東井義雄の教育観 : 「いのち」の思想と「ビリ」の思想を中心に
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(2) 憩の蓄積への執念を持った。「口蓋垂の働き」の. しい光があり、その光を消さないように、教師. 質問から得た「生かされていること」の発見や. は光に応えてあげる。「通信簿」が子どもを責め. 「夕焼の小便」という児童の「いのち」に触れ. る道具にならないように、次のがんぱり・明日. r生きていることのただごとではなさ」を感じ. への希望がわきたっような評価をするべきであ. るなど、「ひとりひとりのいのちを大事にする教. ると述べ、実践に取り組んだ。東井が述べる子. 育とは、ひとりひとりが、ひとりひとりの大事. どもと教師の関わり方を「人間と人間、いのち. さに目覚め、生まれてきてよかったといえるよ. といのちの信頼によって、子どもを大切にする. うな生涯を、ひとりひとりに切り拓かせる教育」. 教師」と「子どものつぶやきが聞こえる教師」. ということに気付く。. の二つの観点から考察した。いのちふれあう授. 第三章では、東井の特徴的思想の一つである. 業の取り組みとして「ひとりしらべ」をあげて、. 「ビリ」の思想を検討した。彼は「ビリ」の思. 考察した。rひとりしらべ」とは確実で効率の高. 想を「一番はもちろん尊い。しかし、一番より. い、そして授業の本質にかなっているものであ. 尊いビリだってある」と一言で述べる。r私が『ビ. り、rひとりしらべ→分け合い・磨き合い→ひと. リ』を独占しなかったら誰かが、このみじめな. り学習」となり、この「分け合い・磨き合いの. 思いを味わわなければならない。誰かがこのみ. 部分に東井の言う「いのち」の触れ合いが含ま. じめな思いを味わうことなく済んでいるのは、. れている。東井は授業をr子どものいのちを磨. 私がビリを独占しているからだ」「私はみんなの. く仕事」と言う。「いのち」を磨くには子どもの. 役に立っている」と発見し、すべてにおいて優. 感じ方・思い方・考え方・行動を踏み外しては. 劣ではなく、価値があることを見いだしてくこ. 成り立たず、そこに教師のr願い」やr意図」. とこそ教育であると述べる。このような経験か. を含める実践を進めた。. ら東井のrビリ」の思想が生まれた。rビリ」で. 東井の「いのち」の思想の原点でもある「凡. あろうが、周りよりも劣っていようが「いのち」. 聖逆諺斎廻入」r凡人も聖者も逆らう人もけなす. の輝きを放っていることに変わりはない。rビ. 人もひとたび心を回せばみなひとしく救われ. リ」であってもr一人のいのち」r自分は一人の. る」という仏さまの願いのように、どんな子ど. 自分」として必要な存在であると感じてもらい. もであっても、みんな等しく救われる存在であ. たいと願う。同時に「ひとりひとりの個性を大. るという事に通ずる。その先に、教師はそのよ. 切にした教育」を重視するようになり、東井自. うなすべての子どもを受け入れ、自分の人生に. 身もr生きる」ということを教えられた。. 責任を持ち、自分らしい生き方が出来る子ども. 終章では、東井の実践の一つである、通信簿. を育てるという東井の教育観がある。. の改革から子どもの評価の在り方を検討した。. 子ζもの評価を五段階評価の学力重視でのみ見 るのではなく、普段の行動や態度など一人一人 を見つめることが出来る「通信簿」の改革を行 う。それによって、子どもの評価を数字のみで. 主任指導教員 安部崇慶. 見るのではなくて、子ども一人一人にその子ら. 指導教員 安部崇慶. 一g一.
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