第5学年
組
学級活動指導案
指導者 ○○ ○○ 1 題材名 「5年生の友達の輪を広げよう」 学級活動(1) 2 題材設定の理由 ○ 本学級では,目指す学級像を「パズル学級」としている。これには,「一人一人がそれぞれのよ さを発揮しつつ,集団としてまとまりのある学級にしたい」という子どもと教師の強い願いが込 められている。この「パズル学級」を具現化するために,今年度の学級目標を知・徳・体の三点 から設定した。これまで,子どもは,学級目標の達成を目指すための取り組み「学級目標完成記 念集会」「発表強化週間」を話合いにより決定し,実践してきている。その結果,子どもの92%が 「学級の仲がよくなってきた」と感じている。また,「学級目標を達成したい」と考えている子ど もが96%に上り,共同実践による集団の高まりのよさを実感していることがうかがえる。 一方で,5年生全体の仲のよさについて尋ねたところ,62%の子どもが「あまりよくない」と 感じている。これは,学級編成後の間もない時期で,学級間の交流が少ないからだと考えられる。 そこで,学級目標の達成の意欲に高まりが見え始め,友達関係が広がりを見せるこの期に本題 材を取り上げる。そして,学級だけでなく学年全体の友達関係を広げるための方法を,目的や相 互の立場,現実の生活から吟味し合い,集団決定した方法を学級や学年で実施できるようにする。 このことは,学級目標の達成を目指して,学級や学校の生活上の諸問題を自発的,自治的に解決 し,友達と信頼し支え合って生活を改善していく子どもを育成する上で大変意義深い。 ○ 8月実施の自然教室で,有意義な活動を展開するためには,子ども相互の協力が不可欠である。 その協力は学級内だけでなく,学級間にも求められる。本題材は,学級の壁を越えて学年全体に 友達関係を広げることを目指し,自然教室の事前に行う集会活動の立案から,準備,実施までを 子どもが自主的に進めるというものである。 そこで本題材では,今学期の学年強化目標「学級のかべをこえて,5年生全体に友達の輪を広 げよう」の達成を目指し,「自然教室みんなでがんばろう集会」でどんなゲームをするのか話し合 って決め,決まったゲームを実施できるようにする。この一連の活動を通して,異なる意見にも 耳を傾けたり,多様な意見のよさを生かしたりして,折り合いをつけながら合意形成することや, 友達と協力したり,自分の役割を遂行したりしながら共同実践することの重要性を実感させるこ とができる。まさに,子どもが,信頼し支え合って楽しく豊かな学級や学年の生活をつくる雰囲 気を醸成するのに適した題材であるといえる。また,子どもの目を学級内の問題に留めず,学級 外の問題にまで向けさせることは,学校生活をよりよくしようとする子どもを育成する上でも大 変意義がある。 ○ 本題材の指導に当たっては,学年強化目標の達成を目指すためには,集会でどんなゲームをす ればよいのかを集団決定させ,決定したゲームを共同で実践できるようにする。 まず,「つかむ」段階では,子どもに共同の問題を発見させるため,昨年度の自然教室の様子を VTRで視聴させ,有意義な活動にするためには,学級や学年の協力が必要であることに気づか せる。次に,アンケートの結果から,学年全体の仲があまりよくない実態をとらえさせ,解決が 必要な共同の問題として取り上げさせる。そして,この問題を解決するために重点を置く事柄を 「学年強化目標」として設定し,強化目標の達成を目指すため,集会でどんなゲームをするのか 決めるという話合いの目的をつかませ,本時へとつなげる。 次に,「さぐる」段階では,子ども一人一人が自分の意見をもって話合いに臨めるように,話合 いシートを用い,議題についての自分の意見をまとめさせておく。話合いシートは三つの観点(目 的性,相互性,実現性)に沿って意見をまとめられるように記入欄を工夫する。 さらに,「ふかめる」段階では,「『自然教室みんなでがんばろう集会』でどんなゲームをする か決めよう」の議題で話合いを実施させる。話合いでは,司会グループが円滑に話合いを進行で きるように,司会マニュアルを活用させる。また,観点に沿った話合いができるように,意見を 観点別に色分けしながら板書させる。加えて,折り合いをつけて合意形成ができるように,話合 いの目的を随時振り返らせ,三つの観点の中で最も重視される目的性の観点からの十分な議論を 促すようにする。 最後に,「いかす」段階では,各学級の代表の子どもで組織する実行委員会の話合いにおいて, 各学級の話合いで決まったゲームをもとに,実施するゲームを最終決定させる。そして,集会の 実施を通して,学年強化目標の達成に近づいたことを実感させるため,活動時の写真や意識調査 の変容グラフ等,学級や学年の成長を視覚的にとらえられる資料を提示する。また,自己評価や 相互評価により,子どもが達成感を味わえる場も設定する。これらのことが,自然教室に向けて, 学年全体で協力しようとする子どもの意欲を高めることにつながると考えられる。3 目標 ○ 学年強化目標の達成を目指し,意欲的に話し合ったり,活動を進めたりしている。〈関心・意欲〉 ○ 原案のゲームの中から,強化目標の達成を目指すという目的に合っているか(目的性),全員で 協力し合ってできるか(相互性),活動時間や場所等を考慮の上,実際にできるか(実現性)とい う条件を満たすものを判断し,最も効果のあるものはどれかを考えることができる。〈思考・判断〉 ○ 互いの立場や意図を明確にして,友達の意見につなぎながら話し合い,よりよい考えをつくり 出すことができる。〈技能・表現〉 ○ 活動による自分や友達,集団の成長に気づき,強化目標の達成を目指した活動のよさを理解す ることができる。〈知識・理解〉 4 指導計画(学級活動4時間+課外) 段階 活動内容(○…全体,◎…計画委員) 活動時間 ○ 8月実施の自然教室の目的や活動の内容を知り,学級や学年全体 での協力が必要なことに気づく。 ○ アンケート結果から,「5年生全体の仲があまりよくない」と考 5月28日 学級活動 つ えている子どもが多いことを知り,自然教室までに解決が必要な共 同の問題として取り上げる。 ◎ 今学期の学年強化目標(共同の問題の解決を目指すもの)の原案を 5月28日 昼休み か 作成する。 ○ 計画委員の作成した学年強化目標の原案「学級のかべをこえて,5 5月31日 朝の活動 年生全体に友達の輪を広げよう」が適切かどうか検討する。また,こ む の目標の達成を目指す取り組みについて話し合う。 ◎ 学年強化目標の達成を目指す取り組み及び議題の原案を作成する。 5月31日 昼休み ○ 計画委員の作成した原案が適切かどうか検討し,議題「『自然教室み 6月1日 朝の活動 んなでがんばろう集会』でどんなゲームをするか決めよう」を決定する。 ◎ 集会で実施するゲームについてのアンケート調査を行い,その結果 6月2日 朝の会 さ をもとに,話し合う内容についての原案を作成する。 昼休み ○ 話し合う内容についての原案を検討後,原案のゲームが学年強化目 6月3日 朝の会 ぐ 標の達成を目指すものになっているかを調べるため,試しの活動を実 昼休み 施する。 る ○ 試しの活動をもとに,それぞれが自分の考えをつくり,話合いシー 6月4日 朝の活動 トにまとめる。 ○ 学年強化目標の達成を目指すために,「自然教室みんなでがんばろ 6月7日 学級活動 ふ う集会」で,どんなゲームをしたらよいか話し合う。 (本時) 〈議題〉「自然教室みんなでがんばろう集会」で,どんなゲームを か するか決めよう。 ・ 計画委員が考えた原案をもとに,学年全体に友達の輪を広げられ め るゲームについて目的性,(相互性,)実現性の観点から意見を出し 合い,実施するゲームを決定する。 る ・ 班に友達の輪を広げられるゲームについて目的性,(相互性,) 実現性の観点から意見を出し合い,実施するゲームを決定する。 ◎ 各学級の話合いで決定したゲームをもとに,集会で実施するゲーム 6月21日 昼休み い を実行委員の話合いで決定し,集会の準備を進める。 ~25日 ○ 計画に従って「自然教室みんなでがんばろう集会」を実施する。 6月29日 学級活動 か ◎ 集会活動を通して,5年生の友達の輪が広まったかどうかを判断す 6月30日 昼休み る話合いの計画を立てる。 す ○ 集会を振り返り,成果や課題を明らかにするとともに,学年強化目 7月2日 学級活動 標の達成に近づいたかどうか話し合う。
5 本指導の着眼点 (1)着眼1 国語科・道徳の時間・特別活動の関連を図った指導 特別活動(コミュニケーションの側面…活用) 「5年生の友達の輪を広げよう」 ○ 学年全体での協力が必要になる自然教室に向け,学級の枠を越えて友達関係を広げるための 集会活動のゲームを学級や学級代表の話合いにより決定し,実行することができる。 国語科(知的側面…習得) 道徳の時間(感性・情緒の側面) 「『失敗』をめぐって」 「友のしょうぞう画」 ○ 話合いの目的に迫るために,順序を考えなが ○ 互いに信頼し合って,友情を育むことの ら,話題に沿って話し合うことができる。 大切さに気づき,友情を深めていこうとす る心情を育てる。 本関連を図った指導の考え方 国語科では習得の場として,目的に迫るために,何をどういう順序で話し合っていくかという 見通しをもって話し合う力を培う。その力を活用して,学級活動(1)における話合い活動にお いて,適切な順序(賛成意見を出した後に反対意見を出す等)で話合いを進めることにより,友 達と折り合いをつけながら円滑に合意形成を図ることができると考える。その際,道徳の時間で は,互いに分かり合い,信じ合い,高め合える友達関係を築いていこうとする心情を育てる。 (2)着眼2 言語力活用の視点を取り入れた具体的手だてと支援 ア 進行を円滑に進めるための司会マニュアルの活用(事前シミュレーション時及び本時) イ 話合いの観点を明確にするための話合いシート及び板書の工夫 ウ 合意形成するための話合いの観点への振り返り(中心となる目的性への振り返り) 6 本時 平成22年○月○日(○) 5校時 於5年1組教室 (1)主眼 ○ 活動経過を示した掲示物をもとに,学年の友達関係があまりよくないという実態を振り返り,学 年強化目標の達成を目指すという目的に合った集会のゲームを決めることができるようにする。 ○ 強化目標の達成を目指すための集会のゲームについて,事前に自分の考えをまとめた話合い シートをもとに考えを発表したり,目的性と実現性の観点から考えを吟味したりして話し合う ことができるようにする。 (2)準備 ○ 子 ど も…事前に考えをまとめた話合いシート ○ 計画委員…司会マニュアル,予想される意見の短冊カード ○ 教 師…掲示物(本時の話合いに至るまでの経緯を表したもの,話合いの三つの観点,話 合いの進め方,話合いの時の話し方),学級全員の意見の集約表 (3)展開 学習活動 指導上の留意点 1 学年強化目標を設定した経緯を振り返り,目標の ○ 学年全体の協力が必要である自然教室 達成を目指すためのゲームについて話し合うという の写真と,学年全体の仲があまりよくな 目的をつかむ。 い現状を示したアンケート結果を対比し
て提示することで,問題を解決しようと する意欲を高める。 ○ 「も」:強化目標の達成を目指すという 目的にあっているか、「じ」:活動時間や 2 議題と提案理由を確認し,集会のゲームを決める 場所等を考慮の上、実際にできるか。 話合いをする。(※司会グループによる進行) (1)議題と提案理由及び話し合う内容を確認する。 ○ 掲示物を用いて,三つの観点や話合い の流れを随時確認させることで,効率よ (2)原案の内容について意見を出し合い,実施する く話合いができるようにする。 ゲームを何にするか決める。【話し合うこと①…学 ○ 決まっていること(プログラム,活動 年全体に友達の輪が広がるゲーム,話し合うこと 時間,活動場所等)を確認することで, ②…班に友達の輪が広がるゲーム】 不必要な議論の展開を抑制する。 ○ 話合いシートに書かれた意見を価値付 けしておくことで,発言の意欲を高める。 ○ 出される意見が少ない場合は,ペアト ークや小グループで意見を交流させるこ とで,考えを広げられるようにする。 (3)本時の話合いで決まったことを確認する。 3 自己評価や相互評価,教師の話をもとに話合いを 振り返り,今後の活動に意欲をもつ。 (1)本時の話合いについて自己評価,相互評価をす ○ 話合いシートの評価欄を活用させること る。 で,よかった点や課題等を見つけさせる。 (2)教師の話を聞き,本時の話合いを振り返るとと ○ 観点に沿って発言できた子ども,友達 もに,今後の活動に対する意欲をもつ。 の意見につなぎながら発言できた子ども, 司会グループの頑張り等を具体的に称賛 することで,話合いに対する意欲を高める。 ○ 今後の予定を知らせたり,集会に期待 する教師の思いを伝えたりすることで, 今後の活動に見通しをもたせるとともに, 学年全体に友達関係を広げようとする意 欲を高める。 〈めあて〉 5年生全体に友達の輪が広がるようなゲームを「も」と 「じ」から考え,意見をつなぎながら話し合おう。 〈議題〉 「自然教室みんなでがんばろう集会」で,どんなゲー ムをするか決めよう 〈提案理由〉 自然教室は,学年全体の協力が必要です。しかし,今の5年生はあ まり仲がよいとはいえません。そこで,「自然教室みんなでがんばろ う集会」を行い,5年生全体のに友達の輪を広げたいと考えました。 【原案の集会の内容】 〈学年全体に友達の輪を広げる〉 〈班に友達の輪を広げる〉 ・じゃんけん王決定戦 ・大なわ ・ドッジビー ・新聞じゃんけん ・つな引き ・リーダーをさがせ 【予想される子どもの反応】 〈学年全体に友達の輪を広げる〉 ×じゃんけんでは,友達と仲よくなれない。 ×ドッジビーは,学年全員でやると人数が多すぎる。 ×つな引きは,綱を出すのに時間がかかる。けがをしそう。 ○じゃんけんは,時間がかからない。道具もいらない。 ○ドッジビーは,パスをし合って仲よくできる。 ○つな引きは力を合わせるので,仲がよくなる。 〈班に友達の輪を広げる〉 ×大なわは,跳べない人が文句を言われそう。 ×新聞じゃんけんは,こける人が多くなるから危ない。 ×リーダーをさがせで,まねするだけでは仲よくなれない。 ○大なわは,アドバイスをし合って仲よくなれる。 ○新聞じゃんけんは,班の人と協力できるので,友達の輪が広がる。 ○リーダーをさがせは,時間もかからず,準備もいらない。 ○ 計画委員に,事前に話合いの流れを予 想させたり,司会マニュアルを用いて話 合いのシミュレーションをさせたりする ことで,本時の話合いを円滑に進められ るようにする。 着眼2-ア ○ 話合いシートに,三つの観点から意見を まとめさせたり,出された意見を観点別に 色分けして板書させたりすることで,目的 性と実現性の観点からゲームを吟味しやす いようにする。 着眼2-イ ○ 話合いの観点への振り返りを促す(ま ず,中心となる目的性へ振り返らせ,結 論が出ない場合は実現性へ振り返らせ る)ことで,よりよい合意形成が図れる ようにする。 着眼2-ウ