炭化水素検出を3μm以上まで拡張したDFBレーザダイオード
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(2) デバイスを得た。 この費用対効果の高い DFB レーザダ イオード製造アプローチは 10 年以上前 から使われているが、デバイス層内の エピタキシャル過成長が不要であるた め、活性領域近傍のパターニング誘起 欠陥によるレーザ性能の劣化を回避す ることができる。現在、ナノプラス社 は最高 3.5μm( MIR 波長範囲)までの 動作波長を持つアプリケーショングレ ードの DFB レーザダイオードを商品化 した。 TDLS 用途における最適動作に向け. 図 2 100kV の電子ビームリソグラフィシステムを使って、金属グレーティング構造と厚い金層 (挿入図)をもつ横方向に結合された DFB レーザダイオードが作製された。. て、5 成分障壁材料に埋め込まれたア クティブなタイプ I 量子井戸ベースエ. 0. ス処理が高性能向けにカスタマイズさ. 2.5. れた。すなわち、熱を除去するために 高熱伝導率をもつ金層でレーザリッジ. 施した (図 2 挿入図)。 この長波長 DFB デバイスを TDLS セ ンシングにおける所定の用途に正確に 整合させ、続いて内部温度コントロー ラつきの TO ヘッダに搭載した。乾燥. 出力〔mW〕. ために高反射背面金属コーティングを. 2.0. 標準的なサファイア放射窓でキャップし. -20 -30. SMSR 45 dB. 3.0. 10℃/160mA. 2.5. -40. 10℃. -50 3280. 3320. 3360. 3400. 13℃. 波長 〔nm〕 1.5. 1.0. 17℃. 10℃ L-I. 0.5. 19℃. V-I 21℃. 0.0 0. 20. 40. 60. 80. 100. 120. 140. 2.0. 1.5. 15℃. 窒素雰囲気中でヘッダのハーメチック シールを行い、関心波長領域で透明な. -10. 160. 電圧 〔V〕. 3.0. さらに、この材料を用いた DFB デバイ. 導波路を囲み、高い光出力効率を得る. 正規化強度〔dB〕. ピタキシャルプロセスが使われている。. 1.0. 0.5. 0.0 180. 電流〔mA〕. 図3 連続波動作における3.36μmのDFBレーザのL-IとV-I特性を異なるチップ温度で示した。 挿入図は 10℃、160mA のレーザスペクトルを示す。. たアプリケーション対応のパッケージさ れた DFB レーザデバイスを作製した。. ード動作;図 3 挿入図)、正確な TDLS. 一例として、アセチレンの TDLS を. . センシングに適している。. 3.06μm の DFB レーザを使って実施し. このレーザの DFB 発振波長は、ペ. た。アセチレン( C2 H2 )は、エチレン. 3.36μm での DFB デバイスの各種ペ. ルチェ制御によるチップ温度の調節を. ( C2 H4 ) (世界中で最も多量に生産され. ルチェ制御チップ温度における代表的. 通して、約 0.28nm/K の同調率で所定. ている炭化水素)の製造に使用される. な L-I 曲線データ(図 3) は、その連続波、. の用途の目標値に粗く合わせることが. 分解過程の不純物である。石油化学産. 室温動作がミリワット領域の出力でよ. できる。次に、数ナノメートル範囲のガ. 業にとって、品質を確保するために、. 3μm を越えた炭化水素の検出. り低波長で動作するデバイスに匹敵す. ス吸収特徴を検出するために、単一の. 生産されたエチレンの一定の純度、ア. ることを明らかにした。この DFB デバ. 吸収線とそれらの形状が発振波長(約. セチレン含有量を高精度で監視するこ. イスは側帯波モードを 40dB 以上抑制. 0.025 の nm/mA )の電流変調によって. とが重要になる。. し(1 例として10℃、160mAでの単一モ. 非常に高い精度と速度で走査される。. 少量のアセチレンは、それをエチレ Laser Focus World Japan 2012.3. 43.
(3) .photonics applied. 中赤外検出. ンに変換する下記の反応による水素化. 1.00. 過程を通して取り除くことができる: C2 H2 + H2 → C2 H4. 0.95. C2 H2 の不完全な還元または継続す. 0.90. 還元を避けるために、水素化過程の最 適条件が C2 H2 濃度のリアルタイム監. 透過率. る C2 H4 のエタン( C2 H6 )への不適切な. 0.85. C2H2 C2H2. 視によって決定される。. C2H2. 0.80. 分光データによれば、約 3.06μm の アセチレン吸収線は水素化反応炉内の 典型的な炭化水素バックグラウンド. 1000ppm. CH4. 100ppm. C2H4. 65%. C2H6. 33%. C2H2. 0.75. ( 6 5 % C 2 H 4、 3 3 % C 2 H 6、 1 0 0 ppm 0.70. CH4 ) による干渉吸収から単離され、自. 3.058. 由にされた。温度 25℃、相互作用距 離 10cm の反応炉バックグラウンド内 の 1000ppm C2 H2 に対して計算された. 3.059. 3.060. 3.061. 波長 〔μm〕. 3.062. 3.063. 図 4 計算された 1000ppm アセチレン( C2 H2 )の吸収スペクトルを水素化反応炉内の典型的 な炭化水素バックグラウンドにおいて示した。. 吸収スペクトルは、この波長領域が C2 H2 の監視に利用可能であることを指. 3. (1) し示した(図 4 ) 。. アドレスするのに適した 10℃に設定さ れた。波長変調分光は、レーザ電流を 6kHz 周波数で 143 〜 156mA の範囲で 変えることによって実施された。15cm 長さの吸収セル内を通過するレーザビ ームで検出された信号振幅を、炭化水. 1. 信号振幅〔ppm*m C2H2〕. 3059.56nm の最も強いアセチレン線に. 0 50 10. 0. C2H( 4 67%) と 6 33%) C2H(. 充たされた状態と、続いて一定濃度の 。これらの信号の引き算から、C2 H2. (1). の微分 TDLS スペクトルが特定の水素 化過程の非常に正確な制御に必要な 3ppm*m の検出濃度で求まった。. 20. 4 67%) と C2H( 6 33%) 中の C2H( C2H2. 素反応炉内がバックグラウンドだけで C2 H2 を追加した場合とで比較した (図5). C2H2の差分TDLS. 2. 実験では、DFB レーザの温度は、約. -50 -10. 0. 10. 20. 30. 40. 周波数〔GHz〕. 図 5 15cm 長の吸収セル内を通過するレーザビームで検出された信号振幅を、炭化水素反応炉 内がバックグラウンドだけで充たされた状態(緑色)と、続いて一定濃度のC2H2 を追加した場合(青 色)とで比較した。結果として得られた C2 H2 の微分 TDLS スペクトルを挿入図に示した。. 石油化学産業での炭化水素検出に加 えて、爆発性ガス濃度のリアルタイム監 視は職場の安全性改善に対して非常に 大きな意味を持つ。産業や民間レベル でのガス漏れの早期検出も、より長波 長のMIR DFBデバイスの恩恵を受ける 多数の用途中のたった1つにすぎない。. 44. 2012.3 Laser Focus World Japan. 参考文献 ( 1 )P. Kluczynski et al., Appl. Phys. B: Lasers and Opt., 105, 2, 427‐434( 2011 ). ( 2 )W. Zeller et al., Sensors, 10, 2492‐2510( 2010 ). ( 3 )L. Nähle et al., Electron. Lett., 47, 46( 2011 ). 著者紹介 ラルス・ヒルデブラント ( Lars Hildebrandt ) は独ナノプラス社 ( nanoplus GmbH ) の販売部長、ラル ス・ネーブル ( Lars Nähle ) は研究・プロセス開発エンジニア。e-mail:[email protected] URL: www.nanoplus.com.. LFWJ.
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