著者
小椋 康宏
著者別名
Ogura Yasuhiro
雑誌名
経営論集
巻
18
ページ
85-100
発行年
1981-06-30
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00005826/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.jaコ ン ソ経 営 財 務 論 に 関 す る一 考 察
小 椋 康 宏
1。 序2. 経営財務の本質 2 −1 経営活動 と経営財務 2 −2 財務職能3. 経営財務の領域 3 −1 財務分析と財務政策 3−2 資金調達手段4. 結 び 85 1. 序 経営財務の領域 の確定の問 題が論じ られて以来,すでにかな りの年月が経 過してい る。経営財務は何を対象とするのか,また 経営 財務の領域はどこを い うのかといった点に関し,数多くの学者が論争を繰 り返してきた。その場 合,そこにおけ る論争は,経営財務研究 の歴史的発展過 程の中で,強調点が 変化することとなった。筆者は,とくにアメリカ経営財 務研究の流れを三つ のタイプの財務論 すなわ ち,(1)企業 金融 論 的財 務論 ,(2)管 理 論 的 財 務 論 ,(3)意 思決 定論 的財 務論 に 分け , それぞ れ の経営 財 務に 対す る考 え方 を中心としなが ら検討を加えてきだ 。 このうち, 管理論的財務論は,1940 年 代からみることができ,いわゆる経営財務 の対象を「資 金の循環する流れ」 に見い出し て論じてきたのである。それは,経営財務を「資本調達論」とし て展開す る立場 と多くの点 で異なってい る。 また,経営 財務を「資金の循環 す る流れ」 に問題分析の視点を 求めるとい うことから, 一方では, そ れ を 「資金収支適合の原理」として論理を組立て る立場 のものが現われてくるよ うになる。 このような立場は,経営財務の本質を資金収 支適合の原理の中に 見い出す のであ る。経営財務において,財務活動の基礎的な ものが資 金繰 りであ ると考え ることになれば,資金収支適合の問 題は重要 な意味を もつ と同 時に,そ こには重要な手掛りが存在することが理解される。 さて,フラソスにおげる経営財務研究の動向を みてみると,そこには,筆 者が考えるところ の管理論的財務論の範躊に属するものが見受け られる。こ こでとりあげ るコンソ(P. Conso) の経営財務論 がそ うであ る2)。 コソソの 研究 は,必ずし も新しい説を展開してい るわけ ではないが,資 金収支適合の 原理に問題分析の視点を見い出していることからとりあげ てみた のであ る。 加えて,このコソソの経営財 務研究からフランスにおけ る経営財 務研究 の現 状を知る手掛 りとしてみたい。なお,ここでは, まず経営財務の 本 質 と し て,その対象問題を検討し,続いて,具体的な領域問題に立ち入ることに す る。 注 1 ) こ の点 に関す る筆者 の見 解につい ては次 の文献を参照 されたい 。 小 椋康宏『 経営財 務』第1 章,同友 館,昭和53年 。
2) 本稿で対 象にした文 献は 次 のものであ る。 p. Conso, La Gestion Financi ふre de VEntreprise, Paris, Dunod, 4<^ edition, 1975.
なお, 次に示 す上 記の初版 も参照 した 。 p. Conso,La Gestion Financiere de UEntn ゆ'rise, Paris, Dunod, 1967.
また,上 記 の文献を中心 としなが ら検討した 拙稿をあわせ みられたい。 小椋康宏『財務管理の対象と領域一 コソソの所論を中心として 論集J (東洋大学),第1 号,89∼101ページ。 」 『 経 営 2. 経 営財 務 の本質 2 −1 経 営活 動 と経 営 財 務
コン ソに よjれ ば, 財 務管 理3)(la gestion financiere)は, そ れ が設 立,成 長, 自主 化 とい った 会社 の全 般 方 針に 関 係し てい るた めに ,企業 体 の管 理の中 で 特別 な位 置を 占 め てい る とい う4)。 交 換に 基 礎を お く市場 経済 にお い ては, 経 済行為 者間 の関 係が 現 われ る のは貨 幣形 態 の もとであ る。 貨 幣 現象 は もっ と も明らか な もの であ り,そ れ は実 際 の現象を もっ と もし ば しば表 わし てい る。 した が って ,財 務問 題 は ,す べ て の時 間, すべ て の面 にお い て, 企業 体 の生存 と係 わ りが あ る こ とに な る。 さて, コソ ソは, 財 務に 対 す る基 本的 な機構 を考 え る。 そ れは 次 の よ うに 説 明 す る‰
コソソ経営財務論に関する一考察 87 企業 体 の職務 機構 は ,お そ らく単純 な 関係図 の形 態に表 わ せ るであ ろ う。 (図1 をみ よ)そ の目的 は √他 の経 済行 為 者に財 とか サ ービ スを 与 え る た め に,獲 得し た財 や サ ービ スを変 換 さ せ るこ とであ る。し た が って 企業 体の活 動 は,生 産 活動 と交 換 活動 (une activite de production et d'echange)に よっ
て達成 され るこ とに な る。 資本 は,あ る一 定 時点 におけ る建 物, 機械 ,原材 料 とい っ た財 す な わ ち 「資産」 の集 合 に よって与 え られ る。 そ れ らの評価 は ,企業 体 の貸 借対照 表 の資産 を構 成す るこ とに な る。 図1 流入 ↓ の 流 れ ( 購 資 産 ∩ ∩ 流出 の流れ(販売) もし, 保有 す る財(額と評価)が ,一定 時点 に 考 慮で き うるとす る な らば , 交換の結 果 とし て生 ず る財 とサ ービ ス の変 動は ,定 め られ た 期間 し か とらえ ることは できない のであ る。
一定 期間 の間に 購 入す る財や サ ービ ス の額は流 人 の流 れ(les flux d'entree) と呼ば れ,そ れ と同 じ 期 間 の間に 生産 され ,販 売 され る財や サ ービ スの額 は 流出の流 れ(les flux de sortie) と呼ば れ る。この流 れを 記 録 す るた めに 選択 され る期間 の単位 は, 分析 の必要 性に 従 っ て変 化し うる。一 般 に は ,一 般 経 営計算 書(le Co rate d'Exploitation generale)の作 製0 た めに1 年 を 利用し て い るら 資 産 と流 れ(すなわち,貸借対照表と一般経営計算書との間における)の関 係 は,次 の方法 に よっ て図式 化 で き るのであ る。(図2 をみよ) 図2 所有す る財 とサ ービス( 購買) ↓ ↓ ↓ ↓ 変 換一 生 産 ↓ ↓ ↓ ↓ 生産 された財 とサ ービス(販売) 資産の中に,特別な性格 の財すなわち貨幣(monnaie)が存在する。貨幣の 保有は,生産に必要な財やサ ービスの獲得を可能にす るものであ る。生産さ
れた 財 とか 創 造 され たサ ービ スを 与 えた のは まさ しく 貨 幣に よる も の で あ る。 す べ て の交換 は,貨 幣 の媒 介に よって 実現 さ れる 。 こ うし て,そ れは, 「 貨 幣 の流 れ(flux monetaires)」 と呼 ば れ る流 れを 生 み だし てい る。財や サ ービ スの流 入 とい う「 実物」 の流れ は, 流 出 の貨 幣 の流 れ と一 致 す る。反 対 に, 財 やサ ービ ス の流出 の「 実 物」 の流 れ は, 流 入 の貨 幣り 流 れ に 一 致 す る。( 図3 をみよ) 図3 流入の実物 の流れ の 資産あるいは資本 転換のプロセスあるいは生産 流出の実物 の流れ のjぎの し た が っ て,企業 体は次 の ように特 徴 づけ られ る。 す なわち ,(1)資 本 の保 有(経済要素の合計),(2)財 や サ ービ スの生 産 職能 の使 用 バ3 )交 換 プ ロセス(購 買と販売)へ の参加, であ る。 生 産 職 能は ,財 や サ ービ スの変 換 の継 続お よびそ の 職能 す なわち資 本 ,原 材料 , 労 働 ,に 必要 な要素 の相対的 部 分に よっ て特 徴 づけ られ る技術 プ ロセ スであ る。七 た が って, こ の技術 プ ロセ スは ,あ る資 本構 造 お よび,生 産活 動 の川 上 と川 下に あ る交換 のプ1==1セス であ る と定 義 さ れ る。 こ0 よ うに し て, コソ ソは, 物財 の流 れ と貨 幣 の流 れ を ,生 産活 動 と交換 活 動 とに 関 連 させ なが ら,そ こに財 務 を考 え る うえ で の基本 的土 台を 提起す る のであ る。 では , コソソ は, 経営 財 務 の本 質を ど の よ うに とらえ る のであ ろ うか。 こ の点 に つい て, まず コ ソソ の初版 に おい て主 張 され る内 容を みて み よ う6‰ コソ ソに よれば ,資 本を保 有 し,生 産 し ,取 引 に 参加 す るた めに は,企業 体は ,貨 幣 手 段を 必要 とし なけ れば な らず ,し たが っ て, そ れを提 供す るこ とが 財 務管 理に 属す るこ とに な るの であ る とい う。 そ れ は資 金 調達(finance-ment )の問 題 であ る。貨幣 手 段 の準備(la disposition de moyen monetaires) は, そ の うちに 費用を 含 ん でい る。 す なわ ち貨 幣 手 段 の手 当 は,そ れに よっ て出 資 や 前払 い を形 成 し てい るの であ る。 し
コンソ経営財務論に関する一考察 89 管 理に 属 す る こ とに な る。 実 際 問 題 とし て , もし 集 め ら れ た 資 金(fonds)が , 生 産活 動 や 取 引 活 動 に 利 用 さ れ な い な らば , 役 に 立 つ 必 要 性 が あ る のに ,資 金 は非 生 産 的 に な っ て し ま う であ ろ う。 そ の点 を 成 功 さ せ る た め に , 財 務 管 理 は , 資 金 調 達 の 必 要 額 を 予 測 し な け れ ば な ら な い 。 こ こ に , 第1 の 目的 が 現 わ れ る こ と に な る。 す な わ ち , 財 務 管 理 は , そ の 対 象 とし て , 企業 体 の資 金 調達 の必 要 額 を 予 測 し , そ の必 要 額 を 満 た す た め に 必 要 な 貨 幣 手 段 を 与 え る こ と で あ る。 こ の よ うな コ ン ソ の 指 摘 は , 伝 統 的 に い わ れ て き た 資 本 調 達 の問 題 そ の も のを 示 し て い る と い う こ と が で き る。 し か し な が ら , コ ソ ソ は , こ れ の み を 財 務 管 理 の 対 象 とし て い る わ け で は な い 。 も う一 つ の 対 象 を 指 摘 す る 。 コソ ソ に ょ れ ば ,企 業 体 の原 動 力 は 利 潤 で あ る とい う。 最 終 の利 潤 は , 経 営 活 動 に よ っ て 「 資 産 」 と な る生 産 工 程 の 生 産 性 お よ び 他 の 経 済 行 為 者 と の 関 係 か ら 生 み だ さ れ る財 や サ ービ ス の 取 引 条 件 か ら生 ず る 。 利 潤 は , 一 定 期 間 にお げ る 流 入 の流 れ と 流 出 の 流 れ か ら引 き だ さ れ た 差 に よっ て 測 定 さ れ る。 獲 得 さ れ た 成 果 , 換 言 す れ ば , そ の 流 れ と 集 め ら れ た 資 金 と の 間 の 関 係 が , も っ と も 上 昇 し う るか ど うかを 確 か に す る こ と は 財 務 管 理 に 属 す る の で あ る。 し た が っ て , 財 務 管 理 は , 投 資 決 定 や 経 営 計 画 と 密 接 に 結 び つ い て い る の で あ る。 し か し 当 面 の利 潤 以 上 に , 企 業 体 は 将 来 の 利 潤 を 守 ら なけ れ ば な らな い 。 す な わ ち , そ の た め に , 財 務 管 理 は , 資 本 を 守 り, 資 本 を 増殖 し な げ れ ば な ら な い 。 利 潤 の使 途 を 統 制 し , 企 業 体を 構 成 す る法 律 上 の独 立 性 を 維持 す る こ と は , 同 様 に 財 務 管 理 に 属 す る の で あ る 。 こ こ に 第2 の 目的 が 現 わ れ て く る こ とに な る。 す な わ ち , 財 務 管 理 は , そ の 対 象 とし て , 経 営 計 画 を 規定 し , 企 業 体 の 独 立 を 保 証 す る資 本 の 増 殖 方 針 とを 決 定 す る こ と で あ る。 こ の よ うに し て , コツ ソ に よ れ ば , 財 務 管 理 は , 単 に , そ の 対 象 とし て , 資 金調 達 問 題 を 解 決 す る も の で は な い の で あ り , 企 業 体 の 経 営 に よ っ て 生 ず るす べ て の リ ス ク負 担 の責 任 が か か る の も財 務 管 理 で あ る と い うこ とに な る とい う。 財 務 管 理 は , 企 業 体 の存 続 を 維 持 し な け れ ば な らな い 。 結 局 , 企業 体 の全 活 動 の 承 認 が 財 務 的 であ るた め に , 企 業 体 の 生 存 の うち で主 要 な 選 択 を 支配 し て い る のは ま さし く財 務 管 理 とい うこ と に な る。
そ し て , 目的 に 適 合 し た 資 本 保 有 す な わ ち資 本 総 額 , 資 本 構 成 の 保 有 は , 企 業 体 の 基 本 的 間 題 で あ る 。 し か し , 企 某 体 とそ の環 境 と の 間 の 貨 幣 の誼 れ の 永久 的 な 維 持 は , 取 引 に 必 要 欠 く べ か らざ る も の で あ る 。 も し 流 入 と流 出 と の貨 幣 の 流 れ の 調 笙 が 実 現 さ れ な い な ら ば , 企 業 体 の 消 滅 あ る い は 自主 化 の 破 滅 の 結果 と な る で あ ろ う。 以 上 が , コ ン ソ に お け る初 版 の経 営 財 務 に対 す る考 え 方 で あ る 。 一 っ は 資 金 調 達 (流
図4 こ=・ソ ソ 経 営 財 務 論 に 関 す る一 考 察 91 (4) 経営資産( 棚卸高と信用額) お よび小売商人 との債務 の変動(5) 国家,給与所得者お よび株主に対す るキャッシ ュ・フn −の割当の費用 的 もし手持現金の水準が均衡を維持す るのに不十分であ るならば,直接。 短期の借入金,主に銀行信用に頼ること (3) と(4)の財務の流れ の差引は,経営活動に よって引きだされた,あ らかじ め決った手持現金の変動を測定す る。(3)と㈲ の財務の流れの差引は↓ 企業体 に よって保有された貨幣剰余金 の部分すなわち 自己 金融を測定す る。(1)と(2) の流れは,長期の資産 の増大お よび長期お よび中期の借入金総額 の変化を表 わしている。あ る一定時にしかおそ らく確実ではなく,ある一定期間によっ て測定される流れの均衡は,ある経済的資本の保有お よびあ る資源構造の存 在すなわち資 本投資お よび借入金,と密接に付随し てい る。したがって,こ の均衡は,物的資産や財務的資 産の構造や借入金の構造 から生ずる棚卸高に よっておそ らく等しく説明され うるであろ う。資産総額 と処分可能な資源と の間のすべての不均衡は,貨幣需要を満足 させ うるように示 される。 この需 要 の保証額は,財務均衡の強制的な維持とな る。 こうい った資金調達の制約は,企業体の成長に必要な長期の資産の創出の 程度および経営活動の程度すなわち生産職能の程度をお そらく乖離させるで あろ う。
それは各領域 の中 で特別なものであるが,財務 の仕事は,すべての経営活 動の中で一般的 であり,いた るところで,制約を もった唯一 の均 衡 で も っ て,企業 体を はかっている。この制約の取 り付けは ,財務職能の特別の対象 である。 この領域にある活 動は,企業体に対し,生 産能力の最適な方法の利 用 の可能性お よび,自主性の中に発展する可能性を保証し なければならない のであ る。 (2) 収益性 経済的資 本に対す る必要最小限 の収益性水準は,支払能力の制約 とは同じ 特質を もたない制約 であ る。収益 性は,多 くの見解を もってい る非常に大き な概念であ る。その測定は,困難 である。収益性は,継続的方法 に よ っ て ぱ,発生しないし ,参考期間の利潤によってし か意味づげできない。収益性 の宿命は,その会社の寿命をすべてぱかることはできない ことである。収益 性の役割は,そ の機能においてまたその発展に対し て少なくとも基本的なも のではない。以前は,支払能力の対象と反対に評価 されてきたが,収益性の 対象は,それ自体,補足 され,長期的観点にたち,そ の実現は,財務均衡を 維持す るのに必ずしも十分でないときでさえ必要な条件となっ て い る。 で は,コンソは,この収益性の概念を どのように定義 するのであろ うか。次に みてみよう。 収益性の概念 収益性は,手段をつくし ながら,すべての経済活 動に適用できる概念であ る。 それは,成果対手段 の関係に よって説明される。 それは,利益あるいは 利益全体に よって説明される・,企業体のレベルでは,いわゆる総資本収益性 は,企業 体すなわち経済的資本に よって保有され る物的資産および財務的資 産両者 の利用の結果とし て生ず るものである。結果的には,獲得されたサ ー ビスや生産職能の中で消費された財産は,市場価格に よる対価の原因 となっ てい る。 収益 性の測定 とそ の意味内容は,それを定義した り,測定し たりす る利潤 表 現の定義に依存する。 企業体に よって引き出された最上の価値がいかにし て貨幣剰余金に よって表わされているかがわかる。 この剰余 金は,保有が資 金の固定化に一致するところの財産(資産)の 利用か ら 生れた成果 である。 この剰余金は,金貸しに支払われた利子の控除前の ものであ り,経営の超過
コンソ経営財務論に関する一考察 93 総 額 とい う。そ れ は, 次 の ように いろ いろ な利 用に よって影 響 さ れ る。 (1) 固定 資 産 の償却 に よって表 わ さ れ る部 分は ,最 初 の手 持 現 金 の再構 成 に すぎない。 そ れは 手 持現 金を 増 加さ せ るこ とにな り償却 資 金 と呼 ば れ るも のを構成 す る。 (2) 徴収 者(税金) と労 働 者(分配金)に 入 る部分 は,利 潤 か ら資 金 の移 転に よって与 え られ ,手 持 現金 の減 少 とな る。 (3) 差引 高は,長 期 の借 入 金 の報償(利子) と会社 に よっ て固 定 され た 資 本 に対す る報 償(配当)を 差し 引 かれ た うえ で の剰余 金を 構 成 す る。 借 入資 金 の報償 は ,義 務 上 の特質 を もってお り,そ の総 額は ,契 約 に よっ て生 ずる。 す なわ ち , 支払 利 子は ,税 金,分配 金,差 引額 を 減 少 させ ること に な るし ,会 社に よっ て処 分 でき る差 引 高 は, もし収益 を 差 し 引 くか ,投下 資 本 を増 大 す るこ とに な る留保 金を 構成 す るこ とにす るか を 決定 す るこ とに な る。 収益性 は, 関係 す る経 済上 の行 為 者 のそれぞ れに よっ て採 用 さ れ る見 地 に し た がって ,異な っ た レベ ル におい てい か にし て評価 され うるかが わ か る。 し か し 全 体的見 地 か ら, 少 な くと も次 の よ うな二つ の制 約に対 応 し て,十 分 とならなけ れば な ら ない こ とが 明 らか とな る。(1 ) 企業体 の資 本 維持を 確 立 す るこ と(償却資金)(2 ) 金貸し に対 す る利 子支払 い の履 行 お よび借 入 金 の償還 を確 立 す るこ と 徴収者お よび労 働 者に対 す る部 分 と会 社に対 す る部分 とが 結び っ け ら れ る。 特に, 報 償は ,税 金 の負 担以 前 の準備 金を 意 味し てい る。 そ れは, 利益 の分配 に よって, 会社 に対 す る収益 の形 態あ るい は,留 保 金 の 形 態 の もと で, 企業 体へ の蓄 積 の形 態 とを つ か汀 ことが でき る。 こ のよ うにし て , もし, 税 金や 分配 金を 無 視す れば, 資 産 収 益 性(rentab山tedes actifs)は ,企業 体 の生産 資 本 の維 持を 確立 し,借 入 金 の利 子 支払 いを 確 立し 資 本 の増 大に 貢献 し ,会 社 に よる投 下資 本 の報 償を 果 すた めに 十分 な 流 動性(liquidites)の レベ ル の集 積を 同時 に可 能にし なけ れば な ら ない。
総資 産利益 率(la rentabilite globale des actifs^)) は,工 業や 商 業 の管 理 の 効 果(経営成果)と資 産 総額 に 依存 す る。 こ の よ うにし て , 流 動性 の維持を 保 証 す るのに重 要 な手 持 現金 の維持 は , 収 益性を 減 少さ せ るこ とに な る(分子 が変らないとしても分母の増大による)。 こ のよ うにし て, 相 反 し て, 二 つ の目
- 総 資 産 収 益 性 資 産 -「 投下資本 ↑ 資 本収益性 営業 費用お よび | 債 務 レ 財務費用(利子) 的 が あ ら わ れ て く る 。 し か し な が ら , そ れ は , 単 に , 十 分 な 収 益 性 の レ ベ ル が , 含 ま っ て 資 本 の 再 更 新 お よ び 借 入 金 の 償 還 の 義 務 を 果 す の に 必 要 な 流 動 性 を 生 ず る こ と が で き る の で 理 解 し う る 。 ト
こ れ に 反 し て , 会 社 に よ る 投 下 資 本 の 収 益 性(la rentabilite du capitalinvesti)^) は , 総 資 本 収 益 性 , 債 務 と そ の 費 用 の 大 き さ と に 依 存 す る 。 「 挺 の 効 果(effet de levier) 」 の 表 現 に よ っ て 表 わ さ れ る こ の 関 係 は , 企 業 体 の 財 務 収 益 性 の 中 に 基 本 的 な 役 割 を 演 じ て い る 。 も し 当 初 の 資 産 収 益 性 が , 債 務 の 増 大 に よ っ て , 債 務 費 用 を 上 回 っ て い る な ら ば , 超 過 分 は , 徴 収 者 , 給 与 所 得 者 お よ び 株 主 の 間 で も っ と も 価 値 の あ る 分 配 を 増 大 す る こ と に な る 。 こ の よ う に し て , コ ン ソ は , 経 営 財 務 の 本 質 を 収 益 性 と 流 動 性 と の 問 題 を 対 象 と し な が ら 検 討 を 加 え る こ と に な る 。 こ の よ う な コ ン ソ の 展 開 方 法 は , い わ ゆ る 管 理 論 的 財 務 論 の 展 開 方 法 と き わ め て 類 似 し て い る こ と に 注 目 し て お き た い 。 さ て , こ の よ う な 考 え 方 を 基 礎 と し な が ら , コ ソ ソ は , 具 体 的 に , ど の よ う な 経 営 財 務 の 領 域 を 指 摘 す る の で あ ろ う か 。 そ の 点 に 関 し て , 次 に , 簡 潔 に み て お く こ と に す る 。 ■■ ■ ■ 注 3 ) コ ン ソ は ,「 経 営 財 務 」 と い う 用 語 で は な く ,「 財 務 管 理 」 と い う 用 語 を 使 用 し て い る の で , コ ソ ソ の 経 営 財 務 論 の 具 体 的 展 開 に お い て は √ 以 下 , 「 財 務 管 理 」 を 使 用 す る 。4
) p. Conso, La Gestion Financiere de L'Ent 丿■eprise, Paris, Dunod ,4" edition, 1975. p. 1.5
)Ibid., pp. 7 ∼9.6
) p. Conso, La Gestion Fin αnc扁re de L'Entreprise, Paris, Dunod, 1967, pp. 3 ∼4.7
)P. Conso, La Gestion Financiere de UEntreprise, Paris, Dunod ,4^ Edition, 1975, pp. 32 ∼56.8
) こ れ は , ア メ リ カ で 使 わ れ るROA す な わ ちReturn on assets に 対 応 す る 。9 ) こ れ は , ア メ リ カ で 使 わ れ るROI す な わ ちReturn on investment に 対 応 す
コ ン ソ経 営 財 務 論 に 関 す る 一 考 察 95 3. 経営 財務 の 領域 3 −1 財務 分 析 と財務政 策 コン ソが 経営 財 務 の領域 として具 体的 に取 り扱 うのは, まず , 財 務 分 析 (l'analyse financiere)であ る10)。 財 務分 析 は, 財 務管 理 者 のす べ て の活 動領 域 の中 で基 礎的 な ものとし て考 え られ てい る。 コソ ソに ょれ ば ,財 務分 析 は, 企業 体 の財 務上 の均 衡 状 態 を 探求 し ,投下 資 本 の収益 性を 測定 す る ことを 目的 として い る とい う。 財 務 分 析 の 目的 は, そ れ が企業 体 自 体に よって導 か れ るか,財 務管 理 者に よっ て導 かれ るか,あ るしヽは また 銀行 家 , 信託 会社 ,小 売商 人, 貯蓄 家 とい った よ うな第三 者に よ っ て導 かれ るかに よっ て異 な って く るのであ る。
財 務管理 者(les services financiers)は,一 方 では ,企業 体 の全 般方 針を 限 定 す るう え で全 般管 理 者(la Direction generale)に与 え るた め に,他方 でぱ,
企 業 体 の財 務管 理 に必 要欠 くべが らざ る手段 の準備 す なわち必要資 金額 の た め の決定 ,資 金調 達手 段 の 選択 ,必要 な 信用 の獲得 , 顧客 に 関係 し た信 用政 策 の確 立,企業 体 に よって 実 現され る経営活 動 の収 益 性 の測定 な ど に , 情報を 集 め る の であ る。 これに反 し て, 第三 者は,し ばし ば 企業 体 の財 務 状態 の特定 部面 を みてい る。 す なわ ち,銀 行 家に とっ て は, 信用 の要 求に 対 し て企業 体に よって 提供 さ れた返 済 のた め の担 保 であ り ,株主 に と っ て は ,収益 性が 維持 さ れ てい るかを 判断 し よ うと す るも のであ り,そ の収 益 性 は↓ 企業 体へ 経営 参 加を 増 大 させた り減 少 させ た りす る0 であ る。 し かし, こ うい っ た二 つ の利用 者の集 団を 区 別 す るこ とそ のこ と力気 それ ら の分 析に 導 く よう に 準備 され てい る数多 くの情報 とな る のであ る。 財 務管 理 者は ,す べ て の会 計, 財務 ,統 計資 料を 準備 し, 企業 体 の財 務状 態を 正確 な方 法 で表 わ すた め に必 要 なす べ ての財 務機構 を知 っ てい る のに対し , 第三 者 の財 務分 析 は,主 とし て企 業体 に よっ て公に さ れた情 報 ,し ばしば 株 主総 会(l'Assemblee generale)におけ る年 次報 告書に よって与 え られ る。 し た が っ て,第三 者に 準備 す る情報 は, ほ と んど時 間に制 限か お るとい うこ とに な る。 最近, 法 律は, 企 業 体に対 し ,伝 統的 な「 企業 体 の秘 密」 と両 立し うる 数多 くの情 報 の公表 を 要 請し てい る理由 はそ れに よる。 さ て, コン ソは, この財 務分 析 の中 で, 運 転資 本管 理0 問 題 を取 り扱 う。 運 転資本管 理 は, コソ ソの展 開す 右経 営財 務論 の特 徴を示 し てい る も のであ
る と考 え ら れ , い わ ゆ る 管 理 論 的 財 務 論 に 符 合 す る も の であ る と思 わ れ る 。 ま た , 財 務比 率 (les ratios financiers) の 分 析 を 取 り扱 う。 こ れ ら の研 究 は , ア フ リ カ 経 営 財 務 論 の中 で も み ら れ る も の であ り , 経営 財 務 の 領 域 とし て 重 要 視 さ れ な け れ ば な ら な い も の で あ る 。 加 え て , コ ソ ソ の こ の 領 域 で の研 究 の中 心 は , 運 転 資 金 に よ る 財 務 均 衡 の問 題 を 考 え て い く と こ ろ に あ り, コ ソ ソ の 経 営 財 務 論 の 特 色 を 一 層 , は っ き り さ せ て い る も の で あ る と 考 え ら れ る。 と ころ で , コ ソ ソは , 経 営 財 務 の 領 域 と し て , 財 務 政 策 の問 題 を と りあ げ るai)。 財 務 政 策 の問 題 と は , 財 務 に 関 す る長 期 計 画 お よ び短 期 計 画 の こ と で あ る。 具 体 的 に は , 長 期 計 画 に 関 連 し て は , 投 資 (!' investissement ), 資 本 コ ス ト論(la theorie du co 合t du capital), 財 務 政 策(la planification financiere)
の問 題 , 短 期 計 画 に 関 連 し て は , 予 算 (les budgets ), 短 期 の資 金 調 達 (lefinancement a court terme ) な ど の問 題 が 論 及 さ れ る。 こ の うち , コ ソ ソ の研 究 の 中 で , 第4 版 で み られ る 新 し い 特 色 は , 資 本 予 算 (capital budgeting ) の問 題 に も ふ れ ,新 し い 流 れ で あ る経 営 財 務 の研 究 領 域 に も 積 極 的 に 取 り 組 む 方 向 が 示 さ れ て い る 。 これ は , コ ソ ソ が 資 本 コ ス ト 論 を 展 開 し て い る点 か ら み て , 一 層 , 明白 と な っ てい る。 一 方 , コ ン ソ は , 予 算 の問 題 に も力 点 が お か れ る。 資 本 予 算 が 長 期 計 画 に 対 応 す る も の であ る の に 対 し , こ の予 算 は , 短 期 計 画 で の 中 心 を な す の で あ る。 つ ま り , コ ソ ソに よ れ ば , 貨 幣 の 流 れ の 管 理 は , 短 期 の財 務 管 理 の うち で 特 別 な 領 域 を 構 成 し て お り , そ の 基 本 的 な 目 的 は 流 動 性 の維 持 であ る こ と に な る と い う。 し た が っ て , こ の予 算 を 中 心 と し な が ら, 短 期 の 資 金 調 達 と の 係 り 合 い で 検 討 し て い く こ と に な る。 コ ン ソ の こ の 領 域 で の研 究 は , 「 意 思 決 定 論 的 財 務 論 」 に 近 い 内 容を 有 し て い る こ とに 注 意 し た い 。 た だ し , コ ン ソ の 強 調 点 は , む し ろ 内 部 の管 理 に あ る の で あ る 。 3 −2 資 金 調 達 手 段 コ ソ ソ は , 経 営 財 務 の 領 域 と し て , 資 金 調 達 の問 題 を と りあ げ るJ 。 資 金 調 達 に 関 す る研 究 は , 経 営 財 務 の 領 域 の 中 で , 伝 統 的 に 重 要 な 領 域 と し て と りあ げ ら れ て き た も の で あ る。 コ ソ ソに よれ ば , 物 的 財 産 お よ び 財 務 上 の財 産 か らな る資 本 の保 有 は , あ
コソソ経営財務論に関する一考察 97 ら かじ めそ の獲 得 とか 創 りだす のに 必要 な資 金を集 め てお くこ とを 必要 とす る とい う。 また ,企業 体 は,資 金調 達手 段 と設 立 ,運営 お よび発展 に必 要 な 源 泉 とをあ わせ もた なけ れば な らない といわ れ てい る。 企業 体の 貨 幣 需 要 は , まず生 産資 本や 取引に 必 要な手 持 現金 との構 成か ら生 ず る。 そ れか ら, そ れ は生産 の活動 ,取 引 の活 動,つ い で生 産資 本 を 維持 した り,増大 さ せた りす る傾向か お る活 動か ら生 ず る。 資 産構造 の変 更 は,短 期的 に は経営 活 動 の変 動 に よっ て,長 期 的に は経営 活 動 の規模 の増 大 に よって生 ず る。 こ の増大 は おそ ら く制 限 はあ るが ,強力 な 生 産 要素 の利 用に よって達 成 され る であろ う。 企業 体 の成長 の 要 求 に 対 し ,長 期的 に応 え る ものは, 新 たな生 産 財を 創 るこ とす なわ ち投資(rinvesti"ssement )であ る。 新た な生 産要 素 の使 用 に よっ て 経 営活 動 が 増大 す るこ と は, 棚 卸資産, 財務 上 の資 産お よび取 引 に必 要 な現 金 の増大 を 生じ さ せ るこ と に な る。資産 の増 大 は短 期に生 じ た信 用 の増 大 に よって 必 ずし もカバ ーされ る も のでは ない。一 方 では 投資 か ら生 じ , 他方 ではそ の他0 物的 財産 と財 務 上 の財 産の保 有か ら生ず る必要 資金 調達 額 は, 企業 体 の貨 幣 需 要(la demandede monnaie ) と呼 ば れ る ものを 決定 す る。 貨 幣 需要は ,一 方 では ,企業 体がそ の経営 活 動を 取戻 す こ とが で きる資 金 調 達 手 段す なわ ち 自己 金融(rautofinancement)に よっ て, 他方 では「小 売商 人 」 に よる 信用 とい った よ うな も のに 生 ず る資 金調 達手 段 に よっ て,部 分的 に 満足 できる のであ る。 貸借 の差 引に よっ ては ,企 業 体は 第三 者に 対し て負 債 を 負 わなけ れ ばな ら ない。 こ こに外 部 金融 の必要 性が お こる。 外 部 金融 の 必 要 性は,最 初 ,一 方 では,生 産資 本を 構 成 す る財 産 の取 換 え とか 増大 に よ り ,他 方では ,直 接 に 経営 活動 のサ イ クルに 関与 す る物 的 財産お よび財 務上 の財 産 の保 有に よる。 し た がっ て, 企業 体に 必要 な 借入 金 の要請 の度合 いは , 資 産 要素に関与 し てい る財 務上 のサイ クル0 期 間に 依存し てい るのであ る。 し た がって, コソ ソに よれば ,外 部 金融 は二 つ の対 象を もつ こ とに な る と い う。 すなわち ,生 産資 本 に関 連し た 必要 額 と企業 体 の運営 か ら生ず る必要 額 と の準備 金であ る。 図5 の関 係図 は, 明 らか に ,一 方 で は,一 般に ,生 ま れ た ところ の循環 す る資 産 と関 係 のあ る短 期 の信 用 の役割 と, 他方 では 自己 金 融 の役割を示 し てい る。 最 後 の ものは , とくに 支払 期 日 がき てい ないた め に 恒 久 的であ り長期 の資 金 調達 の必 要額 に あ った 財産 をあ らわし て い る。 固
必 要 額 あ る い は 利 用 生 産 資 本 の 増 大 循 環す る資産の増大 図5 資 金調 達額あ るい は源泉 内 部 金 融 外部金融の必要額 短 期 の 信 用 定資産の設定は,たとえ経営活動のサイクルで生 まれた必要額 の準備金が, しばしば一時的な資金調達すなわち,短 期の信用に頼 ることしか要求し ない として 乱 長 期の資金調達手段に頼ることを要求せざ るを えないことになる。 十 しかしながら,企業 体の財務的均衡は,運転資金 の存在におかれるといわ れる。 債務の返済は,運転資金の下落を生じさせ る固定資本 の軽 減に よって 説明される。 よって,運転資金の水準を維持するために ,すなわちそれを 再 構成 するために,長 期の資本不足を生じ させるごとになる。しかし,短期の信 用 の増大に よっても補えない ところの循環する資産 の一部は,財務的均衡の 危険な状態を修正しないで,短期の信用に頼ることに よって七は,全額,資 金調達するこ とはできないか もしれないノ よって循環す る資産の増大は,運 転資金の増大を必要とす る。それが運転資金の必要額であ る。 短期り 外部金融 の要求は,季節的変動に よって生ずる必要額を 制限つきで 認め られる。 すなわち短 期の信用が不十分 であ るとき,それは一時的な修正 を求めるために使われる。次のような方法に よって,企業 体の必要額を図式 的に表 わすことができる(図6 をみよ)。 この関係図 は,明らかに 直接に企 業体に よって自由となり,自己 金融によって測定 された内部金融 と企業体に 図6 ‥ 必要額あるいは利用 資金調達あるいは源泉 生産資本 の増大 増大固定資産の 循環する 資産の増 大 運転資金の 再構成と増 大 循環する資 産の増大 内 部 金 融 一 利 潤 の 利 用 て利 益 留 保 ) 一 減 価 償 却 費 長 期 の 資 金 調 達 短期の資金調 達 短 期 の 信 用 内 部 金 融 外 部 金 融
コ ソ ソ経 営 財 務 論 に 関 す る 一 考 察 99 対 し て で は な く 見 し ら ぬ 第 三 者 に 対 し 頼 る こ と を 強 要 さ せ ら れ た 外 部 金 融 と の 間 の 基 本 的 差 異 を 示 し て い る 。 固 定 資 産 の 増 加 と 運 転 資 金 の 増 加 と か ら 生 ず る 資 金 調 達 の 必 要 額 を 「 資 本 需 要 (demande de capital )」 と 呼 ぶ 。 こ め 必 要 額 は , 部 分 的 に は , 内 部 金 融 に よ っ て 満 足 な も の と な る 。 「 短 期 の 信 用 需 要 」 は , 運 転 資 金 の 増 加 に よ う て ま か な う こ と は で き な い と こ ろ の 循 環 す る 資 産 の 増 加 の 結 果 に よ る も の で あ る 。 こ の 需 要 は , 部 分 的 に は , 短 期 の 信 用 に よ っ て 満 足 さ れ る 。 ニ の 関 係 図 は , 資 金 調 達 手 段 の 補 足 と 伝 統 的 分 類 の 明 白 な 特 質 と を 等 し く 表 わ し て い る よ う に 思 わ れ る 。 資 金 調 達 の 最 適 構 成 を 求 め な げ れ ば な ら な い 企 業 体 は , 一 面 で は 資 産 構 造 に 依 存 し て お り , し た が っ て 基 本 的 に は 投 資 の 選 択 お よ び 財 務 上 の 自 主 性 の レ ベ ル の 選 択 , 企 業 体 が 追 求 す る 目 的 ( 成 長 , 発 展 ) に 依 存 す る の で あ る 。 し か し な が ら , 投 資 の 問 題 と 長 期 の 資 金 調 達 の 問 題 は , 密 接 に 結 び つ い て い る 。 投 資 決 定 は , 大 部 分 , 資 金 調 達 の 要 求 す な わ ち 使 用 額 , 費 用 お よ び 期 間 に 依 存 す る 。 特 に , 投 資 決 定 は , 企 業 体 の 財 務 均 衡 が 資 産 の 流 動 性 の 度 合 い と 債 務 可 能 の 額 と の 間 の 対 立 関 係 に あ る の で , 投 資0 収 益 性 と 固 定 化 し た 資 金 の 回 収 の 遅 れ に 依 存 す る こ と に な る 。 実 際 に は , 内 部 金 融 の 額 は , 一 方 で は 投 資 の 収 益 性 と 当 初 の 財 産 が 獲 得 し た 財 産 の 寿 命 期 間 に 依 存 し , 他 方 で は, 彿 部 金 融 の 構 造 か ら 分 け ら れ た 財 務 費 用 や 利 益 額 に 依 存 す る こ と に な 右 う 。 こ の よ う に し て , 長 期 の 資 金 調 達 は , 経 営 活 動 か ら 達 成 さ れ た 利 潤 に 基 礎 を お い て い る 。 こ れ に 反 し て , 取 引 や 銀 行 信 用 に よ っ て 生 ず る 信 用 に か か お る 短 期 の 信 用 は , 経 営 サ イ ク 少 の 活 動 結 果 す な わ ち 収 入 の 実 現 に 基 礎 を お い て い る 。 と に か く 長 期 の 資 金 調 達 手 段 と 短 期 の 資 金 調 達 手 段 と の 区 別 は ニ も っ と も 実 践 的 な も の と な っ て い る の で あ る ○ ・。 注
10 )p. Conso, La Gestion Financiere de L' Entreprise, Deu χieme Partie, Paris Dunod ,4*' Edition, 1975. J 十 ダ 十 ・ ・. ・・.・11 )Ibid ・, Q リatrieme Partie, Cinquieme Partie.12
)Ibid ・, Troisieme Partie.
4. 紘 一 ぴ 一 … …… ……
以上に わ た り, コソ ソの経営 財 務論 を み て きた。 資 金収支 適合 の関係(財務的均衡)を 維 持し なが ら,
コソツ の経営財務論ぱレ 収益性の問題を考慮して
展 開し た ものと解することができる。 コソソの経営財務論 は,最近にみられ る経営財 務論と多 くの点て似か よってい るといえる。その第1 は,経営財務 の対象 とし で,すでに示 してきた二点,すなわち流 動性 と収益性とを含めた ものを考えてい ることである。 この点に関し ては, 最近におけ る経営財務研 究の動向 ともからみ,一応 の理解はできるところであ る。 ただし ,この両者 の関係を 明確な枠組みの中に位置づけ る必要かおる ように思 われる。第2 は, 財務分析をとりあげ ていることである。財 務分析は,アメ リカ経営財務研究 の中で もほ とんどとりあげ られてい る点からみて意味のあ るところであ る。 ただし,コンソの財務分析のとりあげ方が,いわゆ る管理会計的 アプp ―チ にもとづ いているところが一つの特徴を示している。このことは,コンソの 経営財務論が,いわゆ る「管理論的財務論」に近い内容を 有してい るもので あると考えられる。,第3 は,投資計画を経営財務の中 で取り扱っていること であ る。投資 の問題 が企業体にとって重要な意味を 有してお り, コンソが経 営財務の中に収益性の問 題を含めて考えようとし ているとすれば,これらの 問 題に対し積極的に取 り組むことは当然のことであろ う。 これに対し て, コンソが経営財務の領域の中で,資金調達 の問題を とりあ げ強 調し てい る点は, とくに注 目しておく必要かお る。 とくに貨幣需要の問 題として とりあげ る点 は,示唆にとんでいる。そし て, これらの点は,伝統 的に も経営財 務研究 の中で検討してきた領域であ り, この点 の一層 の展開に おいて 乱 新しい経営財務研究 の発展があると考え られる。 経営財務はし コソソも指摘するように√企業体 の中 で,特に重要な位置を 占めてい ることは事実 である。その場合,そ の重要性は,要素とし ての財務 職能 の必要性をいってい るのにすぎないことであ る。 つ まり,そ の要素とし ての財務に,経営主体の立場からマネジメント・アプ ロ ―チに よって展開す ることが重要 である。 コソソが,現在におけ る経営財 務研究を整 理し,そ の 統一を企てている点は,十分,理解できるところであ る。し かしながら,コ ンソの研究 においては,マネジメント研究からの経営財務研究 としては,不 十分であ ると考え られる。筆 者は,コソソにみられる ような管理会計的統一 ではなく,マネジタント・アプローチに よる財務論 の統一を考えてみたいの である。そ こにおい て,はじ めて経営財務の経営学的展開かおるように思わ れ る。。 … ……