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会社法の見地か らの企業結合形成 段階の法規制について (2 ・完)

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(1)

会社法の見地か らの企業結合形成 段階の法規制について (2 ・完)

野 田

企業結合形成段階の規制の視角

(1) コンツェル ン形成 とコンツェル ン指揮の区分 (2)上位会社の局面 と下位会社の局面

1.上位会社の局面

2.従属 (下位)会社の局面

(3)企業結合の実態 と規制の適合性について

規制モデルの検討 ‑ 特 にコンツェル ン形成に おける少数株主保護手段の三類型について

(1) コンツェル ン形成阻止モデル (以上本誌前号) (2) 合意 (コンセ ンサス)モデル

契約上の利害調整 (3)代償モデル

1.考察の対象 と視角

2. EC会社法第13ディレクティブ案4条の検討 買付 申込の強制

a.

b.企業結合法的側面 3.アメ リカ法の状況

4.買付 申込の強制による画一的解決の問題点 とその克服 ‑ ドイツ法上の議論

a.検討の指針

b.絶え間ない利益衝突をコンツェル ンの常態 と想定す る場合

C.分権的に営まれる企業結合の像を典型例 と想定す る場合

d. 特殊な事実上のコンツェル ン」の検討 e.まとめ

Ⅳ 結 び (以上,本号)

133〕

(2)

134 42 1

規制モデルの検討 ‑ 特にコンツェルン形成における少数株主保 護手段の三類型について (承前)

(2)合意 (コンセ ンサス)モデル ‑ 契約上の利害調整

コ ンツェル ンの形成時 に少数派社員 を保護す る手段 と して,第二 に, コ ン ツェル ンに伴 う利益衝突を契約上克服す る方法が存 し,そのための実体上 また は手続上の規制をお くことが考え られ る。 この規制モデルは,局外社員 と支配 企業 とが コンツェル ン形成 によ り変更を受 けた前提条件の もとで会社を続 けて い くことについて合意す ることを求める。私人問の利益衝突の伝統的な解決手 段 として推奨 されよ う88)。少数派社員が議決権 ない しは同意権を有す る場合, 彼 らはその同意を与え るに際 し, 自 ら利益保護を実現す ることがで きる

これ に関 して,スイスの学者, Staehelinが次 のよ うに述べてお り,注 目 に値 しよ う すなわち,スイスの状況をよ く理解す るために, コンツェル ン形 成 において しば しば同意 (Zustimmung)が存す るとい うことを認識す る必 要があるとの指摘である。スイスにおいて, とりわけ小規模会社 ・同族会社の 領域 において, きま って コンツ ェル ン形成 はそれ につ いての同意 を伴 ってい る。そ して,それは次のよ うな事実を基礎 に している。第一 に,たいていの株 式 は記名株式であ り, それ も譲渡制限記名株式 であ り,そのため管理委員会 (Verwaltungsrat)の同意 が必要 (それのみで は十分 でないが)であ る こ と,第二 に,スイスで は大多数の株式会社定款 において,譲渡の場合 に先買権

(Vorkaufsrecbt), 申込権(Anbietungsrecht),および相互的売買権 (ge一 genseitigeKaufsrecht)が定 め られて い るこ と, で ある。 したが って,具 体的にみ ると, もし多数株主がその持分をどこか コンツェル ンに売却 しようと す るな らば,その場合,多数株主 はその持分を購入す ることを しば しば第一 に

88) Wiedemann,DieUnternehmensgruppeim Privatrecht(1988),aaO(Fn.

1),S.62.なお,株式会社の場合を含め一般的に契約方式が コンツェル ン規制 に おいて有す る意味について,早川勝 「ECにおける企業結合 に関す る会社法の調整

9デ ィレクティブ第二次提案を中心 と して ‑ 商法学 における論争 と 省察』(乎 2)所収785,809頁。

(3)

会社法の見地か らの企業結合形成段階の法規制について (2・完) 135 少数株主 に申 し出な ければな らない。 なお,付 け加 え る と,多数 株主 は,少数 株主が あい に く購入 で きない時点 で それを行 うことが で きるが, その場合 もさ

らに保 護 規 定 が用意 されて い る。そ う した こ とか ら,現実 の 出発状 況 にお いて, ドイ ツ とスイ スの状 況が非常 に異 な って い ると述 べ られ る89) ,

これを うけて,Hom m elhoffは,以上 が重要 な指摘 で あ る と し, ドイ ツに おいて も,小規模 な会社 の コ ンツ ェル ンにあ って,議 論 の重要 な手がか りにな る との認識 を示 して い る。す なわ ち,次 の よ うに述べ る。連邦通常裁判所 が コ ンツ ェル ンの入 口で の保護 を保 障 したStissen判決 で は,一 定 の措 置 にお いて 支配 を取得す る ことにな る会社 は同意 を得 なけれ ばな らない とされ た。 同意 を 得 な けれ ばな らない ことは挺子 の働 きを し, それを手 がか りと して定款 お よび その他 の契約 を とお して局外社員 が 自衛 す ることを可能 にす る。 こ う して,小 規模 な,同族 的 コ ンツ ェル ンは, おそ らく,大規模会社 の場合 とは別 の規制 に

よ って取扱 われ る ことにな ろ うと述べ られてい る90)0

なお,上 にHommelhoffはStissen判決91)に言及 している。 この判決および その3年足 らず後のHeumann‑Ogilvy判決92)は,競業禁止を コンツェル ン形 成の裁判上のコン トロールのための挺子 として少数派社員の保護 に役立てた93)0 stissen判決 については既 に若干の言及をな したが94), ここでやや詳 しくみてお きたい。両判決の法的な中心 となる考え方 は共通 している。同時に競業企業を支 配す る企業 ‑社員に従属することは,たんに経済的成果を削減す るばか りでな く,

その存立をおびやかすよ うな状態 に導 く可能性がある95)。 これに対 して,支配力 の行使 についての規定 は,支配力行使 によって もた らされた状況の法的規制のた 89)以上,Staehelin発言 (Druey(Hrsg.),DasSt.CallerKonzernrechtsgesp‑

rach(1987),S.146)0

90)以上,Hommelhoff発言 (Druey(Hrsg.),DasSt.CallerKonzernrechtsgesp rach (1987),S.146)0

91) BGH Z80,S.69.

92) BGH Z89,S.162.本件につき,大和正史 「支配的社員の義務 法 と政治の理 論 と現実下 (関西大学法学部百周年記念』所収 (62)377貢以下,および神作裕 之 「商法における競業禁止の法理(3)」法協107巻10号 (前掲注2)1583,1585 以下,に紹介 ・検討がなされている。

93)Raiser,WettbewerbsverbotealsMitteldeskonzernrechtlichen Praven‑

tivschutzes,in:FestschriftfiirWalterStimpel(1985),S.855,857. 94)本稿 ・前掲注40)

95)支配社員が被参加企業のいずれに将来の事業機会を帰属させ,利益を得 させるかを 掌握 しているか らである。

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136 42 1

め に十分で はない。支配社員のなす事業上 の配分 は, しば しば,それを個別化 し て法的 に評価 しうるのに十分 な程度 に明 らか にされ得 ない し, またその配分が, 従 属会 社 お よびその少数 派社員 か らみて,状況 に適 合 し, また望 ま しい もので あ ったか ど うか につ いての客観的な基準 も欠 けてい る。 ここに生ず る利益衝突 は, 学説上, よ り厳密 に明 らか にされて きた ところであ る。二つの競業企業 を同時 に 支配す ることによ り,企業成果 を高 め るべ きその社員 の誠実義務が両方 の企業 に 対 して表 に出て くることにな る。 この二重 の誠実義務 は満 た され得 ない。支配社 員 はどの事業機会 もいっ もその一方 にのみ配分す ることがで き,その場合 もう一 方 の企業を必然的に義務 に反 して不利 に扱 うこととなる。 96)。 これ らの理 由か ら, 連邦通常裁判所 は,そ うした状況が創設 され るとい うことだけで既 に法 的 コン ト

ロール に服せ しめねばな らない, と結論づ ける。そ うした状況 の創設 は原則 して 許 されない。支配社員 は,それゆえ に商法112条,株式法88条の類推 および誠実義 務 を もって根拠づ け られ る法定 の競業禁止 に服す る 何 か別の ことが妥 当す るの は,定款 において社員 に競業企業‑の資本参加 が許 されて い るか, また は他 の社 員が同意す る場合 のみであ る 定款 において競業禁止 の免除が残余 の社員 の多数 決議 を もって定 め られ るには,問題 にな ってい る競業行為 を許す ことが,すべて の事情 を比較検討 した上で,企業のためにな り, したが ってまた少数派社員 のた めになる, とい うことが加わ らねばな らない。

連邦通常裁判所 は,必要 な比較衡量 を個 々的 に も詳 しく述べてい るが, ここで の議論 との関係で特 に注 目され ることと して,Stissen判決 において,支配社員が 競業企業 に参加す る客観的な理 由のあ る場合で あ って も, なお手段 と目的のつ り あいが考慮 されねばな らず, とりわ け社員が持分を会社 と信託関係 に入 ることな しに取得 し得 るか どうか, また会社 に生 じうる不利益が別 の方法で補償 され うる か どうか,が吟味 され るべ きであ ると している97)。以上の よ うに,競業禁止 の免 除 は例外的 にな され得 るにす ぎない。それ に対す る障壁 は非常 に高 く,その結果, 支配社員 は通常競業企業‑の参加 を少数派社員 の意思 に反 して成 し遂 げ ることを 期待 し得 ない。支配社員 は少数派社員 との間で,双方 にお いて受 け入れ ることの で きるよ う調整をはか り,合意す るとい う途 を とらざるを得 ない98) 。

Staehelinや Hom m elhoffの指摘 との関係 で,Lutterは, ドイツが株式 会社 コンツェル ン法およびそれ と全 く異なる有限会社 コンツェル ン法の二つの コンツェル ン法を有す るとの認識を持っ ことが重要であると述べている。有限 会社 コンツェル ン法 は, ドイツの有限会社 において も,スイスの株式会社 にお いて も可能なすべての手段,例えば定款の定めによる買取権,および同意権,

96) Mestmacker,Verwaltung,Konzerngewalt und Rechte der Aktionare (1958),S.166ff.Raiser,aaO (Fn.93),S.859.

97)BGHZ80.74f.

98)Raiser,aaO (Fn.93),S.863f.

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会社法 の見地か らの企業結合形成段階の法規制 につ いて (2 ・完) 137 な らびに譲渡制限等を利用す ることで,社員の 自衛 にゆだね得 る広範 な余地を 有す る これに対 し, ドイツ株式法で は,上記の手段すべてが利用可能 とい う わけではな く,その結果,そ こでは社員 (株主)の 自衛 にゆだね得 る余地 は限

られている99) .

実務界において,局外社員 とのさまざまな範囲に及ぶ合法の コンツェル ンに かかわ る契約が知 られている。そのい くつかは既述の ところか ら窺え るが,拡 大 された情報取得の可能性か ら業務執行者の地位の保証 にまで及ぶ ものである といわれ る100)。人的会社の関与す るコ ンツェル ンとの関係 で,Ulmerは, 少数派が同意を与え るか どうかの判断にあた り依 るべ き反対給付 または保証 ‑

99)Lutter発 言(Druey(Hrsg.),Das St.Galler Konzernrechtsgesprach,S.

146.また,法形式 に左右 されない コンツェル ン法 は,考察の端緒 においては確か に魅力的な観念であるが,法形式の現 にあ る違 いか ら早 々に限界 に突 き当たるであ ろ うとの指摘 も見 られ る。そ して,有限会社 コンツェル ンについて,株式会社 コン ツェル ン法の規定 に対 し独立 して議論 されねばな らない とい うことが,ほとん ど一 般的に認識 され るよ うにな って きている。有限会社 において,誠実義務 (Treup‑

flicht)が法形式 に固有の コンツェル ン法上の保護手段 として非常 に有効であ ると され て い る。Winter,Diskussionsberichtzu den Referaten Stimpelund Ulmer,in:ProblemedesKonzernrechts,Symposion zum 80Geburt stag Yon Wolfgang Schilling (Hrsg. Ulmer) 1989, S.66f.さ らに, Raiserも,会社の態様 による区分を認め る。すなわち,実際上誠実義務 は,社員 相互の依存関係の ほとん ど存 しない資本的な会社で は,社員 は大 きな障害 な しに会 社か ら離脱で きるか ら, さ したる役割を演 じないと し,そのような場合には,参加 持分の価値を会社の支配企業 に対す る損害賠償請求権および損失 引受請求権を とお して保護す ること,そ して場合 によ って は,株式法304条,305条 によるよ うに, 資格 を付与 された従属関係が生ず る場合 にういて支配企業 に対す る代償請求 による 脱退権 または配当保証請求権 を とお してそれを補完す る ことで,十分で あ るとす る。それ に対 し,前述 の判決 (荏(92)参照) にみ られ る商法112条を類推す ること での法定の競業禁止 は,支配社員が業務執行者であるか,または少な くとも定款 に よ り業務執行者類似の地位を占めている場合 に限 られ るべ きであ ると して,競業禁 止 によるコ ンツェル ン法上の予防的保護 の射程を限定す る。なおその際,Raiser

は,LutterTimmが, コンツェル ン法上の予防的保護 は人的に構成 された会社

そ こでは,社員が密接 な人的協 同を とお して相互 に結 びつ きそ して相互 に依 存せ ざる得 ない, とい う組織形態がみ られ る ‑ においてのみ正当化 され,それ はなかんず く社員 自身が企業上 の任務を引 き受 ける時妥 当す る, とい う指摘をな し て い る ことに言 及 して い るo Lutterund Timm,KonzernrechtlicherPra‑

ventivschutzim GmbH ‑Recht,NJW1982,S.409,418rr. 100)Wiedemann,aaO (Fn.88), S.62.

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それ によ ってあ らか じめ 自 らその保護 を備 え ることがで きる ‑ につ い て, とりわけ考慮 され るもの と して,少数派 に対す る利益保証 または最低配 当 額,代償提供等 を支配企業 と取決 め ることであ ると している101)0

社員間の合意 は,最終的には, この 目的のための社員決議 を とお してな され る ものであ り,その決議 において局外社 員が ‑ その多数 を もって ‑ 定の コンツェル ン措置 に同意 し,そ してその機会 に利益 を守 るとい う形 を とる が, これ は,支配企業が コンツェル ン上 の取決 めに自発 的に携わ るとい うこと がない限 り,社員総会 の権限を前提 とす る。 これ には,様 々な基礎が考 え られ

る。総会 の権限が本来 は別の理 由か ら備え られてい るが,それが,たまたま, コンツ ェル ン形成 に関 して と られた措置 に関係 し102),その対象 とな る事項 に おいて多数社員の議決権行使が拒 まれた り,少 な くともその決議が裁判 におい て実体 的な相 当性 に照 らして審査 され うる時103)には, コンツェル ン形成 に向 き合 うことにな る し, また,意図 してなされ ることであ るが,会社契約 または 定款 において コンツェル ンに伴 う利益衝突 につ いてあ らか じめ配慮 しておかれ

ることも考え られ る104) 。

しか し, ここでの本質的な問題 は,社員総会 の強行法的な権限につ いて問 う

101) Ulmer,Grundstrukturen eines Personengesellschaftskonzernrechts, in:ProblemedesKonzernrechts,aaO (Fn.99),S.26,51.

102)ドイツでは,例えば譲渡制限株式の譲渡,増資に際しての新株引受権の排除また は他の社員の買取権および先買権があげられるとされている。Wiedemann,aaO

(Fn.88),S.63.

103)先にみたStissen判決 (91)参照。なお,LutterおよびTimm は,従属性を 創設する決議につき,上記判決で問題となった契約上の競業禁止の免除の場合に限 らず,有限会社法について一般化できる原則を示す。すなわち,有限会社の従属化 を基礎づけるか,またはその可能性のある社員総会の決議はすべて,特別の実体的 な決議条件,つまり,従属状態の創設に関する実質的な必要性,および (手段と目 的との)釣 り合いが保たれていること,‑かつそこではもっとも慎重な手段であるこ とを求める原則を顧慮すること,に服すると。LutterundTimm,aaO (Fn 99),S.416ff.Timm,ZurSachkontrolleYonMehrheitsentscheidungenim Kapitalgesellschartsrecht,ZGR1987,aaO (Fn,1),S.424f.

104)具体的な措置につき,Lutterund Timm,aaO (Fn.99),S.417.参照。早 川勝 「競業禁止 と会社の従属関係」産大法学17 1・2号 (前掲注2)131頁にそ の紹介がなされている。

(7)

会社法の見地か らの企業結合形成段階の法規制 につ いて (2 ・完) 139 こと, したが って, コンツェルン形成 に際 して,法秩序 によって保障 される少 数派社員の保護を もって始 まる。不可欠の社員の同意 または強行法的な総会の 権限につ いて,Ulmerは,人的会社の局面で検討 し105),またWiedem ann は,後述す るように従属会社の法形式を問題 にせず,機能資本家たる社員相互 の人 的な強いっなが りを基礎 に築かれ る企業者共同体 (Unternehmergem ‑ einschart)たる特色を有す る会社の局面で検討す る106) 。

上 の局面で強行法的な総会 の権 限を根拠づ けることにつ き,Wiedem ann は,会社の経済上の独立性およびそれに関連 して人的に構成 された会社 におけ る各社員の人的独立性が業務の基礎をな していることが挙 げ られ るとす る。そ れ は,経済上の非常時における方針の変更を除外す るものではないが,その際 には,すべての社員 に,いかにそ して どうい う損害を伴 って方針の変更が実行 され るべ きか につ いての共同発言権 を保障 しなければな らない ことを意味す 107)O なお,社員総会の権限は,従属化 に導 く方法 によって左右 され るもの ではない とされ る108)a

決議 の形式的要件 について,議論の余地がある。Ulmerは,人的会社の場

105)Ulmer,aaO (Fn.101),S.50ff.なお,わが国で は,立法論的 に妥 当でないと 有力に主張されているが,会社が他の会社の無限責任社員 とな りえない旨,定め ら れている (商法55条)。 ドイツで は,会社 も無限責任社員 とな り得 るかについて, 肯定説が通説 になっている。竹内昭夫 「55条」 新版注釈会社法(1)』(60)96 頁参照。

106)Wiedemann,aaO (Fn.88),S.64.

107)Wiedemann,aaO (Fn.88),S.64.また,Ulmerは, コンツェル ンに組み入 れ られる人的会社 に関 して,社員決議の不可欠性を次のように説明 している。人的 会社を支配企業の統一的指揮の もとにお くことは,必然的に企業指揮 にとっての規 範 としての会社利益が コンツェル ン利益 と並列す るもの として相対化 され,さらに はコンツェル ン利益 に取 って代わ られる, とい う結果になる。それは,確かに支配 企業 とその他の社員 (多数派 と少数派) との間の 目的追求の共通性を締め出す もの ではないに して も,おそ らく,会社基礎の変更を意味 し,その ことは会社の目的条 項およびそれによって評価 され るべ き業務執行者の注意義務 についての重大な法的 効果を伴 うものである。以上の ことか ら, この構造上の変更 は,会社が もとは独立 した人的団体 として,または確かに従属 しているが コンツェル ンに組み入れ られて いない人的団体 として存立せ しめ られていた限 りで,契約を変更す るコンツェル ン 創設決議を必要 とす る, と。Ulmer,aaO (Fn.101),S.50.

108)Wiedemann,aaO (Fn.88),S.65.

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合において,契約変更 (会社基礎の変更) として,コンツェル ン創設決議 は全 社員の同意を必要 とす ると解す る。そ してその ことは,定款がその変更に関す る多数決条項を含んでいるか否かに無関係 に妥 当す るとす る1) 。 多数決条項 は,支配企業の統一的指揮の もとに社員が従属化す ることが反対派社員の社員 権の中心部分に影響を及ぼす ことになるとの理 由か ら,適用で きないとい うの である。W iedem annは,前述の企業者共同体 たる性格を有す る会社 におい て, コンツェル ン法上の従属性 に導 くすべての措置に対 し,定款変更その他に 必要な多数要件が求め られ るとい う110)。 理 由のない抵抗がなされ るか もしれ ないことに配慮す るもの と思われ る111)。 有限会社 との関係では,前者の全員 一致の考え方 は,決定が とざされ る望ましくない状態に導 く可能性があり,他 方,後者の考え方 について も,少数派の利益があまりにもたやす く見失われる 可能性があると思われ る そこで,実体的基礎を制御す る尺度を追加す ること によって全員一致原則 と多数決原則の間の歩み寄 りをはかろうとす る見解 も存 す る。 この両者を媒介す る解決 は,場合 によっては反対 している少数派の同意 を義務づけることをとお して決定が とざされることに対 し防御 されねばな らな い全員一致の要請 よりも,手続上容易に実現され得 る。そ して, この解決 は高 め られた誠実義務の出現形態 として, とくに,既に多数を成 している企業たる 社員の決定が制御 さるべ き場合に必要であ り, したが って,一般的にいって,

コンツェル ンに伴 う利益衝突が対象になることが多いとされ る112)0

社員決議が不可欠 とされるときに,その決議がなされなか った場合の法律効 果については,人的会社に関 してであるが,次のような解釈論がみ られ る なわち,決議な しに会社をコンツェル ン利益に向けられた支配企業の統一的指 揮の もとにお くことは,不法行為の構成要件にあた り,注意義務 に違反す る業 務執行 にもとづ く損害賠償請求権 113)および支配企業 に対す る統一的指揮の停

109)Ulmer,aaO (Fn.101),S.50f.

110)Wiedemann,aaO (Fn.88), S.64.

111)Wiedemann,aaO (Fn.88),S.65.参照。

112)Timm,aaO (Fn.103),S.421.

(9)

会社法の見地か らの企業結合形成段階の法規制について (2・完) 141

止 ‑ 会社 における業務執行権限 または指図権 限の放棄 によ ってか, また は その はかの企業上 の活動 の放棄 によ る ‑ の請求権が生ず ることにな る, と の見解であ る114)。 それ は,契約上企業指揮が会社利益 のためにな されねばな らない ことと相入れない とい うことを根拠 とす る もので あ る。そ して,それ は, 支配企業が株式法18 1 3文 の コンツェル ン推定 について反証で きない とき 既 に妥 当す るもの とされ る コンツェル ン推定 に基づ き,不法行為の要件 は従 属関係が成立す る時点で存す ることとな る。その推定 を くつがえす には,支配 企業の側で,支配企業が指揮力の行使 において もっぱ ら従属企業の利益 に合致

させているとい うことを立証 しなければな らない115)。

最後 に,社員の同意 または社員総会 の決議が強制 され る範囲の限定 について で あ るが,前述 の よ うに,W iedem annは,企業者共 同体 た る性格 を もつ会 社 において社員の決議が必要であ ると考え られ るとして,やや広 い範囲を射程 に入れ る。この考 え方 に従 う場合,そ こで示 され る企業者共 同体 とい う概念が, 従属会社 の法形式を問題 にす るので はな く,現実の構造を基準 とす るものであ

るため116),それ によ る限定 は明確化 の必要 が あ る 典型 は,人 的会社 また は有限会社の形式 において,すべての持分所有者が業務執行 もしくは企業指揮 において責任 を伴 った活動 を引き受 けるとい うよ うに創設 された ものであ る, とされ る。 しか し,若干の投資社員が決定的な影響力 な しに存在す る商事会社

(Handelsgesellschaft)もここに含 まれ る117'。

113)この請求権を少数派 もまた,社員訴権 (actioprosocio)の方法で主張 しうる。

また,請求権の貫徹のため,広範な挙証責任の転換がはか られる。Ulmer,aaO (Fn.101),S.53.

114)Ulmer,aaO (Fn.101),S.53.

115)Ulmer,aaO (Fn.101),S.53.また,Winter,aaO (Fn.99),S.66.参照。

116)Wiedemann,aaO (Fn.88),S.64.参照。

117)Wiedemann,aaO (Fn.88),S.65.参照。

(10)

142 42 第 1号

(3)代償モデル

1.考察の対象 と視角

独立 していた会社が コンツェル ンに組み入れ られ ることが阻止 されず,また 他の社員の関与が強制 され ることも,たまたま社員 (株主)総会がそれに関与 す る権限を持つ とい うこともな く,その結果,支配企業が権能付与 な しに支配 権を握 ることがで きる場合,少数派社員 (株主)の法的救済手段 として残 るの が, この規制モデルである118) 。 このモデルにおいて,局外社員 (株主) は, 持分 (株式)の交換 もしくは現金支払いの形で代償を受 け,または配当保証の 形で 自社 において準社債権者 としての地位 におかれ る119) 。

この代償モデルは,各国において様 々な形を とって現われている。 ドイツで は,代償モデルは企業契約,なかんず く支配契約を介 して法規上株式法304 以下で実施 され る。 しか し, この契約 コンツェル ン規制 は,支配契約を締結す るか どうかを支配企業の 自主的判断に委ねてお り, したが って 「企業契約の締 結 は完全 な支配 の前提条件 で はな く,む しろその結果 にす ぎない」120)と鋭 く 述べ られ るよ うに, この規制が発動 され る時点 について不備が指摘 されている ことは,既 に述べた121) 。 対比 してよ り早 い段階を とらえ るもの として,例え ばアメ リカ法では,株式譲渡 による支配権移転の場合 に関 して,そ うしたいわ ば会社の基礎的変更 に直面す る少数株主 に,支配株主 と同 じ条件で会社か ら離 脱す る機会が与え られるとい う結果を もた らす ことによ りその保護をはか ると い う着想を もつ判決が知 られてお り122), また,イギ リスの シテ ィー ・コー ド やフラ ンスの公認仲買人組合規則 において,支配株式を取得す る者 に,他の株 主‑の買付 申込を強制す る方法が制度化 されていること,等が挙 げ られ るが, それ らは代償 モ デル の独 自の現われ と して も注 目され る。 ドイ ツの規制 に

118)Wiedemann,aaO (Fn.88),S.65. 119)Wiedemann,aaO (Fn.88),S.65. 120)Wiedemann,aaO (Fn.88),S.66. 121)本稿Ⅱ(2)2 (商学討究41 495‑96頁)0

122)例えば,Jonesv.H.F.Ahmanson& C.,1Cal.3d93,460P.2d464(1969)0 148)も参照。

(11)

会社法の見地か らの企業結合形成段階の法規制 について (2・完 ) 143 おいて問題 なのは,つ まるところ,代償権 それ 自体 につ いてで はな く,む しろ法 律上の救済をいっ発動す るか とい う時機の問題ではないか,とも考え られる123) 0

ところで, ドイツ株式法や1984年 に公表 されたEC会社法の第 9デ ィ レク ティブ案の修正提案では,契約 コンツェル ンと事実上の コンツェル ンとの二元 的規制が基礎 とな っているが,EC会社法 において,代償,補償,損失引受 と いったコンツェル ンに特有の保護手段を,支配契約その他の契約が締結 されて いるか否かにかかわ りな く, 「コンツェル ン構成要件」が満たされた時点で発 動 され るもの とす ることが検討 された ことが ある124)。 そ して, この構造的 コ

ンツェル ン規制の着想 に回帰す る側面を もち,代償モデルの‑態様 として も言 及 され る125)もの として,株式公開買付およびその他 の買付 申込 に関す るEC 会社法第13デ ィレクティブ案 4126)がある。

以下では, このEC会社法第13ディ レクティブ案 4条 について概観 し,その 企業結合法上の位置づけを検討す ることか ら始め,次いでアメ リカ法の状況を 概観 し,そののちさ らに一般的に代償モデルについて検討す ることとす る。出

123)殊 に,株式法の規定の外では,人的会社 または有限会社の法形式のすべての事業 会社 において,重大な事由にもとづ く構成員の脱退権を根拠 に,代償請求権が相当 な法的救済手段 になることを指摘する見解があるが,その際 この法的救済をどの時 点で発動す るか,すなわち従属化の時点か, コンツェル ン帰属の時点か, もしくは いわゆる中央集権的コンツェル ン指揮の成立の時点か,について問題 になるとされ ている.Wiedemann,aaO (Fn.88),67.また,株式会社の場合に も,事実 上のコンツェル ンではあるがその結合関係の状況が契約 コンツェル ン規制の想定す る状況に相当す るような事態が生 じていると,論理整合的に契約 コンツェル ンの規 制を輯推適用でき,従 ってすべての局外株主 は他の措置 とともに代償請求権 も有す

るべ きであるとす る見解が解釈論 として もみ られ る。例えば,Lutter,ZurAuf gabeeinesKonzernrechts:SchutzvorMissbrauch oderOrganisations‑

recht?,in:Druey(Hrsg),DasSt.GallerKonzernrechtsgesprach (aaO (Fn.33)),S.229.ただ, この類推の提案に対 しては,現行法の もとで,消極的 な見解 も少な くない。 この点 について,Ⅲ(3)4dで詳 しく検討す る。

124)森本滋 『EC会社法の形成 と展開』 (前掲注36))368頁参照。1974/75年の コン ツェル ン法予備草案における意味での 「構造的 コンツェル ン体制」(Organischen Konzernverfassung)」の構想,1975年以来の ヨー ロ ッパ会社法(sE‑Statut) についての修正案 は, コンツェル ンに特有の保護条項 (代償,補償,損失引受)香 単純なコンツェル ン構成要件の発生 に結びっける。

125) Hommelhoffund Kleindiek,Takeover‑Richtlinie und europaisches Konzernrecht,AG1990(aaO (Fn.54)),S.109.

(12)

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発点 として,上記デ ィ レクティブ案を取 り上 げる理 由は,すでに これ と同様の ルールが少 なか らぬ国で採用 されてお り,またその適用範囲 も公開買付だけで な く,支配株式取 引や市場 における大量買集めによる支配取得 に及び,広 い こ と, またわが国で もこのルールを支持すべ きもの とす る学説上 の主張がみ ら れ,さ らに平成 2年証券取 引法の改正 によ り,イギ リス等の制度 を参考 に して, それよ り緩和 されているが関連性 の認 め られ る制度が導入 された こと127), し か しそのルールの企業結合法的側面については必ず しも十分 に詰 め られてきた

とはいえない と思われ ること,である

126)Proposalfora Thirteenth CouncilDirectiveon Company Law con‑

cerningtakeoverandothergeneralbids,COM (88)823final(0J C64,

14.3.89,p 8.)これは,1989 1月19日にEC委員会 によ って提案 された もの であ る (以下,第一次提案)。その後,同デ ィ レクテ ィブ案 は,EC委員会 によ り

一部改正 され,19909月14日に閣僚理事会 に提 出された (o J C240,26. 9.

1990,p7.以下,第2次提案)。 この両提案 について紹介 ・検討す るもの として, 布井千博 「ECにおけるM&Aの法規制〜株式公開買付 に関す るEC会社法第13 令案を中心 と して〜 (上)()」国際商事法務19 2号 ( 3)146頁,同19 3 304頁。本稿で は,以下 に同デ ィ レクテ ィブ案4条 をめ ぐって概観 して行 くが, こ れは主 に第 1次提案を基礎 にす るものである。後 にみ るよ うに,第 1次提案の もと で,その コンツェル ン法的側面 に関す る議論が学説上積み重ね られていることに配 慮 した ものである。 4条 に関 して第2次提案で大 きく変わ った点 と しては,買付 申 込の義務の免除の範囲を広 く定 め,各加盟国がその範囲で 自由に免除規定を設 ける ことを認 めた点が あげ られ る (4 2C項)。免除 され うる場合 と して定 め られた 項 目 (とりわけ同項(e)号)をみ ると, この規制 においてEC委員会が問題 を第 1 的に市場法的観点か ら取扱 ってい るとい うことが窺 え る。Lutter,Europaisches Unternehmensrecht3.Aurl.(1991) S.642.しか しそれ に もかかわ らず,第 1 次提案の もとで積 み重ね られた コンツェル ン法的観点か らの議論 はここでの考察 に つ き有益であることに変わ りない。

127)森淳二郎「会社支配取引の動態的論理構造」商事法務1193号 ( 1)22,24頁。ま た,平成2年証券取引法改正 における公開買付制度 の改正やそれに伴 う政省令の改 正 において,証券取引所および店頭市場以外の取引につ いて,相対取 引 と認め られ るものを除 き原則 して公開買付制度 に拠 らねばな らない ことと し, さ らに相対取引 と認 め られ る少数の者か らの買付 けであ って も,対象会社の支配権 に重大 な影響を 及ぼすよ うな買付 けについては原則 として公開買付 に拠 らねばな らない もの とす る 規制がおかれ,上記のイギ リス等のルール との関係で注 目され る。 この改正証取法 の規制 につ いて,後掲注151)参照。 また,イギ リスの大量取得 の場合の義務 的公 開買付 制度 との関係 につ いて, 内藤純一 「株式公 開買付 制度 の改正」商事 法務 1208号 (平成2) 2頁, 4頁。 また,河本 はか 『第三者割 当増 資 (企業金融 と商 法改正2)』(平成3)120貢以下参照。

(13)

会社法の見地か らの企業結合形成段階の法規制について (2・完) 145

2. EC会社法第13デ ィレクテ ィブ案4条の検討 ‑ 買付 申込の強制

8.

13デ ィ レクティブ案 4条 1項 において,会社の議決権の一定比率以上を有 す る (対象)会社の株式を取得 (既 に保有 している株式 と合算)す る者 に, こ の会社 の残余の株式 について買付 申込 をなす ことが義務づ け られ る。上記の比 率 につ いて,各加盟国 は3分 の 1よ り低 く設定す ることはで きるが,それよ り 高 く定 めてはな らない とされてい る。第 2項 は,第 1項で示 された限界値の算 定 につ いて,合算 され る4つの場合を示す128)0

なお,監督官庁 は,第 1項の適用を免除す ることがで きる。その際,適用の 免除を認 め る決定 は十分根拠のあ るものでなければな らない。また,それ以外 に も,すべての株主 の平等取扱 いを確保す るために必要 な措 置が と られ うる

(3項)。 これ は,一定の状況の もとで,第 1項 に定 め られた買付 申込 の義務 づ けをな して も,望 まれ る結果 にな らない こともあ る, とい う事態 に配慮す る

ものであ る。第 1項の義務づ けが度 を越 してい ると考え られ る場合 には,例え ば贈与 または相続 によるよ うに,たん に偶然ので きごとによ ってのみ限界値が 満 た され るであろ う場合があげ られ, またその はか に も,買付 申込が株主 の利 益, またはそればか りかデ ィ レクテ ィブを もって追求 され る目的に背 く場合が あ り得 る。そのため,監督官庁 は,その決定 につ いての根拠を示 して買付 申込 の義務づ けを免 除 しうる とされ るので あ る129)。 なお,脚注126)で指摘 した よ うに,第 2次提案 は4 2C項 において買付 申込の義務 の免除の範囲を広 く 128)第 1次提案では,買付申込者の有する議決権に以下のものが合算されるべきであ るとされている。(a)自己の名をもって買付申込者のために株式を保有する者の有す る議決権,(b)適切であると認められる場合,買付申込者と共に,第7ディレクティ

(CouncilDirective(EEC)83/349(OJL193 18.7.83, p.1.) 1条の 意味での同 じグループの事業 (undertakings)に属する会社の有する議決権,(C) 買付申込者と協調 して行為する者の有する議決権, (d)適切であると認められる場合

には,買付申込者が会社である時,その会社の取締役の有する議決権。なお,第2 次提案では一部修正されている。それについては,布井 ・前掲注126) (国際商事 法務193号)305貢参照。

129)Assmann/ Basaldua/ Bozenhardt/Peltzer,tJbernahmeangebote, ZGR‑SOnderheft9 (1990),S.242.

(14)

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定め,各加盟国がその範囲で 自由に免除規定を設 けることを認めた。

この公開買付 申込の義務づ けは大規模 な対象会社 について生ず るに とどま り,その他 については監督官庁が この場合の買付 申込者 に対 しその義務を免除 す ることかで きる (4 3項, 5条)130) 。 その他 の点で は,デ ィ レクテ ィブ 案は (3分の1の)限界値の取得方法を問題 に しない。 したが って,加盟国立 法者 によって定め られた参加限界値が,公開買付によってのみな らず,取引所 での匿名的な株式取得や特定の支配株主か ら株式の支配的ブロックを譲 り受 け ることによって満たされた時で も,ただちにその他の株式に対す る買付申込の 義務が生 じる131)0

この規定の根拠 は,公式理 由書 によれば,株主平等取扱い原則の遵守を確保 し,また純粋 に投機的な性質の部分買付けを防止 し,そ して部分買付けの方法 で,保持す る株式を買付け られなか った株主が,買付け後なお保持 している株 式の価値低下による財産の損失を被 ることを防止すべ きことであるとされてい

132)0

b. 企業結合法的側面

前述 の公式理 由書 の理 由づ けにつ き,Hom melhoffとKleindiekはそれ が不十分な結果に終わっているとし,その規制 はたんに市場法的な観点か らだ けでは理解で きず, コンツェル ン法上の考察を も基礎に しては じめて理解で き ると指摘す る133) 。

い うまで もな く,上記 デ ィ レクテ ィブ案 はイギ リスの シテ ィー ・コー ド

130)第一次提案の5条 は買付 申込の対象会社の規模 に もとづ く免除を定め る。 なお, 第 2次提案 においては,本デ ィ レクテ ィブ案の規制範囲 に関 し,規制の対象 となる 公開買付等の範囲 は, 「加盟国法の規制下 にあ る会社の株式で,当該株式が,公的 監督機関 による規制 と監督 に服 し ・定期的 に取 引が行われ ・直接 または間接的 に公 衆の利用が可能 な‑加盟国以上の証券市場 において上場 されている場合」 に限定 さ れている (1 1項)。布井 ・前掲注126)(国際商事法務193号)305頁参照。

131)HommelhoffundKleindiek,aaO (Fn.125),S.107.

132)Assmann u.a.,aaO (Fn.129),S.241.Hommelhoffund Kleindiek, aaO (Fn.125),S.107.

133)HommelhoffundKleindiek,aaO (Fn.125),S.106.

参照

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