Junel972
TheJournalofGeobotany
Vol・XX・No.2中島邦雄*琉球新産,ウシオツメクサと ア キ ザ キ ナ ギ ラ ン に つ い て
KunioNAKAJIMA*:0ntheTwoNewAdditionstotheFloraoftheRyukyus
ウシオツメクサ(シオツメクサ,Fig.1‑A,B)
今日まで琉球からウシオツメクサ属は知られていなかったが,最近,沢岻安喜氏より 1958年5月1日に那覇市泊で採集された一葉の標本の恵与を受けた。はじめ,ツメクサ属 に 近 い , 帰 化 品 か , そ れ と も 自 生 品 か 迷 っ た 。 幸 い , 水 島 正 美 先 生 に ご 精 検 を お 願 い し た と こ ろ , 自 生 品 の ウ シ オ ツ メ ク サ で , し か も 琉 球 に 新 分 布 な る こ と が 判 明 し た の で こ こ に 報告する。
本橦は海岸塩湿地生,1年か越年生草本。茎,基部より分岐,高さ13〜23cm,上部,花 柄,がくに腺毛か、ある。葉,対生,線形,鋭頭,無毛,長さ0.5〜2cm,時々葉腋に葉束 をつけ輪生状となる。托葉,膜質,下半分合生,長さ1.5〜3mm・花,上部の葉腋からで て,やや総状花序のように(3−)4−5(−9)月に咲く。小柄1〜4mm・がく片5, 卵形,鈍頭,長さ3mm・花弁白色。北半球の温,暖,亜寒帯に広く分布する。なお,水島 先生によれば,標本の採集地が内陸l生でやや徒長気味になっているとのことであった。終 りに,標本を同定いただき,種々ご教示いただいた東京都立大学牧野標本館の水島博士,
それに当標本を御恵与下さった沢岻安喜氏に深く感謝する。後日のため本標本は明治山植 物園におく。
アキザキナギラン(Fig.2‑A,B,C,D)
1967年8月,嘉津宇岳に採集した際筆者は一見変ったラン科植物を1株得た。それは ナギランに似るも,偽球が棒状で長いものである。それ以来,花を見る機会に恵まれなか っ た が , つ い に 数 人 の 採 集 し た 株 が , 昨 年 末 と 今 年 始 め に , 花 と 果 実 を 着 け た の で , 充 分 観察することができ,アキザキナギランであ。ることが分った。しかし,基橦とするべきか と 迷 い , 幸 い 記 録 や 図 と 共 に 生 品 を 大 井 次 三 郎 先 生 に 送 付 し た 所 、 鈴 木 吉 五 郎 氏 の ご 意 見 も付記され,アキザキナギランそのものであることをご教示いただいた。ここに,本種が 今 日 ま で 琉 球 か ら 初 品 で あ っ た の で , 今 回 報 告 い た し た い 。 本 品 は 嘉 津 宇 岳 に お い て , 人 の 出 入 の 多 い 所 で , ナ ギ ラ ン よ り も 目 立 ち や す い 存 在 で 生 え て い る の に , 今 日 ま で 人 目 に つ か な か っ た の は 不 思 議 な く ら い で あ る 。 ま た , 本 品 を 南 安 和 岳 か ら も 得 て い る が , 安 和 岳 か ら は ま だ 見 出 さ れ て い な い 。 し か し , 調 査 か 進 む に つ れ , 安 和 岳 か ら も 発 見 さ れ る 可 能性がある。
ア キ ザ キ ナ ギ ラ ン は ナ ギ ラ ン に 比 べ て , 偽 球 か 棒 状 で 長 く , 葉 は 幅 広 く 長 く て や や 薄 質 , 先 端 に 鋸 歯 が な く , 花 は 葉 よ り も 低 く 秋 か ら 冬 に 咲 き , 種 子 は や や 長 い 点 な ど で ナ ギ ラ ン
と異る。次にアキザキナギランの特徴を記しておく。
*沖繩県名護市宇茂佐111111,Umosa,Nago,Okinawa
Prefect北 陸 の 植 物 第 2 0 巻 第 2 号 昭和47年6月
主に山地の林床(石灰岩の割れ目などにも多い)に生え,偽球は棒状となり高さ25〜40 cm,径6〜12mm,毎年春から夏にかけて新しく出る(花は今年度のものに着<)。鱗片葉は 一茎に8,9個, 長さ0.5〜9.5cm,IB8〜18mm,偽球を包む。葉は長さ13〜25cm,幅2,5
6cm,やや薄<,縁にぎざぎざがな<,一茎に2〜4(‑5)枚を長さ5.5〜10cmの柄
の先に着ける。花茎は偽球の中央より下方に出し,長さ17〜25cm,3〜5節があり,上方
蕊
蕊
爵
蕊騨溌
Fig.1‑A
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Junel972 TheJournalofGeobotany
Vol・XX,No.2識灘
睦噴瞳晶貼騨喪
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騨配、'噂錨擬酷麹、』[瀧織諜騨韻]、t晋設、、蟻
難 蹄唾騨賢乳 蝿いい貼晶唾貼串に貼貼︑鷺鄭
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Fig.1−B
に5〜6個の花をまばらに着け,花は葉よりも低い。苞は長さ13〜20mm,幅2〜3mm・小 花柄は長さ5〜10mm。花は径約6cm,がく片と花弁は淡緑褐色で中央に暗紅色の一条があ り,唇弁はやや白くまだらの暗紅色の斑点がある。ガク片は長さ30〜35mm,幅6〜7mm, 花弁は長さ約26mm,幅約6mm,唇弁は長さ約21mm,幅約18mm・ずい柱(花時)長さ15〜20 mm・果実は長さ4〜5cm,径1,5〜2cm,上向して2〜5個着ける。
これまでにシュンラン属(Cyllz6"""SwARTz)は、Cyw.虎α"""MAKINoカンラ ン,Cy".〃増加""zMAsAMuNEナギラン,Cy"z.s"elzse(ANDR.)WILLD.ホウサ
イランが沖繩から知られているが,今回のアキザキナギランを加えて4種となる。本稿を草するに当り,生品を同定下さった大井次三郎博士(国立科学博物館),鈴木吉五 郎氏,果実の着いた生品をお与え下さった園原咲也先生,開花品の観察を許された小林昇,
それに花や果実の貴重な写真を提供下さった比嘉弘(旭農園)の諸氏に対して心よ')感謝の
意を捧げる。
昭和47年6月 第 2 0 巻 第 2 号
北 陸 の 植 物
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鴬灘
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…
Spergulariamarina(LINN.) GRIsEB.(Fig.1‑A,B) Nom・Jap.Ushio‑tsumekusa.
Hab.Ryukyus:Okinawals., sunnywetplaceawayside nearseashore,tomariin
1
Fig.2−AWholeplant×0.6
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Junel972 TheJournalofGeobotany
■ : ■ ロ ー ■
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Vol.XX.No.2
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北 陸 の 植 物 第 2 0 巻 第 2 号 昭和47年6月
讃
:餅
鴬
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Fig.2‑C,Fruits×0.7Fig.2‑DAnewbulbandleaves×0.6
Naha‑city(Maylst,1958;A.TAKusHI‑MEBG).
Distr・Japan,Korea,Manchuria,SachalinandNorthwards,anewtothe HoraoftheRyukyus(S.Okinawa).
CymbidiumjavanicumBL.var.aspidistrifonum(FuKuYAMA)F.MAEKAwA (Fig.2‑A,B,C,D)
Nom・Jap.Akizaki‑nagiran.
Hab・Ryukyus:Okinawals.,Mt.Katsuu‑dake(Au9.16th,1967‑K.
NAKAJIMA,Mayl3th,1968−N・KoBAYAsHI,H.HIGA,S.NIsHIetA.
NAKAzATo,Nov.14th,1968‑S・TERuYA,Mar.31st・etApr'7th, 1969‑K.NAKAJIMA),Mt.Minamiawa‑dake,Kunigami(Jan.10th,1969‑
K.NAKAJIMA‑cult・inMEBG).
Distr.S.Japan,Formosa,anewtotheHoraoftheRyukyus(Okinawals.).
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