166 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
(66) フジ モト タケ トシ藤本武利(昭和2
医学博士 乙第880号 昭和63年2,月19日 学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者) 超音波検査による充実性甲状腺腫瘍の組織型診断 (主査)教授 鎮目 和夫 (副査)教授 重田 織子,教授 藤田 昌雄論 文 内 容 の 要 旨
目的 従来,甲状腺超音波検査においては水浸法による機 械式アーク走査装置が主体であった.しかし,近年で は超音波診断装置の開発進歩が目ざましく,安価で取 り扱いやすい優れた実時間表示の電子走査装置が実用 化されて来ている.そこで,コンベックス型毒血子を 装着した電子走査装置を用いて,超音波検査による充 実性甲状腺腫瘍の良・悪性の鑑別診断ならびに組織型 診断の可能性について検討した. 対象および方法 切除した充実性甲状腺腫瘍57例の超音波断層像(5 MHzコンベックス型探触子装置の電子走査装置,ゼ リーパック法)を病理組織所見と対比した. 結節性甲状腺腫の超音波断層像読影に際しては,腫 瘤について①境界,②形状,③周辺低エコー帯(halo) の有無,④haloの性状,⑤輪郭,⑥内部エコー,⑦・」・ 石灰化巣,⑧周囲組織への直接浸潤,⑨リンパ節腫大 の9項目の検討を行った. 結果 結節性甲状腺腫の良・悪性の鑑別診断において,境 界,形状,輪郭,’小石灰化巣,直接浸潤,リンパ節腫 大の各項目はいずれもtrue positive rate speci且cityは高いのにsensitivityが低く有意な関係が認められ なかった.一方,haloの性状,内部エコーは有力な項 目であった.haloの性状と組織学的被膜浸潤の有無と の対比を行うと,haloが不整な場合には有意に組織学 的被膜浸潤を認めた(p〈0.001).内部エコー不均一な ものには有意に癌が多かった(p=0.004).組織型診断 に関連してhaloの有無に注目して検討を行った.癌症 例に限ってhaloの有無と組織型との関係をみると, haloを伴うものでは有意に濾胞癌が多かった(p< 0,02).haloを認めなかった腫瘍は組織学的にみてい ずれも被膜形成を認めないか,あるいはごく薄い被膜 を認めるにすぎないものであった.乳頭癌がその多く を占めたが,比較的まれなものとして髄様癌の1例も haloを伴わない腫瘤性病変として描出された. 結論 結節性甲状腺腫の超音波検査による良・悪性の鑑別 に関しては,境界,形状,輪郭,石灰化巣,直接浸潤, リンパ節腫大の各項目はいずれも推計学的に有意では なかった.一方,不整なhaloと不均一な内部エコーは 癌の有力な診断基準となった. 組織型診断については①内部エコーの均一なもので は濾胞腺腫が,不均一なものでは組織型を問わず癌が 多かった.②haloが整なものでは濾胞腺腫が,反対に 不整なものでは有意に組織学的被膜浸潤がみられ,組 織型としては濾胞癌が多かった.③haloを伴わず内部 エコー不均一なhypoechoic mass lesionは乳頭癌か 髄様癌であり,その鑑別は現時点で困難と思われた。
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