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畜産環境対策にかかる北海道の施策と今後の方向性について

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Academic year: 2021

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ポスト「家畜排せつ物法」を考えるーこれまでとは違う発想と評価ー<2004年度シンポジウム>

畜産環境対策にかかる北海道の施策と今後の方向性について

小 田 孝 美

北海道農政部酪農畜産課環境飼料グループ札幌市中央区北

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条西

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丁目 干

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-

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5

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r家畜排せつ物法」制定の背景等について 設置と、この施設におけるふん尿の適正管理が義 畜産の生産活動から生み出される家畜のふん 務づけられたところである。 尿は、本来、土づくり、草づくりに欠かせない資 源であり、かつて、家畜の導入を奨励した開拓の 歴史にもあるように、本道においても、食料を生 産する物質循環の中で重要な役割を果たしてきた。 しかしながら、畜産経営の大規模化や、高齢化 などを背景に、家畜ふん尿の円滑な利用が困難と なり、一部の経営では「野積み」や「素堀貯留」 などの不適切な管理が見受けられる状況となった。 こうした不適切な管理は、河川や地下水への流 失・浸透により、クリプトスボリジウムや硝酸性 窒素による水質汚染を招く恐れがあり、また、悪 臭など地域の生活環境を大きく損なうものとなる。 環境問題に対する国民の意識が高まる中、畜産 業においても、環境汚染を伴う経済活動は許きれ ず、家畜ふん尿の管理の適正化を図ることが社会 的な要請であった。 また、畜産経営の持続的な発展に資するために も、貴重な有機質資源としての有効利用の一層の 推進を図ることが重要な課題となっていた。 こうした状況を背景に「管理の適正化」と「利 用の促進」という 2つの大きな柱から成り立つ「家 畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関す る法律」いわゆる「家畜排せっ物法」が平成

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年 II月に施行された。 「家畜排せっ物法」では、施設整備に要する期 間が考慮され、管理基準の一部について

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年間の 適用猶予期間が設けられた経過にあるが、今般、 この期間が終了し、

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日からは、一定規模 以上の畜産農家に対し、家畜ふん尿の管理施設の 「家畜排せつ物法」の節里基準(施設の構造に関する基準)

O

ふんの処理・保管施設は、床をコンクリート その他の不浸透資材で築造し、適当な覆い及び 側壁を有するものとすること口

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尿やスラリーの処理・保管施設は、コンクリ ートその他の不浸透性資材で築造した構造の 貯留槽とすること。

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.

施設整備の推進に向けた道の対応等について 道では、管理基準の適用が猶予された期限内に、 該当する道内全ての畜産農家において、必要な環 境対策が完了するよう、

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年に「北海道家畜排せ っ物利用促進計画」を策定するとともに、農業農 村整備事業や畜産環境整備リース事業に対し上乗 せ助成を行い、計画的な整備を推進してきた。 あわせて、道・支庁・市町村の各段階に設置さ れた「畜産環境整備緊急指導チーム」により、農 家個々を対象にした点検や指導を通じた、自己対 応や応急対応による整備の推進を図ってきた。

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月末時点の整備状況について、市町村を通 じて調査した結果、管理基準が適用されると見込ま れる

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戸のうち、既に応急対応を含め整備が完 了した戸数は

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戸で全体の

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%

となっている が、このほかに着工中の戸数が約

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戸あり、こ れらを含めた整備率は98.5%となっている。 なお、整備完了あるいは着工中の農家の中には、 事業予算の措置状況から恒久的施設整備が完了せ ず、

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年度にシートなどを使った応急的な施設で 北海道家畜管理研究会報, 40: 17-18, 2005年 一

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-畜産環境対策にかかる北海道の施策と今後の方向性について 環境対応を図った農家が約

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戸あるため、これ らの農家が事業を活用し必要な整備を実施できる よう、道としては、

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年度以降における畜産環境 整備リース事業の実施等を国に強く要望している。

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r家畜排せつ物法」の管理基準適用後の対応等について 管理基準が適用きれる平成

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日以降に、 家畜ふん尿の野積みや素掘貯留などの不適切な管 理が行われている場合、法律では、管理の適正化 を促すため、都道府県知事が勧告や命令などを行 うことができるとされている。 道としては、生産者の自主的な対応により改善 が図られることが、法の趣旨を勘案した上で重要 であるため、いきなり罰則ではなく、対応策を具 体的に提示し改善を支援するなどの十分な手順を 取ったのち、更に必要な場合に限って、法に基づ く行政指導等を実施することを基本としている。 不適正な管理が行われている場合の対応概要 「法に基づかない」事前指導 現地調査、具体的改善策等の提示 (家畜排せっ物管理適正化指導チーム等)

ι

法第4条に基づく 「指導・助言」 法第5条第l項に基づく 「勧告」 法第5条第2項に基づく 「命令」など

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告発、罰金

(

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万円以下)

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家畜ふん尿の利活用推進等について これまでの畜産畜環境対策では、管理の適正化 を図るための施設整備を最優先事項とし、取組み が進められてきた一面がある。 しかし、施設整備が完了したとしても、急速な 規模拡大に伴い散布する農地が不足しふん尿の処 理と利用が均衡しない場合や、労働力不足により ふん尿の管理や利用が適切に行われていない場合 などもあり、家畜ふん尿の適切な利用が伴わなけ れば、畜産環境問題の根本的な解決が図られない ということを十分に認識する必要がある。 本道は、耕種部門を含めると約

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万ヘクタール もの恵まれた土地資源を有しており、家畜ふん尿 を資源として有効に活用できる基盤を持っている。 こうした特性を十分に生かし、ふん尿に余剰が 生じる経営から利用可能な経営への移動による畜 産農家聞の連携や、高品質堆肥の生産による耕種 農家での利用促進などを図り、貴重な有機質資源 である家畜ふん尿を、環境への負荷を必要最小限 に抑えるなか、地域全体でより有効に循環利用す ることで、課題を解決していかなければならない。 このため、道としては、利活用に必要となる施 設整備や地域の取組みを推進するため、各種事業 等により引き続き支援するとともに、行政・普及・ 試験場が連携し、これまでに開発された家畜ふん 尿の処理や利用にかかる技術の普及を図ることと している。更に、試験研究部門では、新たな課題 を設定し、環境負荷の低減技術の開発等にも取り 高且んでいるところである。 。「家畜ふん尿循環利用システム開発事業J(平 成

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"

15年度) 低コスト家畜ふん尿処理施設や、環境汚染 防止技術の開発及び、家畜ふん尿を肥料とし て活用するための施肥方法の体系化など 。「環境保全型家畜ふん尿循環利用システム実 証事業J (平成

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年度) 畜産環境リスク管理指針の策定と環境負荷 軽減技術の開発及び家畜ふん尿還元可能農地 面積に基づく飼養可能頭数算定法の確立など

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おわりに 施設整備が完了したからといって、畜産環境対 策が終了するわけではなく、平成

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I

日が、 家畜ふん尿の利用促進等に向けた新たなスタート となるという認識に立ち、道としても、生産者や 関係者との一体的な取組みを推進し、畜産環境対 策の一層の強化を図ってまいりたい。 北海道家畜管理研究会報,第40号, 2005年 一

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