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36Clによる地下水年代測定法の低透水性岩盤への適用性検証

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Academic year: 2021

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(1)主要な研究成果. 36Clによる地下水年代測定法の低透水性岩盤への適用性検証. 背 景 高レベル放射性廃棄物処分の安全評価では、漏洩した核種の移行を評価するため、地下水流動の評価が重要 である(図 1)。処分の対象となる岩盤では、地下水流速が遅く、採水が困難な場合が想定されるため、当所 では数万∼百万年のような古い地下水年代の評価に有効な 36Cl 法と 4He 蓄積法(図 2)を岩石コア中の地下水 に適用する方法を開発している。 4 He 蓄積法については岩石コア中の地下水に適用できる技術を開発した。 36Cl法についても、同様な技術の開発が必要である。. 目 的 当所で開発してきた低透水性岩盤中の地下水に対する 36Cl による地下水年代測定法を、オーストラリア大鑽 井盆地の低透水性岩盤に対して適用し、その妥当性を検証する。. 主な成果 オーストラリア大鑽井盆地は、地質構造が比較的単純かつ長期に亘り安定なため、地下水年代測定法の検証 に適している。この大鑽井盆地の Richmond と Marree の 2 ヶ所(図 3)に、それぞれ 264m と 197m のボーリン グを掘削し、採取した岩石コアに 36Cl法を適用し、地下水流動を調査した。 1.難透水層からの 36Clの採取方法 採取した岩石コアから、圧縮抽水法とリーチング法によって塩化物イオンを採取し 36Cl を定量した。両方 の結果が概ね同じであることから、採取方法の妥当性を相補的に確認できた(図 4)。 2.36Clの濃度分布と輸送現象 岩石コアを用いて 36Cl の濃度分布を調査した結果、地表から鉛直方向に指数関数的な減少が確認された。 この濃度分布は、降雨によって供給された 36Cl が拡散によって輸送され、放射壊変によって減少したものと 推定された(図 5)。拡散方程式で評価した結果、定常状態の 36Cl の濃度分布は、鉛直方向に指数関数的に減 少することが明らかとなった。さらに、室内試験から求めた岩石コアの拡散係数と間隙率を用いて、この 36Clの濃度分布を再現できることが確認できた(図 6) 。. 3.36Cl法による低透水性岩盤中の地下水流動評価 これまでに開発してきた低透水性岩盤中の地下水流動に対する 36Cl 法の適用性を、前述の採取方法と輸送 現象の再現性から、確認することができた。また、拡散が支配的なため、ペクレ数によって低透水層での地 下水流速は Richmond では 7 × 10 − 14 m/s、Marree では 2 × 10 − 13 m/s よりも遅いと推定された。これらの 結果から、地下水流速が非常に遅いことを示すことができた。 なお、本研究は、経済産業省からの受託研究「地下水年代測定技術調査」として実施したものの一部である。. 今後の展開 低透水性岩盤中の地下水に対する地下水年代測定を我が国の岩盤で実施し、有効性を確認するとともに、地 下水流動特性の評価に資する。 主担当者 関連報告書. 地球工学研究所 バックエンド研究センター 主任研究員 長谷川 琢磨 「地下水年代測定評価技術の開発(その 8)― 36Cl による難透水層評価方法の検討―」電力 中央研究所報告: N07038(2008 年 7 月). 96.

(2) 5.原子力発電/高レベル放射性廃棄物処分 雨 地下水流動. 涵養域. 流出域 36 Cl濃度. 初期濃度. 行 移 の 種 核. 核種の漏洩. 原位置 平衡濃度. 放射壊変による減少. 4He濃度. 300m 以上. 初期濃度. 36. 4. 積 による蓄 での発生 岩石中. 涵養域からの距離 (L). 処分施設. 図2  Clと Heによる地下水年代測定法の概念図 Clは半減期30万年であり、その放射壊変による濃 度変化に着目して地下水年代を推定できる。. 図1 処分と核種の移行の概念図 深部ほど地下水流速が遅く、核種の移行が遅いため、 高レベル放射性廃棄物は300m以深に埋設される予定. 36. リーチング試料の36Cl/Cl(x10-1 5). 50. 40. 30. 20. 10. 0 0. 10. 20. 30. 40. 5. 50. 圧縮抽水試料の36Cl/Cl(x10-15). 図3 オーストラリア大鑽井盆地における ボーリング掘削位置図 36Cl. 速度はほぼ一定). 36. 放射壊変. 11. 10 0. −地表付近− 平衡濃度. 50. (供給と放射壊変 により一定濃度  ). 図5 36Clの輸送形態の概念図 36 Clの濃度は地表付近で一定濃度、地中 内では放射壊変と拡散で変化する。. 10. 13. 10. 14. 10. 13. 0. 実測値 圧縮抽水 リ リーチ ーチン ング グ. 100 150 200 250. 低透水性岩盤 (k<1x10-11m/s). 12. 10. Cl濃度(atm/l) 1014 1015. 実測値 圧縮抽水 リ リー ー チング. 50. 深度(m). =地中内= 放射壊変 を伴う 拡散で輸送. 36. Cl濃度(atm/l). 深度(m). 降雨 (36Clの供給. 図4 採取方法による定量結果の比較 圧縮抽水法:岩石を圧縮して水を絞り出す方法 リーチング法:岩石を水につけ込んで取り出す方法. 300. 室内試験 D=7x10-12m2/s n=20%. 100. =理論式= −. 150. 200 (1)Richmond. 室内試験 D=3x10-11m2/s n=35%. C =Co e. nλ z D. D:拡散係数 n:間隙率 λ:崩壊定数 Z:深さ. (2)Marree. 図6 36Cl濃度の深度分布 実測値は、室内試験から得られた拡散係数と間隙率を用いて理論 式で計算した線(図中の赤線)により再現できる。. 97.

(3)

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