9 叩 T c −d ,1 −h e x a m ethyl−pr Op yle n e a m in e o xi m e に よる 脳 血流シ ン チ グラフ ィ に関する基 礎 的 臨床的 研 究
金沢大 学 医 学 部核 医学 講座 く主任こ久田欣一 教 授I
寺 田 志
く平成1年2 月1 3 日受 付1
新しい脳 血 流 測 定用割と し て の 9 Wrc−d,1.he x a m ethyl−pr Op yle n e ami n e o xim e く馴T c−d,ト H M P A Ol の化学 的 性 質 及び そ の体 内動 態を ラッ ト及びヒトで基 礎 的に検 討し, さ らに脳 疾 患 症 例にて 臨 床 的検 討せ行った. In vitr o での 洲Tc−d,1−H M P A O の放 射 化 学 的 純 度は標 識 直 後で は 9 3%と良 好で あった が. 以後 経 時 的に漸 減し た. 脳へ は投 与量の5 % 前 後が集 積し, 投 与2 − 3 分以後は1 0時 間まで
安 定であった. 血中濃 度は投 与1 分前 後で最 高 値に達し, 約5 分後ま で は速や かに減 少す る も のの, そ れ 以後はゆる やか に減 少し た. す でに報 告さ れ ている血 球への高い結 合 率に加えて, 血 清 蛋 白への高い 結 合 率も実 験 的に示 さ れ た. さ らに, こ の血球及 び血 清 蛋 白に結 合し た 99 mT c−d,l−H M P A O は血 液 脳 関 門を通過し ない こと が 示 さ れ た. ラット脳で のミ クロ オ ー ト ラ ジ オ グ ラフ イ及び化 学 的 変 化に関す る検 討で は, 9 9mTc−d,トH M P A O は血 液 脳 関 門を通 過し え,
一 旦血 液 脳 関 門を通 過し た脂 溶 性の遊 離の
9 9n
T c.d,トH M P A O は脳 内で速や かに非 拡 散 性 物 質に転 換す ること が判 明し た. 馳Tc−d,l,H M P A O によ る single photo n e mis siun c o m pute riz ed to m ogr aphy くS P E C Tン 像と N.is opr op yl.くl.1 2 31
p.iodo a m pheta min eくI M Pl の S P E C T 像との比較において, 虚血 の検 出に関し て は I M P の方が優れ
て いた. こ の理由を明らか にす る た めに, La s s e n らによって提唱 さ れ たヒト で の9 9mTc−d,1−H M P A O 体 内分 布の動 態モデルを 用いて, 脳 血 流 値と速 度 定 数を数 学 的 方 法によ り求め た. 脳 内で の拡 散 性の
9 9nY
rc.d,1−H M P A O から非 拡 散 性 代 謝 物 へ の転 換の速 度 定 数 くk,1 は, 脳 内の拡 散 性の 9 9mTc−d,1−
H M P A O か ら 血中の拡 散 性の 9 9nT c−d,1−H M P A O への移 行の速 度 定 数 くk2J に比し て充分に大き な値で は ないた め, 脳から 血中への逆 拡 散が起こり, この道 拡 散は血 流 値の大き な ところ ほ ど多い の で, これ が健 常 部と虚血部のコ ント ラス ト を悪く す る ものと考え ら れ た. し か し L a s s e n らの提唱 し た補正式の 妥 当 性が数 学 的に証 明さ れ, こ の補正式によ りコ ント ラスト を改 善でき ること が確認さ れ た. このコ ン ト ラスト改 善 法は今 後 積極 的に用い ら れ るべき ものと考え ら れ る. ま た脳への 入力と な る血 中の拡 散 可 能な 99mTc−d,1.H M P A O の濃 度は, 静 注後 速やか に減 少し, 静 注2 分 後に は 0 にな ること が わ か り, 9 9n
Tc−d,1.H M P A O によっ て投 与 直 後の血流の情 報が保た れ ること が わかっ た.
一方ヒト での比 較と は
反対にラットの脳 虚血モデル によ る 比較で は,
9 9m
Tc−d,1−H M P A O と I M P の 2 つの像にコ ント ラス トの
優 劣は み ら れ な かった. これ は k3 備にお け る種 特 異性が 予想さ れ, ラ ットではと卜に比 べ て k3 値が k2 値に対し て非 常に高いと考え ら れ た. 一 方 計7 5 回の 臨 床 例で の検 討におい て, X 線 c o m puted to m ogr aphyくC TJ との比較で は X 線C T 陰 性 例で 9 gmT c−d,1一自M P A O が高 熱 与局 所 的虚 血巣を指 摘し 得た. ま た破裂 脳 動 脈 癌によ る クモ膜 下 出血後の急 性 期に於け る脳血流の評 価で は, X線 C T や脳 血 管 造 影で検 出し得ない局所脳血流 異 常が検 出さ れ, その群で後に高 率に遅 発性 脳 虚 血 症 状が出現し, 予後 の推 定に有用 であった. M ata s 負 荷と 9 9nTc−d,トH M P A O −S P E C T を組 合わ せ る方法によ り, 負 荷 前と 負 荷 中の検 査を連 続して行な うことによって, 短時 間 内に全検査 を行い , 側 副血行を評価す る方 法を開 発し た. 以 上 99n Yrc−d,1−H M P A O によ る S P E C T 検 査は, 本 剤が キッ ト形と し て 入手で き る た め緊 急 性 を有す る症例で は何 時で も施 行し う る点,
鍋mTc 標 識の た め大量の放 射 能を投与で き る た め短い撮 像 時 間で空 間 分解 能に優れ た像を得ること が で き る点, 短時 間の負 荷 試 験に適し ている点において今まで の
I M P S P E C T 検 査よ り優れてお り, 臨 床上極めて有用 な検査であ ること が判 明し た.
卸T c−d,1−H M P A O によ る脳 血 流シ ンチ グ ラフ ィ 3 0 3
K ey w o rds 9 9 mT c−d,トH M P A O, C e r eb ral blo od flo w , Singl e−Ph oto n e mis sio n
C O m puted to m ogr aphy
近 年, N .is opr op yl−くI−1 2 31p−iodo a m pheta min e
くI M PJll, N,N −dim ethylbe n zyl−N,−く2−hydr o xy−5.iodo−
3−m ethylbe n zy11−1,3−pr Opa n ed ia min e くH I P D M12l,
thalliu m−2 0 1 diethyld ith io c a rba m ate のD C13Iな ど各 種の Sigle photo n e mis sio n c o mpute riz ed to m ogr a− phyくS P E C TI 用剤が開 発さ れ, 局 所 脳血流の評 価が 容易に行わ れ る よ うにな っ た . こ の中でも, 主に Holm a n ら4 州 によっ て臨 床 的 有 用 性が確立 さ れ た I M P は,本 邦で も既に市 販さ れ,
一般 医 療レ ベ ルで広 く用いら れ ている. し か し本 剤は l当 標 識のた め緊 急 時の 入手に制 限がある. ま た投 与 量も限ら れ艮 好な画 像を得るには長 時 間の撮 像が必 要で あ る. こ のた め
伽Tc 標 識 薬 剤の開 発が試み ら れ て き た. キッ ト化さ れ た 伽Tc 標 識 薬 剤を 用いれ ば, 何 時 如 何な る時で も 検査が可能で あ り, 投 与 量も多く で き る た め短 時 間で の撮像も可能である か ら で あ る.
脳血 流シ ンチグラフ ィ用剤と し て の 重要な条 件は脳 組織への高い集 積 率と, 長 時 間にわ た る脳へ の停 滞で ある. この 2 つ の条 件を満た す 馳T c 標 識 薬 剤と し て 最 近 削T c−he x a m ethyl−pr Op yle n e a min e o xim e
く蜘Tc.H M P A O171が開 発さ れ た. 本 剤は Tr o utn e r らel によっ て開 発さ れ た 蜘T c−pr Op yle n e a min e o xim e
く伽T c.PnA Ol を, Neirin ckx ら が改 良し た もの であ る.
謝Tc−PnA O は 血液 脳 関 門を通 過す る もの の, 停 滞能が 悪 く, す ぐに脳 組 織よ り洗い出さ れ る欠 点を有 し た. これに対し 9 9mT c−H M P A O 特にその d ,1 体 く伽T c−d,1−H M P A OI は, 優れ た停滞 能を 示 し脳血流周
割と し て は 理想 的と言え る.
し か し, その脳 内 動 態や代 謝に関し て は未だ 不明な 点が多く, 定量的 測 定 法も開 発さ れ ていない . こ の研 究の目 的は 基礎 的 検 討に よ り 9 9mTc−d,l−H M P A O の脳 内動態を明か にし, その脳血流シ ンチ グ ラフ ィ用剤と し て の基 本 的 性 質を明確に捉え ることによ り, 本 剤の 臨床的 有用性を確 立す ること で あ る.
対 象およ び方法 L 基 礎 的 検 討
1 . 放 射 化 学 的 純 度
3 種 類の th inlaye r chr o matogr aphyくT L Cl 系を用
いて, 9 9n
T c−d,1−H M P A O の放 射化 学 的 純 度を検 討し た刀. 前回溶 出よ り2 0時 間 後の ジェ ネレ ー タ よ り得ら れ た 6 0m C i15 ml の 酬TcO..を d1,−H M P A O の凍 結 乾燥キットに加え, その2 0声1 のサンプルを, 2 枚の T L C 用シリカゲル スト リップくGelm a n I T L CIS I G ,
2 5x2 0 0m 叫 と 1 枚の ろ紙 くWh atm a n No.1,
2 5X2 0 0m mIの原 点よ り 2 3m m の部 位に 塗布し, 直ち に展 開し た■ 2 枚のI T L CIS I G はおの お の m ethyle− thylketo n eくM E Kl くシ ステムい と0 .9% NaC l 溶 液 くシ ステム2I で, Wh atm a n No.1 は5 0%a c eto nitri 1e
くシ ステム3I で展 開し た. 展 開後, 風 乾し, T L C ス キャナ ー JT C−5 01くA loka, 東京lで放 射 能 分 布を測 定 し た− シ ステム1 に おけ る原 点 付 近の放 射 能の割合か ら, シ ステム3 の原 点付 近の放 射 能の割 合を差し引い て,
9 9 n
T cqd,1−H M P A O の二次 性 錯 体の割 合 くA %1 を 求め た. ま た, シ ステム2 にお け る溶 媒 先 端付 近の放 射 能の割 合と し て 伽TcO4
−
の割合 くB%1 を, シ ステ ム3 にお け る原 点付 近の放 射 能の割合と し て 馴Tc の 還元水 解物の割 合 くC %I を求め た.
以 上 よ り, 9 9m
Tc−d,トH M P A O の放 射 化 学 的 純 度 く%1 を10 0 −くA 十B+Cンで求め, そ の時 間 的 推 移を標
識 直 後か ら1 0 0分ま で検 討し た.
2 . ヒトにお け る血 中 及び尿 中ク リ ア ラン ス 3 例の脳血管 障害 患 者で 馴Tc−d ,トH M P A O を静 脈 内 投与し た後, 経 時 的に3 0分まで動 脈 採血 を, その
後2 4時 間ま で静 脈 採血 を行い血 中ク リ ア ラン スを測 定 し た. ま た同じ患 者で投 与 後0 −8 時 間. 8 −1 2時 間,1 2 −2 4時 間の尿 中クリ ア ラン スを測 定し た.
3 . ヒトに おけ る血 球及 び 血清 蛋白 結 合 率 In vitr o , 3 7OC の条 件下 で ヘ パ リ ン加血 液 に
伽Tc−d,1−H M P A O を添 加し, 1 , 5 ,3 0.6 0分のイン キュ ベ ー ションを行った. こ の後, 遠心分 離し一 定量 の血清の放 射 能を測 定し, ヘ マト ク リッ ト で補正 す る ことによ り, 全血液に対す る血 球 結 合 率を算 出し た.
同じ条 件下 で , 血 清に 9gmTc−d,1−H M P A O を添 加
A b br e viatio n s ニ
1 4C, C a rbo n q1 4 ニI M P , N −is opr op yl−P−E1 23 0 r 125コIod o a m pheta min e三 M E K, m ethylethylk eto n e三S P E C T , Single photo n e mis sio n c o mputed to m ogr aphy ニ B 5Sr, Str O ntiu m −85 三 9 9 mT c, te Ch n etiu m −9 9m 三
9 9 m
T c−d ,1−H M P A O , 9 9 m
T c−d,1−he x a m ethyl−pr Op yle n e a . min e o xim eニT L C
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