国家試験対策「生化学」実践正誤問題 解答・解説
ver. 10(2014 年 7 月 5 日版) 1. 細 胞 □□1. 細胞膜を構成する成分はタンパク質で、その中にリン脂質が混在する。( × ) 【正解】リン脂質で、その中にタンパク質が混在する □□2. 核内には染色体と核小体(仁)があり、染色体の約 40%は DNA である。( ○ ) 【ポイント】DNA は、①4 つの有機塩基(アデニン、グアニン、シトシン、チミン)、②単糖類 (デオキシリボース)、③リン酸から構成されている(図 1)。①〜③のセットのこ とをヌクレオチドといい、ヌクレオチドからリン酸を除いたものをヌクレオシドと いう。 □□3. ミトコンドリアの構造は二重膜よりなり、内膜のクリステ上でエネルギー産生を行う。( ○ ) 【ポイント】ミトコンドリアの内謨は、マトリックス(可溶性分画)とクリステ(突出したひだ状構造)からなる。前者には、TCA 回路(Tricarboxylic Acid Cycle、クエン酸 回路)、脂肪酸β酸化系が存在し、内膜の電子伝達系によって、エネルギーが産生 される。(表 1) □□4. リボソームは多くの加水分解酵素を含み、細胞内外の不要な物質を分解する作用がある。 ( × ) 【正解】リソソーム □□5. 粗面小胞体は、タンパク質を細胞外に運送する機能がある。( × ) 【ポイント】タンパク質分泌細胞でよく発達する粗面小胞体は、その表面に付着している リボソームで合成されたタンパク質を細胞外に運ぶ。
2. タ ン パ ク 質 ・ 代 謝 □□ 1. アミノ酸の基本構造は炭素、酸素、窒素の 3 種である。( × ) 【正解】炭素、酸素、窒素、水素の 4 種 【ポイント】基本構造とは主鎖の構造である。側鎖まで含めると硫黄も含まれて 5 種となる。 硫黄を含む代表的なアミノ酸はシステインとメチオニンである。 □□ 2. アミノ酸は両性電解質である。( ○ ) 【正解】アミノ酸は、分子中に塩基性のアミノ基(-NH2)と、酸性カルボキシル基(-COOH)を もっていて、両性電解質と呼ばれる。 □□ 3. アラニンは中性アミノ酸に属する。( ○ ) 【ポイント】アミノ酸は、中性アミノ酸、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸に分けられる。(表 2)。 □□ 4. ヒスチジン、トリプトファン、メチオニンは必須アミノ酸である。( ○ ) 【ポイント】アミノ酸は、必須アミノ酸(食物から取り入れる必要があるアミノ酸)と、 非必須アミノ酸(必要量を体内でつくることができるアミノ酸)にも分けられる。 必須アミノ酸には、成人ではバリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、スレ オニン、トリプトファン、リジン、フェニルアラニンの 8 種類がある。小児では、 さらにヒスチジンが加わり、9 種類である。 □□ 5. リジンが欠乏すると、精液中の精子の減少がみられる。( × ) 【正解】月経障害がみとめられる 【ポイント】精子の減少は、アルギニンの欠乏による。 □□ 6. タンパク質は、多数のアミノ酸がグリコシド結合をすることでつくられている。( × ) 【正解】ペプチド結合 【ポイント】グリコシド結合は、2 つの単糖間の結合である。 □□ 7. タンパク質は通常 1 万以上の分子量をもつものをいう。( ○ ) 【正解】分子量が数千以下のものをペブチド(またはポリペプチド)という。
□□ 8.タンパク質の三次構造は、イオン結合、疎水結合、S-S 結合の 3 つにより保たれている。( × ) 【正解】水素結合、イオン結合、疎水結合、ファンデルワールスカ、S-S 結合の 5 つ 【ポイント】S-S 結合は、ジスルファイド結合とも呼ばれる。 □□ 9. ミオグロビンは、1 本のポリペプチド鎖と 1 個のヘムから構成されている。( ○ ) 【ポイント】ヘモグロビンは 4 本のポリペブチド鎖(サブユニット)と 4 個のヘムから構成さ れている。 □□ 10. タンパク質は平均 16%の窒素を含み、熱、強酸性、アルカリ性などにより、簡単に分解されて しまう。( × ) 【正解】変性を起こす 【ポイント】分解とは別の組成をもつ物質に変わることである。変性とは組成は変わらないが、 高次構造(立体構造)が変わる(崩れる)ことである。 □□ 11. 牛乳に含まれているカゼインの等電点は 4.6 である。( ○ ) 【ポイント】物質には、荷電量の(十)と(一)とが等しくなる点がある。これを等電点とい う。血清アルプミンの等電点は 4.9、血清グロプリンは 5.4〜5.5 である。 □□ 12. ヘモグロビンは、単純タンパク質である。( × ) 【正解】複合タンパク質 【ポイント】ヘモグロビンはαサブユニット 2 個とβサブユニット 2 個の計 4 個のサブユニッ トからなる複合タンパク質である。タンパク質を組成から分類すると、アミノ酸だ けで構成される単純タンパク質と、アミノ酸以外の物質も構成成分となる複合タン パク質に分けられる。ヘモグロピンは鉄を含む色素タンパク質でもある(表 3)
□□ 13. タンパク質の分子量は、ヘモグロビン>アルブミン>γグロブリン>フィブリノーゲンの順 に大きい。( × ) 【正解】ヘモグロビン<アルプミン<グロブリン<フブリノーゲンの順に小さい。 【ポイント】タンパク質の分子量は、ヘモグロビン 68,000、アルフミン 69,000、γグロブリン 90,000〜156,000、フィブリノーゲン 400,000 である。タンパク質の分子量は、1 を 1 Da(Da はダルトンと読む),1,000 を 1 kDa(kDa はキロダルトンと読む)と 表記してある場合がある。ヘモグロビンでは 68 kDa となる。 □□ 14. タンパク質はペプシンにより、アミノ酸に加水分解される。( × ) 【正解】ポリペプチド(ペプチド) 【ポイント】タンパク質は、タンパク質→ボリベプチド→ペブチド→アミノ酸の順に分解される。 ※ポリペプチドはアミノ酸が数十個から数百個のもの、ペプチドはアミノ酸が数個 から十数個のものをいう。 □□ 15.(ペプシン−タンパク賢−胃液)の組み合わせは正しい。( ○ ) 【ポイント】ペプシンは胃液中に含まれるタンパク質分解酵素で、前駆体であるペプシノーゲン が胃液中の塩酸によって活性化させて活性型のペプシンになる。 □□ 16.(タンパク質−胆汁−トリプシン)の組み合わせは正しい。( × ) 【正解】膵液 【ポイント】トリプシンは、膵臓で前駆体であるトリプシノーゲンとして合成され、十二指腸 から分泌される際に、十二指腸の膜にあるエンテロペプチダーゼによって活性化 されて活性型のトリプシンとなる。活性化されたトリプシンは、トリプシノーゲ ンに作用して相乗的に活性化させる。 □□ 17. 膵液から分泌されるトリプシンは、エキソペプチターゼと呼ばれている。( × ) 【正解】エンドペプチターゼ 【ポイント】トリプシンはタンパク質をポリペプチドにしたり、ポリペブチドをさらに小さな ペプチドにしたりするタンパク質分解酵素である。エンド(endo)とは「内部」 を表す言葉であり、よってエンドペプチターゼとはポリペプチド鎖の内部のペプ チド結合を加水分解する酵素のことである。また、エンド(exo)とは「外部」を 表す言葉であり、エキソペプチターゼはペプチド鎖の末端(N 末端あるいは C 末 端)側のペプチド結合からアミノ酸を 1 つずつ(または数個ずつ)切断する酵素 である。
□□ 18. タンパク質は、最終的に腸液のジペプチターゼによりアミノ酸に加水分解され、吸収される。 ( ○ ) 【ポイント】ペブチターゼは、ポリペブチド→ペブチド→アミノ酸の順に分解する。 □□ 19. 成長期にある幼児や妊婦では、窒素平衡は負に傾いている。( × ) 【正解】正 【ポイント】窒素平衡とは、窒素の摂取量と排出量の関係のことである。窒素は動植物の成長 に必要な物質であり、人間の場合、幼児や妊婦などでは、窒素の摂取量が排出量 よりも大きい(摂取量>排出量)。これを正の窒素平衡という。一方、進行癌がんや熱 性疾患の患者や、タンパク質摂取量の少ない人では、摂取量は排出量よりも少な い(摂取量<排出量)。これを負の窒素平衡という。 □□ 20. タンパク質の窒素は最終的に肝臓で尿素に合成され、血中に放出される。( ○ ) 【ポイント】尿素は窒素代謝の最終産物である。尿中窒素の 80〜90%は尿素である。 □□ 21. 肝臓は吸収されたアミノ酸を合成して、タンパク質をつくる。( ○ )
【ポイント】遺伝子(DNA)の情報を伝令 RNA(mRNA)に転写し、その情報をもとに運搬 RNA(tRNA)
がアミノ酸を運び、タンパク質がつくられる。 □□ 22. クレアチニンの尿中排泄量は筋肉組織量に比例する。( ○ ) 【ポイント】クレアチニンは筋肉組織と関係が深く、その前駆体であるクレアチンは、リン酸 と結合して、クレアチンリン酸として存在している。クレアチニンは、筋肉組織 量にほぼ比例して、尿中に排出される。クレアチニン係数は、成人男子では 20〜 26、女子では 14〜22 である(血中クレアチニン濃度は、成人男子で 0.7〜 1.2mg/100mL、女子では 0.5〜0.9mg/100mL である。) □□ 23. アンモニアは肝臓で分解されてクレアチンとなる。( × ) 【正解】尿素 【ポイント】アンモニアは肝臓で尿素回路による代謝を経て、尿素となる(図 2)。重度肝疾患で は、尿素回路が円滑に回らないので、尿素は減少し、その原料であるアンモニアは 増加し、肝性昏睡を起こす。 □□ 24. 尿酸は正常尿の窒素成分の大部分を占める。( × ) 【正解】わずかにすぎない 【ポイント】窒素成分で多い順に、尿素>クレアチニン>アンモニア>尿酸である。
□□ 25. 尿素は核酸の代謝産物として、尿中に排泄される。( × ) 【正解】タンパク質の代謝産物 □□ 26. タンパク質の分解産物は尿素である。( ○ ) 【ポイント】タンパク質の成分であるアミノ酸の一部が代謝されてアンモニアとなる。 アンモニアは尿素回路を経て尿素となる。 □□ 27. 尿素回路は、オルニチンとカルバモイルリン酸が結合してはじまる。( ○ ) 【ポイント】カルバモイルリン酸は、アンモニアと二酸化炭素とリン酸が結合したものである。 □□ 28. フェニルアラニンやトリプトファンは、糖原性・ケト原性アミノ酸である。( ○ ) 【ポイント】糖原性アミノ酸は糖になるアミノ酸であり、ケト原性アミノ酸は脂肪酸やケトン体 になるアミノ酸である。両者の性質を有するアミノ酸は、フェニルアラニンやトリ プトファン以外にチロシンやイソロイシンなどがある。 □□ 29. グルタミン酸のアミノ基(-NH2)がピルビン酸と反応すると、ピルビン酸はアラニンとなる。 ( ○ ) 【ポイント】このような反応をアミノ基転移反応(アミノ酸のアミノ基の除去)という。この反 応には、アラニンアミノトランスフェラーセ、ALT)という転位酵素が働く。同様 に、グルタミン酸のアミノ基がオキサロ酢酸と反応すると、アスパラキン酸となる。 その際の転移酵素はアスパラギン酸アミノトランスフェラ一ゼ(AST)である。か つては、ALT はグルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(GPT)、AST はグルタ カルバモイルリン酸
ミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(GOT)と言われていたが、現在ではあま り使われない。 □□ 30. トリプトファンは、脱炭酸反応によりヒスタミンになる。( × ) 【正解】セロトニン 【ポイント】アミノ酸のカルボキシル基(-COOH)がはずれて、アミンが生成される反応を脱炭 酸反応という。同様の反応によって、チロシンはドーパミン、エピネフリンとなり、 ヒスチジンはヒスタミンになる。 □□ 31. γ-アミノ酪酸(GABA)はグリシンからの脱炭酸反応により生成されたものである。( × ) 【正解】グルタミン酸 【ポイント】グリシンの脱炭酸反応では、ヘムやプリンなどが生成される。 ヘムは 2 価の鉄原子とポルフィリンから成る錯体であ る。通常、2 価の鉄と IX 型プロトポルフィリンからな るプロトヘムであるフェロヘムのことをさすことが多 い。ヘモグロビン、ミオグロビン、ミトコンドリアの 電子伝達系(シトクロム)、薬物代謝酵素(P450)、カ タラーゼ、一酸化窒素合成酵素、ペルオキシダーゼな どのヘムタンパク質の補欠分子族として構成する。ヘ モグロビンは、ヘムとグロビンから成る。ヘムの鉄原 子が酸素分子と結合することで、ヘモグロビンは酸素 を運搬している。 □□ 32. アルカプトン尿症は、フェニルアラニン代謝異常により発生する。( × ) 【正解】チロシン代謝異常 【ポイント】フェニルアラニン代謝異常により、フェニルアラニンの代謝物であるフェニルケトン 体が尿中排泄される(フェニルケトン尿症)。アルカプトン尿症はチロシン代謝異常で、 ホモゲンチジン酸が尿中排泄される。 □□ 33. 生体内では、1日に体重 l kg あたり約 l g のタンパク質を合成している。( ○ ) 【ポイント】成人男子のタンパク質の合成量は、1日当たり 60〜70 g になる。 □□ 34. タンパク質の合成は、身体の各組織のうち、筋肉で最もさかんに行われている。( × ) 【正解】小腸粘膜 【ポイント】タンパク質の合成活発度は、小腸粘膜>膵臓>肝臓>精巣>心臓>脳>筋肉の順で ヘム b の構造
ある。ただし、量的には肝臓で最も多く合成される。 □□ 35. 溶血性黄疸は、血中に遊離したヘモグロビンからつくられたビリルビンに対する肝臓処理能の 低下によって起こる。( × ) 【正解】過剰のヘモグロビンからつくられたビリルビン量が肝臓処理能を上回ることによって 【ポイント】溶血性黄疸は、肝臓処理能が低下することが原因ではない。ヘモグロピンはヘムと グロビンに分離されてそれぞれ分解されていき、ヘムが分解されてビリルビンにな る。ビリルビンは、抗酸化作用など生体防御にかかわる化合物である。 □□ 36. ビリルビンの 80〜85%はヘモグロビンに由来する。( ○ ) 【ポイント】ビリルビンはヘムの代謝産物である。したがって、ヘムをもつタンパク質が分解さ れることでビリルビンが産生される。ヘムをもつタンバク質として、ヘモグロビン、 ミオグロビン、チトクロムなどがあるが、ヘムタンパク質のうち、80〜85%はヘモ グロビンである。 □□ 37. 新生児生理的黄疸は、直接型ビリルビンが増加する。( × ) 【正解】間接型ビリルビン 【ポイント】ビリルビンは、ジアゾ反応により、直接型と間接型とに分けられる。また、水溶性 の抱合型ビリルビンと、難溶性の遊離型ビリルビンにも分けられ、直接型が抱合型 に、間接型が遊離型にほぼ相当する。遊離型より抱合型の方が胆汁成分として排泄 されやすい性質がある。黄疸は血清ビリルビン値が高くなることで生じる。新生児 では肝機能が十分でないので、抱合型(直接型)の生成が少ない。 □□ 38.(ビリルビンの過剰生成−直接ビリルビンの増加−新生児黄疸)の組み合わせは正しい。( × ) 【正解】間接ビリルビンの増加−溶血性黄疸 □□ 39.(ビリルビンの抱合異常−問接ビリルビンの増加−溶血性黄疸)の組み合わせは正しい。( × ) 【正解】新生児黄疸 【ポイント】ビリルビンは、肝臓内で UDP グルクロン酸と反応してグルクロン酸抱合を起こす。 新生児黄疸は、このグルクロン酸抱合が低下することが主たる原因である。 □□ 40.(肝外胆管の閉塞−問接ビリルビンの増加−胆管癌)の組み合わせは正しい。( × ) 【正解】直接ビリルビンの増加 【ポイント】肝外胆管の閉塞により、排泄されるべき直接ビリルビンが体内に増加してしまう。
□□ 41. 母乳に含まれるタンパク質のカゼインの割合は乳精タンパク質より少ない。( ○ ) 【ポイント】母乳および牛乳に含まれるタンパク質から、カゼインを差し引いた残りのタンパク 質を乳精タンパク質という。ラクトアルブミン、ラクトフェリン、IgA などがそれ にあたる。牛乳ではカゼインの方が多いが、母乳では乳精タンパク質の方が多い。 □□ 42. 初乳は高濃度の lgG を含む。( × ) 【正解】IgA 【ポイント】IgG は胎盤通適性で、出生時に母体から引き継がれている。母乳に含まれる免疫グ ロブリンは、分泌性の IgA である。 □□ 43. 血清からフィブリノーゲンを除いたものが血 漿しょうである。( × ) 【正解】血漿からフィブリノーゲンを除いたものが血清である 【ポイント】全血を放置すると、フィブリノーゲンはフィブリンとなり、血球成分と血餅をつく る。その残りの液体成分を血清という。抗凝固剤を添加した全血では、血球成分は 血餅とならないので、液体成分にはフィブリノーゲンが含まれる。 □□ 44. 血清タンパク電気泳動で、抗体はγ分画に存在する。( ○ ) 【ポイント】電気泳動で血清タンバウは 5 つの分画に分離され、抗体(免疫グロブリン)は移動 度の最も遅いγ分画に存在する。 □□ 45. 血清タンパクのうちではアルプミンが最も多い。( ○ ) 【ポイント】血清タンパクの 80%以上は肝臓で合成され、血中に分泌されるタンパク質である。 そのうちのほとんどがアルブミンであり、膠質浸透圧の維持などに役立っている。 □□ 46. 血清中の逸脱酵素の測定は臨床検査に用いられる。( ○ ) 【ポイント】細胞内に存在する酵素で、細胞が壊死して細胞外に漏れ出てくる酵素を逸脱酵素と いう。代表的な逸脱酵素に、乳酸脱水素酵素(LDH)、アスパラギン酸アミノトラン スフェラーゼ(AST)、クレアチンキナーゼ(CK)などがあり、各種病態の指標とな っている。
3. 糖 質 ・ 代 謝 □□ 1. 糖質は炭素、酸素、水素からなる化合物で、エネルギー代謝の主役を果たしている。( ○ ) 【ポイント】糖質の一般式は CnH2nOn、すなわち Cn(H2O)nと表わされることからも、炭素と水から なる化合物であり、このことから糖質は炭水化物とも呼ばれる。 □□ 2. ブドウ糖(グルコース)は単糖類で、炭素数から五炭糖に属する。( × ) 【正解】六炭糖 【ポイント】単糖の炭素原子の数は 3〜6 であり、それぞれ、トリオース(三炭糖)、テトロース (四炭糖)、ペントース(五炭糖)、ヘキソース(六炭糖)と呼ばれる。五炭糖類に はリボース、アラビノース、キシロースなどがある。 □□ 3. ブドウ糖と果糖は、単糖類である。( ○ ) 【ポイント】糖質は、①単糖類、②二糖類、③複数の単糖が縮合したオリゴ糖類、④多数の単糖 が縮合した多糖類に分けられる。単糖類(六炭糖)にはブドウ糖(グルコース)、 果糖(フルクトース)、脳糖(ガラクトース)などがある。 □□ 4. ブドウ糖はグリコーゲンとして肝臓に貯蔵され、必要に応じてブドウ糖となり、組織に補給 される。( ○ ) 【ポイント】血糖値が低下すると、グリコーゲンはグルカゴンやアドレナリンなどのホルモンの 作用によりブドウ糖に分解され、結果として血糖が上昇する。 □□ 5. マンノースは卵アルブミンを構成する単糖類である。( ○ ) 【ポイント】マンノースはマンナンという多糖類のかたちで植物の種子の中にある。また、卵 アルブミンや乳アルブミンなどの糖タンパク質の糖鎖の構成成分でもある。 □□ 6. ブドウ糖は構造中にアルデヒド基をもち、果糖はケト基をもっている。( ○ ) 【ポイント】アルデヒド基(-CHO)をもつ単糖類をアルドース、ケト基(-C=O)をもつものを ケトースという。 □□ 7. 光学的異性体で天然に存在する糖の多くは D 型である。( ○ ) 【ポイント】異性体とは、同じ分子式で表わされるが構造の異なる物質のことである。ある物 質に対して、鍍に写した構造をもつ異性体を、光学的異性体(鏡像異性体もしく は体掌体)という。異性体のうち、アルデヒド基あるいはケト基から遠いほうの 端の立体構造が、D-グリセルアルデヒドと一致するものを D 型といい、L-グリセ
ルアルデヒドと一致するのを L 型という。 □□ 8. ブドウ糖、果糖、ガラクトースなどは、酵母の作用によりアルコールとなる。( × ) 【正解】マンノース 【ポイント】ブドウ糖、果糖、マンノースは、エタノール発酵により、アルコールと CO2となる。 ガラクトースは、酵母では発酵作用を受けにくい。 □□ 9. デキストリンは、デンプンをアミラーゼで部分的に加水分解した二糖類である。( × ) 【正解】多糖類 □□ 10. ショ糖は二糖類である。( ○ ) 【ポイント】二糖類は、2 つの単糖がグリコシド結合で結合した糖類である。ショ糖はスクラー ゼにより、ブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)に分解される。 □□ 11. 麦芽糖は、ブドウ糖と果糖からなる二糖類である。( × ) 【正解】2 分子のブドウ糖 【ポイント】このほかに、代表的な二糖類にはショ糖(ブドウ糖と果糖)および乳糖(ブドウ糖 とガラクトース)がある。 □□ 12. ショ糖、麦芽糖、乳糖などはオリゴ糖である。( ○ ) 【ポイント】オリゴ糖は 2〜10 の単糖がグリコシド結合した物質である。また、オリゴ糖は還元 基(アルデヒド基)の有無により、還元性と非還元性に大別される。麦芽糖や乳糖 は還元性オリゴ糖に属し、ショ糖は非還元性オリゴ糖に属する。 □□ 13. 乳糖は牛乳には 4.9%含まれているが、母乳には含まれていない。( × ) 【正解】母乳には乳糖が 7.5%含まれている。 □□ 14. 乳糖は乳酸菌の作用により乳酸になる。( ○ ) 【ポイント】乳酸菌による乳酸発酵によって乳糖(ラクトース)は乳酸となる。 □□ 15. デンブンは構造上、枝鎖のないアミロペクチンと、枝鎖の多いアミロースからなっている。 ( × ) 【正解】枝鎖のないアミロースと、枝鎖の多いアミロペクチンからなっている
□□ 16. グリコーゲンは、単糖がペプチド結合で連なった多糖類である。( × ) 【正解】グリコシド結合 【ポイント】ペブチド結合はタンパク質中のアミノ酸同士の結合である。 □□ 17. グリコーゲンは、筋肉中や肝臓に貯蔵される多糖類である。( ○ ) 【ポイント】成人の身体のグリコーゲン量は、筋肉では約 1%、肝臓では 5〜6%である。 □□ 18. グリコーゲンの分解産物はグリセリンである。( × ) 【正解】グルコース 【ポイント】グルコースは解糖系、TCA 回路などを経て、最終的に CO2と H2O となる。中間物質 であるピルビン酸は、酸素が十分であれば、TCA 回路を介して CO2と H2O に分解さ れる。酸素が不+分であれば、解糖系により乳酸に分解される。 □□ 19. 筋肉中のグリコーゲンは、血糖の維持に用いられる。( × ) 【正解】には利用されない 【ポイント】筋肉中には、グリコーゲンからグルコースを産生させる酵素がないので、グリコー ゲンはエネルギー産生にのみ利用される。 □□ 20. セルロースはブドウ糖から構成されていて、消化酵素により分解され、吸収される。( × ) 【正解】消化酵素の作用は受けず、吸収もされない 【ポイント】セルロースは植物細胞壁の構成成分であり、食物繊維の多くを占める。人間はセル ロースを消化する酵素(セルラーゼ)をもたないが、草食動物は腸内細菌のもつセ ルラーゼによってセルロースを分解し、ブドウ糖として吸収することができる。 □□ 21. ペクチンは肝臓に多く存在する多糖類である。( × ) 【正解】ヘパリン 【ポイント】ヘパリンは肝臓、肺、脾臓などに存在し、血液の凝固を阻止する作用がある。ペク チンは植物の根茎や果実に多<存在する多糖類である。ペクチンもセルロースと同 様に人間の体内で消化されないので、食物繊維として注目されている。 □□ 22. デンプンは唾液や膵液のアミラーゼによってグリコーゲンに変えられて、腸から吸収される。 ( × ) 【正解】麦芽糖に加水分解され、さらにマルターゼの作用によってブドウ糖にまで分解されて 【ポイント】アミラーゼはテンブンを麦芽糖(マルトース)に分解する酵素である。マルターゼ は麦芽糖をブドウ糖に分解する酵素である。
□□ 23.(マルターゼ−デンプン−唾液)の組み合わせは正しい。( × ) 【正解】麦芽糖-腸液 【ポイント】アミラーゼはテンブンを麦芽糖に分解する酵素である。マルターゼは麦芽糖をブド ウ糖に分解する酵素である。 □□ 24.(唾液−ジアスターゼ)の組み合わせは正しい。( ○ ) 【ポイント】ジアスターゼはアミラーゼの俗称だが、麦芽から調製したアミラーゼの意味もある。 唾液でのアミラーゼはプチアリンとも呼ばれる。 □□ 25. 麦芽糖、乳糖、ショ糖は単糖類であるので、そのままの形で腸から吸収される。( × ) 【正解】二糖類であるので、そのままの形では吸収されない 【ポイント】二糖類は単糖に分解され、小腸から吸収される。 □□ 26. 糖質は胃から吸収される。( × ) 【正解】小腸から 【ポイント】栄養素の大部分は、小腸で吸収される。 □□ 27. 解糖とは、ブドウ糖がピルビン酸あるいは乳酸になる過程のことで、ミトコンドリア内で 行われる。( × ) 【正解】細胞質内 □□ 28.(炭水化物−胃液−プチアリン)の組み合わせは正しい。( × ) 【正解】唾液 □□ 29.(ブドウ糖−胃液−ペプシン)の組み合わせは正しい。( × ) 【正解】タンパク質 □□ 30. 糖質の消化・吸収には胆汁が必要である。( × ) 【正解】脂質 【ポイント】胆汁は脂肪の消化を助け、吸収を促進する。食餌性脂質という油と消化液という水 とをなじませてくれるのが、胆汁に含まれる胆汁酸である。 □□ 31. 糖質の消化酵素はアミラーゼである。( ○ ) 【ポイント】アミラーゼは、テンプンやグリコーゲンを麦芽糖まで分解する酵素である。
□□ 32. 嫌気性の解糖では、1 分子のブドウ糖から 1 分子の乳酸ができる。( × ) 【正解】2分子の乳酸 □□ 33. 嫌気性の解糖では、好気性の解糖よりもエネルギー産生の効率がよい。( × ) 【正解】悪い 【ポイント】嫌気性の解糖では、エネルギーの産生量は少ない。嫌気性の解糖とは、酸素を使 わずにエネルギーを産生することで、ブドウ糖からピルビン酸を経て乳酸を生成する経 路がそれである。好気性の解糖とは、酸素を使ってエネルギーを産生することで、ピル ビン酸か入る TCA 回路がそれである。(図 3) ※クエン酸回路の覚え方 アセチル CoA→クエン酸→イソクエン酸→α-ケトグルタル酸→スクシニル CoA→コハク酸→フマル 酸→リンゴ酸→オキサロ酢酸 【完全版】 焦って食え!急いで食え!けどすぐには怖くて踏まれたリンゴ置き去ろう
【簡易版(ポイントのみ)】 おくいけいこ 不倫♪ □□ 34. ペントースリン酸回路は、肝臓、副腎髄質、卵巣などで活発に行われている。( ○ ) 【ポイント】ペントースリン酸回路は、解糖系の途中から分かれて、リボース5リン酸や NADPH をつくり、再び解糖系に戻る過程のことをいう。この反応は精巣、赤血球でも活発に行 なわれている。(表 4) □□ 35. 好気性の解糖では、ブドウ糖は炭酸ガスと水とに分解される。( ○ ) 【ポイント】好気性では、ピルピン酸は TCA 回路に入り、CO2と H2O に分解される。 □□ 36. TCA 回路はミトコンドリア内に存在する。( ○ ) 【ポイント】TCA 回路(クエン酸回路)は酸素を必要とする反応で、アセチル CoA とオキサロ酢 酸が反応し、クエン酸→コハク酸→フマル酸→リンゴ酸などを経て、再びオキサロ酢酸 となる回路である。その過程で補酵素(NADH と FADH2)や H20、CO2が生じる。
□□ 37. TCA 回路で生成された FADH2は、電子伝達系を介し、3 分子の ATP をつくる。( × )
【正解】2 分子の ATP
【ポイント】NADH からは 3 分子の ATP が生じる。
される。( × ) 【正解】ブドウ糖は細胞質内の解糖系でピルビン酸に分解されてからミトコンドリア内の TCA 回路に入り □□ 39. 糖原性アミノ酸はクエン酸回路(TCA 回路)に入る。( ○ ) 【ポイント】糖原性アミノ酸とは糖になりうるアミノ酸のことで、主に TCA 回路の中間で生じ ているアミノ酸である。フマル酸、コハク酸、リンゴ酸などがある。 □□ 40. 1 分子の NADH が電子伝達系で酸化されると、2 分子の ATP が生成される。( × ) 【正解】3 分子の ATP 【ポイント】FADH2からは 2 分子の ATP が生成される。 □□ 41. 臓器によってブドウ糖から ATP が生成される量は異なる。( ○ ) 【ポイント】1 分子のブドウ糖から脳・筋肉では 36 分子の ATP が、心臓・肝臓・腎臓では 38 分 子の ATP が生成される。 □□ 42. エタノールはアルコール脱水素酵素により、ホルムアルデヒドとなる。( × ) 【正解】アセトアルデヒド 【ポイント】体内では、エタノールはアルコール脱水素酵素によりアセトアルデヒドとなり、 アセトアルテヒドはアルデヒド脱水酵素により酢酸になる。アセトアルデヒドは、細胞 障害や組織障害を起こす猛毒の物質である。 □□ 43. アドレナリンは肝臓での糖新生を促進する。( × ) 【正解】糖質コルチコイド(コルチゾン) 【ポイント】糖新生とは、乳酸、ビルビン酸、アミノ酸などからブドウ糖ができる反応である。 この経路の大部分は、解糖系と同じ酵素が触媒する逆反応過程である。肝臓や腎臓で活 発に行われる。 □□ 44. 肝臓は蓄積したグリコーゲンを必要に応じて分解し、ブドウ糖をつくる。( ○ ) 【ポイント】ブドウ糖への分解には、グルカゴンやアドレナリンなどのホルモンが関与する。 □□ 45. 肝臓はグリコーゲンの合成、貯蔵、分解を行う。( ○ ) 【ポイント】グリコーゲンの合成は、インスリンにより促進される。
□□ 46. インスリンやグルカゴンは肝臓から分泌されるホルモンで、血糖値を下げる。( × ) 【正解】肝臓から分泌されるホルモンで、インスリンは血糖値を下げ、グルカゴンは上げる 作用がある。 【ポイント】グルカゴンは筋肉内のグリコーゲンの分解を促進し、血糖値を上昇させる働きが ある。 □□ 47. グルカゴンは筋肉内のグリコーゲンの分解を促進し、血糖値を上昇させる働きをする。( × ) 【正解】肝臓内の □□ 48. インスリンは、肝臓におけるタンパク質からの糖新生を抑制する作用がある。( ○ ) 【ポイント】インスリンは、筋肉・脂肪組織へのブドウ糖の取り込み、肝臓でのブドウ糖の分 解、グリコーゲン合成を促進する。このことによって、血糖値が下がる。 □□ 49. 血糖値を上昇させるホルモンに、サイロキシン、成長ホルモン、ノルアドレナリンなどがある。 ( ○ ) 【ポイント】ノルアドレナリンにも血糖上昇作用がある。しかし、アドレナリンと比べるとそ の作用は小さい。 □□ 50. ブドウ糖は体内で燃焼するとき、1 g につき l kcal の熱を発生する。( × ) 【正解】4 kcal 【ポイント】食品のエネルギーは三大栄養素(タンパク質、脂質、糖質)から発生し、タン パク質および糖質は 1 g で約 4 kcal、脂質は 1 g で約 9 kcal のエネルギーが発生す る。この数値をアトウォーター係数という。 □□ 51. 空腹時の血糖値の正常値は、約 180〜200 mg/dL である。( × ) 【正解】約 80〜200 mg/dL □□ 52. インスリン依存性糖尿病は、40 歳以上で発病する。( × ) 【正解】若年者に多い 【ポイント】糖尿病にはインスリン依存性糖尿病(IDDM、1 型)と非依存性糖尿病(MIDDM、2 型)がある。前者は小児期あるいは 10 歳代に発症することから、若年発症型糖尿病 ともいわれる。
□□ 53. 糖尿病では、自律神経障害は少ない。( × ) 【正解】自律神経障害がある 【ポイント】糖尿病の自律神経障害として、起立性低血圧、便通障害、膀胱機能障害、イン ポテンツなどがある。 □□ 54. 低血糖陛昏睡では、痙攣けいれんはまれである。( × ) 【正解】自律神経障害があるしばしば痙攣を生じる 【ポイント】そのほかに、意識障害や昏睡などかある。 □□ 55. 糖尿病性ケトアシドーシスでは、脱水を伴う。( ○ ) 【ポイント】血液中のケトン体濃度が高くなる状態をケトーシスという。また、血液が酸性 に傾く状態をアシドーシスといい、両者が同時に起こる状態をケトアシドーシスと いう。ケトアシドーシスでは、脱水により意識障害や昏睡をきたすことがある。糖 尿病では、インスリン不足のためブドウ糖の分解ができず、脂肪を過剰に分解して しまう。これにより、陰イオンであるケトン体を多量に生成し、アシドーシスを起 こす。血液がアルカリ性に傾く状態のことはアルカローシスという。 □□ 56. 糖尿病でケトン体が著しく増加すると、代謝性アシドーシスになる。( ○ ) 【ポイント】糖尿病の場合、アセチル CoA からケトン体が著しく生成され、血液が酸性に傾 いてアシドーシスになる。このような代謝異常が原因で引き起こされるアシドーシ スを代謝性アシドーシスといい、呼吸異常によるアシドーシスを呼吸性アシドーシ スという。 □□ 57. 食事摂取が不十分なときは、筋肉から糖が放出される。( × ) 【正解】肝臓 【ポイント】肝臓に貯蔵されているグリコーゲンが分解される。 □□ 58. 母乳に含まれる糖質の主成分は乳糖である。( ○ ) 【ポイント】乳糖は二糖類で、小腸で加水分解を受けてグルコース(ブドウ糖)とガラクトース (脳糖)となって吸収される。 □□ 59. 糖質は大部分がエネルギー源として利用されるが、一部肝臓で脂肪に変換される。( ○ ) 【ポイント】余剰の糖質は、まずグリコーゲンとして肝臓や筋組織に貯蔵される。それ以上 の余剰の糖質は、解糖系を介してトリグリセリドの合成に使用される。これが脂肪 肝の成因である。
□□ 60. 食物中の糖質は、80〜90%がデンプンである。( ○ ) 【ポイント】食物中の糖質には各種あり、穀類として摂取する糖質は主に多糖類であるデン プンである。それ以外に消化できない糖質として、繊維質や調味料に含まれる合成 糖などがある。 4. 脂 質 ・ 代 謝 □ □ 1. 脂肪の基本的な構造は、脂肪酸とアルコールがエステル結合したものである。( ○ ) 【ポイント】一般的な脂肪酸の構造は R-COOH(R:アルキル基、COOH:カルボキシル基)で表 される。脂質の主なアルコールはグリセロールで、グリセロールと脂肪酸はエステル 結合( )で結合している。 □ □ 2. 中性脂肪はグリセロールと脂肪酸との化合物である。( ○ ) 【ポイント】中性脂肪は、グリセロールと脂肪酸が 1:3 の分子比で結合している。よって、 脂肪酸は別名をトリグリセリド(“トリ”はラテン語で“3”を表す)という。 □ □ 3. オレイン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸などは、不飽和脂肪酸である。( ○ ) 【ポイント】中性脂肪には、飽和脂肪酸(脂肪酸の炭素鎖中に二重結合をもたない)と不飽和 脂肪酸(二重結合をもつ)がある。飽和脂肪酸は動物性脂肪(バターやラード等)に 多く含まれ、不飽和脂肪酸は植物性脂肪(植物油等)に多く含まれる。 □ □ 4. リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸は不飽和脂肪酸である。( ○ ) 【ポイント】これらの脂肪酸はビタミン F ともよばれ、食事から摂取しなければならない 必須脂肪酸である。 □ □ 5. リノール酸とリノレン酸は、生体内で互いに変換する。( × ) 【正解】変換しない 【ポイント】変換されないから「必須脂肪酸」である。 □ □ 6. 天然に存在する脂肪のほとんどは、モノアシルグリセロールとして存在する。( × ) 【正解】トリアシルグリセロール 【ポイント】トリアシルグリセロールは「トリグリセリド」または「中性脂肪」ともよばれ る。 C O O
□□ 7. 動物性脂肪にはリノール酸などの必須脂肪酸などが多く、血清コレステロールを減少する。 ( × ) 【正解】植物性脂肪 □ □ 8. 貯蔵脂肪は主として中性脂肪からなっている。( ○ ) 【ポイント】中性脂肪は、哺乳動物にとってエネルギー源としての貯蔵体である。 □ □ 9. リン脂質は細胞膜の主な構成成分である。( ○ ) 【ポイント】細胞膜の主要な構成成分はリン脂質である。リン脂質のリン酸と塩基の部分は 親水性(水になじむ性質)、脂肪酸の部分は疎水基(水をはじく性質)であり、細胞 膜はリン脂質が細胞膜の外側に、脂肪酸の部分が内側に配置する“脂質二重膜”を 形成している。その細胞膜上にタンパク質があり(膜タンパク質とよばれる)、それ ぞれのタンパク質事に受容体やポンプ等の機能をもっている。 □ □ 10. 脳や神経組織に多いリン脂質は、複合脂質に属する。( ○ ) 【ポイント】リン脂質とは、分子内にリン酸基(-PO3)をもつ脂質のことである。よって、リ ン脂質は複合脂質に属する。複合脂質には、分子内に糖をもつ糖脂質もある。(表 5) 細胞膜の構造
□ □ 11. 三大栄養素のうち、胃から十二指腸に移送される時間の最も長いものは脂肪である。( ○ ) 【ポイント】脂肪は水に溶けないため、体内での輸送には時間がかかる。胃から十二指腸へ 運ばれる速さは、糖質>タンパク質>脂肪の順である。 □ □ 12. 脂肪は酸化に先立ち、脂肪酸とグリセリンに分解される。( ○ ) 【ポイント】中性脂肪は、脂肪酸とグリセリンに分解され、脂肪酸はβ酸化によってエネル ギーに変換される。 □ □ 13. ステアプシンによる脂肪の分解は、胆汁中の胆汁酸の作用によって促進される。( ○ ) 【ポイント】胆汁酸には脂肪を乳化する働きがあり、ステアプシン(膵リパーゼ)による消化 を助ける。 □ □ 14. 食物中のコレステロールは、そのままの形で腸管から吸収され血中へ入る。( ○ ) 【ポイント】食物から摂取したコレステロールはほとんどが遊離型(他のものが結合していない) であるため、多くの場合でそのまま小腸から吸収される。 □ □ 15. 中性脂肪(トリグリセリド)は膵液のリパーゼなどにより、モノグリセリドや脂肪酸に分解 されて腸から吸収される。( ○ ) 【ポイント】中性脂肪(トリグリセリド)には脂肪酸が 3 個結合しており、そこから脂肪酸が 2 個外れて 1 個になったものがモノグリセリドである(“モノ”はラテン語で“1”を 表す)。 □ □ 16. 小腸で吸収された脂肪の大部分は、門脈を経て肝臓に運ばれる。( × ) 【正解】毛細リンパ管 【ポイント】脂質は水に溶けないため、脂質はタンパク質と結合し、リポタンパク質として 血中に入る。リポタンパク質は巨大な粒子であるので、毛細血管である門脈には入 れない。よって、リンパ管→胸管→鎖骨下静脈と移行し、肝臓まで運ばれる。 □ □ 17.(リパーゼ−脂肪−膵液)の組み合わせは正しい。( ○ ) 【ポイント】膵リパーゼはステアプシンともよばれ、脂肪中のアルコール(グリセリン)と 脂肪酸の間のエステル結合を加水分解する酵素である。
□ □ 18. 脂肪は胃液の分泌と胃の運動を増強する。( × ) 【正解】低下させる 【ポイント】脂肪を摂取すると小腸粘膜から消化管ホルモンであるセクレチン(ペプチド ホルモン)が分泌するが、その作用のひとつは胃液分泌抑制である。 □ □ 19. リパーゼはタンパク質の消化吸収を促進する。( × ) 【正解】脂肪 【ポイント】リパーゼは膵液中の脂肪分解酵素である。 □ □ 20. 細胞内で脂肪酸は、TCA 回路によりアセチル CoA に代謝されて利用される。( × ) 【正解】β酸化 【ポイント】脂肪酸からβ酸化によってアセチル CoA が生じる。β酸化によって生じるアセ チル CoA の数は、脂肪酸の炭素鎖の長さによる(炭素が 2 個ずつ切断される)。 □ □ 21. ケトン体は肝臓で生成され、筋肉で利用される。( ○ ) 【ポイント】ケトン体とはβ酸化の過程で生じるアセト酢酸、3-ヒドロキシ酪酸、アセトン 等の総称で、主に肝臓や腎臓で生じる。ケトン体が血中や尿中に過剰に生じる症状 をケトン症(ケト-シス)という。ケトン体は酸性物質なので、さらに量が多くなる と血液が酸性になる重篤なケトアシドーシスを引き起こす。
□ □ 22. 脂肪の酸化が不完全なとき、ケトン体を生じ、アシドーシスとなることがある。( ○ ) 【ポイント】糖尿病患者は糖の摂取が制限されるため、活動のエネルギーを脂肪酸に依存す ることになる。よって重症の糖尿病になると、脂肪酸のβ酸化によってつくられた アセチル CoA からケトン体が異常に合成されることになり、代謝性アシドーシスと なる。 □ □ 23. 脂肪の不完全酸化物であるアセト酢酸、アセトン、3-ヒドロキシ酪酸が体内に増加した状態 をケトン症という。( ○ ) 【ポイント】血中でケトン体が増加する原因は、TCA 回路に必要な糖質の供給が不足すること による。 □ □ 24. アドレナリンは、脂肪の合成を増加させるホルモンである。( × ) 【正解】分解 【ポイント】脂肪の合成を増加させるホルモンはインスリンである。分解を促進するホルモン はアドレナリン、グルカゴン、成長ホルモン、副腎皮質ホルモン等である。 □ □ 25. 生体内で、脂肪酸はブドウ糖からも合成される。( ○ ) 【ポイント】脂肪酸は糖質代謝の中間代謝物でもあるアセチル CoA から合成される。 図. β酸化の概略図(左)と脂肪酸の構造変化(右) (どちらの図も同じことを説明している)
□ □ 26. 肝臓は脂肪酸の分解やコレステロールの生成を行う。( ○ ) 【ポイント】肝臓には多くの重要な機能があるが、脂肪酸の分解とコレステロールの合成は 特に重要である。 □ □ 27. 体内におけるコレステロールの代謝産物の主なものとしては、ステロイドホルモンや胆汁酸 がある。( ○ ) 【ポイント】ステロイドホルモンには、性ホルモンのプロゲステロン、副腎皮質ホルモンの コルチゾールやアルドステロン等がある。ビタミン D(エルゴカルしフェロールやコ レカルシフェロール)もコレステロールから合成される。 □ □ 28. 血漿中に存在する脂質は、コレステロール、中性脂肪、リン脂質の 3 つである。( × ) 【正解】分解コレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸の 4 つ 【ポイント】けっしょう血 漿とは、血液から赤血球、白血球、血小板の有形成分を除いた液体成分をいう。 血液の約半分(55%)の容積を占める。 □ □ 29. コレステロールは、大腸から吸収されて血中に入る。( × ) 【正解】小腸 □ □ 30. 脂肪酸、コレステロール、ステロイドなどは誘導脂質である。( ○ ) 【ポイント】誘導脂質とは、単純脂質や複合脂質が酵素等による加水分解を受けて生じる 脂質のことである。 □ □ 31. コレステロールは神経組織に多く含まれるが、そのなかでも脳、血液、胆汁、肝臓に多く 含まれている。( ○ ) 【ポイント】コレステロールは、脳に約 30g、血液中に約 10g、肝臓および胆汁に約 5g 程 度含まれる。 □ □ 32. コレステロールは肝臓に蓄積して、脂肪肝の原因となる。( × ) 【正解】中性脂肪(トリグリセリド) 【ポイント】脂肪肝では、グリセロールが補酵素である NADH により最終的にトリグリセリド となり、肝臓に蓄積することによって起こる。また、コリンやシノシットなどのビ タミン B 群、アミノ酸であるメチオニンが不足した場合や、ビタミン B 群であるリ ボフラビンやビオチン(ビタミン H とよばれることもある)を過剰摂取した場合に も脂肪肝は起こる。
□ □ 33. 胆汁中には脂肪分解酵素(リパーゼ)が多く含まれている。( × ) 【正解】膵液 【ポイント】膵液中には多くの消化酵素(トリプシン、キモトリプシン、アミラーゼ、 リパーゼ等)が含まれる。 □ □ 34. 胆汁酸塩は脂肪をグリセロールと脂肪酸とに分解する。( × ) 【正解】リパーゼ 【ポイント】胆汁酸塩は、脂肪の消化・吸収を間接的に促進する。 □ □ 35. 胆汁酸は、肝臓でコレステロールから生成される。( ○ ) 【ポイント】胆汁には、胆汁酸、コレステロール、脂肪酸、ビリルビン(胆汁色素)の成分が 含まれる。高ビリルビン血症では、ビリルビンが眼球や皮膚等の組織に沈着して黄疸おうだんの 所見が得られる。 □ □ 36. コレステロールは水によく溶ける。( × ) 【正解】溶けにくい 【ポイント】コレステロールは疎水性の化合物であり、血液等を移動する際にはタンパク質と 結合してリポタンパク質となる必要がある。 □ 37. コレステロールは中性脂肪に含まれる。( × ) 【正解】誘導脂質 【ポイント】脂質には、単純脂質(中性脂肪など)、複合脂質(リン脂質、糖脂質など)、誘 導脂質(コレステロール、胆汁酸、性ホルモンなど)がある。 □ □ 38. コレステロールは胆汁中に排泄される。( ○ ) 【ポイント】胆汁の中のコレステロールは胆汁酸により分散安定化されているが、胆嚢たんのうで胆 汁が濃縮される際に何らかの原因で遊離しコレステロールの結晶が成長すると、胆 嚢あるいは胆管においてコレステロール胆石症の原因となる場合もある。 □ □ 39. コレステロールはステロイドホルモンの合成に用いられる。( ○ ) 【ポイント】コレステロールは、ステロイドホルモン(性ホルモン)、副腎皮質ホルモン、 ビタミン D を合成するための材料になる。
□ □ 40. 中性脂肪の分解産物はコレステロールである。( × ) 【正解】脂肪酸とグリセロール 【ポイント】中性脂肪(トリアシルグリセロール)は 1 個のグリセロールに 3 個の脂肪酸が 結合してできている。細胞内では、脂肪酸はβ酸化を経て TCA 回路に入り、最終的 には CO2と H2O にまで分解される。 □ □ 41. コレステロールの生体内での合成の中心は肝臓である。( ○ ) 【ポイント】コレステロールは、主に肝臓でアセチル CoA から合成される。また、肝臓以外 にも副腎、卵巣、精巣でも合成される。 □ □ 42. 吸収された長鎖脂肪酸は、腸壁で中性脂肪に再合成され、タンパク質やコレステロールなど と結合して、カイロミクロン(キロミクロン)となる。( ○ ) 【ポイント】カイロミクロンは中性脂肪が約 90%で、それ以外にもリン脂質、タンパク質、 コレステロールを含んでいる。 □□ 43. 腸壁でつくられたカイロミクロンの大部分は、腸間膜の血管から門脈を経て、肝臓へ運ばれる。 ( × ) 【正解】小腸柔突起のリンパ管に吸収され、胸管を経て心臓に入る。 □ □ 44. コレステロール、中性脂肪などは、血中でタンパク質と結合して、リポタンパク質として存 在する。( ○ ) 【ポイント】リポタンパク質は、タンパク質にコレステロールや中性脂肪が結合したもので、 水に溶けにくい脂質が血中で運搬されるのに不可欠である。リポタンパク質は比重 (水に対する重量比)が小さい順に、カイロミクロン、VLDL、LDL、HDL と分類され、 LDL は動脈硬化を促進することから“悪玉コレステロール”、HDL は動脈硬化を抑制 することから“善玉コレステロール”とよばれる。(表 6)
□ □ 45. 食後一定時間経過した血漿の白濁は、カイロミクロンの増加による。( ○ ) 【ポイント】カイロミクロン中の中性脂肪(トリグリセリド)の一部は、血中でリパーゼに よって脂肪酸とグリセロールに分解され肝臓に取り込まれる。 □ □ 46. カイロミクロンはリポタンパク質である。( ○ ) 【ポイント】カイロミクロンは食物中に含まれている脂肪が吸収されて生成したもので、外因性 のトリグリセリドを肝臓へ運搬する働きがある。 □ □ 47. カイロミクロンは小腸上皮細胞で生成される。( ○ ) 【ポイント】カイロミクロン以外のリポタンパク質では、VLDL は肝臓および小腸で、LDL は 血中で VLDL から、HDL は肝臓でそれぞれ生成される。 □ □ 48. 低密度リポタンパク質(LDL)は、コレステロールを動脈壁の細胞へ運搬し、動脈硬化の 要因となる。( ○ ) 【ポイント】LDL は肝臓や小腸から末梢へコレステロールを運搬する。その過程で血中に LDL が増加すると動脈にコレステロールを沈着させ、動脈硬化を引き起こす一因となる。 そのため LDL は“悪玉コレステロール”とよばれる。 □ □ 49. 高密度リポタンパク質(HDL)はコレステロールを末梢組織から肝臓へ運び、抗動脈硬化因 子と考えられている。( ○ ) 【ポイント】HDL は血管壁に沈着したコレステロール体の不必要なコレステロールなど不必要 なコレステロールを回収して肝臓に運ぶ働きがある。これは動脈硬化の予防に役立 つ。そのため HDL は“悪玉コレステロール”とよばれる。 □ □ 50. 高密度リポタンパク質(HDL)は動脈硬化促進因子である。( × ) 【正解】動脈硬化抑制因子 □ □ 51. 高脂血症とは、コレステロール、トリグリセリド、リン脂質などの血漿脂質が増加した状態 をいう。( ○ )※高脂血症は、現在では「脂質異常症」と変更された。 【ポイント】高脂血症とは、空腹時の血中コレステロールが 220mg/dL 以上、あるいは中性脂 肪(トリグリセリド)が 150mg/dL のいずれか、もしくはその両方の場合をいう。 □ □ 52. 高脂血症では、皮膚および眼瞼に黄色腫を認めることがある。( ○ ) 【ポイント】高脂血症(脂質異常症)の状態が長く続くと、動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳 卒中が引き起こされるリスクが高まる。
□ □ 53. 高脂血症の治療には、飽和脂肪酸の多い食事が勧められる。( × ) 【正解】不飽和脂肪酸 【ポイント】高脂血症の患者には、脂質に含まれる飽和脂肪酸の摂取を制限する必要がある。 不飽和脂肪酸を摂取することで、コレステロール値は低下する。 □ □ 54. プロスタグランジンは、必須脂肪酸のリノール酸やアラキドン酸から生成される。( ○ ) 【ポイント】プロスタグランジン類は、脂肪酸であるエイコサトリエン酸、アラキドン酸、 エイコサペンタエン酸から合成される生理活性物質である。プロスタグランジンの 作用のひとつに炎症(発赤、疼痛、腫脹、発熱)を引き起こすことがある。プロス タグランジン類はエイコサノイドともよばれ、オータコイド(生理活性物質のうち、 ホルモンおよび神経伝達物質以外のものの総称)の一種である。 □ □ 55. エイコサペンタエン酸(EPA)は必須脂肪酸のα-リノレン酸から生成される。( ○ ) 【ポイント】エイコサペンタエン酸は魚脂に多く含まれる不飽和脂肪酸のひとつである。脳 梗塞や心筋梗塞の予防作用がある。 □ □ 56. 植物油は多量の飽和脂肪酸を含み、血中総コレステロールを増加させる。( × ) 【正解】動物油 【ポイント】植物油は不飽和脂肪酸を含み、不飽和脂肪酸は血中総コレステロールを低下さ せる働きがある。
5. 核 酸 ・ 代 謝 □□ 1. 核酸はリン酸と糖と塩基の 3 つの成分からなり、この 3 つが結合したものをヌクレオシドという。 ( × ) 【正解】ヌクレオチド 【ポイント】核酸はリン酸、糖、塩基が結合したもので、この 3 つが結合したものをヌクレ オチド(nucleotide)という。塩基と糖が結合した部分 のことはヌクレオシド (nucleoside)という。 □ □ 2. 核酸は、遺伝やタンパク質合成と密接な関係がある。( ○ ) 【ポイント】核酸である DNA や RNA は、遺伝やタンパク質合成に関係している。 □ □ 3. DNA は 2 本のポリヌクレオチドからなっていて、その鎖の間は水素結合によって互いに結合し ている。( ○ ) 【ポイント】細胞中の DNA 分子は二重らせん構造をしている。一方の鎖と他方の鎖は互いに 相補的で、アデニン(A)とチミン(T)、シトシン(C)とグアニン(G)が水素結合 で結合して二重らせんを形成している。
□ □ 4. DNA の合成は、DNA リガーゼにより行われ、合成された小断片はさらに DNA ポリメラーゼ によって互いに結合される。( × ) 【正解】DNA ポリメラーゼにより行われ、合成された小断片はさらに DNA リガーゼによって互 いに結合される。 【ポイント】ポリメラーゼとは「高分子(ポリマー)化する酵素」という意味で、リガーゼ とは「つなぐ酵素」という意味である。 □ □ 5. DNA の有機塩基には、ピリミジン塩基として、ウラシル、シトシンがある。( × ) 【正解】チミン 【ポイント】ウラシルは RNA だけに含まれる塩基である。核酸の塩基はプリン塩基とピリミ ジン塩基に分けられる。プリン塩基はアデニンとグアニン、ピリミジン塩基はシト シン、チミン、ウラシルである(表 7)。
□ □ 6. RNA は細胞核内と細胞質の双方にある。( ○ )
【ポイント】RNA には mRNA (伝令 RNA)、rRNA(リボソーム RNA)、tRNA(運搬 RNA)の 3 つが
ある。mRNA は核内で DNA 上の遺伝子の遺伝情報をもとに合成され、核外の細胞質に 出ると rRNA が主成分のリボソームと結合し、そこで tRNA が運んできたアミノ酸を 遺伝情報通りにつなげてペプチド結合が形成されタンパク質ができる。よって、rRNA と tRNA は核外で働く。細胞内の RNA のほとんどは rRNA である。
□ □ 7. RNA の糖成分はリボースである。( ○ )
【ポイント】RNA は糖(リボース)、有機塩基(アデニン、グアニン、シトシン、ウラシル)、
リン酸からなる(表 7)。この構成単位をヌクレオチドという。
□ □ 8. RNA の種類は、mRNA、tRNA の 2 つだけである。( × ) 【正解】mRNA、rRNA、tRNA の 3 つがある。
【ポイント】mRNA は DNA から遺伝情報を写しとったもの、rRNA はリボソームの主成分、tRNA
リボソームに指定されたアミノ酸を運ぶ働きがある。
□ □ 9. DNA の遺伝情報は、はじめに tRNA により転写される。( × ) 【正解】mRNA
□ □ 10. mRNA の合成は転写と呼ばれる。( ○ )
【ポイント】DNA から mRNA に遺伝情報が写しとられることを「転写(transcription)」とい
う。また、mRNA の情報をもとにタンパク質がつくられることを「翻訳(translation)」 という。
□ □ 11. tRNA は遺伝情報をアミノ酸配列に読み換える。( ○ )
【ポイント】tRNA には、mRNA のコドンに対応するアミノ酸が結合している。よって、tRNA
が mRNA のコドンに対応するアミノ酸を運搬することで、遺伝情報に従ったタンパク 質を合成することができる。 □ □ 12. ポリペブチド(タンパク質)は細胞の核内で合成される。( × ) 【正解】核外 【ポイント】mRNA は核外に出てリボソームと結合し、リボソーム上でタンパク質は合成され る。
□ □ 13. 核内の DNA は、通常二重らせん構造をとっている。( ○ )
【ポイント】DNA が二重らせん構造であるのに対し、mRNA をはじめ RNA は単鎖構造である。
□ □ 14. 3 個のヌクレオチドの組み合わせによって 1 個のアミノ酸が決定される。( ○ ) 【ポイント】DNA や RNA 中の「糖+塩基+リン酸」の構造をヌクレオチドという。塩基配列と は DNA や RNA 中の塩基の並ぶ順番のことで、3 つの塩基で 1 つのアミノ酸が決定され る。3 つの塩基の順番のセットをコドンという。ヌクレオチドからリン酸を取り除い たものをヌクレオシドという。 □ □ 15. リボソームでポリペプチドが合成される。( ○ ) 【ポイント】リボソームは主に rRNA とタンパク質で構成されている。 □ □ 16. タンパク質を鋳型にして、DNA が合成される。( × ) 【正解】DNA
【ポイント】DNA は 2 本鎖であり、DNA が複製されるときには DNA の 2 本鎖がほどけ、それぞ
れの DNA 鎖に対して相補的な新しい DNA 鎖が合成される。これを「相補的複製」と いう。よって、DNA の複製で鋳型になるのは DNA である。
□ □ 17. DNA の傷害を修復する機構がある。( ○ )
【ポイント】DNA は DNA ポリメラーゼによる校正機構などによって DNA の障害を修復し、もと
の塩基配列を維持している。このような機構がなければ、生物は遺伝子が書き換わ ってしまい突然変異を起こしやすくなる。 □ □ 18. RNA は一般に二重らせん構造である。( × ) 【正解】一本鎖構造 【ポイント】すべての RNA が一本鎖構造である。tRNA は特徴的な逆 L 字型の構造をもつ。 □ □ 19. RNA は細胞分裂の際に修復される。( × ) 【正解】DNA □ □ 20. 伝令 RNA(mRNA)の合成はリボソームで行われる。( × ) 【正解】核内
□ □ 21. DNA には遺伝子の発現を調節する部分がある。( ○ ) 【ポイント】遺伝子が働いてタンパク質が合成されるまでの過程を発現という。DNA の情報を mRNA に写しとることを転写といい、この転写調節が遺伝子発現には重要である。こ のような転写調節の機能を担うタンパク質を「転写因子」という。 □ □ 22. DNA は 1 本のポリヌクレオチド鎖である。( × ) 【正解】2 本 【ポイント】二重らせん構造である。 □ □ 23. DNA の遺伝子間報から mRNA がつくられることを翻訳という。( × ) 【正解】転写 □ □ 24. mRNA の塩基配列に基づきアミノ酸がつながることを転写という。( × ) 【正解】翻訳 □ □ 25. リボソーム RNA は、全 RNA のおよそ 80%を占める。( ○ ) 【ポイント】全 RNA のほとんどがリボソームをつくるリボソーム RNA(rRNA)である。 □ □ 26. DNA の遺伝情報の中で、タンパク質に翻訳されない部分をエクソンといい、翻訳される部 分をイントロンという。( × ) 【正解】タンパク質に翻訳されない部分をイントロンといい、翻訳される部分をエクソンと いう。 【ポイント】通常の真核生物の遺伝子では、タンパク質の情報として翻訳されるエクソンと 翻訳されないイントロンが交互に配置されている。mRNA が出来上がるとき、不要な イントロン部分が切り出される。このことを「選択的スプライシング」という。 □ □ 27. アデノシン三さんリン酸(ATP)のアデノシンは、アデニンとリン酸からなっている。( × ) 【正解】リボース 【ポイント】アデノシン三リン酸(ATP)は、真核生物の活動のエネルギーとして共通の化合 物である。ATP はアデニンがリボースに結合したアデノシンに 3 つのリン酸が結合し ている。リン酸の結合が切れるときのエネルギーが生命活動に用いられ、この結合 を「高エネルギーリン酸結合」という。ATP からリン酸が 1 個取れるとアデノシン二に リン酸(ADP)、さらにもう 1 個取れるとアデノシン一いちリン酸(ADP)となる。
□□ 28. 核酸の分解産物は酢酸である。( × ) 【正解】尿酸 【ポイント】核酸は窒素(N)を含んでおり、尿酸は窒素を含んだ酸の代表である。 □ □ 29. 核酸の構成成分であるピリミジン塩基は、最終的には尿酸となる。( × ) 【正解】アンモニアと二酸化炭素と水 【ポイント】アンモニアは最終的には尿素回路に入って尿素となって排泄される。 □ □ 30. 核酸の構成成分であるプリン塩基は、最終的にはアンモニアと二酸化炭素と水となって排泄 される。( × ) 【正解】尿酸 【ポイント】尿酸は水に難溶であるため、生じすぎると関節等に蓄積して痛風の原因となる。 □ □ 31. 血中の尿酸の正常値は 10.0 mg/dL である。( × ) 【正解】2.3〜6.6 mg/dL 【ポイント】男性の方が高い値を示す傾向にある。よって、男性の方が痛風になりやすい。 □ □ 32. 高尿酸血症の患者に、アルコール摂取は制限したほうがよい。( ○ ) 【ポイント】アルコール摂取の結果生じた乳酸が、尿酸の腎臓からの排泄を抑制し、気中尿 酸値を上昇させ痛風の原因になる。よって、血中尿酸値の高い人はアルコールの摂 取を控えた方がよい。 □□ 33. 高尿酸血症は痛風になりやすい。( ○ ) 【ポイント】尿酸は血中濃度が高いと関節等に析出しやすくなり、痛風の原因となる。
6. 酵 素 □ □ 1. 酵素は基本的には糖質からなり、細胞内で合成される。( × ) 【正解】タンパク質 □ □ 2. 補酵素は酵素のタンパク質部分と結合し、酵素の活性発現を促す。( ○ ) 【ポイント】酵素には活性発現のために補酵素や金属イオンなどの補因子を必要とするもの がある。酵素のタンパク質部分のことをアポ酵素といい、アポ酵素は活性を持たな い。アポ酵素に補因子が結合して活性を持つようになった酵素をホロ酵素という。 □ □ 3. 消化酵素の多くは、酵素前駆体として不活性な状態で合成される。( ○ ) 【ポイント】酵素が特定の場所で活性を発現するために、活性が不必要な場所では不活性な 酵素前駆体として存在することがある。タンパク質分解酵素であるトリプシンの前 駆体はトリプシノーゲン、ペプシンの前駆体はペプシノーゲンと呼ばれ、いずれも 前駆体は不活性である。 □ □ 4. 酵素は特定の基質としか反応しない性質がある。( ○ ) 【ポイント】基質とは酵素が作用する相手のことであり、酵素が特定の基質とのみ反応する 性質を「酵素の基質特異性」という。 □ □ 5. 酵素は、細胞内で常に一定の構造を維持している。( × ) 【正解】構造が変化する酵素がある。 【ポイント】このような酵素を「アロステリック酵素」という。ある特定の条件で構造が変 化するため、酵素活性が急激に変化する。 □ □ 6. 人体でつくられる酵素の至適温度は臓器により異なる。( × ) 【正解】一定で、体温付近である。 【ポイント】酵素が最も働きやすい温度のことを「至適温度(または最適温度)」という。 □ □ 7. 酵素反応速度の至適 pH は 7.4 で、常に一定である。( × ) 【正解】酵素の種類によって異なる。 【ポイント】酵素が最も働きやすい pH のことを「至適 pH(または最適 pH)」という。至適 pH は酵素ごとに異なり、胃液中のペプシンの至適 pH は 1〜2、膵液中のトリプシンは pH7.5〜8.0 である。