紙項目の作成. 本調査 方法. 第1項 第2項. 本調査の作成 項目の評定方法. 第3項. AD HD R S−IV−」の実施. 目的. Ω乙n乙2n乙2. 第1節 第2節.
(3) 第4項 第5項 第6項. 本調査の対象 手続き 教示. 第7項. 分析対象児. 第8項. ADH:D群と健常群の決定. 第9項. 分析. 第3節. 結果. 第1項. 本調査の配布時期. 第2項 第3項. 分析対象の決定. 第4項 第5項 第6項. 第7項. ADHD群と健常群の決定 項目分析1 項目分析II 内的整合性に関する検討. 第8項. 構成概念妥当性の検討 基準関連妥当性の検討. 第9項. 判別妥当性の検討1. 第10項 判別妥当性の検討II. 第4章 考察. 第1項 第2項. 第3節 第4節. 信頼性の検討 妥当性の検討 構成概念妥当性 基準関連妥当性 判別妥当性の検討 行動特性指導モデル. 第5章 まとめ 引用文献 謝辞. μD”D5666. 第1節 第2節. 68.
(4) l. -. plFf l.
(5) 第1節 軽度発達障害児への支援 「軽度発達障害」とは、高機能自閉症、注意欠陥多動性障害、学習障 害、発達性協調運動障害、軽度・境界域の知的障害を含み、独特な困難 を抱えている子どもたちであると言われている(杉山,2000)。 「今後の特別支援教育の在り方にっいて(最終報告)」(文科省,2003). の中で、「特別支援教育とは、これまでの特殊教育の対象者だけでなく、. その対象でなかった:LD、ADH:D、高機能自閉症も含めて障害ある児童 生徒に対してその一人一人の教育的二一ズを把握して、当該児童生徒の 持てる力を高め、学校における生活や学習上の困難を改善又は克服する. ために、適切な教育や指導を通じて必要な支援を行うものと言うことが できる。」とし、これまで特殊教育の対象でなかったいわゆる軽度発達障. 害児にも積極的に対応することが明記され、当該児童生徒の対する教育 的支援を適切に行うことは緊急かつ重要な問題であるとしている。 しかし、「これらの児童生徒は多様な障害の状態像を示すことがある」. と述べられているように、同じ診断名を持っていてもその状態は一様で. なく、また診断名が違っても似たような症状があり対応方法も共通する ところがある場合もある。このことは、「特定の学習面で著しい困難を示. すLDと、行動面で困難を示すADHDや高機能自閉症とを併せ有する児 童生徒がいること、:LD,ADHD等については指導内容や指導上配慮す べき点について類似することも少なくないことから個々の障害ごとにで はなく総合的に対処することが効率的な場合もあると考えられる。その ため、これらの実態を踏まえて効果的かつ効率的に対応することが求め られる。」、「ADHDや高機能自閉症は、個々の児童生徒により多様な状. 態を示すことがあり、,例えば、ADEDの児童生徒が同時に高機能自閉症 と判断されたり、同時にLDと判断されることもある。」と書き記された。. つまり、診断名にとらわれず一人一人の違いを大切にし、個に応じた対 応をすることが求められている。. 森永(2001)は、「LDの子どもたちは、その概念が理解されていな いと他の子どもたちの中で見分けることは難しい。したがってその子を. 1.
(6) 見る人によって考え方も異なってくる。」、「子どもの方も接する場によっ. ては健常児となんら変わることのない能力を示すし、学習の問題によっ ては問題を示さないので、周囲の人を惑わす場合も少なくない。」と指摘. している。しかし、落合(2002)は、児童生徒の教室での様子から、教. 師が気づいて初めて気づかれるケースも多く、学校で一日の大半を過ご す児童生徒にとっては、教師の対応は非常に重要な意味を持つと述べて. いる。通常学級を学習・生活の主体とする軽度発達障害児にとって、障 害という枠組みを離れて、子どもの状態像をしっかり捉え指導していく という意味で、通常学級の担任の果たす役割は大きいと考える。. 第2節 つまずきを見る視点 庄司(2002)は、子どもの障害がはっきり目に見える場合は、「でき にくい」ことも見えやすく、子どものもっ力に合わせた指導がなされや すいと指摘している。軽度発達障害児の場合、どの部分が障害(disorder) でどのような生活上のやりにくさ(disabilities)をもっているかが外から. 見えにくく、基本的能力をもっていても発揮することが難しい。周囲が 障害に気づかないで「怠け」、「甘え」、「反抗的」といった「性格」の問. 題であると誤解したり、親の「しつけ」の問題であると批難したりする。. 特別支援を必要とする子どもたちは、disorderやdisabilitiesを正しく. 理解されないために、学校生活において多くの失敗や挫折体験を重ねて いく。そのとき適切な配慮や対応がなされないと、学習全般での遅れや. 集団生活で適応していくことが難しくなり、二次的な情緒障害を引き起 こし、自信欠如になったり、失敗を恐れる余り新たなことへの活動意欲 が乏しくなったり、目標を見失い不登校になったりする例も見られる。. 吉田ら(2003)は、教師は従来の「子ども観」や「教育観」だけでな く、子どもたちのつまずきには様々な要因があることを理解した上で、. 環境を整えたり、支援を工夫したりすることが基本的な姿勢といえると 指摘している。. 2.
(7) しかし、海塚(2003)は最近では徐々に:LDなどの軽度発達障害にっ いて理解が浸透してきた学校はあるものの、障害の認知的側面や行動的. 側面の理解、両者の関係性がまだ理解されてきたとは思えないと指摘し ている。その原因として児童生徒の示すつまずきや行動の問題が認知能 力の水準や注意・多動性・衝動性といった行動の問題、コミュニケーシ ョンなど対人関係の問題の発達的理解が十分でないことが考えられる。. 第3節 教師支援の必要性 発達障害という視点を取り入れたとしても、単にこれを子どもの行動. と結びつけるだけでは問題は解決しない。花熊(2002)は、ADHD児へ の対応でまず必要なのは、学校場面や日常生活場面で生じる様々な行動 の問題が、周囲の人たちとの関係の中で生じていることの理解であると. 述べている。ADHD児の認知過程から行動上現れる多動とか不注意とい う問題は、その背景に行動抑制、情動、動機付け・覚醒の調節、言語的・ 非言語的ワーキング・メモリー、プランニングの問題がある(近藤,2002) ことを理解しないまま、教師が「問題行動」に対して、「叱責」、「禁止」、. 「無視」などの否定的反応をすれば、子どもの自己評価を低下させ、二 次的な情緒問題をもたらしてしまう。心理レベルの問題、「関係性の障害」. の側面へのアプローチに、基本的には小学校低学年期に、また、少なく. とも中学年期までに行われるべきことで、心理的な問題を高学年まで持 ち越してしまうと、その改善には長い時問と努力が必要になる(花熊,. 2002)。同様に、PDDの子どもたちも小学校に入り学校生活を開始する ことで、より社会性や対人関係の問題が表れやすくなる。それは、集団. 場面が刺激量も多く、迫害的な不安を呼び起こしやすくなる特性を持っ ており、混乱しやすくなるからである(辻井,1999)。しかし、杉山(2002). は、言語の遅れのために乳幼児健診でチェックを受け、自閉症の診断を 受けて早期治療を受けたものは、集団行動困難の程度が低いと指摘して いる。. 3.
(8) すなわち、「じっと座っておれずつい立ってしまう子にどのように対処 するか」とか「友達とトラブルをよく起こす子にどのように対応するか」. といった対処的な指導では、学校の様々な生活場面で様々な問題行動を. 起こす発達障害児に対応するとは難しい。発達障害児の示す様々な問題 行動から、どのような場面でどのような問題が起こりやすいのか、問題 の原因として考えられるのは何かなど十分に理解していくことが必要で ある。例えば、「順番が守れない」といった行動は、「注意の集中」、「順. 番の記憶」、「感情のコントロール」など様々な認知や情報処理過程が複. 雑に絡み合って起こる行動である。このように1つの問題行動に現れる 認知の特性を知り問題点を整理することで、その特性にあった指導をし ていくことができると考える。また、発達障害が「関係性の障害」であ るという側面を理解し、環境調整や発達障害児をとりまく周囲の教師や. 児童との関係をうまく調節することで、状態の安定や向上を望むことが できると思われる。. しかし、通常学級の担任は、障害児に関する知識が少なく、その上多 くの子どもたちを抱えているために、「何とかしたい」と考えていても具. 体的支援ができないのが現状である。発達障害児一人一人の状態像に即 した指導を通常学級の担任が行っていくためには、上に述べたような特 性の理解といった観点が必要である。. 第4節 行動特性の理解 第1項 発達的な理解. 軽度発達障害児を理解する際、発達的理解は重要である。発達 (development)とは、基本的には「時間の変化に伴う個体の心身の変. 化」のことをいう。発達の障害は、発達の「遅れ」や「偏り」というか たちで現れるのが一般的であり、個人内差はあるもののほぼ一定の発達 過程を通過すると考えられる。例えば、幼稚園において、席に座ってい るべき状況で立ち上がる、質問の途中で出し抜けに答えてしまうといっ. た行動は、発達障害児以外の子どもにも観察される可能性がある行動で. 4.
(9) であるので、各年齢の子どもの発達の標準についての理解が必要になる。. 幼児期において、多動性や衝動性を示すタイプの発達障害児は、4歳 以前にすでに親の方を気にせずに動き回ったり、高いところによじ登っ たり、物を乱暴に扱うといった行動特徴を示すということはある(吉川,. 1997)。ただし、そうした行動がADHDを示すものかあるいは広汎性発 達障害やコミユニケーション障害(発達性言語障害)など他の障害なの か鑑別は難しいと言われる。. 4歳を過ぎると、ほとんどの子どもは保育所や幼稚園の集団生活の場. に入って行く。その時点で、ADHDの子どもは、他の子に比べて落ち着. きがなく、他の子とトラブルが多くなることからADHDの診断を受け. る子どもも出てくる。しかし、不注意優勢型のADHDや高機能自閉症 などは、落ち着きのなさがみられず、トラブルも起こさないので、診断 されることは少ない。また、行動上に問題がみられても「発達の問題」、 「個人差」、「環境」の問題として捉えられ、その問題が顕在化しないこ とも多くある。. 学童期に入ると、集団のなかでじっと先生の話を聞くことや、ルール を守って行動することが求められるようになり、これらの活動を最も不. 得意とするADHDの子どもたちは非常に目立つ存在となり、「じっと座 っていられず歩き回る」、「授業に集中できない」、「先生の言う指示を聞 いていない」、「ルールを守れない」などの問題を示す。「人とのかかわり」、. 「コミユニケーション」、「こだわり」の問題を持つ広汎性発達障害児も. 学年が進むにつれて、単なる幼さではない問題点が生じてくる。また、. 学年が進むにつれて学力の遅れが広範囲にわたり、学習意欲も全般的に. 低下してくることが多い。さらに、行動の自己調節の難しさや社会性の 問題を併せ持つ場合もあり、学校生活への不適応を強めやすい。. 思春期になると、多動性はおさまってくる例が多いが、注意の問題は あまり変化しない例も多い。多動性が軽減しても、自尊心や学習の問題 が残ったり、一部には暴力的な行動や反社会的行動が目立ってくるケー スもあり、教育的配慮や医学的治療は引き続き必要である。. 5.
(10) 第2項 つまずき行動の理解 学校生活で見られるつまずきは様々である。授業中のつまずきの行動 としてよく見られるのは、「先生の話を注意深く聞くことができない」、. 「座っていいなくてはならない状況でも席を離れてしまう」、「順番が待 てない」、「相手の気持ちをうまく察することができない」、「特定の物や. 事にこだわってしまう」、「子ども同士や教師とのコミュニケーションが. うまくいかない」などである。一方、授業外のつまずき行動として、休 み時間、給食、掃除、放課後など様々な場面で起こる。. こうしたタイプの子どもたちは、集団活動から外れがちで、教室での 学習態度も形成されにくく、日常のいろいろな場面での行動のコントロ. ールという点で目立つ存在になる。こうした行動の自己調整に関する特 性は、通常の学級で授業を展開していく上で、学力の問題以上に教師に とっては指導課題として強く意識されることが多い。また、こうした注. 意集中の短さや多動性は、安定した理解や記憶の定着につながりにくい と考えられる(上野,1997)。子ども達は、いわゆる「読み書き計算」. という領域だけを学習するのではなく、適切な経験を通して、社会的な. 行動を「学習」するが、軽度発達障害児はその障害特徴のため、適切な. 行動を学習し、積み上げていくことも困難であることから、行動上の問 題を起こすと考えられる。. こうした発達障害児を指導していく際には、その子どもの学習上の. 特性や行動上の特性、子どもの置かれている状況など、問題の背景とな っているものを正確に捉える必要がある。. 第3項 アセスメントの必要性. LDやADHD、高機能自閉症といった子どもたちは何らかの手立てを 必要としていながらも、外からではなかなかその障害が見えにくいこと、. さらに十人いればその分だけ状態像を示すため、実態を把握するのが難 しく、その子に合った対応を行うまでに時間を要することが少なくない。. 一人ひとりの子どもへの適切な教育を考えるには、子どもの客観的な実. 態把握が欠かせない。そこで、子どもについての情報をいろいろな角度. 6.
(11) から集め、整理し「子どもの状態像へ迫っていく」体系的アセスメント. が必要になってくる。子どもの実態把握のためには、Fig.1のようなア セスメントがある。. 子どもの実態把握. 医学的アセスメント. 教育的アセスメント. 心理学的アセスメント. ・生育暦の問診. ・標準学力検査. ・WISC−IH知能検査. ・神経系の行動チェック. ・行動観察. ・:K−ABC心理・教育アセス. ・脳波やCTスキャン ・その他. ・学習記録・作品. メントバッテリー. ・その他. ・その他. Fig.1実態把握のためのアセスメント 〔森孝一(2003)rLD・ADHD特別支援マニュアル」より改変〕. 林(2002)は、実態把握は、1っの検査や行動観察だけで判断できる. ものではなく、生育暦・医学的診断・心理的検査・学業成績・日常の行. 動観察などいろいろな観点から総合して慎重に判断しなければならない と指摘している。医学的アセスメントは、医療専門家、すなわち医師が. 行うものであり、心理学的アセスメント、教育的アセスメントと総合し て診断を行う。心理学的アセスメントは、子どもの様々な能力や特性、. 心理的な状態をできるだけ客観的に測定し、標準的な基準からどの位の 位置にいるかということを知るために行う。子どもの特定の能力がある. 特定の集団の中でどのような位置にあるのか、また、ある課題をどの程 度習得しているのかなどを知る際にも検査は有効である。しかし、使用 する検査についての知識や実施技術がない場合や、結果を解釈する力が ない場合には、使用を慎まなければならないと今田(2003)は指摘して. いる。そのため、心理学的アセスメントは、教育学や心理学、障害児教 育を学んだ専門家が行うことが多い。教育的アセスメントは、学校にお いて、標準学力検査や行動観察などにより多角的に子どものつまずきを. 探るために行われる。読む、書く、計算するなどすべてにおいてつまず. 7.
(12) くのではなく、「できる」ことと「できない」ことが混在しているのが発. 達障害児であり、学力アセスメントは子どものつまずきや二一ズにおい ての情報を比較的集めやすい領域ということができる。 第4項 アセスメントの問題点. 子どもの認知の偏りや能力上の特性を知るために、WISC−IIIや :K・ABCの心理的検査は有効である。これらの検査は、個人の認知過程の. 特性理解、治療教育という観点からの介入的アプローチのための情報提. 供という診断的役割をもっ(東・上野,1998)。しかし、検査には多大 な時間を費やし、検査者には習熟を要求するという理由から通常学級に 用いられることはほとんどない。. 教師が実施できる学力検査においては、学習能力を測る標準学力検査 は、学年別に問題が分かれており、学年間での子どもの学力レベルを評 価しにくい、やる検査によって内容が一致しない(東・上野,1998)と いう問題が指摘されている。. 一般に心身に何らかの発達上の問題を抱えている子どもの場合、その 問題は「行動」という形で外に現れやすい。したがって子どもが示す行 動を観察することによって、その子の問題の背景をおよそ把握すること. ができる(高山,1998)。しかし、発達障害児の行動上や情緒的、社会 的側面を診断する検査は少なく、観察という方法では漢然としたものに. なりやすい。そこで、何を見ようとしているのかその観察の視点や観察 場所・時間などを明記したチェックリストがあれば効果的であると考え られる。. 第5節 チェックリスト 学級担任が子どもの特性を評価する普段の様子などから問接的にその. 子どもの状態をおさえようとするアセスメントとしてチェックリストが. ある。:LDやADHDのある子どもは、注意や行動面の問題を持つことも 多いため、対象とする子ども自身には負担をかけず、比較的容易に実施. 8.
(13) できるといった点でよく用いられる(海津,2002)。Myklebust(1975) は、教師は子どもたちを集団の中の一人として客観的にみており、教師. のLD児の観察とLDの診断との相関は高いと述べている。 Myklebustは、学習障害児を学校の中からスクリーニングする目的で、. 担任教師によるチェックリストであるPRS(the Pupil Rating Scale−ScreeningforLearningDisabilities)を作成した。これは、1992. 年に森永、隠岐により、日本版PRSとして標準化されている。このPRS によって「聞く、話す、読む、書く、計算する」などの特定の学習能力. の問題や、運動や社会性の遅れによって学習に困難をきたしている問題 について、簡便に測定することが可能となった。しかし、汐田ら(1995). は、PRSの問題点として、①学級担任による記入であるために相対的な. 評価になりやすい、②判断の下限がないためにLD以外の発達障害が含 まれてしまうと指摘している。. 学習に困難を有する子どもの実態把握のために通常学級で行うことの できる学力検査として、海津(2000,2001)の学習領域別つまずきチェ ックリストがある。これらは、「聞く、話す、読む、書く、計算する、推. 論する」の6領域があり、領域ごとに20∼30の質問項目がある。こう したチェックリストは、学力を細部に見ていこうとする観点では有効で. ある。学力アセスメントは子どものつまずきや二一ズにおいて比較的情. 報を集めやすい領域であるが、発達障害の子どもたちは読んだり、書い たり、計算したりといったことすべてにおいてつまずくのではなく、あ る特定のものを習得したり、用いたりすることに困難を示す。また、「注. 意」や「衝動性」、「こだわり」などの認知特性から学習や課題に集中で. きなかったり、学習意欲がもてなかったりすることから学力が低下する. ことも考えられるので、子どもの状態を学力面からだけ捉えていては実 態に十分に迫ることができないと考える。. 子どもの行動や情緒的側面を測るために、Achenbachらが作成した行 動評価尺度には、養育者用の「子どもの行動チェックリストCBCL4・18」. と教師用の「子どもの行動チェックリスト(TRF)」などがある。TRF は、学業成績や生活に関する自由記述と問題行動尺度からなっている。. 9.
(14) 問題行動尺度には113項目の質問項目があり、「まったくまたはよくあ てはまる」、rややまたはしばしぱそうである」、「あたはまらない」の3 件法で評価する。r引きこもり」、r不安・抑うつ」、「社会性の問題」、「思. 考の問題」、r非行的問題」、r攻撃的問題」の8つの症状尺度と2つの上 位尺度である内向尺度と外向尺度から構成されている。. 子どもの情緒や行動の特徴を把握するために有効であるが、項目数が 多いことや「自殺することについて話す」、「セックスのことを考えすぎ る」、「酒を飲んだり、病のためでなく薬を使っている」など通常学級の. 担任では評価できないような項目も見られる。また、専門性が少ない場 合、どのように評価しいてよいのかわかりにくい抽象的な表現が多く、 教師によって評価が変わってしまうことも考えられる。. 第6節 早期診断早期介入の必要性 健常児と障害児のはざまにある子どもたちに対して、これまで教育も. 社会も関心を向けていなかった。思春期になり社会的な不適応をもつよ うになり、改めてこのような子どもたちに気づくようになっていると森 永(2001)は指摘している。幼児期からの子どもの示すサインに気づき、. その特性にあった対応ができていたら、二次的な不適応を起こす子ども は少なくなると予測される。それだけに早期診断早期介入が求められる。. しかし、幼児期に受ける健康診断は発達の全般的な遅れを見ることはで. きても、発達過程や行動の特異性に注目しない限り、健康診断では気づ かれないことが多い(杉山,2003)。. 吉田(2003)は、生まれながらに何かしらのやりにくさをもっていて も、はっきり「障害」と表明されるほど重くない場合、ある程度そのや りにくさをその子なりにコントロールできるため、環境(周りの対処法. や集団構成メンバーなど)によって、その問題が見えなかったり表面化 したりするとしている。また、幼児期に何らかの問題をもっていても、. 発達の個人差や家庭環境の影響と捉えられることが多い。. 小学校に入学すると、幼児期に過ごした集団より大きな集団へ、慣れ 10.
(15) 親しんだ集団から新しい集団へ変化し、指導者も少人数から大人数へ、. 女性の保育士中心から男性の先生も多い集団へと環境が大きく変化する。. 加えて一斉授業が開始し、集団行動が生活の基本となる。そうなると発 達障害をもつ子どもたちは、集団の中で過反応し、学習が十分にできな い、漢字を読み、書けても、文章の理解ができない、計算のみに関心を もち、他の学習に意欲を示さない、遊びのルールが理解できないなど様々 な問題行動を示すようになる。. しかし、小学校の低学年期は、学習内容的にも時間的にも上学年に比 べ比較的ゆったりとしており、個別対応ができやすい時期であるといえ る。こうした問題行動が表出しやすく、しかも個別対応のしやすい低学. 年時に、一人一人の子どもの特性を把握し、それに合った教育的援助法 を計画する必要がある。. 第7節 本研究の目的 心身に何らかの発達上の問題を抱えている子どもの場合、その問題は 「行動」という形で外に現れやすい。しかも、環境が大きく変化し、集 団生活を求められる小学校低学年期には顕著に現れることが考えられる。. 教師自身が発達障害の視点をもち、子どものもつ行動特性に気づくこ とができれば、一人一人に即した指導援助を行うことができると考える。. その特性理解の方法として、対象とする子どもに負担をかけず簡易に行 動を評価できるという利点から「チェックリスト」が有効であると考え られる。. 本研究は、小学校低学年の子どもを対象に、専門性の少ない教師でも. 質問項目の内容が理解しやすく、どの教師が評価しても正確に判断でき る学校生活の中で見られる具体的な行動で評価できるチェックリストを 作成することを目標とし、その信頼性と妥当性を検討するものとする。. 11.
(16) T- frF. ' '-'. '; ・j E.
(17) 第1節目的 予備調査では、通常学級に在籍する「気になる児童」の行動特徴に関 する情報を収集し、軽度発達障害児の行動特性調査の予備項目を作成す る。. 第2節方法 第1項予備調査質問紙 通常学級の低学年を担任する教師に対して、子どもたちの「気になる 行動」に関して尋ねた自由記述アンケートを実施した。この質問紙は、 学級担任から見た「気になる子ども」の行動特徴について、「朝の会」、 「掃除時間」、「給食時間」、「学習時間」等学校生活の流れに沿ってその. 時の具体的な行動内容に関して尋ねたものである。この質問紙調査にお いて質問を軽度発達障害児の行動に限定しなかった理由は、低学年にお いては軽度発達障害児と診断されている児童が少ないこと、診断名にこ. だわらず「気になる行動」から低学年の児童の示す「指導上困難をきた. す行動特徴」を吟味したかったためである。予備調査で集められた情報 を量的、および質的に吟味し、本調査の質問項目を検討するものとする。 フェイスシートでは、記入者の「年齢」、「性別」、「教職経験年数」「障. 害児学級およぴ養護学校勤務の経験の有無」と「担任している学級の規 模」を尋ねた。. 第2項対象 A県中部の小学校33校 通常学級・低学年を担任している教師105名. 第3項 手続き 調査者が質問紙調査の目的と記入に関する説明と教示を対象者に行い、 質問紙を配布して記入後に郵送で回収した。 12.
(18) 第4項 教示 紙面によって、以下の内容の教示を行った。. 担任する学級に軽度発達障害児が在籍する場合、. 「あなたの学級の在籍する発達障害児の指導上困難と感じる行動、場 面や気になる行動、場面がありましたら、学校生活の場面ごとに具体的 にご記入ください。またその行動の原因で思いあたることや現在行って いる指導法をご記入ください。」. 担任する学級に軽度発達障害児が在籍しない場合、 「あなたの学級に在籍する児童で『指導しにくい』『気にかかる』と感. じる児童について、指導上困難と感じる行動、場面や気になる行動、場. 面がありましたら、学校生活の場面ごとに具体的にご記入ください。ま たその行動の原因で思いあたることや現在行っている指導法をご記入く ださい。」(気にかかる児童が何人かいる場合、「行動」に着目していただ. き、同じ場面に違う児童の様子を書き込んでください。). 第3節結果 第1項 予備調査の配布時期・回収結果. 配布時期… 2003年1月上旬∼1月末 回収数 … 74部 (回収率 70.5%). 第2項 予備調査の結果 得られた情報について、完全無回答だった18部を除いた残り56部に ついて、軽度発達障害児と指導上気になる児童に分け分析した。56の回. 答があったうち、診断されている軽度発達障害児を担任しているとの回. 答は18で32%であった。そのうちわけは、LD児4名、ADHD児9 名、高機能自閉症及ぴアスペルガー症候群3名、知的障害児3名であっ た。. 学級担任により観察された自由記述文の中から、エピソードに関する 文章を明らかに内容が重複または類似したと考えられる状況にまとめ、 13.
(19) 軽度発達障害児238個、気になる児童236個抜き出し(1調査者当りの 平均状況記述数:8.5個)、場面ごとに書き出した。. 場面ごとのエピソードの数を軽度発達障害児と気になる児童で比べた. ものをTable1に示した。 軽度発達障害児は対象児の数は少ないものの、気にかかる児童とほぼ同 じ数のエピソードが挙がっており、一人の対象児が多くの問題行動を示 していることが伺える。. Table1場面ごとに得られたエピソード数の比較 生活場面. i響騨ii亀潔’i. 学習場面濯響i鬼潔’…i. Illl灘1㍊ 掃除時間. 4. 出目. その他. 14. 楽. 12. 4. 場面ごとに見てみると、生活場面で担任が「問題行動が多い」と感じ ている場面は障害の有無に関らず「登校時・朝の会」、「給食時間」、「掃. 除時問」が多く、軽度発達障害児は「下校時・帰りの会」が多かった。. 「学校行事」の場面は、軽度発達障害児、気にかかる児童とも少なく必 要のない場面であると思われた。「学習態度」、「対人関係」で得られたエ. ピソードが多く、やはり低学年においては学習面より生活・行動面に問 題が現れやすい傾向にあるのではないかと思われる。. 学習場面では、「国語」の「読む」や「書く」が多く、r算数」は全体 的に少なかった。また、「体育」、「図工」、「音楽」などの技能教科で問題. 行動が多く起こることがわかった。. 次に、障害種別に行動特徴があるのか知るために、Table2のように 14.
(20) その場面でどの障害種の児童が起こした行動か○で示した表を作成し、. 場面ごとにまとめたものがTable4である。 Table2を見ると、r登校時・朝の会」の場面に依存しない「人の話の 途中で口をはさみ最後まで聞かない」、「友達に悪口を言ってけんかにな る」、「話を聞くときの姿勢が悪い」など他の場面でも見られる行動が、. 「登校時・朝の会など」の場面に特異なr朝の準備に時間がかかる」と 一緒に挙げられている。. 髄. 指導上困難と感じる内容. 1覇辮饗灘麟義灘醗. iii罷雛羅菰llllI. 鑓.∞・⋮、︸.慰..一◎㎜.、漁一◎. Table2「登校時・朝の会など』場面に起こる問題行動と障害種別出現行動. 得られたエピソードの数. A=ADHD児、P=PDD児、L=LD児、1=知的障害児. Table3「学習態度」場面に起こる問題行動と障害種別出現行動. 学習態度. i馨難繋i籔叢夢:ll:1・. 鑓ぴ. 指’ 困難と感じる内容. A=ADHD児、P=PDD児、L=LD児、1=知的障害児. 15.
(21) Table4障害種ごとの場面で得られたエピソード数. 生活目 当習 面 登校時・朝の会i1015i l i o i国語読むi3i4i5i2i. …業囎講休憩i4. 国語書く 数概念. 尽 憩 3. 掃.、時間 4 3. 下校時・帰りの会i13i4 当習.度. 計. i譲算讐題ili. i20i12i4ii6ii. ii3ilioiioi. 嵩級活動 ii l i4i l ii2i. 対人 .、. 生活習慣 学校行事 の他. 道. 8 4 ioi. 体育 図工 立楽. ii5i7ioiioi. A=ADHD児、P=PDD児、L=LD児、1=知的障害児. 「学習態度」場面で得られたエピソードの1部をTable3にまとめた。. Table2で得られたエピソードとほぼ同じ「話を聞くことができない」、 「言いたいことを言う」などが挙げられている。他の場面でも同様に「学 習態度」や「対人関係」に関するエピソードが挙げられていることから、. 同じような内容は「学習態度」や「対人関係」にまとめていく必要があ. る。そうして、エピソードを選定し、その「場面」にしかない行動に限 定した項目を作ることにする。. Table4で場面ごとに得られた行動を障害種別に見ると、生活場面で の問題行動が多く、学習場面特に「国語」、「算数」の学習ではあまり行 動の問題は見られなかった。「国語」、「算数」で得られたエピソードの多. くは、「拾い読み」や「文字の形がとれない」など行動面より認知面に関 るエピソードが多かった。今回の調査は、学習上のつまずきから離れて、. 子どもの気にかかる行動から子どもをアセスメントすることに目的があ るので、認知面のみに関るエピソードは除き、項目を作ることにした。 その結果、「国語」では、「よくしゃべるが語彙は少ない」、「何度書き直 しても丁寧に書かない」、「算数」では、「おはじきやブロックを出すとそ. れで遊んでしまう」、「新しい単元に抵抗を示す」など、認知の問題が行. 動として表れている項目にしぼり、低学年で学習する8教科(8場面) 16.
(22) について尋ねた。. 生活場面では、「業問運動・長休憩」と「昼休憩」を作っていたが、エ. ピソードの内容がほとんど同じであったのでまとめて「休憩時間」とし た。また「学校行事」、「生活習慣」、「その他」は得られたエピソード数. が少なく内容も他の場面にまとめられたので3つの場面をなくした。そ. れにより、生活場面7場面、学習場面8場面、合計15場面にしぼり本 調査を行うこととした。. 次に、ADHD児、PDD児(アスベルガー症候群、高機能自閉症など) LD児、知的障害児など通常学級に在籍する可能性のある軽度発達障害. 児の問題行動を「DSM−IVにおけるAD!HDの診断基準」及び既成のチ ェックリスト(「PRS」(森永・隠岐,1992)、「学習領域別スキル別つま ずきチェックリスト」(海津,1997,2000)、「コナーズ」(教師用)、「ア. スペルガー症候群豪州版スケール」(ASAS))の質問項目を、「多動性」、 「意欲」、「注意集中・記憶」、「固着性」、「衝動性」、「集団適応」のカテ. ゴリーに分け分類し、障害ごとの行動特徴を明らかにした(Table 5・1,5−2)。なお、カテゴリーは「:LD STAT ION」というホーム ページで使われていたものを参考にして作成した。. これによると、具体的な学校生活のエピソードが、障害児の示す行動 特徴と一致していることがわかる。さらに、「多動性」、「注意」、「衝動性」. の問題行動はADHD児がよく示し、「固着性」はPDD児が多いことが わかる。そして「意欲」、「集団適応」は両方の障害が行動として表して いることがわかった。. これにより、本調査の質問紙を作成する際、これらの行動特性に偏り がなく、しかも学校生活のさまざまな場面で具体的に現れている行動を. バランスよく配置することを心がけ、1つの場面での質問は5∼7項目 に絞った。また、学校間で差がないように、どの学校でも一般的に行わ れている児童の活動内容であることにも配慮した。. 17.
(23) Table5−1既存のチェックリストとエピソード. 一騒烈祉の. 顛繧鷺撒磯麟鎚議講熟ll嚇蓼繊る1. あ【測する 鷺.,……,.i出烈茄…,. 多動性. し林り姥惹鄙・たにとi朝絵i人備こ・齢・最後矯鵬勘賠’. 無.……….一….一..……,…,…...,。…轄駿iするこ励か胤鞭穂胤て喝. 鰍. 轡熱璽r蕪1i霧慧謙ら遜∼ 少繊嚥磁鑓算糞鴇中力轍≡い『』』』::『『::『『:』』』『『1:II::. 鑑輯詠簾最蕊欝燵雛趨裂塁覆諾議三. 難i繋懸饗lii驚嚢饗雛響㍉ 灘禦墜璽iii鎚lii灘鞭働頸黛爾難1 あきっ1甜く欲のこどこ…・櫛聾鯉蕪難弧勲轍翻司轍掻. 漁聯 il帝り噴署り1訊を融蜘→認の闘購功’. 18.
(24) TabIe5−2既存のチェックリストとエピソード 4一. ンク1ストの内六1 目. 翠できないと. 蹴 ド. 友達翻. 何隻もや. .、... 囎1り込. い. 19.
(25) 第3項本調査質問紙項目の作成 回答項目の中から軽度発達障害の行動特徴と一致している具体的行動 を、学校生活の場面ごとに書き出し、本調査の項目(138項目)を作成 した。さらに、障害児教育に携わった経験のある教師5名と通常学級低. 学年担任経験5年以上の教師3名に、筆者が作成した項目の内容的妥当 性について検討してもらい、120項目に選定した。 学校生活の特性を活かし、対象者が回答しやすいように、「生活場面」、 「学習場面」、「学習態度」、「対人関係・生活習慣」の4つに分け質問を. 構成、それぞれの場面を学校生活の流れに沿って並べた。その場面と質. 問項目数をTable6に示した。. Table6場面分けと質問項目数 大場面. 項目. 小場面. 数. <生活場面>. ・登校時・朝の会など ・給食時間 ・休憩時間 ・掃除時問. ・帰りの会・下校時など. <学習場面>. ・国語 ・算数 ・生活 ・道徳. ・学級活動(お楽しみ活動) ・体育 ・図工. ・音楽. <学習態度>. 7項目 7項目 7項目 7項目 7項目 5項目 4項目 5項目 4項目 5項目 5項目 5項目 5項目 24項目 24項目. <対人関係・生活習慣>. 15場面. 120項目 20.
(26)
(27) 第1節目的 本調査では、通常学級で起こりやすい軽度発達障害児の示す問題行動 を学校生活の場面ごとに分け、予備調査で得られた具体的な表現を活か した質問項目で構成されるr行動チェックリスト」を作成する。そして、. 作成した「行動チェックリスト」の信頼性と妥当性の検討を行う。. 第2節方法 第1項 本調査の作成. 予備調査の分析を元に、15場面120項目の質問紙を作成した。 フェイスシートは、通常学級の担任に対しては、任意に選んだ児童の 「学年」、「性別」を尋ねた。また、担任する学級に「軽度発達障害と診. 断された児童はいるか否か」、「診断されている児童がいる場合の診断名. とそのタイプ」(<ADHDの場合>多動一衝動性優勢型、混合型、不注 意優勢型、わからない・<PDDの場合>高機能自閉症、アスペルガー症 候群、その他). 軽度発達障害児については、1,2年生で軽度発達障害児と診断されて. いる児童は少ないことが予測されることから、現在3∼6年生でも診断 されている軽度発達障害児の低学年の頃にさかのぼって答えていただけ る先生を担任経験者とし、回答を求めることにした。. 軽度発達障害児の担任および担任経験者に対しては、対象児の「現在 の学年」、「性別」、「対象児を担任していた学年」、「診断名とそのタイプ」. を尋ねた。診断名については、1.ADHD、 2.:LD、3.自閉性障害. (PDD)、4.その他 と4タイプに大きく分けて尋ね、ADHDとPDD はそのタイプも前述と同様に尋ねた。 第2項 項目の評定方法. 回答は、質問項目の回答が「ある」、「ない」の2件法で評定してもら った。質問が児童の具体的な行動を聞いているため「ある」、「なし」で 21.
(28) 評価しやすいこと、また質問項目数が多いことから選択肢が多いと回答 者の負担度が大きくなり、正確性に欠ける可能性があること、の理由か ら「ある」、「ない」の評定とした。. 第3項 ADHD RS−W−」の実施. ADHD群に対する健常群を選定するため、ADED RS(Rating Scale)一IV−」(以下ADHD−RSとする)を併せで実施した。ADHD −RSは、気になる子どもに関して医師の診断にかける前に保護者や学 級担任により子どもを評価するための尺度である。このスケールは、. ADHDの診断基準に対応した質問で構成されており、標準化されている。. ADHDの障害特徴である「不注意」と「多動一衝動性」を見る2つの尺 度がある。それぞれの尺度は9項目ずつあり、項目はrないもしくはほ とんどないO点、ときどきある1点、しばしばある2点、非常にしばし. ばある3点」で評価し、18項目で最高54点となる。 第4項 本調査の対象. 本調査質問紙配布の対象は、通常学級1,2年生担任の教師と現在軽 度発達障害児を担任している教師および軽度発達障害児を1,2年生の ときに担任した経験のある教師である。本研究では、軽度発達障害児の. 早期発見、早期対応のための質問紙作りをねらいとしているため、評定. 対象児童を1,2年生に限定して調査を行った。ただし、1,2年生で 軽度発達障害児と診断を受けている児童が少ないことが予想されるので、. 過去に遡って調査を行った。具体的に質問紙を配布した依頼対象およぴ 評定対象は以下の通りである。. 一依頼対象一. 通常学級群:A県小学校160校 通常学級1,2年生の学級担任の教師. 診断群:A県小学校160校全国からランダムに選んだ小学校123校 通常学級1,2年生の学級担当で軽度発達障害児と診断されて 22.
(29) いる児童の担任. 診断されている児童を1,2年生の時に担任していた教師 一評定対象一 通常学級群:無作為に選ぱれた児童. 診断群:通常学級に在籍する診断された軽度発達障害児 第5項 手続き. 対象学校に調査紙を郵送にて送り、調査の目的と記入に関する説明を. 紙面にて行った。また、対象者となる教師にも調査の目的と記入に関す る説明を紙面にて行い、協力を得られた学校で回収後に調査者へ郵送さ れた。. 第6項 教示 1.「行動チェックリスト」:. 一人の児童を思い浮かべてください。 (例)にならって、○をつけてください。. (例)授業中、突然席を立って歩き始める。. 延〉ない. II.ADHD−RS: 対象児の行動を最もよく表す欄にレまたは○を記入して下さい。 第7項 分析対象児. 9月末までに得られたものを集計し、その中で通常学級から任意に選. ばれた1,2年生の男児を「1,2年生男児群」、ADRDの男児を「ADHD 男児群」、PDDの男児を「PDD男児群」とし分析対象とした。. 第8項 AI)HD群と健常群の決定 「1,2年年生男児群」、「ADHD男児群」、「PDD男児群」のサンプル. 群ごとにADHD RSの尺度である「不注意」、「多動一衝動性」の度数 23.
(30) 分布表を作成し、分布の境界点をカットオフポイントに設定した。. 第9項 分析. 項目分析として、健常群とADED群、PDD群で項目ごとにFisher の直接確率値で検定した。次に、3群間のファイ係数を求め、判別性の. 高い項目と低い項目を決定し、3群間のうち少なくとも1つがファイ係 数0.4以上であった項目を次の分析の対象とした。. 項目の内的整合性に関する信頼性の検討のため、階層的クラスター分 析により項目を4カテゴリーに分類し、:Kuder−Richerdsonの公式によ るα係数と点双列相関係数を求め検討を行った。次に、構成概念の妥当. 性を検討するため、カテゴリー間の相関係数を求めた。さらに判別分析 によって判別妥当性の検討を行った。. なお、以上の分析には統計パッケージソフトSPSS11.5」を用いた。. 24.
(31) 第3節結果 第1項 本調査の配布時期. 配布時期:2003年7月中旬∼9月下旬 回収 :A県118校(回収率74%) 全国 31校(回収率25.2%) 第2項 分析対象の決定. 集計の結果、通常学級に在籍する任意に選ばれた児童、AD HD児、. PDD児はTable7−1の対象者であった。通常学級の任意の児童は、出 席番号真ん中の児童を選んだため、回答された男女の人数にはばらつき. があった。ADHIDは文化、地域により違いはあるが、少なく見ても子 どもの3%∼6%に出現しており、3:1の割合で男子に現れることが多. い(ヘンリック,2002)が、本調査ではADHD児の女児は1,2年生. 合計して5名、PDD児も4名と少なかった。また、LD児、知的障害 児、その他の障害を持つ児童は合計21名と少なかった。. ADHD児、PDD児の障害のサブタイプを、Table7・2,7−3に示し た。ADHD児において「多動一衝動性優勢型」が23名と全体の約36% を占めている。これは、「不注意優勢型」の場合は、落ち着きのなさはみ. られず、トラブルも起こさないので、行動上の問題に気づかれてはいて. も、医療機関などでADHDと診断されることは少ないと思われる。 ADHDの症状は、状況依存的なものも多く、注意力を要求される場面が 少ない幼児期には、多動性や衝動性が顕在化しやすい。結果として幼児. 期にADHDと診断される症例は、「多動性一衝動性優位型」が多いとい うことになると考えられる(上林,2003)ためと思われる。本調査で診. 断されたADHDの女児が少なかったのも、同様のことが原因ではない かと思われる。. そこで、通常学級に在籍し任意に選ばれた児童から、特に障害に関す. る診断のない1年生男児67名2年生男児83名を通常学級群、ADHD の男児64名とPDDの男児38名を診断群とし、分析の対象とした。 25.
(32) Table7−1対象児の学年と性別、障害種別の人数. 通常学級 2年 合計. 1年. 子子計 男女合. 67. 83. 150. 51. 39. 90. 118. 122. 240. PDD児. ADHD児 n∠ . 子子計 男女合. 1年 2年 合計. 1年 2年 合計 36 64. 男子 18 20 38. 3 5. 女子 2 2 4. 3. 39 69. 合計 20 22 42 Table7−3 PDD男児のサブタイプ. Table7−2 ADHD男児のサブタイプ サブタイプ. 3. アスペルガー症候群. てー. ︽∠ . わからない. 混合型. 高機能自閉症. 人数 15 . 不注意優勢型. 多動一衝動性優勢型. サブタイプ. 人数. その他. 第3項 ADHD群と健常群の決定 1,2年生男児についてADHD−RSの尺度である「不注意」「多動一 衝動性」それぞれの得点の度数分布表を作成(Fig.2−1,Fig.3−1〉。その. 分布の傾向をみてみると、いずれも0点に偏った分布と6点以降に緩や かな分布が見られた。そこで、2つの分布の境界点(6点)をカットオ フポイントに設定した。 ADHD男児も同様に得点の度数分布を作成す ると、「不注意」(Fig.2−2)「多動一衝動性」(Fig.3−2)ともに5点以下. 26.
(33) の得点の対象者があった。そこで、「不注意」5点以下(63%タイル)「衝. 動性一多動性」5点以下(53%タイル)の1,2年生男子73名を健常群. とし、いずれもが6点以上のADHD男児55名をADHD群とした。. 30. 20 15. 人数. 10. 5. 0. 、. U●O●●OO息 ■O◎●OO 夏●999●99 UoO●O●●9 ●●●●●O. 25. 3 ︿一 カットオフポイント33. 曇. 、. 蓬. ぽ. 012345i678910”12131415161718192021222324252627 =. 得点. Fig,2−11,2年生男子ADHD−Rs「不注意』得点分布. 人. 15 数. 5. 蓬i!蓬 i⋮. 10. ま. ⋮i圭︸ヒi 1﹄i. 20. 一 ミ }. 軌oooo・o﹂ .●●o●●●ケ●●●●●oポ oooo●航 33●. 25. 一→ ↑ カットオフポイント 3 =. 30. 0 .. : = :. 012345=67. 89101112131415161718192021222324252627 得点. 27.
(34) Flg、2−2ADHD男児ADHD−RS「不注意』得点分布. 45. 3 0. 40. 3:. :. 人25. 5 0. 4. ﹄●●O■O. 10. : ……”. 33. 15. 噛. ΩO●OOI. 数20. 3=. 30. U■■O●U. 35. …. こ. 0123456789101112131415161718192021222324252627. 得点. Fig,3−11,2年生男子ADHD−RS「多動一衝動性」得点分布. 33. 45 =. 0. 23. 5. =:. 10. OUgoo豆. 15. =3 ==. 人25 数20. Oooo.﹃. 30. 3=. 35. ‘O●●●○. 40. 〈一カットオフボイント. の ニ. 012345=6789101112131415161718192021222324252627 得点. Fig.3−2ADHD男子ADHD−RS「多動一衝動性」得点分布 28.
(35)
(36) 15.一人遊びが多い。. 図健常群■ADHD群蕊PDD群. 16.特定の友達としか遊ばない。. 100. 17.使ってはいけないとわかっていても使ってし. 80. まう。. 60 %. 18.ルールを守らず、トラブルになる。. 40. 19.危険な場所へ行く。. 20. 20.友達と遊ぶより本を読んですごす。. 0. 21.休憩終わりのチャイムに気づかない。 15 16 17 18 19 20 21. 項目番号. Fig.4−3質問項目へ「ある」と答えた割合 <休憩時間>. □健常群■ADHD群圏PDD群. 22.自分から取り掛からない。. 100. 23.おしゃべりをして掃除をしない。. 80 24.ふざけて雑巾でたたく。. 60 %. 25.指示されないと掃除しない。. 40. 26.掃除場所が変わると混乱する。. 20. 27.用具がうまく使えない。. 0. 22. 28.用具の片づけができない。 23 24 25 26 27 28. 項目番号. Fig.4−4質問項目へ「ある」と答えた割合. <掃除時間>. [コ健常群咀ADHD群團PDD群. 100. 80. 29.連絡ノートの書くのに時間がかかる。. 30.ノートに記入漏れが多い。 31.帰る準備がなかなかできない。. %60 32.配布物など持って帰るのを忘れる。. 40 20. 33.早く帰りたいと訴える。. 34.道草が多い。. 0 35.周囲に注意せず、飛び出す。 29 30 31 32 33 34 35. 項目番号. Fig,4−5質問項目へ「ある」と答えた割合く帰りの会・下校時など>. 30.
(37) □健常群■ADHD群園PDD群 100. 36.よくしゃべるが語彙が少ない。. 37・言いよどむので話が伝わりにくい。. 80. 38.限られた量・パターンの文しか書けない。. 60 %. 39.丁寧に字を書かない。. 40 40.問いかけに対して、ちぐはぐな返事が返って. 20. くる。. 0 36 37 38 39 40. 項目番号. Fig.4−6質問項目へ「ある」と答えた割合. <国語>. 100. 41.おはじきなどで遊んでしまう。. 80. 42.黒板の問題を写すのに時間がかかる。. 60. 43.見直しをしないので、単位などのケアレスミス. %. 40. が多い。. 20. 44.知っていることを言いたくて、前に出てきて言. 0. う。 41 42 43 44. 項目番号. Fig.4−7質問項目への「ある」と答えた割合. <算数>. 100. 45.OOみつけで何をしてよいかわからない。. 80. 46.雨が降っても朝顔に水をやる。. 60. 47.観察カードを書くことを嫌がる。. %. 40. 48.行動がマイペースで、一人で活動している。. 20. 49.校外での活動で目が離せない。. 0 45 46 47 48 49. 項目番号. Fig,4−8質問項目へ「ある」と答えた割合. 31. <生活科>.
(38) 100. 50.教材を提示すると揚げ足取りを始める。. 80. 51.思いや体験をうまく話すことができない。. 60 %. 52.人の立場にたって考えにくく、道徳に興味を. 40. 示さない。 53.感想を話したり、書いたりできない。. 20 0 50 51 52 53 項目番号. Fig.4−9質問項目へ「ある』と答えた割合く道徳>. 園健常群■ADHD群團PDD群 100 54.人の話にロを挟み、最後まで聞くことができ 80 …p…”一… ない。. 60””…”…’…’…”” 55.話し合いで自分の言い分を譲らない。 %. 菊…. 1 合いに興味を示さない・. 1轟且㎜環1二牒籍鑑繍驚する。 54 55 56 57 58. 項目番号. Fig.4−10質問項目へ「ある』と答えた割合 く学級活動>. □健常群■ADHD群園PDD群 100 『一 59,集合などのルールを守らない。 80”…”’”…”冒−一’”…”””…『響…”…””…”……”7 60一列に並んでもすぐ動く。. 60””…”…” ”’””…『曾…”””一一………”r’”−… 61、勝敗にこだわり、ゲームを楽しむことができな %. 40”” ””… ……’”…””…’一…’『曹”” 一’ い。. 20・… 一一一一 一…一一一 一…一一・……一一一 一 62.赤白帽子がきちんとかぶれない。. 63.自分の好きな活動ばかりやりたがり、他の活動 59 60 61 62 63. 項目番号 はなまけ半分でする。. Fig.4−11質問項目へ「ある」と答えた割合 く体育>. 32.
(39) 64.いっも同じ色を使いたがる。. 100. 65.何を描きたいかが決められない。. 80. 66.道具の使い方がぎこちない。. 60. 67.作業の取り掛かり、作品の完成に時間が. %. かかる。. 40. 68.作品の出来具合にこだわらず、早く終わ. 20 0. らせてしまう。 64. 65 66 6ア 68. 項目番号. Fig.4−12質問項目へ「ある』と答えた割合. <図工>. 69.みんなと一緒に歌わない。. 100. 70.急にスイッチが入ったように歌いだす。. 80. 71.鍵盤ハーモニカの弾き方がたどたどしい。. 60 %. 72.関係ないときに音を出す。. 40 20 0. 69 70 フ1 72. 項目番号. Fig.4−13質問項目へ「ある」と答えた割合. □健常群■ADHD群園PDD群. <音楽>. 73.1冊の本をじっくり読めない。. 100. 74.質問が終わらないうちに答えてしまう。. 80. 75。授業中、空想にふける。. 60. ア6.名前の書き忘れなどのミスが多い。. %. 40. 77.新しい単元に抵抗を示す。. 20. 78.課題をやり遂げるのに時間がかかる。. 0. 73 74 75 76 77 78. 項目番号. Fig.4−14質問項目へ「ある」と答えた割合. 33. <学習態度>.
(40) [コ健常群■ADHD群圃PDD群 100. 79.椅子や机をがたがた言わす。. 80. 80.苦手な活動はやりたがらない。. 60. 81.整理整頓が苦手、机が乱雑。. %. 40. 82.授業中、手遊びをする。. 20. 83.興味のあることは一番にやりたがる。. 0. 79 80 81 82 83 84. 84.授業中、他の子の邪魔をする。. 項目番号. Fig.4−15質問項目へ「ある』と答えた割合. <学習態度>. □健常群■ADHD群團PDD群 100. 85.自由な時間何をすればよいのかわからない。. 80. 86.活動に必要なものを失くしてしまう。. 60. 87.何度も書き直しをする。. %. 40. 88.当てるまでしつこく手を挙げる。. 20. 89.机の上の物をよく落とす。. 0. 85 86 87 88 89 90. 90.わからないとやる気をなくす。. 項目番号. Fig.4−16質問項目へrある」と答えた割合く学習態度>. □健常群■ADHD群圏PDD群. 91.後の楽しみのためにがんばれない。. 100. 92、いくつも指示を与えると忘れる。. 80. 93.活動の終わり間際にあわててやる。. 60. 94.別なものに注意が行くとそれまでのことを放り. %. 40. 出す。. 20. 95.話を全部聞かないで、的外れな言動、失敗を. 0. 91 92 93 94 95 96. 項目番号. する。. 96.自習時間、先生がいないとと取り組まない。. Fig.4−17質問項目へ「ある」と答えた割合く学習態度>. 34.
(41) □健常群■ADHD群園PDD群 100. 一 聖. 97.全校朝会などで騒ぐ。. ヒ き. { 98.クラスの友達の名前を覚えられない。. 80. ヒ. 60. 1. 99.人の嫌がることをわざと言う。. %. 40. 100.うそとわかる話を平気でする。. − 9. 20. 1. 0. 97 98 99 100 101 102. 101.友達より教師・大人と関りたがる。 102.思いが通らないとかっとなる。. 項目番号. Fig.4−18質問項目へ「ある」と答えた割合く対人関係・生活習慣>. □健常群■ADHD群團PDD群 103.友達にあおられ悪いことをしてしまう。. 100 80. 104.順番を待つことができない。. 60. 105.物を大切にしない。. %. 40. 106.決まった場所に片づけができない。. 20. 107.班活動で自分勝手に行動する。. 0. 108.自分の思いを伝えられず、けんかになる。. 103 104 105 106 107 108. 項目番号. Fig.4−19質問項目へrある」と答えた割合く対人関係・生活習慣>. □健常群■ADHD群團PDD群 100. 109.周りが他の活動に移っても気づかない。 110.なぜ叱られているかわからない。. 80. 111.机から前に配ったプリントが出てくる。. 60. 112.靴・靴下を脱ぎたがる。. %. 40 113.拾ってきた石や木をロッカーに入れている。. 20. 0. 114.「残って』と声をかけても帰ってしまう。 109 110 111 112 113 !14. 項目番号. Fig.4−20質問項目へ「ある」と答えた割合く対人関係・生活習慣>. 35.
(42) □健常群■ADHD群團PDD群 115.注意されても自分が悪いと認めない。. 100 一. →116・すぐに感舳になる・. 80. 117.うれしさのあまり興奮しすぎる。. 60 %. 40. 118.興奮するととまらなくなる。. 20. 馨19.考えが次々に変わる。. 0 115 116 117 118 119 120. 120.更衣に時間がかかる。. 項目番号. Fig.4−21質問項目へrある』と答えた割合く対人関係・生活習慣>. 次に、各グループで「ある」の割合の高い順に並べたものを、Table8・1. に、低い順に並べたものをTable8・2に示した。 Table8−1「ある」の割合が高い項目. 熔. 蕃 一一一一. lililll墨:i鰹鑛雛謎轍璽II:11』II:二』IIIliillil111二liIIIIlirlillirli. PDD群 92iい(つ協諒を与えると次」酪するか繍う 36. %.
(43) Table8−2「ある』の割合が低い項目. 熔. l i﹃叢iI. 目. %. 132i. 項目82「授業中、鉛筆などの文房具で遊んだり、手遊びをする」のよ. うに健常群もADHD群も「ある」と答えた割合が高い項目や、項目5 「宿題をしてこない」のように健常群もPDD群も低い項目があった。 第5項 項目分析II. 健常群とADED群、健常群とPDD群、ADHD群とPDD群間で「あ る」と「ない」の割合に差があるかどうか、Fisherの直接確率値を求め. 検定した。その結果、全ての項目が0.1%水準で有意であった。これに. より、本調査の質問項目120全ての項目で健常群、ADHD群、PDD群 の回答の差が認められ、健常児とADHD児、PDD児の判別性が高いと いえる。. 次に、各項目について健常群とADHD群、健常群とPDD群、ADHD 群とPDD群をクロス集計し、ファイ係数を求めた。Fig.5にファイ係数. を度数分布で示した。健常群とADHD群、健常群とPDD群は高い値に 正規性の分布の山があり、全体的に判別性が高い項目が多いことが言え. る。しかし、ADHD群とPDD群はほとんどの項目が0.4以下であり、. ADHD群とPDD群を判別できる項目は少ないことがわかった。健常群. とADHD群、健常群とPDD群、ADHD群とPDD群問のファイ係数の うち、少なくとも1つが0.4以上あった項目102項目について以降の分 析を行った。. 37.
(44) ■健常群とADHD群團健常群とPDD群□ADHD群とPDD群 25. 聖. 塞. i. 20 項15. , セ 聖. :. 目. 数10. 聖 ‘ ヒ 一 −. 一 ,. 璽. 齢. 、. 曽 F. 璽 璽. 旨. .譜!ひ.““,詑!♂.譜!も魅.も乳♂.譜∼♂.譜!♂,“♂.諺. ファイ係数 Fig.5ファイ係数の度数分布. 健常群とADHD群、健常群とPDD群、ADHD群とPDD群間のファ イ係数の高かった5項目をTable9・1に、低かった5項目をTable9−2 に示した。項目107「班活動で自分勝手な行動をとり仲間に迷惑をかけ る」、項目72「関係ないときに鍵盤ハーモニカを鳴らしたり、声を出し. たりする」が健常群とADHD群間、健常群とPDD群間とも共通して 高かった。ADHD群と:PDD群間では、ファイ係数の高い項目がほとん どなかった。. Table9−1ファイ係数が高かった項目. 熔. i嘱撒蟹一菰濁愚lli鐡1厳』:1. 38. iフアイ係数.
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