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実践的問題解決力を高める教職大学院の実習とリーダーカの育成

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Academic year: 2021

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(1)Title. 実践的問題解決力を高める教職大学院の実習とリーダーカの育成. Author(s). 斉藤, 英昭. Citation. 北海道教育大学大学院高度教職実践専攻研究紀要 : 教職大学院研究紀要 , 1: 47-56. Issue Date. 2011-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/2929. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大学大学院高度教職実践専攻研究紀要 創刊号. 実践的問題解決力を高める教職大学院の実習とリーダーカの育成. 斉 藤 英 昭*. はじめに 教職大学院は、学校の中堅教員に求められる実践的能力、問題解決力等を身に付け、学校現場の諸. 課題の解決に取組む力量をもった教員の養成を目指して開校された。したがって、既存の大学院と違 い、学校現場に根ざしたより実践的な研究を行い、研究課題や研究方法においても実践と理論の統一 を目指している。そのため、実践と研究の足場としての学校(連携協力校)での実習が重要となる。 本院での実習は、学部段階での教育実習とは違い、教員免許状を有し、学校での実践経験のある大. 学院生が、連携協力校の実態に応じて自ら課題を設定し、課題解決の手立てを考えそれを実際に取組 むことで、学校現場での実践的能力や問題解決力等を身に付けること目的とした「実地研究」である。. 1 教職大学院の実習のねらい 教職大学院での「学校における実習」は、単に学部段階における教育実習の延長ではない。実習を. 通じて得た学枚教育活動に関する基礎的な理解の上に、一定程度長期間にわたり、教科指導や生徒指 導、学級経営等の課題や問題に閲し自ら企画・立案した解決策を学校において実験的・実証的に体. 験・経験することにより、自ら学校における課題に主体的に取り組むことのできる資質能力を培うも のである。つまり自ら設定した課題の解決について研修をする「実地研究」である。教職大学院にお ける実習は、明確に高度に専門的な実務実習である。. 2「学校における実習」の目標 【ストレートマスター】. 学校全体の組織・道営の基本について実地体験を通して学ばせ、学校現場に生起する様々な課題に 直面したとき、それが学校全体の機能のどこに位置付けられるかを見極めた上で、課題解決のための 具体的手段を立案して実践できるだけの基礎的力量を形成させる。この様な実習を通して、共通科目 で学ぶ理論と学校現場での実践を関連付けて理解できるようにする。 【現職教員大学院生】. 学校現場に生起する様々な課題に対し、学校の教員組織をまとめて取り組むための「協働遂行力」. を身に付け、常に学校経営の視点から「学校・地域」を視野に収めて具体的な解決策を講じ、それを 研究的視点から検証できる力を伸ばす。. *北海道教育大学教職大学院(大学院教育学研究科高度教職実践専攻)釧路. 47.

(3) 斉 藤 英 昭. 3 実習科目 「学校課題傭腋実習」. (ストレートマスター1年次). 「リーダーカ育成基礎実習I」. (現職教員大学院生1年次) ※レポートによる代替可. 「リーダーカ育成基礎実習¶」. (現職教員大学院生1年次). 「自己課題解決・検証実習」. (ストレートマスター2年次). 「学枚課題解決・検証実習」. (現職教員大学院生2年次). 4 実習の概要(平成22年度) (1)学校課題備R敢実習. 対象. ストレートマスター・1年次l院生数. 実習校の種類. 実. 225時間. ・事前指導. 4回/5月21・28日. ・実 習. 週3日×8週間. (8時間) (180時間). 6月2日∼6月25日. 習. 第1、第2セメスター連続(90時間). の. セミナー. 期. 〈後期〉. 単位数. 附属学校(小学校8人、中学校7人). ・時 間. 〈前期〉. 15人. (12時間). 11月10日∼12月3日. 第3、第4セメスター連続(90時間). 間. セミナー. (12時間). 前期終了後 2回/7月2日(4時間) ・事後指導. 後期終了後 5回/12月10・17日、1月28日(9時間). (∋ 実習科目のねらい・目標 ・学校全体の組織・運営の実態を学ばせ、学校現場が抱える課題が学校全体の機能のどこに位 置付けられるのかを見極めるための基礎を身に付ける。. ・教科指導、生徒指導、教育相談、学級経営、学枚経営に関する共通科目で学ぶ理論を、附属 学校での観察や自分自身の実践に関連付けて理解する。. ・最終的には、現に学校現場に存在する多様な問題に院生が自ら気付き、その中から少なくと も1つの問題を取り上げて、それが学校全体の機能のどこに位置付けられるのかを分析した 上で、具体的解決策を立案する。 (これを2年次の「自己課題」へ発展させる) ② 実習の具体的内容 ア)事前指導. 学校現場に生起する多岐にわたる課題を解決するためには、学校全体あるいは地域も含めた 広い視野から傭匡敢する必要があること、この実習が共通科目で学ぶ理論を実践に関連付ける場. であることを解説し、この実習で用意した4領域にわたる個々の課題についての意義を説明す る。さらに、学校経営の意義とやりがい、魅力について連携協力校の校長等を交えて討論する。. 48. 5.

(4) 実践的問題解決力を高める教職大学院の実習とリーダーカの育成 イ)実習の内容(附属学校). 4つの実習課題を踏まえて、資料収集、調査、観察をして自分の考えをまとめる。 i)「教育課程の編成及び教科等の指導」. ・学校の教育目標のもとに、教科、道徳、特別活動、総合的な学習の時間がどのように位 置付けられ、学校教育法施行規則及び学習指導要領に基づきどのように創意工夫が盛り 込まれているかを調査する。. ・共通科目の履修内容を踏まえながら附属学校の授業を参観し、指導法、学習内容の概略 と進め方、必要な技術・技能・評価法等について学び、「子どもに“わかる”授業を行 うために必要なこと」「子どもに主体的に学んでいけるための力をつけさせるために必 要なこと」について観察をもとに自分の考えをまとめる( 二i)「生徒指導・教育相談」. ・附属学校の生徒指導体制と教育相談体制、活動状況についての資料を収集する。. ・子どもの問題行動、教育相談の事例、保護者とのかかわりに関する過去の事例と学校の 対応について、附属学校や各市の児童福祉施設、病院、家庭裁判所等の関係機関におい. て可能な事例を集め、生徒指導と関係諸機関との連携の在り方について考察する。 ・共通科目の内容に沿って、①発達過程を重視した指導の推進、②個の確立を目指す指導 の推進、③望ましい人間関係の育成の推進、④生徒指導における管理主義の克服、のい ずれかの観点から生徒指導の在り方に関する自分なりの考えをまとめる。 iii)「学級経営」. ・共通科目の「「生きる力」を育む学級・学年経営の実際と課題」において作成する学級. 経営案と、附属学枚の教員が作成した複数の学級経営案を比較検討しながら、附属学枚 の実態を踏まえた自分なりの学級経営案を作成する。. ・第4セメスターの共通科目内容を視野に入れ、「学校の教育目標という全体的な枠組み の中で、各担任の教育観や児童生徒の実態把握に基づいた“個性的部分”をどのように 学級経営に取り入れていくのか」という観点から、配属学級の事例を検討してまとめる。 iv)「学校経営」. ・校務分掌、安全管理体制、学校評価、特別支援教育の体制づくり、学校間・地域との連 携や附属学校の環境を活かした学校づくり等の資料収集を行う。. ・各市における教育研究センター等の目的、活動内容、所蔵している事例や資料等を調査 し、その役割を理解する。 ■「校内遊具の安全管理策」「不審者対策」「避難訓練計画」「学校における特別支援体制. 作り」など、学校経営にかかわる具体的な計画案を作成する。 ウ)セミナー. 実習中の毎週金曜日の6・7講目に、実習生は本院で大学教員の指導のもと、実習目的の明 確化と課題に対する実習へのアドバイスを受けるとともに、週の振り返りと次週の目標などを 明確にする。 エ)事後指導. ・共通科目で学んだ理論と附属学校で観察した実践または自分自身の実践との関連につい て、大学教員のアドバイスのもとに討論し、理論と実践の融合の意義について理解する。. ・附属学校における実習を通して見つけた学校現場に存在する種々の問題から、2年次の実. 49.

(5) 斉 藤 英 昭. 習課題を整理し、解決策を計画する。. (2)リーダーカ育成基礎実習Ⅰ. (∋ 実習科目のねらい・目標. ・リーダーカの基礎となる協働遂行力の育成を図ることを主たるねらいとする。即ち、大学院 生は1つの具体的な実習課題に対して、教師間の協働による組織づくり、あるいは保護者や. 関係機関と連携した組織づくりを行って解決策を実践する。自分はそのリーダーとして活動 し、結果について考察を加えて改善策を提案する。 ・提示されている実習課題のどれを選択したとしても、その課題が教科指導、生徒指導、教育 相談、学級経営、学校経営といった、各領域と何らかの関連をもっていることを実践的に理 解する。 (む 実習の具体的内容 ア)事前指導. ・「教育課程の編成及び教科等の指導」「学級経営」「生徒指導・教育相談」「学校経営」 いう4領域の関連性及びリーダーカの基礎となる協働遂行力について講義と討論を行う( ・上記4領域に関する各院生の実績(実践記録、活動報告書)の内容を発表する。 イ)実習又はレポート作成 ・実習課題又はレポート課題に取り組む。 【実習課題、レポート課題の内容】 i)勤務校の教科・道徳・特別活動・総合的な学習について、それらを学校の教育目標に. どのように位置付けて教育課程を編成しているかを調査し、その上で、勤務校や地域の 実態を踏まえて、教師間の共通理解のもとに協働しながら、創意工夫を盛り込んだ教育 課程編成案を作成する。さらに、教育課程の編成上、学校評価等の学校経営的な視点か ら考えておくべき点についてまとめる。 ii)教科指導に関する校内または学年研修を企画し、その組織運営に関する計画案を作成. して実際に実施する。その後、体制づくりや運営上の課題を明らかにして改善計画案を つくる。 iii)学年または学校、あるいは地域をも含めた行事を1つ取り上げ(例えば地域の伝統芸. 能の継承なども考えられる)、全ての子どもたちが主体的に取り組むための方策につい て具体的に提案し、同僚と協働して実践を行う。その結果を評価して残された問題点を 明らかにしながら改善案を作成する。 iv)勤務校における子どもの問題行動や教育相談の事例、保護者とのかかわりに関する事. 50. と.

(6) 実践的問題解決力を高める教職大学院の実習とリーダーカの育成. 例と学校の対応、児童福祉施設等での事例と対応についての情報を集め、生徒指導・教 育相談体制の充実策について、教師間の連携だけでなく保護者や関係機関との連携を踏 まえて提案する。 Ⅴ)校務分掌、安全管理体制、学校評価、特別支援教育の体制づくり、学校間・地域との 連携や勤務校の環境を活かした学校づくりなどの学校経営上の課題に関する資料収集を 行い、「校内遊具の安全管理策」「不審者対策」「避難訓練計画」「学校における特別支援. 体制作り」などの中から1つの課題を取り上げ、教師間の連携や保護者・関係機関との 連携を踏まえた具体的な計画案を作成する。. ※《レポートでの代替≫. 5年以上の教職経験をもつ現職教員大学院生の場合、それまでの実務経験の中で「協働遂 行力」を発揮しながら、様々な学校課題に取り組んできた実績のある者で、学校課題が、教 科指導、生徒指導、教育相談、学級経営、学校経営の複数の領域から多面的に見る必要があ ることを、すでに実践を通して理解している者がいることが想定される。そこで、実務経験 を通して本実習で求めるリーダーとしての素養が形成されていることが実績報告や実践記録 などから読み取れる場合、「リーダーカ育成基礎実習I」の学校現場での実習部分をレポー. トで代替して単位認定する。ただし、レポートで代替する場合であっても、事前・事後指導. の受講を義務付ける。なお、あくまでもレポートでの代替であることから免除とは異なる。 ※《実習課題をレポートにより代替する場合のレポート課題≫. 以下の2つの課題について事後指導時までにまとめる。. ・事前指導で発表した実践活動の取組みについて、その課題が学校の機能上、どのような観 点から取り組んだものなのかについてまとめ、さらに、別な観点を取り入れての取組みが 可能だと考えられる場合には、その考えについて述べる。 ・教員集団をまとめて協働しながら学校課題に取り組み、成功を収めた事例を調査して報告 する。さらに、自分がリーダーとして協働体制を構築する場合の困難点を指摘し、それを 乗り越える方法について考えられることを述べる。 ウ)事後指導. ・院生各自のレポート発表と討論を行い、成果を共有し合う。 (3)リーダーカ育成基礎実習Ⅱ (∋実習科目のねらい・目標. ・入学時までに絞り込んできた勤務校の学校課題解決に向け、その課題の位置付けを踏まえた 上で、自分の学級での試行的実践や関連する事例収集を行い、それらの結果を踏まえて2年 次の実習で行う課題解決のための計画案を作成する。. ② 実習の具体的内容 ア)事前指導. 各院生は自分の勤務校の学校課題、学年課題、学級課題等と自分の課題との関連や位置付け を発表し、実習の目標を明確にする。. 51.

(7) 斉 藤 英 昭. イ)実習. 2年次に行う「学校課題解決・検証実習」のために勤務校の学級で試行的実践を行ったり、. 他の連携協力校や教育研究センター等での実践例を調査したりする。また、生徒指導等にかか わる課題の場合には、児童福祉施設等の関係諸機関の役割も考慮に入れて、連携内容や体制づ くり等の準備を行う。 ウ)事後指導. 本実習の成果を確認し、2年次に行う「学校課題解決・検証実習」へつなげる具体的方策を 討論して明確な計画案としてまとめる。. (4)自己課題解決・検証実習. (∋ 実習科目のねらい・目標 1年次の実習で作成した自己課題解決策を基に、試行的実践を連携協力校の配属学級(又は学 年)で行なわせ、その実効性について検証させる。この実習を通して、実際に学校現場に生起し. ている課題を自ら見い出し、学校全体における位置付けを見極めて具体的解決策を提案できるだ けの基礎的力量を形成させる。 ② 実習の具体的内容 ア)事前指導. ・院生各自が解決しようとする自己課題とその解決策の計画について発表させ、相互に意見 を述べ合い、さらに大学教員からのアドバイスを行う。 ・上記の議論等を踏まえ、自分の課題解決策の具体的計画を手直しする。 イ)実 習 1年次での実習を通して見つけた学校教育に関する課題について、事前指導を踏まえて大学. 教員や実習校の指導教員の指導の下、また、先輩教員としての現職教員大学院生のアドバイス を受けながら、その大学院生の学級に入って課題解決策の実践と検証を行わせる。. 52.

(8) 実践的問題解決力を高める教職大学院の実習とリーダーカの育成 り)事後指導. ・課題解決策の実践内容及びその結果、検証に対する考察について、発表を行う。これによ. り自分以外の実践についても、その課題と成果について共有し合う。 ・上記を踏まえて、自分の課題解決・検証の結果についてレポートをまとめる。 (5)学校課題解決・検証実習. (∋ 実習科目のねらい・目標. 勤務校の学校課題に対してリーダーカ育成基礎実習Ⅱで作成した解決策をもって、勤務校教師 集団の理解のもとに学校全体で(あるいは学年で)取り組む。大学院生自身はそのリーダーとし て取り組み、実践に対して検証を加える。この検証を通して、自分の実践を理論に照らして振り. 返り、理論と実践の融合の意義を理解するとともに、学校課題解決への実践力とリーダーカを育 成する。 (参 実習の具体的内容 ア)事前指導. ・院生各自は自分の実習課題を提示して大学教員や大学院生と討論し、互いに課題と解決策 の計画を深める。 イ)実 習 ・学校課題を抱えて入学してきた現職教員大学院生は、リーダーカ育成基礎実習Ⅱとこの実. 習の事前指導により自分の課題を焦点化し、その解決策の計画を固めている。その解決策 を勤務校全体又は学年での取り組みに発展させ、その結果を理論に照らして検証する。院 生自身はそのリーダーとして取り組む。 ・院生のキャリアや自分が求める能力に応じて、教頭又は主任等から学校経営上の業務や事 務的処理の実際について指導を受ける。 ・放課後又は夏期休暇中に、各地域にある教育研究センターや教育局等で教員研修等の視察 を行う。. ※この実習は、ストレートマスターの「自己課題解決・検証実習」と同時期に行う。現職教員 大学院生とストレートマスターが同一校で実習を行うようにペアとなった場合であっても2 つの実習のねらいが根本的に異なっており、これら2つの実習を指導する大学教員は、「実. 習ノート」に基づいて両方を明確に区別しながら指導することになる。従って、両実習の独 立性は保たれる。しかも、両院生の課題が近接したものになるように組み合わせるので、両. 者は協力関係を築くことが可能であり、両院生にとっても成果が上がるものと期待される。. 53.

(9) 斉 藤 英 昭 り)事後指導. ・院生各自の実習内容、課題の解決方法等を含むレポート発表と討論を行い、互いに成果を 共有し合う。 ・実習で達成されたこと、残された課題等の発表と今後の課題解決への方策の討論を行いレ ポートとしてまとめる。. 5 指導体制・形態 研究者教員10名、実務家教員11名により、1人の院生に対し実務家教員と研究者教員がペアになっ て実習指導に当たっている。 実習始めと実習中には、担当大学院教員が実習校を訪問し、実習のねらい、方法、学部での実習と. の違い等を説明して理解を得るとともに、院生への実習ノート指導等を実施している。 また、実習への事前指導、事後指導を重視し大学院教員全員で指導に当たっている。さらに、スト レートマスター1年の実習では、実習中の毎週金曜日6・7講目(計24時間)に、実習生は大学にも どり、大学院教員の指導のもと、実習目的の明確化、課題に対する実習へのアドバイスを受けるとと. もに、前週の振り返りと次週の目標、実習全体の振り返りを行っている。 このように、現場で学ぶことを重視するだけではなく、現場で学び捉えた問題や課題を大学院に持 ち帰り、大学院でさらに学び深めて理論づけるなど、実践と理論の往還を大切にしている。. 6 連携協力校と今後の課題 連携協力校は、主に実習にかかわって連携をしている。 平成22年度は、附属学校を含め札幌、旭川、釧路市内を中心に91校を連携協力校としてお願いし、. 年1回連携協力校の連絡会議を開催している。そこでは、教育実習の目標や内容、日程について協議 を行い、教職大学院の実習の目的が達成できるよう共通理解を図る場としている。 《課 題≫. 今後は、院生の実習課題等の内容が多様化していることから、実習をお願いする連携協力校の裾 野を広げるために、校長会、教頭会等の関係を強めていく必要がある。 また、本院として、実習校の依頼だけではなく、連携協力校の学校研究への教職大学院教員の支. 援派遣、生徒指導や特別な支援を要する児童生徒対応への学校支援等を通して、双方向の連携を密 にする必要がある。. 7 道・市町村教委との関係 本院と北海道教育委員会、札幌市・旭川市・釧路市教育委員会において、教職大学院に関する覚書 を締結し、連携協力校に関する事項について連携協力するものとしている。また、連携協力校連絡協. 議会、実習運営協議会に関係教育委員会より参加をいただき、実習についての理解と協力を得ている。 さらに、本院と北海道教育委員会において、北海道地域教育連携協議会を実施し、教職大学院の運 営体制等について意見交換を行っている。また、カリキュラムや教育方法など教職大学院の運営全般. 54.

(10) 実践的問題解決力を高める教職大学院の実習とリーダーカの育成. について協議するため、北海道・札幌市教育委員会との教職大学院連絡会を実施している。. 8 ストレートマスターにおける教育実習の現状と課題 ストレートマスターの1年目は「学校課題傭曜実習」として附属学校で前期・後期の2回の実習を 行っている。4つの視点「教育課程」「生徒指導・教育相談」「学級経営」「学校経営」について、そ れぞれの実習課題を設定して調査・観察を中心に実習を行っている。 《課 題≫. 4つの視点の妥当性の検証、実習の成果を高め、さらに大学院での学びと連動させるための実習 内容、方法の検討を急ぐ必要がある。また、年間を通して1校種のみの実習となっているが、幼、 小、中、高、養護学校等の複数校種の実習も視野に入れたい。. ストレートマスターの2年目は、「自己課題解決・検証実習」として、現職教員大学院生の勤務校 でペアとなって実習を行うことを原則としている。しかし、実際には実習課題が異なること、校種が. 一敦しないこと、勤務校の地理的な条件、さらには現職教員院生とストレートマスターの入学者数の 偏り等々から、本年は1組のペアにとどまった。 《課 題≫. 現職教員とのペアがつくれない現状にあっては、一人ひとりのストレートマスターの実習課題の 内容に適合した新たな実習校を探すことが求められる。3つのキャンパスでは、市内公立学校の教. 育情報を的確に把握して、連携協力校の依頼や選定に意を尽くす必要がある。. 9 現職教員大学院生における教育実習の現状と課題 現職教員大学院生の1年日は、「リー. ダーカ育成基礎実習」の「I」と ■Ⅱ」が設定されている。. 「I」については、申請により実績、面談等により実習代替措置が可能である。この場合、レポー. トにより代替する。「Ⅱ」については、実習の課題を焦点化するための調査活動や試行をする実習で ある。 現職教員大学院生の2年目は、「学校課題解決・検証実習」を設定し、「リーダーカ育成基礎実習Ⅱ」 で焦点化した課題の解決のための取り組みを行う。. 《課 題≫. 学校課題を焦点化し解決の方略を明らかにすることは、なかなか難しいことである。また、学校 課題の質的な差は、実習の質やレポートの質、そして学びの質に及ぶ。さらに、学校の状況により、. 課題の取組みに難易がある。校長を含めて学校の協力体制が不可欠となる。 学校課題解決のねらい、文言について検討をする必要がある。. 55.

(11) 斉 藤 英 昭. 10 評 価 シラバスに示されている到達目標を踏まえ、事前指導での実習課題や実習計画、実習への取組み、 実習ノート、事後指導での実習のまとめ、レポート内容等々をもとに本院担当教員と副担当教員が協 議の卜が総合的に評価している。. 終わりに 開院3年目、「学校における実習」の課題も明らかになってきている。 本院における「実習」という用語が、実情にマッチしていないとの指摘もある。また、実習を現任. 校ですることは、勤務と実習の棲み分けを暖昧にし、結果として現職教員大学院生の勤務と学業の両 面に負担を掛けているとの指摘もある。さらに、学校現場に生起する様々な課題に対し、現職教員大 学院生が自分の学校で勤務しながら学校課題を解決するということは一般的には理解を得にくいとの. 声も耳にする。実習校の協力体制等により実習課題の深化、解決の方策が難しい事態も起きている。 この間、院生の真撃な学びや実習への意欲的な取組みもあり、本院の掲げる実習の所期のねらいは 達せられてきた。しかし、教職大学院としてどのような実習がよりふさわしいのか、また、ストレー トマスターや現職教員大学院生に応じた実習のあり方として何がふさわしいのか、実習によりどのよ うな実践的指導力等を育成するのか等々の総合的な検討の時期にきている。. 56.

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