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(1)

光学情報処理(口) 自己相関法による文字認識

那 波 信 彦 1.序 論

 2次元光学情報処理の一環として前報1)に引き続き文字の自動読取を相関領域で行なう 装置を開発し良好な動作結果を得た。定点サンプル法の抽出Mask及び認識回路を試作し 英文フオント26文字の認識が可能となった。Masking arrayの形状は一定フォントに対 して直観的な方法及びランダムな方法では相異が見られなかった。またレーザーによる情 報変換ホログラムに対しても相関法は有力な手法であることが明らかになった2)。

2.本 論

2−1変換過程3)4)

 2次元演算の特徴を生かし空間分布としてパターンを認識するために検出arrayを試 作し,素子数,array form,検出回路,表示装置に関して得られた結果を述べる。本方法 ではパターンの類以性を自己相関領域(以後φ領域とする)で評価するため系としては

〔Fig−1〕のようなブロックダイアグラムになる。従来の光源に比し光量の増大をはかった 結果光電変換効率は大巾に改善されている。

1.T. V.像のcontrastは中間調を全て一定

      BLOCK DIAGRAM 値以下では測定にかからぬように改良した。

〔Fig−1〕を参照して以下伯単に変換過程を5 段階にまとめモデル化を行なう。

       

 a) Original−input       

f(…y)・一

1,x, y∈A

0,0therwise

〔eq−1〕

Orignal−inputは全て写真フィルム(フジ        

ミニコピー)のネガで与えられ使用した文字  はK・C−fontの大文字であり実寸は平均4. O

mm2 ,ストローク巾は0.7皿mである。

 b)Correlation Transform

・、(切一・、∫∫ノ(x,y)∫(x+r,・y+・)・w

〔Fig−1〕

〔eq−2〕

光学系でのφをφ、(τ,σ)とし回折効果、光束の強度分布,Original−inputの位置等を含 めて常tU c、とする。このφ、がSecondary−inputになり今後この変形φ。なる関数が処理

されるべき対象となる。

 c)1.T. V. monitor

 φ、が撮像系C−323(浜松T.V.製)によりmonitor上に表示されるhS Vidicon受光面

及び1.T. V像に変換される過程は非線形要素を含みこれにコントラスト操作が加わるこ

れらをまとめてc,とすると

(2)

    φ2(ξ,η)=c2φ、(nτ,nσ)       〔eq−3〕

となるここでξ,ηは1.T. V。像面上の座標であり刀は拡大倍率である。

 d)Sampling Scanning

 検出arrayを決定するために像面上η≧0の領域をη。〜η、の等間隔に分割しφ、をline Scanningする。この操作を有効にするためφ、にはコントラスト増加をほどこしmonitor 上のφ2は次のようになる。

    φ2ノ(;,ηε):=c2!φ1(nτ,nσ)       〔eq−4〕

ここでη包は不連続的にi=0〜4まで1cm間隔でscanning・される。

 e)Masking array

 上述の変換過程から 最終的にmasking arrayを決定するがφ,ノは相関像強度分布の1 次元断面の情報のみを与え処理に必要なφ、の情報は充分に与えない。直接1.T. V.像面 からパラメーターを抽出するためには有限な積分開口を持つ光電変換素子を使用するため 散乱光によるcross−talkが生じる。この影響を検討するために有効開口の異なる2種類の 皿askを作成した。φに関しては次のようになる。

      Aア.M

    φ,(ξ,η)−c、φ、Σ(∠ξ、吻、)   〔・q−5〕

」・i−o

 c、は皿asking arrayの形を表わし(Aξj・∠η )は開口中に入射する光量の積分領域であ る。この単位面積の大きさはMask I,‖では異なる。

 以上a)〜e)の過程で認識がなされる。即ち〔eq−5〕における(4ξゴ・dηt)の出力及び 0,i)のcombinatonにより域値と場所を決定すればMask I,皿に固有のcodeとして 表示される。

    φ,(ξ,η)=c4・comろ・φ3(ξ,η)・θj/    〔eq−6〕

 ここでφ4は相関像には直接関係のない関数でありφ,における (∠烏,Aηt)の特定の組 O , i)のcombinationをθj£で量子化したものである。c4はmasking arエayから抽出し た素子要素によるmasking formである。変換過程における結果からパターン認識の問 題として提起されることは光学系を通すことにより入力情報から最終的な出力情報に至る

までの取り扱いは単なるD−A変換,A−D変換とは考えられずある過程においては両変

A−D converte  dis I   N 1

f tv

         

霧貫ユ 豪

リ ハ

v⁝紅r ド

溺 ほμ   員ψ∴ご﹈ 三ミ:;︑一

   ⁝X 雛鰻二 羅欝二 ぷ  ii 乏

㎝ ヨ

 f

    

o O O o

Id:二

掲⊂‡

  CDS 2PK64 0

A

庄   ← . 一 ≡ 一 一 ■ ≡ ● ● ←一一 一 一 一← 一 ● ,_

S‥一

scr 2SF511

〔Fig−2〕 〔Fig−3〕

(3)

換が混在している。これは主にline scanningによるsample pointの決定及び光学系に おける中間調の除去に起因し,この問題は定量的な解折で定性的な対象を取り扱うために 生ずるAnalog量Digital量の両面性を考えねばならないことを示している。

2−2 実験装置

 〔Fig−2〕の1. T. V. monitorの相関像強度分布を測定するためにsurface−plateに穴 をあけ散乱光除去のため同径のパイプを結像面までさし込み端部にC.D. S.受光素子を 接着しこの光電出力が域値を越えた場合中央パネルのS.C. R. switching回路が作動し 表示1ampをonの状態にするこのlampのcombinationとcode表との一致から認識操 作を行なう。〔Fig−3〕にA−D変換器及びMask Iの場合の配列を示す。

2−3Maskingの決定

 maskingを行なうため相関像の大きさは1. T. V.像面で10cm2の正方形程度とし Mask lでは〔eq−5〕におけるline scnningの結果からξ麟に関してはa, c,eを決定

しη軸に関しては1cm間隔で0, 1, 2,3,を夫々決定した。 masking−formがこの様な形 をとる理由はKC−fontの特徴及び相関像出力が周辺部では小さくなり検出が困難になる ためである。ここで注意すべき点は抽出点を(ξ,,rp )で決定するため実際の出力(dξ」, dηt)

とは異なることである。Mask皿では等間隔arrayを使用しより一般的な拡張を行なっ た。1と皿のmask−formはC. D. S.の積分領域,定点samplingとarray,素子数等が 異なるが有効な抽出点(dξ」,∠ηf)の分布に関してはarray法でφ領域全面を測定したMask

皿の収束結果と定点sampling法によるMask Iとの間に大差は見られない。〔Fig−4〕

 Mask I:定点sampling法でありC. D. S.受光面積8mmφ,素子数は10個である。

ξ=η=0を抽出点としているがこれは本来パターンの面積に関する情報であり定性的なも のとは考えられない。他の抽出点については夫々の域値を可変低抗で設定し最大分割点を       Featur E xtractrαction

 ______旦鯉_』一

    3(H)       Oon       ● off         mask nal

oo o o o o

  o o

●O o o o

 ●

「nask no.2

  OO    o   o

 OO OO O

o   o

   oo

   O   O

 OO OOO

O   O

423

   oo

   o   ●

 ●o Φeo

O   O

〔Fig−4〕

順次決定した。この方法では直観的な要素が多い という欠点があるが収束時間は速い。〔Fig−4〕に はHに対するcodeが示されており左側はmask−

form,右側が認識codeであり10素子中5素子を 使用している。

 Mask皿:2次元array法であり総数35素子を

6昌 li↓6d

d.1245 0r d.245 5

d.48e.3\  d/4Bc.31

     〔Fig−5〕

(4)

初期条件として使用し,C. D. S.受光面積は4mmφ,間隔は1cmである。使用可能な素 子数は15素子となっている。原点情報は位置の正規化のみに使用されHに対する例では15 素子中5素子を使用している。confusionはMask Iに対してかなり低減されているが 皿ask−for皿に達する時間ははるかに遅い。他の操作はMask Iと同様に行なわれる。

2−4 特徴抽出

 Mask皿を使用した場合について述べる。入力全パターンについて35素子全ての入力に 対しC.D. S.の低抗値変化を測定し,〔Fig−5〕のようなclassterを行なうこれら3種の classは直観,斜線及び円環を表わし最も代表的なものである。これらの組み合せも当然 存在する。直線がoriginal inputに存在するときd列に直線成分が表われその表示を(d ユ245)又は(d245)とする。これはパターンにより(d1)は存在するが域値にかからな N・場合が生じるためである。斜直線がoriginal inputに存在する場合は2通りあり斜直 線成分が\向きの場合には(d4)(e3),/向きの場合には(d4)(c3)なる成分が必 ず検出される。

 original inputが円形をなす場合には(d4)(a235)が同時に存在する。

    パターン(1)のcode      パターン(A)のcode

◎ ◎◎

◎◎㊥①⑤⑧⑧ P二6cm._」

Reading table

D A 6 B F c ε 1 24

o O 0 0 5 o D A G B F c ε H 24 35

4 0 o O 0

◎ A G F c ε

4

235 導

o 5 3

鋤 A G B F c ε

w 4 5

◎》

35

o o 3

G 8 F 、c E

M 124 35

4

35

o已 3

〔Fig−7〕

○○

μ

  ○ ○回○

ξ

I l | 1 1 i l

一 1 一 2 一 3

一 4 一 5

         g  f  e d  c b  a      〔Fig−6〕

        これ等の実験結果を〔Fig−6〕に示す。 c.

拷ask N◎.2

       D.S.のバラツキは非常に小さく5行7列の   ,・ ㍉tt 検出arrayから使用頻度の高いものを抽出し

  く瀬∫た結果、・M。,kEであり可麺抗により醜   ㍍預ξ  をもうけていることは前述の通りである。パ   :醸  ターン1の場合は・rrayの全Sff一数の抵抗   。崇き禰  値及び直線成分の存在によるcodeを示し.

  癬!・ターンAの場合には抽出した賭による     tt  mask−form,斜直線の存在によるAのcode

戴場塁㌶嶽罐罐嶽L叉

       ン0の場合は(d4)(a235)の他にfontの

       特徴により(c5)(e3)なる抽出点が附加さ

(5)

れる。複雑なパターン例としてWとMについてcodeが示されているがこのcodeにおい てのみ出力は認識される。以上の過程を全パターンについて適用しcode表とsignalとの 一致を見た場合に認識が行なわれる。

3. 結 論

 相関法とmasking・formの決定について述べたが当初予想された類似パターンの認識過 程における混乱は生じなかったが直交座標で処理を行なった結果confusion pattern grou−

pe群が生じた。例えばBとQ,KとMなどが同一視される場合が多く今後の問題となる。認 識率は約90%oと良行な結果を示したが認識時間はMaskの各パラメーターを確定した後 においても1文字当り30秒を要した。これは実験段階のため1文字つつ相関計にsetせね ぽならずcode表との一致確認のために要する時間である。原則としてはC. D. S.及び S.C. R.のresponse−ti皿e Vこまで読取時間は短縮されるが1. T. V.の残像の影響及び必ず 一 度静止させねばならぬsystemになっているため時間についての向上は期待できない。

これをさけるためには電気系のパルス動作の導入を計らねぽならぬが静止画像解析を行な うには有効な方法であろう。この例として同様な方法でME情報処理,TB菌の検出への応 用が実験段階に入っており又 コーヒーレント光学系への拡張としてoriginal・inpntと code−patternの関係を利用した情報変換ホログラム系を開発した13)この系では従来のイン

コヒーレント光学系による光学変換は積分強度の検出に止まりより複雑な変換を行なうこ とが困難であったがレーザー光の使用により多重情報の処理,空間的フィルタリングなど より高度な光学変換が可能となりその出力は鋭い点状になるため検出精度ははるかに高く なる12)。 しかし基本的な過程はoriginal−inputとcoded patternの変換がホログラムを 介して行なわれるという相異だけであり本手法と原理的に異なるものではない。

 最後に有益な御討議を与えられたことについて早大応物大頭仁教授並びに本学物理科鈴 木至教授及び本実験に多大の御協力を致いた日本科学工業株式会社開発部域和彦氏に深謝 致します。

 なお本研究は文部省研究設備助成金「光学情報処理に関する研究」により行なわれたも のである。

参考文献

 1)那波,鈴木 明星大学研究紀要第7号 p.13(1972)

 2)那波,鈴木 第18回応用物理連合学会 P.216(1971)

 3)那波,城,大頭 第30回応用物理学会 p.46(1969)

 4)那波,城 第30回応用物理学会(1969)

 5)久保田広他編 光学技術ハンドブック(1968)朝倉書店  6)志村正道 パターン認識と学習機械(ユ970)昭晃堂  7)井上英一他編 印写工学工(1)(1971)共立出版

 8)R.A. Binns. Methods of Increasing Discrimination in Optical Filtering. Apl1. opt.7   1047 (1968)

 g)A.V. Lugt Operational Notation for the Analysis and Synthesis of Optical Data−

  Processing system, Proc of IEEE 54.1055(1966)

 10)G.J. M. Aikten etal New Multichannel Optical correlator, ApPl. opt 10.247(1971)

 11)V.A. Kovalevsky Character Readers and Pattern Recognition, Spartan Books.(1968)

12)中島真人他パターン認識応用物理39.679(1970)

 13)那波,鈴木 光学 2.6ユ.(ユ972)

参照

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