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米田明生*・平澤

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(1)

  学習シミュレーションシステムの開発(、1)、

米田明生*・平澤 博**

(昭和61年10月31日受理〉

    Development of a Simulated Training System

for Personal Computer−based Pattem Design Leaming(1)

Akio YONEDA・Hiroshi HIRASAWA

(Received October31,1986)

1.はじめに

 パーソナルコンピュータ(以下パソコンと記す)を学校教育の場において利用し,その 教育的効果を高めようとすることについては,既にCAIシステムとCMIシステムを中心に,

その先導的実験校を初めとして,これがしだいに学校現場に活用されはじめてきている。

この傾向は,これからのパソコンの学校現場への導入に伴い,さらに急速にすすめられる ものと考えられる。

 しかし,パソコンが有する図形処理機能を駆使するCAD(ComputerAided Design)

やC G(computer Graphics)システムを学校教育へ導入し,これを美術の学習に活用す ることについては,まだその実施例の報告が見られていないようである。

 そこで筆者らは,パソコンに内蔵されているグラフィック機能に注目して,これを中・

高校における美術学習のツールとして利用していくことを検討してきた。

 その結果,パソコンを美術の表現学習に導入することについては,学習者の造形表現への 意図や構想に対するパソコンの機能,周辺機器の有無とその質,プログラミング,操作性,

手順の煩雑さなどの面で多くの制約があり,また直接表現ではないことからのもどかしさ などの点でも学習上の問題が大きいことが指摘された。

 しかし,これまで検討し作成してきたプログラムシステムから,パターンデザインとい う一定の枠内での学習を想定した場合,紋様(パターン)の構成要素である色彩(彩色)

と形態(作図)との組み立て(構成)について,パソコンは多様な性能を発揮して,デザ イン学習に十分活用できる好結果が得られた。つまり,本システムの使用によって,簡単 なキー操作でデザイン構想が瞬時にディスプンイに提示され,さらに色,形に修正を加え てこれを再提示させたり,また同時に連続文様の作品の完成予想図を容易に提示ざせる「こ とができるなど,パターンデザインのシミュレーションとしての学習の利用が極めて有望

*長崎大学教育学部美術科教室  **長崎県立長崎工業高校インテリア科

(2)

作品例1 (基調形は臆による)

作品例2(基本図形は任意による)

(3)

作品例3(基本図形は乱数による)

作品例4(基本図形は乱数による)

(4)

瓢概瓢瓢瓢瓢輻

π顯

作品例5(基本図形は乱数による)

なこともわかってきた。

 したがって,美術教育の重要な要素である配色練習や,形態の感覚のトレーニングヘの 有望なツールとして,これをデザイン学習に導入して十分活用し得る見通しが得られたも のと考えられた。

 そこで,本報では試作したパターンデザインのシミュレーションシステムの概要につい て述べると共に,本システムの実行により制作した作品例について提示するものである。

なお,上に掲載されている作品例は,すべてカラー作品であるが,印刷の都合からモノク ロームとなっている。

2.プログラムの構成と機能

 幾何紋様と言われているものは,通常その単位とされる基本図形(mitpattem)が連続 または展開(集積)されたかたちで成り立っている。それ故,ある一つの基本図形が上下 または左右に繰り返されて連なった紋様は二方連続紋様,あるいは基本図形で上下左右の 空間をすき間なく埋められた紋様を四方連続紋様(al1−overpattem)などと言われてきて

いる。

 本プログラムの実行によるパターンデザインの制作は,まず紋様の単位となる基本図形 の作図からスタートする。基本図形の作図は,パソコンが内蔵している乱数発生の命令

(RANDOMIZE)により,乱数系列を設定してこれを数式の定数としてパターンを描かせ る方法(乱数による方法)と,グラフィック・エディターの機能を使う方法の二種をとり 入れている。そのいずれの方法からでも任意の図形を作成できるが,前者の方法からは曲

(5)

基本図形への作図はかなり自由に行える他,その作図のヴァリエーションは著しく豊富な ものとなっている(乱数によるパターン作成だけでも最大(65536×2)個のパターンが描

出できる)。

 次に基本図形への彩色とその変更は,中間色をふくめた125色と5つのタイリングパター ンの中から選択して行え,またこれを展開した連続紋様の任意の箇所にもさらに形の描き 込みと彩色(色の変更)ができるようにした。

 また,制作途中の画面のデータは保存・再生が可能で,したがってそのサンプリングも容 易となっている。つまり,基本図形の作図,修正を行いながら,これを展開させてその連 続紋様の展開効果を確認したい時は,もとの基本図形はその画面で強制的に保存される。

このようにして基本図形の修正,保存,展開,再生,修正が繰り返し制限なく行えて,パ ターン追求の学習が深められる他,保存された基本図形を取り出し,これによって制作過 程の検討等が可能なことから,生徒の感覚トレーニングの学習に極めて有効であると思わ れる。さらにこの基本図形のみの保存でフロッピーディスクも有効に使用できる利点が得

られた。

 最終的に展開された完成画面は,カラープリンタ(PC−PR201CL)で印刷されてパター ンデザインの作品が完成する。なお使用機種の本体はPC−9801Mである。

 本プログラムによる実行の基本的な機能は次の通りである。

(1)基本図形の作成方法の選択  ①乱数による基本図形

 ②任意の大きさでのエディターによる基本図形

(2〉背景色と描面色の選択   0〜7の番号による色の指定

 (0:黒 1:青 2:赤 3:紫 4:緑 5:水色 6:黄色 7:白)

(3)基本図形の作成       ●  ①乱数による基本図形のサンプル出カー覧からの基本図形の選択

   (サンプル出カー覧の作成)

   基本図形の条件と番号の選択    乱数による基本図形作成

 ②任意の大きさでのエディター機能による基本図形の作成    基本図形の大きさ指定

   +字形のカーソル移動(移動方向はテンキーの配置に対応)の軌跡による描画    移動方向はカーソルキーおよびテンキーの配置に対応

(4)基本図形への彩色

 ①基本となる8色と中問色を含めた125色の色彩  ②5種類のタイリング・パターン

   (任意なタイリング・パターンの作成登録可能)

 ③補色による彩色

   基本図形の任意の位置へ+字形のカーソル・パターンを移動後,CRキーの押された

(6)

  位置を基準にして,(2)で指定した描画色に囲まれた領域へ彩色することができる。さ   らに,カーソル移動時に一定の幅で補色に変更することもできる。

(5)基本図形の複写(連続紋様の作成)

  彩色した基本図形を単位とし,これを他の画面(640×400ドット)上に展開して連続  紋様を作成する。

  作成された連続紋様に対しても,(4)に示したような彩色が可能であり,これらの機能  を利用して,最終的なパターン・デザインを完成させる。

(6)画面データの保存と読込み

  制作途中の画面データを保存することができるとともに,読み込み後の画面データに  対する制作を続行することができる。

  これによって,サンプリングが容易となり,配色効果などの検討ができ,カラー・シ  ミュレーションの利用ができる。

(7)完成作品の印刷

  最終的なパターン・デザインは,カラープリンタによって印刷して(カラープリンタ  の性能による画面上の色彩との誤差はある)作品としての完成される。

3.処理の流れとキー操作

パターンデザインの学習シミュレーションシステムの処理の流れと,その機能に対応す るキー操作は下図の通りとなっている。

 図1処理の流れ

*作品作成工程自動保存用の画面データ名の入力

(連続紋様へ展開する基本図形を保存)

*画面データの読込みの無/有

*基本図形の作成*

背景色・描画色の入力 0〜7の番号による色の指定

(O:黒 1,:青 2:赤 3:紫  4:緑 5:水色 6:黄 7:臼)

作成方法の選択(数式/エディター)

数式符号の乱数化の有無 形番号の入力

作成図形の大きさ(最大幅の入力〉

基本図形のサンプル出力(有/無)

確      認 基本図形のパターン選択(1〜5)

率の入力 本図形の作成

サンプル出カー覧

(次ページヘ)

(7)

Cキー:指定色で描く, Pキー:描画色で描く, Eキー:描画色を消す Xキー:水平方向13ドット幅を補色に,Yキー:垂直方向7ドソト幅を補色に  (5キー:描画機能を解除しカーソル移動機能だけになる。〉

C Rキーによる十字形のカーソル位置に対する彩色処理と編集処理の選択 O−7ニカーソル位置を含む描画色で囲まれた領域へ番号に対応する色の彩色

8:描画色で囲まれた領域への中間色の彩色 中間色の選択方法(スペースキーで決定〉

  ↑↓:グループの選択  ←→:水平方向の選択   C Rキー:グループ内での下方向の選択

9:タイリング・パターンによる彩色 新規作成の有/無

垂直方向のドット数の入力,作成枠の表示 移動    ↑↓←→

色の指定:0〜7の番号による色指定 定:スペースキー,パターン番号への登録

度作成の有/無 選択パターン

番号の入力

10:式  11:画面表示 12:画面データの印刷 R:ユニット画面に戻る

   3:基本図形からの連続紋様への展開  14:画面データの保存  E:終了

表1基本図形からのパターン選択一覧

12345 NOR凹AL

SY凹凹ETRY SY斡凹ETRY SY凹凹ETRY SY凹凹ETRY

FOR Y FOR X

F OR ×・Y

FOR X,Y,XY

表2描画色、背景色の指定と乱数発生の指定

(潔辮霧駕縫響よ君繍薩照)

憐輪樋鱒⇔鱒鱒曽●じ鱒軸鱒僑鱒鱒●○●レ梼軸鱒齢齢●レ⇔憐⇔◎じ曽鈴鈴○○輔鱒鱒●ひ韓管鱒櫛穏鱒⇔鱒斡鱒樋鱒◎憐○⇔鈴曽

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鱒憐鱒⇔槽o鱒擬資骨脅鈴曽韓骨鱒鱒●レ伽レ静麓憐骨鱒鱒脅鱒鱒鱒軸脅鱒憐鱒鱒鱒鱒鱒骨⇔鈴樋鈴韓鈴鈴◎鱒⇔翰鱒鱒鱒     ●じ鈴髄麓軸 P廿SH SPACε KEY 鱒鱒鱒齢崎

ロ     て      さ      も

,墨、㊨

5       6      7

・礁

図2乱数発生による図形1

  (表2の符号の乱数化の指定を「1」としたときの描出図形の0〜8までを示す。)

(8)

 

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(9)

露翻購

図5基本図形(選択パターン2)への彩色

(鰍鰹講纏耀器轟蒙瀬される色面による5個のタイリン)

4.おわりに

 パターンデザインの学習シミュレーションシステムとして試作した本プログラムは,既 に今年(昭和61年)から長崎工業高校インテリア科の実習授業において,試験的に使用さ れている。同科では実習にPC−8801を7台と1台のPC−9801Fが使用できることから,予め

2人1組でPC−8801で1〜2時問のキー操作の練習の後,本プログラムをPC−9801Fで使用 して,交代で壁紙・カーテンその他のデザイン学習に役立てようとしている(カラープリ ンタは精工舎GP−700M)。その学習の使用状況と結果の詳細については,次号に報告する予 定であるが,これまでのところプログラム上のトラブルもなく,かつ生徒の作品はそれぞ れに変化に富み,極めて良好な結果が得られている(作品例1,2,3,4,5)。

 今後は本プログラムのグラフィックエディターにより多くの機能を付け加えて,豊富な パターン制作の可能性を蓄積し,またその操作性や処理速度の向上をはかるため,コンパ

イラで実行できるプログラムに修正,整理していく必要があると考えられる。

参考文献

1.大脇健一他(1984)「HOMT図形による紋様作成」日経バイト 日経マグロヒル社 PP.57〜68 2.工藤丈彦他(1982) PC−8801グラフィックのすべて アスキー出版

3.佐口七朗他(1984) コンピュータグラフィックス ダヴィッド社

(10)

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3140 LOCATE O O PRINT USING "cX Y) ###t / #### " P MINX (MAXX a'fNX)Y" Q PJINY  (MAXY MINY] 2 PRINT " > " C MoDE$ A$ tNKEY$ IF A$ "" THEN 3140 

3150 LOCATE O O PPINT USING "(X Y) #### / #### c$### t###] (#### #t##, p MI  NX (MAXX MINX]Y2 Q UINY (MAXY MINY]Y2 O (MAXX MINX]V2 O (MAXY MINY'Y2 btAXX N41NX* 

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3180 IF A$<)CHR$(13] THEN 2170 ELSE IF XOR FLG O THEN GET (P 6 Q, (Pt6 Q] GXX  GET (P Q 3) (P Q 3] GY'e 

3190 PUT O(P 6 Q I GXX PRESET PUT e(p Q 3] GYX PRESET XOR FLG O RETURN  3200 IF ASC(A$] 48 ) O THEN ON ASC(A$) 48 GOTO 3"90 3300 3310 3320 3330 3340 33  50 3360 3370 

3210 IP ASC(A$] 27 ) O THEN ON ASC(A$] 27 GOTO 3340 3320 3360 3300 

3220 IF A$ "X OR A$ "x" OP A$ " " THEN XOR FLG I YOR FLG O POI FLG O PRE  FLG O C MODE$ "X  .sP" GOTO 3140 

3230 IF A$ Y" OR A$ "y" OR A$ ・ THEN XOR FLG I YOR FLG i POI FLG O PRE  FLG O C MODE$ "Y   3P" 

3240 IF A$ "P" OR A$ p OR A$ "t" THEN POI FLG I XOR PLG O YOR PLG O PRE ‑ ‑,. ,, ‑ . ‑ . . ‑ . . . ‑ . . 

FLG O C F.tODE$ "・. ,,・ " 

3250 IF A$ E OR A$ "e OR A$ "4 THEN PRE FLG I XOR FLG O YrJR I LG O POl  FLG o c MODE$ ・. )x " 

3"60 IF A$ C OR A$ c" OR A$ "・" THEN PRE FLG I XOR FLG o YOR FLG O POI  FLG=0 : C.bIODE$="4Dy‑h"' : CLS LOCATE O O PRINT C MODE$ : INPUT "/D 11 (0‑7)" 

: FC 

3270 GOTO 3140 

参照

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