河川水中の化学組成の比較検討,中部地方を流れる
九頭竜川と長良川について
著者名(日)
西山 勉
雑誌名
東洋大学紀要. 自然科学篇
号
47
ページ
109-126
発行年
2003-03
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00002482/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja九頭竜川と長良川について
西 山 勉*Examination by Comparison on Chemical
Components in River Water:the River Kuzuryukawa and the River
Nagarakawa in the Chubu District of Japan
Tsutomu NISHIYAMA
Abstract Astudy was made on the state of change in ions−/+in river water, observed while the water flows from upstream to downstream areas, on the River Kuzuryu− kawa and the River Nagarakawa having their sources adjacent to each other in a mountain ridge in the western part of the Chubu district in Honshu and flowing down one to the Japan Sea and the other to the Pacific Ocean, III the River Kuzuryukawa, an order of concentration of Ca2+》SO42−一, Cl−, Na’》Mg2+, NO3−, K+,NH4+was observed regardless of the sampling points and the sampling seasons, and the concentration increased as the river flows from upstream to downstream areas. The water quality greatly changes at the sampling point where the bridge of Shimoarai crosses the river. The cause of this change seems to be inflow of the tributary river Manakawa. In the River Nagarakawa, while Ca2+, SO.a2−, NO3−and Mg2+, Ca2+and K+generally increased as the water flows down, Na+, Cl−and K+ rather decreased toward the downstream area, in the section from point Hokunou to point Mino in the upstream area. This change may be given as from Ca2+≧ Na+>Cl.>SO, 2…>K’≧Mg2’+to Ca2’》SO42−≧Na.←>Cl−>Mg2+≧K+in the or− der of concentration of components. In the section from point Gifu to Toba, down− stream of point Mino, all the components increase in concentration. While the con− centration of component NO,−in October and November dropped to no more than O.5as against May, NH,+sharply increased in both October and November in the section from Hokuno to Mino, on the contrary. Na←, K.+., Mg2→,Ca2+, Cl−, Sぴ一 *東洋大学自然科学研究室 〒351−8510埼玉県朝霞市岡2−11−10 Natural Science Laboratory, Toyo University,11−10,0ka 2, Asaka−shi, Saitama 351−8510, JAPANwere generally higher ln November. concentration ln May compared with October and
1.はじめに
日本の本州は南北に長く伸びた形の中央部で南半分を西に折れ曲げた形をしている.伸 び方向に添った本州の中央部は脊梁山地となり,多くの河川はその脊梁山地から海に向か い流れる.その結果本州を流れる多くの河川は,本州北部では脊梁山地から西側に,また 本州西部では脊梁山地から北側に流れる河川は日本海へと流れるが,他方本州北部で山地 から東側に,また本州西部での山地から南側に流れる河川は太平洋へと流れることになる. 筆者らはこれまでにそのような本州の脊梁山地を挟んで対となって日本海と太平洋へと 流れる河川を,雄物川(秋田県)・閉伊川(岩手県)(西山,2000),荒川(新潟県・山形 県)・夏井川(福島県)(西山,1992),姫川(新潟県・長野県)・富士川(山梨県・静岡県) (西山,1998),円山川(兵庫県)・市川(兵庫県)(西山,2002),日野川(兵庫県)・高梁 川(岡山県)(西山,2002),それに高津川(島根県)・錦川(山口県)(西山,2002)につ いて,それら河川にみられる個性と特性を河川水中の主要陰陽イオンの濃度を中心に調べ てきた. 今回,本州中央部の北陸地方と中部地方の西部において日本海と太平洋へと本州を横断 する九頭竜川(福井県)と長良川(岐阜県・(愛知県)・三重県)について河川水中の特に 陰陽イオン濃度の変動を調査した.九頭竜川と長良川は上流域を福井県と岐阜県との県境 である両白山地の南部の大日岳付近にて隣接して,九頭竜川は北西に流れて福井県三国町 が河口となって日本海へ,長良川は南に流れ三重県桑名市が河口となって太平洋につらな る伊勢湾に流れ出る河川である(図1).2.採水地点,採水時期,採水方法と分析方法
今回調査した九頭竜川の流路と採水地点は図1に示した.九頭竜川での採水場所は上流 より福井県大野郡和泉村角野・角野橋(以降図表また本文で角野と略す),大野市下唯野・ 龍仙橋(下唯野),勝山市遅羽町下荒井・下荒井橋(下荒井),勝山市千代田・勝山橋(勝 山),吉田郡松岡町薬師・五松橋(松岡),福井市中角・中角橋(福井)の計6ケ所である. 採水地点に付した番号1,2,3,4,5,6はそれぞれ角野,下唯野,下荒井,勝山,松岡, 福井となる.九頭竜川での採水日は2001年5月27∼28日,2001年11月18日,2002年10月13日
の計3回である. 長良川の流路と採水地点は図1に示した.長良川の採水地点は上流より下流に向かい岐 阜県郡上郡白鳥町歩岐島・長良川鉄道北濃駅近傍の橋(以降図表また本文で北濃と略す), 郡上郡白鳥町橋場・白鳥橋(白鳥),郡上郡八幡町勝更・勝更大橋(郡上八幡),郡上郡美 並村下田・下田橋(美並),美濃市前野・新美濃橋(美濃),岐阜市山吹町・忠節橋(岐阜), 岐阜県羽島市新羽島・羽島大橋(新羽島),羽島市桑原市大須・南濃大橋(大須)である.若狭湾
日本海
敦賀湾○=
福・〆
ヒ
StSs] 大垣 ○ 岐阜霧鷲
Kt),NLxx 大日ケ岳 △ de也S“_ 名㊤、“ 30煽︿
図1 九頭竜川と長良川の流路と採水地点 図中の番号は採水地点を示し,表1,2申のNo,と一致する.採水地点に付した番号19,20,21,22,23,24,26,25はそれぞれ北濃,白鳥,郡上八 幡,美並,美濃,岐阜,新羽島,大須となる.
長良川での採水日は2001年5月28∼29日,2001年11月15∼16日と2002年10月12
日の計3回であった.ただし2002年の採水は北濃から美濃までとなった. 採水は各地点の橋の上から流水のほぼ中央あるいは最流速部で行った.採水は2回行い 試料を平均化した.水温とpHの測定はその場で行った,採水試料は実験室に持ち帰り, 濾紙とメンブランフィルター(α2μm)による濾過後,イオンクロマトグラフにて陽・ 陰イオンの分析を行った.分析した陽イオンはLi+, Na+, NH4+, Kt, Mg2+, Ca2+,陰 イオンはF−,C1“,NO3−, SO、2一である.なお,詳しくは西山(1992)と同じである.ま た以降のイオン種の表記はイオン電荷を省略した.3.九頭竜川と長良川の地勢
3.1 九頭竜川 九頭竜川は福井県を流れる一級河川で,水源地は大野郡和泉町東部の岐阜県境の湯坂峠 である.その延長距離は116km,流域面積は2930 km2である. 九頭竜川上流部の北側の流域から長良川の上流部にかけては両白山地の南部を北西から 南東方向に経ケ岳(1625m),願教寺山(1691 m),大日ケ岳(1709 m),烏帽子岳(1625 m)の火山が連なっている.それらは鮮新∼前期更新世の3.5∼0.8Maに活動した輝石安 山岩の溶岩層からなる成層火山である.経ケ岳は勝山市の西方に位置する. 勝山市と大野市はほぼ南北に位置し,その間を九頭竜川は南東から北西に過ぎる. 経ケ岳の南に九頭竜川を挟んで荒島岳(1524m)がある,荒島岳は,すなわち大野市 の東南東に位置するが,20Maほど前の中新世の火山岩類からなる.荒島岳の山腹から九 頭竜川沿いにかけて15km2ほどの範囲に勝原閃緑岩と呼ばれる角閃石閃緑岩が分布し, この新第三系の安山岩類を貫いているようだ. 九頭竜川上流流域の東西に伸びた九頭竜湖の北側にはジュラ紀後半から白亜紀前半わた る手取層群が東西に伸びて分布する.手取層群は礫岩,砂岩,頁岩などの破砕岩からなり, 石灰岩やチャートなどをともなわず,火砕岩の産出も限られているようだ.九頭竜ダムサ イトから一段下流となる鷲ダムサイト間の約2kmは手取層群である九頭竜亜層群があり, それは東西に伸びて分布し,西方では幅を増しながら真名川ダムをまたいで分布している. 東方では幅を狭めるが,その北側に手取層群の九頭竜亜層群より新しい石徹白亜層群が分 布して九頭竜湖の最上流部で長良川との分水嶺となる古第三期火山岩類と接している(山 田・丹羽t鎌田,1989). 鷲ダムサイトより西側では手取層群の北側に幅約1.5km東西12kmの範囲に基盤岩と なる飛騨帯・飛騨外縁帯の飛騨片麻岩が分布し,それは主に黒雲母角閃石片麻岩である塩 基性片麻岩と結晶質石灰岩からなる.また東西に分布した手取層群の南側となる九頭竜湖 を含めた地域は古生界の先手取統と結晶片岩類が分布する.先手取統はデボン系の上穴馬 層群が主で,石灰岩・砂岩・粘板岩からなり,結晶片岩は狭い範囲に分布するが蛇紋岩を 伴う.九頭竜湖の南部は奥濃尾酸性岩類の面谷流紋岩が分布し,東方では長良川の流域と接し ている. 大野市より下流の九頭竜川南側流域および勝山市より下流の九頭竜川北側流域は新第三 系中新世の地層からなる.安山岩質の溶岩・火砕岩類の浄法寺類層などがある.福井平野 は沖積層となる. なお,本項の記述の多くは『日本の地質5,中部地方II』(1988)を参考とした. 3.2長良川 長良川は岐阜県内を流れる一級河川であり,水源地は岐阜県郡上郡高鷲村の大日岳 (1709m)山麓蛭ケ野高原の南斜面付近である.流域面積は1985 km2,幹川流路延長は 166kmであって,三重県の桑名市にて伊勢湾に流出する. 白鳥より上流の長良川の流域は大日岳と烏帽子岳になるが,前者は安山岩質∼デイサイ ト質の,そして後者は角閃石普通輝石斜方輝石安山岩質の成層火山である. 長良川は白鳥から美濃の先まで,ほぼ北から南に向かって,小さく蛇行しながら流れる. 八幡町で西側から合流する亀尾島川が長良川と平行に流れる領域において,亀尾島川流域 となる西側幅約2kmは流紋岩質の奥濃尾酸性岩類が占めるが,長良川流域となる東側は 美濃帯の砂岩質となる子駄良川層が長良川を越えて東側に幅広く分布し,さらに塊状の砂 岩・礫層,塊状の砂岩・泥岩などの地層が東に広がる.八幡町で長良川に東より流入する 吉田川より南側は泥岩泥質の地層とチャート・石灰岩・緑色岩の地層を挟む那比川層,礫 や岩塊と砂岩・チャート・石灰岩・緑色岩を挟む金山層,チャート・泥岩・砂岩からなる 上麻生層が岐阜市までの山塊の主体をなして分布する.これら美濃帯の地層は石炭∼白亜 紀最前期に堆積した. 岐阜より下流で長良川は濃尾平野に出て,第四紀最上部更新統∼完新統の堆積物上を流 れる.濃尾平野はほぼ本州の中央部に位置し約1485km2である. 濃尾平野には西から東に水源が大きく異なる揖斐川,長良川,木曽川の3河川が流れき て,三重県桑名市近くで1つの河口となるように集まり,伊勢湾へと繋がる.「木曽三川」 とも呼ばれ,その流域面積は9100km2である.河口近くで長良川は西側から来る揖斐川 と合流して揖斐川となり,東側では木曽川が河口の約25km上流から背割堤で並流し, 約13kmほど手前で幅700∼2100 mの長島輪中を挟ん込んで伊勢湾に注ぐ. かつて濃尾平野は地盤沈下が激しかった.1950年以前では地震時を除くと年数mmで あった沈降量が1951年以降年にcmの単位で沈降し,1971∼1974年では1∼18 cm最大 23.5cm/年を記録している.1982年以降は最大沈下量も3.2 cm/年と沈静化するようにな った(東海三県地盤沈下調査会,1985). 今回の採水地点でもっとも下流部の大須は河口より約28km上流である.大須から約3 km下流で長良川は木曽川と背割堤にて並流する.新羽島は大須より約6km上流となる. 長良川の凌漂i工事により地下水の塩害が心配される高須輪中は西隣の揖斐川と北側の大榑 川で囲まれた土地であり,その大榑川の長良川との接合部は大須と新羽島との間となる.
西 山
4.結果と考察
4.1 九頭竜川の河川水の水質について 九頭竜川の各採水地点における河川水の各化学組成の濃度変化,pHそして水温を表1 に示した.上流から下流へと採水場所を移すとどのように各化学組成濃度が変化するかを 図2に示した.図2から,何れの採水地点においてもCa》SO、, Cl, Na》Mg, NO3, K,NH、という濃度順位が認められ,それは5月,10月と11月の春と秋という季節を違 えた採水でも変わらないことが分かる. 次に成分濃度が上流から下流するにつれてどのように変動したかを見ると,全体的に 濃度は増加する傾向にあった.ただし部分的に,5,10月において上流の角野で唯野より Na, Clなどが高く,11月に中流域の下荒井で多くの成分濃度が高く,また下唯野でもCa とSO4の川頁位を上げている. 大野盆地の出口に当る下荒井で,九頭竜川の流れは幅広くなる.下荒井橋の少し下流に 塞き止めがあり,その上流側は湖のように水面が広がる.11月と5月で下荒井の九頭竜 川の水質が大きく異なった.この原因として橋上での採水位置が異なり,11月では勝山 市寄り5月では大野市寄りであったことが考えられた.地形図をみると下荒井橋の上流で 南西から流れ来る九頭竜川は真名川を南から受け入れている.真名川は真名川ダムを上流 にもつが,九頭竜川に合流する手前で大野市の市街地を挟むように流れる清滝川,赤根川 を入れ込んでおり,大野盆地を水系流域にもつ河川である.一般的に都市を持つ盆地内を 流れる河川は陰陽イオンを多く含む.奈良盆地から出る大和川の王寺で陰陽イオンが高く (西山,1993),また甲府盆地で富士川が甲府市を流れる笛吹川が合流してから成分濃度を 増している(西山,1998). この検証のため,2002年10月13日の採水の折りに,下荒井橋上流250mにて九頭竜 川に大野市側から合流する支流の水質について合流点近くの真名川は真名川大橋,清滝川 は南在家近くの橋上から,赤根川は東大月橋より採水し調べた.水質の分析結果を表1の 下段に示した.図3に各支流の化学組成を棒グラフとして示し直した.図から,真名川, 清滝川,赤根川へと河川水中の各陰陽イオン濃度およびそれらの合計濃度は,比較のため に示した下唯野での九頭竜川の組成より明らかに高いことが分かる.下唯野での九頭竜川 の組成に対する比を取るとその関係は更に明瞭となる.図4に示したが,真名川でKが1 となった以外は何れの組成も1以上となった.特にNO3は真名川以外で極端に高く,赤 根川では5を越える値となった.赤根川の河床には水生植物も見られ,富栄養化した河川 との印象を持った.NO,は肥料成分でありまた生活排水とかかわりの大きい成分である. 真名川の東で九頭竜川とで挟まれる台地は塚原野台地といわれ,北部にある経ケ岳火山 から由来した洪積世の泥流堆積物からなり,その上位に黒ボクが厚く分布しているという. 黒ボクのような透水性のよい地層からの水を真名川などは受けている.大野盆地の地形・ 地質は真名川をはさんで二分でき,以東ではそのような洪積統の段丘がみられ火山泥流堆 積物や段丘堆積物から構成されのに対し,湧水の分布する大野市街地を含む北西側は沖積 堆積物で構成され,さらに真名川以西では真名川によって形成された氾濫原と清滝川が形O, g一 9.ト ΦN.ト ゜。O.一 〇3 08 トO.口 OOO 9.巴゜。コ 別O ΦF.O O苫 88 輝碇K傾・三騨債 OOe⑲ε馬O <竺 OOト Oつト ゜。マ.︰ OOO OOO 二.寸 OqO °。°。.巴 緩一 ゜。︵.O 自,O NO㊨ 8qO 掻樽撫笹・三慢疾 寸Oeっε口O .っ.ア q。吟ト 竺.O 鵠.O OqO OqO 苫..う O﹁O 苫,°っ一 〇ト.F O●.O 一ぺO OO“9 8qO 輝K三岬構・三岬冨 ◎っn.っδ吉O 吟. 求B e 一.。.°。 寸O.埠 ゜。O.0 8.0 8.O マq吟 08 ↑N.二 ゜。°。.一 三.F ﹃。r,O 一qト 08.O 輝収仔・恭卑・三脚霞ぺ N5δ泣O ︵O︶竺 ←, 求B 黶@トO.↑.。芸 “っト.08,0§uっo。寸§ON,=O司一.うo。.Oξ08.寸§.O 輝皐国・匿皐・三脚田X =“。δ馬O ︵e; r. 求B 黶@ 8.ト ゜。O.マ 這0 8.O OqO 脇,°。 トqO 竺.9 8.一 “ウood .。﹁O N°o.寸 OOqO ヨ塾・三脚霞X O高ε吉O (寸ツF N.ア 9.ト ゜9q㊨ O.。.O OqO OOO o◎O,N ㊥qO ミ.°。 一〇。.一 〇ト.O u⊃N.O OΦ.°◎ P8.O ︵扇ヨ塾︶汰ポト・三脚蟹X OOeう5にO qト一 〇ト.ト 曽O㊥ 富.O OqO 8.O Oト.N OqO トO,o。 OO一 守OO 竺.O OO°。 8qO ︵峯仔︶汰疾杉・三栢騒ぺ ooneウδ漏O (O
ヘ
﹃°。一 NOド ︵↑,q。 8.F OgO 8.O °。°D.0 8.O °りq三 ∨ON NOO 葛、O 約﹃口 890 ︵竈硫K︶汰裾杉・三脚霞ぺ トO“っδ蜀O つこ ε.°9 °oO寸 トρ●、O OqO 8.O .っ鳴.N OqO Ooo.◎o ↑O一 〇QO ㌍d ●°う..0 80.O 尊喩収・臨響芦・三憎霞ぺ NO.oε泣O ︵“︶°。 崎゜。一 葛.°。 N吉 ON.0 8.0 8d O寸.°。 トOd °。N.9 N寸,一 トト.O こ.O ミ㊨ εOO 韓硫蝦・臨痕・三脚慣ぺ 5“っε瓦O 三卜 F. m一 ト曽.ト ゜。N.O一三.N 8.0 8.O ;.N一8.O 別二NO.N O巴 竺.O O莞一88 専袈寄・汰卑・ミ喩m 500F;ε 吟= q。口.ト 三.的 O°。O O8 8.O ミ、∨ 03 0﹁2“。.。.F Oき o。一.O 一゜。ザ §.O 聾曜丑・軟犀・ミ僧蟹べ NOoo一;5 ︵⑩︶。。一 ⑰= 8ド 葛.口 8.一 〇旨 03 トO口 OqO 謬.9 °。q一 〇〇〇 三.O マO.口 ε8 聾皐国・匿皐・三僧書ぺ OQoOF;δ ︵口︶トF 口.ア トO.ト 完守 ∨OO OOO OqO 2.㊨ OOO °。口.9 零一 埠ト.O ΦqO 雲.マ 08.O 専ヨ禽・ヨ禽・ミ断冨ぺ WOoo==O ︵マ︶OF N. m一 一〇.ト 縦0 8.一 〇90 0qO ◎うF.O OqO °9創.竺 Oト.一 〇[O ooO.O 品.吟 OOqO 尊汰撰芦素衷ト・三御霞ぺ 口Ooo==O ︵“。︶ばっ↑ oo.X NOト Nト.吟 詔.O OqO OOO OO,N OqO ON,= トq一 マQO OOO Oト.“っ εqO 専皐糎・論響芦・三ぽ麟ぺ OOoo二;O (Nヘ芦 N.O 〇2 ト嵩 ξO O3 08 =.N 8.O 忠.︿ 02 昌0 9.O ト苫 N8.O 尊論蝦・論賦・三僧霞ぺ トOoo==O 三竺 ±N O苫三.°。F一苫 08 零O Oト.“うF.。﹁0 8.二苫..。 O竺 ↑苫 02一〇8.O 聾質審・汰犀・ミ古ロ “っ n馬8ε qON 爵.ト NO.マ 嵩.↑ OOO OOO °。め.マ ゜。O.O NO.°。 O吟一 忠、O 吉.O Oqマ 800 専収仕・汰犀・ミ御騒ぺ マO↑N8ε O ﹁°。一 ㊥O.ト 8.寸 o。口.↑ 08 08 トO.°。 8.O N“。.oコ ゜。寸.一 ト●.O トF.O OO.。 08.O 専皇困・匿褒・ミ帯冨ぺ OOトN口Oε 吟 NdN N°。.ト 舌マ “。竺 80 00.O 留.マ OqO 昌ト 蒜.一 トO.O 尉.O 一〇.マ 890 閲臼冬・ミ御書ぺ 8ト謬Oε 吟. g一 8.トOO..。 NO.一 8.O OO.0 8.°。 8.O 零↑ 艮.↑ 茎.O 自.O §.“。 08.O 聾ヨ自・ヨ自・三ぽ蟹ぺ トOト器Oε ゜。.O ミ.O§ q。O.FO8§O。.N●OOO﹁ト寸N.↑u。頃O尉.O茎.N§O
͡“昔︶専ヨ自・ヨ畠・三擢霞ぺ εooN⑩三〇 寸 9巴 “っ[O °うO∨ 智.↑ OOO OqO q。一.寸 8d Oマ.°。 °っO.一 口[O 司O トO.°。 08.O ︵‘5︶蝶ヨ自・ヨ薗・三僧霞ぺ NOooN口90 吟. }一 NF.ト u。寸.o。 °。°。O O3 03 一自 OqO 品.°。 °。9 呂O 畏O .。﹁0 88 憩汰娯F・索衷炉⊥一繭国ぺ .うnooN88 0 O. 普ス 黶@磯ト 苫.。 o。°。.O OqO 8.O 等.N O3 蕊.ト O﹁一 ゜。否.O ミO 吟o。ぺ 08.O 暮皐畢論轡F・三層書ぺ ㊨OooN口Oε “ N. 汲潤ゥ 8.ト .9寸.N O崎0 8.0 8d 嶋O.っ 8d 守q︵ ooO一 ミ.O uっN.O Oト.°ウ ◎。OqO 悠論痕・論収・ミ擢霞ぺ 800N8ε ← 庄螂養堅・三反 オ胸箒抵 。oZ ︵E ︶ e 母一〇〇㎝±口OoON口O↓O袖一ぺぶ只 .㎏㎏司帖uっ口ooN口uっ .ト峠や㊤・緯者器田﹃︷母者迷芭Φ.緯藁橋ぺ悩 .㎏ト叔ー−刃中細e丑oO区5吋R一区 .並,O之e岳蝋 鼠くe終=﹁﹂展e駕口似eW刃ミ畑階ぺ 一帯(A) (B) (C) 16 14 12 10 曇8 1+H41
3400
角野 下唯野 下荒井 勝山 松岡 福井 図2 九頭竜川の上流から下流の採水地点での河川水中の主要な陰陽イオンの濃度変動 (A):5月,(B):10月,(C):11月図3 大野盆地を流れる九頭竜川支流と九頭竜川ぴ下唯野)の河川水の化学組成 +九頚竜川* +真名川 →一清滝川 +赤槙川 図4 大野盆地を流れる九頭竜川支流と九頭竜川(’下唯野)との河川水中の成分濃度比 成した木本扇状地および赤根川沿いの低湿地に区分できるという.また真名川以西の地下 水系は真名川地下水系と木本扇状地地下水系に大別され,大野市街地の湧水は木本扇状地 を流動する地下水となるようだ(高村・河野,1994). したがってNO,成分は真名川水系の地下水に比べ,木本扇状地地下水系で高いことが 類推でき,農地からの影響に大野市街地での人為的な汚染がこれに加わることが予想され る. 北川ら(2001)によると,清滝川上流の河川水と大野市市街地での湧水は鉛同位対比と 既往の研究結果から同一の地下水源と確認し,その間でのNO3とSO4の濃度の上昇と季節 変動は農地への施肥に原因があると推定した.9月下旬から11月にかけてのNO3とSO、 の濃度上昇は,水稲収穫後および大野盆地特産の「上庄さといも」となるサトイモ収穫に よるマルチ除去後の裸地化に伴う残存肥料成分(水稲の穂肥用肥料に硫安,過燐酸石灰,
西 山 サトイモの肥料の硫安,硫酸加里,過燐酸石灰)の流出とナスへの追肥(硝安,硫酸加里, 過燐酸石灰)によると推定している. 今回調査した河川水中のNO,成分が図4にみられるように赤根川,清滝川で特に高い 値となったことは,施肥によるSO、と連動した濃度上昇としてのみでは説明できず,施 肥に加えて生活排水の影響が出ていたと思われる. 大野市の湧水地域には陸封型のイトヨ(トゲウオ科イトヨ属,通称ハリシン)が生息す ることで知られているが,水環境の悪化はその生息地を狭めているようだ(森,1997). 大野市・大野盆地からの水は下荒井で塞き止められて九頭竜川の淀みとして一旦集めら れる.下荒井の堰の上を河川水として流れていて,河川の表層水は合流後も混合せずに, 広い河川幅を流れに沿って九頭竜川とその支流の流れがそのままに分離して流れてくる様 に下荒井橋上から観察できる.10月の採水時に下荒井橋上での採水位置を大野側,中央, 勝山側と変えて行ったがそれら水質は大きく変動していた(表1).このことから11月の 下荒井橋での水質はその上流の九頭竜川からの流れをそのままに受け継ぎ,5月の採水は 真名川・赤根川からの影響が強い部分からの採水であったことが分かる. 5月成分と10月,11月成分との比較 採水月による河川水の変化を検討するために,5月に対して10月と11月試料の濃度比 を取って採水場所による変動を図5に示した. 図から,NH、とNO,は下荒井のNO3を除いて1以下,すなわち5月に10月∼11月よ り高い値となっている.このことは春と秋との季節による変化,たとえば春において分解 蓄積した無機質が雪解けにより洗い流されていることが考えられ,NO、は大野盆地で春 に施肥とそれにともなう溶出量が秋を凌いでいる結果かもしれない, Na, K, Mg, Ca, Cl, SO4について見ると,下荒井の11月を除くと,ほぼ1.0∼1.5の 値の間にあった.傾向としてはCaが高い値を示しているようだ. NaとKは両月で連れ 添って変化をしていて,その変動は10月では他の成分と異なり,10月に複雑な変化の様 相を与えているようだ. 下荒井では11月のCaとNaが顕著で5月の2倍以上の濃度となるし,概して他の成分 でも他の場所より高い値を示した.下荒井橋での採水位置による影響があろう. 何れの図も5月の成分濃度との比を取っており,したがって測定した5月の濃度が低か ったかそれとも高かったかによって値は全体に上下することは言うまでもない. 42 長良川の河川水の水質 長良川の各採水地点における河川水の各化学組成の濃度変化,pHそして水温を表2に 示した.表2の化学分析結果から,長良川の上流から下流へと採水場所を移すとどのよう に河川水中の各化学組成濃度が変動したかをグラフ化して図6に示した. 図6より,上流域の北濃から下流するにつれて美濃までは濃度が増加する成分と減少す る成分と異なる二つの成分系統があるようだ.美濃より下流では全ての成分が流下に従い 増加していることが分かる. まず,最上流の北濃から美濃までを見ると,Ca, SO、, NOI, Mgは概ね下流するにつ れて増加する.特に白鳥から美並間でその増加が大きい.美並から美濃ではほとんど変わ
(A) (B) 100 i捌 九頗竜jIl 11月/5月 図5 九頭竜川の上流から下流の採水地点における河川水中の主要な 陰陽イオンの採水時期による変動,(A)5月の濃度に対する10 月の濃度の比,(B)5月に対する11月試料の濃度比 らない.一方逆に北濃から美濃へと下流するにつれて減少する成分はNa, Cl, Kである. ただしNa以外は美並と美濃でほとんど変わらないようだ.その結果CaとNaの濃度を 北濃と美濃とで比較すると,北濃ではCa:5.21(5月),5.08 ppm(11月), Na:4.83,5.95 ppmと両者の濃度差は小さいが,美濃ではCa:8.57,8.45 ppm, Na:3.97,3.99 ppmと 差は大となり,CaはNa濃度の倍となる.したがって北濃一白鳥を流れる長良川と下流 での美並一美濃を流れる長良川の水質とでは大きく異なってくることが分かった. この変化は成分濃度の順位で示すことが出来る.北濃一白鳥ではCa≧Na>Cl>SO、>
K≧Mg,……となるが,美並一美濃ではCa》SO、≧Na>Cl>Mg≧Kとなる.
美濃より下流の岐阜から羽島へは各成分とも濃度が増加する.5月試料ではSO4の増加が著しく,濃度順で見るとSO4》Caと逆転し,さらに》Na》Cl》NO,>Mg>K>
O. g一 認。ト 品、否 ゜。°。.O OqO OOO 吟F.N 8.O 苫.ト 8.O Oト、O 畏.O NF,口 800 聾関ぷ塔・閲轍・一一碗申 εNδ哀O (口 m) X ト._ 8.ト9.o。 ト゜。d 8d 8.O ↑一、N 8.O 爲.ト 8.一 〇ト.O ぷ.O 話.°。 88 寒田芦・愈犀・ミば蟻 NONε吉O ︵斜︶ON N. 求B C 8.トトO..。 =.0 8d 8.O マ●.N 8.O O否.q, 8.0 8.O ON、0 8.°。 80.O 聾圖塗・■く叫綻・三倒帽 “ウ nNδ高O ︵罵︶°。N 一ト一 鵠.トト︿,一 尋.0 8.0 8.O Nト.N 三.O 苫.の 吟ト.O Φ2 爵.0 8.寸 08.O 聾虞皿・罐皿・三側略 マONε扇O ︵ON︶トN ト.香@8.トミ.一 “う苫 03 8,0 トα,N 8.O 品.寸 o。ト.O ●9 ◎o一.O e。N.㊨ §,O 鰻R・三頃略 埠ON5員O ︵2︶q,N 寸.X .。°。.ト8.N トト.0 8.O OqO 口︾.一 〇qO cD“。.ト 8.0 8.0 8.O =.“う 88 ■<叫晴、三田佃 ∨8==O 曽. =@ 8.O 写。°o 吟ON OqO 忠d =.口 80 0°。.= 8.一 8.↑ 苫.O “っΦ.O O8.O 馨K 寄・宙膝泰・一一碗略 NO●==O ︵縄︶トO O.X 8.ト8.O °。.。.一 8.O O8 誌.“う 8.O °。N。9 2.一 ト゜。.0 8.O °。︿.寸 08.O 馨煽頒・叫督・三価申 εO==O ︵蕊︶●°う マd一 〇ト.0 8.マ ゜oO.O OOd OOd N吟、N OOd 晦マ.°0 8d Oトd =.O 留.の 50d 悠情獄鴇・礎嶽∴一品申 一〇〇二;O ︵忠︶uウO 一.X 8.ト 否ト..・ 葛.0 8.O OO.O “り吟.N OO.O “◎。.o。 O°。.O 晦ト.O OOO 8.マ εO.O 蜂田ト・論犀・三田略 創8==O ︵爵︶蕊 口.X 8.ト雲.“令 吟吟.0 8.0 8d ↑°。.N O8 苫.ト 8.O 吟o。d °。8 “うO.寸 ↑8.O 聾W塗・奪く叫緯・=a略 吟O吟==O ︵§e。の O. =@ ト吟.ト 一ト.一 〇N.O OO.O OO.O ooト.N OOO oo寸.吟 口O.O 曽OO N一d Oの.マ OOO.O 馨虚田・‘ロ・三画蝋 吟O£;ε ︵●︶9 cD. 潤B@ 8.ト “っト.F OFd 8d 8.O ミ.“っ OOd oDO咀 一ト.O Oq一 80 留.吟 .◎OO.O 衡﹂下・三画申 08==O ︵孚︶δ 。. nN °。O.ト8、“。 自.創§8.Oト一.N8.O.。。.ト§トO.O=.OOト.“。§.O ︵罫時︶く叫 ・ミ田伽 O、 gっm “。O.Oドc。.三 拾、寸 8.0 8.O 苫.ト 8.0 8.σうF這.N 詔.一 ト寸.O ら.= 08.O 馨K緒健・懸κ・ミ画唱 8Φ創8δ 吉 oD.l ooO.ト 9.ト 吉↓ OOd OO.O マO.寸 OO.O “。●OF ooト.一 的O.一 〇〇.0 5.O OOOO 聾量田・叫督・=碗申 吟OONuっ05 マN OON o。でト マoDザ 苺.創 OO.O OO.O トqめ OO、O ト吟.oo 自.一 トood マO.O トΦ.“っ εqO 聾債轍康・嘱轍・三田蝋 ∨OON85 oり m o。.ア 口Oト O吟.マ 蕊.N 8.0 8.O 忠.“っ 8.O 器.°。 爵.一 3.0 8.O O°。.マ NOO.O 輝田ト・臨犀・三画略 “⑲ nO謬05 爵 “っ. mN 品.ト ooO.oっ ◎っN.N OO.O OO.〇 三.㊥ OO.O N一.oo Φ↑.一 “っ戸.一 =O ;.吟 εO.O ︵珂蹄︶弊国禽・■く叫爲・ミ娼庫 吉 N._ 8、ト NON ト一.一 〇〇〇 〇〇.O N“っ.“っ OO.O ●ト、吟 頃oo.0 8.0 9.O め∨.吟 OOOd 聾虐孤・虞m・ミ頃帽 OOoDN吟Oε ON ぬ、ア 寸Oド ︿O.一 8.O OO.O OO.O ︿“⑲.否 OO.O 丙.口 OO.O =.↑ oo↑.O 詔.寸 50.O 鯖R・ミ画申 卜OooNめOε 法 晦韓宍騒・三反 即拍箒篇 .OZ ︵∈ ︶ ﹄∨ 苦叶OON竺卜OooNuつ〇一〇知︸ぺぶ翼 .取ぷ刮蜘トロooN口uっ ドヤ隠や巾峡壬紫口口汁名鰭さ中蜘菜蕊裂柵 .㎏ト漏−劃中陣e岳oO図5鵠勾﹁函 .ゴ.OZe岳網 餌壬e者=﹁ば⇔e鱈棉eW劃=﹁超哨 N臆
(A) 長良川5月 (B) (C) 18.00 16.00 14.OO 12.00 2 iO・oo O 8.00 6.00 4.00 2.00 0.00 一←N己 +NH4 一←K →←Mg +C8 +Cl −←NO3 −SO4 8.OO 7.oo 6.oo 5.00 a4.oo 3.OO 2.oo 1.oo O.OO →−Ne −■−NH4 −●−K +Mg +〔沁 +Cl →−NO3 −SO4 14.oo 12.00 10.OO 8.00 6.OO 4.00 2.00 0.00 長良川11月 +Ne +NH4 +K +Mg +C8 −←Cl →一一NO3 −SO4 北濃 白島 郡上八幡 蔓並 美濃 岐阜 新羽島 図6 長良川の上流から下流の採水地点における河川水中の主要な陰陽イオンの濃度変動 (A)15月,(B):10月,(C):11月
NH、となる.5月での採水は大須の南濃大橋から行いCl=7.54 ppmであったが,11月の 新羽島ではCl=5.11ppmより高い.大須が新羽島の下流で河口に近いことの影響が考え られる. 岐阜より下流で長良川は濃尾平野に出て,第四紀の最上部更新統∼完新統の堆積物上を 流れる.縄文早・中期ころの縄文海進は6000年前ごろに濃尾平野では大垣市あたりまで 伊勢湾が広がったという.岐阜近くまで海であったことになる.また大須付近は東海三県 地盤沈下調査会(1985)が地表水の地下への浸透域と便宜的に区分した最下流域部にあた り,第1帯水層のNa濃度分布図で昭和30年,昭和50年共に10 ppmの等濃度線があり, 北から南に濃度が増加するとした.大須付近が長良川の洪水被害を逃れるために河川の大 規模な凌深をし,河口堰をしない場合に海水により地下水の塩水化でC1濃度が200 ppm までになると予測された地点にもあたる(藤沢・染谷,1992).南濃大橋は羽島大橋より6 kmほど下流であり,南濃大橋から採水した河川水の方が新羽島の羽島大橋のそれより海 の影響が現われ始めたと考えられる.このように岐阜から下流に向かっての化学成分の増 加は岐阜市などの都市,農業・工業などの産業による人為的影響に加えて,堆積地層の影 響がそして現在の海水からの影響などによってもたらされているといえよう. 5月成分と10月,11月成分との比較 採水月による水質変動を調べるために,5月に対する10月と11月の濃度の比を取って, その値の採水場所による変化を図7に示した. 10月,11月の両月ともNH、成分を除くとほぼ全成分1.0以下,すなわち5月に比べそ の濃度を低くしていた.特にNO3成分は0.5以下とその濃度は半減し,しかも変動は小 さい. NH4は美濃まで両月とも著しく増加した.10月では5倍を越え,11月では2.5倍を越 えている.ただ11月の北濃と羽島では,この値が1よりはるかに小さかった. 11月で岐阜,大須と逆にその値を減じたが,このことは10月には確かめていない. Na, K, Mg, Ca, CI, SO4について見ると,北濃の11月でNaとClの値が1より若 干大きいが,その他の成分は1より小さく,1.0と0.7の間にあった.すなわち5月の河川 で10,11月より全体的に成分濃度が高かった. NH、は美濃で2.6と高く美並と岐阜でも1より大きかった.この地域でNH,が11月に 濃度が高くなる傾向があった. 4.3 九頭竜川と長良川との水質の比較検討 4.3.1pHと水温について 表1をみると,九頭竜川上流部の角野で10,11月にpH 8。68,8.06とそれぞれ高い値を 示した.長良川では上流部の北濃でそれぞれ7.60,7.39となり両河川で違いが見られた. 九頭竜川の角野上流には九頭竜湖のダム湖となる.水温は角野で18.5,10.2℃であったが, 北濃では15.7,8.9℃と角野で高かった.5月では角野でpH 7.50,18.2℃であったが,北 濃ではpH 7.64,19.5℃と10,11月と逆の関係になったがその差は小さい. 4.3.2 化学成分間の関係について 九頭竜川と長良川の河川水の化学組成を用いてクラスター分析と因子分析を行い両河川
(A) (B) 一一ゥNO3 −SO4 図7 長良川の上流から下流の採水地点における河川水中の主要な陰 陽イオンの採水時期による変動,(A)5月の濃度に対する10月 の濃度比,(B)5月に対する11月試料の濃度比 の比較検討を行った. クラスター分析の結果 クラスター分析は,九頭竜川18試料と長良川19試料についてNa, NH,, K, Mg, Ca, Cl, NO3, SO4の8成分を用いて,河川間のクラスター化が最適となるように,市街地距 離を試料間距離とし,群平均法にて行った(西山,1992).結果はデンドログラムにして 図8に示した. 分析結果を見ると長良川の大須の組成は他の試料と際立って異なる.これは大須での海 水起源の組成が最も大きく次の新羽島でのL5倍となることに因ろう.これは大須は河口 にも近く海水による寄与によると考えられ,先に長良川の項で議論した. クラスター図での次に分岐されたのは11月の下荒井,10月福井,新羽島,5月岐阜で
1 28 2 30 4 34 19 31 27 5 22 21 9 10 11 18 12 37 25
13332938352026326237141617362415
図8 九頭竜川と長良川の各採水場所での河川水のデンドログラム, 化学組成を用いたクラスター分析による 図中の番号は,表1,2中のNo.と一致する. ある.11月の下荒井はCaが14.28 ppmと今回の測定値の中で最も高く,10月福井,新羽 島,5月岐阜はいずれもNa, K, Ca, Clの濃度が高い.それ以下の分岐についてみると, [北濃と白鳥]と[郡上八幡,美並,美濃と角野,下唯野]のまとまりが,[勝山,松岡と 11月の美並,美濃,郡上八幡]と分枝した. 因子分析の結果 九頭竜川18試料と長良川19試料をNa, NH,, K, Mg, Ca, Cl, NO、, SO、の8成分 を用いて因子分析を行った.個有値の高かった第4因子まで求めた. 第1因子はCa, Mg, SO4,(C1)が強くかかわり,長良川の九頭竜川の下荒井,松岡, 福井試料と長良川の大須,新羽島,岐阜試料でプラスとなる.それらの試料で下荒井以外 は3回の採水全てがプラスとなった.下荒井試料では5月と10月試料がプラスとなった が,これら試料は先の九頭竜川の特徴で示したように,大野市側からくる支流の水質が強 く影響していると考えられる.松岡は勝山市の,福井は福井市,大須,新羽島,岐阜は岐 阜市とそれぞれに都市近くを流れた河川水試料であり,第四紀堆積地層上を流れた河川水 でもある.都市という人間活動の影響が大きいと考えられるが,たとえばコンクリートの 溶解による影響など,名古屋市での地下水中のSO、は地下水汚染ではなく,地下浅部の 海成粘土層中の硫化鉄が空気によって酸化されことがイオウ同位体組成から求められ(杉 崎・藤崎,1975),堆積地層の影響が大きいようだ.いずれにしても両河川の下流部で第1 因子はプラスとなる. 第2因子はNa, K,(Cl)が強くかかわり,長良川試料の美並と美濃を除く試料でプラ スとなり,特に北濃,白鳥,郡上八幡では3回の採水全てが第2因子がプラスで第1因子 がマイナスの領域にある.大須,羽島,岐阜では第2因子と第1因子が共にプラスの領域 にある.このことは長良川の項で述べた北濃一白鳥を流れる長良川と下流での美並一美濃 を流れる長良川とでは大きく水質を異にしていることの表われでもあろう.九頭竜川試料は第2因子がマイナスとなる.長良川上流部での試料でプラスである点,またK成分が 大きくかかわる点,第2因子は特に海水因子とする必要はないだろう. 第3因子はNO3,(SO4)がかかわり,長良川では下流に向けその値は増し,5月では郡 上八幡で,10月と11月では美並でプラスに転じそのままその値が大きくなる.九頭竜川 では角野から下唯野でマイナスからプラスに転じるがその後の傾向は定かではない.NO3 は生活排水,施肥など人為的な影響が大きく,第三因子を人為因子とすると,長良川での 変化を,美並以降で人為的汚染が現われて下流に向けてその影響が大きくなっていると言 えよう. 第4因子はNH、が強くかかわる.大須が飛びぬけて高い値を得た.気がつくことは, この要因は採水時期との関係が強いことである.九頭竜川では5月試料と10月試料でプ ラスとなり,長良川では10月試料でプラスとなった. なお,相関行列の個有値は第1因子4.591,第2因子1.115,第3因子0.636,第4因子 は0.276である.
5.まとめ
本州の北陸地方と中部地方の西部にて本州を日本海と太平洋へと横断する対河川として 九頭竜川(福井県)と長良川(岐阜県・(愛知県)・三重県)について河川水中の特に陰 陽イオン濃度の変化の様子について調査をした.九頭竜川では採水地点,採水季節によら ずCa》SO4, Cl, Na》Mg, NO,, K, NH、という濃度順位が認められた.上流から下 流に向けて濃度は増加する傾向にある.下荒井橋で河川を横断する採水位置により水質が 大きく変わる.その原因は大野盆地を流域とする支流の真名川,清滝川,赤根川からの流 入水が完全に混合していないためによる.NH、とNO、,は5月に10月∼11月より高い値 となった. 長良川では,北濃から美濃までを見ると,Ca, SO、, NO,, Mgは概ね下流するにつれ て増加するが,逆にNa, Cl, Kは下流するにつれて減少した.この変化は成分濃度の順位でみると,北濃一白鳥ではCa≧Na>Cl>SO4>K≧Mg,……だが,美並一美濃
ではCa》SO、≧Na>Cl>Mg≧Kとなる.美濃より下流の岐阜から羽島へは各成分
とも濃度が増加する.5月に対し10,11月でNO,成分は0.5以下と半減したが逆にNH、 は北濃から美濃まで両月とも著しく増加した.Na, K, Mg, Ca, Cl, SO,,について見る と,5月で10,11月より全体的に成分濃度が高かった. 九頭竜川の上流部の角野と長良川の上流部の北濃で,10月11月のpHと水温に差が認 められた.前者でpHと水温が高かつた. 化学成分を用いてのクラスター分析と因子分析を両河川の採水試料について行った.ク ラスター分析では第四紀の最上部の地層を流れかつ河口にも近い長良川の大須での河川水 が大きく分岐した.九頭竜川では大野盆地より流入する下荒井で分岐する水質を示した. 九頭竜川の上流部(北濃,白鳥)と長良川の上流部(角野,郡上八幡など)は類似する 組成関係にある. 因子分析で第1因子のCa, Mg, SO4,(Cl)は,九頭竜川の下流部(下荒井,松岡,福井)と長良川の下流部(大須,新羽島,岐阜)でプラスとなつた.第2因子はNa, K, (Cl)は特に北濃,白鳥,郡上八幡でプラスとなった.第3因子はNQ,,(SOq)がかかわ り,長良川では下流に向けその値は増し,人為的汚染が下流に向け現われているようだ.