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高調波水晶振動子を用いた水晶・波器

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Academic year: 2021

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高調波水晶振動子を用いた水晶炉波器

Quartz

CrystalFilters

Employing

Overtone

Quartz

Vibrators

AtsushiTachibana

数百kc付近で広く使用されている水晶振動子としては輪郭すべり振動をするCTカット,DTカットの振動 子がある。本報告は,長方形状薄板の水晶振動子の長辺力向の高次縦振動を上記輪郭すべり振動の代りに使用 した場合について述べたものである。まずⅩカット系振動子の高次縦振動系ほ,CTカットあるいはDTカッ ト振動子などの輪郭すべり振動系より腎量比が小さく,したがって炉波器を構成したときに通過帯域幅が広く とれ,また4端子構成に適している 振動子における実験結果について 。次にこの高調波振動子の等価回路を説明し,+50Ⅹカット ベ,最後に十50Ⅹ に比して帯域幅を約2倍広げられることを示した。

l.緒

水晶炉波器ほコイルとコンデンサの組合わせからなる炉波器では 得られないきわめて急しゅんな減衰特性を有し,また温度などの周

図集件の変化に対して安定な周波数特性を有しているので広く

通信に利用されている。 水晶炉波韓に使用される水晶振動子は,振動子の共振周波数に応 じて各種の振動様式が利用されているが,とくに200kcから600kc くらいまでの周波数範囲で使用する振動子としては,正方形状薄板 の輪郭すべり振動を利用したCT,DT,ET,FT などの諸カッ ト(1)(2),あるいほ長方形状薄板の高次の縦振動を利用したもの(3) (6) などがある。なかでも上記輪郭すべり振動の諸カットは,いわゆる 零温度係数の振動子であるので共振子として,また発撮子として広 く利用されている。 炉波器用振動子としては,共振周波数の温度特性,容量比,副共 振特性が問題になる。いうまでもなく共振周波数の温度特性は炉波 器の周波数特性の温度変化にきいてくるものであり,容量比は後述 するように帯域炉波器の実現可能な帯域幅に関係してくる。また副 共振特性は炉波器の減衰域における保証減衰星に関係してくるもの である。上記の諸特性のほかむこ,格子形回路形式の炉披器の場斜こ は,1偶の撮動子が容易に格子形回路として実現できるかどうかな どの点も問題となる。 いま上述した振動子についてこれらの諸特性を比較してみると, 容量比および格子形回路の点についてほ縦波の高調波振動子のほう が有利であり,また共挨周波数温度特性および副典振特性に関して も,振動子の寸法比を適当に選ぶことによりこの高調波振動子にす ぐれた特性をもたせることができる。 このように縦波の高調波振動子ほ炉波器用としてすぐれているに もかかわらず,実際に使用している例ほあまり多くないようであ る。本報告は+5ロⅩカットの高調波振動子の特性と,これを使用し た帯域通過炉波器の実例について述べようとするものである。

2.容

比 一対の電極にはさまれた水晶振動子ほ,その一つの共振周波数の 近くでは弟1図に示すような等価回路で表わされる。一般に水晶振 動子の¢値は非常に高いので,振動損失を表わす抵抗丘1は省略し て考えても一般にはさしつかえない。そうすると水晶振動子の2端 子イソピーダンスの周波数特性は弟2図のように表わされる。ここ で′花は共振周波数,んほ反共振周波数であり,その間には次式 * 日立製作所戸塚工場 カット振動子を用いた水晶折渡器を実験し,従来のもの

。---」ロトー→

∠/ ど/ 斤/ ■∴・ 第1図 水晶振動子およびその等価回路 亘∵ハ軋-]∧ヽ が成立する。 第2図 水晶振動子のイソピーダンス .「1ノ▲J.・

志*

ここでCl/句ほ水晶振動子では一般に10 2 以下の量であるので 上式ほ近似的に 』′_′4-ノ長⊥_(l

て盲高

とかける。このようにCo/¢1は水晶振動子の共振周波数と反共振周 波数のひろがりの幅を定める量で,その振動子の容量比と呼ばれる。 一般に容量比は振動子の裁断方位撮動様式,電極配置,そのほかの 物理的特性に依存する量で,水晶振動子では125以下にすることは できない。振動子に直列にあるいは並列に外部容量を付加すると, 舟が上昇するかあるいは′lが低下するので,付加容量をも含めて 弟1図の回路に表わしたときに定義される容量比は常に元の値より 増大する。 この容量比の値に下限が存在するということは,水晶振動子を用 いた帯域通過炉波器の通過帯域幅に上限を与えることになる。すな

わちある程度以上広げることほできない。たとえば,弟3図(A)に

(2)

576 十 ・二 周 波 数 仁・、・ 第3図 狭帯域水晶折渡器の一例 第1表 振動子の振動様式と容量比 示すような折渡回路の場合にほ,同図(B)に示すリアクタンス特性 からわかるように,その帯域幅は容量比の逆数以下となる。帯域幅 の広いものが要求されるときには,容量比ほ小さいほうが好ましい わけである。 水晶振動子と容量のみから構成される炉波器は,イソダクタンス と容量からなる普通の炉波器では得られないきわめて狭帯域のもの が実現できることが長所であるが,使用日的によっては炉波器を通 ってきた出力信号の波形ひずみとか,時間おくれの問題などのため 減衰域に影響を及ぼすことは少なくて通過帯域幅を極力広くとるこ とが要求されることがある。もちろんインダクタソスを水晶振動子 と併用すれば帯域幅はずっと広くとれるわけであるが,インダクタ ソスは使用しないで済むことができれば折渡器の素子数も少なく安 定性も倍加されるわけである。 弟l表ほ,輪郭すべり振動の振動子とⅩカット系縦振動の振動子 の容量比の実例を示したものである(7)。Ⅹカット系振動子にくらべ て輪郭すべり振動系拐動子は2.5∼3倍の容量比となっている。した がってⅩカット系縦振動を用いたほうが帯域幅ほ広くとれることが わかる。

3.高調波振動子

前章で述べたように,Ⅹカット縦振動系は輪郭すべり振動系より 符量比の点ですぐれていることがわかった。しかL基本振動の共振

周波数が数百kc以上のものを上述のように縦振動系で製作しよう

第42巻 第5号 + 弘「 l l 事 l

ト÷1

l-田 水晶振動子 第4図 高調波水晶振動子 ● u 払「 I 田 〝

√.・ 第5図 水 晶振動子 第2表 電極配置と等価回路定数の例 (2端子の場合) とすると,振動子の寸法が小さくなり製造上有利でなくなる。たと えば保持器や電極などの付加物により水晶本来の特性がゆがめられ る度合が大きくなる。このような欠点を救う一つの方法としては, 高調波振動を用いる方法がある。すなわち細長い長方形板状振動子 が第乃次高調波の振動をすることは,この振動子を粥等分して考え たとき,各部がその長さに相当する基本振動をしているとほぼ考え られる(5)(6)。したがって第れ次高調波振動子を用いれば,抑等分さ

れた部分の容量比をほぼ元の値に保ったまま寸法を循倍にすること

ができるわけである。 高調波撮動を用いた水晶振動子については前に報告(6)してあるよ うに,第弗次高調波振動をさせる場合には,弟4図に示すように長 さ方向にル等分された電極を設けておくと,電極の配置によって種 々な等価回路定数が得られる。たとえば弟2表に第2および第3高 調波の場合の若干例を示しておく。同表での等価定数値エ1,Clおよ

び和ま,弟5図に示すように第乃次高調波振動子の長さをれ分の1

(3)

調

動 子 を

い 577 第3表 電極配置と等価回路定数の例 (4端子の場合) 個々の電極の長さはJ/〝,ただし*印をつけたものは中央電極の長さJ/2乃である。 /鋸脚 甜 邸 へ毎臣7是) 茹増長紫野 4α砂 ご・、・ 、 ヽ 第6図 周波数定数と辺比との 関係(第2次高調波振動子) 、 、、 孜1/J--第7図 周波数定数と辺比との 関係(第3次高調波振動子) ズ/.ズヱは水晶振動子 第8国 水晶炉波器構成図 として,全面電梅を付けて基本振動をさせたときの振動子の2端子 インピーダンスの等価定数値にはぼ等しい。また高次縦振動のとき には,振動の節部が2箇所以上現われるから,ワイヤマウントの方 法などにより支持を兼ねた電気端子としてのリード線を振動の節部 にとりつけることにすると,リード線による影響を少なくして4端 子回路としての振動子をうることが容易にできる。弟3表はこの場 合の電櫨配置と等価回路義教に関する若干例を示したものである。 葬る囲および弟7図に第2および第3次高 波振動子の実例とし て+50Ⅹカット振動子について測定した共振周波数定数と辺比との 関係を示す。電極配置ほ同図中に示してあるとおりである。辺比が 大きくなると共振周波数の温度係数ほ大きくなり,また副共撮が増 加してくる。 仙ノ 〃Y 〓Ⅹこ β 〃 ′〃) へでし) 新玉軸4ハエ共振周波黙偏差 横軸lま‡員席 第9図 共振周枚数温度特性 〟βノ ・・・l、 ∴ 、 J 一 ノ帖.J イ♂〔r) ∵、一 ♂ 〝 縦軸ほ共振措抗 横軸は過度 第10図 共振抵抗温度特性 J・ ・・

(4)

578 (喝勺) ポ焉Y 小 中 ∫ へ喝勺) ▲〃∠ぴ 一三玖7 第11図(A)減 衰 特 性 「飢形 -ノ〝 ♂ +a紗 十一仰/仰) (∫β) 第11国(B)減 衰 特 性

+↑(胡)

退↓1

甜 加叩 〃ル 招 、、、 ガ 州〟 伽〃 朋…ガ 〃 形 甜 〃レ ■〃〕 ■〃 ′ノ」 /-′ ・ ▲ )

既望堪↓+

〟 川ル 〃"甜 川押 印 形 Mル 朋 ク(ノ右) 周波数偏差(勒) 第12図(A)入力インピーダンス特性 ∠崩ノ J「ムノ 同波数 偏 差(仇) 第12図(B)入力インピーダンス特性 こご m苧音製占蒜∵訂-〕∧ヽ へ讐 豊吉忠告K∴h-u∧ヽ

4.応

次に第2次高調波振動子を狭帯域炉波器に応用した例について述 べる。 ここで注意しなければならぬことは,振動子の容量比はその電極 酉己置によって変化することで,へたに電極配置をすると,せっかく 小さくした容量比を大きくしてしまうことになる。弟2表で,並列 容量におのおのの電極間の静電容量を考慮すれば容易にわかるよう に,最小の容量比を与えるものは,同義の上から2番目の場合であ る。最上欄は最大の容量比を与える。 試作した炉波器は中心周波数210kc,帯域幅600c/sおよび680c/s の2種類の荷域通過炉波器である。構成回路を弟8図に示す。水晶 振動子は+50Ⅹカットの長方形状薄板で,その幅と長さの比は0.2, 共振周波数は楷域幅600c/sの場合には209.633kcと 210.000kc, 帯域幅680c/sの場合には209.550kcと210.000kcである。厚さは それぞれ0.24mmから0.35mmの範囲にある。 作した水晶振動 子の共振周波数と共振抵抗の温度特性を弟9図と弟10図に示す。 これらの値は弟2表の上から2番目の欄に示したような電機配置で 測定した場合の値である。この図からわかるように温度変化に対し て非常に安定である。 このような振動子を用いて得られた炉波数の減衰特性をそれぞれ 弟11図(A)および(B)に,また入力側からみたインピーダンス特

(5)

調

性を第12図(A)および(B)に示す。 炉波器の実際の通過帯域幅は,設計上の上下

動 子 を

い た

断周波数の差より せまく,また配線そのほかによる浮遊牢屋のため実 ヒの振動子の 牢量比はさらに大きくなる。このようなことで,従来のCTカット などの振動子を用いると,大体この周波数付近でほ澤域幅は約340 C/sが限度であった。 ここに+50Ⅹカッ†縦振動の高調波振動子を用いることにより, 通過帯域幅を約2倍に広げることができた。

5.緒

口 以上輪郭すべり振動の振動子と高次縦振動の振動子とを比較し, 容量比および格子形回路に使用する場合においてほ後者がすぐれて いることを述べ,次に高次縦振動の例として第2および第3次高調 波振動子の等価回路を説明し,+50Ⅹカット長方形状 の実験例を述べた。

最近萱

板の振動子

y-折

最後にこの第2次高調波振動子を用いた狭帯域折渡器の実験 を示した。これにより従来の振動子に比べて通過帯域幅を約2倍に 広げることができることを確認したっ 木報吾を終るに当りご指導いただいた横沢伺立大学飯島健一教授 にお礼FPしあげるとともに, 舎研究所のかたがた,日立 に感謝の意を する。 を 子 動 坂 口旧 丸 作していただいた金石 所戸塚工場西し1」謙長はじめ関係各位 参 芳 文 献 (1)S.C.HightandG.W.Willardニ Proc.IRE.,25,549(1937) (2)W.P.Mason:BSTJ,74(Jan.1940) (3)J.J.Vormer:Proc.IRE.,36,802(June1948) (4)実用新案No.385,768 (5)古賀免策:正電気と高周波80(昭一13オーム社) (6)橘篤志:日立評論39,59(昭32-10) (7)無線工学ハンドブック667(昭29オーム社) 所

立 日 た

の 装

び よ お

(その3)

参照

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