〔原 著〕 (東京女医大甲声26巻第9号頁:447一 453昭和31年9月)
未熟児出生:の環;境についての一一・一一・b=考察
緒 東京女子医科大学衛生学教室(主任吉岡博人教授) 野 水 ミズ 矢 や 谷 タ=民
タミ川崎市中央保健所
本
モ}峯
ミネ (受付 昭和31年7月18日) 近年我が国乳児死亡の急激なる滅少にともな い,未熟児問題が大きくクロ 一一ズアツプされてぎ た。未熟児の原因については種汝の報告がある が,いう繍しの報告においても原因の明らかなもの は50%以下であって,残りの半数についてはあま り究明されていない様であるユ)’”6)。われわれは50 %をしめる未熟児の原因不明の究明の一助にもと 思い,母体の妊娠中の環境につき調査したのでこ こに報告する。 調査対象及び調査方法 調査対象中の未熟児は昭和28年1月から12月迄の1 年聞に川崎市中央保健所管内に出生せる未熟児(生下 時体重2.5kg以下)343名申調査のための呼出しに応 じたもの160名である。対照群は昭和28年1月から12 月迄に出生し保健所の小児相談に来たものの申から, 生下時体重3.Okg以上のもの147名をえらんだ。対照 群を特定の集団である小児相談からえらんだ事は適当 ではなかったが,呼出しに必要な費用の制約をうけた ため止むをえなかった。なお3.Okg以上をえらんだ理 由は,未熟児群に対して標準三下時体重3・Okg以上の 発育良好群と言う意昧である。 調査期聞は昭和28年4月から29年3月にわtり,矢 本が直接問診し7。 調査項目を大別して生物学的環境と社会的環境とし た。生物学的環境としては母の年令,乳幼児死亡率, 流死産率,未熟児分娩率,婚娠中の健康状態,分娩状 子 訂 子 コ 況,栄養(悪阻による食慾の変化,栄養摂取)につき, 社会的環境としては労仇条件(職業,家族数,乳幼児 数,収入をときなう仕事),教育程度,収入,精神的 負担につき調査した。 検定方法は,表■,X皿, XIV, XW, X、皿は算術平均の差の検定により,表m,IV, V, VI, wr, X皿, IX, XI, XE, XV, X V1, XIXはカイ自前i検定法によった。
なお管内の昭和28年の出生数は4652,出生率は20。1 (28年全国21.4)7),未熟児出生数は343,未熟児出生 率は7・4(26年全国7.3)8),乳児死亡率は37.4(28年 全国49.1)7)である。 調査結果及び考察 調査対象の貸下時体重度数分布は第1表のごと くである。 A.生物学的環境 1 母の年令 未熟児の母の出産年令は,25才未満及び35才以 上が,25才から34才にいたる10年間に比し高率で あると言われている59・10)。 われわれの調査では第H表のごとく,25∼29才 が45%で最も多く,30∼34才が25.6%,ついで20 ∼24才,以下35才より高年令になるに従い低率と なる。対照群も同様の傾向が見られる。前述の諸 氏の報告は25∼34才が最も低率であるのに比し, われわれの調査では逆にこの10年間が高率を示 す◎こういう結果をしめしたのは,本地区は工業 地区であるため,人口構成は青壮年層が多い特長
Tamiko M{ZU’VANI : (Departrnent of Hygiene, Tokye Women’s Medical Co13ege), Mineko Y AMOTO (Kawasaki Central Health Center) : A consideration on the enviroment of birth of prematurity.
8 第1表 生下時体重度数分布表
未熟児応
対 照 群生下時体言牌.数1生下丁重・・g・度数
1.2 rv 1.3 1 [ 3.0 N 3.1 1 32…;il’
齒¥・・.一両・8
L4 tv 1.5 O 1 3.2 N 3.3 24 1.5 tv 1.6 4 1 3.3 N 3.4 i 25 1.6 tv 1.7 g−et.4 nw gl.2ms L] 1.7 N 1.s 1 lo 1 3.s iv 3.6 12i,7i.5ww
垂狽sg 4151. J」6 Nri.−1’一L−6il.”5−g ZfiEl.’6To 一itl’r{II.77’t一一一51−g 1 Ts
2.0 N 2.1 [ 9 1 3.8 N 3.9 1 3 2・・t−2・・
c童旨意9.∴一1:・ヨ・
21−S’rm一.v’M−2Jg’s一一’2’6VZIb’一’一Lj”41 1 M’ i 2.3 tv 2.4 43 ! 4.1 tv 4.2 22・・∼…い94・・∼・副・
計 i60 1 計 147 をもち,妊婦の60∼70%は30才未満であるからで あろう。両群の母の平均年令は未熟児群28.8,対 照群27.8であって有意の差を認めなV、o 豆 乳幼児死亡率 母が調査時迄に分娩した子供の死亡率である。 第皿表のごとく出生数は未熟児群182,対照群135, 各死亡数17,従って乳幼児死亡率ili’未熟児群93, 対照群126である。検定の結果P<0.01で,乳幼 児死亡率は対照群が高い。これは対照群のえらび 方が,前述のごとく特定の集団であったために生 じた結果かと思われる。 皿 流死産率第IV表流死産率
一_一一一一一Q.1未熟児菌 対照蝕 分 姫 回 数 182 135 流 死 産 回 数 55 39 計 (雄娠 回 数) 238 174 流死産率(妊娠100対) 23.1 [ 22. 4. 1 第n表母の年令\ 未熟児群
母の幹\\畳数%
対 照 群 度数 % .20 tv 24 27i 16.7[ 32i 21.sEg720f’i, lmzrs.o
70 1 47. 7 30 N 34 1 41」 25.61 36i 24.s 35 r−y 39 18 1 11. 3 71 4.8 40 tv 44 21 i.21 21 1.2 計…1…巨4刻…
平均年令 28. 8±O.3
27,8 ± O.4 第IH表 乳幼児死亡率 x2==o.06 n=1 O.8〈p〈O.9 流死産の既往を有するものは,第IV表のごとく 妊娠100中未熟児群23.1,対照群22.4である。検 定の結果は両群間に有意の差を認めない。永井氏 の報告1)は28.7%で,われわれの調査結果よりや や高率である。IV未熟児分娩率
第V表 未:熟児分娩率 r=一rxx.−[成熱児分娩画数
未辮劃対囎
122・ ・ 132渠熟児分娩勝1
60 3 計 182 135 未熟児分娩率(分娩100対) 33.0 ] 2.2未熟児群 対照群
生 存 数 165 118 死 亡 数数生児死亡「2
1 乳 児 死 亡 12幼児死亡
3 1,]一i.一 17 9 7 17 出 生 数 182 135 死 亡 率 93 126 x2=13.2 n==1 p〈O. Ol x2=45.3 n=1 p〈O. Ol 第V表のごとく未蚕児分娩の既往は,、未熟児群 182回中60回の多きに比し対照群はユ32回中僅かに 3回で,一見して差が明らがである。分娩100中 の未熟児分娩率は未熟児群33.・0,対照ff 2L 2であ る。検定の結果P<0.01で有意の差を認める。即 ち未熟児を生んだ母は,再び未熟児を生む可能性 がある。 V 妊娠中の健康状態 一一 448 一未熟児群{対照群
障数 % 度数 %
健 康 者 ・1・1・9・・1・・gレ・・剰繍幡三悪
1司其の他の疾痢・6
r 20. 6 1 2s 49 1−1一・ 38 10. 0 1 10 i 19. 0 6. 8 計 160 1 100 1 147 i 100x2 == O. 58 n==1 O. 7>p>O. 5
第VI表にしめす。諸氏の報告のごとくわれわれ の調査でも,疾病者は30%内外であった。一般に 妊娠中毒症は未熟児と関係が深V・とされている。 われわれの調査では第VI表のごとく両群とも20% 内外で,その他の疾病の二倍である。検定の結果 は両群間に有意の差を認めない。即ち妊娠中毒症 は未熟児と関係が深V・とは思われなV・。
VI分娩状況
第w表分娩状況
る。しかし悪阻による食慾の滅少が栄養摂取を困 難にするので,悪阻による食慾の変化を調査し た。食慾が減少したものは未熟児群88(55.0%), 対照群85(57.8%)で両群間に有意の差を認めな い。即ち悪阻による食慾の変化は,未熟児の原因 となるとは考えられなV・。 (2)栄養摂取 第D(表栄養摂取 らへ1\
\
繍鰭区照酬
\\[度剃
% 度 数… % 1特に気をつけ潮 ssl 34.4] 67] 45.6 11i マ 」未熟児群 対照群 10 111平常通
r)1 iosr 6s.6i sol 54.4i計 1601
x2=2.71 n==1 O.1>p>O.e5 異 常 分 娩 正 常 分 娩 150 136 計 160 異常分娩率(分娩100対) 6. 3 147 1 ” 」 7.5 x2=3.83 n一一1 O.1>p>0.05 く う 100 2 147 1 100 ・ 1 1 調査対象の分娩が正常であったか否かを調査し た。即ち第W表のごとく異常分娩は両群とも7% 内外で,有意の差を認めない。 VH 栄養 妊娠中の母の栄養摂取が未熟児に関係あること は近年iS Aと報告されている2)12・!5)。そこでわれ われ,は栄養につき(1)C2)にわたり調査したσ Cl)悪阻による食慾の変化 tdil/11[表 食慾の変化\\ i未熟児魚
食露\匝数1%
x., 減 少{ 正常及び充進1 1 対 照 群 栄養の第二として妊娠八三に栄養摂取に注意し たか否かを調べた。調査中注意したと答えたもの の中にも,迷信的なものや科学的でないものはの ぞいた。特に注意したと答えたものは未熟児群55 (34.4%),対照群67(45.6%)で両三間に有意の 差を認めなV・。 B.社会的環境 w 労働条件 妊婦の労働条件につきCl)∼(4)にわたり調査し た。 (1)職業 第一に家の職業が妊婦に及ぼす影響につき調査 した。職業はくわしい分類が不可能なため四種類 に大別して調査した。十寸とも勤労者は80%内外 で,次に商業が多い。これでは検定に不便ゆえ, 職業を母親の労働面から考えて,第XI表のごとく 勤労者及び無職と,商業及び農漁業の二群に分け第X表職業e
卜\[綿騰
対照副
長酬%
隊業ガ\障数
128 1 勤 労 者% 記数「%
’u№唐狽i6−eo””’1−23 t s3.71/ .e.ii... .. i.F: o L.. ..&’ Lgz:・ gs
72i・5・・「岡石
計 1601 loo l 147! loo x2=O.25 n=:1 O.9>p>O.8 商 業 農 漁 業 無 職311 19.41 16
011,11一.1一,11L.le−」.lillll O.6[ 4
1 1ρ囲 ?;7m 2.7 計 160…巨47い…
=:.r. 149 ’:rr..10 第XI表 職業⇔ 職業別 1
未熟児群
\画%
度 数 %対 照 六 六六者及び無職 12gl so.61 1271 s6.4 商業i及び農漁業 31 [ 19. 4 20 1 i3.6 1 計画…[乙・}・・ei
x2= L 84 n==1 O.2)p>O.1 第)皿表職業㊨ 職業別\_度釧%
未寸寸群 対 照 群
度釧%
311 lg.41 16 i lo. g l1 12g l so.61 1311 sg.1i 比し野牛過重が考えられ,それが未熟児分娩の一 因となっているのではなかろうか。 (2)家族数 労働条件の第:二として家族数を調査した。家族 数の多い野合は,妊婦の家事労働も大きくなるの ではないかと考えて調査した。第X㎜表のごとく 平均家族数は未熟児群4.1,対照群3.8で両二間に 有意の差を認めなV、o 〔3)乳幼児数 第XIV表 乳幼児教 商 業 そ の 他 計画・… 47司
x2=4.26 n==1 p〈O.05 て比較した。検定の結果P<0・1で未熟児群と対 照群との間に有意の差を認めなv・。なお第X表で 両群の職業の百分率を比較すると,商業の差が最: も大きい。即ち対照群16(10.9%)に比し未熟児 群31(19.4%)で約二倍である。そこでeex{1表の ごとく商業とその他の二群に大別して検定する と,P<0.05で未熟児群と対照群との闇に有意の 差を認める。即ち商家の妊婦は他の職業の妊婦に 第X皿表家族数痴藪\隊熟児群1対照臨
0 1 79
1 1 57
2 ( 22
.. L一. .t.一.... ..lr....t 一一 . t 78 ヨ「 59
10 3 2一[
o 計 160 147乳幼児数「
d107 79 −i−iB51.‘.“一_隊熟児丁壮、 照 群 平均乳幼児数 42 P:.Z一/i−OLgsJl一. 一〇・6 ± o. os li 2 45 3 33 40 4 28 24 5 23 12 6 11 9 7 14 7 8 4 2 9 3 5 102 1 0
11 1 212 1 O
1 計覇露数「
160 147 4.1土0.2 3.8士0.2 野働条件の第三として,家族内に5才以下の乳 幼児が何人居るかにより妊婦の労働に差があるの ではないかと考えて調査した。第XW表のごとく 平均乳幼児数は未熟児群0.7,対照群0.6で有意の 差を認めなV・。 ㈲ 収入をともなう仕事 第XV表 収入をともなう仕事…蛭\
未熟児群
度剃%
対 照 群度数「%
仕事塑・L・41刎22・5…
しなかった 146 1 9L 3 125 1 85. 0 計 160 100 147 100 1 x2==2.86 n=1 O.1>p>O.05 Alice Stewart14)は妊娠中の労働の産科的影響 について調査し,労働に従事する期間の長い程, 未熟児頻度は高いと報告してV・る。そこでわれわ れは,労働条件の第四として妊娠中就職あるV・は 内職等,直接収入をともな.う仕事をしたか否か を,その期間の長短にかかわらす調査した。仕事 をしたものは未警守群8.7%,対照群15.0%で対 照群は未熱児群の約二倍である。この様に一見矛 一一・S50 一一盾した結果をしめしたのは,調査にあたって仕事 をした期間の長短を無視したためではないかと思 われる。検定の結果は0.1>P>0.05で有意の差 を認めなv・。 D(教育程度 第XVI表 教育程度 i.×.x 宝\\ 1教育程度\\ /v.L; 1一“’k
@XI
l義務教育以下 L.___.ゴー未熟児六
六 照 群瞳数% 寸寸%
lo21 63.s l s41 s7.1.li丁丁以上 5836. 2 i・3 142.・9…
計 160 1 100 工47 100 ♪(2=1二40 n==1 0.3>pン0.2 母の学歴を義務教育終了(旧制高等小学校卒お よび新制中学卒)以下とそれ以上の山群にわけて 比較した。第XVI表のごとく義務教育終了以下の 母は両群とも60%内外である。検定の結果0・3> p>0.2で有意の差を認めない。 第XW表 収入 1).’)〉...’sx l単位: ∼一 il一, OOOE….一’xxL.X 収入
経済状態が未熟児出生に関係あるごとはすでに 報告されてV・る15)。そこでわれわれは家族一人当 りの平均月収を調査して,未熟児との関係をしら べた。第X田表のごとく,全体の50%は3,000∼ 7,000円の間にある。各群の平均月収は,未熟児 群5,630円,対照群6,080円で対照群がやや多い。 検定の結果は両群聞に有意の差を認めない。 なお昭和28暦年全国一人当りの名目所得は66,’ 230円11)(月5,519円)であるから,管内の所得 は全国平均よりやや高V・。XI妊娠判明月数
第XV皿表 雄娠半ti明月数 ISE−x−L.x. 丁数 1’iilllir一.pt’r).十日対照群 1 4 2 2 39 40 3 56 43未熟児群 対 照
一一一・一一一㊧鼈黷P一一V”1
群1
1 tv 2 一一一一 @e 0 2 N 3 8 13 3 tv 4 29 4 N 5 16 4 15 21 5 25 27 6 5 4 16 16 5 N 6 23 22 6 N 7 26 21 7 rv 8 16 14 8 tv 9 9 rv 10 6 8 4 4 10 tv 11 3 11 tv 12 1 6 2 12 rv 13 1 o 13 tv 14 1 14 rv 15 o 0 1 15 ・tw 16 o 1 不 明 23 23 計 160 147平均月劇・63・・r6・・8・・….・・
7 o 8 1 4 1’ 9 o 1 10 o o 不 明 15 4 計 )一r 160 147平均月数
3.3 ± O.1 3.5土0.1 妊娠が判明して以後の妊婦の生活は精神的なら びに労働栄養等の面で種kの配慮がはらわれる ため,妊娠判明の早v・かおそVbかが未熟児群と対 照群とで異るか否かを調べた。第X上表のごとく %は3ヵ月迄に判明して居り,5ヵ月迄に駕が判 明している。平均月数は未熟児群3.3,対照群3.5 で有意の差を認めない。 溜 精神的負担 妊娠中特に精神的負担を感じたものは,ngXIX 表のごとく未熟児群29(18.1%),対照群12(8.2 %)で検定の結果有意の差を認める。第一は姑小 姑との同居による精神的負担であって,未熟児群 13,対照群6で全体の%をしめている。川崎の様 一 ・S51’ 一一・一12 ngXIX表精神的負担
×
未 熟 児 群 度 対 照 罪 数 % 度 あ り 姑,小姑との同居による精神的負担 夫の失業による生活苦 家族の病気及び死亡による精神的打撃 夫の不貞 間借による精神的負担 直入の病気 13 6 3 2 3 2 29 18. 1 数 % 6 3 2 1 o o 12 8.2 な し 131 8L9 e 135 91. 8 計 160 100 147 100 x2=6.57 n=1 p〈O. Ol な近代的都市においてすら以上の様であるから, 封建性の強VO地方農村におV・てはなお多くの問題 がある事と思う。第二は夫の失業による生活苦で 第一の原因の半分にあたる。 総 括 昭和28年川崎市中央保健所管内に出生せる未熟 児及び対照児の二群について,母の妊娠中の環境 を調査した結果を述べたが,以上を総括すると次 のごとくである。 生物学的環境 1.母の年令は魚群とも平均28∼29才で,両二 間に有意の差を認めなv・。母親の45%は30才未満 である。 2. 乳幼児死亡率は未熟児群96,対照群126で その差は有意である。しかしこれは対照のえらび 方の不備によるものと思われる。 3.既往の流死産率は両群とも妊娠100中22∼ 23である。両畝間に有意の差を認めない。 4..未熟児分娩率は未熟児群33・0,対照群2・2 で両両間に有意の差を認める。 5.妊娠中の健康状態は,疾病者が両群とも30 %で,有意の差を認めない。疾病の第一は妊娠中 毒症である。 6. .分娩状況は,両群とも異常分娩が7%内外 で,有意の差を認めない。 7.(1)栄養の第一として悪阻による食慾の変化 を調査した結果,減少したものは:両群とも55%内 外で有意の差を認めない。 (2)栄養の第二として妊娠中特に栄養摂取に注 意したものは,両点とも40%内外で有意の差を認 めない。 社会的環境 8.(1)労働条件の第一として,職業は鮮血とも 勤労者が80%をしめ,次に商業が多い。両三を比 較すると商業において差がいちぢるしV・。検定の 結果論盤面に有意の差を認める。 〔2)労働条件の第=二として,家族数は:両群とも 4内外で有意の差を認めなV・。 ㈲ 労働条件の第三として,乳幼児数は両群と も1以下で有意の差を認めない。 (4)労働条件の第四として,妊娠中収入をとも なう仕事に従事したものは,未熟児群8L 7%,対 照群15. 0%で検定の結果有意の差を認めない0 9.教育程度は,両群とも60%が義務教育終了 以下で,有意の差を認め2it V“ 0 10.家族一人当りの平均月収は,50%が3,000∼ 7,000円で,平均は両群とも6,000円内外である。 検定め結果有意の差を認めない。 11.妊娠の判明月数は%が5ヵ月以下で,一群 の平均は未熟児群3.3,対照群3.5である。検定の 結果有意の差を認めない0 12.妊娠中精神的負担を有したものは,未一三 群18.1%,対照群8.2%で有意の差を認める。最 も多いのは姑小姑との同居による精神的負担であ る。 以上の調査により有意の差があったものは乳幼 児死亡率,未熟児分娩率,職業,精神的負担であ る。乳幼児死亡率に有意の差を認めた点は,前述 _麺52門,.のごとく対照群選択方法の不備によるものと思わ れる。その他の点については,未熱児分娩の既往 がある妊婦,商家の妊婦,特に精神的負担がある 妊婦に対し,それらの環境を考慮した積極的指導 を行えば,未熟児発生の防止に若干寄与すること と思う。 稿を終るに臨み,終始御指導御校閲を頂いた当教室 の吉岡博人教授ならびに諸岡妙子助教授に厚くお礼を 申し上げます。 文 献 1)示井守一他一名:吾教室に於ける早産児(未熟 児)の統計的観察,第四回人口問題全国協議会報 告書(下),15(昭和16年5月) 2)詫璽武人:早産児,主な小児疾患とその臨床, 177(昭和28年1月) 3)嶋田和正:東京都における未熟児の状況,小児 保健研究,13,32(昭和29年1月) 4)岩崎熈毅他4名:大阪府下における未熟児の研 究(第1報)小児保健研究,13,142(昭和29年8月) 5)近藤千樹:早産児未熟児の原因,保健と助産, .ア,.壁(昭和28年.1月) 6)鈴木正勝:早産児未熟児の予防,保健と助産, 7,7(昭和28年1月) 7)厚生省大臣官房統計調査部:国民衛生の動向, 厚生の指標特集,1,17(昭和29年6月) 8)厚生省大臣官房統計調査部:昭和26年人口動態 統計(上),51(昭和29年3月) 9)角田属作;未熟児,厚生の指標‘2,4(昭和30 年6月) 10)小越慶三:大阪市における未熟児出生について 小児保健研究,15,96(昭和29年4月) 11)経済企画庁:昭和29年度国民所得,124(昭和30 年10月)
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