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佛教大学仏教学会紀要 23号(20180325) 027伊藤真「李通玄における『華厳経』の善知識・安住地神の理解」

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Academic year: 2021

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(1)

は じ め に 華 厳 経 は 冒 頭 で 、 仏 成 道 の 場 で あ る マ ガ ダ 国 の 菩 提 道 場 を 舞 台 に 、 仏 の 説 法 の 座 に 集 ま る 無 数 の 大 衆 を 列 挙 す る が 、 そ の 中 に は い わ ゆ る 天 八 部 衆 な ど に 加 え 、 主 道 場 神 、 主 城 神 、 主 夜 神 、 主 昼 神 、 主 山 神 、 主 河 神 、 主 水 神 、 主 方 神 な ど 、 多 く の 神 々 が い る 。 そ の 中 の 一 つ が 大 地 の 神 、 主 地 神 で あ る 。 ま た 、 華 厳 経 の 最 終 章 入 法 界 品 も 、 シ ラ ー ヴ ァ ス テ ィ ー の 園 精 舎 に 無 数 の 菩 ら が 集 っ た 仏 の 説 法 の 場 面 で 始 ま る が 、 座 を 辞 し て 南 方 へ 向 か い 、 荘 厳 沙 羅 林 の 大 塔 に て み ず か ら 経 を 説 く 文 殊 菩 に も 、 主 水 神 ら 多 く の い わ ば 自 然 神 た ち と 共 に 主 地 神 が 随 行 し て い る 。 続 い て 文 殊 菩 の 教 え を 受 け た 善 財 童 子 が 比 丘 ・ 比 丘 尼 、 在 俗 の 男 女 、 神 々 、 観 音 や 弥 勒 ら 大 菩 た ち な ど 五 十 余 人 の 善 知 識 を 遍 歴 し て 教 え を 請 う が 、 そ の 一 人 と し て 第 三 十 番 目 に 訪 問 す る の が 安 住 地 神 と い う 大 地 の 女 神 で あ る1 ︶ 。 こ の 安 住 地 神 に 重 要 な 意 義 を 見 出 し た の が 、 華 厳 経 が 説 く 菩 道 を 賞 揚 し た 中 国 ・ 唐 代 の 居 士 、 李 通 玄 ︵ 六 三 五 ∼ 七 三 〇 年 頃 ︶ だ っ た2 ︶ 。 李 通 玄 の 解 釈 は 、 こ の 女 神 が 十 住 ・ 十 行 ・ 十 廻 向 ・ 十 地 ・ 等 覚 ・ 仏 と 次 第 す る 菩 の 修 行 階 位 中 の 第 十 廻 向 位 を 説 く も の と す る 当 時 の 中 国 の 華 厳 思 想 に お け る 解 釈 に 則 っ て い る が 、 二 七 李 通 玄 に お け る 華 厳 経 の 善 知 識 ・ 安 住 地 神 の 理 解

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同 時 に 、 入 法 界 品 で 直 前 に 登 場 す る 善 知 識 で あ る 大 天 と こ の 女 神 を 中 国 古 来 の 乾 坤 両 神 に な ぞ ら え て 理 解 し て い た こ と も 見 逃 せ な い 。 大 天 を 乾 神 と し 、 安 住 地 神 を 坤 神 と す る こ と で 、 李 通 玄 は 中 国 固 有 思 想 の 伝 統 に な じ み 深 い 形 で こ の 大 地 の 女 神 を と ら え 、 そ の 結 果 、 菩 が 探 求 し 続 け る べ き 智 と 慈 悲 と を 円 満 に 融 会 し た 存 在 と し て 描 き 出 し た の で あ る 。 本 論 で は 、 最 初 に 華 厳 経 に 登 場 す る 種 々 の 自 然 神 と 安 住 地 神 の 特 徴 を 概 観 し た 上 で 、 李 通 玄 が 中 国 固 有 思 想 を 援 用 し て こ の 大 地 の 女 神 を 理 解 し 、 菩 道 の 核 心 を 象 徴 す る 存 在 と し て 描 き 出 し た こ と を 浮 き 彫 り に し た い 。 一 、 華 厳 経 に 登 場 す る 自 然 神 た ち と 安 住 地 神 一 | 一 、 世 主 妙 厳 品 の 神 々 華 厳 経 で は 、 開 経 劈 頭 の 世 主 妙 厳 品 で 、 仏 の 始 成 正 覚 の 菩 提 道 場 を 讃 歎 す る 中 、 そ こ に 集 う 無 数 の 菩 た ち の ほ か に 、 下 記 の よ う な 十 九 の 部 類 一 九 〇 名 の 神 々 と 、 続 い て 無 数 の 天 ・ ・ 夜 叉 王 ら が 会 座 の 大 衆 と し て 列 挙 さ れ る 。 執 金 剛 神 、 身 衆 神 、 足 行 神 、 道 場 神 、 主 城 神 、 主 地 神 、 主 山 神 、 主 林 神 、 主 薬 神 、 主 稼 神 、 主 河 神 、 主 海 神 、 主 水 神 、 主 火 神 、 主 風 神 、 主 空 神 、 主 方 神 、 主 夜 神 、 主 昼 神 ︵ 八 十 華 厳 、 大 正 一 〇 、 二 中 三 下 ︶3︶ 阿 修 羅 王 、 樓 羅 王 、 緊 那 羅 王 、 摩 羅 伽 王 、 夜 叉 王 、 諸 大 王 、 鳩 槃 荼 王 、 乾 婆 王 、 月 天 子 、 日 天 子 、 三 十 三 天 王 、 夜 摩 天 王 、 兜 率 陀 天 王 、 化 楽 天 王 、 他 化 自 在 天 王 、 大 梵 天 王 、 光 音 天 王 、 遍 浄 天 王 、 広 果 天 王 、 大 自 在 天 王 ︵ 同 、 三 下 五 中 ︶4︶ 二 八 仏 教 学 会 紀 要 二 三 号

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こ の 内 、 阿 修 羅 王 ら 二 番 目 の グ ル ー プ は 天 八 部 衆 の 類 だ が 、 最 初 の グ ル ー プ は 主 と し て 地 水 火 風 空 な ど の 自 然 の 諸 相 を 神 格 化 し た 自 然 神 と 見 る こ と が で き る だ ろ う 。 本 論 の 関 心 は こ れ ら の 神 々 、 特 に 主 地 神 に あ る 。 華 厳 経 で は こ う し た 諸 神 、 諸 天 を 列 挙 す る 中 で 、 さ ら に そ れ ぞ れ 十 名 の 個 々 の 名 前 が 明 示 さ れ る が5 ︶ 、 主 夜 神 に は 普 徳 浄 光 、 寂 静 海 音 な ど の 名 前 が 見 え 、 の ち に 入 法 界 品 で 善 財 童 子 の 善 知 識 と し て 登 場 す る 主 夜 神 た ち の 名 称 と ほ ぼ 一 致 す る 。 し か し 普 徳 浄 華 主 地 神 、 堅 福 荘 厳 主 地 神 な ど 主 地 神 の 名 前 は 入 法 界 品 で 善 知 識 と な る 安 住 地 神 に 一 致 す る も の は な い6 ︶ 。 一 | 二 、 入 法 界 品 の 神 々 こ の よ う な 仏 の 説 法 の 会 座 の 大 衆 と し て の 神 々 は 、 入 法 界 品 に も 見 え る 。 ま ず 同 品 冒 頭 近 く で 文 殊 菩 が 仏 の も と に 往 詣 し た の ち 、 荘 厳 沙 羅 林 の 大 塔 で 経 を 説 く が 、 そ こ に 随 行 す る 無 数 の 菩 た ち と と も に 下 記 の 諸 神 が 挙 げ ら れ て い る 。 金 剛 神 、 身 衆 神 、 足 行 神 、 主 地 神 、 主 水 神 、 主 火 神 、 主 風 神 、 主 方 神 、 主 夜 神 、 主 昼 神 、 主 空 神 、 主 海 神 、 主 山 神 、 主 城 神 ︵ 八 十 華 厳 、 大 正 一 〇 、 三 三 〇 下 ︶7︶ た だ し 、 こ こ で は 各 部 類 の 神 々 の 個 々 の 名 前 は 挙 げ ら れ て い な い 。 ま た 、 善 財 童 子 は 南 方 諸 国 へ 善 知 識 を 訪 問 し た 後 、 や が て 菩 提 道 場 へ 戻 っ て き て 神 々 に 教 え を 請 う て ま わ る が 、 そ の 一 人 に 喜 目 観 察 衆 生 主 夜 神 が い る 。 こ の 夜 神 は 仏 の 説 法 の 会 座 に 坐 っ て い る が 、 身 体 じ ゅ う の 毛 孔 か ら 身 雲 を 出 す と い う 神 変 を 表 し 、 そ の 中 に 八 部 衆 な ど と 並 び 、 地 神 、 水 神 、 火 神 、 風 神 、 河 神 、 海 神 、 山 神 、 樹 神 乃 至 昼 夜 、 主 方 神 等 に 相 似 の 身 雲 が あ る8 ︶ 。 さ ら に 、 第 四 十 番 目 の 善 知 識 で 、 釈 尊 の 妃 で あ っ た 瞿 波 夫 人 の 前 世 譚 に お い て 、 過 去 世 の 勝 日 如 来 の 成 等 正 覚 を 聞 き つ け て 集 二 九 李 通 玄 に お け る 華 厳 経 の 善 知 識 ・ 安 住 地 神 の 理 解

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ま る 八 部 衆 な ど と 共 に 地 ・ 風 ・ 火 ・ 水 ・ 河 ・ 海 ・ 山 ・ 樹 ・ 園 ・ 薬 ・ 城 の 神 々 の 姿 が あ る9 ︶ 。 こ れ ら を 見 る と 、 基 本 的 に 主 地 神 を 初 め と し て 、 主 水 神 や 主 火 神 、 あ る い は 主 夜 神 な ど の 自 然 の 事 物 や 現 象 が 神 格 化 さ れ た 神 々 は 、 集 団 と し て 集 合 的 に 登 場 し て い る 。 そ う し た 場 面 で は 、 水 や 火 や 山 河 な ど 自 然 界 の 具 体 的 で 代 表 的 な 諸 要 素 を 列 挙 し て 自 然 界 全 体 を 表 現 し て い る と 言 え 、 澄 観 は こ れ ら の 神 々 に つ い て 、 地 神 、 水 神 、 林 神 、 山 神 は 即 ち 器 世 間 の 主 な り 。 天 王 、 王 、 夜 叉 王 等 は 即 ち 衆 生 世 間 の 主 な り 。 如 来 は 即 ち 智 正 覚 世 間 の 主 な り と し て い る10 ︶ 。 た だ し こ れ ら の 神 々 は 、 単 に 物 理 的 な 自 然 環 境 を 表 す の で は な く 、 毘 盧 遮 那 仏 の 説 法 に 耳 を 傾 け て い る 大 衆 の 一 部 で あ る 。 す な わ ち 天 空 や 大 地 、 山 川 草 木 、 そ し て 昼 夜 の 光 も 闇 も 含 め た 神 々 が 仏 の 説 法 の 座 に 集 う と い う 場 面 を 通 じ て 、 法 界 の 理 が 森 羅 万 象 に 遍 満 し て い る 様 を 描 い て い る と 言 え る だ ろ う11 ︶ 。 た だ し そ れ は 主 地 神 や 主 河 神 、 主 火 神 な り 主 方 神 な り が 個 々 に は 意 義 を 持 た な い と い う こ と で は な い 。 陳 永 裕 氏 は 、 こ う し た 神 々 が 果 た す 役 割 に つ い て 、 法 蔵 の 解 釈 に 依 り な が ら 神 は 上 部 に 居 し 、 法 堂 を 荘 厳 し 、 地 神 は 下 に 居 し て 仕 え 、 維 持 す る 徳 が あ り 、 樹 神 は 中 間 に 居 し 、 立 す る 意 味 を 持 っ て い る 。 ⋮ ⋮ 主 夜 神 は 暗 闇 の 中 で 衆 生 を 助 け 、 導 き 、 主 昼 神 は 正 修 、 正 時 を 示 し 、 正 法 を 信 楽 す る 徳 が あ る と す る 。 そ し て 神 々 が そ れ ぞ れ の 役 割 を 持 っ て 、 如 来 の 護 衛 神 と し て 誠 実 に 任 務 を 果 た し 、 さ ら に そ の 仏 道 上 の は た ら き と し て 各 神 衆 は 善 知 識 と な り 、 華 厳 法 界 で 調 和 と 包 容 の 価 値 を 示 す 役 割 を 担 っ て い る と も 指 摘 す る12 ︶ 。 こ の 点 に つ い て は 、 世 主 妙 厳 品 に 登 場 す る 自 然 神 の 一 つ で あ る 風 神 が 勤 め て 我 慢 の 心 を 散 滅 す と さ れ て い る こ と か ら 、 す で に 木 村 清 孝 氏 は リ グ ・ ヴ ェ ー ダ の 時 代 に さ か の ぼ れ る こ の 風 神 は 単 に 仏 菩 の 眷 属 あ る い は 護 法 神 の 一 類 と し て 仏 教 に 受 容 さ れ る に 留 ま ら ず 、 仏 の 活 動 を 担 い 、 仏 の 世 界 を 現 成 す る も の と な っ て い る と 指 摘 し て い る13 ︶ 。 こ れ は 同 じ く 世 主 妙 厳 品 で 主 薬 神 が 性 は 皆 垢 を 離 れ 、 仁 慈 も て 物 を 祐 く 、 主 水 神 が 三 〇 仏 教 学 会 紀 要 二 三 号

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常 に 勤 め て 一 切 衆 生 を 救 護 し て 利 益 を 為 す 、 主 方 神 が 普 く 光 明 を 放 ち 、 恒 に 十 方 を 照 ら し 、 相 続 し て 絶 え ず 、 そ し て 主 地 神 が 常 に 諸 仏 如 来 に 親 近 し 、 同 じ く 福 業 を 修 す と さ れ る な ど 、 共 に 列 挙 さ れ る 山 や 海 な ど の 自 然 神 の 神 々 に つ い て も 同 様 で あ る14 ︶ 。 こ の よ う な 個 々 の 神 々 が 持 つ は た ら き に は ま た 、 菩 の 修 行 を 助 け 導 く 役 割 も 含 ま れ て い る 。 そ れ を 端 的 に 示 す 例 を 入 法 界 品 の 善 知 識 の 一 人 で あ る 善 見 比 丘 に 見 る こ と が で き る 。 こ の 比 丘 は 善 財 童 子 が 訪 問 し た 際 に は 林 の 中 で 天 夜 叉 な ど 多 く の 異 類 に 囲 ま れ て 経 行 を 修 し て お り 、 そ の 様 子 は 次 の よ う に 描 か れ て い る 。 無 量 の 天 、 、 夜 叉 、 乾 婆 、 阿 修 羅 、 樓 羅 、 緊 那 羅 、 摩 羅 伽 、 釈 、 梵 、 護 世 、 人 と 非 人 は 前 後 圍 遶 し 、 主 方 の 神 は 方 に 隨 い 廻 転 し 其 の 前 に 引 導 し 、 足 行 の 諸 の 神 は 宝 華 を 持 し て 以 て 其 の 足 を 承 け 、 無 尽 の 光 神 は 光 を 舒 べ 闇 を 破 り 、 閻 浮 の 林 神 は 衆 の 雑 華 を 雨 ふ ら し 、 不 動 の 蔵 の 地 神 は 諸 の 宝 蔵 を 現 し 、 普 き 光 明 の 虚 空 神 は 虚 空 を 荘 厳 し 、 徳 を 成 就 せ る 海 神 は 摩 尼 宝 を 雨 ふ ら し 、 無 垢 の 蔵 の 須 弥 山 神 は 頭 頂 礼 敬 し 曲 躬 合 掌 し 、 無 礙 力 の 風 神 は 妙 な る 香 の 華 を 雨 ふ ら し 、 春 和 の 主 夜 神 は 其 の 身 を 荘 厳 し 挙 体 投 地 し 、 常 覚 の 主 昼 神 は 諸 方 を 普 く 照 ら す 摩 尼 を 執 り 虚 空 に 住 在 し 大 光 明 を 放 て り 。 ︵ 八 十 華 厳 、 大 正 一 〇 、 三 四 九 下 ︶15︶ す な わ ち こ こ で は 、 方 ・ 足 行 ・ 光 ・ 林 ・ 地 ・ 虚 空 ・ 海 ・ 須 弥 山 ・ 風 ・ 夜 ・ 昼 の 各 神 々 が 善 見 比 丘 に 方 角 を 示 し 、 足 を 支 え 、 闇 を 照 ら し 払 い 、 辺 り を 荘 厳 し 、 あ る い は 五 体 投 地 し て 礼 拝 す る な ど し 、 善 見 比 丘 の 行 道 を 支 え 、 導 い て い る の で あ る16 ︶ 。 こ の よ う に 菩 の 修 行 を 支 え 、 導 く 神 々 の 中 で 、 特 に 大 き な 役 割 を 担 う の が 入 法 界 品 に お い て 単 独 で 善 財 童 子 の 善 知 識 と な る 自 然 神 た ち 、 す な わ ち 安 住 地 神 と 八 人 の 主 夜 神 、 そ し て 一 人 の 林 神 で あ る17 ︶ 。 そ れ は 自 然 神 た ち が 原 則 的 に 集 団 で 登 場 す る こ の 経 典 の 説 相 か ら す れ ば 異 例 と も 言 え 、 そ れ だ け に こ れ ら の 神 々 が な ぜ 、 ど の よ う な 役 三 一 李 通 玄 に お け る 華 厳 経 の 善 知 識 ・ 安 住 地 神 の 理 解

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割 を 担 っ て 登 場 し て い る の か が 注 目 さ れ る 。 し か し 本 論 で は こ れ ら 神 々 の 内 、 李 通 玄 の 入 法 界 品 理 解 に お い て 大 き な 意 義 を 担 う 安 住 地 神 お よ び そ の 一 つ 前 の 善 知 識 で あ る 大 天 に 限 っ て 検 討 す る18 ︶ 。 安 住 地 神 は 六 十 華 厳 で 道 場 安 住 地 神 と 呼 ば れ て い る よ う に 、 主 地 神 で あ る と 同 時 に 、 仏 の 菩 提 道 場 を 守 護 す る 主 道 場 神 の 側 面 も 併 せ 持 つ ユ ニ ー ク な 存 在 で あ る 。 次 に 、 華 厳 経 が 描 く 安 住 地 神 に つ い て 概 観 し て お こ う 。 一 | 三 、 善 財 童 子 の 善 知 識 、 安 住 地 神 ︹ 善 知 識 の 種 類 と 神 々 ︺ 善 財 童 子 が 遍 歴 し て 菩 道 に つ い て 教 え を 請 う 五 十 余 人 の 善 知 識 た ち は 菩 、 比 丘 ・ 比 丘 尼 、 長 者 、 バ ラ モ ン 、 王 、 遊 女 な ど 実 に 多 彩 だ が 、 そ の 中 で 安 住 地 神 は ど の よ う な 位 置 を 占 め て い る か 簡 単 に 確 認 し て お き た い 。 梶 山 雄 一 氏 は 梵 本 に 依 拠 し て 善 知 識 を 次 の よ う に 類 し て い る 。 菩 五 人 、 比 丘 五 人 、 比 丘 尼 一 人 、 在 家 の 男 の 仏 教 者 ︵ 優 婆 塞 ︶ 十 人 ︵ 長 者 三 人 、 家 長 四 人 、 商 人 二 人 、 金 細 工 師 一 人 ︶ 、 在 家 の 女 の 仏 教 者 ︵ 優 婆 夷 ︶ 四 人 、 神 一 人 、 女 神 十 人 、 天 の 娘 一 人 、 婆 羅 門 二 人 、 仙 人 一 人 、 遊 行 者 一 人 、 王 二 人 、 童 師 一 人 、 童 子 三 人 、 童 女 二 人 、 頭 一 人 、 遊 女 一 人 、 ド ラ ヴ ィ ダ 人 一 人 、 さ ら に 出 家 前 の 釈 尊 の 妃 の 一 人 ゴ ー パ ー と 釈 尊 の 母 マ ー ヤ ー 夫 人 も い る19 ︶ 。 梶 山 氏 の 類 で 神 々 の 類 に 当 た る の は 、 善 財 童 子 が 第 二 十 九 番 目 に 訪 問 す る 善 知 識 で あ る 神 の 大 天 、 第 三 十 番 目 の 安 住 地 神 以 下 、 婆 婆 演 底 か ら 大 願 精 進 力 救 護 一 切 衆 生 に 至 る 八 名 の 主 夜 神 と 妙 徳 円 満 神 ︵ 嵐 毘 尼 林 神 ︶ ら 女 神 、 そ し て 天 の 娘 の 天 主 光 童 女 で あ る 。 こ の よ う な 整 理 ・ 類 は 智 や 法 蔵 も 行 な っ て い る が 、 李 通 玄 に は 見 ら れ な い20 ︶ 。 し か し 各 善 知 識 に つ い て の 解 釈 三 二 仏 教 学 会 紀 要 二 三 号

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の 中 で は そ の 居 所 や 職 業 、 性 別 と い っ た 種 々 の 属 性 と そ の 象 徴 的 な 意 味 合 い に つ い て 、 智 や 法 蔵 に 比 べ て 遥 か に 強 い こ だ わ り を 示 し 、 特 に 女 神 は 慈 悲 の 象 徴 と し て 強 調 さ れ て い る 。 例 え ば 安 住 地 神 は 是 れ 女 神 な り 、 夜 神 は て 是 れ 女 神 な り と さ れ 、 ほ か の 神 々 に つ い て も 凡 そ 是 れ 夜 神 、 河 神 、 海 神 、 地 神 は て 是 れ 女 神 な り 、 主 道 場 神 、 主 城 神 、 主 地 神 等 は て 是 れ 女 神 な り と 理 解 し 、 こ れ ら の 神 々 が 女 神 で あ る こ と を く り 返 し 明 示 し て い る21 ︶ 。 そ し て 同 時 に 、 此 に 云 う 地 神 は 慈 悲 の 円 満 な る こ と を 主 る 、 主 道 場 神 、 主 城 神 、 主 地 神 等 の 如 き は て 是 れ 女 神 な り 。 慈 悲 を 明 か さ ん が 為 の 故 に と 、 女 神 が 慈 悲 を 象 徴 し て い る 点 を 併 せ て く り 返 し 指 摘 し て い る の も 特 徴 的 で あ る22 ︶ 。 ︹ 大 地 の 女 神 、 安 住 地 神 ︺ 善 財 童 子 が 安 住 地 神 の 前 に 訪 ね る 善 知 識 の 大 天 は 、 此 の 閻 浮 提 の 摩 竭 提 国 の 菩 提 場 の 中 に 主 地 神 有 り 、 其 れ を 安 住 と 名 づ く と 言 い 、 善 財 に 訪 問 を 勧 め る 。 そ こ へ 至 る と 安 住 ら 百 万 の 地 神 が 善 財 童 子 を 讃 歎 し て 迎 え 、 大 光 明 を 放 っ て 三 千 大 千 世 界 を 照 ら し 出 し 、 地 を 震 撼 さ せ 、 種 々 の 宝 物 で 荘 厳 さ れ た 世 界 で は 木 々 が 葉 を つ け 、 開 花 し 、 実 を 結 び 、 地 下 か ら 無 数 の 財 宝 が 涌 出 す る な ど の 神 変 を 現 す 。 続 い て 安 住 地 神 は 、 善 財 童 子 に 対 し 、 あ な た が こ の 場 所 で 過 去 世 か ら こ れ ま で に 積 ん で き た 善 根 の 果 報 を 見 せ よ う と 言 い 、 足 で 地 を 踏 む と 無 数 の 宝 蔵 が 地 面 か ら 涌 出 す る 。 そ し て み ず か ら は 往 古 の 世 に 壊 す こ と の で き な い 智 の 蔵 ︵ 不 可 壊 智 蔵 ︶ と い う 解 脱 の 法 門 を 体 得 し た と 言 う 。 燃 灯 仏 以 来 、 長 き に わ た っ て 諸 々 の 菩 を 供 養 し 守 護 す る と 同 時 に 、 そ の 行 や 神 変 、 説 法 の 様 子 な ど を 見 て 憶 念 し 、 み ず か ら も こ の 法 門 を 修 習 し 、 さ ら に 無 数 の 仏 と そ の 功 徳 を 目 に し て き た こ と な ど を 述 べ る 。 最 後 に 、 次 な る 善 知 識 の 婆 婆 演 底 主 夜 神 を 訪 れ る よ う 善 財 童 子 に 勧 め る23 ︶ 。 三 三 李 通 玄 に お け る 華 厳 経 の 善 知 識 ・ 安 住 地 神 の 理 解

(8)

八 十 華 厳 で は 主 地 神 、 地 神 、 安 住 地 神 、 安 住 神 な ど の 表 記 が 見 ら れ る が 、 マ ガ ダ 国 の 菩 提 道 場 に い る 大 地 の 神 と さ れ て い る こ と を 受 け 、 六 十 華 厳 で は 安 住 地 天 、 地 神 、 安 住 天 な ど の ほ か に 道 場 地 神 、 道 場 安 住 地 神 と も 呼 ば れ て い る24 ︶ 。 た だ し 現 行 の 梵 本 で は 原 語 は い ず れ も ス タ ー ヴ ァ ラ ー と い う ︵ 名 の ︶ プ リ テ ィ ヴ ィ ー 女 神 ︵ st h a v a ra ︹ n a m a ︺ p rt h iv ı-d ev a ta ) 、 つ ま り 不 動 ︵= 安 住 ︶ と い う ︵ 名 の ︶ 大 地 の 女 神 で あ る25 ︶ 。 こ の プ リ テ ィ ヴ ィ ー と い う 神 は 古 代 イ ン ド に ル ー ツ を 持 つ 大 地 の 女 神 で あ る 。 矢 吹 慶 輝 氏 に よ れ ば 、 地 蔵 菩 の 淵 源 と も な っ た 古 代 イ ン ド の リ グ ・ ヴ ェ ー ダ の 比 里 底 p rt h iv ı 即 ち 大 地 の 擬 人 で あ り26 ︶ 、 同 じ く 地 蔵 菩 の 源 流 を こ の 神 に 求 め た 真 鍋 廣 濟 氏 に よ れ ば 、 印 度 婆 羅 門 教 の 神 話 中 の 地 天 、 地 神 で あ り 、 こ の 古 代 の 神 は 印 度 ア ー リ ヤ 民 族 が 持 っ て い た 神 話 中 の 最 古 の 女 神 で 、 広 大 な る も の と い う 意 義 が あ り 、 希 臘 神 話 の 地 神 と 同 様 に 大 地 を 擬 人 化 し た も の で あ っ て ⋮ ⋮ 十 二 天 の 一 つ に 数 え ら れ 、 梵 天 が 上 方 天 空 を 守 護 す る の に 対 し て 、 地 天 は 下 方 の 大 地 を 守 護 し 、 大 地 神 女 の 名 に お い て 財 を 蓄 え 、 疾 病 を 治 し 、 敵 を 降 伏 す る 時 に 招 請 す る 女 神 と し て 信 仰 せ ら れ た と す る27 ︶ 。 小 林 圓 照 氏 も こ の 神 が リ グ ・ ヴ ェ ー ダ に ま で る こ と を 指 摘 し 、 そ の 天 地 両 神 の 讃 歌 で は 広 く 拡 が り 、 偉 大 に し て 尽 き る こ と な き ︵ 天 ︶ と 母 ︵ 地 ︶ は 万 物 を 保 護 す る ︵ 一 巻 ・ 一 六 〇 ︶ と さ れ 、 数 世 紀 の ち の ガ ン ジ ス 河 上 流 域 で は ⋮ ⋮ ブ ー ミ ー ︵ 生 み 出 す 者 ︶ と し て 具 象 化 さ れ 、 ア タ ル ヴ ァ ・ ヴ ェ ー ダ の 大 地 の 歌 を 生 ん だ と 述 べ て い る28 ︶ 。 な お 、 ワ ン= ト ゥ ー タ ン 氏 は 地 蔵 菩 の 起 源 に つ い て 、 古 代 イ ン ド の プ リ テ ィ ヴ ィ ー が 日 、 月 、 天 ︵ 虚 空 ︶ 、 地 な ど か ら な る 占 星 術 と 関 連 し た 宇 宙 観 を 担 う 神 格 の 集 団 の 一 部 と な り 、 中 央 ア ジ ア で 神 格 と し て 独 立 し て 信 仰 さ れ る よ う に な っ た 可 能 性 を 指 摘 し て い る29 ︶ 。 安 住 地 神 の こ う し た ル ー ツ を 見 る と 、 生 命 を 育 む 大 地 を 神 格 化 し た イ ン ド の 太 古 の 神 は 、 さ ま ざ ま な 形 で 仏 教 に 流 れ 込 ん だ こ と が わ か る 。 一 方 で は 大 地 の 女 神 と い う 元 来 の 特 質 を 比 較 的 よ く 保 存 し た 形 で 主 地 神 や 不 動 蔵 地 神 と 三 四 仏 教 学 会 紀 要 二 三 号

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し て 華 厳 経 に 受 け 継 が れ 、 他 方 で は 、 日 ・ 月 、 天 ・ 地 な ど の コ ス モ ロ ジ ー を 採 り い れ た 十 二 天 や 、 さ ら に 神 格 と し て 発 展 し た も の と し て 地 蔵 菩 な ど へ と 変 容 し て い っ た こ と に な る30 ︶ 。 一 方 で こ の 女 神 は 、 仏 伝 の 中 に も 見 る こ と が で き る 。 真 鍋 氏 は 元 来 の 地 天 は 、 仏 教 に お い て は 釈 の 御 用 者 、 帰 依 者 と し て 阿 含 時 代 に 現 れ た と し 、 梶 山 雄 一 氏 は 安 住 地 神 に つ い て こ の 大 地 の 女 神 ス タ ー ヴ ァ ラ ー は 、 釈 尊 の 菩 提 道 場 で の 成 道 を 目 撃 し た 大 地 神 を 一 般 化 し た も の で あ ろ う と 指 摘 す る31 ︶ 。 す な わ ち 成 道 を 得 た 釈 尊 が 悪 魔 マ ー ラ に よ っ て そ の 正 当 性 を 証 明 せ よ と 詰 問 さ れ た 際 、 大 地 に 手 を 触 れ る と 地 面 か ら 涌 出 し て 証 人 と な っ た 、 仏 伝 に 語 ら れ る 地 神 で あ り 、 例 え ば 仏 本 行 集 経 菩 降 魔 品 な ど 、 さ ま ざ ま な 形 で 種 々 の 仏 伝 に 登 場 す る32 ︶ 。 華 厳 経 で も 、 安 住 地 神 以 外 に も こ う し た 菩 提 道 場 の 守 護 神 と し て の 地 神 の 姿 が 受 け 継 が れ て い る 跡 を 見 る こ と が で き る 。 世 主 妙 厳 品 で 普 賢 菩 ら と 共 に を 説 く 菩 た ち の 中 で 、 仏 の 威 神 力 を 受 け て 普 く 一 切 の 道 場 衆 の 海 を 観 て 、 往 昔 の 仏 が 菩 提 を 修 し た 道 場 と そ の 師 子 座 を 讃 歎 す る 菩 が 十 人 い る 。 そ の 一 人 で あ る 雷 音 普 震 菩 は の 中 で 、 菩 提 樹 下 の 仏 座 の 荘 厳 の 様 子 を 讃 歎 し た の に 続 き 、 地 神 歓 喜 し て 踊 躍 し 、 刹 那 に 示 現 し 尽 き る こ と 有 る こ と 無 し 。 ⋮ ⋮ 時 に 随 い 示 現 す る に 各 差 別 あ り 、 地 神 は 此 れ を 以 て 供 養 と 為 す 。 な ど と 詠 う33 ︶ 。 続 く 衆 宝 光 明 髻 菩 も 菩 提 道 場 に お け る 仏 の 神 変 を 語 り 、 其 の 地 及 び 菩 提 樹 は 、 い に 光 音 を 発 し て 演 説 し 、 尽 く 微 妙 な る 法 を 演 べ る 音 を 吐 く 。 是 く の 如 き は 地 神 の 現 す 所 な り と 詠 う 。 こ こ に は 菩 提 道 場 で 仏 の 身 近 に あ っ て 、 そ の 修 行 の 徳 を 讃 歎 し 供 養 す る 地 神 の 姿 が あ る 。 右 の 両 に は ほ か の 種 々 の 自 然 神 た ち は 詠 わ れ な い 。 唯 一 の 例 外 は 道 場 の 地 と 互 に 光 と 音 を 発 し て 演 説 す る 菩 提 樹 で 、 右 の 両 菩 と 共 に を 説 く 百 目 華 髻 菩 も 菩 提 樹 神 に つ い て 詠 う34 ︶ 。 法 蔵 は 安 住 地 神 ︵ 六 十 華 厳 で は 道 場 安 住 地 神 ︶ に つ い て 説 明 す る 中 で 、 道 場 を 守 る 神 に 、 道 場 樹 神 有 り 、 道 場 地 神 有 り と し て い る35 ︶ 。 こ の よ う に 地 神 に は 、 古 く 仏 伝 の 中 に 登 場 し 、 釈 尊 の 成 道 の 証 し を 立 三 五 李 通 玄 に お け る 華 厳 経 の 善 知 識 ・ 安 住 地 神 の 理 解

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て た 菩 提 道 場 の 守 護 神 た る 大 地 の 神 の 姿 が 受 け 継 が れ て い る と 言 え る だ ろ う 。 以 上 見 て き た よ う に 、 太 古 の イ ン ド に ま で る 大 地 の 女 神 の 系 譜 に 連 な る 主 地 神 は 、 華 厳 経 で は 二 つ の 顔 を 持 っ て い る よ う で あ る 。 一 方 で は 、 護 教 神 と し て 主 夜 神 や 主 水 神 な ど 種 々 の 自 然 神 た ち と 共 に 、 自 然 界 の 森 羅 万 象 ︵ 法 界 に お け る 自 然 的 な 事 物 ・ 現 象 と そ の は た ら き ︶ を 象 徴 す る 集 団 の 一 員 と し て 登 場 し 、 仏 法 護 持 の み な ら ず 、 み ず か ら も 仏 道 を 歩 む 菩 衆 の 一 つ と な り 、 ま た 、 菩 の 修 行 を 導 く 役 割 も 担 っ て い る 。 他 方 、 安 住 地 神 は 、 仏 成 道 の 証 明 者 と し て 仏 伝 に 採 り 入 れ ら れ た 大 地 の 女 神 の 姿 を 受 け 継 ぎ 、 菩 提 道 場 を 守 護 す る 大 地 の 女 神 と し て 、 菩 を 導 く た め に 単 独 で は た ら く 善 知 識 と し て 活 躍 す る の で あ る 。 で は そ の よ う に 変 容 を 経 て き た 地 神 の 一 人 で あ る 安 住 地 神 は 、 中 国 の 華 厳 思 想 に お い て は ど の よ う に 解 釈 さ れ た の だ ろ う か 。 次 に 法 蔵 ら の 解 釈 も 参 照 し な が ら 、 よ り 個 性 的 な 意 味 づ け を 与 え た と 言 う べ き 李 通 玄 の 解 釈 を 中 心 に 見 て い き た い 。 二 、 李 通 玄 に よ る 華 厳 経 の 神 々 と 安 住 地 神 の 理 解 唐 代 の 中 国 、 現 在 の 山 西 省 五 台 山 の 付 近 に 生 き た 李 通 玄 は 、 み ず か ら 独 り 華 厳 経 を 研 究 し 、 お そ ら く は 禅 定 を 実 修 し 、 新 華 厳 経 論 略 釈 新 華 厳 経 修 行 次 第 決 疑 論 解 迷 顕 智 成 悲 十 明 論 な ど を 著 し た36 ︶ 。 華 厳 経 が 説 く 菩 道 を 賞 揚 し た 、 在 俗 の 華 厳 の 行 者 で あ っ た 。 そ の 華 厳 経 の 解 釈 は し ば し ば 実 践 的 と 評 さ れ て き た が37 ︶ 、 そ れ は 周 知 の よ う に 、 善 財 童 子 の 求 法 遍 歴 を 語 る 入 法 界 品 こ そ が こ の 経 典 の 正 宗 で あ る と 李 通 玄 が 見 て い た 三 六 仏 教 学 会 紀 要 二 三 号

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こ と に も 大 き く 起 因 す る38 ︶ 。 ま た 、 李 通 玄 の 思 想 の 特 徴 と し て 、 中 国 固 有 の 思 想 の 影 響 が 色 濃 い こ と が す で に 指 摘 さ れ て い る が39 ︶ 、 さ ら に 入 法 界 品 の 善 知 識 た ち の 解 釈 で は 、 出 家 者 と 俗 人 を 峻 別 し 、 女 性 を 重 視 す る な ど 、 善 知 識 の 属 性 に 大 き な 意 味 づ け を 与 え 、 そ し て 十 行 や 十 地 の み な ら ず 菩 の 行 位 の 全 段 階 に わ た っ て 十 波 羅 蜜 と の 極 め て 密 接 な 対 応 を 読 み 込 む と い っ た 、 独 自 の 視 点 か ら 理 解 す る の も 大 き な 特 徴 で あ る40 ︶ 。 そ し て そ れ が 彼 の 華 厳 思 想 に 、 世 俗 に お け る 利 他 行 の 実 修 を 重 視 す る と い う 具 体 性 を 与 え て い る 。 そ う し た 善 知 識 ら に 対 す る 解 釈 の 特 徴 の い く つ か は 、 諸 々 の 自 然 神 や 安 住 地 神 の 場 合 に も 見 ら れ 、 結 果 と し て 安 住 地 神 を 菩 の 修 行 道 に お け る 重 要 な 到 達 点 ・ 転 回 点 を 象 徴 す る 存 在 と し て 評 価 す る こ と に な っ て い る 。 二 | 一 、 世 主 妙 厳 品 の 神 々 の 理 解 ︹ 神 々 と 菩 の 行 位 ︺ ま ず 、 華 厳 経 冒 頭 の 世 主 妙 厳 品 で 集 合 的 に 登 場 す る 自 然 神 た ち を 李 通 玄 が ど の よ う に 解 釈 し て い る か を 見 て お こ う 。 そ れ は 李 通 玄 の 入 法 界 品 の 善 知 識 た ち に 対 す る 解 釈 の パ タ ー ン を 先 取 り す る も の で あ り 、 智 に も 法 蔵 に も 見 ら れ な い 李 通 玄 独 自 の ア イ デ ィ ア で あ る41 ︶ 。 李 通 玄 は 説 法 の 会 座 に 集 う 大 衆 と し て 列 挙 さ れ る 諸 菩 や 諸 神 、 諸 天 を す べ て 十 信 、 十 住 、 十 行 、 十 廻 向 、 十 地 、 十 一 地 ︵ 等 覚 ︶ と い う 菩 の 修 行 階 位 お よ び 対 応 す る 十 波 羅 蜜 の 各 徳 目 と に 配 当 す る 。 す な わ ち 世 主 妙 厳 品 の 冒 頭 に 登 場 す る 普 賢 菩 ら を 十 信 位 に 相 当 す る 現 果 成 因 生 信 と し た 上 で 、 続 い て 順 次 登 場 す る 海 月 光 大 明 菩 ら 十 人 の 菩 以 下 、 執 金 剛 神 を 初 め と す る ︵ 十 名 ず つ の ︶ 神 々 や 天 王 ら を 次 の よ う に 説 明 す る 。 海 月 光 大 明 菩 ら 菩 衆 と 執 金 剛 神 か ら 主 薬 神 ま で の 十 衆 の 諸 神 十 住 の 因 果 を 明 か す 。 三 七 李 通 玄 に お け る 華 厳 経 の 善 知 識 ・ 安 住 地 神 の 理 解

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主 稼 神 か ら 主 昼 神 ま で の 十 衆 の 諸 神 十 行 利 生 の 法 門 の 因 果 を 明 か す 。 阿 修 羅 王 か ら 日 天 子 ま で の 十 衆 十 廻 向 利 生 の 法 門 の 因 果 を 明 か す 。 三 十 三 天 王 か ら 大 自 在 天 の 十 天 王 十 地 利 生 の 法 門 の 因 果 を 明 か す 。 ︵ 新 論 、 大 正 三 六 、 七 八 〇 下 七 八 一 上 ︶ す な わ ち 諸 菩 、 諸 神 、 諸 天 ら を 十 種 類 ず つ の グ ル ー プ に 区 切 り 、 そ れ ぞ れ の グ ル ー プ を 十 住 、 十 行 、 十 廻 向 、 十 地 の 行 位 を 割 り 当 て て い る 。 さ ら に そ の 上 で 、 各 グ ル ー プ 内 の 諸 菩 、 諸 神 、 諸 天 ら の 各 部 類 を 初 住 、 第 二 住 、 第 三 住 ⋮ ⋮ 第 十 住 、 第 一 行 、 第 二 行 ⋮ ⋮ と い う 十 段 階 お よ び そ れ に 対 応 し て 檀 ︵ 布 施 ︶ 、 戒 ︵ 持 戒 ︶ 、 忍 ︵ 忍 辱 ︶ 、 精 進 、 禅 ︵ 禅 定 ︶ 、 智 、 方 、 願 、 力 、 智 の 十 波 羅 蜜 の 内 の 一 つ を 各 々 に 充 て る42 ︶ 。 最 終 的 に 、 最 後 に 登 場 す る 普 賢 菩 ら 十 名 の 菩 を 十 一 地 ︵ 等 覚 ︶ に 充 て 、 さ ら に 初 住 、 第 二 住 な ど の 十 名 の 神 々 の 各 々 に も 十 波 羅 蜜 の 一 つ を 充 て て い る43 ︶ 。 特 異 な 解 釈 で は あ る が 、 李 通 玄 が 菩 の 修 行 の 階 を 重 視 し て い た こ と が 読 み 取 れ る 。 ︹ 無 為 ・ 無 形 に し て 万 有 を 救 う 神 々 ︺ 次 に 、 世 主 妙 厳 品 に 登 場 す る 神 々 の 中 で 、 十 住 の 中 の 第 七 住 を 表 す と さ れ る 主 地 神 と 、 入 法 界 品 の 安 住 地 神 と 同 様 に 十 廻 向 位 を 表 す と さ れ る 日 天 子 の 解 釈 を 見 て み た い 。 ま ず 前 者 に つ い て 李 通 玄 は 次 の よ う に 言 う 。 主 地 神 は 第 七 不 退 住 を 主 る 。 方 波 羅 蜜 の 中 の 十 波 羅 蜜 な る が 故 に 、 各 十 箇 の 神 名 を 以 て 之 に 配 す 。 此 れ 法 身 を 以 て 地 の 体 と 為 す 。 能 く 万 行 を 生 ず 。 理 と 智 と 慈 悲 を 以 て 神 性 と 為 す 。 退 動 す る 所 無 き が 故 に 。 大 悲 は 地 の 万 有 を 養 う が 如 く な る が 故 に 。 ︵ 新 論 、 大 正 三 六 、 七 八 六 下 ︶ こ こ で 主 地 神 ら は 理 と 智 と 慈 悲 を 以 て 神 性 と 為 す と さ れ て い る が 、 智 と 慈 悲 を 併 せ 持 つ 点 、 ま た 大 地 の 象 徴 性 か ら 万 有 を 養 う と し て 大 悲 が 強 調 さ れ て い る 点 で も 後 に 見 る よ う に 安 住 地 神 と 共 通 し て い る 。 三 八 仏 教 学 会 紀 要 二 三 号

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次 に 入 法 界 品 に お け る 安 住 地 神 と 同 様 に 、 世 主 妙 厳 品 に お い て 十 廻 向 中 の 第 十 入 法 界 無 量 廻 向 ︵ ま た は 等 法 界 無 量 廻 向 ︶ を 主 る こ と に な る 日 天 子 に つ い て 見 る と 、 李 通 玄 は 次 の よ う に 説 く 。 第 十 入 法 界 無 量 廻 向 は 、 日 天 子 を 以 て 事 に 託 し 之 を 表 す 。 十 廻 向 中 の 智 波 羅 蜜 は 、 日 の 空 に 處 し 、 下 に 臨 ん で 万 有 を 照 ら す が 如 く な る こ と を 明 か す 。 ⋮ 中 に 於 て 十 の 日 天 子 は 智 波 羅 蜜 中 の 十 波 羅 蜜 を 明 か す 。 一 一 名 義 に 隨 い 之 を 配 す 。 常 に 智 波 羅 蜜 を 以 て 体 と 為 す44 ︶ 。 ︵ 同 、 七 九 二 下 ︶ 是 く の 如 き 日 月 天 子 は 、 皆 十 廻 向 の 成 大 悲 願 行 之 門 を 表 す 。 悲 智 は 無 依 に し て 常 に 法 空 を 以 て 体 と 為 す こ と を 明 か す 。 根 に 随 い 普 く 照 ら し 、 所 為 有 る こ と 無 く 、 任 無 功 の 智 日 は 万 有 に 弥 ひ て 成 益 す 。 ︵ 同 、 七 九 二 下 ︶ こ こ で は 先 に 日 天 子 の 説 明 中 に 下 に 臨 ん で 万 有 を 照 ら す と あ っ た よ う に 、 日 月 天 子 の 慈 悲 と 智 は 万 有 を 普 く 照 ら し 利 益 す る と し て い る 。 た だ し 悲 智 は 無 依 に し て 常 に 法 空 を 以 て 体 と 為 す と 言 う と お り 、 そ の 智 も 慈 悲 も あ く ま で も 体 と し て は 空 で あ る 。 李 通 玄 は こ れ ら 天 や 神 に つ い て 次 の よ う に 言 う 。 已 上 の 神 天 之 位 は 、 但 だ 利 生 の 門 の 中 に 事 に 託 し て 法 を 表 し 、 解 を し て 易 す か ら し め ん が 故 な る の み 。 如 如 と し て 来 た り て 実 と し て 牛 王 、 王 、 象 王 に 非 ず 。 [ 事 に ] 託 し て 之 を 表 し 解 を 生 ぜ し む る を 以 て の 故 に 。 得 道 の 處 に 望 む れ ば 、 其 の 智 は 無 形 、 無 為 に し て 而 も 能 く 万 有 を 知 る 。 即 ち 神 と 為 す 也 。 ⋮ ⋮ 通 化 無 方 な る を 以 て 福 は 群 品 に 過 ぐ 。 ︵ 同 、 七 九 五 下 ︶ つ ま り 神 や 天 と は 言 う が 、 そ れ は 事 相 に 仮 託 し て 仏 法 を 開 顕 し 、 衆 生 の 理 解 を 助 け る た め で あ っ て 、 実 は 無 形 、 無 為 の 智 に よ っ て 万 有 を 知 る は た ら き を 指 し て い て 、 衆 生 を 教 化 す る そ の は た ら き は 無 方 で あ り 、 優 れ た 福 徳 を も た ら す と い う 。 李 通 玄 は 執 金 剛 神 乃 至 主 薬 神 ら 十 住 位 の 神 々 の 説 明 の 中 で も 鬼 神 之 神 に 非 ず 。 若 し 自 心 も て 理 に 達 し 妄 と 合 せ ざ れ ば 、 其 の 智 は 自 ら 神 な り 。 不 為 、 不 思 に し て 而 も 智 は 善 く 万 有 に 通 ず る が 故 に と し 三 九 李 通 玄 に お け る 華 厳 経 の 善 知 識 ・ 安 住 地 神 の 理 解

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て い る45 ︶ 。 こ の 点 で は 理 と 智 と 慈 悲 を 神 性 と 為 す と い う 主 地 神 の 理 解 も 同 様 で あ り 、 李 通 玄 は 理 に か な う 智 ︵ お よ び 慈 悲 ︶ の 無 為 、 無 形 、 無 依 、 不 為 、 不 思 な る は た ら き を 神 と す る と い う 点 を く り 返 し 力 説 し て い る 。 ︹ 李 通 玄 の 神 々 の 解 釈 と 中 国 固 有 思 想 ︺ さ て 、 こ こ ま で 李 通 玄 に お け る 神 の 概 念 を 見 て き た が 、 無 為 、 無 形 、 無 方 に し て 万 有 に 通 じ る と い っ た 言 説 か ら 、 一 見 し て 中 国 固 有 思 想 の 響 き が 感 じ 取 れ る 。 李 通 玄 の 思 想 に お け る 中 国 固 有 思 想 の 影 響 は す で に 先 学 に よ っ て 指 摘 さ れ て い る と お り で あ る46 ︶ 。 小 島 岱 山 氏 は 李 通 玄 が 方 位 の 解 釈 に お い て も 、 老 子 第 四 十 一 章 の 大 象 無 形 ︵ 李 通 玄 の 表 現 で は 大 像 無 方 ︶ 大 方 無 隅 な ど を 援 用 す る こ と を 指 摘 し て い る が47 ︶ 、 こ の 無 方 の 概 念 は 神 々 の 理 解 に も 見 ら れ 、 そ の 淵 源 は 周 易 に た ど る こ と が で き る 。 李 通 玄 は 已 上 の 神 天 之 位 は ⋮ ⋮ 通 化 無 方 な る を 以 て 福 は 群 品 に 過 ぐ と し て い た が 、 こ う し た 神 々 の 無 方 な る は た ら き に つ い て は 、 周 易 繫 辞 上 伝 に ︵ 易 は ︶ 昼 夜 の 道 を 通 じ て 知 る 。 故 に 神 は 無 方 に し て 易 は 無 体 な り と あ る の を 想 起 さ せ る48 ︶ 。 こ れ を 本 田 濟 氏 は 易 は 幽 明 、 死 生 、 鬼 神 の 道 す べ て を 通 じ て 、 そ の 秘 密 を 知 る 。 易 と は か か る 大 き な も の で あ る が 故 に 、 易 の な か に 潜 む 神 ︵= 天 地 の 神 ︶ は 、 一 定 の 場 所 を も た ず 、 到 る と こ ろ に 徧 在 し 、 そ の 神 の 作 用 で あ る 易 の 変 化 は 一 定 の 形 体 を も た な い と 解 釈 し て い る49 ︶ 。 こ こ で は 神 が 万 象 の 生 成 変 化 を 現 し 出 す こ と 無 方 で あ る と い う 、 い わ ば 事 に 潜 む 理 の 遍 在 を 言 う の だ ろ う が 、 李 通 玄 に お け る 神 は 理 の 遍 在 を 照 ら し 出 す 智 の は た ら き の 遍 在 を 象 徴 す る と 言 え る だ ろ う 。 李 通 玄 に お け る 神 々 の 理 解 に は 、 こ の よ う に 老 子 周 易 な ど 、 中 国 固 有 思 想 の 影 響 が 色 濃 く 見 ら れ る 。 た だ し 、 そ れ は 人 が 通 常 え て い る よ う な 鬼 神 之 神 に 非 ず で あ っ て 、 あ く ま で も 智 に お い て 空 の 理 に 徹 四 〇 仏 教 学 会 紀 要 二 三 号

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底 し な が ら な お 事 に お い て 万 有 を 化 益 す る は た ら き を 持 つ の で あ る50 ︶ 。 そ し て 理 、 智 、 さ ら に は 慈 悲 の 目 で 見 れ ば 、 一 切 諸 仏 と 衆 生 は 平 等 に し て 、 無 相 、 自 体 清 淨 、 法 身 の 妙 理 も て 体 と 為 す も の と し て 映 り 、 法 界 の 相 は 、 一 物 と し て 是 れ 仏 な ら ざ る 無 し 。 一 一 の 塵 中 に 無 尽 の 仏 有 る が 為 の 故 に51 ︶ と 、 事 の 世 界 が ︵ 徹 底 し た 空 の 理 を 通 り 抜 け る こ と に よ っ て ︶ 改 め て 大 い に 肯 定 さ れ て く る の で あ る 。 二 | 二 、 入 法 界 品 の 安 住 地 神 の 理 解 右 に 見 て き た よ う な 神 々 と 行 位 の 関 連 、 周 易 な ど 中 国 固 有 思 想 の 利 用 、 そ し て 智 慈 の 重 視 は 、 入 法 界 品 の 善 知 識 の 一 人 、 安 住 地 神 の 解 釈 に も 見 る こ と が で き る 。 次 に こ の 女 神 に 関 す る 李 通 玄 の 解 釈 を 察 し て い こ う 。 ︹ 李 通 玄 に よ る 安 住 地 神 の 基 本 的 解 釈 ︺ 安 住 地 神 に 関 す る 李 通 玄 の 解 釈 は 、 ま ず 善 財 童 子 が マ ガ ダ 国 の 菩 提 道 場 へ 安 住 地 神 を 訪 ね る よ う 大 天 か ら 勧 め ら れ た と い う 点 か ら 始 ま る 。 ほ か の 善 知 識 が 前 の 善 知 識 の 居 所 の 南 方 に 居 る の に 対 し 、 こ こ で は 方 位 が 示 さ れ て い な い 。 李 通 玄 は こ の 点 か ら 説 き 起 こ し 、 続 い て 安 住 地 神 の 名 称 の 解 釈 を 述 べ る 。 こ こ に は 李 通 玄 に よ る 安 住 地 神 の 解 釈 の 基 本 的 な 諸 要 素 を 見 る こ と が で き る 。 問 う て 曰 く 。 何 故 に 南 方 と 云 わ ず 、 閻 浮 提 摩 竭 提 国 の 菩 提 場 の 中 に 地 神 の 安 住 と 名 づ く る 者 有 り と 云 う か 。 答 え て 曰 く 。 此 れ 十 住 中 の 第 十 灌 頂 住 に 同 じ 。 か の 解 脱 を 廻 ら し 生 死 に 入 り 、 智 と 大 慈 悲 に 随 い 衆 生 を 饒 益 す る こ と 悉 く 円 満 な ら し む る が 故 に 、 但 だ 閻 浮 提 と 云 う の み に し て 、 別 し て 偏 し て 求 む る こ と 無 し 。 此 れ は 等 法 界 廻 向 の 法 な る を 以 て の 故 に 。 又 、 菩 提 場 の 主 地 神 と は 是 れ 摂 の 義 な る が 故 に 。 十 地 は 此 の 様 式 に 倣 う 。 ⋮ ⋮ 四 一 李 通 玄 に お け る 華 厳 経 の 善 知 識 ・ 安 住 地 神 の 理 解

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菩 提 場 の 主 地 神 と は 、 前 に 以 て 天 神 は 智 の 円 満 な る こ と を 主 り 、 此 に 云 う 地 神 は 慈 悲 の 円 満 な る こ と を 主 る こ と を 明 か す 。 地 の 能 く 万 有 を 荷 負 し 、 衆 生 を 長 養 す る こ と を 表 す が 故 に 、 以 て 慈 悲 を 表 す 。 下 生 に 處 す る と は 、 諸 の 法 門 は 衆 生 を 育 載 、 荷 負 し 、 皆 生 死 の 苦 を 離 れ し む る が 故 に 、 地 神 を 以 て 之 を 表 す 。 亦 た 地 神 は 是 れ 此 の 位 は 菩 の 主 持 な る こ と を 明 か す 。 即 ち 是 此 に 地 神 と 号 す な り 。 大 悲 厚 く 万 物 を 載 せ る こ と を 明 か す 。 菩 提 場 の 中 と は 、 此 の 位 は 菩 提 と 理 と 智 と 慈 と 悲 の 五 法 を 会 し て 一 と 為 し 、 皆 円 満 な る が 故 に 。 名 の 安 住 神 と は 、 此 の 五 法 に 於 い て 斉 し く 円 か に し て 傾 動 す る 所 無 き が 故 に 。 ︵ 新 論 、 大 正 三 六 、 九 八 四 上 中 ︶ こ こ で 李 通 玄 が ま ず 問 題 に し て い る 南 方 と い う 方 位 に つ い て は 、 智 や 法 蔵 も 意 味 づ け を 行 い 、 李 通 玄 も 周 易 を い な が ら 強 い 関 心 を 示 し て い る52 ︶ 。 次 に 、 安 住 地 神 は 菩 の 行 位 中 の 第 十 廻 向 ︵ 等 法 界 無 量 廻 向 ︶ を 表 す と さ れ る が 、 こ れ は 周 知 の と お り 文 殊 菩 一 人 を 十 信 位 の 善 知 識 、 以 下 、 徳 雲 比 丘 を 初 発 心 住 と し て 善 知 識 一 人 ひ と り に 十 住 、 十 行 、 十 廻 向 、 十 地 、 等 覚 と 、 行 位 を 配 当 す る 結 果 で あ り 、 各 行 位 の 意 味 内 容 や 位 置 づ け な ど の 解 釈 面 は と も か く 、 構 造 と し て は 智 、 法 蔵 、 さ ら に は そ れ 以 前 か ら の 伝 統 的 な 解 釈 に 則 っ た も の で あ る53 ︶ 。 で は 李 通 玄 の 独 自 性 は ど こ に あ る か 。 こ こ で は 世 主 妙 厳 品 の 神 々 の 解 釈 と も 通 底 す る 次 の 三 点 を 挙 げ た い 。 第 一 に 、 慈 悲 が 円 満 で あ り 、 大 悲 厚 く 衆 生 を 長 養 す る こ と を 表 す と し て 、 李 通 玄 が こ の 大 地 の 女 神 の 慈 悲 を 強 調 し て い る 点 。 こ れ は 世 主 妙 厳 品 の 主 地 神 の 解 釈 と も 呼 応 す る54 ︶ 。 第 二 に 、 地 の 能 く 万 有 を 荷 負 し 衆 生 を 育 載 、 荷 負 し 万 物 を 載 せ る な ど と 、 中 国 古 来 の 天 覆 地 載 の 思 想 か ら 大 地 の 女 神 を 理 解 し て い る 点 。 そ し て 第 三 に 、 地 神 と い う の は こ の 位 ︵ 第 十 等 法 界 無 量 廻 向 ︶ が 菩 の 摂 主 持 ︵= 主 宰 者 ・ 維 持 管 理 者 ︶ で あ る こ と を 明 か す の だ 、 と し て い る 点 で あ る 。 以 下 、 こ れ ら の 点 に つ い て 李 通 玄 の 理 解 を 検 討 し て い く 。 四 二 仏 教 学 会 紀 要 二 三 号

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︹ 慈 悲 の 女 神 と し て の 安 住 地 神 ︺ 主 地 神 が 慈 悲 を 表 す の は 、 一 つ に は 大 地 が 万 物 を 育 む こ と か ら 連 想 さ れ る が 、 さ ら に は 女 性 と い う こ と が 関 連 す る 。 先 の 引 用 箇 所 で は 安 住 地 神 の 性 別 に は 言 及 さ れ て い な い が 、 す で に 見 た よ う に 、 世 主 妙 厳 品 の 主 城 神 の 解 釈 の 中 で 主 道 場 神 、 主 城 神 、 主 地 神 等 は 皆 女 神 で あ る が 、 慈 悲 を 明 か す た め で あ る と 李 通 玄 が 解 釈 し て い た こ と と 、 十 廻 向 品 の 第 十 等 法 界 無 量 廻 向 位 の 解 釈 の 中 で 安 住 地 神 は 是 れ 女 神 な り と し て い た こ と を 思 い 起 こ し た い55 ︶ 。 つ ま り 李 通 玄 に よ れ ば 安 住 地 神 の 大 き な 特 徴 は 、 主 地 神= 女 神= 慈 悲 と い う こ と に な る 。 李 通 玄 の 独 自 の 理 解 は 、 天 覆 地 載 の 思 想 か ら 安 住 地 神 を 解 釈 す る 点 に も 見 ら れ る 。 そ し て こ れ は 、 直 前 の 善 知 識 で あ る 大 天 と 対 比 し て 安 住 地 神 を と ら え る と い う 全 く 独 自 の 解 釈 方 法 と も 密 接 に 関 わ っ て い る 。 そ の 結 果 、 中 国 固 有 思 想 を 援 用 し て 女 性 性 と 慈 悲 に つ い て 解 釈 す る こ と に な り 、 そ れ は ま た 、 慈 悲 と 智 の 関 係 、 そ し て 李 通 玄 が 構 想 し て い た 菩 の 修 行 の 道 程 の 根 本 に も 関 わ っ て く る の で あ る 。 次 に こ の 点 に つ い て 見 よ う 。 ︹ 大 天 と 安 住 地 神 の 解 釈 と 中 国 固 有 思 想 ︺ 大 天 と 安 住 地 神 を セ ッ ト で 理 解 す る こ と は 、 李 通 玄 の 解 釈 の 大 き な 特 徴 と 言 え る 。 李 通 玄 は 第 九 廻 向 位 の 善 知 識 が 大 天 で 、 第 十 廻 向 位 の そ れ が 地 神 で あ る こ と に つ い て 、 以 て 此 の 二 位 は 、 此 の 十 廻 向 位 の 智 の 極 ま り と 智 の 終 わ り と を 和 会 す る こ と を 明 か す 。 天 神 は 法 空 妙 智 の 極 ま り を 表 す 。 地 神 は 大 慈 悲 王 の 極 ま り を 表 す 。 厚 く 万 物 を 載 せ 、 含 生 を 育 む が 故 に 。 ︵ 新 論 、 大 正 三 六 、 八 六 五 下 ︶ と す る 。 大 天 も 安 住 地 神 も と も に 神 で あ る が 、 こ こ で は 男 神 で あ る 大 天 が 神 の 智 の 側 面 を 、 大 地 の 女 神 で あ る 安 住 四 三 李 通 玄 に お け る 華 厳 経 の 善 知 識 ・ 安 住 地 神 の 理 解

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地 神 が 万 物 の 生 命 を 育 む 慈 悲 の 面 を 象 徴 し て い る 、 と い う 鮮 明 な 図 式 が 描 か れ て い る 。 厚 載 万 物 と 、 こ こ に も 天 覆 地 載 の 思 想 が 見 ら れ る が 、 さ ら に 、 第 九 廻 向 位 の 善 知 識 で あ る 大 天 に つ い て 、 李 通 玄 は 次 の よ う に 言 う 。 問 う て 曰 く 。 何 の 故 に 此 の 位 に 大 天 神 を 見 る や 。 [ 答 え て 曰 く ] 第 九 無 縛 無 著 解 脱 廻 向 の 智 の 浄 な る は 天 と 為 す こ と を 明 か さ ん が 為 な り 。 其 れ 智 は 無 依 、 不 為 、 不 思 に し て 而 も 恒 に 万 有 に 応 ず 。 故 に 天 神 と 号 す 。 即 ち 是 れ 此 界 の 乾 神 是 れ な り 。 ⋮ ⋮ 乾 を 以 て 天 門 と 為 す 。 浄 な る 無 垢 智 を 以 て 衆 法 を 現 す が 故 に 。 ︵ 同 、 九 八 三 下 ︶ こ こ で は 前 と 同 様 に 智 が 強 調 さ れ て い る と 共 に 、 天 の 神 を 乾 神 と い う 中 国 固 有 の 神 の 観 念 を 用 い て 解 釈 し て い る 。 ま た 、 無 依 、 不 為 、 不 思 に し て 万 有 に 応 ず と い う 表 現 は 、 す で に 見 て き た 神 々 の 特 徴 の 繰 り 返 し で あ り 、 周 易 の 易 は 無 思 な り 、 無 為 な り な ど を 想 起 さ せ る こ と は 小 島 岱 山 氏 も こ の 一 節 を 挙 げ て 指 摘 し て い る56 ︶ 。 そ こ で 天 の 神 の 乾 神 と く れ ば 、 当 然 な が ら 対 に な る の が 坤 神 す な わ ち 地 の 神 で あ り 、 こ れ は 男 女 に も 対 応 す る か ら57 ︶ 、 乾 神 に な ぞ ら え た 大 天 の 解 釈 は 、 次 の 安 住 地 神 を 坤 神 と 見 る 解 釈 に つ な が る こ と は 明 ら か だ ろ う 。 李 通 玄 は 十 廻 向 品 の 第 十 廻 向 位 の 説 明 の 中 で 安 住 地 神 は 是 れ 女 神 な り 。 此 れ 坤 神 と す る58 ︶ 。 そ し て こ う し た 中 国 に 伝 統 的 な 天 地= 乾 坤 、 天 の 神 ・ 地 の 神= 乾 坤 両 神 と い う 観 念 を 通 し て 大 天 と 安 住 地 神 を 読 み 解 く そ の 語 り 口 は 、 決 疑 論 を 見 る と 一 層 明 ら か で あ る 。 前 の 天 神 は 根 本 清 浄 の 智 を 著 し 、 地 神 の 安 住 と 名 づ く る は 智 の 中 の 慈 悲 の 体 を 表 す 。 天 神 は 天 の 中 の 宝 蔵 を 出 だ し 、 地 神 は 地 の 中 の 宝 蔵 を 出 だ す 。 ⋮ ⋮ 天 神 は 是 れ 智 の 妙 用 、 地 神 は 是 れ 智 慈 の 恒 寂 な る な り 。 用 に し て 而 も 恒 に 寂 な る が 故 に 。 安 住 不 動 と 名 づ く る は 、 天 は 動 、 地 は 静 な る を 以 て 、 以 て 名 を 設 く る な り 。 ⋮ ⋮ 天 は 覆 と 為 し 、 地 は 載 と 為 す 。 含 養 の 道 は 此 の 智 悲 円 満 の 法 を 出 で ず 。 ⋮ ⋮ 天 地 は 無 私 に し て 而 も 万 物 成 じ 、 大 道 は 無 私 に し て 万 神 済 す 。 為 さ ず し て 成 じ 、 而 し て 十 方 の 大 功 を 成 ず 。 作 さ ず し て 作 す 。 然 も 作 は 法 界 に 遍 周 す 。 四 四 仏 教 学 会 紀 要 二 三 号

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⋮ ⋮ 以 て 修 行 者 の 智 の 天 に 合 す れ ば 天 は 且 に 清 か ら ん と し 、 悲 の 地 に 合 す れ ば 柔 和 に し て 含 生 を 育 む ⋮ ⋮ 無 為 、 無 作 の 智 悲 は 任 用 に 衆 生 界 を 満 た す 。 福 感 自 ら 彰 か な り 。 ︵ 決 疑 論 、 大 正 三 六 、 一 〇 三 九 下 一 〇 四 〇 上 ︶ こ こ で は 天 地 ・ 大 道 無 私 、 不 為 而 成 不 作 而 作 、 安 住 地 神 に つ い て は 柔 和 な ど 老 子 を 思 わ せ る キ ー ワ ー ド も 多 用 さ れ 、 ま た 天 動 地 静 、 天 覆 地 載 と い っ た 中 国 の 古 典 的 な 乾 坤 の イ メ ー ジ が 明 確 に 大 天 と 安 住 地 神 に 投 影 さ れ 、 そ れ が さ ら に 智 と 慈 悲 と に 対 応 し て い る 。 と 同 時 に 安 住 地 神 は 、 智 の 中 の 慈 悲 の 体 と し て 大 天 が 象 徴 す る 智 の は た ら き を 支 え る と 同 時 に 、 悲 の 地 に 合 す れ ば 柔 和 に し て 含 生 を 育 む と さ れ る よ う に 、 み ず か ら も 慈 悲 を 体 と し た は た ら き ︵ 用 ︶ を 発 揮 す る と 見 る べ き だ ろ う 。 地 神 は 是 れ 智 慈 の 恒 寂 で あ り な が ら 用 に し て 而 も 恒 に 寂 で あ る と し て 、 寂 静 の 極 み で あ り な が ら 大 い な る は た ら き を 持 っ て い る と さ れ る 。 こ れ ら も 周 易 の 坤 神 の イ メ ー ジ に 通 じ る 。 周 易 上 経 坤 の 項 に は 、 坤 は 至 柔 に し て 、 動 く や 剛 な り 。 至 静 に し て 、 徳 方 な り 。 後 る れ ば 主 を 得 て 常 あ り 。 万 物 を 含 ん で 、 化 は 光 ︵ お お ︶ い な り 。 坤 道 そ れ 順 な る か 。 天 に 承 け て 時 に 行 う 。 ︵ 周 易 、 七 〇 頁 ︶ と あ る 。 天 を 承 け て 地 の は た ら き が あ る 点 で も 、 大 天 の あ と に 安 住 地 神 が 来 る と い う 順 序 に 対 応 す る 。 た だ し 含 養 の 道 は 此 の 智 悲 円 満 の 法 を 出 で ず と 言 う よ う に 、 智 と 慈 悲 が 大 天 と 安 住 地 神 に よ っ て 象 徴 さ れ て 並 列 ま た は 順 列 的 に 並 ん で い る の で は な く 、 地 神 は 智 の 中 の 慈 悲 の 体 を 表 す の で あ り 、 智 慈 が 恒 寂 で あ る と さ れ る と お り 、 安 住 地 神 が 象 徴 す る 慈 悲 は あ く ま で も 智 と 一 体 で あ り 、 用 と し て の 智 の は た ら き を 体 と し て 支 え つ つ 、 そ の 智 に 立 脚 し て 大 い な る は た ら き を 生 み 出 す 慈 悲 で あ る 。 第 九 廻 向 位 で は 大 天 が 象 徴 す る 智 ︵ の は た ら き ︶ が 成 就 さ れ る が 、 第 十 廻 向 位 は 、 ひ る が え っ て そ の 智 の は た ら き に 対 し て 慈 悲 の 完 成 を 見 る と い う よ り は 、 智 と 慈 悲 の 融 会 が 成 就 さ れ る と い う こ と に な る 。 李 通 玄 は 四 五 李 通 玄 に お け る 華 厳 経 の 善 知 識 ・ 安 住 地 神 の 理 解

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前 の 天 神 は 智 を 表 し 、 此 の 地 神 は 悲 を 表 す 。 二 位 会 融 し て 以 て 一 位 を 成 ず 。 含 生 を 養 う の 、 徳 化 の 門 を 成 ず 。 ︵ 新 論 、 大 正 三 六 、 八 六 六 下 ︶ と も 言 っ て い る 。 智 を 象 徴 す る 大 天 と 慈 悲 を 象 徴 す る 安 住 地 神 の 二 神 が 一 対 と し て こ の 十 廻 向 位 を 完 成 さ せ る と 見 て い る の で あ る 。 本 節 の 冒 頭 の 新 論 の 引 用 に も あ っ た と お り 、 李 通 玄 は 安 住 地 神 に つ い て か の 解 脱 を 廻 ら し 生 死 に 入 り 、 智 と 大 慈 悲 に 隨 い 衆 生 を 饒 益 す る こ と 悉 く 円 満 な ら し む る と も 言 っ て い た59 ︶ 。 し た が っ て 安 住 地 神 は 慈 悲 の 象 徴 で は あ る が 、 同 時 に は そ れ は 智 悲 円 満 の 象 徴 で な け れ ば な ら な い 。 そ う で あ れ ば こ そ 、 柔 和 と さ れ て い る 慈 悲 も 、 坤 は 至 柔 に し て 、 動 く や 剛 な り と 周 易 に 言 う と お り 、 大 い な る は た ら き を 発 揮 す る こ と が で き る の で あ る 。 今 度 は 用 た る 慈 悲 が 智 を 体 と し て は た ら き 、 こ こ に 体 用 そ し て 智 悲 が 円 か に 融 会 さ れ て 力 を 発 揮 す る 境 地 に 至 る と 言 え る だ ろ う 。 す な わ ち 智 終 わ り 悲 満 じ て 任 無 功 な る を 以 て 神 用 の 含 養 す る こ と 遍 周 す60 ︶ と い う こ と に な る 。 ︹ 智 悲 円 融 の 第 十 等 法 界 無 量 廻 向 位 ︺ こ の よ う に 第 九 廻 向 位 と 第 十 廻 向 位 は 、 李 通 玄 に お い て は 乾 神 た る 大 天 が 表 す 智 と 、 坤 神 た る 安 住 地 神 が 表 す 智 と 一 体 の 慈 悲 と を 修 す る 行 位 で あ る が 、 次 に 改 め て 十 廻 向 と い う 行 位 の 意 味 づ け を え て み た い 。 李 通 玄 は 言 う 。 十 廻 向 位 の 中 の 如 き は 、 前 の 二 位 は 出 俗 の 心 多 く 、 大 悲 の 行 の 劣 な る こ と を 明 か す 。 ま さ に 十 住 初 心 所 得 の 諸 仏 の 智 と 、 十 行 の 中 の 出 世 の 行 門 と を 以 て 、 俗 に 處 し 、 生 を 利 す る が 故 に 、 廻 向 と 名 づ く 。 ︵ 新 論 、 大 正 三 六 、 八 五 六 下 ︶ 前 の 十 住 、 十 行 の 自 ら 解 脱 の 心 を 修 す る こ と 多 き を 廻 ら し 、 生 死 に 同 じ 、 生 死 と 涅 槃 と を 調 和 せ し む 。 四 六 仏 教 学 会 紀 要 二 三 号

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︵ 決 疑 論 、 大 正 三 六 、 一 〇 三 五 下 ︶ こ こ で 言 う 出 俗 の 心 出 世 の 行 門 解 脱 の 心 は 李 通 玄 が く り 返 し 戒 め る も の で 、 こ の 苦 海 た る 俗 世 を 離 れ て 悟 り の 世 界 や ど こ か こ の 世 な ら ざ る 浄 土 な ど を 求 め る こ と を く り 返 し 批 判 す る61 ︶ 。 し か し 、 十 住 や 十 行 の 段 階 で も 当 然 な が ら 智 ば か り で な く 慈 悲 も 求 め て い る は ず で あ る 。 実 際 、 第 十 灌 頂 住 で は 智 に よ り 慈 悲 を 行 じ 世 と 同 じ て 行 じ 、 以 て 染 習 無 し と い う 智 悲 円 満 な る 智 波 羅 蜜 を 得 る し 、 十 行 位 で も 第 十 真 実 行 の 段 階 で 大 智 大 慈 悲 及 び 一 切 智 海 を 成 ず と し て い る62 ︶ 。 十 住 で も 十 行 で も 、 そ の 十 段 階 の 修 行 を 成 就 す れ ば 、 ︵ 第 六 般 若 波 羅 蜜 の 段 階 ま で の 出 世 の 空 を 超 え て ︶ 生 死 の 苦 海 に 處 す る 大 智 ︵= 妙 ︶ と 大 慈 悲 の 境 地 へ と 進 む と 言 っ て い る 。 た だ 、 そ の 上 で 李 通 玄 は 、 十 住 、 十 行 の 修 行 で も な お 出 俗 の 心 出 世 の 行 門 が 多 く 残 る と 主 張 す る 。 入 法 界 品 に お い て 十 住 、 十 行 の 初 位 を 表 す 善 知 識 が そ れ ぞ れ 徳 雲 と 善 見 と い う 比 丘 で あ る の に 対 し 、 十 廻 向 の 初 め は 青 華 と い う 長 者 ︵ 俗 人 ︶ で あ る が 、 李 通 玄 は こ れ を 右 の 主 張 の 根 拠 と す る63 ︶ 。 さ ら に 、 以 て 前 の 両 位 の 迎 仏 の 衆 は 但 だ 諸 の 天 衆 有 り 、 天 女 の 衆 無 し 。 以 て 但 だ 出 世 間 の 智 と 慈 悲 を 得 る を 表 す 。 未 だ 生 死 に 入 り 同 行 利 生 す る 慈 悲 を 得 ず 。 是 の 義 を 以 て の 故 に 、 天 女 の 有 る こ と 無 し 。 此 の 十 廻 向 位 の 中 は 全 く 生 死 に 入 る 大 慈 悲 行 な り 。 諸 の 天 女 、 神 八 部 、 無 量 の 大 衆 、 皆 悉 く 具 足 す 。 ︵ 決 疑 論 、 大 正 三 六 、 一 〇 一 七 下 ︶ と し て い る 。 こ れ は 十 住 品 へ の 導 入 と な る 昇 須 弥 山 頂 品 、 十 行 品 へ の 導 入 と な る 昇 夜 摩 天 宮 品 、 そ し て 十 廻 向 品 へ の 導 入 と な る 昇 兜 率 天 宮 品 の 冒 頭 で 、 そ れ ぞ れ 仏 を 迎 え る 天 衆 が 列 挙 さ れ る こ と に 対 す る コ メ ン ト で あ る 。 す な わ ち 昇 兜 率 天 宮 品 の 冒 頭 に 、 そ れ ぞ れ 百 万 億 の 菩 、 諸 天 王 、 王 、 夜 叉 王 な ど が 多 数 列 挙 さ れ る 中 、 百 万 億 天 女 、 専 心 に 供 養 す と の 記 述 が あ る に す ぎ な い の だ が 、 昇 須 弥 山 頂 品 と 昇 夜 摩 天 宮 四 七 李 通 玄 に お け る 華 厳 経 の 善 知 識 ・ 安 住 地 神 の 理 解

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品 で は 天 女 は 含 ま れ て お ら ず 、 昇 兜 率 天 宮 品 の み に 登 場 す る そ の 天 女 た ち が こ の 十 廻 向 に お け る 大 慈 悲 を 象 徴 し て い る と 、 李 通 玄 は 見 た の で あ る64 ︶ 。 こ う し て 十 住 、 十 行 と 修 行 を 進 め る 中 で 、 繰 り 返 し 十 波 羅 蜜 を 修 習 し な が ら 智 と 慈 悲 を 深 め て い き 、 十 廻 向 の 第 十 等 法 界 無 量 廻 向 へ と 至 り 、 大 天 が 象 徴 す る 智 と 安 住 地 神 が 象 徴 す る 慈 悲 が ︵ 安 住 地 神 の 中 で ︶ 調 和 、 融 会 さ れ 、 無 為 無 作 の 智 悲 は 任 用 に 衆 生 界 を 満 た す こ と に な る わ け で あ る 。 そ し て こ の 第 十 廻 向 位 の 善 知 識 で あ る 安 住 地 神 に つ い て 李 通 玄 は 菩 提 場 の 主 地 神 と は 是 れ 摂 の 義 な る が 故 に 。 十 地 は 此 の 様 式 に 倣 う 。 ︵ 新 論 、 大 正 三 六 、 九 八 四 上 ︶ 已 下 は 皆 十 廻 向 の 中 の 法 の 様 に 依 り 、 成 満 す れ ば 等 覚 位 に 至 る 。 ︵ 決 疑 論 、 大 正 三 六 、 一 〇 四 〇 中 ︶ と 言 う の で あ る 。 こ の 点 は 先 に 李 通 玄 の 安 住 地 神 の 理 解 に 関 し て 指 摘 し た 第 三 の 顕 著 な 特 徴 、 す な わ ち 第 十 廻 向 位 の 善 知 識 た る 安 住 地 神 を 菩 の 摂 主 持 と し て い た 点 と 呼 応 す る 。 つ ま り 主 地 神 が 表 す 大 地 の 無 尽 の 包 含 性 を こ の 第 十 廻 向 位 に 読 み 込 み 、 こ の 行 位 に お け る 菩 を 摂 主 持 と し 、 以 後 の 十 地 、 十 一 地 ︵ 等 覚 ︶ は こ の 第 十 廻 向 位 を モ デ ル と し 、 ベ ー ス と す る と い う 。 そ し て も は や 出 世 間 的 な る 智 や 慈 悲 を 追 い 求 め る こ と の な い 修 行 の 段 階 へ と 進 ん で 行 く 十 地 、 十 一 地 ︵ 等 覚 ︶ は 、 廻 向 法 の 如 く 大 悲 を 長 養 す る 道 で あ り 、 だ か ら こ そ 入 法 界 品 の 善 知 識 た ち は 、 十 地 の 段 階 で は 八 人 の 夜 の 女 神 、 一 人 の 林 の 女 神 、 そ し て 釈 尊 の 在 俗 時 の 妻 の 瞿 波 夫 人 と 、 す べ て 女 を 以 て 之 を 表 す と い う の で あ る65 ︶ 。 こ の よ う に 李 通 玄 の 行 位 論 は 、 み ず か ら の 悟 り 、 空 、 出 世 の 心 ば か り を も っ ぱ ら 求 め る こ と を く り 返 し 戒 め 、 空 を も っ て 生 死 の 苦 海 に 入 っ て 衆 生 と 共 に 歩 み 、 つ い に 智 悲 円 満 な る ︵ 十 波 羅 蜜 の 第 十 ︶ 智 波 羅 蜜 を 体 得 す る こ と を 説 い て や ま な い 。 出 世 間 的 な る 智 を 乗 り 越 え た 俗 世 間 に お け る 智 悲 の 会 融 を 、 こ れ ほ ど ま で に 鮮 明 な 図 式 で 強 四 八 仏 教 学 会 紀 要 二 三 号

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調 す る の は 李 通 玄 の 華 厳 思 想 の 大 き な 特 徴 と 言 う べ き で は な い だ ろ う か66 ︶ 。 以 上 、 入 法 界 品 の 善 知 識 の 安 住 地 神 に つ い て 、 李 通 玄 の 解 釈 の 特 徴 を 見 て き た 。 李 通 玄 に よ れ ば 、 住 、 行 、 向 、 地 、 等 覚 と い う 菩 の 五 位 の 修 行 の 道 程 か ら 言 え ば ま だ 終 極 で は な い が 、 智 と 慈 悲 を く り 返 し 修 行 し て き た 菩 に と っ て 、 重 大 な 転 回 点 で あ り 到 達 点 と な る の が 十 廻 向 の 第 十 段 階 、 す な わ ち 等 法 界 無 量 廻 向 の 位 と い う こ と に な る 。 そ し て 出 世 間 と 俗 世 間 の 智 悲 の 融 会 を つ い に 実 現 す る こ の 極 め て 重 要 な 行 位 を 象 徴 し て い る の が 、 仏 の 菩 提 道 場 の 守 護 神 で あ り 、 大 地 の 女 神 で あ り 、 天 覆 地 載 な る 乾 坤 両 神 の 智 と 慈 悲 を 包 含 し 、 そ れ ら が 静 に し て 剛 に は た ら く 、 安 住 地 神 な の で あ る 。 終 わ り に こ れ ま で 華 厳 経 に 登 場 す る 神 々 を 主 地 神 や 主 夜 神 ら 自 然 神 を 中 心 に 見 て き た が 、 本 論 で は こ れ ら の 神 々 は 華 厳 経 中 に 二 通 り の 仕 方 で 登 場 し て い る こ と を 指 摘 し た 。 自 然 神 ら は 主 と し て 冒 頭 の 世 主 妙 厳 品 と 末 尾 の 入 法 界 品 で 活 躍 す る が 、 前 者 で は 地 ・ 水 ・ 火 ・ 風 ・ 昼 ・ 夜 ・ 林 な ど の 神 々 が 集 団 と し て 登 場 し 、 自 然 界 の 事 物 や 現 象 を 全 体 と し て 神 格 化 し た も の と し て 描 か れ 、 後 者 で は 天 の 神 格 化 で あ る 大 天 と 大 地 お よ び 菩 提 道 場 の 女 神 た る 安 住 地 神 、 そ し て 夜 と 林 の 女 神 た ち が 善 財 童 子 の 善 知 識 と し て そ れ ぞ れ 独 立 し た 存 在 と し て 役 割 を 演 じ て い る こ と を 見 た 。 華 厳 経 自 体 に 即 し て み れ ば 、 集 団 と し て 登 場 す る 自 然 神 ら は 、 澄 観 が 言 う よ う に 器 世 間 す な わ ち 自 然 環 境 の 体 を 表 し 、 ま た 、 法 界 と い う 華 厳 の 世 界 観 に っ て 言 え ば 、 陳 永 裕 氏 が 指 摘 す る よ う に 、 華 厳 法 界 で 四 九 李 通 玄 に お け る 華 厳 経 の 善 知 識 ・ 安 住 地 神 の 理 解

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調 和 と 包 容 の 価 値 を 示 す 役 割 を 担 っ て い る と 見 る こ と が で き る だ ろ う 。 そ し て 入 法 界 品 で は そ う し た 森 羅 万 象 が 、 善 知 識 と し て 具 体 的 に 菩 の 修 行 を 導 く と い う 、 よ り 積 極 的 な 役 割 を 担 っ て い る 姿 が 描 か れ て い る と 言 え る 。 そ の 一 人 で あ る 安 住 地 神 は 太 古 の イ ン ド の 大 地 の 女 神 に 源 を 持 つ が 、 こ の 太 古 の 大 地 の 女 神 が さ ま ざ ま な 形 で 仏 教 に 、 そ し て 華 厳 経 に 採 り 入 れ ら れ て き た 点 も 確 認 し た 。 こ れ に 対 し 、 李 通 玄 は 世 主 妙 厳 品 の 大 衆 の 中 の 自 然 神 ら に 対 し て も 、 入 法 界 品 の 善 知 識 の 神 々 に 対 し て も 、 独 自 の 解 釈 を 施 し て い た 。 前 者 に つ い て は 菩 衆 や 天 八 部 衆 ら と 共 に 、 住 ・ 行 ・ 向 ・ 地 ・ 等 覚 の 五 位 の 菩 の 行 位 と 、 各 行 位 に 対 応 す る 十 波 羅 蜜 を 配 当 し 、 開 経 劈 頭 か ら こ の 経 典 の 意 図 が 菩 の 行 道 を 開 顕 す る こ と に あ る と の 自 ら の 解 釈 を 鮮 明 に 打 ち 出 し た 。 後 者 に つ い て は 本 論 で は 大 天 と 安 住 地 神 に つ い て 見 た が 、 李 通 玄 は 中 国 固 有 思 想 の 無 為 、 無 作 、 無 方 、 柔 和 と い っ た 性 質 ・ 徳 目 を 援 用 す る と と も に 、 周 易 の 乾 坤 両 神 に な ぞ ら え 、 天 覆 地 載 、 天 動 地 静 と い っ た 中 国 の 伝 統 的 な 天 地 の 理 解 を 導 入 し 、 大 天 を 智 の 、 安 住 地 神 を 智 悲 融 会 の 象 徴 と し 解 釈 し て い た 。 同 時 に 、 入 法 界 品 の 各 善 知 識 を 菩 の 五 位 の 行 道 に 配 当 す る と い う 中 国 の 華 厳 思 想 の 伝 統 に 則 り 安 住 地 神 を 第 十 廻 向 位 の 善 知 識 と し た こ と と 合 わ せ 、 十 住 、 十 行 を 通 じ て 菩 が 行 じ て き た 智 と 慈 悲 が 第 十 等 法 界 無 量 廻 向 に お い て 円 満 に 融 会 さ れ 、 恒 寂 に し て 自 在 な は た ら き を す る と い う 解 釈 が 鮮 明 に な っ た 。 第 十 廻 向 位 を 菩 の 境 地 の 一 つ の 極 ま り 、 す な わ ち そ の 後 の 十 地 、 等 覚 が 障 り な く 展 開 し て い く た め の モ デ ル と し て 、 ベ ー ス と し て 重 視 す る 李 通 玄 の 菩 道 の 見 方 は 、 大 天 と 安 住 地 神 を 乾 坤 両 神 と す る と い う 理 解 と み ご と に 合 致 し た と 言 え る だ ろ う 。 李 通 玄 は 十 廻 向 以 降 の 菩 の 行 道 に つ い て 一 に 安 住 地 神 が [ 行 じ る ] 所 の 智 悲 の 行 に 依 る と し67 ︶ 、 続 い て 次 の よ う に 述 べ て い る 。 世 間 に 處 す と 雖 も 、 浄 な る 花 の 如 し 。 水 に 處 し て 汚 れ ず 、 ︵ か ん た ん ︶ を 開 敷 す れ ば 色 香 第 一 な り 。 菩 五 〇 仏 教 学 会 紀 要 二 三 号

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は 世 に 處 し て 、 大 悲 の 行 の 花 の 開 敷 す れ ば 功 徳 第 一 な り 。 ︵ 新 論 、 大 正 三 六 、 九 八 五 上 ︶ 安 住 地 神 が 象 徴 す る 菩 の 大 悲 の 行 に 喩 え ら れ て い る と は 、 の 花 、 ま た は そ の つ ぼ み を 言 う 。 ふ く よ か な 美 人 に 喩 え る こ と も あ る と い う68 ︶ 。 か つ て 菩 提 道 場 に て 釈 尊 の 成 道 を 証 明 し た イ ン ド 太 古 の 大 地 の 女 神 は 、 華 厳 経 の 安 住 地 神 と な り 、 千 年 の 時 と 万 里 の 地 を 経 た 唐 代 の 中 国 で 、 あ く ま で も こ の 俗 世 間 に あ り な が ら 行 の 道 を 歩 む 菩 た ち に と っ て の 、 そ し て 在 俗 の 華 厳 の 行 者 で あ っ た 李 通 玄 に と っ て も 、 一 つ の 到 達 す べ き 理 想 の 姿 を 見 せ る 善 知 識 に な っ た と 言 え る の で は な い だ ろ う か 。 ︵ 参 文 献 ︶ ・ 略 号 大 正 大 正 新 脩 大 蔵 経 ︵ 大 蔵 出 版 ︶ 新 纂 続 蔵 卍 新 纂 大 日 本 続 蔵 経 ︵ 国 書 刊 行 会 ︶ 印 仏 研 印 度 学 仏 教 学 研 究 ︵ 日 本 印 度 学 仏 教 学 会 ︶ ・ 経 典 、 経 論 六 十 華 厳 晋 ・ 仏 大 跋 陀 羅 訳 、 大 方 広 仏 華 厳 経 ︵ 大 正 九 ︶ 八 十 華 厳 唐 ・ 実 叉 難 陀 訳 、 大 方 広 仏 華 厳 経 ︵ 大 正 十 ︶ G v. G an d av yu h as u tr a ︵ P .L .V a id y a 訂 、 B u d d h is t S a n sk ri t T ex ts N o .5 , D a rb h a n g a , 19 60 ︶ 周 易 ︵ 本 田 済 編 著 、 朝 日 選 書 中 国 古 典 選 易 、 朝 日 新 聞 社 、 一 九 九 七 ︶ 五 一 李 通 玄 に お け る 華 厳 経 の 善 知 識 ・ 安 住 地 神 の 理 解

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新 論 李 通 玄 、 新 華 厳 経 論 ︵ 大 正 三 六 ︶ 決 疑 論 李 通 玄 、 略 釈 新 華 厳 経 修 行 次 第 決 疑 論 ︵ 同 右 ︶ 捜 玄 記 智 述 、 大 方 広 仏 華 厳 経 捜 玄 斉 通 智 方 軌 ︵ 大 正 三 五 ︶ 探 玄 記 法 蔵 述 、 華 厳 経 探 玄 記 ︵ 同 右 ︶ 華 厳 経 疏 澄 観 、 大 方 広 仏 華 厳 経 疏 ︵ 同 右 ︶ 演 義 鈔 澄 観 述 、 大 方 広 仏 華 厳 経 随 疏 演 義 鈔 ︵ 大 正 三 六 ︶ ・ 研 究 書 、 論 文 伊 藤 真 [ 二 〇 〇 九 ] 李 通 玄 に お け る 華 厳 経 入 法 界 品 十 住 位 の 善 知 識 た ち の 理 解 ︵ 印 仏 研 五 十 七 二 ︶ [ 二 〇 一 二 ] 李 通 玄 に お け る 往 生 浄 土 思 想 批 判 ︵ 東 ア ジ ア 仏 教 研 究 一 〇 ︶ [ 二 〇 一 二 B ] 伝 記 資 料 に お け る 李 通 玄 の イ メ ー ジ ︵ 仏 教 大 学 大 学 院 紀 要 文 学 研 究 科 篇 四 〇 ︶ [ 二 〇 一 三 ] 空 ・ 寂 ・ 浄 に 滞 る と い う こ と ︵ 印 仏 研 六 十 一 一 ︶ 稲 岡 智 賢 [ 一 九 八 一 ] 李 通 玄 の 伝 記 に つ い て ︵ 佛 教 学 セ ミ ナ ー 三 四 ︶ 梶 山 雄 一 [ 一 九 九 四 ] 華 厳 経 入 法 界 品 さ と り へ の 遍 歴 ︵ 上 ・ 下 ︶ ︵ 梶 山 雄 一 監 修 、 中 央 論 社 ︶ 木 村 清 孝 [ 一 九 七 四 ] 李 通 玄 の 風 神 理 解 ︵ 印 仏 研 二 二 二 ︶ [ 一 九 九 二 ] 中 国 華 厳 思 想 ︵ 平 楽 寺 書 店 ︶ 小 島 岱 山 [ 一 九 八 六 ] 李 通 玄 に お け る 文 殊 菩 の 思 想 と 周 易 思 想 と の 流 ︵ 印 仏 研 三 五 一 ︶ [ 一 九 九 一 ] 新 た な る 中 国 華 厳 思 想 ︵ 華 厳 学 研 究 三 ︶ 五 二 仏 教 学 会 紀 要 二 三 号

参照

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