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非鉄金属市況と需給動向 2019年2月レビュー

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非鉄金属市況と需給動向

平成31年2月(銅、亜鉛、ニッケル、金・白金)

おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行っ てはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執 筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいま

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非鉄金属市況と需給動向 120 130 140 150 160 5,400 5,600 5,800 6,000 6,200 6,400 6,600 6,800 2 /1 2 /4 2 /5 2 /6 2 /7 2 /8 2 /1 1 2 /1 2 2 /1 3 2 /1 4 2 /1 5 2 /1 8 2 /1 9 2 /2 0 2 /2 1 2 /2 2 2 /2 5 2 /2 6 2 /2 7 2 /2 8 LME在庫 LME価格

■市況動向

① 米中貿易協議が好感され需要拡大を期待:中国1月製造業PMI48.3(財新)と3年ぶ りの低水準であったことが弱材料となり、前月末より50.5US$/t下落し、 6,097.5US$/tで開始。14日に開始した米中貿易協議実施に関する事前の報道(5 日)や協議の進展、3月1日の通商交渉期限延長といった米中通商関係に対する期待 感が価格上昇の材料となった。 ② Tuticorin銅製錬所再開不認可による供給懸念:また、インド最高裁のTuticorin銅 製錬所の再開を認めない判決や、インドネシアPT Freeport Indonesia(PTFI)の 銅精鉱輸出認可の期限が切れたとの報道、LME在庫減少による需給逼迫感も価格上 昇要因となった。2月は1か月を通し上昇を続け、2018年7月以来8か月振りに 6,500.0US$/tを超え、28日に6,536.0US$/tで越月。

■需給動向

✍ 国際銅研究会(ICSG)(秋季)予測は2018年92千tの供給不足、2019年は65千tの供給 不足。また、2017年は26.1万tの供給不足と発表。

✍ 主要鉱山操業状況:加First Quantum Minerals社は、パナマに保有するCobre Panamá銅鉱山の鉱石処理施設での処理開始を発表(2019年2月13日発表)。 ✍ その他関連情報:インドネシアAMNT(PT Amman Mineral Nusa Tenggara)が

新しく2020年2月まで1年間の銅精鉱輸出許可を取得、他方でPTFIは2019年2月15 日以降の輸出許可得られず(2019年2月18/19日報道)。BHPは、2019年会計年度 の銅への投資額を29億US$、2020年度の投資額を24億US$と発表。2019会計年度 の銅生産量を1.6~1.7百万tと発表。2019年銅価格を6,000US$/t~6,500US$/t と予想(同19日発表)。Rio TintoはWA州北部Paterson地域のWinu銅-金-銀探鉱 プロジェクトでの鉱化帯発見を公表(同27日発表)。

(出典:ICSG) 当該期間の値動き LME価格(US$/t) LME在庫(千t) 銅地金の需給バランスと在庫の動き

需要拡大と供給懸念により、価格は上昇傾向を辿る。8か月ぶりに6,500US$/tを超える。

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非鉄金属市況と需給動向 0 50 100 150 200 2018 年 3 月 2018 年 4 月 2018 年 5 月 2018 年 6 月 2018 年 7 月 2018 年 8 月 2018 年 9 月 2018 年 10 月 2018 年 11 月 2018 年 12 月 2019 年 1 月 2019 年 2 月 60 70 80 90 100 110 120 2,400 2,500 2,600 2,700 2,800 2,900 3,000 2 /1 2/4 2/5 2/6 2/7 2/8 2 /1 1 2 /1 2 2 /1 3 2 /1 4 2 /1 5 2 /1 8 2 /1 9 2 /2 0 2 /2 1 2 /2 2 2 /2 5 2 /2 6 2 /2 7 2 /2 8 LME在庫 LME価格

亜鉛

■市況動向

① 中国春節により薄商い:当該期間2,732.5US$/tでスタートしたものの、中国の大型 連休である春節(2019年2月4~10日)期間に入ったことにより、2月上旬は買いの 勢いが弱まり軟調に推移した。14~15日実施の米中貿易摩擦に関する閣僚級協議を 前に取引が慎重になったことも下方圧力となった。13日には2,603.5US$/tと、月 初から約5%下落した。 ② 在庫減を支援材料に2,800US$/t間近へ回復:2月後半は、春節が明けてトレー ダーらが市場に復帰し、旺盛な取引が進んだことにより価格も上昇傾向を辿った。 LME在庫は月初の110千tから月末には65千tへと半減し、2007年以来の低水準を記 録した。それに反し、中国における在庫は積み増しされており、トレーダーが地金 を欧米から中国国内へ移動させている可能性がある。また、中国製錬所で移転や利 益回復により減産したことが需給を逼迫させているほか、主要な亜鉛産出地域であ る豪州・QLD州での豪雨による鉄道運休で亜鉛需給逼迫懸念が高まり価格を下支え した。堅調な値動きは月末まで持続し、2月28日には8ヶ月ぶり高値となる 2,794.0US$/tをつけた。

■需給動向

✍ 国際鉛亜鉛研究会(ILZSG)(秋季)の予測では2018年は322千tの供給不足、2019年 は72千tの供給不足。2019年2月の月次発表では、2018年1~12月の需給バランス は384千tの供給不足。 ✍ 主要鉱山操業状況:豪州・QLD州北部の洪水による鉄道運休の影響で、亜鉛精鉱積 出港であるTownsville港への鉄道が少なくとも約1か月使用不能となったことによ り、同鉄道を利用する亜鉛生産企業(Glencore、MMG社、South32社等)が影響 を受けている。世界最大級の亜鉛鉱山であるMt.Isa鉱山等からの出荷が滞る見込み (2019年2月13日報道)。 当該期間の値動き SHFE在庫(千t)

亜鉛需給逼迫懸念・LME在庫急減により、およそ8ヶ月ぶり高値へ上伸

LME価格(US$/t) LME在庫(千t) SHFE在庫の推移 (2018年3月~2019年2月)

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非鉄金属市況と需給動向 180 185 190 195 200 205 210 215 220 11,000 11,500 12,000 12,500 13,000 13,500 14,000 2 /1 2/4 2/5 2/6 2/7 2/8 2 /1 1 2 /1 2 2 /1 3 2 /1 4 2 /1 5 2 /1 8 2 /1 9 2 /2 0 2 /2 1 2 /2 2 2 /2 5 2 /2 6 2 /2 7 2 /2 8 LME在庫 LME価格

ニッケル

■市況動向

① 月初めは上昇傾向:ニッケルは12,460.0US$/tでスタート。月初めは上昇傾向とな る。1月25日に鉄鉱石鉱滓ダム決壊事故を起こしたValeが、一部の鉄鉱石供給契約に 関して不可抗力条項の発動を宣言したことを受け、同社のニッケル生産への影響が懸 念されたものとみられ、6日には12,930.0US$/tまで値を上げた。 ② 米中通商協議を前に様子見ムード:14日から始まる米中通商協議を前にベースメタル 市場は様子見ムードが強まり、小幅な値動きを繰り返しながら、下落傾向を辿った。 ③ 米中通商関係改善への期待から上昇:トランプ米大統領は米中通商協議が3月1日まで にまとまらない場合、約2,000億US$相当の中国製品に対して税率を10%から25%に 引き上げるとしていたが、24日、協議の交渉期限を延長し追加関税措置を遅らせるこ とを発表した。これを受け、米中通商関係の改善が期待され、月末は上昇傾向に。 2018年8月以来の高値となる13,040.0US$/tで越月。 ④ 月末に在庫減少:LME在庫は約200千tの水準を維持していたが、月末に減少。2013 年7月以来約5年7か月ぶりの低水準となる196,932tで越月した。

■需給動向

✍ 国際ニッケル研究会(INSG)(秋季)予測では2018年は146千tの供給不足、2019年は 33千tの供給不足。

主要鉱山操業状況:BHP・Nickel West社、豪・Mount Keithプロジェクトの2つの

露天掘り鉱山開発の最終承認を取得(2019年2月8日報道)。 ✍ その他関連情報:豪Independence Group社、WA州で硫酸ニッケル生産施設建設を 検討、硫酸ニッケル販売・提携先の協議を行う(同7日報道)。Sherritt International社は、参画するキューバ・Moa Bay鉱山において2018年は計画通り約 30千tのニッケルを生産、2019年は年間生産量31~33千tを予定(同13日発表)。 LMEニッケル在庫推移(形状別) (出典:Bloomberg) (単位:千t ) 当該期間の値動き

米中通商関係改善への期待を背景に上昇、13,000US$台で越月

ペレット

カソード

ブリケット LME価格(US$/t) LME在庫(千t)

(5)

非鉄金属市況と需給動向 14.5 15.0 15.5 16.0 16.5 17.0 17.5 1.08 1.10 1.12 1.14 1.16 1.18 2 /1 2/3 2/5 2/7 2/9 2 /1 1 2 /1 3 2 /1 5 2 /1 7 2 /1 9 2 /2 1 2 /2 3 2 /2 5 2 /2 7 USD ZAR 外貨高・ユーロ安 700 800 900 1,000 1,100 1,200 1,300 1,400 1,500 1,600 2 /1 2 /4 2 /5 2 /6 2 /7 2 /8 2 /1 1 2 /1 2 2 /1 3 2 /1 4 2 /1 5 2 /1 8 2 /1 9 2 /2 0 2 /2 1 2 /2 2 2 /2 5 2 /2 6 2 /2 7 2 /2 8 金 プラチナ パラジウム

金・プラチナ・パラジウム

当該期間の値動き (AM/PM平均価格) ユーロに対する為替の値動き (米ドル・南アランド) (US$/€) (R/€)

パラジウムは1,500US$/oz台へ上伸。ドル安により金・プラチナも上向く。

■金

① 1,300US$/oz水準で横ばい:当該期間、金は1,319.7US$/ozでスタートし、上旬 はドル高傾向で金への投資が停滞し、1,300US$/ozの水準で横ばい推移した。ドル 高により、金購入が割高になることに加え、金利のつかない金に対し投資が縮小する ことにより金相場は押し下げられやすい。14日には1,308.6US$/ozへ値を下げた。 ② ドル安により投機筋からの買いが増加:米中通商協議の再開により貿易摩擦が解消に 向かうとの楽観的観測が拡大し、安全資産としてのドルが売られる傾向に転じ、ドル 安傾向に転じた。さらに22日、米連邦準備制度理事会(FRB)は年2回発行する金融 政策報告書を公開し、米中貿易摩擦等による米国景気の先行きについて懸念を示し、 利上げに慎重な姿勢を示したことから、ドル安が進行した。これにより、2月後半は 投機筋からの買いが拡大、20日には1,344.8US$/ozへ上昇した。その後は米国内総 生産が予想を上回ったこと等から緩やかに下落、1,322.3 US$/ozで越月した。

■プラチナ・パラジウム

① プラチナ:当該期間823.5US$/ozでスタート、2月上旬は軟調な値動きを辿り14日に は783.0US$/ozの半年ぶり安値へと下落した。しかしその後は、米国経済の先行き 懸念拡大や利上げ慎重姿勢を受けて、割安なプラチナに対し安全資産としての購入が 増加し、価格は上昇傾向に転じた。872.5US$/ozで越月した。 ② パラジウム:ガソリン車の排ガス触媒需要の拡大期待に対し、供給のほとんどがロシ アと南アに限られていることから需給逼迫が懸念されているパラジウムは、当該期間 も上昇傾向を継続し、史上最高値を更新。2月後半はドル安傾向で投機筋によるパラ ジウム購入が加速的に拡大し、2月27日には1,556.5US$/ozの高値をつけた。月末に

おける金との価格差は222.2US$/ozとなり、金価格を大きく上回った。 (European Central Bank)

(6)

非鉄金属市況と需給動向 米国経済 2月の製造業PMIの確定値は53.0(前月:54.9)であり、前月から下落した。3/8労働省発表の2月非農業部門雇用者数は前月比2.0万人(前 月:+30.4万人、予想:+18.0万人)と前月および市場予想を大幅に下回った。失業率は3.8%(前月:4.0%)と下落した。 中国経済 2月上旬に旧正月(春節)に伴う連休があった中国の2月製造業PMIは、国家統計局発表が49.2(前月:49.5)と下落し、3年ぶりの低水準。 財新発表は49.9(前月:48.3)と前月より上昇した。 欧州経済 2月製造業PMI確報値は、49.3(前月:50.5、予想:49.2)と前月より低下した。 (JOGMEC作成)

(参考)

亜鉛 ニッケル プラチナ パラジウム

LME現物 LME現物 LME現物 AM・PM平均 AM・PM平均 AM・PM平均 (US$/t) (US$/t) (US$/t) (US$/oz) (US$/oz) (US$/oz)

本報告期 期 初 6,097.5 2,732.5 12,460.0 1,319.7 823.5 1,363.0 期 末 6,536.0 2,794.0 13,040.0 1,322.3 872.5 1,544.5 最高値 6,546.0 2,794.0 13,040.0 1,344.8 872.5 1,556.5 2月25日 2月28日 2月28日 2月20日 2月28日 2月27日 最安値 6,076.5 2,603.5 12,100.0 1,306.6 783.0 1,358.5 2月4日 2月13日 2月15日 2月11日 2月14日 2月4日 平 均 6,278.2 2,702.9 12,649.8 1,319.9 817.8 1,441.5 先物 (2月28日) 3か月 6,167.5 2,707.5 12,450.0 - - - Dec 1 6,220.0 2,515.0 12,920.0 - - - Dec 2 6,230.0 2,405.0 13,175.0 - - - 2019年 期 初 5,839.0 2,462.0 10,440.0 1,285.1 790.5 1,265.0 (当年) 期 末 6,536.0 2,794.0 13,040.0 1,322.3 872.5 1,544.5 最高値 6,546.0 2,794.0 13,040.0 1,344.8 872.5 1,556.5 2月25日 2月28日 2月28日 2月20日 2月28日 2月27日 最安値 5,811.0 2,462.0 10,440.0 1,279.1 783.0 1,265.0 1月3日 1月2日 1月2日 1月21日 2月14日 1月2, 3日 平 均 5,932.0 2,559.2 11,454.6 1,291.7 807.3 1,331.2 主要非鉄金属の価格推移 (2003年5月=1) 製造業購買担当者景況指数(PMI)

参照

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