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肺臓穿刺による馬傳染性貧血の診斷法について (第一報)

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Academic year: 2021

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20 肺 臓 穿刺 に よ る馬 傳 染 性 貧 血 の診斷 法 に つ いて 二〇 八 風 聞 す る。 武 居 氏 は本 渕 に關 し 各 方 面 より の利 用 研究 によ つ て. 釜 々そ の翼 便 を獲 揮 す る で あ ろ う と 述 べ て いる のは甚 だ 示唆 にと む 言葉 であ ろ う と推 察 せ られ る と共 に 、各 方 面 に 亘 る研 究 の 實 施 せら れ ん こと を 望 む 次第 で あ る。 五 、結 言 P h e n o th ia z in eに よ る 馬 に封 す る 駆 錨 効 果 を 實 験 し 、併 せ て 臨 床 的 竝 に 血液 學 的検 査 を行 い次 の 如 き結 果 を得 た。 一 、體 格 中等 の 輓 馬 に封 し 本剤 八 〇 瓦 を 投 與 せ る に 、何 等 の副 作 用 も 認 め ら れ な か つた 、 二 、體 格 中等 の乗 馬 に對 し 本翻 四 〇 -五 〇 瓦 を 投 與 し 、圓 蟲 を 完 全 に 騙 禺 し得 る と共 に 、 嶢 巌 に 封 し ても 多 数 の轟 謄 が排 出 せ ら れ た 事實 よ り 相當 の効 果 を 有 す る こ と を 知 つた 。 三 、余 等 の 實 験 に於 ては蝸 巌 に封 し 全 く 効 果 が認 め ら れ なか つた 四 .本 剤 投 與 に よ つて輕 微 な後 躯 の不 安 定 症 歌 が認 め ら れ た が 、 二四 時 間 以 内 に平 常 に復 し 、 尚 投 與 後 六時 間 前 後 より 尿 が赤 攣 し た他 、 臨 床 的 に特 記 す べき 所 見 を 認 め得 な か つた 。 五 .血 液 學 的 検 査 に於 ては .赤 血 球 抵 抗 、粘 稠 度 、血 色 素 量 及 び 白 血球 数 に は著 變 が な団 、赤 血球 數 は投 與 後 一 時 増 加 し 後 減 少 し た が . 二週 間 目 に は平 常 に復 し た。 白 血 球 百 分率 に 於 て は 中性 嗜 好 白 血 球 の桿 核 型 が投 與 直 後 輔 過 性 の 増 加 を 示 し た が 、 そ の後 は却 つて減 少 す る の を確 め た の み で他 に特 記 す べき 所 見 を 得 なか つた。 潤筆す るに 方 り 校長小倉 博士 に 敬意を表し 、御指軸 導 及び御 校閲と賜 つ た恩 師 板 垣部長並に 木實験 に 使 用した 藥 翻 ⋮を御提 供戴 い た 工 業試瞼所堀 口 搏士 に 誌上 よ り 深甚 の 謝意を 捧げ、 又 試驗を熱心に 援助せられた 學生 諸 君 に深 謝 す る 次 第 で あ る。 交 献 (1 ) T ay lo r & S an d er so n: V et . R ec ., 5 2 , 6 3 5 ( 19 40 ) (2 ) H o w e ll & b ri tt on: C or . V et , 3 0 , 52 6 ( 19 40 ) (3 ) K n ow le s & F ra n k lin: V et . R ec ., 5 2 , 66 4 ( 19 40 ) (4 ) E rr in g to n & We st er fie ld : V et . Me d ., 3 5 , 6 88 ( 19 40 ) ( 5) R o b er ts : A u st . V e t. Jo u r., 17 , 4 (1 94 1) .

穿

(第

報)

盛 岡 農 林 專 門 學校 宮 崎 格 同 村 上 大 藏 一 、 緒 言 馬 の傅 染性 貧 血 症 ( 以 下 傅 貧 と略 稱 す る ) の豫 防或 は治 療 を 論究 す る爲 に は 、 先 づ 本 病 の生 前 診 断 法 を確 定す る 必 要 が あ る。 傳 貧 の 補 助 診 斷 法 と し ては 赤 血 球 沈 降 速 度 測 定 、 ア ン モ ツ 酒 精 法 、 キスル テ ン氏 反應 、 昇工 水 試 験 、 カ ル ミ ン反應 、 血 山被 滴 像 法 、肝 臓 穿 刺 法 、 頸 静 豚 血液 内 澹 鐵細 胞 槍 幽 法 な ど が 從 來 行 は れ て い るが 、 一 般 的 な 臨 床 診 断 法 と し て は 何 れ も 一 長 一 短 を 免 れ な い 。 臨 床 家 と し て 望 む と ころ は操 作 が な る べく 簡 單 で あ つ て、 然 も 本 症 を 一 〇 〇% 檢 出 し 得 る 方 法 で あ るが 、遺 憾 乍 ら いま だ こ れ を 満 足 せ し め得 るも のは な い 。 石 井 の頸 静 脈 血 液 中 より 擔 鐵細 胞 を検 出 す る 法 は 、 血 液 病 理 學 的 根據 に基 き信 頼 し得 るも の であ るが 、熱 發 作 後 一 ケ 月 以上 を 經 れ

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21 ば 、 そ の陽 性率 は 六 〇% 以 下 と な り .淺 り の四 〇% 以 上 は該 法 のみ で は陰 性 と な る。 肝 臓 穿 刺 法 は操 作 と器 具 に難 が あ り 一 般 臨床 家 向 で は な い 。 其 他 の方 法 に依 る場 合 は .特 に 慢 性経 過 中 の も の、 叉 は 基調 と な る べき症 状 が顯 著 で な い竜 の或 は 不 定 な も の で は 、結 局 総 合 的 判 定 を 下さ ね ば な ら な い が 多く は 疑症 と診 断 さ れ易 い。 以 上 の よう な 傳 貧 の生 前 診 斷 法 に關 す る 欲 陥 を補 は ん と し て、余 ら は肺 臓 穿 刺 を 創 案 し て興 味 あ る成 績 を得 つ 玉あ る ので 、 鼓 にそ の 概 要 を 報 告 す る次 第 で あ る。 二 、 實 験 材 料 及 び 方 法 本 實 験 に用 い た 馬 は本 校 保 二管 馬 二 四 頭 、 轡 甲 家 畜病 院 外 來 患 畜 六 五 頭 . 計 七 九 頭 で あ る。 本 校 保 管 馬 中 一 二 頭 は 過 去 五 ヶ年 以 上 何等 疾 病 に羅 患 し た こ と なく 、 現 に 健 康 で あ り 、 乗 馬 韓 馬 又 は農 耕 馬 とし て使 役 中 の も ので あ り 、 一 頭 は 自 然 感 染 馬 、 一 頭 は生 後 二 四 日 目 に 病 血 を 接 種 し た も ので あ る。 外 來 患 馬 は本 年 五 月 以降 七 月 上 旬迄 に 來 院 し た 主 とし て内 科 病 の 新 患 で あ る。 肺 臓 の穿 刺 法 は 五-一 〇 ccの注 射 器 を 用 い、 これ に成 る べ く 口径 大 な る針 を 附 し、 上 鋸 筋 の 下縁 に 近く 第 一 〇-一 二肋 間 腰 角 を 通 る 水 干 線 の高 さ で胸 廓 に直 角 に刺 入 す る。 刺 入 の深 さ は約 三糎 で十 分 で 、 次 で注 射 器 内 筒 を 二-三 cc 吸 引 す れ ば陰 墜 を 感 す る。 こ の 際 肺 臓内 血 液 と肺 組 織 の 一 部 が針 内 に吸 入 さ れ る。 こ れ を 直 ち に スライ ド げ グ ラ ス 上 に 輕 く 押 出 し て塗 沫 す る 。 十 分 に 風 乾 し て ホ ル マ リ ン 瓦 斯 ( 叉 は メ チ ルア ル コー ル) で圃 定 。 次 で ベ ルリ ン 青 染 色 を施 す 。 鏡 槍 は 先 づ 一 五 〇 倍 位 の弱 振 大 で 塗 沫 面 杢 部 を 検 査 す る。 傳 貧 馬 で あ れ ば 直 径 二〇 -三 〇 ミ ク ロ ン 位 の大 型澹 鐵細 胞 が数 個 或 は十 歎 個 稜 見 さ れ る。 術 油 浸 装 置 を 以 て細 部 を検 し判 定 す る。 ( 塗 沫 全 面 に 一 、 二個 の も のを +、 激 個 のも のを 朴 、十 敬 個 以 上 のも のを 冊 と 記 入 し た) 。 肺 臓内 澹 鐵 細 胞 は 頸 艀 腺 内 に獲 現 す る も の に 比 し て非 常 に大 型 で あ るか ら 、槍 索 は 極 め て容 易 で あ る 。 三 、實 験 成 績 本 年 五 月 以降 七 月 上 旬 迄 の 新 患 馬 中 六 五 頭 に つ い て 、 本 法 に より 陽 性結 果 を得 た も のは 第一 表 に 示 す 二 一 頭 であ つ た。 第 一 表 肺 臓 穿刺 に よ る陽 性 馬 肺 臓 穿 刺 に よ る馬 傳 染 性 貧血 の 診 斷 法 に つ いて 二〇 九

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22 肺 臓 穿 刺 に よ る馬 傳 染 性 貧 血 の診斷 法 に つ いて 二 一 〇 以上各馬共 一 般臨床症状検査 の 外 、 頸艀脈 血 液 中 の 澹 鐵 細 胞 槍 出 法 を同時 に 實 施した。 一 般症歌 に 於 て 本症 と診断し或は其 の 疑 い 濃 厚 と 判斷 したも のは 全 て 肺穿刺 の 成績 も又 陽性結果 を 得 た。頸静肱 血中 の 捲 鐵 細 胞 の 槍 出成績 も 大髄 こ れ と 並行 して いる が.陽性馬 一 五 頭 で肺 穿 刺 の成績 と 一 致 せす 、陰 性 の結 果 を得 た も の は 六例 で あ る。 但 し こ の 陰 性 馬 中 . 再 診 の機會 を 得 た も ので 二頭 は陽 性 化 し て い る。 樹 、 頸 艀 肱 陽 性 で肺陰 性 の例 は な か つた。 六 五 頭 の 病 馬 中 . 二 一 頭 の傅 貧 馬 は 多 き に 過ぎ る 感 が あ るが 、 鼓 爾 三年 來 盛 岡 近 傍 で は 田植 前 後 所 謂 不 明 熱 襲 馬 の 多磯 を 見 て お少 、 そ の大 多 数 は傅 貧 で あ ると確 信 す る 余 ら は敢 え て異 と し な い。荷 、 病 歴 欄 に見 る如 く 一 應 地方 開 業 獣 讐師 の 診 療 を 受 け確 診 を得す .或 は 治 療 効 果を 認 めす 、當 家 畜 病 院 に來 診 す る も のが 多 いの で、當 病 院 に傳 貧 の 多 いの は或 は當 然 の 結 果 で あ ろ う 。 肺 穿 刺 及 び 頸 静 豚 共 に陰 性 で あ つた病 例 は 次 の通 り で あ る。 腺 疫 二例 、 膿 瘍 二例 、歯 牙疾 患 一 九 例、 疵 痛 及 び 胃 腸 カ タ ー 彫 九 例 、 骨 軟 症 七例 、其 ハ 他 過 勢 . 心 臓褻 弱 、 仔 馬 敗 血症 、蓄 膿 症 . 挫 創 各 々 一 例 。 計 四 四 頭 。 こ れ ら の四 四 頭 に は榮 養 不 良 、 高熱 . 貧 血 な ど の症 歌 を 呈す る も の が少 な か らす 含 ま れ て い るが 、何 れ 竜傳 貧 に原 因 す るも のと は 認 め ら れ な か つた 。 本 校 保 管 馬 中 、過 去 五 ケ年 以 上 無病 で 現 在健 康 状 態 良 好 な も の に つ いて、肺 穿 刺 と頸 静 豚 血 液 中 の 捲 鐵細 胞 の 槍 出 法 を 實 施 し たが 、 一 二頭 共陰 性 で あ つた 。 帥 ち次 表 の通 りで あ る。 第 二 表 健康馬成績 表

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23 一 定 期 間 連 續 し て肺 穿 刺 を行 い 観 察 し た結 果 は 、第 三 表 及 び 第 四 表 の通 り で あ る。 何 れ も本 校 保 管馬 で 第 一 號 は本 年 三 月熱 發 あ り 、 其 後 視 察 中 で あ るが 七月 下 旬 よ り再 び 三 九 ・ 三-三 九 ・ 六度 の 發 熟 を 見 て いる。 第 二號 は 生 後十 七 日 よ り 人 工哺 乳 中 の仔 馬 で あ る。 第 三 表 第 一 號試驗馬 第 四 表 第 二 號試驗馬 第 一 號 試 験 馬 に於 て四 月 二 十 五 日及 び 四 月 二 十 七 日頸 静 脉 の 擔 鐵 細 胞 は陰 性 で あ る。 第 二號馬 に於 ては 接 種 後 第 六 日目 肺 に出 現 し、 頸 静 脉 に於 て は第 十 三 日目 に始 め て出 現 し て いる點 は興 味 あ る事 實 で あ る。 肺 臓穿 刺 に よ る馬 傳 染 性 貧 血 の 診 斷 法 に つ いて 二 一 一

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24 肺 臓 穿 刺 に よ る馬傳 染 性 貧 血 の診斷 法 に つ いて 二 一 二 四 、 考 按 及 び 總括 ﹂ 傅 貧 の 生前 診 断 法 と し ては 一 般 症 状 の 検 診 と各 種 補 助 診 断 法 が併 用 せら れ 総 合 判 定 が 下 さ れ て いる。 こ の補 助 診 断 法 は臨 床 家 に と つ て可 な り繁 雑 な 仕 事 であ る爲 、成 る べく 簡 單 な 一 、 二 の信頼 し得 る 方 法 のみ に 限 定 し得 れ ば甚 だ 好都 合 な の で あ る。 石 井 の創 始 し た 頸 静 脈 血 液 中 に於 け る擔 鐵 細 胞 の 検 出法 は病 理 學 的 基 礎 を 有 す ると 共 に、 一 般 臨 床 家 に と つて 比較 的簡 易 に實 施 し得 る點 に於 て便 値 高 い も の で あ る。 こ の方 法 を 更 に 簡 便 に し 然 も そ の検 出 率 を 向 上 せし め る べき 方 法 と し て、 余 ら は肺 臓 穿 刺 を創 案 し . 盛 れ を實 際 に 應 用 し つ ゝあ る。 石 井 は 擔 鐵 細 胞 の検 出 率 上 昇 を圖 ら ん と し て種 々の操 作 を實 験 し て い るが 、 未 だ滿 足 な結 果 は得 て いな いよ う で あ る 。 頸 静脈 血液 中 の陽 性率 ば 潜 伏 期 及 び熱 分 利 後 三 〇 日 以 後 の も の で は四 〇 % 以 下を 示 し 、 も し 七 五% 以 上 の陽 性 率 を 望 む な ら熱 發 よ り 分 利 後 一 〇 日 の 間 に 検 査 を 行 う 必 要 が あ る。 こ の擔 鐵 細 胞 の頸 静脈 出 現 と 門 脈 、 後 大静 脈 並 に各 臓 器 の血鐵 症 と の間 の大差 では 、 そ の原 因 を肝 , 肺 、 其 他 、 組織 内 毛細 血 管 に 該 大 型細 胞 が翼 塞 沈 著 す る に よ る と し て い る 。 果 し て 然 ら ば 肺 臓 より 直 接 探 血 す れ ば そ の検 出 率 は遙 か に上 昇 し. 又 大 型 の 擔 鐵 細 胞 を得 る に相退 な い の で あ る。 こ れ が本 實 験 を 行 つた 直 接 の動 様 で あ る。 肺 臓 穿 刺 實 施 の結 果 は こ の豫 想 に極 め てよ く 一 致 し 、 そ の検 出 率 は 頸静 脈 血 液 中 より 擔鐵 細 胞 を 検 出 す る場 合 よ り病 型時 期 を 問 は す 高 率 であ ると 信ず る .即 ち本 實 験 の結 果 は急 性 症 の 場 合 は勿 論 、 慢 性 に 経 過 し あ るも の で も亦 、 接 種 後 頸静 脈 に未 だ 出 現 し な い 以 前 に 既 に陽 性 を 示 す 等 豫 期 の 成 績 を牧 め た。 術式 に於 ても簡 便 で 頸 静脈 よ り す る場 合 の如 き 白 血 球 の分離 を 要 し な い 。 肺 臓 の穿 刺 は 一 應 内 出 血 な ど の危 惧 を 抱 か せ るか も 知 れ な いが 、吾 々は外 傷 不慮 な ど に より 肺實 質 を傷 く るも 案 外 大 な る 障 害 を起 さ な い 事 例 を純 験 し て おり . 又 本實 験 に お け る 普 通 注射 針 の 刺 入 は 七 九 頭 中 一 例 も 不良 感作 を及 ぼ し て いな い。 更 に 死後 剖 検 の例 ( 第 二號 試 験 馬 ) に見 るも 二 四 時 間 以前 に穿 刺 し た 部 位 は 肋 間筋 に 帽 針 頭 大 出 血 點 を 認 め た 以外 、 肺 肋 膜 面 に は肉 眼 的變 状 を見 出 し得 な か つた。 傳 貧 馬 に お け る 如 き 血液 凝固 様 能衰 退 せ る も ので す ら 然 り で、普 通 健 康 馬 では 更 に影 響 少 いも のと 考 へら れ る 。 前 禍 十 二 頭 の健康 馬 試験 穿刺 例 では . 穿 刺 直 後 騎 乗 駈歩 を 行 つた も のも あ るが 何 等 の異 常 も來 さ な か つた。 翻 つて本 法 は 肺 の血 鐵 症 を 基 礎 とす る診 断 法 で あ る か ら . も し 傳 貧 以 外 の疾病 に肺 血 鐵 症 を 起 す とす れ ば、 そ の類 症 鑑 別 を 必要 とす る 。 こ の問題 に つ いて は肺 欝 血 時 に肺 胞 内 に出 現 す る所 謂 心臓 辮 膜 病 細 胞 ( He r z f e h le r z e ll e n ) が あ る 。 こ のた め に本 法 は 傅 貧 に お け る 唯 一 の特 異 診 断 法 と は 稱 し 得 な い 。 然 し な が ら箪 純 な肺 欝 血 と 傅 貧 と は病 歴 並 に 一 般 症 状 に よ つて鑑 別 は困 難 で は な いで あ ろ う。 ( 但 し傳 貧 が 心臓 機 能 に 障 害 を 及 ぼ し 、 引 いて肺 臓 の欝 血を 招 來 す るこ と は屡 々 遭 遇 す る と こ ろ であ る。 ) 從 つ て肺 血 鐵 症 は傅 貧 特 異 の症 状 と謂 い 得 な いが . 本 質 的 な 必發 の症 状 と は 考 へ 得 る。 尚 、 腺 疫 其 他 の熱 性 病 或 は歯 牙疾 患、 骨 軟 症 な ど に よ る榮 養障 害 、 貧 血 等 に於 いて本 法 陽 性 の 結 果 は未 だ 經 験 し な い 。 以 上 、 肺 臓 穿 刺 を創 案 し 自 然感 染 馬 及 び 接 種 馬 に つ い て實 験 し た 結 果 を要 約. す れ ば 次 の通 り で あ る。 一 、 傅 貧 に於 て肺 臓 穿 刺 に よ る擔 鐵 細 胞検 出 は 極 め て高率 で あ る。 二、 頸 静 脈 血 液 内 擔 鐵 細 胞 検 出 法 に 比 し早 期 より 熱 分 利 後 に わ た り 長 期 間 陽 性 で あ る。

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25 三 、 肺 臓 穿 刺 は馬 體 に 封 し 認 む べき障 害 を 起 さ な い 。 四 、 肺 臓 穿刺 法 は肝 臓穿 刺 及 び 頸 静 脈 血 中 擔 鐵細 胞 検 出 法 よ り 術式 簡 便 で あり 判 定 容 易 で あ る。 五、 腺 疫 其 他 傳 貧 以外 の 諸疾 病 に よ る熱 發 、 貧 血 、榮 養 不 良 等 では 余 等 は未 だ陽 性 結 果 を得 な い 。 健 康 馬 に於 ても 同 様 で あ る。 肺臓穿 刺 に 就 い ての 第 一 報を終 る に 當り附言した い 。 本 報 告は主とし て 外來 患 畜 についての 成績 であり 實験例 も十 分でな い 。余等 は引 續 き 本 法に つい て 實 験 々 繼 續する心 算 で あ る 。各 方 面 の 御 批 判 と 、特 に人 工接 種 馬に つい ての 御疸試を お 願 い 申 し 上げた い 。 參 考 文 献 一 、 石 井進 傳 染 性 貧 血 馬 の 病 理組 織學 的 研 究、 獸 疫 調 査 所 研 究 報告 第 十 九號 昭 和 十七 年 。 二、 三 浦 定 夫、 山極 三 郎 傳 染 性 貧 血 馬 の 病 理學 的 研究 ( 第 一 報 ) 肺 臓 の 知 見 、 陸 軍 獸醫 團 報 第 四 一 二號 、 昭 和 十 八年 十 一 月。 三 、 岩 男督 心 臓 辮 膜 病 細 胞 組 織 發 生 知見 補 遺 、 日本 病 理學 會 誌第 二 十 一 巻 、 昭 和 六年 。 四、 佐 藤 雅 雄 多種 動物 の 鐵 嗜 好 系 統 に つ い て、 日本 病 理 學魯 誌 第 二 十 一 巻 、 昭和 六年。

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酵 産 化學研究所 佐 藤 清 次 六萬 回 も の實 験 の結 果 は ど う で あ つた か 。 ロー レ ン ス ・ カ ル ト ン 氏 の記 事 を 更 に綾 け ると 次 の よう で あ る。 こ れ ら の雛 の 一 四 % は死 亡 し た が、 藥 を攝 取 し た雛 は僅 か 四 % に 止 つた。 最初 の 二 週 間 に おけ る 一 〇 % も の 死 亡 率 の差 は、 こ の藥 を 全 面 的 に 施 用 す ると 否 と で如 何 に 牧 量 に 相 違 す るか を 物 語 る も ので あ る。 現 今 、 他 のズ ルフ ア劑 も ま たか ゝる兩 者 の 場 合 、 す な わ ち直 接治 療 と豫 防 の何 れ か の 場 合 に用 いら れ る。 だ が 、若 干 の主要 原 因 のた め獸 醫 達 は ズ ル フア メ ラ ヂ ン に封 し て非 常 に熱 心 で あ る 。 例 え ば ズ ルフ アデ アヂ ンに 比較 す ると 、 こ の新 藥 は よ り 蓮 か に 腸 管 か ら吸 牧 さ れ る。 そ し て 口中 か ら 投 藥 さ れ た藥 は 血 液 中 に入 り疾 患 部 に よ り 速 か に到 達 す る。 ま た 投 藥 量 も僅 少 で す み腎 臓 に與 える 悪 影 響 も最 少 限 度 に止 る も ので あ る。 今一 つ の藥 ズ ル フア グ ワ ナヂ ンの結 果 に つ い て考 え てみ る と、 傅 染 性 の細 菌 に よ る 内 臓 疾 患 が牧 畜 業 に と つ て、如 何 に 甚 大 な 経 濟 的 損 失 を與 え て いるか は周 知 の事 實 で あ る 。 長 年 に亘 つ てか か る 傳染 病 に 封 し て實 用 上 有 敷 で あ る ズ ル フ ア剤 を發 見 す べく 絶 えざ る 試み が 績 け ら れ て來 た。 一 九四 〇 年 に至 つ てズ ル フア グ ワ ナ ヂ ン が 改 良 さ れ、 そ れ 以 來 、 牧 畜業 者 は實 に数 百萬 ド ル の費 用 を 節 減 し得 た。 や が て は 活 躍 舞 臺 か ら そ の姿 を 消 す で あろ う ズ ル フア メ ラヂ ン が 腸 壁 か ら極 め て速 か に吸 牧 さ れ る のと 異 り 、 ズ ル フア グ ワ ナヂ ン は 緩 慢 に吸 牧 さ れ る。 そ の高 度 の凝 固 性 は 腸 管 中 に止 つて 細 菌 に 封 し て長 時 間作 用 す る こ と を 可 能 な ら し め る。 例 え ば こ の 藥 は 仔 牛 の傳 染 性 下痢 、 仔 牛 の赤 痢 な ど 種 々の名 前 で 知 ら れ て い る ス コ ア 病 に封 し て良 く 奏 敷 す る。 こ の病 氣 の 原 因 は腸 管 に侵 入 し た細 菌 に よ る も ので あ る。 ズ ル フア グ ア ナ ヂ ンは 二 つの様 式 で敷 力 を有 す る 白 色 ス コ ア病 が 流 行 し て い 新 藥 の 貢 獻 二 一 三

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