ザンビアの金属汚染に関わる国際共同研究を通して
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(2) 38. 中 山 翔 太. いかと土壌や動物の研究結果より考えるようになり,こ れは何とかできないものかと Yabe 氏に相談した。そし て博士課程 2 年次から 3 年次にかけてザンビア保健省の 研究倫理許可を取得し,実際に博士課程の4年次からポ スドクにかけて,ザンビアの血液サンプルを採取すると ともに世界で初めてザンビア国外(日本)への試料輸送 6. 国際共同研究を推進していく上での工夫 に成功し,所属ラボで精緻な鉛濃度分析を実施し,その や直面した課題およびその解決策 データをザンビア政府に提供した。 また,「気づき」という点では,意外にも自分は海外 一番気を付けている点は,相手国研究者および相手国 側の意見がどのようなものであるかを事前に自分でも考 (先進国よりは途上国)に行って研究をするのが好きな のかもしれないと,研究を続けるうちに知らない自分を えてみたり,直接聞いて確認してみたりして進めること である。相手国側のカウンターパートと問題点を共有し, 発見したことがある。初めは学部生時代の研究テーマを 続けようと思い博士課程に進学したが,幸か不幸かちょ 相談しながら解決策を共に見つけることが大変重要だと うどアフリカでの共同研究プロジェクトが所属する研究 感じている。どちらかが一方的に決めるのではなく,一 室で開始され,筆者が唯一の日本人博士課程在学生だっ 緒に同じ方向を向いて取り組むことが共同研究の大前提 たこともあり,そちらにコンバートされた。最初は何を ではないかと考えている。 するのかも分からず同行するだけであったが,実際に現 また,プラクティカルなことで言えば,日本とは異な る各種手続きなどの大幅な遅延について,極力待ったり, 地に行って研究が始まりと,自分でもザンビアにおける 環境問題について主体的に真剣に考えるようになり,現 耐えたりすることも必要ではないかと考えている。例え 在取り組んでいる金属汚染問題について Yabe 氏ととも ば,現地で採取した試料の日本への輸出許可に 1 ~ 2 年 掛かったことも複数回あったが,これはこれで仕方ない に研究を進め,論文を執筆してきた。このような研究 基盤が今の国際共同研究加速基金や 2016 年より開始さ と割り切りつつ,同時進行で研究を進められるようなプ れた JST/JICA SATREPS 事業「ザンビアにおける鉛汚染 ラン B から D くらいまで想定・準備しておくように心 のメカニズムの解明と健康・経済リスク評価手法および 掛けるようにはしている。 予防・修復技術の開発」,および 2020 年より開始された JST aXis 事業「ザンビア鉱山地区における鉛汚染環境お 7. 国際共同研究を行うにあたって感じたこ よび鉛中毒対策としてのリスクベースアプローチの実践 と,気づいたこと と効果検証」に繋がっていると思う。はじめは少人数で 進めていたものが,今では日本・ザンビア合わせて 200 私がザンビアで研究をはじめたときに一番感じたこと 名以上の参画者がいる国際共同研究になっている。やっ は,現地の子供たちの笑顔が可愛くとても楽しそうに過 ごしていることである。ザンビア中を周り,土を集め, とスタートラインに立てた気がするが,今後とも可能な 限り本問題の解決に尽力出来ればと考えている。また, 魚や野生ラットを採材し,金属濃度を調べたが,どこに このような自身の経験や経緯から,今は積極的に,指導 行っても歌ったり,踊ったり,サッカーで遊んだりと元 する学生(学部生,大学院生)を現地に渡航させ,本人 気な子供たちに出会ったものである。これらの出会いや が主体的に研究に取り組む環境を整備するように心掛け 一緒にサッカーをしたりするひと時の休息が楽しく,そ れが遠く離れたアフリカで研究を「継続する」モチベー ている。列挙できないほど多くの共同研究者や学生が調 ションになっている。一方で,そのような彼らの中にも 査同行,データ取得,論文執筆,対外発信など本共同研 「見えない高濃度の鉛」が体内に存在しているのではな 究の発展に貢献してくれた。この場を借りて感謝したい。 学より研究者(Golden Zyambo 氏)を北海道大学に招聘 し,関連研究分野における技術移転を実施した。招聘者 はザンビア大学の学生に教育・指導を実施しており,当 該研究分野の推進に貢献している。.
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