香 川 大 学 経 済 論 叢 第67巻 第2号 1994年10月 187-224
短期における実質為替レートの決定*
井 上 貴 照
I
は じ め に 筆者は,拙論(19
8
5
)
(19
8
8
)
において短期における為替レートの購買力平価 からの需離について検討した。しかしながら,そこでは利子率感応的な国際資 本移動や為替投機によって為替レートと購買力平価の関係がどのように影響を 受けるのかについて分析していない。そこで小論の目的は,貨幣賃金率が一定 で労働以外の各産業にとって特殊な生産要素の賦存量があたえられていて産業 間移動がないという意味での短期におい‘て,実質為替レートが実物的・貨幣的 要因とどのように関連しており,またそれが利子率感応的な国際資本移動や為 替投機によってどのような修正を受けるのかについて分析することであ2
0
1973年に入って主要産業国家が変動相場制を採用して以来,為替レートの決 定およびその変動について多くの理論的・実証的研究がなされている。これら の研究によれば為替レートが購買力平価議)』こよって決定される水準よりも需離 し,為替レートの変動はインフレ率格差とほとんど関係がなく為替レートの購 *ノj、論は,井上(1984) (1985) (1988)のモデルを基礎としている。井上(1988)は,井上(1984) (1985)をまとめたものである。 小論の作成にあたり香川大学経済学部助手上枝朱美さんには,原稿をワープロで作成し ていただき御礼申し上げます。小論における誤謬は,私自身の資任であることは言うまでも ありません。 (1) 為替レートの購買力平価からの議離については,不確実性や情報が重要な役割jを果た すことは寄定できない。たとえば, Koh (1984), Stockman (1964)参照。しかしながら, 小論においてはそのような問題については考慮しない。 (2 ) 購買力平価説については, Bruce and Purvis (1985, pp. 838-843), Cassel (1922), Dombusch (1988, 1989), Frenkel (1978), Keynes (1923, chap 3), Krugman and Obst・feld (1988, chap15)(1991, chap15), Niehans (1984, pp. 33-38), Officer (1976), Samuel-son (1964),天野 (1980,第9章)(1986,第8章),井上 (1989,pp 45-47),宮田(1989) 等参照。
-188 香川大学経済論叢 422 買力平価の講離が続いていることを示している。 購買力平価説については,次のような見解が一般的であろう。(1)購買力平価 説は,短期において成立しない。
(
2
)
長期においては購買力平価説を成立させる 強い傾向があり,長期において購買力平価説は成立する。ところが購買力平価 説は,為替レートと価格との関係を示しているにすぎず為替レートと価格とが どのように関係しているのかを示していないし,また購買力平価説が成立する ための正確な条件を特定化していなし〉。従来,多くの研究者達は,貨幣賃金率 および価格が伸縮的で完全雇用が成立している長期において購買力平価説の 検討を行っている。しかしながら,購買力平価説が短期において成立しないと しても,為替レートが購買力平価よりどのような条件のもとでどのように講離 するのかについては,十分に明らかにされているとは言えないように思われ る。 第I
I
節において,基本的なモデルが与えられる。第I
I
I
節において,財政・金 融政策およびその他の外生的撹乱が,購買力平価と為替レートとの関係に与え る効果が分析される。われわれの仮定した経済の実物的および貨幣的な構造的 特徴が,基本的な役割を果たすことが示されるであろう。最後に,第I
V
節は, むすびにあてられる。I
I
基本モデル (3 ) とくに変動相場制が採用されて以降の実証研究としては,たとえば,Bergstrand (1991), Caves,Frankel and Jones (1993, chap19), Dombusch (1998, 1989), Frenkel (1981, p 145), Hsieh (1982), Kravis and Lipsey (1988), Krugman and Obstfeld (1988, chap15) (1991, chap15), Marston (1986), Mussa (1986),宮田 (1994)等。( 4 ) Bruce and Purvis (1985,p 839), J ones and Purvis (1983, p 34),井上 (1985、p 139) (1988, p. 81)。 ( 5) Frenkel (1981, p 146, p.. 162)
。
(6 ) たとえば, Balassa (1964), Barett (1981), Bergstrand (1991), Clague (1986), Neary (1987), Niehans (1981), Jones and Purvis (1983),天野 (1980,第9章),井上 (1989) 等がある。 (7) 小論のモデルの供給側は,基本的には, Noman and Jones(1979)と伺じであるが,彼 らのモデJレに債券を導入することにより, 彼らのように固定相場制のもとにおける議論423 短期における実質為替レートの決定 -189-われわれは,議論を単純化するために次のような変動相場制における小国開 放経済を考える。その経済は,非貿易財と貿易財を生産し消費する。以下では 非貿易財はN,貿易財はTによって表わされる。各産業では,その産業にとっ て特殊な生産要素と産業聞に移動司能な生産要素である労働を用い
Z
。われわ れは,マクロ経済政策およびその他の外生的ショックの短期効果を考察するの で,特殊的生産要素は産業聞を移動せず所与であると仮定する。さらに,貨幣 賃金率は一定であると仮定するので,完全雇用は必ずしも達成されない。貨幣 および債券が存在するが,民間部門は外国の貨幣を所有しないと仮定する。ま た貿易制限や関税,輸送費のない自由貿易を仮定する。このような経済は,次 のような方程式体系によって表わされる。ω
ゐ=ゐ(
~,
t
N
)
ω
ぁ =
X
r
(
号
,
サ
ω
ル
=D
N
(
2
,
事
)
ではなく,変動相場制においてわれわれの設定した経済の特徴を分析する。 Noman (1976)およびHelpman(1974)においても,債券市場が考慮されている。しかしながら, Noman (1976, pp..89-98)は,変動相場制の場合を分析するとき,小論のモデlレとは異な り,完全雇用を仮定して資産効果を導入したモデルで主に金融政策および国債の変化の 効果を検討している。 Helpman(1974, pp.. 93-103)は,賃金制約という関係式(脚注9参 照)を用いて,貿易財を輸出財および輸入財に分類して分析している。われわれは,小国 の仮定より,交易条件は外生的に与えられているので,輸出財および輸入財を合成財であ る貿易財という概念でとらえ,貨幣賃金率が一定であると仮定している。(8 ) 特殊的要素モデルについては, Caves and Jones (1985, chap 6, supplement to chap 6), Caves, Frankel and Jones (1993, chap 6, supplemei1t to chap 6), Ikemoto (1969), Jones (1971), Krugman and Obstfeld (1988, chap 3, mathematical postscript to chap 3 )(1991, chap 3, mathematical postscript to chap 3), Takayama (1982)等参 照。
(9 ) 貨幣賃金率が硬直的で完全雇用を仮定しない非貿易財を含む経済を分析しているの は, Dombusch (1974), Noman (1976), Noman and Jones (1979),井上 (1984,1985, 1987, 1988)等がある。 Helpman(1974, 1976, 1977)は,貨幣賃金率が財の価格に依存す るという賃金制約をもっ失業を伴う経済の分析を行っている。ところで, J ones and Cor -den (1976)は,貨幣賃金率が硬直的で完全雇用を仮定した非貿易財を含む経済を分析して いる。
-190ー 香川大学経済論叢 424 凶
Dr= Dr(
会,E
)
(5)E = PNDN
+
PrDr
何
)
予
= ε ( y f
,)
i
(7)Y = PNX
N
+
PrXr (8)P = P(PN
,P
r
)
ω
)
ト
t
(
手
,)
z
(10)K = K
(i, R-W) ( 1u
Re
口R
e
(R)
( 12)XN
=
DN+
GN
T ( 13
)
P'
f
:
(
Xr-Dr-Gr)+K-
R
= 0
ω
MS=L ( 15
)
P
r
= RP;
P ( 16)Q
=下京
(17)μ=
ぢ
記号の意味は次の通りである。 x;:財 jの産出量,P
j
:
財 jの価格,W:
貨幣賃金率,(
j
:
第;j財産業におけ る供給関数のシフトパラメーター,D
;
:
財 jに対する需要量,E
:民間総支出 額,P:一般物価水準,Y:名目国民所得, T:自国通貨表示の自国より外国へ の ト ラ ン ス フ ァ ー 利 子 率,L:
名目貨幣需要量,K:
外国通貨表示の純資 本流入,R:
自国通貨建て為替レート,Re:
期待された自国通貨建て為替レー ト ,G
;
:
政府によって購入される財jの量,MS
:貨幣供給量,PF:
外国の貿易 財価格,Q
:
:
購買力平価,P
事:外国の一般物価水準,μ:
実質為替レート。 (1)式と (2)式は,それぞれ,非貿易財と貿易財の供給関数を示している。完全 雇用の場合には,貨幣賃金率は2
つの財の価格に依存するので,各国の生産量425 短期における実質為替レートの決定 -191-が
2
つの財の相対価格の関数となる。しかし,各産業の特殊要素と貨幣賃金率 が与えられている場合には,各産業の生産量はその産業の財の価格のみに依存 する。また各財の供給関数はシフトパラメーター(ん)に依存している。(
3
)
式と(4) 式とは,それぞれ,非貿易財に対する需要関数を示し,その需要関数は2つの 財の価格と民間総支出額に依存すると仮定されているが,ゼロ次同次性より2
つの財の相対価格と民間の実質支出に依存している。 (5)式は民間総支出額の定 義式である。(
6
)
式は民間の実質支出関数を示している。民間総支出額は,国民 所得より自国より外国へのトランスファーを引いた名目可処分所得と利子率に 依存しているが,名目可処分所得に関して1
次同次であると仮定しているので, その関数は実質可処分所得と利子率に依存する。(7)式は,国民所得の定義式で ある。(
8
)
式は,一般物価水準を定義している。(
9
)
式は実質貨幣需要関数を示し, その関数は,実質支出関数と同様に,実質所得と利子率に依存すると仮定する。 ( 10), (11)式は, Niehans型の資本収支を表わしている。(10)式は,資本収支が利子 率および為替レートと期待された為替レートとの差に依存していると仮定され ている。 (11)式では,期待された為替レートが現実の為替レートに依存すると仮 定されている。ここで資本収支についで説明しておこう。利子率に関しては,。
k
kz=77>O
と仮定する。つまり,利子率の上昇は純資本流入を増加させるこ とを意味している。また,資本収支は為替レートにも依存している。もしR >
R
eならば,将来為替レートが増価するだろうと予想され資本が流入するので,。
K ~f;
:
.
s
.
J
.
.
ne¥>
0
と仮定する。また期待為替レートは現実の為替レートほど変化d(R-R
勺 ル ー。
'
K
d(R-R
e) し な い と 仮 定 す る の が お くl
となり ,Kn 夜克二子)~主主 >0 と なる。ω
式は非貿易財市場の均衡を示し,間式は国際収支の均衡を表わしてい (10) (1), (2)式の導出については, Helpman (1974, p..34)(1977, p 470),井上 (1984,付録) 参照。 (ll) Djは,Dj=
I
i
CPN,,
p
r
E)(j=
N, T)と仮定され、需要関数(
n
)
は, 0次同次関数 -;::: ( PN P1 E¥ なので,Dj=D. ト[~,J¥P'P'PJ J.;!" ~)となる。よって(7)および(8)式のような関数(あ)を得る。 (12) このような実質支出関数の特定化については,たとえば, Tsiang (1961, p 918)参照。 (13) Niehans型の国際資本移動については, Niehans (1975), Dombusch (1976),井川 (1977),井上(1979) (1989)等を参照。またAmano(1967)もすでに国際資本移動が利 子率と為替レートに依存するという定式化を行っている。-192- 香川大学経済論叢 426 る。左辺の第
1
項は貿易収支を,第2
項は資本収支を,そして第3
項は移転収 支を,それぞれ,表わしている。 (14)式は,貨幣市場の均衡を表わしている。倒 式は,貿易制限や関税,輸送費のない自由貿易の仮定より,一物一価の法則を 表わし,U
。式は,購買力平価の定義式である。そしてU
7
)
式は,実質為替レート を定義している。 μ >(
く
)1のとき,あるいは μが上昇(低下)するとき,為替 レートは購買力平価に対して過小(過大)評価されており, μ = 1あるいはμが 一定のときは,購買力平価説が成立する。 (l)~(17)式からなる方程式体系の中で(3), (4), (5)式のうち1
つは独立ではない ので独立な方程式の数は16個である。外生変数(
G
N
,G
T
, MS,T
,P
;
,P
*
)
が 与えられると, 16個の未知数(XN,XT, DN, DT,E
,R
,R
e,Q
,μ)
が決定される。 (1), (2)式を全微分すると, U8) U9) )(N= eN(PN-W)+
πN )(T= eT(PT-W)+
πTY
,L
,K
,P
N,P
T
,P
,i
,となる。ただし,変数上のハット(~
)仇その変数の変化率を示す(
e
.
.
g応 =
… 、 長 。
¥ …
x
oX
笠子
)
0
ej=
_
_
_
V
ケ
7
τ
,7rj =玄武
dt;(j=
N, T)。めは財 jの供給の価格弾 N IX;
o
¥
w)
力性を示し,財jの生産量が,その財の価格の変化に対してどれだけ感応的であ るかを示している。m
は第 j財産業における供給関数におけるシフトパラメー ターの変化による財 jの生産量の変化率を示す。以下の分析においてはこれを 技術進歩率という。 (3), (4)式を微分すると, (20) ( 21)I
J
N = D~(PN -PT)+
Df(E -P)I
J
T = -DJ,(PN -PT )+
DI(E -P)427 短期における実質為替レートの決定 193ー
D
品(j=
N, T)は財fに対する需要の代替弾力性であり ,D
i
U
=
N, T)は その支出弾力性である。D品 <0および1>
D
i
>
0 (j= N, T)と仮定する。す なわち,非貿易財の相対価格の上昇は,非貿易(貿易)財に対する需要を減少 (増加)させ,実質支出の増加は,両財に対する需要を増加させるが実質支出 が増加するほどそれを増加させない。(
6
)
式を,初期均衡点においてT=
0
と仮定することにより微分すると次の似) 式になる。;
;
n
G.r
J
TTdT n ¥
-(22) E - P =訊
Y
一一γ
- P)+~fi , Y8ε
ioε
ただし,~~=否反 y/p了,
c
T
=
て
E/P芳子
~í は実質支出の実質所得弾力性であり, ~f は実質支出の利子率弾力性であ る。1
>詳 >0 および ~f<
0
と仮定する。実質所得が増加するとき実質支出は 増加するが,その増加率は実質所得のそれより小さく,利子率の上昇は実質支 出を減少させることを示している。 (7)式を微分すると,ω
y=
α
(FN+XN)+
N
'
α
1(
F
1+X
1) となる。ただし, α旦主
Y
L(j=
N
,T)
。めは国民所得Y
に占める財 jの生 産額の比率を示す。P
を次のω
式のように定義す2
0
(24)F
=
α
'
N
F
N
+
α
l
F
I
0
(
2
4))式は,一般物価水準の変化率は,非貿易財の価格の変化率と貿易財の価格 の変化率の加重平均であることを示している。初期均衡点においてG
;
=O
(j=(14) この
P
の定義は, Noman and Jones (1979, p.302p.299), Jones and Purvis (1983) 等において用いられている。-194- 香川大学経済論叢 428
N, T)と貿易収支の均衡を仮定するのでめ=竿(j
=
N, T)と な り , 叫 民間支出における各財の需要額の比率を示している。側式と帥式より,次の(お)式を得る。
(25)
Y-P=α
'NeNP
N+αrerPr-eW+π,
ただし,
e α'
N
e
N
+α
r
e
r
,π=αNπ
:.v+α7πro e
は各産業の供給の価格弾力性の 加重平均を,π
は各産業の技術進歩率の加重平均を示している。(25)式の意味は次 のとおりである。非貿易財および貿易財の価格の上昇は,貨幣賃金率と経済全 体の平均的技術進歩率が一定であるとき,実質所得を増加させることを示して いる。e
は, 2つの財の価格と経済全体の平均的技術進歩率が一定であるとき, 貨幣賃金率の1%
の低下にともなう実質所得の変化率を示している。また2
つ 財の価格と貨幣賃金率が一定のときには,経済全体における平均的な技術進歩 率の上昇によって実質所得が上昇することを示している。。
5)式を(22)式に代入すると,(お)
E-P
= ~~1aNeNPN+arerPr-eW+ π -;:; ;:; YTT ,"
dT
'
y
i
f+~fiとなる。
。
0),(21)式は, (26)式を用いることにより, それぞれ,次の(27),(28)式となる。 的)DN=(DF+DESFα
'
N
e
N
)
P
N+( -
D~+ DU~めの )Pr EdT
+
Df~fi- DU~eW-
Df~~ 一γ +D持伝。
。
I
Jr= (-DJ+DU~α'NeN)PN
+
(
D
J
+
DU~.αrer)
P
r
EdT
+
DUf
i
-
DU~eW
-
DU~ 一γ +DU~π貨幣市場の均衡条件(14)式を,
(
9
)
, (24,) (:お)式に注意して微分すると次の(29)式を 得る。(29)
l
官s=
(aN+~Þα'NeN)P;"+(αr+~Þ,αrer )PL+~rz -~ÞeW+
許π
,Yot iat
429 短期における実質為替レートの決定 -195-併は実質貨幣需要の実質所得弾力性であり ,~f は実質貨幣需要の利子率弾 力性である。
1
> 計>0
および群<0
であると仮定する。すなわち,実質所得 の増加は実質貨幣需要を増加させるが,後者の増加率は前者の増加率より小さ い。利子率の上昇は,実質貨幣需要を減少させる。 仰)式より次の(30)式を得る。 側云
[
(的+訪問)品 +(α1+ 訪問)P1-~ÞeW 十助一昨]
= '1NPN+
'11P1- '1wW+
γππ -'1MMS, ただし ,'1N云
(
助
+
許
制
N),'11= 云(αT 十 ~þa1e1),
'1w=
一
撃
E
長l
'1"=
-
e
'
'1M=
-
~f 。 偏微係数についての仮定より,すべての 'Yjは,'1j>
O(j= N, T,π
, W, M) となる。 (30)式は,非貿易財および貿易財価格の上昇や経済全体の平均的な技術 進歩は利子率を上昇させ,貨幣賃金率の上昇や貨幣供給量の増加は利子率を低 下させることを示している。 。。式を(幻), (2。式に代入すると次のω
,(32)式が得られる。(3D IJN= (D~
+
DU~α'NeN 十 DUfrN)PN+( -D~+Df~~.α1<31- Df~f'Y1 )P1 EdT
-DU~eQW-DU~ ..!:A:.γ +DUωπ -DUfrMMS
(32) IJ1 = ( -D
J
.
+
DIç~α.NeN+
DI
c
f'1N) PN+
(
D
J
.
+
DIç~αre1+
DI
c
f'11 )P1dT
-DIç~eQW -DIçトγ +DI~Wπ 一 DIçf'1MMS
ただし,
Q
は,次の(33)式のように定義されている。 F-EF-L 邸:) Q=
1
一主語壬
~~~t ;:.L FE となる。たとえば,もしQ<
0ならば, (33)式の定義より-*>-~長となる。 ~f" ~i これは,民間実質総支出(実質貨幣需要)は利子率に関して相対的に弾力的 (非弾力的)であること,あるいは民間総支出(実質貨幣需要)は実質所得に-196- 香川!大学経済論叢 430 関して相対的に非弾力的(弾力的)であることを意味している。 非貿易財の市場均衡条件。2)式と国際収支の均衡式
ω
式は, (15), 1(8),ω
,),(3n, 仰式に注意すると,次の(34)式のように表わされる。ただし,初期均衡点において は,Gj=
O(j=
N, T), T=
0および貿易収支の均衡(Xr=
Dr)を仮定する。(
3
4)A X
=B
ただし, Dff-(l-DU~α'N)eN -Dff+ Df;~αrer+DU!rr+
Df;!
r
NA =
P; (-D]+DU~α'NeN) P;[D]-(l一
DI詩的)
e
r
]
fiK,
~"'~7~'\ fiK ¥ RK"-
¥
万
-Pf
DUf)YNi
ほ
-p
倒 的
Yr一τ
ι
X=[~NJ
B=
dGN 1 nNFL. .7r5 1 (nNFE _n _ ¥ 67 1 nNFE dT ーっ~:+
DfeYMM5+ (Df;~eQ-eN)W
+
Df;f
-
!
ア
+
(
1
一
α'NDUW)πN一
αrDf;WπT 一 (-D~+Df;予約er+
D U!
r
r)P
f
本 dGrI ( n* nrFE iKi¥-p
寸
f
+
何
DUJ一支7
-
)YMM5+[P;(DU~eQ 一白)一
委
Yw]W-
設
7(1-dH)dT+助(や-P;DU~Q)πN十[月(1一叫叫ご詳如剃
F招捌働
Qω
附)+等手y"山
π
一[月
{D]ー (l-DU予防)む}一(安
-Pf
Dほか]片
行列式I
A
I
の符号は,関数の偏微係数の符号についての仮定からは決定され ないので,比較静学分析を行うために経済体系の安定条件を求める。経済の動 学体系は,431 短期における実質為替レートの決定 -197ー f主'N
=
εN[DN+GN-X
N] j斤
=εrlP;(Dr
十Gr-Xr)-K
十 三1
(35)1
H - ""1L
L 1 ¥'-'1 ''-'1 L'l J L "R
J
IY
¥ M0=
e'(¥p' ~.i
Z)-]5
I
一一一 であると仮定する。ただし,変数上のドット(・)は,時間に関する微分を示 す(
e
"
g九=争)
0
e; (j=
N, T)は市場 jの 調 整 速 度 を 表 わ 旧 あ る と 仮定する。 動学体系仰は,非貿易財市場における超過需要(供給)により非貿易財価格 は上昇(低下)し,国際収支が黒字(赤字)であれば為替レートが増価(減価) すると仮定している。また貨幣市場は常に均衡していると仮定している。その 体系が初期均衡点において局所的に安定であるためには,行列式I
A
I
の符号が 正であることが必要である。以下において,われわれは,I
A
I
の符号が正である と仮定して比較静学分析を行う。 III 代替的な外生的撹乱と実質為替レート この節では,代替的な外生的撹乱が,どのような条件において為替レートの 購買力平価からの靖離にどのような効果をもつのかについて検討を行う。 外国の非貿易財価格が一定であり外国の一般物価水準の変化率も凶式と同様 であるとすると実質為替レートの変化率は, (17)式より, (36)β=α'N(長-
PN)+(αN一α'!V)P;=α'N(P1-PN)一α'ivPi となる。側式によれば,外国の貿易財価格が一定ならば,為替レートの自国の 非貿易財の価格に対する比(あるいは,自国の貿易財の相対価格)の上昇は実 質為替レートを減価させ,為替レートの自国の非貿易財価格に対する比が一定 のとき外国の貿易財価格の上昇は,もし α'N>
(<)a
i
i
ならば,実質為替レート を減価(増価)させる。また,自国の貿易財の相対価格が一定のときは,外国 の貿易財価格の上昇によって実質為替レートは増価する。実質為替レートの減 価(増価)は,為替レートの購買力平価に対する過少(過大)評価を意味する。198- 香川大学経済論叢 432 (3,)4 (36)式から,外生変数の変化が為替レートと実質為替レートに与える効果を 分析できる。
(
1
]
非貿易財に対する政府の購入量の変化の効果 非貿易財の政府購入量の変化が非貿易財価格,為替レートおよび実質為替 レートに与える効果は,次の伽),側,ω
)
式によって示されている。m
悲=四岩[
-Pi
{-DJ
一(l-DU
予約)の}
(iK
,
~* ~7~"\ RKR I ~ ^+ば-
P;Dlcf
)
"
1
1+
'
x
;
"
J
>
0側ゑ=百台
[P;(-'-DJ+
D
訪
問
)
-
(
委
-Pi
DUf)
"lN
J
側る=吋乞[
-P;e1+ P;DU~e ー(委-P;DUf)(川1)
一号]
(37)式は,非貿易財の政府購入量の増加によって非貿易財価格が上昇すること を示し, (38)および(39)式は,非貿易財の政府購入量の変化が為替レートおよび実 質為替レートに与える効果は不明確であることを表わしている。非貿易財の政 府購入量の増加により非貿易財の市場において超過需要が生じるので,非貿易 財価格は上昇する。しかし為替レートに与える影響は明らかではない。非貿易 財の価格の上昇は,価格効果により貿易財に対する需要を増加させるが,非貿 易財価格の上昇による一般的物価水準の上昇と非貿易財生産額の増加が名目貨 幣需要を増大させる。この名目貨幣需要の増加が,与えられた貨幣供給量のも とでは,貨幣市場に超過需要を生じさせるので, (30)式より,利子率を上昇させ る効果をもっ。この利子率の上昇が,資本収支を改善させる効果をもっととも に貿易財に対する需要を減少させる効果をもっ。したがって貿易収支に与える 効果は不確定になり国際収支の変化が不明確になるので,為替レートの変化に ついては明確な結論は得られない。 しかしながら,もし433 短期における実質為替レートの決定 -199ー 側 P
月矧
F引
(
←
一
DJ
,
μ
山+叫
DI
抑E ならば,利子率の上昇が貿易財に対する需要を減少させる効果が小さい(大き い)ので,為替レートは減価(増価)する。 側式を書き換えると,次の臼1)式を得る。加)ョ
8
7
=
叶云[-
P
;
e
l
+
P;DU~e.Q+恭子 (1+66)-PFD4
時 一 応 もし.Q<
0ならば, (16)式に注意すれば,ω
式より, 似)-Q
ー >,
!
!
dG
N
/ dGN
となる。 いま非貿易財の相対価格の変化を分析するために非貿易財の政府購入量の増 加によって非貿易財と貿易財との価格が同じ比率で変化するものとする。非貿 易財の相対価格が変化しないことになる。非貿易財の政府購入量が増加すれば 利子率を上昇させる効果をもっ。この利子率の上昇は,民間実質支出を減少さ せるので貿易財に対する需要を減少させる効果と資本流入を引き起こす効果を もっ。また仮定より非貿易財の政府購入量の増加によって為替レートが減価す るので貿易財の生産量は増加し投機的な資本が流入する。.Q<
0
の場合には, 利子率の上昇が貿易財に対する需要を減少させる効果が相対的に大きくなり, 国際収支は黒字になり為替レートは増価する。したがって.Q<
0
の場合には, 非貿易財の政府購入量の増加により,非貿易財の相対価格が上昇し実質為替 レートが増価する。このことは,為替レートが購買力平価に対して過大評価さ れることを表わしている。 さらに, .Q<
0
および側式の左辺が右辺より大きい場合には,(
3
乱闘式より, 次の制式を得る。ω
-.f2ー>一d
G
N
/ d
ι>0
G
N
-200- 香川大学経済論議 434 帥式によれば,非貿易財の政府購入量の増加によって,為替レートおよび購 買力平価は減価する。それらの変化の方向は同じであるが,購買力平価の減価 率の方が為替レートの減価率より大きい。 ところで非貿易財の政府購入量の変化が一般物価水準に与える効果は, 榊
££J=1
百t
出[卜同一ザ
-pt
丹F叫
Df,十的納吋+明
P丹'iDI民邸
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N
ー釘)+生
v l / I XEKl>O
rJ
if.QくO
およびe
N
壬e
r
, となる。刷)式は,もし.Q<
0
およびe
N
孟e
r
ならば,非貿易財の政府購入量の 増加は一般物価水準を上昇させることを示している。非貿易財の政府購入量の 増加により,非貿易財価格が上昇する。しかしこの上昇は,非貿易財の供給弾 力性が貿易財のそれを越えないという条件が,非貿易財の価格の上昇をより大 きくする。また.Q<
0
より非貿易財価格の相対価格が上昇していることから, 貿易財に対する需要を増加させる。以上より,非貿易財の政府購入量の増加は 一般物価水準を上昇させると推論できる。 そして例式が成立し側式の左辺が右辺より小さい場合には, 紡)-Q
一>0>
ーι
d
G
N
-
-
V --d
G
N
となる。すなわち,非貿易財の政府購入量の増加により購買力平価は減価する が,為替レートは増価する。この場合には,購買力平価と為替レートは,互い に逆の方向に変化する。 さて,国際資本移動が実質為替レートにどのような影響をもつのかを調べて みよう。 まず利子率感応的な資本移動の実質為替レートに対する効果をみるために は,(39)式をK
i
で偏微分することによって得られるが,符号の確定が困難であり 明確な結論が得られないので,ここでは,資本の完全移動性,すなわち,国際 資本移動が利子率の変化に対して無限に弾力的であると仮定する。K
i
→∞とおくと,435 短期における笑質為替レートの決定 -201ー
付
。
<0
資本の完全移動性の場合には,非貿易財の政府購入量の増加は実質 為替レートを増価させることを示している。非貿易財の政府購入量の増加に よって生じる非貿易財価格の上昇によって,実質所得が上昇し利子率が上昇す る。この利子率の上昇によって資本が流入し利子率がもとの水準に戻り,為替 レートが増価するという効果が働くことになるので為替レートが購買力平価に 対して過大評価されることになる。 次に,為替投機が実質為替レートに与える効果については,(39)式を KRで偏微 分すると,次のような関係を得る。 仰 ) よ(eJKJ~
)
く
o
i
f
/
3
.
>
0
R ¥dGNJ
~ V U dGN 仰)式は,非貿易財の政府購入量の増加によって実質為替レートが減価すれば, 為替投機の増大は,為替レートの購買力平価に対する過小評価を縮小させるこ とを示している。もし非貿易財の政府購入量の増加が実質為替レートを減価さ せるならば,非貿易財価格が上昇するときに非貿易財の相対価格の低下を仮定 しているので,為替レートは減価していることになる。この為替レートの減価 は為替投機による資本を流入させるので,為替投機の増大は,為替レートの購 買力平価に対する過小評価を縮小させることになる。 非貿易財の政府購入量の増加が実質為替レートを増価させる場合における為 替投機の影響については,明確なことはいえない。(
2
J
貿易財に対する政府の購入量の変化の効果 貿易財に対する政府の購入量の変化の非貿易財価格,為替レートおよび実質 為替レートに与える効果は,次の側, (49)および(50)式において与えられている。 PN -P; rnN側 万
G
1 -百医7[Dp+DESFαlel 一 D~Çfrl ] (15) このことは, i訂), (38)式を(紛式に代入し,Ki→∞のときの利子率の変化を求めることに より確認できる。-202ー 香川大学経済論叢
ω
)
去=記号
[
D
P
'
一(
1
-
Df.;f.α'N)eN十DUfrN]>
0
側元
1背
妻
子[
e
N
+
D
z
i
p
-
D
的
e
.Q] 436 側, (50)式は,貿易財の政府購入量の変化が非貿易財価格および実質為替レー トに与える効果が不確定であることを示している。側式は,貿易財の政府購入 量の増加は,為替レートを減価させることを表わしている。側,側式の経済学 的意味については, (38), (39)式と同様に考えればよい。 (50)式において,もし .Q<O
ならば,ω
R
一 >-Q-dG1 -- dG1 となる。もし.Q<
0
ならば民間実質総支出が相対的に利子率感応的であるの で,貿易財の政府購入量の増加による為替レートの減価が利子率を上昇させ, 民間実質総支出を減少させて非貿易財市場において需要を減少させるような効 果が生じる。為替レートは減価するので,非貿易財の相対価格は減少する。よっ てω
式が得られる。 さらに,側式の右辺が正ならば,非貿易財価格が上昇するので一般物価水準 も上昇する。したがって,次の(閉式を得る。 (臼)-E
dG1 -ー
- dG>-Q
ー >
0i
f
-4並ー>
0 and .Q<
0。
1 --v dG1 すなわち,もし貿易財の政府購入量の増加により非貿易財価格が上昇するなら ば,為替レートおよび購買力平価が減価するけれども,前者の減価率の方が後 者の減価率より大きくなる。 貿易財の政府購入量の変化が一般物価水準に与える効果は,(29),側, (49)式よ り, 倒£
£
J
=品
7
計汁戸[卜M
一
-
DP
'
+a1eN+附
Dfg
もし.Q<
0
かつe
針1>
e
白Nで,(
5
3
)
式の第3項が十分大きいならば,貿易財の政 府購入量の増加により一般物価水準は低下する。貿易財の政府購入量の増加に437 短期における実質為替レートの決定 203-よって貿易財の相対価格が上昇すると,非貿易財に対する需要が増加する。し かし為替レートの減価による実質所得の増加は実質貨幣需要を増加させる。。
<0
の場合は,実質貨幣需要が利子率に関して相対的に非弾力的であるので, 利子率の上昇は比較的大きくなる。また民間実質総支出は利子率に関して相対 的に弾力的であるので,利子率の比較的大きな上昇によって民間実質総支出の 減少が相対的に大きくなる。この民間実質総支出の比較的大きな減少が,非貿 易財に対する需要を比較的大きく減少させ,非貿易財の供給弾力性が相対的に 小さいので,非貿易財価格を比較的大きく低下させることになり,一般物価水 準が低下する。したがって, (1)
6
,(
5
D
,(
5
3
)
式より,ω
,
dG!
!
>
0 >,9,i
f
Qくo
and e7>
eN 7 / v , dG7 となる。M
式は,貿易財の政府購入量の増加は,為替レートを減価させるが購 買力平価を増価させることを示している。為替レートと購買力平価が互いに逆 の方向に変化している。 次に国際資本移動と実質為替レートとの関係について吟味しよう0 (50)式の右辺を Kiで偏微分すると, 防,)sgn
法(去)=叩(去)
となる。(
5
5
)
式は,貿易財の政府購入量の増加によって実質為替レートが減価(増価) すれば,利子率感応的な資本移動が増大すると,為替レートの購買力平価に対 する過小(過大)評価が小さくなることを示している。貿易財の政府購入量の 増加によって貿易財価格が上昇し実質所得を上昇させる効果をもつので,実質 貨幣需要が増加し利子率が上昇する。このとき資本流入が増大すれば,為替レー トを増価させる効果をもっ。したがって貿易財の政府購入量の増加によって実 質為替レートが減価する場合には,為替レートの購買力平価に対する過小評価 が小さくなる。貿易財の政府購入量の増加によって実質為替レートが増価する 場合は,次のように推論できるだろう。この場合は,Q>.QかつDf
が十分大き204- 香川大学経済論叢 438 いことが十分条件になっている。
Q
>
0
は,民間実質支出の実質所得弾力性が 相対的に大きいことを意味している。貿易財の政府購入量の増加によって為替 レートが減価し貿易財の生産量が増加して実質所得が増加する。実質所得の増 加により利子率が上昇するが,Q>
0
より,この利子率の上昇による実質支出 の減少はあまり大きくない。しかし実質所得の増加による実質支出の増加は比 較的大きくなり,非貿易財に対する需要が相対的に大きく増加する。したがっ て非貿易財価格が十分上昇し非貿易財の相対価格を上昇させ実質為替レートが 増価する。このようなとき利子率感応的な資本流入が増大すれば,為替レート の減価そして貿易財価格の上昇が小さくなり,貿易財の生産量および実質所得 の増加が小さくなる。このことは,非貿易財に対する需要が小さくさせる。よっ て非貿易財価格の上昇が小さくなるので,非貿易財の相対価格の上昇も小さく なる。したがって為替レートの購買力平価に対する過大評価が縮小する。 また, (50)式の右辺をKRで偏微分すると,次のような関係式が得られる。 側 sg味(走)=叫が
(56)式は,貿易財の政府購入量の増加により実質為替レートが減価(増価)す る場合には,為替投機の増大は,貿易財の政府購入量の増加によって生じた為 替レートの購買力平価に対する過小(過大)評価を縮小させることを示してい る。貿易財の政府購入量の増加により為替レートが減価するので,投機的資本 が流入し為替レートの減価を小さくさせる効果をもっ。実質為替レートが減価 する場合には,貿易財の政府購入量の増加によって生じた為替レートの購買力 平価に対する過小評価は,為替投機の増大によって小さくなる。貿易財の政府 購入量の増加によって実質為替レートが増価する場合は,為替投機の増大に よって為替レートの減価が小さ乙なる。このことは,貿易財の生産量そして実 質所得の増加が小さくなることになり非貿易財に対する需要の増加も小さくな る。したがって為替投機が増大すれば,非貿易財価格の上昇も小さくなり非貿 易財の相対価格の上昇が小さくなると考えられる。以上の推論より,貿易財の 政府購入量の増加によって実質為替レートが増価する場合には,為替投機の増439 短期における実質為替レートの決定 -205-大によって,為替レートの購買力平価に対する過大評価は縮小する。
(3) 貨幣供給量の変化の効果
貨幣供給量の変化が非貿易財価格,為替レートおよび実質為替レートに与え る効果は,それぞれ,次の(57),(58)および(59)式によって与えられている。
側
含長~=i背者[問月的s♂拘
f汽ゆ
(ωD印叫P'+ゆDJ叫
DI一Dル
fe
伽
e釘叶
T
RK -DUr lX~R]>
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=1
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i
cr (DIDP
'
+
DfDJ-DleN)一
安
{
D
P
'
一 (l-DU~,α'N)eN}]>
0側委=廿
[P;cr(Dfe1-DleN)+委(1一政長
)+DUr努]
(57),邸)式は,それぞれ,貨幣供給量の増加による非貿易財価格の上昇と為替 レートの減価を示している。貨幣供給量の増大による利子率の低下が実質総支 出を上昇させるので,非貿易財と貿易財に対する需要量が増加する。非貿易財 価格が上昇し,また利子率の低下によって資本が流出するので,貿易財に対す る需要量の増加と資本流出により国際収支が赤字になり為替レートは減価す る。側式は,貨幣供給量の変化が実質為替レートに与える効果は不確定である ことを示している。もし Dfe1 注 DleN かつ l 孟 Dfç~e ならば, (59)式より次の側式が得られる。
側歩
<0
すなわち,側式は,もし Df/eN 孟 DI/e1 かつ DU~e 孟 1 が成立すれば,貨幣
供給量の増加は実質為替レートを増価させることを示している。貨幣供給量の 増加による利子率の低下は,民間実質支出を増加させ各財に対する需要を増加 させる。その場合,非貿易財産業における需要の支出弾力性の方が貿易財産業 のそれより相対的に大きいので,非貿易財の相対価格を上昇させる効果が働く。 また
2
つの財の価格の上昇が各財の生産量を増加させ実質所得を増加させるが-206- 香川大学経済論叢 440
DfÇ~e 主主 1 の場合には,実質所得の増加以上に非貿易財に対する需要が増加す
る。以上より,貨幣供給量の増加は,非貿易財の相対価格を上昇させる。
(
17), (58)式に注意して側式を書き換えると,
側 全 > 主
τ>0 i
f
Dfer 孟 DleN かつ DfÇ~e 孟 l
M' M'
つまり, (61)式は,貨幣供給量の増加により購買力平価も為替レートも減価す るが,為替レートは購買力平価に対して過大評価されていることを示している。
もし
Dfer
<
DleN
, Dfç~e<
1およびK
Rが十分小さい場合には,(16), (17),( 2,)4 ~日),側および(59)式より,
(
6
2
)
!
!
.
τ
>
全
>0
M~ M~ となる。制式は,もしD
f
j
e
N
<
D
l
!
e
T
, Dfç~e<
1
そしてK
Rが十分小さいと, 貨幣供給量の増加により為替レートと購買力平価がともに減価するが,為替 レートは購買力平価に対して過小評価されていることを表している。続)式は, 貨幣供給量の増加による為替レートの減価は,投機的な資本を流入させるが, その流入が十分小さいので為替レートの減価を小さくする効果は十分小さいこ とと,側式と同様の推論によって得られる。 さて,利子率感応的な国際資本移動が為替レートの購買力平価からの需離に 与える効果については,~日)式を Ki で偏微分しでも明確な結果は得られないの で,資本の完全移動性を仮定すると, 紛)ー
長
這o
i
f
e
N
這 Dfç~e となる。制)式は,資本の完全移動性のもとでは,貨幣供給量の変化が実質為替 レートに与える効果は不確定であることを示している。資本の完全移動性のも とでは,貨幣供給量が増加すると利子率が低下し資本が流出し為替レートが減 価して利子率は元の水準に戻る。また為替レートの減価は非貿易財に対する需 要を増加させるので非貿易財価格が上昇する。これら 2つの財の価格の上昇に より 2つの財の生産量が増加し実質所得が増加する。もし伽>(<) Dfç~e441 短期における実質為替レートの決定 207ー ならば,非貿易財の供給弾力性が実質所得の増加による非貿易財に対する需要 の増加より大きい(小さい)ので,非貿易財の相対価格を低下(上昇)させる こ と に な る 。 し た が っ て も し む >
(
<
)
Dfç~e ならば,貨幣供給量の増加に よって実質為替レートは減価(増価)する。つまり,為替レートは購買力平価 に対して過小(過大)評価になる。 また, (59)式をK
Rで偏微分すると,次の制式が得られる。 制sgnJ-(JL}<O
6 " oKI
f
i
>O
R ¥jIIfSJ
制式は,もし貨幣供給量の増加によって実質為替レートが減価する場合には, 為替投機の増大によって,貨幣供給量の増加が実質為替レートを減価させる効 果が小さくなることを表している。貨幣供給量の増加によって為替レートが減 価するので投機資本が流入し為替レートを増価させる効果をもつので,実質為 替レートの減価の大きさが小さくなる。 ところで,貨幣供給量の増加によって実質為替レートが増価する場合には, 為替レートの減価による投機資本の流入があるので為替レートの減価を小さく させる効果をもつが,非貿易財の相対価格が上昇しているので貿易財に対する 需要が増加し,このことが為替レートを減価させる効果をもっ。したがって貨 幣供給量の増加が実質為替レートを増価させる場合には,投機的資本移動の影 響については明確なことがいえない。 (4) 貨幣賃金率の変化の効果 貨幣賃金率の変化の非貿易財価格,為替レートおよび実質為替レートに与え る効果は不確定であるので,明確な結論を得るために,われわれは,中立的な 場合(neutralcase)を考える。ここで中立的な場合というのは,各産業において 供給の弾力性が等しく 2つの財に対する需要は,実質所得に関してlの弾力性 をもっということである。このことは,め=e
およびD
k
=
1
(j=
N
,T
)
とい う関係によって表現される。さらに利子率が一定の場合を考える。 'Yi=O
(j= (16) r中立的な場合(neutralcase)j は, Noman and .Jones (1979, p306)で定義されてい る。-208 香川大学経済論叢 442
N
,T
,W
,π,μ
)
, Q = 1とおくと, (36)式より,次の紡,), (66)および(67)式が得られ る。( _ n N n l I
RK
R ¥n (1-~~)(
¥
e-D1-D
e-up-ut-
],r
+PiX7)e
一一一)側 1
>
1
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R ¥ _ n NRK
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(1-~~)\e-D1-D
,]十育五件
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再
三
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f? l-~n(e-Nf-DJ,)e 側1
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.
ん¥_
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],+芳 五
)e-DP
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R2
一助(l-~D 育支7
制0>
去
、
( _ n N n l IRK
R ¥RK
w
(l-~n\e-D1
ー か + 芳 玄
)
e
-
D
F
p
d
r
制(側)式は,貨幣賃金率の上昇は非貿易財価格(為替レート)を上昇(減 価)させるが,非貿易財価格(為替レート)は貨幣賃金率ほど上昇(減価)し ないことを示している。航)式は,貨幣賃金率の上昇は実質為替レートを増価さ せるが,実質為替レートは貨幣賃金率の上昇率を相殺するほど増価しないこと を示している。貨幣賃金率が上昇すると各財の生産量が減少するので,非貿易 財市場は超過需要になり非貿易財価格は上昇し,国際収支は赤字になり為替 レートは減価する。いま非貿易財価格および為替レートが貨幣賃金率と同じ率 で変化すると仮定する。すなわち ,W = PN = Rとする。この場合には, 2つ の財の生産量が変化しないので実質所得も変化しない。利子率が一定であると 仮定しているので民間実質総支出も変化しない。よって2
つの財に対する需要 量も一定である。非貿易財市場と貿易収支は均衡しているが,貨幣賃金率の上 昇により為替レートが減価しているので為替投機による資本が流入する。国際 収支は黒字となり為替レートは増価する。したがって非貿易財の相対価格を上 昇させ,非貿易財に対する需要が減少させる効果をもっ。以上より (65),制およ び制式の結果が得られる。中立的で利子率が一定である場合には,航)および制 式より,貨幣賃金率の上昇により購買力平価も減価しているが, (67)式より,為 替レートは購買力平価に対して過大評価されることを表している。 為替投機が実質為替レートに与える効果は,制式をKRで偏微分することに443 よって得られるo
dι}
側 -LEL<OoK
R 短期にお砂る実質為替レートの決定 209-すなわち,為替投機の増加は,貨幣賃金率の上昇が実質為替レートを増価させ る効果をさらに大きくする。貨幣賃金率が上昇すると為替レートが減価するの で為替投機による資本流入は為替レートを増価させる効果をもっ。したがって 為替レートの購買力平価に対する過大評価がさらに大きくなる。 (5) 自国より外国へのトランスファーの変化の効果 自国より外国へのトランスファーが非貿易財価格,為替レートおよび実質為 替レートに与える効果は,次の側, (70)および仰式によって与えられる。刷会=司[等
E{PF(D
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-
DI
.
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P; DI
.
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f) YlRK
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f1 _.nlFE¥f n N,
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DUfrN)]ω
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.
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fr)(eN -DUfre -DUf( YN +Yl ))>
0
i
f
el -DI.;fre 主主 O かつ eN-Df~fre 主主 O 側, (70)式が示すように,自国より外国へのトランスファーの増加が非貿易財 価格および為替レートに与える効果は明らかではない。自国より外国へのトラ (17) 中立的な場合であるが利子率が一定であると仮定しない場合の資本の完全移動性のも とで,貨幣賃金率の変化が実質為替レートに与える効果は明確ではない。この場合には, 貨幣賃金率が上昇すると2つの財の生産量が減少する。実質所得が減少して利子率が低 下し資本が流出し利子率が元の水準に戻り為替レートが減価する。利子率が一定の場合 と異なれこの資本移動の効果が加わるので非貿易財(貿易財)に対する需要が場加(減 少)する効果が加わるので,非貿易財市場における超過需要や国際収支の変化が不明確に なると考えられる。-210- 香川大学経済論叢 444 ンスファーが増加すると実質可処分所得が減少するので 2つの財に対する需要 が減少し非貿易財価格の低下と為替レートの増価をもたらす効果をもっ。他方, この 2つの価格の低下は利子率を減少させる効果をもつので 2つの財に対する 需要を増加させる効果をもっ。したがって非貿易財価格と為替レートとがどの ように変化するのかは不明確となる。 (71)式は,もし eT一DUie孟Oかつ eN -DUieミOならば,自国より外国へのトランスファーの増加によって実質為 替レートが減価することを示している。つまり,自国より外国へのトランス ファーの増加によって為替レートは購買力平価に対して過小評価されることに なる。この実質為替レートの減価については,次のように考える。いま自国よ り外国へのトランスファーによって非貿易財価格と為替レートとが同じ率だけ 変化し財の相対価格は変化しないとしよう。このとき国際収支の均衡式である ( 34)式の第 2式より ,
P
N= R
とおくと,(
tK
κ
2
,
申T¥
RK
R1
問
[
P
月問
1
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(
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白eT-一-DI仔
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ci昨
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ヲ
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丹'iDUf判
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ω
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fN十竹州川行川T)+玄ず
ζJ
R
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p
;
(
と 金 盛 的
dT
¥ α / r が得られる。(閉式は,1
>
α
TDUiであるので,もし eT孟DUieならば,非貿 易財の相対価格が一定のとき,国際収支は赤字になり為替レートが減価すiるこ とを示していg
。自国より外国へのトランスファーの増加によって可処分所得 が減少し貿易財に対する需要が減少するがトランスファーの増加を相殺するほ ど減少しないので国際収支は赤字になり為替レートは減価すると推論できる。 したがって自国より外国へのトランスファーの増加は, (7。式が示す条件が満た されるならば,実質為替レートを減価させる。 (18) 非貿易財価格の変化については,倒式の第 1式より, E dT [eN- Df~~e-DUf( 'YN+ 'YT)lPN = -DU~ uy
が得られる。この式は,非貿易財の棺対価格が一定のとき,もしeN
>
Df~~e ならば,自国より外国へのトランスフア}によって非貿易財市場が超過供給になり非貿易財価格が 低下することを示している。
445 短期における実質為替レートの決定 211-トランスファーが一般物価水準に与える効果は,側,側式よれ不確定であ るので,購買力平価とトランスファーとの関係については明確なことがいえな しコ。 次に国際資本移動と実質為替レートとの関係については,問式を
K
.
に関し て偏微分すると,その符号は不確定となる。そこで資本の完全移動性の場合に は,次の仰式のようになる。。
3)式は,自国より外国へのトランスファーの増加は,資本の完全移動性の場 合は,実質為替レートを減価させることを示している。自国より外国代のトラ ンスファーが増加すると,民間実質支出の減少から非貿易財価格および為替 レートを低下させ利子率を低下させる効果をもっ。すると資本が流出し為替 レートが減価し利子率が元の水準に戻る。 為替投機とトランスファーが実質為替レートに与える効果との関係について は,明確なことはいえない。 (6) 非貿易財産業における技術進歩の効果 各産業における技術進歩率が非貿易財価格,為替レートおよび実質為替レー トに与える効果は非常に複雑であるので分析を簡単にするために,利子率は一 定であると仮定する。そのためには,Y
N
= Y
1
= Y
π=0
および.Q= 1
とおけば よい。 利子率が一定のときの非貿易財産業における技術進歩が非貿易財価格,為替 レートおよび実質為替レートに与える効果は,次の(7,)4 (75)および側式によって 与えられている。ω
手
ι=
rlr[(l-ωU~)( PiDJ,一等)-P;e1(1-~Ð
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D
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J,] λN μ'1.1-212ー 香川大学経済論叢 446 RK ηαN[P;eT (1-~~)+ '~l.R
(
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一
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0
πN ただし, (74),仰, (76)式のI
A
I
は,利子率が一定であるという仮定より 'YN= 'YI = Oを代入して得られるが,例式で仮定された動学体系が安定的であると仮定し ているのでI
A
I
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0である。 (74)式および(ゆ式は,それぞれ,利子率が一定のとき,非貿易財産業における 技術進歩が非貿易財価格および為替レートに与える効果は不明確であることを 示している。非貿易財産業における技術進歩は非貿易財の生産量を増大させ非 貿易財価格を低下させる効果をもっ。この非貿易財価格の低下が非貿易財(貿 易財)に対する需要量を増加(減少)させる効果をもっ。そして非貿易財の生 産量の増加が実質所得を増大させ民間実質総支出の増大を通じて各財に対する 需要量を増大させる効果をもっ。このような要因が各財の市場における需給に 与える効果については明確なことが言えないので, (74)式および(75)式において示 されているように,非貿易財産業における技術進歩によって生じる各財の価格 の変化については,不確定となる。しかし側式は非貿易財産業における技術進 歩によって非貿易財の相対価格が低下し実質為替レートが減価することを示し ている。非貿易財産業における技術進歩による非貿易財の生産量の増加は非貿 易財市場において超過供給を生じさせる効果があり国際収支は均衡しているの で,非貿易財の相対価格は低下すると推論される。 怖)式より,m
手
>Q
d ιN ILN となる。 (77)式は,非貿易財産業における技術進歩は,利子率が一定の場合には, 為替レートを購買力平価に対して過小に評価させることを示している。 そして非貿易財産業の技術進歩が一般物価水準に与える効果は不明確である ので,購買力平価が非貿易財産業における技術進歩によってどのように変化す るのかについては不確定となる。 ところで資本の完全移動性を仮定すると, (3,)4 (36)式より,447 短期における実質為替レートの決定 -213 側 去
I
K
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→ ∞ =>
0i
f
eN 孟 DU~e となる。 (78)式は,資本の完全移動性の場合には,非貿易財産業における技術 進歩は,もしむ孟 Df~~e ならば,為替レートを購買力平価に対して過小に評 価させることを意味している。非貿易財産業の技術進歩によって非貿易財価格 が低下し実質所得が減少し利子率が低下するので,資本が流出し利子率は元の 水準に戻るが為替レートは減価している。また非貿易財の供給弾力性が相対的 に小さい仮定しているので,非貿易財産業の技術進歩の結果,非貿易財価格の 低下を相対的に大きくさせる効果がある。以上より,非貿易財産業における技 術進歩は,非貿易財の相対価格を低下させると考えられる。 非貿易財産業の技術進歩が実質為替レートに与える効果が,為替投機によっ て受ける影響については,利子率が一定で中立的な場合には, (76)式をKRで偏微 分すると,次の仰)式が得られる。ヨ /
i1¥ / R¥ (79) sgn ,, ~r ()
:
r
=一日 n(~) 6 " aKR¥
π
N
J
u
6
π
NJ
もし,非貿易財産業の技術進歩によって為替レートが減価(増価)すると投 機的な資本が流入(流出)し,これが為替レートを増価(減価)させる効果を もっ。したがって為替投機の増大は,非貿易財産業の技術進歩によって為替レー トが減価(増価)すれば,為替レートの購買力平価に対する過小評価を縮小(拡 大)させる。 (7) 貿易財産業における技術進歩の効果 貿易財産業における技術進歩が,利子率が一定のとき,非貿易財価格,為替 レートおよび実質為替レートに与える効果は,それぞれ,次の側,制およびt(82) 式において示されている。P
NP;
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n1FE¥nN, ._nNFE(RK
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-214- 香川大学経済論叢 448
似)云寸穿[白(1 一耕一 α1DU~長生]
<
0 ただし,側,側,似)式のI
A
I
は,非貿易財産業の技術進歩の場合と同様に,利子 率が一定であるという仮定より YN=
Yl=
0を代入して得られるが, (3~式で仮 定された動学体系が安定的であると仮定しているのでI
A
I
>
0
である。 側および制式が示すように,貿易財産業における技術進歩は,利子率が一定 のときに,非貿易財価格,為替レートに与える効果は不明確であることを示し ている。貿易財産業における技術進歩は貿易財の生産量を増大させ為替レート を増価させる効果をもっ。この為替レートの増価が非貿易財に対する需要量を 減少させる効果をもっ。そして貿易財の生産量の増加が実質所得を増大させ民 間実質総支出の増大を通じて各財に対する需要量を増大させる効果をもっ。こ のような要因が各財の市場における需給に与える効果については明確なことが 言えないので,側式および制式において示されているように貿易財産業におけ る技術進歩によって生じる各財の価格の変化について明確なことはいえない。 そして,側式において示されているように貿易財産業における技術進歩は,利 子率が一定のとき,実質為替レートを増価させることを示している。貿易財産 業における技術進歩による貿易財の生産量の増加は貿易財市場において超過供 給を生じさせ非貿易財市場は均衡しているので,非貿易財の相対価格は低下す る。 似)式より,紛)手<手
Jι1 "1 となる。すなわち,利子率が一定の場合には貿易財産業における技術進歩によっ て為替レートは購買力平価に対して過大評価される。 側,制式より,貿易財産業における技術進歩によって生じる一般物価水準の 変化は不確定となる。よって,貿易財産業における技術進歩による購買力平価 の変化については,明確な結論は得られない。 ところで資本の完全移動性の場合には,貿易財産業における技術進歩が実質449 短期における実質為替レートの決定 -215-為替レートに与える効果は,