強い競走馬作りのために、
世界の研究者やメーカーから
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Contents
1. 競走馬の栄養管理
(1)代謝性疾患について
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p.2
馬の代謝性疾患を理解するとき、これらの病気に罹患した馬をケアするために….
(2)再発性労作性横紋筋融解症について
―
p.5
再発性労作性横紋筋融解症(RER)は常染色体優性遺伝形質と示唆されている….
(3)多糖類貯蔵筋症について
―
p.7
顕微鏡で調べると、多糖類貯蔵筋症(PSSM)の馬の筋肉は、異常な多糖類….
2. 離乳と仔馬および繁殖牝馬のコンディション調整
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p.9
ストレスの少ない離乳方法がいかに馬の成長を助け、その後の調教に有利になるか….
分泌システムは、ホルモンを産生し血液により 体中に広がる。大抵のホルモンは、複雑な回路 により生後され、多くのホルモンは他のホルモンの動 きに影響している。内分泌テストを行う際、獣医師が オーナーに教えることができる重要な警告は、ある異 常な結果に備えること(正常な馬であっても)である。 頻繁に、一つまたは複数のホルモンの濃度は正常範 囲外にあるだろう。内分泌テストの解釈の難しさは、 異常なことが重要であるのかの判断や、もしかしたら 他の因子(インスリン抵抗性、薬物の吸収等)がホル モン濃度に影響しているのかもしれないといったこと にある。馬の研究の結果、臨床徴候、病歴、そして他 の合併症の全体像により、少しでも、どの内分泌異常 に対処する必要があるのかを判断する。 ここで述べる「代謝疾患の栄養管理」は、馬やポニー の一般的な代謝性疾患の概説である。それぞれの病気 のための実際の栄養管理が盛り込まれており、適宜、 飼料、サプリメントの提案がなされている。
下垂体中間部機能不全
(PPID:いわゆるクッシング病)
〈原因〉 下垂体中間部機能不全(PPID)は、下垂体領域の 中間部の肥大が原因で起こる。その下垂体は過剰な副 腎皮質刺激ホルモンを産生する。それにより、副腎か らのコルチゾール分泌が上昇する。下垂体の中間葉(中 間部)は、後葉(後部下垂体)と前部下垂体の末端部 の間に位置し、馬における疾病の原発部位である。 PPID(訳注:この点が人間の病態と異なるので、クッ競走馬の栄養管理
(1)代謝性疾患について
内
馬の代謝性疾患を理解するとき、これらの病気に罹患した馬をケアするために、多くの管理方法が実施 される。これらの症候群のうちのいくつかでは、飼料変更により臨床症状が完全に改善することができ、 その結果、馬やポニーの生活を向上させ、他の残りの症候群では、飼料変更により蹄葉炎や他の生命を脅 かす病気の可能性を減らすことができる。 シングと呼ばず PPID と呼ぶべきとの意見もある)は 一般的に馬クッシング病とよばれる。 〈罹患しやすい個体〉 第一に老齢の馬やポニーは罹患しやすい。しかし、 若い個体も時々 PPID を発症する。種や性別の偏りは 記されていない。 〈臨床徴候〉 ・多毛症(長毛、時々春に抜け替わり損ねた巻き毛) ・沈鬱 ・食欲不振 ・体重減少 ・腹部膨満 ・再発性の蹄葉炎 ・多汗症 ・多飲 ・多尿 ・眼窩脂肪体の増加 ・慢性感染症、歯科疾患、蹄底膿瘍等 ・首や尾根部の頂点での脂肪蓄積の増加 〈一般的に少ない臨床徴候〉 ・骨粗鬆症 ・創傷治癒の遅延 ・中枢神経系の機能不全 ・繋靭帯損傷 ・持続性泌乳 ・不妊症 ・失明診断
〈デキサメサゾン抑制試験〉 この試験は PPID のゴールドスタンダードとされて いる。デキサメサゾン(ステロイド)注射前と注射後 19 時間の血中コルチゾールを測定する。デキサメサ ゾンは通常午後 4 時から 6 時の間に筋肉内投与し、コ ルチゾールは次の日の朝再度測定する。正常な馬では、 デキサメサゾン投与後、極めて低濃度の血中コルチ ゾール濃度を示す(訳注:コルチゾール分泌抑制)。 PPID の馬はこの正常な反応が欠けており、コルチ ゾール分泌は維持あるいは増加する(抑制することが できない)。 秋や初冬では自然にコルチゾール濃度が高くなるた め、この季節にデキサメサゾン抑制試験を行っても、 信頼性がない。 デキサメサゾン投与により蹄葉炎が悪化する危険が わずかにあるが、これは比較的稀で、多くの臨床家は 明らかな蹄葉炎が存在しない限り安全な試験であると 考えている。 〈副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)濃度〉 ACTH は下垂体の中間部で産生され、副腎皮質に コルチゾールを産生するように信号を送る。副腎皮質 刺激ホルモンは全ての PPID の馬で上昇するわけでは ないが、常に上昇した濃度はおそらく PPID を裏付け る。ホルモンは通常状態では安定して存在できないた め、ACTH 用に血清を採取、保管することは難しい。 秋は ACTH 濃度が通常上昇しているため、この時期 の ACTH 分析は信頼できない。 〈空腹時グルコースとインスリン濃度〉 インスリン抵抗性は PPID では一般的に良く見られ る。上昇したコルチゾールがインスリンの作用に拮抗 し、もしインスリン抵抗性が存在したら、グルコース の血中濃度(血糖)とインスリンは増加するだろう。 いくつかの異なる状態もまたインスリン抵抗性の原因 となる。それゆえ、インスリン抵抗性の診断は PPID の立証よりもむしろ症状による診断である。 〈甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)刺激試験〉 下垂体の中間部の細胞には TRH 投与に対して ACTH を放出するものがあり、これにより血中コル チゾール濃度が上昇する。不運なことに、この試験は まれにしか行われず、特に馬の診断試験には産生され た TRH は利用できない。しかし、TRH は化学サプ リメントとして売られている。 Ⓒ pearlguy-Fotolia.com〈デキサメサゾン抑制試験と甲状腺刺激ホルモン放出 ホルモンの併用試験〉 この試験はデキサメサゾン抑制試験と TRH 刺激試 験を組み合わせたものである。デキサメサゾン抑制試 験と甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンの併用試験は、 それぞれを単独で行うよりも PPID の診断をよりよく できるという長所がある。この試験の短所は、追加費 用がかかり、多数の血液サンプルを集めなければなら ないことである。デキサメサゾンと TRH のどちらも 投与し、様々な血液サンプルを投与前、投与から数時 間後、24 時間後に採取する。 〈ドンペリドン反応試験〉 これは PPID のための比較的新しい診断試験であ る。ドンペリドン(Domperidone)(訳注:ドーパミ ン受容体拮抗薬で制吐薬、消化管機能改善薬:協和発 酵のナウゼリンなど。副作用としてドーパミン 2 受容 体の抑制によりプロラクチンの分泌が促進される)は、 一般的には乳汁分泌減少とトールフェスク中毒の処置 に使用される。 ドンペリドンはドーパミンを抑制し、これにより PPID の馬の下垂体から ACTH 放出をさせる。PPID の馬はドンペリドン投与後 4 ~ 8 時間の ACTH 濃度 は倍となる。一方、正常な馬では、ACTH は正常濃 度のままである。さらに多くの馬でドンペリドン反応 試験を使用して試験を行えば、臨床的価値がさらによ く認識できるだろう。
診断アプローチ
・馬の研究結果、臨床徴候、病歴そして他の合併症の 全体像により、少しでも、どの内分泌異常に対処す る必要があるのかを判断する。 ・多くの老齢馬は PPID に罹患している。PPID の有 害な臨床徴候を示していない馬は、通常治療する必 要はない。しかしながら、もし馬が慢性の蹄葉炎、 体重減少、または再発性の感染症に罹患しているの なら、治療は意義のあるものになるだろう。 ・多毛症の高齢馬やポニーはしばしば PPID にかかっ ていると推測される。治療
・ペルゴリドは馬とポニーの PPID 治療薬である。栄養管理
・PPID にかかった肥満の馬は、一番刈りの牧草を与 えること。多くの牧草は穀類やスウィートフードと 比べて糖分指数が低い。飼い葉には、牧草では不足 するであろう栄養素を供給できる強化バランスペ レット(サプリメント)を少量補充する。 ・もし PPID の馬やポニーが体重減少や体のコンディ ションを保つのが困難になってきたら、飼料は高脂 肪、低デンプン製品から追加のカロリーを補充する ことができる。 ・エネルギーを濃縮した製品に加え、植物性油は可能 な限り胃が空になることを遅らせることで穀類への 血糖の反応を非常によく抑制する。 ・高齢馬用の飼料は、高血糖反応を生じる要因を含ん でおり、PPID の馬とポニーにとって望ましくない。 高齢用飼料にはストレートオーツと同様の糖指数の ものもある。 ・青草は PPID、蹄葉炎、インスリン抵抗性の馬の主 な誘発物とされている。青草の非構成炭水化物 (NSC)量は、植物種や環境により変動する。採食 制限はこれらの馬のことを考慮し、そのために放牧 地への侵入を制限したり口籠を使用する。採食を全 く我慢できない馬やポニーもいる。再
再発性労作性横紋筋融解症(RER)
〈原因〉 発性労作性横紋筋融解症(RER)は常染色体 優性遺伝形質と示唆されている。基本的な病態 は、カルシウム放出または制御の異常と考えられてい る。カルシウムは筋肉が収縮するのに不可欠なもので ある。RER 罹患馬からの筋生検組織は、カフェイン またはハロタン(麻酔ガス)に暴露すると、カルシウ ム放出を増強することが分かっている。 〈罹患しやすい品種〉 サラブレッドとおそらくスタンダードブレッドやア ラブ種の約 5-10%が罹患している。RER は雌の仔馬 によく見られ、特にそれらはひどく緊張し、神経質で ある。競走馬として使われるサラブレッドは、障害競 技の後または 3 日間開催されるクロスカントリー競技 の始まりで兆候が見られるようだ。 〈臨床徴候〉 ・固く、痛みのある筋肉 ・蹄葉炎 ・筋肉の凝り ・発汗 ・中程度の運動後の短い歩幅と消極的な動き RER はタイイングアップ(すくみ)が繰り返し発 症する病気である。典型的なタイイングアップとは対 照的に、RER はある胃運動中の馬に起こり、最大能 力の半分以下のトレーニング時に臨床徴候が見られ る。RER 発症はトレーニング中に起こりやすく、レー スや軽く走らせた後には起こりにくい。そして、軽い 運動時に、より頻繁に起こるようだ。 〈診断〉 診断は品種、臨床徴候、そして筋生検サンプルから の多糖貯蔵ミオパシーの組織学的症状が欠けている。 筋肉生検テストはミネソタ大学神経筋診断研究室で 行った。競走馬の栄養管理
(2)再発性労作性横紋筋融解症について
(訳注) 再発性労作性横紋筋融解症は、その病因としては、 過剰運動、電解質不均衡、セレニウム&ビタミン E 欠 乏などが関与することが示されており、可溶性糖分の 過剰給餌やウイルス性呼吸器疾患の併発などが素因と なることが示唆されています。乳酸アシドーシスが横 紋筋融解の原因であるとする説もありますが、労作性 横紋筋融解症の羅患馬における乳酸濃度は、健常馬と 同程度か低値を示すことも報告されています。 労作性横紋筋融解症の症状は、軽い運動開始後に症 状が出始め、強直歩様、過剰発汗、筋痙攣(いわゆる コズミ症状)、運動拒否、排尿姿勢などが認められ、 重症例では、筋色素尿症(Myoglobinuria)や起立不 能を呈する場合もあります。 筋肉の硬化、腫脹、熱感、圧痛等が触知され、血液 検査では、CT および AST 濃度の顕著な増加と、正常 値回復の遅延(24 時間以上)が認められます。 労作性横紋筋融解症の治療では、鎮静剤、鎮痛剤、 非ステロイド系抗炎症剤、DMSO(ジメチルスルホキ シドの略称で多くの有機化合物・無機化合物を良く溶 かす非プロトン系極性溶剤で、安全性の高い溶剤で す。)等の投与が行われ、筋弛緩剤が併用される場合 もあります。また、起立不能に陥った症例に対しては、 コルチコステロイド投与が有用である可能性も示唆さ れています。 再発性横紋筋融解症では、CT および AST 値が正常 値に回帰するまで馬房休養が行われますが、多糖類貯 蔵筋症(Polysaccharidestoragemyopathy)などの慢 性労作性横紋筋融解症を起こす疾患では、48 時間以上 にわたる休養は逆効果であることが示唆されており、 狭いパドックへの放牧、短時間の曳き馬運動(5 ~ 10 分)の実施が推奨されています。 労作性横紋筋融解症の予防としては、良質の乾草給 餌に併せて、可溶性糖分や澱粉を控え、脂質成分を多 く含有する植物オイルや米糠オイル、または可溶性糖 分の含有量が少ない乾草を給与することで、脂質をエ ネルギー源とする筋活動へと馴化させていく食餌管理 指針が推奨されています。 〈栄養管理〉 ・エサ中の大部分の穀類を低でんぷん質、高脂肪のエ サに換えることは罹患馬が発症する可能性を大いに 減少させるだろう。多くの RER の馬は中から高エ ネルギーを要求しており、エサ内に上記以上に十分 なカロリー補充を必要とする。適切な飼料はかなり 多くの摂取量(4-6kg/ 日)を与えられるように強 化されている。飼料は低 NSC(<10%)、高脂質(> 10%)、そして発酵性繊維からのエネルギーの十分 量補充されなければならない。 ・エネルギー源としてのエサの脂質の増加は、臨床徴 候とタイイングアップの発症数を減少させることが できる。カロリーの一部を脂質に切り替えることで、 神経質で気難しい馬を和らげる助けになるだろう。 低デンプン質、高脂質飼料の飼料にした後 1 週間以 内に筋肉酵素活性が改善する。 ・食餌中のビタミン E とセレンの適正量を確立する。 ビタミン E とセレンの補充はタイイングアップま たは筋疾患を繰り返し発症する馬に推奨される。ビ タミン E とセレンの両方は抗酸化物質としての機 能を持ち、両方が欠けていない限り、片方の不十分 なところを補い合う。様々な研究で、水溶性、自然 ビタミン E(d-α-トコフェロール)は合成ビタミン E よりも吸収されやすく、組織内により早く高濃度 に達すると示されている。 放牧時間を多くし、低用量の精神安定剤の使用、馬 の仲間同士の触れ合いそして他の馬の前にエサを与え たり、他の馬より先に調教するといった努力によって、 RER の馬のストレスを減らすべきである。
多糖類貯蔵筋症(PSSM)
〈原因〉 微鏡で調べると、多糖類貯蔵筋症(PSSM)の 馬の筋肉は、異常な多糖類(グリコーゲン、大 きな分子量の炭水化物で、筋肉でエネルギーとして使 われる)を持ち、アミラーゼ抵抗(アミラーゼはグリ コーゲンをグルコースに換える消化酵素である)を示 している。この異常多糖類は正常のグリコーゲンより も分枝が少ない。なぜなら、グルコース分子と一緒に つながっているその(正常な馬の)酵素は、PSSM の 馬の多糖類の分枝点を造る酵素よりも活性が高いから である。研究では、PSSM の馬はインスリンの影響に とても敏感であり、さらに、罹患していない馬よりも 筋肉内へのグルコースの取り込みが効率的であること も示されている。多糖類貯蔵筋症にはタイプ 1 とタイ プ 2 の 2 つがある。 〈臨床徴候〉 ・固く、痛みのある筋肉 ・皮膚の痙攣 ・虚弱 ・軽い運動での運動不耐性 ・歩様異常 ・軽い疝痛 ・筋肉の消耗 ・血清中クレアチニンキナーゼ(CK)とア スパラギン酸アミノトランスフェラーゼ (AST)活性の上昇顕
多糖貯蔵ミオパシー:タイプ 1
〈原因〉 常染色体優性形質(雌雄に均等に影響し、影響を受 けた遺伝子の一回のみの複製)の遺伝子疾患と考えら れている。ほとんどの PSSM 罹患馬はグリコーゲン 合 成-1 酵 素 の 遺 伝 子 変 異 を 持 っ て い る( タ イ プ 1PSSM)。 〈罹患しやすい品種〉 少なくとも 20 品種の罹患が知られており、クオー ターホースや関連する種、ベルジャン、パーチェロン、 モーガン、マスタング、テネシーウォーキングホース、 そしていくつかの温血種が含まれる。クライズデール やシャイアーでは稀で、ベルジャンやパーチェロンの 36-50%、クオーターホースの 8%が影響されている。 臨床徴候は通常は 2、3 歳で始まるが、当歳で起こる こともある。 〈診断〉 筋生検サンプルのアミラーゼ抵抗性結晶様多糖を調 べる。遺伝子検査が可能である。どちらのテストも、 ミネソタ大学神経筋診断研究所で行うことができる。競走馬の栄養管理
(3)多糖類貯蔵筋症について
多糖貯蔵ミオパシー:タイプ 2
〈原因〉 タイプ 2PSSM 罹患馬はまだ確定されていない他の メカニズムを持っている。 〈罹患しやすい品種〉 クオーターホース関連種、2 ~ 3 のアラブ、サラブ レッド、そしておそらく他の軽種馬が罹患する。臨床 徴候は通常は 2 ~ 3 歳で始まるが、当歳で起こること もある。 〈診断〉 筋生検サンプルの異常、アミラーゼ抵抗性多糖の存 在を調べる。筋生検はミネソタ大学神経筋診断研究所 で行うことができる。PSSM タイプ 1 と 2 の栄養管理
・低デンプン質、高脂質な食餌の穀類を多くすること で罹患馬の臨床徴候の発現を十分に減らすことがで きる。PSSM と診断された馬の大部分は再発性労作 性横紋筋融解症(RER)罹患馬よりも低エネルギー 要求性である。それゆえ、低エネルギー量で同様の 栄養摂取量を供給するために、他の栄養素の必要濃 度は RER と診断された馬用に設計された餌よりも 大きくする必要がある。PSSM の馬には高 NSC の 飼い葉は避けるべきである。多くの飼い葉は十分に 低い NSC 量となっているだろう(24%以下)。 ・食餌中のビタミン E とセレンの適正量を確立する。 ビタミン E とセレンの補充はタイアップまたは筋 疾患を繰り返し発症する馬に推奨される。ビタミン E とセレンの両方は抗酸化物質としての機能を持 ち、両方に欠けていない限り、片方の不十分なとこ ろを補い合う。様々な研究で、水溶性、自然ビタミ ン E(d-α-トコフェロール)は合成ビタミン E よ りも吸収されやすく、組織内により早く高濃度に達 すると示されている。 ・頻繁に毎日決まった運動をさせ、食餌中の炭水化物 を減らし油を増やす事を合わせて行う事は、PSSM の管理に不可欠なことである。PSSM 罹患馬は、も し筋肉の痛みが許すなら、いつもの運動プログラム を行うべきであり、理想的には常に(1 日中)放牧 させるべきである。 Ⓒ Fotolia.comトレスの少ない離乳方法がいかに馬の成長を助 け、その後の調教に有利になるかについて書い ていきたいと思います。 まずは、離乳方法について復習していきましょう。 以前書いた通り、離乳食には 2 つの目的がありま す。 ひとつは、仔馬が成長に必要なミネラルなどの栄養 素を補給するため。母乳には仔馬が要求する栄養素、 特にカルシウム以外の微量ミネラルの含有濃度が少な く、胎児期に肝臓に蓄積したミネラルを少しずつ消費 しながら成長していきます。これが枯渇するのが生後 2 カ月齢だとされています。つまりこのタイミングで ミネラルを中心とした離乳食が必要なのです。この目 的のためには、エン麦だけを与えてはいけないことが お分かりだと思います。 ふたつめは、離乳の準備です。 離乳後には、少なくとも飼い葉全体として 1.5 ~ 2kg 程度の量を食べなければなりません。離乳前に多 少食べていたとしても、離乳のストレスで全く食べな くなり、すっかり痩せてしまい、背肉も落ち、回復ま でに 1 年を要した、という例は意外に多いのです。こ れを避けるためには、最低でも離乳前に飼い葉を十分 量食べておく必要があります。そのために、離乳のス ケジュールをあらかじめ決めておき、その日に向けて 飼い葉を徐々に増やしていくのです。もちろん、離乳 のストレスが大きくならないように離乳方法を工夫す るのはいうまでもありません。 どれほど離乳時のストレスが成長に影響を与えるか を示したグラフがあります。 これは、ある牧場で昔ながらの離乳方法、つまり
離乳と仔馬および繁殖牝馬の
コンディション調整
ス
4 ~ 5 頭仔馬を母馬から引き離して、そのまま馬運車 に乗せて分場へ運び、そこでいきなり放牧する。馬房 に入れたら騒ぐのでドアを閉め切って水だけを与えて 様子を見る。昼夜放牧は行う、という方法から、新し く、上に述べたような母馬を引き抜いて移動させると いうやり方に変更したときの仔馬の成長曲線(体重) のグラフを比較したものです。 古いやり方の時の成長曲線は、新しいやり方の時に 比べ、離乳後の成長が遅れ、さらに 1 年後も成長に差 がみられていることが分かると思います。 しかも、個々の馬を見てみると、ストレスで飼い葉 食いが落ちてかなり痩せてしまい、背肉も落ちてしま うような仔馬が見られ、また馬房内や放牧地での外傷 も数頭みられています。怪我→舎飼い→コンディショ ン低下、という悪循環に陥ってしまった馬もいて、こ のように平均値を下げてしまっています。 しかも、12 月から 2 月にかけての冬期間もさらに 成長が遅れてしまっています。このことは、最近話題 になっている冬期間の昼夜放牧をする際にはかなり不 利になります。の低下もそれほど起こさず離乳できるように思いま す。しかし、その時期に達していなくても成長が速す ぎる仔馬や太りすぎる仔馬は早期に離乳するべきで す。
運動器疾患
離乳時期になると問題が起こりやすいのが骨端炎で す。原因としてあげられるのが ① 速すぎる成長 ② 骨の成長に見合うミネラル摂取量の不足 ③ 過肥や固い放牧地などによる骨端への物理的スト レス などです。早期に離乳することで、成長速度のコント ロールが可能になり、必要なミネラルを十分摂取する ことが可能になり、骨端炎が軽症で治まります。飼い葉食い
生後 2 ヶ月過ぎからクリープフィードとしてサプリ メントを与え始めますが、離乳近くなるとビートパル プやエン麦などを与え始めます。離乳に向けて、サプ リメント 500g、ビートパルプ 200g、エン麦 500g を 与えて完食できるくらいであれば、離乳しても離乳の ストレスで飼い葉を食べずコンディションが著しく低 下してしまうことが少なくなると思います。 一方、成長が早い、または太りやすい仔馬は、泌乳 量の多い母馬の子であることが多く、母乳が多いため、 お腹が一杯で飼い葉を食べないことが多いものです。 このような仔馬は、飼い葉食いが悪いため離乳でき ないのに骨端炎にもなりやすいという矛盾に陥りま す。とりあえずミネラル不足を補うために経口用のミ ネラル剤を強制投与しつつ、飼い葉食いが良くなるの を待って離乳することになります。しかし、飼い葉食 いが良くなることはあまりなく、やはり無理にでも離 乳した方がかえって飼い葉を食べるようになり、コン ディションの調整もでき、骨端炎も早く治まります。 また、最近お勧めしているのが、飼い葉食いが今ひ とつの場合や、神経質な仔馬の場合、離乳前の段階か らあらかじめ胃潰瘍予防を行う方法です。胃潰瘍の治 療には、御存じの通り最近オメプラゾール製剤が販売 されており効果を挙げていますが、何しろ高価なため、 そうそう予防のためとはいえ使えません。 そこで、サプリメントとして市販されている「大豆 ペプチド」が胃潰瘍予防の効果が注目されます。一旦 胃潰瘍になった馬には治療薬ほど効果はありません が、予防には効果を示してくれるでしょう。 生後 4 ヶ月を過ぎたらいつでも離乳が可能になりま す。馬体の成長度、精神的な成長度や骨端炎などの運 動器疾患の兆候などを考慮して離乳を考える時期にな ります。特に成長が速すぎる仔馬や過肥になる仔馬は 優先的に離乳しなければなりません。場合によっては 4 ヶ月齢以前に離乳しなければならない場合もありま す。また、飼い葉食いの程度によっても早めるか遅く するかを考慮するべきです。 以下に書いたようにストレスが少なく、事故も少な くなる条件を総合的に考慮すると、生後 5 カ月齢が もっとも標準的な離乳月齢です。成長度
馬体の成長度や精神的なストレスに対する耐久度を 考えると、5 ヶ月齢以降、馬体重 220kg 以上になると ほとんどストレスを感じることなく、コンディションは馬房に入れないのも良い方法です。騒いでいる仔馬 も数日で落ち着きます。 こうして 2 ~ 3 日おきくらいに 2 頭ずつ親を抜いて いきます。最後に残す馬は優しい性格の親馬を残し、 少し幼稚園の先生役をさせておきます。もし乳母がい れば乳母を最後まで残しておきます。こうして最後の 離乳が済んでもしばらくの間、昼夜放牧で馬房に入れ ずに外で飼い葉をつけるようにします。外で手入れや 引っ張る練習などをして少しずつ 1 頭になることを覚 えさせ、徐々に馬房へ入れるようにします。 ストレスの少ない離乳法のポイントは、仔馬を放牧 しておきたい放牧地で行うこと。親を抜いて移動させ ること。夜間放牧(または昼夜放牧)を行うこと。最 初はなるだけ馬房に入れないこと、などです。 離乳法は、それぞれの牧場で施設や馬房の関係や放 牧地の都合によってさまざまな方法が取られますが、 一番ストレスが少なく済むのが、昼夜放牧で親を放牧 地から抜いてよそへ連れて行く方法です。 昼夜放牧を実施している場合には最もストレスは少 なくて済みます。 離乳したい親子 4 ~ 5 組の群れをつくり、一つの放 牧地で 1 週間ほど前から昼夜放牧します。日中は馬房 に一時入れても良いですし、全く入れずに外で飼い葉 をつけても良いです。こうして群れの仲間意識を作っ た後、親馬を 2 頭ずつよそへ移動させます。これは疲 れている午前中か午後一番に行うのが良いでしょう。 親がいなくなった仔馬は少し親を捜しますが、群れの 中で安心しており、昼夜放牧を継続することで群れに ついて歩き、親を捜し続けることはありません。離乳 直後は馬房に入れるとさすがに寂しがりますが、当日 先に述べたように、離乳のストレスがその後の仔馬 の成長に大きく影響を与えるのですが、実は繁殖牝馬 に関してもコンディション調整に重要なタイミングな のです。 繁殖牝馬の給餌プログラムの変化を見ると、離乳前 から離乳後にかけて、泌乳量を減らしたいために飼い 葉を減らします。ほとんど与えない場合さえあります。 離乳後の泌乳が続くと乳房炎になる危険があるためで す。
繁殖牝馬の BCS(訳注:BodyConditionScore)の 推移をみると、離乳と分娩時に下がることが分かりま す。 離乳時にコンディションが落ちすぎると、ちょうど 寒い時期に入ることと青草がなくなる時期が重なって 回復に時間がかかり、お産前の 3 ヶ月以内に入ってし まいます。LastTrimester と呼ばれる分娩前の 3 カ 月間ではコンディションを変えない、というのが正常 で健康な仔馬を産むために重要なのですが、これに間 に合わなくなる可能性があるのです。 そのため、この離乳時になるだけストレスを与えず、 飼い葉もうまく調整してコンディションを落とさずス ムーズに離乳したいものです。
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製造元 [広告商品] EquiShure(エクイシュアー) ― 表 2 マエストロ レーシングサプリ/マエストロ オールインワン ― 表 3 Speedi-Beet(スピーディービート) ― 表 4 (訳注) BCS(ボディ・コンディション・スコア)は、体状態(保 存された脂肪の量)の馬のレベルを評価して、馬の間 の比較を容易にするために数の得点を評価する客観的 なシステムです。
競 走 馬 用 飼 料
オールインワン は、レーシングサプリにマイクロナイズ加工を施したオー ガニック穀物類を配合した、競走馬に必要な全ての栄養とエネルギーを給与で きるコンプリート飼料です。 特殊フレーバーと革新的な加工技術により通常の市販商品より嗜好性が非常に 優れています。 レーシングサプリ は、最新の栄養学に基づいて科学的に設計された最先端 サプリメントです。 競走馬に必要とされる高品質のタンパク、必須アミノ酸、吸収のよい有機ビタ ミン、ミネラルを理想的なバランスで配合したサプリメント飼料です。 オールインワン は、レーシングサプリにマイクロナイズ加工を施したオー ガニック穀物類を配合した、競走馬に必要な全ての栄養とエネルギーを給与で きるコンプリート飼料です。 特殊フレーバーと革新的な加工技術により通常の市販商品より嗜好性が非常に 優れています。 レーシングサプリ は、最新の栄養学に基づいて科学的に設計された最先端 サプリメントです。 競走馬に必要とされる高品質のタンパク、必須アミノ酸、吸収のよい有機ビタ ミン、ミネラルを理想的なバランスで配合したサプリメント飼料です。 販売元 株式会社レックス http://www.lex-inc.com http://www.hygain.com.au/index.php Hy Gain Feeds Pty Ltd〒050-0001 北海道新ひだか町静内目名 491-2 / Tel : 0146-42-3600 Fax : 0146-43-3502
PO Box 19 Office, Victoria 3809 Australia / Ph : 61-3-5943-2255 Fx : 61-3-5943-2258 製造元
販売元 株式会社レックス http://www.lex-inc.com
http://www.hygain.com.au/index.php Hy Gain Feeds Pty Ltd
〒050-0001 北海道新ひだか町静内目名 491-2 / Tel : 0146-42-3600 Fax : 0146-43-3502
PO Box 19 Office, Victoria 3809 Australia / Ph : 61-3-5943-2255 Fx : 61-3-5943-2258
日本総代理店:株式会社レックス
〒056 0001 北海道日高郡新ひだか町静内目名 491 2
TEL 0146 42 3600 FAX 0146 43 3502 HP:http://www.lex-inc.com