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自己開放性(Self-Disclosure)に関する一研究( 2) ― intimacy の効果の検討 ―

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(1)

奈良教育大学学術リポジトリNEAR

自己開放性(Self‑Disclosure)に関する一研究(

2) ― intimacy の効果の検討 ―

著者 上田 敏見

雑誌名 奈良教育大学教育研究所紀要

巻 14

ページ 55‑63

発行年 1978‑03‑25

その他のタイトル A Study of Self‑Disclosure ― Effect of Intimacy upon Self‑disclosing Behavior ― URL http://hdl.handle.net/10105/6399

(2)

自己開放性(SeトDisc1osure)に関する一研究 (2)*

intimaCyの効果の検討

上  田  敏  見**

   「心理学教室)

 A㎎yle& De㎝(1965)はeye−co皿tact(E C)の実験を行ない・いわゆる  dist㎜㏄一 eq凹ilibri㎜㎜(距離平衡) の現象を見出した。すなわち、実験者と被験者の間に一定の距離が保 持される限りは相互間にEC交換が継続するが、両者間の物理的距離が減少するにつれてEC交 換が減少し、いわば心理的距離が増大し.たのである。かれらは、2者間のintimacy(以下I TM

と略す、親密さの度合)には最適の平衡点があり、I TMを構成するEC、距離、話題のレベル などの中のいずれかが変化すれば、その際の平衡を維持するため他次元の逆方向移動が生ずる、

との親和葛藤理論(a冊1iatiVe C㎝冊Ct theory)に立ってこの結果を解釈した。

 Ex1ineら(1965)はI TMの高い話題(恐れ、欲望など)よりもそれが低い話題(趣味、好き な映画など〕を質問する場合に、被験者のE Cが有意に多くなることを実証し、親和葛藤理論を 支持した。

 しかし、J㎝rard&Friedm㎜(1970)の行なった2実験においては上記の理論が必ずしも支 持されなかった。第1実験では実験者と被験者の間のITMに関して3条件が設定された。すな わち、①実験者は教示を与えると退室し、被験者がテープレコーダーに向ってしゃべる(di.Clo・

・・する)条件、②実験者は被験者からみて4デ斜方向に坐って、E Cはさける。被験者は実験 者に向ってしゃべる条件、③直接的なE Cを交換しながら被験者がしゃべる条件、であった。そ の結果、女子被験者の場合には、I TMの増加(条件①→②→③)につれて自己開放時間は有意 の減少を示したが、男子被験者では有意の変化がなかった。親和葛藤理論を支持したのはわずか にこの女子の結果のみであって、性をこみにした場合3条件間の差(自己開放時間)は有意水準 に到達しなかったのである。第2実験ではI TMに次の4条件を設けた。すなわち、①実験者は iな立きや2挫き、 y。。 、 I。。。 以外には一切無言。②被験者入室の際、その背中の 中央部に手をふれ椅子へ導く以外は①と同じ。③被験者が着席した後に、3〜5分間実験者が自 分について語る。被験者の身体にはふれない。④すべての被験者に②の場合のようにふれると共 に③と同様に自分について語る。この実験の結果、A.gyl。&D・㎜(1965)の距離平衡現象に反 する事実がみとめられた。実験者が被験者に接近しても、被験者は実験者からの距離を増大させ ず、むしろ、③と④の条件下では自己開放時間における有意の増加が示されたのである。なお興

* ASt阯dyofSel{一Disclosure

   − E丑ect of Intimacy upo皿Self−disclos…ng Beh冊ior 一

** Toshimi L1eba (DepaI−tme口t of Psychology,Na1・a L1皿iversity of Educatiom,Nara)

(3)

味深いことに、実験者からの自己開放だけが被験者の実験者に対するポジティブな感情に有意の 効果を及ぼすこと、この感情スコアと被験者の自己開放時間の長さとの相関は、.73であることが 明らかとなった。J㎝mrdら(1970)はこの結果を、先行の諸研究(J㎝ra吋1959;Jourard

& La皿dsman,1960;Jo口r趾d & Ric止ma皿,1963;Jo凹rard &Resnick,1970;Jo凹rard,1971)

で確かめられている2者効果(dyadic e丘㏄t)の考え方に一致すると解釈した。かれらによれ ば、2者の片方が自己開放量を増せば相手方の自己開放量も増大するという2者効果は、好意や 信頼感の如きポジティブな感情を媒介として生ずるものであり、自己開放行動に及ぼすI TMの 効果も正にこの文脈の中で説明可能である、というのである。

 しかし、J㎝mrd& Fried㎜㎜(1970)の実験にはなお若千の問題をなしとしない。第1に、

親和葛藤理論の不成立を裏付けるためには自己開放時間(秒)の測定に加えて、自己開放項目数 およびI TM値の測定をもなすべきであろう。第2に、実験者の語る話題と被験者に語らせる話 題の重複はさけるべきであろう。前者の自己開放内容が直接後者の自己開放に作用する可能性が あるからである。第3に、I TMに関与するものとして身体的接触と自己開放の有無を操作した が、物理的距離の遠近を操作することも有意義であろう。

 そこで本研究の目的は、累積された2者効果に関する先行研究をふまえ、その立場から次の予 測を立て検証を試みることである。

 被験者一実験者の物理的距離が近いほど、又、実験者が先に自己開放する場合の方がそれのな い場合よりも、被験者からの自己開放性は大きくなるであろう。

方         法

 被験者  奈良教育大学の1975年前期「青年心理学」を受講した女子学生98名に対し、 初対 面の男性 への自己開放性質問紙(表1に示す)を配布実施し、開放性得点とI TM値がほぼ中 程度に位する者を被験者として用いた。かれらの開放性得点は5〜12に分布し、I TM値の範囲 は15.32−37.86であった。被験者は物理的距離の遠近・実験者(男子)による自己開放の有無の 条件を組み合わせた4群(各群16名)に割り当てられた。

 材料  (1)自己開放性質問紙 Wor曲y(1967〕の作成した287項目から、各項目について評定 されているITM値(1.00〜7.00)の各段階を代表する6項目ずつ合計36項目を選んだ(表1)。

この中の半数は被験者の選択用に、残りは実験場面で被験者に呈示する刺激項目として使用した。

前者のI TM値合計は71.97、後者のそれは72.54であった。なお、実験場面で実験者と被験者が 話し合う際に用いる項目として、被験者選択用項目中の4項目(ITM値が3.Oト4.99のもの)

を採用した。これらの項目のI TM値合計は16.OOであった。反応測度として、被験者だけが話 す項目の中でかれが話した項目数、その項目のI TM値、自己開放時間合計を測定した。

(4)

表1  自己開放性質問項目

項目番号 (ITM値) 質 問 項 目

1    (1.24)   あなたはいつも新聞のどこを読みますか。    (Q〕

2    (1.31)   どんな連動をしますか。      (Q〕

3    (1.31)   いつも何時に寝ますか。      (S)

4    (1.37)   どんな種類の本を読むのが好きですか。      (S)

5    (1.93)   子供のとき、どんな方法で誰によって叱られましたか。  (Q)

6    (1.96)   あなたは何人子供をほしいですか。       (S)

7   (2.08)   もっとも恐しい病気は?      (S)

8    (2.16)   友達とするのが楽しいことは?         (Q〕

9    (2.28)    1目ぼれ があると思いますか。       lS)

10    (2.56)   あなたの性格は母親似ですか。父親似ですか。   (Q〕

11   (2.57)   あなたが、もっとも親しい家族の成員は?    (Q)

12   (2.83)   あなたは良い親になると思いますか。      (S)

13    (3.32)   あなたは内向的ですか。外向的ですか。     (S)

14    (3.50)   あなたが、もっとも適応できていないのは、どんな点ですか。   (S)

15    (3.50)   どんなことに嫉妬しますか。      (Q,E)

16   (3.55)   友達といつもどんなことを話していますか。   (Q〕

17   (3.80)   どんなとき、淋しさを感じましたか。     (Q,E)

18   (3.83)   あなたは他の人にくらべて感情的ですか。    (S)

19   (4.20)   もっとも心配なことは?       (Q,E〕

20   (4.25)   劣等感を抱きやすい場面は?      (S〕

21   (4.50)   まだかなえられていない最大の要求は?     lS)

22    (4.50)   どんなことが、あなたの感情を傷つけやすいですか。   (Q,E)

23   (4.58)   セックスに関する話に加わるのが好きですか。  (S〕

24   (4.80)   セックスのことが主に書かれている本を読むのが好きですか。 (Q〕

25

@(5・2 ) 性交 1・夫婦間・さ婦以外の間のどちらでより悦楽が大きいと思いま㌣筍 26   (5.39)   どんな異常な性行為を聞きましたか。      lQ)

27   (5.50)   昨年あなたに起った問題のうちもっとも重大なものは?  (S)

28   (5.71)   セックスについて1日に何時間ほど考えますか。     lQ)

29   (5.90)   あなたの身体で好きな部分は?         (S)

30   (5.97)   マスターべ一ションは悪いと思いすますか。   (S)

31   (6.23)   あなたにとって、もっともショックだった 衝動 は何でしたか。(S)

32    (亘.42)   あなたの性生活は満たされていますか。     l S〕

33   (6.50〕   友達とくらべて、あなたは性的衝動が強いと思いますか。  (Q)

34   (6.50)   あなたを不正な性関係に、もっとも誘惑しそうな人は?  (Q)

35   (6,54)   友達はどんな性のはけ口を利用していると思いますか。  (Q)

36    (6.71)   何がもっとも男性器に似ていますか。      (S〕

⑳Q…質問紙に用いた項目       なお、I TM値は Wor曲y(1967〕による。

 E…実験者と被験者が話し合う項目  S…被験者に呈示する刺激項目

(5)

(2)感情評定尺度  実験者および実験場面に対して抱いた被験者の感情を測定するため、次 に示す5次元のそれぞれについて7段階評定を求めた。(イ)実験中の不安度(安し・だった一不安 を感じた)、(口)実験者への好意度(好ましい一好ましくない)、(ハ)実験者への信頼度(信頼 できる一信頼できない)、(二)実験者の理解度(理解された一理解されない)、(ホ)実験場面に 関する満足度(満足一不満足)。各次元とも得点は1〜7点に分布し、高得点ほどよりポジティ ブとみなされた。

 実誠計画  2×2の要因計画が用いられた。第1の要因は物理的距離の遠近で、実験者一被 験者間の距離を近条件(O.6m)と遠条件(1.8m)に設定した。この条件設定はArgyle&Dean

(1965)およびSom㎜er(1962)の両研究の示唆にもとづいた。第2の要因は実験者の自己開放

(以下Dsと略す)の有無で、いわば心理的距離の操作である。

 手締き  被験者を選ぶため、先ず自己開放性質問紙を集団的に施行し、その1週問後から筆 者の大学の心理学実験室において個別に実験が開始された。実験者は奈良教育大学4回生(心理 学専攻の男子)、佐味谷一洋であり前出のFriedm㎜の年令条件とほぼ合致するものと考えた。

 入室した被験者には氏名をきき、あらかじめ質問紙からの得点によって決定されている実験群 へ割り当てた。実験者と被験者は机を間にして対面して着席した。机上におかれた台のカードを 見る時、被験者の視界には実験者の頭部しか入らなかった。先行の諸研究では両者の椅子間の距 離のみを問題としていたが、坐り方如何では両者の目の間の距離が伸縮する可能性があった。そ こで本実験では、 験者は台上のスタンドに立てられたカードを手にもつこととし、姿勢を一定 に保たせた。なお、実験者の椅子は移動可能にするため滑車つきとし、被験者の椅子は重く、滑 車なしのものを使用した。このような場面で物理的距離の遠(1.8m)・近(0.6m)が操作された。

 心理的距離の操作は次のようになされた。①近条件(Dsあり〕。入室し着席した被験者に次 の教示が与えられた。「私はあなたと4個の話題について話したいと思います。カードに示され る話題について私が先に話します。私はその話題について、自分の考えや感情を正直に、そして 卒直に話します。.私がその話題を話し終えた後、あなたが同じ話題について意見を述べて下さい。

もし話したくない話題の場合には 話したくない といって下さい。強制はいたしません。話せ ると思う場合には、正直に、そして卒直に話して下さい。この会話は録音していますが、私たち が話したことは二切必ず秘密にしておきます。又、あなたのお名前はこの実験への参加確認のた めにのみ用い、他の目的には決して使用しません。・・・…それでは始めます。1番、 どんなこと があなたの感情を傷つけやすいですか。ゲ・・…馬鹿にされたら。冗談にいわれた時はいいけど、

自分の人格を傷つけるようなことをいわれたら。これでも、まあ、自分なりに精いっぱい生きて いるっもりやのに。 お前は下劣だ とか ずるい とか、けなされたら嫌です。……それでは あなたの番です。」

 被験者の話しがすむと、次の項目に進んだ。「カードを1枚だけめくって下さい。そのカード を机の上へおいて下さい。それでは2番。 もっとも心配なことは? ……今一番心配なことは、

この実験がうまくいくかどうかです。他に、健康のこと。去年、胃と盲腸を切りとったから。も うひとつ。採用試験にパスするかどうかも心配です。これらの中、 もっとも心配なことは?

(6)

といわれても、答えにくいです。…では、あなたの番ですd

 同様に、「・…・・3番。 どんなとき、淋しさを感じましたか。 ・…・・仲間はずれになった時、

特に、やらねばならない仕事がいっぱいあって、それを一生懸命に働いてやっと終わった時、仲 間はずれにされると一番淋しいです。」

 さらに、「一・・4番。 どんなことに嫉妬しますか。 ……たとえば、一生懸命に仕事をやっ たとするでしょう。他の人がほめられ、自分だけが無視された時。折角がんばってやって、まあ、

自信のもてる作品が作れたとするでしょう。その自分の作品が悪くいわれて、他の人の作品がほ められたら嫉妬しますねd

 その後、次の教示が与えられた。「次に18個の話題があります。今度は、カードをスタンドに おいたまま、あなたが声を出して番号だけを読んで下さい。そしてその話題について、あなたに 話してもらいたいのです。その問、私は何も話しません。ひとつの話題について 話したくない

と答えるか、あなたの考えや感情を話し終えたら、あなたがカードを1枚ずっめくって下さい。

そしてその力一ドを机の上において下さい。それでは始めて下さいd

②遠条件(D。なし)。各被験者に次のような教示が与えられた。「ここに18個の話題があり ます。それをひとつずつ見せますから、その話題にっいてあなたに話してもらいたいのです。も

し話したくない話題の場合には 話したくない といって下さい。強制はいたしません。話せ ると思う場合には、正直に、そして卒直に話して下さい。この会話は録音していますが、私たち が話したことは一切必ず秘密にしておきます。又、あなたのお名前はこの実験への参加確認のた めにのみ用い、他の目的には決して使用しません。では、このカードをスタンドにおいたまま、

声を出して番号だけを読んで下さい。そして、 話したくない と答えるか、あなたの考えや感 情を話し終えたら、あなたがカードを1枚ずつめくって下さい。そしてそのカードを机の上にお いて下さい。その間、私は何も話しません。それでは始めて下さいd

 最後に、実験者および実験場面に対する被験者の感情の評定がなされた。

着        黒

 自己開放性質間紙の得点  表2は自己開放性質間紙における4群の平均自己開放項目数とI TM値平均を示したものである。ここで第I群は物理的距離が遠条件で実験者の Dsなしの条 件、第II群は物理的距離が遠条件で実験者のDsありの条件、第㎜群は物理的距離が近条件で実 験者のDsなしの条件、第W群は物理的距離が近条件で実験者のDsありの条件となっている。

      表2  自己開放性質間紙における得点

項 目 数 I T M

M SD M

SD

I 8.63 3.77 24.48 6.47

11

9.06 3.60 25.11 5.90

m 8.69 3.17 24.58 6.38

1V 8.94 3.39 25.19 6.35

(7)

分散分析にかけた結果、項目数、ITMのいずれにおいても群差は有意水準に達せず、4群は等 質とみなされた。

 実誤のDs得点  反応の測度は、①被験者が実験中に示したDs項目数、②それらの項目の I TM値、および③Ds時間(秒)であった。表3は各群の平均Ds項目数・I TM値平均・Ds

表3  実際の自己開放得点

項目数 I T M 時  間

M

SD

M

SD

M

SD

I

10.44 1.68 31.06 7.15 25.44 13.46

II

12.00 2.03 38.31 9.27 49,94 14.57

m 10.56 1.56 32.54 5.84 29.06 10.20

1V 14.00 2.14 51.12 7.98 74.81 18.38

表4  3つの測度についての分散分析結果

変動因 自由度 F  値

項目数 I T M 時 間

1、物理的距離

1 4,87* 13.02** I4.59ホ*

2. Ds

1 26.95** 42.59** 88.66ま*

1X2 1

3.79 8.20ホホ 8.11ホホ

errOI■

60

*jp〈.05, ** 〕<.O1

時間平均を示したもの、それにもとづく分散分析の結果をまとめたものが表4である。ここに明 らかなように、項目数では物理的距離の主効果および実験者からのDsの主効果が有意となった。

これは実験者との物理的距離の近い方が、又、実験者からのDsがあった方が、被験者のDs項 目数が多いことを示している。次に、ITM,Ds時間のいずれにおいても、物理的距離の主効 果、実験者からのDsの主効果、および、物理的距離×Dsの交互作用のすべてが有意となった。

そこでさらに進んで単純効果の検定を行なった結果、I TM,Ds時間のそれぞれにおいて次の 群間の差が有意となった。I〈II(I TM…,=2.59,ρ〈.05;時間…一=4.64,ρく.O1),

II〈1V(I TM…一=4.58,ρ〈.01;時間…一=4.71,p<.01),mく1V(I TM…{=6.64,

ρ〈.O1;時間…念:8.66,ρ<.01) (d∫はいずれにおいても60)。しかしI一皿の差は有意 水準を逸した(I TM…一=O.53,ρ>.05;時間…!=O.69,ρ>.05)。以上の分析結果は、

物理的距離の(遠近)効果は実験者からのDsの有無によって異なること、すなわち、Dsがあ る場合には遠条件よりも近条件において被験者のITMは有意に高く、Ds時間も有意に長くな るが、Dsがない場合には両条件間の差は有意でなくなることを示している。

(8)

表5 感情得点

不安度* 好意度 信頼度 理解度 満足度

群 M

SD

M SD M SD M

SD

M

SD

I

4.OO O.88 3.88 O.57 3.56

1.O1

4.25 O.94 4.06 O,95

II

3.88 O,70 4.OO O,88 3.50 O,75 4.OO O.25 3.88 O.57

m 3.63 0.82 3.56 0.51 3.50 I.44 4.06 O.33 3.94 O.29

1V

3.69 1.07 3.81 O.42 3.75 0.94 4.19 O.24 4.06 0.45

* 高得点は不安度が低いことを示す。

 感情得点  実験終了直後に求めた実験者ならびに実験場面に対する被験者各群の平均感情得 点が表5に示される。これら各平均値について、不安度・好意度・信頼度・理解度・満足度ごと に2×2の分散分析を行なったが、主効果および交互作用はすべて有意とならなかった。

考        察

 本研究で得られた主な結果は、(1)実験者との物理的距離の近い方が、又、実験者からのDs があった方が、被験者のDs項目数が有意に多い、(2)実験者からのDsがある場合には物理的 距離の近い方が被験者のI T M値は有意に高く、又、.Ds時間も有意により長くなるが、実験者

からのDsがない場合には物理的距離の遠近が有意の効果をもたらさない、ということであった。

換言すれば、実験者からのDsがあり(心理的距離が近い条件)、実験者と被験者間の物理的距 離が近い条件において、被験者のDsが最大となる、といえる。これに次いで大きいDsを示す のは第II群、すなわち、実験者と被験者の間の物理的距離は遠いが実験者からのDsがある(心 理的距離が近い)条件の被験者である。これらの結果は、本実験における予測を裏付け、2者効 果の存在を間接的に実証したものといえるであろう。Argy1e&De㎜(1965)の距離平衡仮説 の文脈からの解釈はきわめて困難であり、むしろ、1959年以来なされて来たJ㎝mrdを中心とす る一連の実験的研究が示す2者効果による解釈がより妥当であると考えられる。少なくとも本実 験においては、先行する実験者からのDsが、つまり心理的距離の方が、物理的距離よりも大き

くI TMを規定したこと、そしてそれは、被験者が実験者自らのDsをきき、それを自分(被験 者)に示された好意と認知し、そこに生じた実験者への好意と信頼感がかれらのDsを促進する 効果をもったためであろうと推測される。しかしながら、表5における条件差はすべて有意でな いので、今後の検討によって確かめる必要がある。

 次に、本実験が男子大学生を実験者として実施され、被験者は女子学生のみであったことが結 果になんらかの影響をおよぼしたことと考えられる。Jo凹mrd&Friedm㎝(1970)の実験Iの 結果によれば、実験者が在室する場合には女子被験者のDsがいちじるしく減少したのに対し、

男子被験者はより長時間のDsを示した。このことから、今後の研究では一般的なDs量の性差 に加えて、実験者一被験者の組み合わせの条件を考慮に入れ、組織的に分析する必要があると思

(9)

われる。

 なお、ここで用いた自己開放性質問紙はWorthy(1967)のI TM値にもとづいて選択・準用 されたのであるが、日本人被験者にも全く同じ妥当性をもつかどうか、疑問が残されている。

われわれは別途、日本の大学生について自己開放性質問項目作成とそのI TM値の決定を急いで いるが、未だ発表の段階に達していないのは遺憾である。

 最後に、感情評定においてふれておきたい。本実験では、条件統制のため被験者の反応に対し て1言も話さず、微笑、E Cその他の非言語的反応を呈示しなかった。このため、実験者ならびに 実験場面に対するポジティブな感情が生じにくかったのではないかと考えられる。又、Der1ega

(1973)の示唆によれば、実験者からのDs項目の内容、そのI TM値が被験者の感情およびDs 量にかかわりをもっと思われる。それ故、本研究の実験者が用いたDs項目の再吟味が必要であ

ろう。

要         約

 本研究の目的は、自己開放性におよぼす2者間のi皿timocyの効果を、両者の間の物理的距離 の大小、先行する自己開放(Ds)の有無の条件を用いて比較検討することである。

 2×2の要因計画が用いられた。第1の要因は物理的距離の条件で、近条件(O.6m)と遠条件

(1・8m)であった。第2の要因は実験者牟らのDsの条件で・先行してDsを与える条件とDs なしの条件であった。被験者は大学生女子64名であった。一得られた主な結果は次の通りである。

 (1)実験者一被験者間の物理的距離の近い方が、又、実験者からのDsのあった方が、被験者 のDs項目数は有意に多かった。

(2)実験者からのDsがある場合には、物理的距離の近い方が被験者のI TM値は有意に高く、

又、Ds時間も有意により長くなる。

 (3)実験者からのDsがない場合には、物理的距離の両条件間の差は有意でなかった。

 これらの結果は、先行の諸研究と関連させて考察された。

引  用  文  畝

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<附記〉 本研究に実験者として参加し、データー処理に協力して頂いた前奈良保育学院教諭     佐味谷一洋氏に対し厚く感謝を捧げます。

参照

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結 果 《実験計画1》

層を追って増大し、10∼15年未満の階層で最大と

条件における感覚統合機能テスト (    ) 条件 1:開眼, 視刺激装置, 起立台固定 条件 2:閉眼, 視刺激装置,

基本文(「織U]信長は比叡山延暦寺を焼き討ちにした」)

L, BL, BR にそれぞれ 5 名の被験者を割り振ったため,被験 者総数は 20 名である. 7 種類の探索項目うち 4 種類が被