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近年の日本における転換社債発行のアナウンスメント効果の検証【要旨】

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Academic year: 2021

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経営財務研究 Vol.39 No.1・2(2019.12) 2 ■論  文

近年の日本における転換社債発行の

アナウンスメント効果の検証

顔 菊馨

(一橋大学) 要 旨  本稿では,日本の株式市場における転換社債発行のアナウンスメント効果について検証する。本稿 の分析結果によると,外部資金調達手段としての転換社債の発行は市場においてネガティブなシグナ ルとなり,また,転換社債の発行形態と募集方法の違いによって,転換社債が果たす機能が異なるこ とが示唆される。 キーワード: 転換社債,アナウンスメント効果,募集方法,発行形態

1 はじめに

株式と普通社債のハイブリッドの資金調達手段として,転換社債は一体どのような経済的機能を 果たしているのであろうか。この点に関して,先行研究(Brennan and Schwartz, 1988; Green, 1984; Mayers, 1998; Stein, 1992)が示しているように,転換社債は,株式と債券のそれぞれの発行に伴う情 報の非対称性,あるいはエージェンシー問題を緩和する機能を果たしているのであろうか。これらの 問いが本稿の分析の底流にある基本的な問題意識である。 これまで転換社債は日本企業において数多く利用されており,1990 年代に入ると,転換社債の発 行形態にも様々な変化が見られるようになった。例えば,1996 年 5 月に下方修正条項付き転換社債 が日本市場で登場した1)。さらに,同年の 10 月には,コール条項付き転換社債の発行が発表された2) 3)。こうした変化に伴って,1997 年以降において私募形式の転換社債の利用も多くなっている。 こうした進展を踏まえ,本稿では,転換社債の情報提供機能に関して,その発行形態・募集方法に 注目しながら,転換社債のアナウンスメント効果を分析することを目的とする。具体的には,Stein (1992)の理論分析に基づき,転換社債の発行が企業価値に関する新しい情報を提供しているのかに ついて,転換社債の発行のアナウンス日における株式市場の反応を通じて検証する。ただし,この転 換社債の情報効果を検証するためには,アナウンス日前後の超過収益率の符号のみならず,普通社債 及び増資のアナウンスに対する超過収益率と比較することが必要となる点には注意が必要である。こ の点に関して本稿では,転換社債・普通社債・増資のアナウンス日における超過収益率の序列関係に ついて考察する。併せて,上述の発行形態の多様化を踏まえ,コール条項及び下方修正条項のアナウ ンスメント効果についても検証を行う。さらに,近年増加している私募形式の転換社債について,公

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