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栄養補助食品付加による充足の可能性

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Academic year: 2021

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全文

(1)

病院食の微量ミネラルの摂取状況と 栄養補助食品付加による充足の可能性

栄 養 課 相馬 老人保健施設 越後

代謝内科 辻

K・Kメフォス 安村

愛子,山田 朋枝,小笠原加津子 弘子

昌宏

幸恵,松澤 雅代

Key Words:

不足しているミネラル

         目  的

 病院給食で栄養管理上求められているのは、エネ ルギー・たんぱく質・脂肪比・カルシウム・鉄・ビ タミンA・BI・B2・Cである。しかし近年微量ミネ ラルの働き、役割が明らかとなるにつれ、病院食に おいても当然その役割が期待される。

 日本食品成分値の5訂1)が2000年に発表され、更 に日本人の所要量として第6次栄養所要量2)に初 めて微量ミネラル量が追加された。

 しかし中村3)らは、病院で提供されている食事 ではミネラル量が栄養所要量を満たしていない、と 報告している。当院の食事でも同様な事が考えられ

る。そこで、当院の病院食において充足率の低いと される鉄・亜鉛・銅量について検証し、更に不足の 際の充足方法を検討したので報告する。

         方  法

 検討基準として、1)食事は1600キロカロリー軟 菜食、所要量として2)50歳〜69歳男子、を選択した。

 1600キロカロリーの食事基準として1)充足率が 低いとされている、2)使用頻度が高い、3)ミネ

ラル量が多いとされる貝類を禁止としている、の3 点を理由として選んだ。

 又鉄は図1に示したが、「鉄強化食品」の使用で充 分補え、この検討からはずした。

1 現在使用している献立(以下基本献立)から亜

 鉛・銅:量を算出

H 基本献立に亜鉛・銅を多く含む食品を付加・あ  るいは変更し(以下変更献立)、亜鉛・銅山の充足  率を検討

140 120 100 80 60 40 20  0

□基本献立

■鉄強化味噌使用献立

1日 2日 3日 4日 5日 6日 7日平均  図1 鉄強化味噌使用による充足率

皿 経腸栄養剤(エネルギー補給を目的としている  物)、及び栄養補助食品(ミネラル補給を目的にし  ている物)を基本献立に付加して充足率を検討

IV その際の価格の検討  以上の4項目とした。

         結  果

 基本献立のミネラル量は亜鉛74%・銅64%であっ

た。(図2)

変更献立の亜鉛は、平均74%から83%で、一番変更 が少なかった日で74%から78%、変更が多い日で 74%から103%であった。銅は平均64%から68%で あり、変更の少ない日で64%から65%、多い日で 64%から71%であった。(図3)

一7一

(2)

北海道社会保険病院

第2巻 2003

160 140 120 100 80 60 40 20 0

K   Ca  Mg  P   Fe  Zn  Cu  図2 基本献立のミネラル充足率

% 180 160 140 120 100  80  60  40  20

 0

ロ基本献立 ■付加後

 図4 経腸栄養士・栄養補助食品の充足率(亜鉛)

□基本献立 ■変更献立

□基本献立  ■付加後

90 80 70 60 50 40 30 20 10 0

    亜鉛       銅

図3 献立変更による亜鉛・銅の変化(平均)

 尚、その他の主な栄養量は各々平均 エネルギー

1.5%(26キロカロリー)たんぱく質1,5%(1.8g)脂 質5.5%(1.9g)鉄2%(0,2mg)増であった。

 経腸栄養剤(メイバランスC〜テルミールミニ)

では100キロカロリー付加で検討したが、図4に示 した通り各々100%の充足を示したものは無かった。

 亜鉛ではテルミールミニの78%が低く、リカバリ ーの85%の充足率が高い結果であった。

銅は、メイバランス・ライフロンP−Zの65%が低く、

テルミールミニの74%が高い結果を示した。

 栄養補助食品(ブイ・クレス〜テゾン)では同じ く図5に示したが、食品の目的の違いで充足率に差

120

11:

1:

2:

  図5 経腸栄養剤・栄養補助食品の充足率(銅)

が生じた。ブイ・クレスは亜鉛補充を目的としてい るため165%の充足となったが、銅に変化は無かっ た。一方、テゾンは亜鉛110%・銅97%となった。

 金額では通常の付加単位は1本であり、1本の価 格で検討したが、160円から225円迄幅広い結果とな

250 200 150 100 50

 0 〃盤邸、瓢

   図6 経腸栄養剤及び栄養補助剤の価格

一8一

(3)

病院食の微量ミネラルの摂取状況と栄養補助食品付加による充足の可能性

つた。 (図6)

         考  察

1 献立を使用するにはエネルギー・たんぱく量等  が基準以内でなければならないが、今回の変更献  立では亜鉛が10%、銅に至っては4%の増にしか  ならず、献立の変更だけではミネラル量を充足さ  せる事には無理がある。

H 経腸栄養剤では充分なミネラルの補給には至ら  ず、しかもエネルギー増という問題が生じた。

IH 栄養補助食品では食品の種類によっては使用が

 可能である。

W 価格では通常の病院給食では使用が可能な金額  ではなく、使用対象者を限定せざるを得ない。

         まとめ

1 献立の変更で栄養所要量を満たす事は難しく、

何らかの栄養補助食品の使用が必要である。

H 経腸栄養剤及び栄養補助食品の使用においては

 次のように考える。

 ア)現状では使用対象者の選択が必要である。

 イ)選択の幅が広がるミネラル補助栄養剤の一   層の開発

 ウ)低価格での提供

皿 第6次栄養所要量は一般健康人を対象としてお  り、病院食における適切なミネラル量の検討が望

 まれる。

         参考文献

1)科学技術庁資源調査会:五訂日本食品標準成分  表.東京、大蔵省印刷局,2000

2)健康・栄養情報研究会編:第六次改定日本人の   栄養所要量一食事摂取基準一.東京、第一出版,

  1999

3)中村丁次、本田佳子、川島由紀子、他:病院食   における微量ミネラル含有量の検討 栄養一評  価と評価 Vol.18 NO.4 2001,59(511)

一9一

参照

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