算数科「問題解決の授業」における「確認問題」の位置付けについて : 「本時の目標」の確実な達成を目指して
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(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第 6 5巻 第 1号 J o u r n a lo fHokkaidoU n i v e r s i t yo fE d u c a t i o n( E d u c a t i o n l Vo . l6 5,No. l. 平成 2 6年 8 月. Augus . t2014. 算数科「問題解決の授業」における「確認問題」の位置付けについて 「本時の目標」の確実な達成を目指して. 早勢裕明. 北海道教育大学割1路校数学教育研究室. TheP o s i t i o n i n go fa" C o n f i r m a t i o nP r o b l e m "i nt h eProblemS o l v i n g TypeL e a r n i n gont h eElementaryS c h o o lMathematics Aimingt oEnsuret h eAchievemento ft h e“TeachingO b j e c t i v e s ". HAYASEH i r o a k i Departmento fMathematicsE d u c a t i o n,K u s h i r oCampus,HokkaidoU n i v e r s i t yo fE d u c a t i o n. 概要 道教委の「算数科の授業の終末においては,児童が自分の進歩を確認して,学習内容を定着 させるための練習の時間を確実に確保する」というメッセージは,誤解された「問題解決の授 業」への警鐘で、ある。本稿では,学習指導要領が求める「算数的活動の充実」を実現する「問 題解決の授業」に「確認問題」を位置付けることで,子どもの「学習内容の確実な定着」を図 ることができると考え,①「教師が本時でねらう考え」に収束させる確認問題,②考えたこと をより一般化する確認問題,③子どもたちの理解の程度をより確かなものにする確認問題,④ 考え方を説明し合う機会をつくる確認問題の 4つのタイプの位置付けを提案する。. これは,算数・数学科において,学習指導要領. 1.はじめに. では戦後一貫して「問題解決」が重視されている. 北海道教育庁が道内の全小学校教員に配付した. 4 5分 ことを踏まえつつも,今日の算数の授業に 1. 「教育課程改善の手引」に,次のような記述がある。. でたった 1題しか取り扱わない冗長で,まとめや. -算数科の授業の終末においては,「振り返り. 練習問題を軽視しているかのような授業」いわゆ. の結果を踏まえ,児童が自分の進歩を確認し. る誤解された「問題解決の授業」が少なからず且. て,学習内容を定着させるための練習の時間. られることを捉え,道教委が発した警鐘と受け止. を確実に確保すること」を大切にしましょう。. めている。. (北海道教育庁, 2 0 1 3 ). 算数科で大切にされてきた「問題解決」は現行. 2 9 3.
(3) 早勢裕明. 学習指導要領では「算数的活動」として,日常的. ①「確認問題」の意義を明らかにする。. に実践することが期待されているものである。(清. ②「確認問題」の位置付けに関するポイントの. 水 , 2 0 1 1 ). いくつかを提案する。. 〔 図 1Jは,日常的に行う算数科「問題解決の 授業」とは,どのような授業かを端的にまとめた ものである。. 3 .研究の方法. 吊引. 一吋色目的捌. ﹁哩 M4. 一 台 国. (問問. 一 一 回 出 )J. ①「確認問題」の意義については,文献等から 先行研究を基に考察する。また,②「確認問題」 の位置付けに関するポイントについては,道内の 小学校における授業研究の実際等から考察する。. ①教師が提示した問題をきっかけに,予想や試行錯誤 を通して子どもが課題を見付ける。 ②個人思考を経た話合いなどによる集団解決を行い, 課題や問題を解決する過程で知識や技能,数学的 な考えんーなど,本時の甘標の達成を図る。 ③千どもの声を生かした本時のまとめがあり,位認問題 や練習問題も行う。 (早勢, 2014). 〔 図 1)算数科の「問題解決の捜業」とは. 4 . なぜ,「確認問題」なのか 「確認問題」という言葉は,北海道教育大学旭 川校の相馬氏とその研究グループが名付けた言葉 である。ここでは,まず「確認問題」とはどのよ うな「問題」なのか,そして,その意義について. そもそも,授業とは「本時の目標の達成のため に行われる教師の意図的・計画的な営み」で、ある。 本時の目標の達成なくして,授業とは言えないは ずである。ならば,どのような評価の観点に対応. 考察する。. ( 1 ). r 確認問題」とは 「確認問題」に関して,次のような研究から知. 見を得ることができる。(下線は筆者). した本時の目標であっても,たった 1題でその達. ・これまでは,とかく新しい知識や技能を指導. 成が図られるとは考えづらいのではないだろう. した後は,まず教科書で確認して,すぐに練. か 。. 習問題を通して自力解決させることが多かっ. ただ,「関心・意欲・態度」の観点については,. た。しかし,本当に理解できているかどうか. I題だけでも,子どもに「もっと他にもないだろ. を集団解決する中で確認することが大切であ. うか?J とか「こんなことも考えてみたい!J な. る 。. どの新たな聞いを,授業の終末で生じさせる授業 ができるかもしれない。 本稿では,「本時の目標」が「知識・理解」や「技. 0 1 0 ) (谷地元, 2. -指導内容が子どもに身に付いているかどうか を確かめ(確認問題),繰り返し(練習問題)指 導する。評価の観点が「知識・理解」である. 能 J, i数学的な考え方」の評価の観点に対応する. なら図や数や式の仕組みゃ意味を,「技能」. 日常の授業について,その達成が確かなものとな. なら計算の仕方などを,「数学的な考え方」. るような「確認問題」を位置付けることについて. なら根拠を示しながら説明するなど,何を確. 提案したい。なお,「技能」の習熟については, 4 5. 認するかを明確にしていく。(新町小, 2 0 1 2 ). 分間だけでは,現実的に難しいことから,今回は 考察の対象としない。. これらから,「確認問題」は,教師にとっては「本 時の目標」で教師がねらう知識や技能,数学的な 考え方が子どもたちに身に付いたかどうかを確か. 2 .研究の目的 本稿の目的は,次の 2点である。. 294. める問題と言えそうである。 しかし,次ページ〔図 2Jのように「確認問題」 を位置付けた授業を参観したこともある。この授.
(4) 算数科「問題解決の授業」における「確認問題」の位置付けについて. 一台+す二千. 〔 図 3Jのように捉えたい。 正しいかっと同語). 子どもにとつで 本時に自分やみんなで考えてきたことを試したり, 確かめたりするための問題. →学級の全員が「正しくない」と千回占 説明しよう〈. 題. ① A子小数に直して計算,. 本時の目標が達成されたか,子どもの考え方を 確かめたり,目標の達成に向けて子どもの J さ え を収束させたりするための問題 教師にとって. 分数にもどす. o .5+0.4=0.9. O .9=9/10 ② B男面積凶で, 9/10 ③ C子数直線で, 9/10 ④ D男 通 分 し て 5/10+4/10=9/10. ー題試してみよう → →. す+÷決意局長. 「あれつ 1/3はO .333・ ・ ・ だ 」 「通分だとできるよ」. どう?. 〔 図 3) 本稿での「確認問題」の捉え. ( 2 ). 1"本時の目標」の確実な達成のために. ①. 「問題解決の授業」を基本として 本時の目標が,「正三角形や二等辺三角形を弁. 「通分する」といいんだ!. → 教科書でも確認してみよう。. 別し説明できる」というような「知識・理解」で も,「わり算の筆算の仕方を説明できる」という ような「技能」でも,授業ではみんなで考えるこ とを通して「知識・理解」や「技能」の目標に到. 〔 図 2)r 確認問題」を位置付けた授業例(早勢, 2014). 達するはずである。 そのため,「算数的活動の充実」に直結すると. 業では,教師のねらう「通分を用いた考え方」に. 言える「問題解決の授業」を日常的に行うことで,. 子どもたちが向かうよう,集団解決で幾つかの考. 「考える力と知識・技能をバランスよく同時に定. え方を取り上げて検討した後,「小数に甫して計. 着させていくこと J (相馬, 2008)ができるのであ. 算する考え」では解決できない「確認問題」を通. る。(早勢, 2 0 1 3 ). して,必然性を感じつつ「まとめ」にいたる授業. ②. 展開を構想している。「確認問題」は,子どもた. テεユーイの思考,判断,理解,知識の考えを よりどころに. ちの「本時の目標」への到達状況を確認するとと. 「考える力と知識・技能を同時に」にかかわっ. もに,到達しきれていない子どもを「本時の目標」. て,思考や判断,そして,理解や知識についての. の達成へと後押しする問題とも言えそうである。. デューイの考えをよりどころにしたい。. 一方,子どもにとっての「確認問題」は,本時. デユーイは「判断」について,次のように捉え. の授業で教師が提示した「問題」をきっかけとし. ている。なお,引用丈中の「推理とは思考全体の. て,個人思考や集団解決を経て,自分やみんなで. 9 4 7 ) 論理的はたらきである帰納と演鐸 J (永野, 1. 考えたことや学んだことを確かめたり,試したり. のことであり,算数における「筋道を立てて考え. する問題ということができる。. るJ (思考)と同様に捉えたい。(下線は筆者). 「確認問題」は,本時の「問題」や「課題」を. 普通論理学では,推理は判断の集合である. 自力で、教師がねらう考え方による解決ができた子. という。ただし,ここにいう判断は形式論理. どもにとっては,自分の考え方を「確かめる問題」. 学でいう命題と一体であるところの判断より. となる。また,自力では解決できなかったが,み. は遥かに広い意味である。私らが日常の言葉. んなで考える集団解決の段階で解決の仕方を学ん. で判断するというときの意味の判断でそれは. だ子どもにとっても,自分の学びを「試し,確か. ある。(中略)判断はそうした推理の小さい. める問題」になるのである。. 1かけらとも見られてよかろう。(中略) 1 " 推. ここまでの考察から,本稿では「確認問題」を. 理の流れは部分的な試見的な諸判断を通じて. 2 9 5.
(5) 早勢裕明. 進む J (中略)判断はいわば推理の諸単位であ. うか。そして,意味の内包と外延を共に行う集団. る。(永野, 1 9 4 7 ). 思考によって「知識」になっていくのである。 デューイは「思考は意味を求めようとして起こ. 算数における「思考」は,「判断」を単位とし てその連続によって進められると考えられる。「問. り,その意味をえて満足するものである J (永野,. 題解決の授業」は,子どもが主体的に考えつづけ. 1 9 4 7 ) とも捉えている。個人や集団による判断や. るのであるから,子どもが判断する場面がないと. 思考が確かな意味をつかむことにつながり,「矢口. いうことは考えられないはずである。そして,「判. i 哉」となっていくのである。 このように見てくると,子どもが自分事として. 断もたびたびくりかえされてくればその結果は自 然に論理的な概念となってその確実さをます J( 永. 考え,みんなで考えつづける「問題解決の授業」. 9 4 7 )のである。 野 , 1. が「知識・理解」の定着に好影響を与えないとは. また,デューイは「概念」について,次のよう. 考えづらいのではないだろうか。 まさに,「考える力と知識・技能をバランスよ. に捉えている。(下線は筆者) 明確な意味が概念である。(永野, 1 9 4 7 ). く同時に」定着させることにつながるのである。 さらに,平成 1 0 年告示小学校学習指導要領解説. 概念はその諸成分の故に一般的であるので はなく,その一般的に適用されるの故に一般. 算数編には,次のような記述がある。. 的なのである。(中略)得られた意味はのち. 算数の問題を解決するときには,これまで. の了解 ( u n d e r s t a n d i n g ),のちの経験の道. 身に付けた数量や図形についての知識や考え. 具となる。すなわちその意味は他の諸経験に. 方を生かすことはできないかと,内容の関連. も一般的に適用される。この故を以て概念は. を調べたり,試行錯誤をしたりすることもで. 一般的なのである。(永野, 1 9 4 7 ). きる。. すなわち,判断の繰り返しが概念である明確な. 根拠となることを明らかにしながら,筋道. 意味となるのである。そして,それは適用される. を立てて説明することができれば,自分にも. ことによって一般的になるのである。さらに,. よく分かるし,一緒に学び合う友達にもよく. デューイは「意味」について,次のように捉えて. 分かつてもらえるようになる。(文部科学省,. いる。(下線は筆者). 1 9 9 9, p . 8 ). これらのことから,「問題解決の授業」に「確. 意味をつかむとことはすなわち了解するこ 9 4 7 ) とである. (永野, 1. 意味の内包をのべるものは定義である。外. 認問題」を位置付けることにかかわり,先に示し た,谷地元氏の「本当に理解できているかどうか. 延はその意味の適用である。外延をあきらか. を集団解決する中で確認することが大切である」. に示すものは区分(あるいは分類)である。. という言葉を訪僻とさせ,「確認問題」の果たす. そこで,定義と区分とは同じ 1つの意味, すなわち概念,についてなされる定明の 2つ の道である。(中略)内包と外延,定義と区. 役割の大きさを感じずにはいられない。 ③. 「本時の目標」と正対した「確認問題」を 毎時間の授業には「本時の目標」と「評価の観. 分が共に行われればはっきりとした意味とそ. 点」が明確にされ,みんなで考えることを通して,. の意味のかかわる諸特殊物とが 1つに結んで. その達成をねらうことが焦点化されている。. 知識の組織ができる。(永野, 1 9 4 7 ) 算数の授業における判断の繰り返しは,まさに,. 従って,「本時の目標」と「確認問題」を正対 させて位置付けることは,極めて重要になる。. 個人思考であり,学級全体での集団思考でもある。. 相馬氏は,「目標と評価の一体イヒ」として,「本. 主体的に考えつづける「問題解決の授業」は確か. 時の目標の達成をみる評価問題を」と述べ,次ペー. な意味の理解につながると考えられはしないだろ. 0 0 4 ) ジ〔表1]のように例を示している。(相馬, 2. 2 9 6.
(6) 算数科「問題解決の授業」における「確認問題」の位置付けについて. ) i本時の目標」と「評価(練習)問題」の正対の例 〔 表1 本時の目標 ア 三平方の定理に興味・. 関心をもっ. →. O. イ 三平方の定理を見いだ →. すことができる。. 評価(練習)問題 学んだ感想や興味をもった 事柄を書かせる。. 「早く解ける方法はどれ?J i簡単に解ける 方 法 は ど れ ?J i正 確 に と れ る の は ど れ ?J と子どもに発問しでも,それぞれの子どもは. 図の数値を変えた場合につ いて同様に考えさせる。. 個人思考において,自分の考えた方法や解き 方でしか取り組んでいないため,どれが一番. ウ. 三平方の定理の意味を 理解する。. →. どのような定理なのか説明 させる。. エ 三平方の定理が証明で きることを知る。. →. 他の証明を見せて,これも 証明になっているかを問う。. オ 三平方の定理を証明す → 証明(または証明の方針). ることができる。. かわせていかなければならない。その時に,. を記述させる。. よいのか分からない,また実感できない場合 がある。そこで,次の目的を明確にして確認 問題に取り組ませることで学習内容の確かな 定着を図っていきたいと考えた。. 相馬氏は,「授業の最後に行う練習は,生徒に とっては定着のためのものであるが,教師にとっ ては評価問題にもなっている」とも記している。 これは,「確認問題」にも同様に当てはまる。先 に示した〔図 3Jのように,子どもにとっては,. ( ア ). iこの考え方・方法が一番いい」と実. 感できるために確認させる。. げ) 本時の課題に向けて,一般化させるた めに確認させる。. 試しゃ確かめの問題であるが,教師にとっては本. 「本時の課題」は「本時の目標」を子どもの立. 時の目標の達成状況を確認する問題だからであ. 場に立って翻訳したものと捉えることができる. る。確認するのは「本時の目標」の達成状況なの. が,「一般化を図ること」も「一番いい考え方を. だから,「確認問題」と「本時の目標」の正対が. 実感させること」も「教師の意図する考え方に向. 不可欠であることは言うまでもない。. かわせ収束すること」と言い換えることができそ. ( 3 ). うである。そして,その教師の意図は,子どもの. i 確認問題」のねらい. これまでの考察を踏まえ,「確認問題」を位置 付けることのねらいについてまとめていきたい。 旭川市立新町小学校では,算数の 1単位時間の 学習過程を「新町スタイル」として,. c 表 2Jの. ように設定している。(新町小学校, 2 0 1 2 ) 〔 表 2) i確認問題」を位置付けた本時の学習過程 課題確認 (7分) 課題追究・解決 ( 2 3分) 確かな定着 ( 1 5分). 1 ( 1 ) 問題把握 1-(2) 予想 1-(3) 課 題 確 認 2( 1 ) 個人思考 2-(2) 集 団 解 決 3( 1 ) 確認問題 3-(2) まとめ 3-(3) 練 習 問 題. また,「確認問題」の目的として,次のように 考え実践研究を進めている。(新町小学校, 2 0 1 4 .. 下線は筆者). 「学習内容の確かな定着」であり,とりもなおさ ず「本時の目標の達成」である。 なぜ,「確認問題」を「問題解決の授業」に位 置付けるかについては,. c 図4 J のように教師に. とっての「本時の目標の確実な達成のため J,子 どもにとっての「学習内容の確かな定着」のため と言うことができる。. 「本時の目標j の確実な達成=学習内容の確かな定着│. 子ど、もにとって 本時に自分やみんなで考えてきたことを試したり, 確かめたりするための問題. 本時の目標が達成されたか,了どもの考え方を 維かめたり,片原の達成に向けてチどもの考え を収束させたりするための問題 教師にとって 〔 図 4) i確認問題」を位置付けるねらい. 集団解決において出された,いくつかの解 き方や考え方を本時の課題に沿って収束に向. 297.
(7) 早勢裕明. 5 .r 確認問題」の位置付けに関するポイン卜. 要は,「本時の目標」で「目標を達成した子ど もの姿」を具体的にし,その達成状況を確認する. では,「確認問題」をどのように作成し,どの. には,どのような問題を投げかければよいかとい. ように本時の授業に位置付けていけばよいのだろ. うことである。勿論,教科書の糠習問題から,ま. うか。いくつかのポイントについて考察する。. ず 1題を「確認問題」として提示し,残りを「練. r 確認問題」の工夫. ( 1 ). 習問題」にする場合も大いに考えられる。. 「確認問題」をどのようにつくるかということ. 新町小学校では,どのような「確認問題」にす. については,前掲〔表 1Jの視点を参考に工夫,. るかを考える場合,「短時間で解決できる問題」. 作成したい。. を先に示した, (ア) 1"この考え方・方法が一番い い」と実感できるために確認, (イ)本時の課題に. 〔 表 3) i確認問題」の作成の視点 本時の目標. a. 評価(練習)問題. ~を見いだすこと. ができる[考]. b. ~考え方を説明で. きる[考] C. の意味を説明で きる[知・理]. d. ~の仕方を説明で. きる[知・理 J[技] E. →凶や数値が違う場台についても見 いだせるか問い,説明させる。 →類似あるいは異なる場合について も考え方が使えるか説明させる。 →どのような意味なのか説明させる。 →計算や作凶の仕方について,手続 きを意味と関連付けて説明させる。. をかくことがで →去やグラフ,図がかけ,そのかき 方を説明させる。 きる[技 J[知・理] の計算ができる [技]. 〔 表 3Jは ,. →立式や計算(筆算)ができ,その 式や計算でよいことを説明させる。. c 表 1Jを参考に,算数の授業に. よく見られる「本時の目標」の丈末に注目して解 釈を加え,「確認問題」をつくる視点を示したも. 向けて一般化させるために確認,の目的に照らし 表4 J て検討しながら決定している。具体的には, c のように,. 2つの内容の「確認問題」を工夫して. 0 1 2 ) いる。(新町小学校, 2 〔 表 4) 新町小学校の「確認問題」の工夫の視点 A 本時の間題に近い内容の確認問題 確認問題において,集団解決で収束させた考え方を使って 全員ができるようにさせる問題。 →子ども iょうし,確かめてみるぞ!J →子どもあの方法でやれば,自分もできるはず!J. B. まとめ(一般化)に向かえる内容の確認問題. 本時の問題を解決しただけでは本時の課題をまとめて一般 化できない時,確認問題も含めてまとめをするための内容, Aと比べて時間もかかり,難易度も高くなる場合が多い。 →了ども:i今日の問題で本当に課題は解決したのかな?J → 教 師 iでは,この問題で確かめて(試して)みよう。」. のである。 「知識・理解」や,計算の仕方や意味の「技能」. ( 2 ). 1"確認問題」の位置付けのタイプ. に関する「本時の目標」の授業では,教師がねら. これまで多くの算数の授業を参観して,どのよ. う考え方や理解について「説明させる」というこ. うなねらいで「確認問題」を位置付けるかについ. とが必要である。「単なる穴埋め問題」や「正し. て,私は次ページ〔表 5Jのように大きく 4つの. いものを選択させるた、けの問題J,1"計算結果だけ. タイプがあると捉えている。. を確認する問題」では,「本時の目標」の達成を. これらのタイプは,どのような「確認問題」に. 確認するには不十分だからである。勿論,「数学. J の視点とも関連すると考 するかと考える〔表 4. 的な考え方」に関する「本時の目標」の授業では,. えられる。. 「説明させる」ことは不可欠である。 いずれにしても,「確認問題」は,終末段階や. J の確認問題としては,③・④の 視点 A C表 4 タイプ〔表 5Jで位置付けられている授業が多い. 集団解決の後段で取り扱うことになるため,学級. ようである。ただ,実際の授業では,必ずしも,. 全体で「みんなで、確認する」時間の十分な確保が. 哩 語 唾 → 直 玩 のj I } 貢序では展開していない. 厳しい状況も想定される。そのような場合は,状. ようにも思える。集団解決で「収束させた考え方」. 況に応じて「ベアで確認させる」ことも有効であ. が明確になるときは,その段階で「まとめ」がで. ると考えている。. きてしまうこともあるからである。そのような場. 2 9 8.
(8) 算数科「問題解決の授業」における「確認問題」の位置付けについて. 〔 表 4Jの視点と〔表 5Jのタイプの関連を考. 〔 表5 J i確認問題」の位置付けのタイプ ①. 多様な考えを「教師が本時でねらう考え」に収束させる 確認問題 │確認問題同亙王劃→│練習問題│ 例) 4年「変わり方」などで,教師は「口の式」をねらっ ていても,子どもが「表」などにこだわるときでは, 1 0 0 段円はフ」と問いかけて試させることを通して,口 の式」のよさを実感させて「まとめ」た後,教科書等 の練習問題に進む。. ②. な達成を目指して,柔軟に授業を展開したいと考 える。 〔 表 6JI 確認問題」の作成のために. H 1. 子どもたちの理解の程度をより確かなものにする確認問 題 直面→│確認問題 練習問題│. H. 例) 1年 i3II のたし算」などで, 3+2+5の式の意味 の理解を図り,まとめ」をした後,教科書の練習問 題の 1題を「確認問題」として刷いて '4+3+1の 式になるお話をつくろう」と式の意味理解を確かめ, その後,教科書の練習問題に進む。 ④. きる。この〔表 6Jを基に「本時の目標」の確実. 1つの図形や場面で考えたことをより一般的にする確認 問題 │確認問題 亙王証→│練習問題│ 例) 5年「四角形の内角の和」などで 1つの四角形につ 6 0 ' を見いだすが,どんな阿角 いてみんなで考えて 3 形も 3 6 0 " なのだろうか?J と投げかけ「自分で好き な四角形をかいて確かめてみよう」とした後,どれ も3 6 0 " J と実感を伴って「まとめ J,練習問題等に進 む 。. ③. え合わせると〔表 6Jのようにまとめることがで. 考え方を説明し合う機会をつくる確認問題 確認問題同│練習問題│ 直 亙 劃 →1 例) 6年「分数のわり算」などで,比例数直線を用いた立 式の仕方を考え,まとめ」をした後,追う場面や数 値の「確認問題」を通して考え方を説明し台うことで 「数学的な考え方」を確かめ,教科書等の練習問題に 進む。. ③. 子どもたちの理解の程度をより 確かなものにする確認問題の位置 付け. ④. 考え方を説明し合う機会をつく る確認問題の位置付け. ①. 多様な考えを「教師が本時でね らう考え」に収束させる確認問題 の位置付け. ②. 1つの図形や場面で考えたこと をより一般的にする確認問題の位 置付け. A. ::$:時の問題に近い 内容の確認調題. 8 まとめ(一般イ七) に向かえる内容の確 認問題. ( 3 ). i 確認問題」と「まとめ」の順序について. ( 2 )で「確認問題」と「まとめ」の順序について,. あくまでも「本時の目標の確実な達成」と「授業 中の子どもの実態や反応」に応じて,柔軟に考え たいと述べた。 指導過程や学習過程は各学校の校内研究等にお. 合には,直也→直垂垂の順になる。「まと. いて,その基本形が設定されるが,これは,あく. め」の後に,. までも「基本形」である。型に縛られては本末転. 1題「試してみよう」や「確かめて. みよう」と「確認問題」に取り組ませ,全体で確 認する。そして,「もっと練習してみよう」とす る展開も,決して不自然ではないと考えられる。. 倒になってしまうことに留意したい。 勿論,「確認問題」を位置付けた「問題解決の 授業」の指導過程(学習過程)としては,新町小. 表 4J の確認問題としては,①また,視点 B C. 学校のものを基本としたいと考えている。このこ. ②のタイプ〔表 5Jで位置付けられていることが. とにかかわって,次ページの算数科教科書の 2年. 多い。このタイプについては,唾元電→. 上から 6年上の巻末に掲載されている「算数ノー. 直 ー の1 1 1 f t序での展開が自然であると考えられ. トをつくろう」という資料〔図 5JC図 6Jが参. る。「集団解決」でいくつかの考えが出された後,. 考にできると考えている。. 教師が一方的に「まとめ」ることや,子どもが話. どちらのノートにも,右ページの中ほどに,「た. し合いとの関連を感じないまま,形式的に教師が. めしてみよう」という記述がある。ノートをよく. 「教科書を読みましょう」などと「まとめ」るこ. 見ていくと,「解決 1J 1解決 ZJ という個人思考. との危険性を軽減できるからである。「いろいろ. や 100さん」という集団思考の後に,この「た. 1題,試してみよう」と「確. めしてみよう」という「確認問題」があることが. 認問題」をさせれば,「どうでした?J と子ども. 分かる。この教科書がイメージしている算数の授. に問うことで,教師のねらう「まとめ」に自然と. 業には「確認問題」が位置付けられているものと. つながるからである。. 考えられるのである。「ためしてみよう」の後に. な考えが出たけど,. 2 9 9.
(9) 早勢裕明. く. 式含守??. ' 1 ) キ ぐ 宇 野 7 ). 、. ピんなれつ鷺ても. 4語ザ戦 L~ 取\11'. 〔 図 5J6学年「算数ノートをつくろう」 ・抜粋(円本丈教出版, 2 0 1 1 -1). くあやのきん〉 管問、T 婚して、. 1 ). 併予約弔ぺ毒事 L't,殺方号事~ 0;変究明弘. 4認fJ滋ま宮. 予 いる設怒れは変死きねば¥制す扮毒患時多め. て 昨 季 { I((ろう君、修. ぇ終決之子 立つ的蕊断沌 1 : 1 . 1 ペ婚して 教常戦¥, N. 諸制 1 : t > .. I 級 協 1,蜘判 ガ'!~えはも ν母、みと め玲吃う r~'な跡. (",\ヰ仇除機告倒的役15符~ f ? : < Q 吟. 呼ゆ刊号. 捧 虻. ! 'C'A>抑制1 ぎ を し て j 畿 税 制¥ t ' , うまく. 滋務 5採ら総童会. い〈寺、教えたもも合. 〔 図 6J5学年「算数ノートをつくろう」 ・抜粋(日本文教出版, 2 0 1 1 -2). 3 0 0.
(10) 算数科「問題解決の授業」における「確認問題」の位置付けについて. は「学びのあしあと」という「まとめ J,そして「練. 正の仕方を考える授業の概要である。前時には仮. 習」があり,「確認問題」→「まとめ」→「練習. 商修正無しの数値について,商を見積もる際に「除. 問題」の流れが確認できる。文部科学省検定済教. 数と被除数のーの位の切り捨て J,1"除数,被乗数. 科書のこの記述を受け止めつつ,「確認問題」→「ま. のーの位を四捨五入 J,1"除数のみ四捨五入」の考. とめ」→「練習問題」の順序を基本として,柔軟. え方を扱っている。. に授業を展開することが大切と考えるのである。 なお, [ 図 5J の「ためしてみよう(確認問題) J. この授業の「本時の目標」でねらっている教師 の意図は,「商を立てるときには 1回でうまく見. は,「分数のわり算の仕方」について,集団解決. 積もる方法はなく,そのときは修正すればよい」. までに出されたいくつかの考えを,「確認問題」. ということを,子どもたちに確実に理解させたい. を通して教師の意図する考え方で確認している。. というものであろう。. これは, [ 表 6Jの A③,④,あるいは, B②の. 勿論,この理解を教師の説明で図ろうとは考え. 位置付けと考えられる。 また, [ 図 6Jの方は,「底辺 6cm,高さ 4cmの 平行四辺形の面積の求め方」を個人思考や集団解 決を経てみんなで考えたことが,「底辺 7cm,高 さ 4cmJ という平行四辺形でも適用できるか,「ど んな平行四辺形でも使えるだろうか」という間い. -本時の目標 除法に関して成り立つ性質を基に,筆算の 仮商が妥当であるかを判断したり,仮商を修正したりする方. 5 / 1 6 ) [・.教叩, 0:了ども〕 法について考え説明できる。 ( 問題. r 8 7個の積があります。 2 8個ずつ分けると,何人に分けら. │ A i │ │ B」 │. れますか」をAさんと Bさん l 土筆算で考えています。. 2 8 )8 7 II. で確認している。これは, [ 表 6Jの B②,ある いは,. A③,④の位置付けと考えられる。. このように見てくると,「確認問題」の位置付. 表 6Jのそれぞれのタイプのどれか 1つ けが, [ 限定されるというよりは,いくつかのタイプが混 在して「確認問題」が位置付けられると考えるこ とが実際的である。 また,「確認問題」の呼称についても,授業展 開に応じて「試してみよう」であったり,「確か. 課題. 商を見積もるときは,どのように考えればいいのだろう?. OA は,わる数を阿捨七入して商を見積もってる OB は,両方の数を阿捨五入して考えてる。. O. 。両方の数を阿捨五入すればし、し、! ・両方四拾五入がいいんだね。 1 題,確かめてみよう。. bbr. 引は恥げい. 方. のれ[. えな① 考は B. hぃーし、ー. どけ たなる. さど勺 出修し. にをに. 一斗. 時商値 リ問仮数. 確認問題一一ー. 一QU. いと思うのである。. 013だと,あまりは 3でO Kだから,正しいの 。確かめ算をしてもわかるよ。 • Bがi正しいんだね。 とし、うことは,. ワμ. ての「試し問題」や「確かめ問題」があってもよ. oAO)筆算をしてし、くと,あまりが 31で多すぎ。. 4. て自然であり現実的と考える。「確認問題」とし. どちらが正しいでしょうか。. 民. めてみよう」で、あったりすることが,子どもにとっ. 2 8 )8 7. 。両方四拾五入でベコると,商が 4で,大きすぎ、るよ。. O 切り捨てても,商が 4で計算すると引けなくなる。 O でも,大きすぎたら 1減らして 3にすればできるよ。 。どんな方式でも,多すぎたら 1減らせばいいだけだ. 6 . 1"確認問題」を位置付けた授業実践の事例 次に,「確認問題」を位置付けた「問題解決の. 0. ・どんな方式でも, 1回で商が決まるとは限らないんだ。 まとめ 商が大きすき、たり,小さすぎ、るたりしたら, 減らしたり,増やしたりすればいし、!. 授業」の 2つの事例を基に具体的に考察する。な お,ここで概要を掲載させていただ、く授業は北海 道教育大学附属釧路小学校の高瀬航平先生の授業 である。. -では,練宵問題に挑戦しよう。 練習問題. →固→. 128) 8 4 1. │教科干練習. │. 残りは「宿題」←(ペアで確認). ( 1 ) 4年「わり算の筆算 ( 2 ) Jの授業(高瀬, 2 0l 3 ). 〔図7Jは, (2桁)7 (2桁)の筆算で仮商修. 〔図7]教師のねらいに収束させるための確認問題. 3 0 1.
(11) 早勢裕明. ていない。教師が,「商を減らしたり,増やした. いに合った資料の整理がある。階級の幅をど. りするといい」と安易にまとめ,多くの練習問題. のようにとるかなど,分類,整理をうまく行. をさせても,確かな定着にはつながらないからで ある。 だからこそ,評価の観点である「数学的な考え 方」を重視しみんなで考えることで,計算の仕 方についての「知識・理解」や「技能」の確かな 定着を目指しているのである。 そのため,子どもたちがみんなで見つけたと実. -本時の目標 既習事頃を生かして,資料の傾向やグラフ の特徴について説明できる。 (9/10) [ ・ . 教 師 , 0:了 ど も 〕 問題 A君:ぼくのお年玉は 少ない。母さんに,値上 げをたのもう。」 あなたは, A君の全長に 賛成? 反対ワ. 感できるように,既習の考え方とのズレに直面さ. OA 草寺のグラフの方が人数が多いんだから,反対。 O このグ、ラフじゃ,よくう〉カミらないよ。 ・このグラフじゃ,情報が足りないみたいですね。 ②のグラフではどうですか?. Jを位置付けることで,「商 せる「確認問題 [B① ] を立てるときには,. 1回で見積もる方法があるは. 課題. ず」という子どもの素朴な思いを崩し,「そうは 11回でうまくいく方式はないん いかないんだ J,". A君の宅張に賛成か,. 、 だJ, 1"ダメなときは減らしたり,増やしたりして. 反対か,円分の考えを 説明しよう。. 修正すればいいんだ」ということを,実感を伴っ て理解させ,「本時の目標」を達成しようとして. OA 草寺は,真ん中より少なし、から賛成。 OA 桔よりもらってない人が 500人以上いるから反対。 Oで も , A君よりもらってる人が 900人以上しもよ。 0 2力円から 2力5千円の人が一番多し、から無理 .グラフのどこに注目するかで変わってくるんだ、ねの まとめ グ、ラフから得られる情報をどのようにイ史うかで,いろいろ な考え方ができるの. いるのである。 まさに,「問題」をきっかけとして子どもが「課. 0. 題」を見いだし,「確認問題」によって必要!惑をもっ て考えつづける。そして,自分たちの感覚にマッ チした「まとめ」がなされ,「練習問題」にも「ま とめ」の意識を保ったまま,「この問題はどうだ ろ う ?J と主体的に取り組むのである。子どもた ちはみんなで考える楽しさや充実感を感じられた に違いない。. ( 1 ) 6年「資料の調べ方」の授業(野田・高瀬,. -もう 人B希(高校生)を斡場させて,確かめてみよう。 確認問題 実は,②のグラフには, ノ l 、 、[:生ど中高校生が混 じっていたんです。 B草 寺は「多くもらっている と自慢してます」大丈夫。 J. OB 草寺は,中高校生日〕グラフでは,. 2 0 1 4 ) 〔 図. もらってない方だよ。. 8 Jは,単元の終末の授業の概要である。「本. OB 希よりもらってない人が 350人. く ら くらい,もらってる人が 600人 いいるからダメだね。 OA 草寺も小学生日〕ク、ラフでは,もらってる方だ。 OA 君の値上げは無理だね。 { P fか根拠を示して説明できるね ・②のグラブと同じく , ・では,練習問題に挑戦してみよう! (→べアで交流) 練習問題 先生から,お年二伝をあげます。(金額はー人ー人違う) もうすぐ小学校を卒業する持さんが,③のグラフを根拠 にして,お年玉を値上げすることはできそうですか?. 時の目標」で、ねらっている教師の意図は,これま で学習してきた,代表値(算数では平均値のみの 扱い)的な数値による集団の傾向のとらえ方,散. 0. らばりの見方,柱状グラフの読み方・かき方,度 数分布表等の事柄を根拠として,与えられた柱状 グラフから自分の主張したいことの根拠を探し説 明できるというものである。. 。私は, 1万円だから絶対できる。 03 万5丁円だから,微妙だな・・・ 。でも,次のお年玉の時は,中つ::生になってるよね。 O そうか,中'戸生なら値上げできそうだ、!. 学習指導要領解説算数編にある,次の記述を意. 008, 識して構想された授業といえる。(丈科省, 2 p. 1 8 1 ). 統計的な処理で大切なことの一つに,ねら. 302. 〔 図. 8 J見方や考え方を確かにするための確認問題.
(12) 算数科「問題解決の授業」における「確認問題」の位置付けについて. うかどうかによって,資料の傾向や特徴がつ. けについて「有効である」との回答を得たと述べ. かみやすくなったり,っかみにくくなったり. 0 1 0 ) ている。(谷地元, 2. することがある(後略) 自分の判断や考えを根拠を示して説明するのに. また,高瀬氏は,私のインタビューに対して, 次のような感想、を述べている。. は,情報不足なグラフの提示による「問題」をきっ かけとすることで,情報量が補填されたグラフを. Q. 1 確認問題」を位置付けた授業を実践さ. 必要感をもって捉え,主体的に「課題」に取り組. れて,どのような感触をもたれているで. んでいる。オープンエンド的な課題であることで,. しょうか。. 子どもたちから出される考えに対して「根拠に照. 「まとめ」の後に練習問題だけに取り組む. らすと,そう言えるか」という意識で集団解決が. よりも,子どもたちの定着の状況が確認で. 進んでいる。出された考え方のキーワードを教師. き,不十分なときなどには全体で確認しゃ. がタイムリーに板書していくことで,集団解決の. すい。. 終了段階では「まとめ」は既に黒板に強調されて いる。 ただ,すべての子どもが,それぞれの考え方を. -練習問題の時間を十分確保できないとき, 確認問題が練習問題的な役割も果たすの で,定着につながる 0. 十分に理解しているとは限らないことから,高校. ・多様な考えを収束するときには,確認問題. 生の B君を登場させ,みんなで考えてきたことを. を工夫することで,自然な「まとめ」にな. J 試したり,確かめたりする「確認問題 [A③ ]. りやすい。. として提示している。また,「確認問題」を通して,. -確認問題を位置付けることで,本時の「問. 互いに考え方を説明する機会をつくっているとも. 題」の個人思考の時間を短くすることに踏. 捉えられることから [A④]としてのねらいにも. み切れ,集団解決を充実できる。. 有効である。 そして,「練習問題」では,子ども一人一人の 数値を変え,自分の状況をベアで説明し合わせる ことで,「本時の目標」で、ねらう学習内容を確実. -授業中に取り扱う練習問題の量は減った が,定着は以前よりもよいと感じている 0 .教科書の活用や宿題の取り扱いに配慮する 必要がある。. に定着させているのである。「問題」→「課題」 →「確認問題」→「練習問題」と,少しずつ難易. 両氏から,「確認問題」を位置付けた「問題解. 度も上げつつ,まさに,「数学的な考え方」を評. 決の授業」のよさについて,学習内容の定着や子. 価の観点とする授業において,考えることをくり. どもの情意面に一定程度の効果を確認できると考. 返す,考え方の定着を図る,「本時の目標」に正. える。. 対した「確認問題」や「練習問題」を工夫して位 置付けた授業と言えるのではないだろうか。. 7 . 1確認問題」を位置付けることによる効果 最後に,「確認問題」を位置付けた「問題解決 の授業」の効果について考察する。. 8 . 研究のまとめと今後の課題 ( 1 ) 研究のまとめ 「問題解決の授業」は,算数的活動を充実させ る授業である。それは,子どもが目的意識をもっ て主体的に取り組む授業と言える。「問題」をきっ. 谷地元氏は,「確認問題」を位置付けた授業実. かけとして,「課題」や「まとめ」は子どもから. 践を継続し,実施した生徒アンケートの結果, 2 4 0. 引き出す授業でもある 0 1確認問題」の位置付けは,. 名のうちの 97%の生徒から「確認問題」の位置付. 教師による押しつけのような「まとめ」や,子ど. 3 0 3.
(13) 早勢裕明. もが授業内容との関係を感じない不自然な「練習 問題」という違和感を解消し,子どもたちが「み んなで考えて見つけた,分かつた,できた」とい う実感につなげる一つの方策と考える。. 清水静海, 2 0 1 1,問題解決は子どもたちの自立のために 「数学的な考え方」と「算数的活動」は「問題解決」 の化身一,算数授業研究 vo l .7 6,東洋館山版社, p p . 4 5 . 相馬一彦, 1 9 9 7,数学科「問題解決の授業 j,明治図書,. pp.99-114. そして,そのような授業の日常化は,必ず「考 えることが楽しい授業 J (相馬, 2013)の実現に資. 相馬一彦, 2 0 0 4, I目標と評価の一体イじ」こそ,教育科学. o 5 6 5,明治図書, 「数学教育 j N. pp. 49 .. 相馬一彦, 2 0 0 8,考える力と知識・技能を「バランスよく,. すると確信している。. 同時に j, l:l本数学教育学会誌第 9 0巻第 5号 , l:l本数学 教育学会,. p p . 2 3 2 8 .. 相馬一彦・早勢裕明, 2 0 1 1,算数科「問題解決の授業」. ( 2 ) 今後の課題. 今後は,次の点について,多くの授業実践を踏. p . 1 2 3 8 . に生きる「問題」集,明治図書. p 相馬一彦, 2 0 1 3, I考えることが楽しい」算数・数学の授. まえた研究を継続していく。. 業づくり,大日本図書,. 「確認問題」を意識した授業における本時の. p p . 1 5 .. 高j 頼航平, 2 0 1 3,向分の考えを表現する子どもの育成, 北海道教育大学附属釧路小学校砂│究紀要,. 「問題」の在り方 「確認問題」を位置付けることによる時間配. p p . 3 9 4 8 .. 学宵指導案 pp.26-33 谷地元直樹, 2 0 1 0,問題解決の授業における自力解決の. 分など指導過程上の配慮. あり方に関する考察(I) 集回思考に焦点をあてて. -効果的な「確認問題」と「練習問題」や「宿. ,. 第 43 回数学教育論丈発表会論丈集,日本数学教育 ~7~ 会,. pp.85-90. 題」の関連付けの仕方 「問題解決の授業」の日常化に踏み切れない 教師に対して,「確認問題」の位置付けが克 服の方策となるかどうか. 早勢裕明, 2 0 1 3, I問題解決の授業」に踏み切れない教師 の不安についての一考察 第6 4 巻第 1号 ,. -具体的な「確認問題」の作成の仕方の明確化. 小学校における算数の授業. 研究をとおして一,北海道教育大学紀要(教育科学編). p p . 9 7 1 0 9 .. 早勢裕明, 2 0 1 4,算数科はじめての「問題解決の授業」 ハンドブック,北海道教育大学算数科「問題解決の授業」 の H常化プロジェクト報告書,. p p . 2 1 2 6 .. 引用・参考文献 旭川市立新町小学校, 2 0 1 2,平成 2 4年度研究紀要. p .9,. pp,2 4 2 5 . 北海道教育庁学校教育局義務教育課, 2 0 1 3,平成 2 5年度 小学校教育課程改善の手引,. p . 1 8 .. 9 3 3,HowWeThink,D.C.HeathandCom ] .Dewey,1. 11 9 1 4 8 pany,pp. 小山正孝・他, 2 0 1 1 -1,小学算数 6年上,日本丈教 1 1 ¥版 , 巻末.. 小山正孝・他, 2 0 1 1 -2,小字算数 5年卜,日本丈教山版, 巻末.. 文部科学符, 1 9 9 9,小学校学習指導要領解説算数編,東 p .8 .. 洋館内版社. 文部科学省, 2 0 0 8,小学校学科指導要領解説算数編,東 洋館内版社, 永野芳夫. p.181 .. 1 9 4 7, デ ュ ー イ の 論 理 学 , 巾 和 書 院 ,. pp. 1 9 6 2 3 0 . 野田哲史・高瀬航平, 2 0 1 4,確かな知識・理解,技能の 定着を目指して,北海道教育大学「授業力向上研究 フォーラム m 旭川」大会要項,. 3 0 4. pp.31-36. 却 (n 路校准教授).
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