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ケインズの價格水準の動態理論

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(1)

ケインズの價格水準の動態理論

       階

 最近の理論経濟學の獲展は︑ケインズ ︵︸●竃幽凶①看︒の︶の﹁一般理

論﹂︵Ω99聖目げoo御生O入国臼且︒嘱巳︒昌ゴ回簿︒﹁⑳曾§α﹈≦050団︶によって

なされた業蹟を無親して論じ得られない︒ケインズが古典學派に封ずる

批判の上に︑爆睡的學読をくつがえして革命的な理論を建設したことに

ついては︑傘入もこれを否定しないであらう︒﹁一般理論﹂が公刊され

たのは一九三六年であり︑それから以後の十年闘︑ケインズの早年に至

るまでの關にケインズ塁壁學は浪界に於いて︑確固たる地位を占めるも

のとなった︒アルフレッド◎アモン︵諺.︾Bo募︶の言葉によれば経濟

學の獲展の歴史の中で︑ヶネー ︵蜀︒O諾︒ω§望︶の﹁修訂表﹂︑アダム①

スミス︵︾・o◎ヨ津ゴ︶の﹁國富論﹂につ穿いて︑第三の里程標が﹁一般理

論﹂によってうちたてちれたものとして高く受領されてみる︒ケインズ

の﹁一般理論﹂が始め批判的た態度で世に迎へられたにも拘らす︑今日學

界の共有財産として支配的な影響を與えたことは震えない事実である︒

ケインズの理論が新鮮な魅力をもつ革命的理論として登場してきた原因

の一端は︑ケインズの斬新な用語︑欲得性向︵℃﹁O℃①昌︒り戸再UN 丹0 60道qoζbPO︶︑

流動性選好︵一一毛盛蔓箕謀巽き8︶︑驚歎︵8鋸三℃一一窪︶或ぴは資本の限界

敷率︵ヨ碧ぴq一§一・譲︒冨29g冨巴︶等の中に見出し得るであらうが︑

叉シュンペーター︵H●︾●︒︒︒牙目還8N︶がハリス編﹁新しい経累累﹂︵目冨

宏・建国88愚闇8︒舞巴ぴ団︒︒国●瓢碧蝿ジ這お●︶の中で﹃﹁貯蓄せんと試

みるものは麗質資本を破壊する﹂とか︑更に叉﹁所得の不平等な分配が失

業の究局的原因である﹂など玉云うことを︑實際は云はないまでも︑容易

      ケインズの価格水準の動態理論 に云はせうるような教義がケインズ革命の意味するところである︒﹄Dと指摘してみる如く︑資本主義の獲今期に於いて個人的美徳であった貯蓄の現代に於ける悪徳性をついたところに認められねばならない︒資本主義の一般的危機の時代に於いて﹁豊富の中の貧困﹂が︑就會的重要問題である時代に於いては︑ケインズ理論の實践的課題が雇傭理論の建設にあったことは︑彼の白州學を新しい維曇霞たらしめたものである︒シュンペーターも云ふ如く今や﹃コ般理論﹂の成功は即時に現はれ︑しかもわれわれが知ってみるように持返した︒壁貫的な書評も澤山でてきたがこれも成功の助けとなっただけである︒そしてケインズ馬連が自然に形成された︒それは︼部の維甘言史家がフランス︑ドイツ︑イタリー學派と云ふ場合のようた曖昧な意味の學派ではなく︑就金的統一性を持つた

一つの純正な學派であって︑換言すれば一人の主人と一つの教義に忠誠

を誓う一群であり︑仲聞と宣傳屋を持ちまた合言葉と秘傳と判り易い敷

義を持ってるるものであった︒更に正統派ケインズ主義の範園の外にも

同情者が廣く縁どってをり︑なを且それ以外にも︑いろいろな形でケイ

ンズ派分析の一部精紳を或ぴはある個々の項目を︑或いは喜こんで叉し

ぶしぶと︑身につけてみる入々が澤山みる︒これに比肩しうる例は輕濟

學の歴皮全部を通じて只二つーブイジオクラート及びマルキストーしか

ない︒﹄勾のである︒ ケインズは﹁一般理論﹂を書いたことによって︑経濟學史上確固たる

地位を占めた︒しかし乍らここに至るまでの獲展の過程は︑必ずしも李

具なものではなかった︒貨幣理論の上に於けるケインズの業間は﹁一般

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      ケインズの価格水準の動態理騙

理論⁝しに先だつて︑︼九二三年の﹁貨幣改革論﹂︵﹀↓霊葺︒コ竃︒障︒鍵﹁団

菊無禽B︶及び一九三〇年の﹁貨幣論﹂︵︾目器註︒・ooコ竃90矯︶とである︒.貨幣藪量論は古典的な貨幣理論としては︑最も重要な理論であったと

云ひ得られる︒近代的貨幣理論の特徴は︑貨幣埋論と贋格理論との融合と

云ふ形で進められてをり︑ケインズの方向も又ここにあったのである︒換

言すれば貨幣歎量読からの脱却がその護展の方伺を示すものであった︒

從來の数量論が通貨量の調節によって︑物領水準を安定せしめんとする

云は野安定貨幣政策がその必然的結論であったのであるが︑素引の立場

をこえて生産︑所得︑雇傭の水準を規定する要因の解明に理論が移って

くるに及び︑.第︼次と第二弐との大戦の闇に貨幣理論は大きく習得して

きたと言ひ得られるであらう︒

 ここではケインズの﹁貨⁝幣改革論﹂と﹁貨幣論﹂とを通してその理論

の内容と獲展とを考察しよう︒

註1︑月冨鼠︒類国8ぎ目凶690臼需幽げ同ω・国・国碧二ω.一℃心co・目銀調査部訳一︑五E頁

註2︑H三幽ご邦訳鳳五一頁

       二

 貨幣歎量読を髄脳して現金取引歎量読︵0毬げ嘗§畏9ごコ簿8曙︶と現金

残高数量論︵$︒︒げび毘鴛8夢︒︒麸︶と製するならば︑交換方程式によって

展開されるブイツシヤー︵一・禦︒・ぴ曾︶の理論は前者を︑ケンブリッヂ學派

の数量設は後者をそれぞれ代表するものである︒ケンブリッヂ學涯の考

量論はマーシャル︵︾竃鷲︒・訂εによって衆意づけられ︑ビグー︑︵︸ρ

国σqoロ︶ロバートソン︵O・鵠・因︒げ︒吋富8︶によって更に嚢註せしめられた

のであるが︑ケインズに於いて一慮完成された理論を見得るのである︒

 ケンブリツデ學派の激震論とブイツシヤーのそれとを比較して︑その       ゆ出嚢黙を異にする慰は︑後者の交換方程式護く11℃↓︵當廃預金を含め

て竃く土≦︑<︑勺↓︶より知られる如く︑貨幣の流通量の概念から出嚢するに封して︑前者は公衆の保持する現金淺高の概念からである︒ケイ  ンズも當初は傳統的な貨幣藪量論を出訴黙とし︑その立場はケンブリッ

ヂ學派の現金残高激量設のそれであった︒

 ケインズの敷量詮理論が如何なる形で展開されたかを︑﹁貨幣改革論﹂

に從って要約すれば次の如くである︒即ち貨幣の保有高を物便水準と關

殺せしめて次のような方程式をたて玉みる︒

   譜殖囚

この場合馳は貨幣撒量︑Pは消費軍位の管鑓︐Kは公衆が貨幣の形態で

保有せんとする溝費層位の量を表はす︒ここに云ふ黒蟻輩位はケインズ

による新しい用語であるが︑購買力の一定額は重要商品叉はその他の衝

激の目的物の特定量の集合︑例へば生活費指激の爲に結合された物晶の

種類及び鍛量からなる軍位を以て渕定することが出置るが︑か曳る箪位

を名付けたものである︒Kがこの場合一定であればnの攣動はPに封し

て比例的である︒換言すれば︑貨幣藪量の増減に講じて償格水準は騰落

することになる︒助

 更に銀行信用を含めて︑方程式は吹のようになる︒

   511男︵凶十﹃囚︑︶

ここにKは當座預金で保有する溝費軍位の数量︑γば銀行の現金準備率

を示す︒K︑K及びγが︼定なる限り前と同様にnとPとは比例的に縢

落するであらう︒KとK止の割合は公衆と銀行との取きめによって決定し︑その絶封値は一部分は阯禽の富に︑又︼部分はその慣習によって定

まる︒この慣習を決定するものは︑現金を清費し︑又はこれを投資する

 ことより受ける利釜に比して︑手許現金をより多く保持することの便宜.に封ずる考慮に依存するものである︒かくしてこれらのものが不墜なる

限り︑通貨の激量と旧裁物便水準との間に直接的な空蝉が成立するので

ある︒分       ・  以上の方程式は更に央の軍純な形式によって表現され得る︒Mを現金

淺高量︑Cを實物淺高量を示すものとすれば

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(3)

兇μ一  0

ρ

この方程式のもつ重要なる意味は︑銀行家と預金者との双方の決意が︑

債格水準の決定に際して果す役割をついてみることである︒

 即ち﹁現金淺高の量は銀行家の決意に依存し︑叉彼等によって造出さ

れる︒實物淺高の量は預金者の決意に依存し︑叉彼等によって逡出され

る︒慣格水準はこの二組の決意の合成物にして︑現金残高の造出量の實

物淺高の造出量に封ずる比によって測られる︒﹂のこのことは︑ ﹁一個人

が彼の實物残高の保有量の減少を意味する決意をなすときは︑何時でも

それは領格水準の上騰を惹起する︒た穿それが現存領格水準に於て︑他

の生糸の側に於ける反樹の意味の決意によって︑叉は現金在高をそれに

相當するだけ減ぜんとする銀行家の側に於ける決意によって︑亭均され

得る限りそうはならない︒併し此の個人の決意が他の受入文は銀行家の

決意を動かさないならば︑その場合には便格水準の絡局の比例的上騰は

彼の實物残高の保有量の減少が一物一高の一一の保有量に封ずると正確

に同じ割合にある︒﹂の

 以上ケインズの理論の輪廓を述べたが︑アフタリオン ︵卜﹀︷肥州ご昌︶

の指摘する次の言葉め中に︑ブイツシヤーと異るケインズの理論の特徴

がうかがはれるのである︒即ち﹁ケインズはブイツシヤーのそれよりも

︼暦個々入と接聾してみると云ふ長所をもつてみる︒從って方程式を取

扱ふ場合︑物償決定の機構は一斗客観的でなくなり自動的でなくなって︑

一義人間の動機及び行爲に依存するようになるようである︒﹂わと︒ ケインズが消費財の物思水準を規定する方向に進んだこと︑ブイツシ

ャーのV︑Tの概念からの構成に代って貨幣保有高に問題を移し︑そこ

から貨幣保有動機の分析に封ずるいとぐちを開いたことは︑ケインズの

ブイツシヤー理論どのぺだたりを示すものである︒が︑樹そこには類似

性の存在を否定し得ないのである︒即ちロバ肇トソンは冠者の方程式を

      ケイγズの価格水準の動態理論 封比して︑流通速度Vと公衆の貨幣保有の割合Kとが逆歎關係にあること︑即ちfヰ或ぴは斧索︵Mは幕警︑pは籍水準︑Rは年々の實質國民所得︶なることを論いてるる︒83爾方程式のもつ意味は伺静態的な性格を物語るものであって︑ケインズがブイツシヤーを更に進めた黙を認めたとしても︑從來の貨幣数量説の領域からぬけ出し得たものではなかったのである︒更に論を進めてケインズの﹁貨幣論﹂について考察しよう︒註3︑い鵠・国⑦巻︒︒・﹀卓pg︒夕風︒9§乱菊無︒§・幅・圃α一NN・岡部管司・内   山直共訳玉入頁−九九頁

註4︑H臥幽二℃℃・署INc︒・邦訳九九頁i一〇一頁

註5︑旨竃・内︒署畠﹀早婁圃器︒膨竃8︒ざ即B画・鬼頭仁厳郎訳第こ分珊;冗頁

註6︑H三画こ憎・N卜⊃ざ邦訳第二分置鴫四二頁一罪写影頁

註7︑﹀・諺2巴幽︒糞寓燈冨ロ9自凶の・℃N鄭gO﹃弩㈹9一℃NN・松岡孝二野﹁貨幣︑物価︑

   為替︶一四一頁

註8︑O・工・切︒げ2駐︒鐸蜜80ざ一℃鰹M憎︒一魯

       三

 一九三〇年に公刊され.た﹁貨幣論﹂は︑貨幣理論の上に於いて一時期

を劃した業蹟である︒その第三編に於いて﹁基本方程式﹂を取扱ってみ

る︒ケインズはこの方程式によって他貝敏⁝の鯉慣循脚即ち⁝慣格水准㍗決定の闇四題︑

均衡の雪下︑貯蓄投資の問題及び銀行利率の作用様式等貨幣理論に於け

る基本的問題の解明を行ってみる︒ケインズ﹁貨幣論﹂の申福をなす部

分である︒ここではケインズはブイツシヤー以來の影藤的方法︑即ち貨

幣使用の目的とは無書面に︑貨幣の全量から出機する方法を排斥して︑

貨幣所得をとりあげ︑所得を消費財及び投資財の生産によって得られる

部分と︑消費財及び貯蓄にそれぞれ.支出される部分との二つに分って︑

基本方程式を構成してみる︒その基本をなす概念は貯蓄と投資である︒

 かうしたケインズの方法は從來の貨幣数量論が︑貨幣と取引せられる

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(4)

      ヶイソズの価絡⁝水準・の動態理論

ものの廻韓に封ずる貨幣要具の下堀.に薄して︑輩に恒等式叉拡静的方程

式を立て﹂みることに封ずる反省から︑貨幣理論の奏上的問題を領格水

準の決定される因果過程と︑均衡の口つの位置から他の位置への推移の

方法とを示すように︑動的に問題を取扱ふところに目的があったからで

ある︒基本方程式についてケインズの読くところを述べる︒

 ケインズは債格水準について浩費財の領格水準︑投資財の慣格水準︑

全体としての産出物の慣格水準を考察してみる︒以下基本方程式の構造

を見る︒の

 E⁝⁝紅會の全貨幣所得︑11⁝所得のうち投資財の生産により得られ

た部分︑即ち新投資の生産費︑国−図︑⁝浩費財の生産費︑S⁝貯蓄︑国10︒⁝潰費支出︑0⁝財貨の全産出高︑R⁝消費考の購入する浩費財及び勢

務の量︑C⁝投資の純増加旦里︵從って○一1圃十〇︶︑P⁝浩⁝費財の領格水

準︑p・R−治費財への支出︑学d︒雀同︑︶−薪馨の生窪呈

の諸量は時の一輩位に關するものとする︒ところで就會の消費財への支

出は︑その所得と貯蓄との差に等しい故に次の式を得る︒

  

@ l凸−・・−d出天聖︒¥・・−命圃+囲︑−・・

         H︑一oD   ・℃一十  ︒.   O   閑

これが第一の基本方程式である︒この方程式のもつ意味は次の如くであ

る︒即ち学費財の債格水準は二つの項目に依存する︒第一項は.産出物の

﹈軍位置りの生産費を表はし︑第二項は新投資の費用が貯蓄の量よりも

大であるか︑等しいか︑或ひは小であるかによって正︑零︑叉は負であ

る︒このことは消費財の債格水準の安定の爲には︑二つの條件を必要と

することを意味する︒即ち生産費の不攣及び貯蓄の量と薪投資の費用と

が等しいことこれである︒

 更にケインズは新投資財の債格を所與として︑全体としての産出物の 贋格水準に識して次σ方程式を導き出してみる︒Rを新投資財の慣格水準︑πを全体としての産出物の債格水準.回︵ーー旭︑O︶を新投資の増加量の建値︵生産費11と匪別したものとしての︶とすれば︑次の式となる︒    男︒男十目oO   昌賛       O   一︵図iQり︶+一       〇     図  回1◎︒       り     ○ . Oこれが第二の基本方程式である︒ところでケインズは二つの基本方程式について貨幣的均衡の條件を規定してみる︒いま側を浩費財の生産及び軍費上の利潤︑02を投資財に於ける同様の利潤︑Qを総利潤とする︒

  

@ρ掲孕ψ昂

     ーー潤一q︒一︵潟一瓢︶

11回︑⁝o自

又   O・11回い洲︑

  ・︐●0110一十〇卜・

     HHlGり

浩費財の生礎及び実費上の利潤は︑投資財の費用と貯蓄との差に等しく

又全体としての産出物に於ける総利潤は︑新投資の債値と貯蓄との差に

等しいことをこれらの式は示してみる︒從ってケインズによればq︑α

及びQが零である時均衡歌態がもたらされる︒q又はGの何れか璽零で

ないならば︑企業者はその産出物を増大せんとする誘因をもっこととな

る故であり︐文Qが零でないならば︑企業者は一定の報酬率で生産因子い

に提供する仕事の量を︑出來るだけ攣更しようとする傾向を有するから

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(5)

である︒そこで貨幣購買力の均衡を維持する爲に︑銀行がその貸付條件︑

を統制し︑それによってH11︒Qたらしめることを必要とするとしてみる︒

要するに均衡の條件は貯蓄と投資とが相等しく︑同時に叉利潤が零であ

ることである︒

 次に新投資財の慣格水準はいかにして決定されるであらうか︒新投資

財の慣格水準は消費財の領格水準決定の場とは異る考察に依存してみ

る︒人がその所得を如何に配分するかについては︑二つの選揮を行ふわ

けである︒それ.は第二に所得を貯蓄と消費とに如何なる比率で配分する

か︑第二に貯蓄に配分されたものを如何なる形で保有するかの決定であ

る︒この第二の選裡は貨幣の形に於いてか︑貸付或ひは甘物資本の形の

何れの形態で保有するかの開題である︒換言すれぱ︑保藏と投資との間

の選揮︑叉は銀行預金と有領証券との間の選揮と言ぴ得るであらう︒從

って銀行預金と有償証雰との何れを⁝三三するかは︑それから得られる將

來念達に噂する豫想に支配されること製なり︑その基準として考へられ

るものは明かに貯蓄預金の利子率と有償証雰の慣格とである︒例へば弾

弓証券の投資について見ると︑市場に於いて所謂張一筋と弱氣筋とが存

鹿する︒更にこれに銀行が加はり︑投資物件の現實の債格水準は︑公衆

の意思と銀行活動との云は罫合成物である︒從って例へば有領南口の慣

絡⁝水準の下落は︑公衆の弱氣が銀行による有慣一斗の買上げと︑貯蓄預金

の造出とにより相殺されることの不十分な結果であるか︑又は公衆の強

氣が銀行による貯蓄預金の牧縮によって過度に相殺された結果である︒

そこで全体としての薪投資物件の償格水準は︑その気格水準に於いて公

衆が貯蓄預金をもたんとする欲求を︐銀行の造出せんとする貯蓄預金の

量に等しからしめるものである︒ 新投資財の呼格水準の決定について︑ケインズは方程式によらないが

基本方程式にならって式で示すと次のようになる︒ゆPを新投資財の領

格水準とする︒新投資財の橿格水準は全体としての産唐物の述格水準か

       ケインズの価絡⁝水準の動態理論 ら︑消費財の領格水準を差引いたものと考へられる︒そこで︑  男︑011笥●O一塁●肉    1−O︵§一興︶十℃●O ︵精一10iOd勝び営① 腰縄O−O 学2■メ呼      費残︶

  

@ 

│︒︵同一Qゆ一︑1◎oO 肉︶屯・︒︵拳騒・θ韓議罫書覚渾

      q説芦蹄メ呼管飛︶

      因︵國一︒◎︶一︵犀十〇︶︵一︑一︒自︶      十り︒O

     回一一︑         同︑lQo

  . 知︑ロー1一十め ..    O   閃

      国  H一目︑    一q+﹂﹃

 以上消費財︑全体としての産出物及び新投資財のそれぞれの三智水準

の決定についてのべてきたが︑ケインズに於ける便格水準の均衡はP︑P及びπがいつれも転位生産費E石に等しいことを基本方程式は示してみる︒P︑P及びπがE﹁0に等しい.ことの意味は01︑伽及びQ

がそれぞれ零であることである︒そしてその爲の條件は ρ剛﹁◎︒HO

ρ﹄・11一一一︑110 011困10駐nO 換言すれば︑ 回︑110︒11同 なることであ

る︒例へば浩費財の領髪水準について見るならば︑同︑i︒︒ が正である

か︑負であるか︑文は零であるかによって領格水準はそれぞれ騰貴

し︑下落し︑又は不攣に止まるのである︒ 同︑ーロαほO であれば債格

水準は不攣である︒ところが 同︑1︒︒VO であれば︑換言すると消費

支出が消費財の生産費よりも大なる場合に於いては︑01は正となる︒

45

(6)

      ケインズの価格水準の 動態理論⁝

 ところで基本方程式のもつ重要な意昧は︑債格水準の決定が貯蓄と投

資との關係に俵存すると云ふことである︒このことば貯蓄投資の關係に

経濟攣動の動囚を求めたことである︒貯蓄と投資との大いさの如何によ

って︑繋累水準は騰落し︑或ひ.は不攣の芸態に止まる︒この論者が等し

くない限り謙辞水準は驚動し︑経濟は安定しないことになる︒

 さて古典派の経濟學に於いては︑利子率を⁝媒介とすることによって貯

蓄と没資とが必然的に︼致すると考へられてるた︒この聾者が必然的に

︸致するものでないことをといたのがヴイクゼル ︵囚・♂<凶爵ωoε以後

の貨幣的景氣論の立場であり︑そこに貨幣側からの維濟攣動への要因が

あると考へられてるるもので︑﹁貨幣論﹂に於けるケインズの立場も叉同

士であった︒貯蓄と投資とは常に必ずしも等しくはならない︒それは産

出物の投資と消費財とへの分割が︑所得の貯蓄と鴻費支出とへの分割と

必ずしも同じではないからである︒この事實は爾者の分割が別個に行動

する企業家と消費者との相異る動機の上に依存するからであるとする︒

 ケインズはヴイクゼルに從って︑第二の基本方程式の第二項を零とす

る利子歩合を自然利率と呼び︑現實の利子歩合を市場利率と呼ぶ︒自然

利率はそれによって貯蓄と投資との債値が均等を保ち臨全休としての産

出﹁物の償格水準がE﹁0にご致するところの利子率であり︑市場利率が自然利蒙ら離砦と醒は零と奮す︑血漿準の灘を惹起する傾

向がある︒かくて從來の数︑量読の與へ得ないものをここがら含みとり得

るのである︒即ち今冊の銀行制度は就會に於ける投資の量を左右しうる

地位にある︒ここに貯蓄と投資とを統・制し物便水準の安定を實現する方

策として︑銀行の金利政策が考慮ざれるの熔ある︒企業家が新投費をな

さんとするか否かの決意は︑その投資より生する豫想牧盆と利子↑傘との

關係に依存する︒從づで利子率の響動ぱ投資の側と貯蓄の側⑳何れの上

に巻影響するとごろとなる︒即ち銀行利率の引上げ砂直接的な妓果は固

覚資本の慣格を︑從っで投資財の慣格水準を下落せしめ︑それ螺叉資本 財生産の利潤率を低めて新投資を妨げる結果となる︒他方貯蓄を刺戟する誘因となる︒ついで固定資本の慣格下落は資本財の生産者をして︑以前と同様の條件でその産出物の費却を困難ならしめると同時に︑貯蓄の増加が流動的町費財にむけられる所得を減少せしめ︑消費財の領格水準をも下落せしめるであらう︒︐この場合利子率の騰貴が貯蓄率の減少と相殺されるならば︑償格水準の下落を見ないわけであるが︑この爾者が常に自然的に一致するものでない限り︑ここにケインズの貯蓄投資の均等が︑銀行による利子率の政策に依存せざるを得ない根擦が考へられるのである︒恥 ケインズによれば領格水準に影響する二つの鍵動形態がある︒即ち基本方程式の第︼項の増減より生する慣格水準の攣動を︑所得インフレー

ション叉は所得デフレーションと呼び︑第二項の利潤Qの大小より生す

るそれを︑利潤インフレーション︑利潤デフレーションと呼んでみる︒

さらにρロρ+ρ恥であるから︑これを更に二つの項目に分けてq及び亀の正負より生する債格水準の攣動を︑それぞれ商品インフレーショ

ン︑商品デフレーション及び資本インフレーション︑資本デフレーショ

ンとしてみる︒商品インフレーションは流動的滑費財の債格聖書を︑資

本インフレーションは資本財の領格攣動をそれらの生産費との封比に於

いて測定するのである︒助

註9︑旨害・円︒巻契﹀早聾宙︒⇔寓呂鼻電・δαL心蒔・邦訳第二分岐卿   九頁一三一頁

註−o︑即力・︒︒冨8畠き国ρ¢蹟二︒μh︒肖浮︒℃H客︒一い雲︒一︒h乞①≦ぎく⑦︒︐ぎ・緊   Oo&3ρ冨昌巴博ho脅ロ巴on腫8きヨ凶$層三二●℃唱・一ωc◎r一お

註H︑︸●鍔.囚︒着2 ﹀目H9蕃⑦o口竃︒ロ①一団℃・NO一一銭O・邦訳第二分無⁝一Q   九頁!=⁝O頁註載量2電・議し鍔払悪婦二分班里言一四八頁

       ︑四 ケインズけ﹁貨幣論﹂ば優格水準0動態理論とじて︑貨幣理論の近代

46・

(7)

的接近に於ける一つの野心的な勢作であった︒從來の貨幣思量詮に於い

ては9債格水準を決定する直接的要因と考へられたものは︑云ふまでも

なく貨幣数量であった︒そこでは他の事情にして等しき限り︑貨幣数量が

二倍になれば慣格水準も二倍に縢期すると云ふ如く︑MのPに封ずる因

果的比例早早をとく理論であった︒基本方程式に於いて注目すべき瓢は

貨幣激量と債格水準と⑳闇の直接的外寸がた玉れてるること︑領格水準

の攣動要因を何よりも先づ貯蓄と投資とのアンバランスの關係に求めた

ことでなければならない︒從って貯蓄と投資との不︼致に動態の原因が

あり︑爾者の一致するところに安定的均衡が實現すると考へられてるる︒

そこで貯蓄と投資との本質的な匠別の基礎の上に︑爾者の乱雲の動態理

論をたてることがケインズにとって重要な問題であったと云はなければ

ならない︒ ﹁貨幣論﹂を中心とする論争を通して︑ケインズの貨幣理論

が斬新な接近の方法を示すものとして︑高く評領されてよいであらう︒

 かうしたケインズの.貢献に竜馬らす︑葡基本方程式に於ける欠陥を指

摘せざるを得ない︒即ち基本方程式に於いては領格水準に影響する産出

物の連動が分析されてるないことである︒換言すれば︑E︸0を一定と

する産出物不攣の前提から出嚢して︑貯蓄投資の關係から慣格水準の攣

動をとb・あげてみるごとである︒これは同様に︑第一の基本方程式に於いても第一項のE℃だけでなく第一項のR︑浩費財の量をも一定とさ

れてみる︒このことの意味することは︑基本方程式の立場が交換方程式

と古里の前提にあることであらう︒

 更に基本方程式の意発するところは︑領格水準の決定ぜられる因果過

程を明かにし︑均衡の一つの位置から他の位置への推移の方法を示すこ

とにあった︒然しながら産出 物と生産費を一定とする假︐定の上に︑ 一つ

の均衡歌態から他の均衡厭態への推移について何が論明されるであらう

か︒聞題を動的に取扱ふことの爲には︑産雌物の攣動とそれに俘ふ生産

費の攣化を分析することこそ必要なことでなければならない︒以上の意

      ケインズの価格水準の動態理論 味に於いて﹁貨幣論﹂は本來の意圖とは別に静態的理論として︑貨幣激理説からの完全な脱却の伺成功しなかったことを示すものと云はねばならない︒ この小論はケインズの著作のうちから﹁貨幣改革論﹂及び﹁貨幣論﹂をとりあげて︑ケインズの領格水準決定の理論を問題にぜんとしたものであり︑それを通して同時にケインズの貨幣理論に於ける樋里と聞題の所在を見ようとしたものである︒ ﹁貨幣論﹂を書いたケインズはそれから六年︑﹁一般理論﹂を世に問ふた︒そこから﹁貨幣論﹂を回顧してケインズはこの二つの著作の關漣について述べてみる︒﹁貨幣論﹂を書き初めた時には︑なほ貨幣の作用を需要供給の一般理論とは別のものと見る傳統的な考へ方に囚はれてるた︒どころが︑それを書き絡へたときには既に︑貨幣理論を喜び産出物を全体として取扱ふ理論にまで押し戻そうと云ふ方向にいくらか進んでみた︒しかし︑先入親からなほ充分解放されてみなかったことは︑産出物の攣化の影響を徹底的に取扱ひ得なかったと云ふ顯著な欠陥をなして現はれた︒基本方程式は産出物を一定と假逸しての耳聞的聖岳であった︒それは︑産出物を一定と假製した上で︑利潤の不均衡を惹き起し︑ひいては産出物を攣化せしめる歪力が如何にして磯展し得るかを示そうと轟る企てであっ艶︒しかし潮岬的野爲とは別の動態的獲展の理論は不完全で且つ極めて混怨したま玉淺されてるた︒ 粉 ケインズ自ら﹁貨幣論﹂に於ける欠陥を認めざるを得なかったのである︒﹁貨幣改革論﹂︑﹁貨幣論﹂を通して見られるケインズの笹野は蕾い数量論理論からの脆却であり︑動態理論をたてること︑にあっだのであるが前二著に於いては術不完全であった︒そこでごの目標はコ般理論しに課せられた仕事であった︒ ﹁︸般理論﹂を評領する場合に︑ 貨幣理論の野戦理論との遊離に封ずる反省がなされなくてはならない︒この二つの理論の綜合が経濟學の新

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(8)

      ケインズの価格⁝水準.の動態理講

しい理論でなければならない︒生産論にせよ︑資本論にせよ︑有機的に貨幣理論と結びつく爲には資源の量を不攣とする假定をすてなくてはな

らない︒全体としての産出物及び雇傭の理論が要請される理由がζこに

見られる︒ その爲に賀幣経濟の理論が必要とされるのである︒ ケイン

ズの﹁ご般理論﹂は二つの理論を綜合化せんとする試みであったと云ひ得

られよう︒そしてその故に静態的均衡の理論に欝して動態的理論として

移動的均衡の理論︵昏8藁︒嵐ω岳凌轟2鐸導耳一属ヨ︶が求あられたので

ある︒かくて﹁︼般理論﹂は貨幣維濟の理論としてそこでは貨幣は全経濟

組織の雇傭量及び生産量を決定する上の重要な地位を占めてみるのであ

る︒今や﹁︼般理論﹂に於ける問題解明が次の課題である︒

註13︑H・客・内︒管︒m鱒 O呂︒﹁鉱日冨︒蔓oh国ヨ艮藁白¢冥・

  娼即く凶−島.塩野谷九十九訳著者序文 H具費2↑曽p山寓obo圃︾

1経.済 学1

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参照

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