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ORのあらたな発展をめざして

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Academic year: 2021

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111111111111111111111 これからの OR 111111111111111111111川 1111111川|川1111111111111111川111111川11111111川1111111111111111111111111111111111川11111111111111川川1111111111111111川1111111111111111111111111111111111111111111

OR のあるたな

発展をめざして

京都大学数理工学教室 長谷川利治 (関西支部) わが国において,オベレーションズ・リサーチ (OR) の重要性が叫ばれ始めてから,かなりの 歳月がたっている.学会活動にかぎってみても, 日本 OR 学会の萌芽の i つであった経営科学協会 が大阪で活動を開始してから 30年弱の時を経てい る.その聞の OR の発展ははたして十分なものと いえるであろうか?日本 OR 学会が 1957年に 305 人の会員で発足して以来, 1967年には会員数が 1000人をこえ,現在では約2200人となっている程 度である.日本 OR 学会の活動が日本の OR 活動 のすべてであるとはとても言えないし,また学会 活動を会員数のみで評価することが正当であると も言えないことはもちろんではある. しかし,それにもかかわらず,会員数は学会活 動の大きな指標であることはまちがいないことで あるし, OR 学会の活動が日本の OR 活動に占め ている割合も少なくない .OR 活動の現状は,少 なくともわれわれの先達が期待したほどの発展を なしとげているとはし、 L 、難いように思われる .0 R の重要性を考えるとき,われわれはさらに努力 を重ね,一層の発展をめざさなければならない状 況にあると判断される.人聞が,その他諸々のも のが何らかの活動を行なうとき OR の適用が必ず 考えられるはずであるから,まだまだ努力が求め られていると考えるべきである. OR が,その歴史の長さを考えると発展が十分 でないと判断される状況にあることの理由はいく つか考えられ,世の中が十分発達していなし、から である,とし、う責任転嫁をしたくなる点、もなしと はしないが,ここでは,

OR

に従事する者として 反省し,自分自身で対応し得る私見あるいは偏見 を述べ, OR のさらなる発展への礎の!っとした

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し、. エディンパラ大学のワディントン (c.

H.

Waddington) 教授の著書 rOR

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World War

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J によれば, OR は,いわゆる純粋科学や応用 科学とし、う従来の分類のいずれにもきれいに適合 する科学ではなく,物事を執行するに当って生ず る重要な問題を研究するのに用いられる科学的な かっ一般的な手法である,とされている. このような OR の定義を考え,わが国における OR の現状を考えると, OR に従事する者一般に あてはまり,かっそれが OR の普及を十分なもの とさせない欠点に思い至る.それは,いわゆる科 学的手法の適用にかかわるものである.すなわち 科学的手法とは,一般にある与件のもとでその正 当性,客観性が認められているものであって,そ れをある問題に応用するとき,その問題が,われ われが解こうとしている目的から見て,閉じ与件 のもとで特徴づけられ得ることを示しておかなけ ればならないとし、う事実を忘れがちであるという 欠点である.われわれは, OR においての科学的 手法として数学を非常によく用いるのであるが, 数学系はすべてある公理系のもとで構義されてい るのであって,すべての数学系を構築できる有限 の公理系は存在しないことは周知のことである. 純粋数学においては,公理系は数学者の存在を かけて選択されているように思われ,数学に対す る考え方によっているものと思われる.少々荒っ ぽい言い方ではあるが,応用数学においては公理 系は応用する対象に依存するべきであって,研究 者が自由に選択できる性質のものではない.この 事実が応用数学の相対的むずかしさを示したもの であるが,このような相対的むずかしさは,応用 科学も純粋科学に対してもっていると言い得る. ところが,わが国においては,ともすればまず 手法を考え,それを応用できる現実問題を探すと いう接近法がよく,ことに大学における研究に, とられているように思われる .OR の分野はこの オベレーションズ・リサーチ © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

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1111111111川1111\111111\1111111111\111111\111111111\11\11\1111\111111\川酬111111\11\11\1111\11111111111111\11\111\111\11\11\111111\111111\111111\111111酬11111\111\111111\11\1酬11\11\111\111\11111111111111\11\11\11 特集 111\1I1I\1I1I11I\I1L ことが特に顕著にあらわれているようである.良 くいえば,手法オリエンテッドであって,問題オ リエンテッドではない.この事実が,わが国の O R 普及がまだまだである理由の主要なものである と筆者は考えている. この問題を解決する方法を 2 種に大別できると 考えている. 1 つはし、わゆる実務者の意識に関連 する方法であり,他はし、わゆる理論研究者の意識 に関連するものである.まず,実務者に関するも のであるが,われわれはしばしば実務者側から問 題をただちに解決する方法を提供することを要求 される. ワディントン教授が前述の著書で述べて いるように, OR は急場の人工的解決策 (deus

ex

machina) を与えるものではない. 科学的手 法はある与件のもとで有効であるのであって,対 象とする問題のよってきたるところを熟知してい るのは実務者であり,理論研究者ではない.残念 ながら,実務が理解できる理論研究者は,特にわ が国においては例外的存在であることを認識すべ きである. すなわち,現実の問題を解決するとし、うすばら しい経験をし得る幸せな者には,理論的手法を使 いこなすことが可能になった実務者がなり得る可 能性がきわめて大きいのである.たしかに,理論 にはむずかしさがあるが,一方「美しさ」があり, 理論的手法をマスターした実務者の数を増加させ てゆくことによって,今後の OR の飛躍的発展が 期待される.最近,多くの企業において理論に強 い OR 従事者が養成されてきていることが認めら れるのはまことに喜ばしいことである. 一方,理論研究者について考えてみると,現実 の問題を正確に把握できる者が増加しているとは 残念ながら認められない.たしかに,美しい理論 を語る研究者は多いが,明らかに現実から逃避す ることによって研究を成しとげている場合が一般 的であるといえる, OR が現実の問題を解決する ための科学的手法に関するものであるとし、う定義 1984 年 1 月号 からすれば,多くの理論的研究者は OR における 研究者とはし、ぃ難い,にもかかわらず, OR 研究 者であると自称することによって OR の普及が妨 げられているのである.理論研究者,ことに大学 において研究にたずさわる者の責任は重いといわ なければならない. このような OR 理論研究者の欠点に対処して研 究を行なう方法として,次のようなものを筆者は 考え,実行するようつとめてきているので,ここ で提示させていただきたい.それは,われわれに は固定的な与件はないとし、う立場をとることであ る.すなわち,ある問題を考えるとき,ある与件 の集合を採用したとすれば,その与件を採用した ことに後々まで責任をもたなけれぽならない,と いうことである.換言すれば,問題を解決してゆ く過程において,採用している与件も含めて手法 全体をチェックしていくのである. r そのような条 件は考えていなかった」という逃げ口上をみずか ら禁じてゆく態度が必要である. OR においては 数学などにおいてのように確固たる与件の上に問 題が存在しているのではなく,より一般的な聞か れた対象を扱うのであるから,理論的に解決でき る問題はむしろトリビアルなものであるという認 識が必要である. しかし,このことは OR における理論的研究が 意味がないといっているのではない.理論的研究 は, OR としては縮退した世界を扱っているので あることを念頭におき,その限界を明確にするこ とによって,かえって OR にとって有効となるの であることを強調しているのである.こうするこ とによって,人々の無意味な無視にさらされるこ となく,真価を発揮できるようになるのである. 実践抜きの OR が本当の OR となり得るのであ る.現在の理論的 OR 研究者の脱皮こそ OR のあ らたな発展の鍵である.

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