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超音波画像検査による乳牛の分娩後における子宮修復に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

超音波画像検査による乳牛の分娩後における子宮修復に関

する研究( 内容の要旨 )

Author(s)

齋藤, 康倫

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(獣医学) 甲第099号

Issue Date

2001-03-13

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/2153

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏 名(本籍) 学 位 の 種 類 学 位,記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科及び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 貞 賓 藤 康 倫 (千葉県) 博士'(獣医学) 獣医博甲第99号

平成13年3月13日

学位規則第4条第1項該当 連合獣医学研究科 獣医学専攻 束京農工大学 超音波画像検査による乳牛の分娩後における 子宮修復に関する研究 主査 東京農工大学 副査 東京農工大学 副査 帯広畜産大学 副査 岩 手 大 学 副査 岐 阜 大 学 授授授 授 授 教教教 教教 郎夫忠一明 利 秀邦 陽忠 崎 前藤 宅 藤 茂 岩 加 佐 三 工 論 文 の 内 容 の 要 旨 乳牛の生産効率を向上させ、酪農経営の安定を図るためには、繁殖を一年一産の目標 に近づけることが最も重要と認識される。しかし、現実には分娩後早期に卵巣周期が再 開し、発情が発見されているにもかかわら.ず、左右子宮角が同等でなかったり、排出粘

液が汚れてl)たりするため人工授精ができない牛や、人工授精ができても受胎しない牛

が多くみられ、分娩間隔の延長をきたしている。これらの牛の多くは分娩後の子宮修復

過程に何らかの異常をきたしているものと考えうれる。

本研究では乳牛の分娩後における受胎成療の向上を図るためめ基礎的な研究として、 超音波画像検査による分娩後の子宮修復について検討を行った。まず,牛子宮の超音波 画像の解析基準を明らかにするため、16例の摘出子宮を水中に浸して超音波画像検査 (水浸法)を行い、得られた子宮角超音波画像と同部位の組織切片の所見を比較検討し た。さらに、3例の播出子宮を用いて子宮角の一部を切除し、同様に水浸法で超音波画

像検査を行い、周部位の■組織切片と比較検討した。●加えて、子宮角横断面で肉眼的に4

層を識別しこ それらの4層それぞれに注射針を刺入して超音波画像検査を行うとともに、

刺入した層を確認するた・め刺入部位に墨汁を注入し、組織切片を作製して調べた。その

結果、水浸法において子宮角横断超音波画像で子宮壁は5層、・すなわち子宮内腔側から 内側のエコージェニウクな層、わずかにエコージェニックなリング状の層、中間のエコー ジェニツクな層、わずかにエコージェニツクなアーチ状の層および外側のエコージェニツ

クな層が鼓別され、それらは、組織学的にそれぞれ子宮内膜、輪筋層、血管層、縦廟層

および子宮外膜に対応することが明らかとなった。

(3)

-216-この結果を基に、生体内で超音波画像検査を行い、水浸法で明らかにした子宮超音波 画像解析の基準が適用できるか確認し、さらに、発情周期に伴う超音波画像の変化を調 べるため、発情周期を正常に回帰している乳牛3頭について排卵後12日にプロスタグラ

ンジンF2α(PGF2α)を筋肉内注射して、.PGF2α投与前、次回の排卵前2∼1日、排

卵後3日、7日および14日に超音波画像検査を行って検討した。その結果、生俸内では 水浸法より画像が不鮮明となり、多くの場合、水浸法において識別される中間のエコー

ジェニツクな層、わずかにエコージェニツクなアーチ状の層および外側のエコージェニツ

クな層、すなわち血管層二縦筋層および子宮外膜が生体においては均一な1つの層とし

て描出され、生体における子宮角横断超音波画像では3層が識別可能であることを革め

た。事た、超音波画像において識別される3層の厚さは計測可能であり、発情周期にお

いて、排卵前に子宮内睦の直径の拡大と子宮内膜の厚さの増大が明瞭に認められた。し

かし、選音波画像のエコー程度の変化は認められなかった。

そこで、超音波画像検査を行って乳牛の分娩後における子宮修復の状態を調べ、子

宮修復の時期および子宮修復判定基準を明らかにするため、正常分娩したホルスタイン 種乳牛14頭について分娩後42∼50日まで週2回(3∼5日間隔)超音波画像検査を行っ

て検討した。その結果、臨床形態李的な子宮修復は子宮内膜、子宮筋層、子宮内腔およ

び子宮角直径の順に完了し、妊角の子宮内腔直径は分娩後26.5±6.7日、妊角直径は分

娩後26.8±6▲3日で完了した。また、修復値は妊角子宮内腔直径が1.3±0.2汀Ⅱn、妊角 直径が34.1±2.8nⅡnであったも

このことから、臨床形態学的な子宮修復の判定基準と

しては、妊角の直径が37mm以下となり、子宮内腔の直径が1.5mm以下となることが 提示された。 次に、超音波画像検査により子官修復時期と判定された分娩後30日前後に、子宮内 腔に滅菌生理食塩液を注入して超音波画像検査を行い、子宮内腔および子宮内膜の状態 を調べるとともに、注入した生理食塩液を回収して細菌検査を行い、子宮修復の状態を 検討した。そゐ結果、分娩後30日前後にはほとんどの牛において回収した子宮内腔注入 液から細菌は検出されず、子宮内腔は無菌的状態に復していた。また、細菌が検出され たものでは生理食塩液を注入しての超音波画像検査において子宮内膜に極めてエコージェ ニツクな巣状部分が認められ、回収した子宮内腔注入液が出血し赤色粘調性である特異 的な所見がみられた。 以上の成績から、超音波画像検査による臨床形態学的な子宮修復判定基準が明示さ れ、その基準に基づいて臨床形態学的な分娩後の子宮修復の判定が可能となった。本成

果により、子宮修復の異常を早期に発見し、早期に適切な治療処置を行うことが可能と

なり、分娩後の受胎率の向上が図れるものと期待される。 審 査 結 果 の 要 旨

本研究では乳牛の分娩後におけ挙受胎成績の向上を図るための奉礎的な研究とし

て、分娩後の子宮修復について超音波画像検査に■より臨床形態学的に明らかにする

ことを目的とした。まず、牛子宮の超音波画像の解析基準を明らかにするため、■16

例の摘出子官を水中に浸して超音波画像検査(水浸法)を行い、得られた子宮角超

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音波画像と同部位の組織切片の所見を比較検討した。さらに、3例の摘出子宮を用い

て子宮角の一部を切除し、同様に水浸準で超音波画像検査を行い、同部位の組織切

片と比較検討した。加えて、子宮角横断面で肉眼的に4層を識別し、それらの4層そ れぞれに注射針を刺入して超音波画像検査を行うとともに、刺入した層を確認する

ため刺入部位に墨汁を注入し、組織切片を作製して調べた。その結果、水浸法にお

いて子宮角横断超音波画像で子宮壁は5層、すなわち子宮内腔側から内側のエコージェ

ニツク■な層、わずかにエコージェニツクなリング状の層、中間のエコージェニツク

な層、わずかにエコージェニツクなアーチ状の層および外側のエコージェニツクな

層が識別され、それらは、組織学的にそれぞれ子宮内膜、輪筋層、血管層、縦筋層

および子宮外膜に対応することが明らかとなった。

この結果を基に、生体内で超音波画像検査を行い、水浸法で明らかにした子宮超

音波画像解析の基準が適用できるか確認し、さらに、発情周知に伴う超音波画像の

変化を調べるため、発情周期を正常に回帰している乳牛3頭について排卵後12日にプ ロスタグランジンF2α(PGF2α)を筋肉内注射して、PGF2α投与前、次回の排卵 前2∼1日、排卵後3日、7日および14日に超音波画像検査を行って検討した。その結

果、生体内では水浸法より画像が不鮮明となり、多くの場合、水浸法において識別

される中間?エコージェニツクな層、わずかにエコージェニツクなアーチ状の層お

よび外側のエコージェニツクな層、すなわち血管層、縦筋層および子写外膜が生体

においては均一な1つの層として描出きれ、生体におけ孝子宮角横断超音波画像で

は3層が識別可能であることを認めた。また、超音波画像において識別される3層の 厚さは計測可能であり、発情周期において、排卵前に子宮内腔の直径の拡大と子宮

内膜の厚さの増大が明瞭に琴められた。しかし、超音波画像のエコー程度の変化は

認められなかった。 そこで、超音波画像検査を行って乳牛の分娩後における子宮修復の状態を調べ、 子宮修復の時期および子宮修復判定基準を明らかにするため、正常分娩したホルス

タイン種乳牛14頭について分娩後42∼50日まで週2回(3∼5日間喝)超音波画像検

査を行って検討した。その結果、臨床形態学的な子宮修復は子宮内膜、子宮筋虐、

子宮内腔および子宮角直径の順に完了し、妊角の子宮内腔直径は分娩後26.5±6.7日、 妊角直径は分娩後26.8±6.3日で完了した。また、修復値は妊角子宮内腔直径が1.3 ±0.2n皿,妊角直径が34.-1士2.8n皿であった。このことから、臨床形態学的な子宮

修復の判定基準としては、妊角の直径が37mm以下となり、子宮内睦の直径が

1.5mm以下となることが提示された。

次に、超音波画像検査により子官修復時期と判定された分娩後30日前後に、子

宮内腔に滅菌生理食塩液を注入して超音波画像検査を行い、子宮内腔および子宮内

膜の状態を調べるとともに、注入レた生理食塩液を回収して細菌検査を行い、子宮

修復の状態を検討した。その結果、分娩後30日一前後にはほとんどの牛において回喝

した子宮内腔注入液から細菌は埠出されず、子軍内腔は無菌的状態に復していた。

また、細菌が検出されたものでは生理食塩液を注入しての超音波画像換査において 子宮内膜に極めてエコージェニツクな巣状部分が認められ、回収した子宮内腔注入

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-218-液が出血し赤色粘調性である特異的な所見がみられた。 以上め成績から、超音波画像検査による臨床形態学的な子宮修復判定基準が明示

され、その基準に基づいて臨床形態学的な分娩後の子宮修復の判定が可能となった。

本成果により、子宮修復の異常を早期に発見し、早期に適切な治療処置を行うこと が可能となり、分娩後の受胎率の向上が図れるものと期待される。

以上について、審査委員全員一致で本論文が岐阜大学大学院連合獣医学研究科の

学位論文として十分価値あるものと認めた。 基礎となる学術論文 Saito,Y.,KanOmae,H.,Tanaka,T.,Machida,N.and Kaneda,Y.(2001) Correlationsbetweenultrasonic血唱eSandmacro-andmicroscopicfeatures

・in th弓uterine hom of the dairy cows.Joumalof Reproduction and

Development47;Inpress.

既発表学術論文

斉藤康倫(1991)受胚牛選別のための一臨床並びに内分泌所見.家畜繁殖学雑誌 37;71p-77p.

参照

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