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瀬△舗1(一九九七)

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Academic year: 2022

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(1)面接交渉を中心として. 子の監護調停の実務指針. はじめに. はじめに. 四 三. 子の監護調停の実務指針. おわりに. 棚. 子の監護調停の実務指針. 村 政. 行. 三一五. ︵二七六件︶︑昭和四五︵一九七〇︶年審判一二〇件︑調停八二五件合計九四五件と一九六〇年代後半から急激に増. 昭和三〇︵一九五五︶年審判一六件︑調停五三件︵六九件︶︑昭和四〇︵一九六五︶年審判三四件︑調停二四二件. わが国では︑子の監護に関する処分事件の申立件数は︑昭和二五年に審判三〇件︑調停三四八件︵計三七八件︶︑. 一. 面接交渉の実情と法的性質. 二 一.

(2) 件. 子の監護事件の推移. !………・調停事件早. !. 瀬△舗1. 申11000 −10000 件 数 9000. 一審判事件 12000. ノ.9. ノ勝●. ノ。・. 3000. .○ ●. ノ.. ノ. 5000. ノ ノ.. 4000. 7000. 6000. 1995年 1990年. 1985年. 1980年. 1975年. 1970年 1965年. 1950年 0. ・ る. 2000. ︵一九九七︶. 1 ノ. ノ ノ ノ ノ,. 8000. 1000. 三一六. 加しはじめた︒そして︑昭和五〇︵一九七五︶年には審判. 二六七件︑調停二〇一六件︵二二八三件︶︑昭和六〇︵一九. 八○︶年審判入七四件︑調停七八五五件︵八七二九件︶︑平. 成七年︵一九九五︶には審判一三一九件︑調停一万三〇〇 ︵1︶. 件︵二六一九件︶と︑じつに昭和二五年から三〇倍以上. も増えたことになる︒平成六︵一九九四︶年の子の監護に. 関する処分調停事件は︑既済事件総数九六三六件のうち︑. 調停成立は五八六三件︵六〇・八%︶︑不成立七三四件. ︵七・六%︶︑取下げ二七六一件︵二八・七%︶であった︒. 乙類調停事件全体では調停成立五七・九%︑不成立一一.. 一%︑取下げ二八・二%であったから︑子の監護に関す. る処分調停事件も︑親権者指定・変更調停事件の六八・三. %と並んで調停成立率は平均的水準以上であるといってよ ︵2︶ い︒なお︑国際化に伴い渉外事件も増えつつある︒. 周知のとおり︑民法七六六条︑家事審判法九条一項乙類. 四号の子の監護者の指定その他子の監護に関する処分事件. は︑子の監護者の指定︑監護期間の決定︑監護費用の分.

(3) ︵3︶. ︵4︶. 担︑子の引渡し︑面接交渉等子の監護に必要な広範な事項を含んでいる︒しかし︑ここでは︑子の監護処分調停事. 件でも︑もっとも困難かつ問題の多い面接交渉をめぐる調停事件にスポットをあて︑調停運営上の実務指針を考え. てみたいと思う︒一九九四年七月に公表された民法改正要綱試案でも︑子の監護に必要な事項として︑協議離婚の. 際に非監護親との面接交渉について定められるとし︑その際に子の利益を最優先しなければならないとの規定をお. くことが提案された︒要綱試案は︑離婚後の非監護親も︑親の自然的権利として子と面接できると考えられるし︑. 子の健全な成長の面からも一般的には親との接触を継続することが望ましいとの前提にたっている︒ただ親の自然 ︵5︶. ︑. 的権利は抽象的なもので︑面接の方法︑時期︑回数︑場所などの具体的内容は︑子の利益を最優先した当事者双方. の協議によって形成されるべきだとした︒一九九六年二月に公表された﹁民法の一部を改正する法律要綱﹂でも ︵6︶ ﹁父又は母と子との面会及び交流﹂を協議で定めるものとし︑子の利益の最優先性が謳われている︒また︑児童の ︵7︶ 権利条約九条三項でも︑親との定期的な接触を維持する権利を子ども自身の権利として保障しており︑これらの傾. 向からみても﹁離婚して親が子どもに会うのは当然﹂という意識が現在よりも広まり︑今後︑面接交渉の取り決め. が一般化するであろうことは確実に予想される︒しかし︑実際の面接交渉の実施状況やトラブルは︑離婚した父母. 双方の不信感や感情的対立のため︑きわめて調整のむずかしい問題となりつつある︒子と同居する親が頭の上では ︵8︶. 面接交渉の必要性を認めながら︑相手方へのこだわりや感情的整理がついていないケースも多く︑親の葛藤の心理. 的調整が大きな課題となっている︒実務では︑むしろ安易な妥協のための面接交渉の取り決めが︑かえって紛争を. 悪化させているケースさえみられる︒たとえば︑一九八六年の調査官有志による実態調査の結果でも︑四二%の子. 三一七. が別居親と交流をしていること︑子を引き取る母親に面接交渉に消極的な者が少なくないこと︑子が小学生の頃の 子の監護調停の実務指針.

(4) 早法七二巻四号︵一九九七︶. 三一八. 交流が多いこと︑別居親と子の住居が近いこと︑養育費の送金がなされ︑収入の多い親のほうが交流がしやすいこ. と︑離婚原因が非監護親の生活破壊行為にあったり一方の親の他方への不信感がつよいとき交流はしにくいこと︑. 離婚後年数が経つと交流は経る傾向にあることなどが明らかにされている︒子との面接交渉のトラブル. ︵9︶. 親子が会う回数も月一回︑二回︑週一回が多く過半数を占め︑会う時間も一〜二時間程度で食事と対話くらいであ ︑. ること. は︑デリケ!トな親子の継続的人間関係の問題であり︑財産分与・慰謝料や養育費をめぐる経済紛争ではない︒し. たがって︑他律的強制的裁断的な紛争解決システムは必ずしも効果的ではなく︑あくまでも自主的合意に基礎をお や. ︵10︶. く非強制的調整的紛争解決システムが有効であることは言うまでもない︒そのため︑面接交渉の問題は︑関係者の. 二ースや利益に配慮しつつ︑自主的交渉を援助する調停手続での調整作業がもっとも望ましい︒. このような面接交渉をめぐる実情や問題点の指摘を踏まえ︑本稿では︑カリフォルニア州でのミディエーター研. 修用マニュアルやアメリカでのガイドラインを参考にしながら︑わが国での調停実務指針の試案的なものを作成し. てみたいと考えた︒もちろん︑それ自体完成したものでもなく︑単なる議論のための叩き台にすぎない︒このよう. な調停マニュアルの必要性については︑梶村太市判事がつとに強調されてきた︒つまり︑調停が当事者の合意を基. 礎とした任意的紛争解決制度であるために︑調停の運営には調停機関である︑家事審判官や調停委員の裁量の幅が. 大きく︑それぞれの考え方や個性によって相当の差異がでてきてしまう︒そこで︑調停手続に関する正確な情報提. 供がなされるとともに︑適正妥当な調停運営のためには情報提供の客観化が不可欠である︒調停申立ての段階から ︵11︶. 終了にいたるまでの全てのプロセスについて︑調停機関や当事者がなすべき最小限の行為準則を記載した調停マニ. ユアルを作成して︑これを関係者が共有することがどうしても必要だと説かれる︒私自身も︑調停実務に携わった.

(5) わずかの経験から︑当事者︑裁判官及び調停委員︑調査官等それぞれの役割分担や関与基準に関する詳細なマニュ. アルが必要だと痛感している︒もちろん︑当事者には︑後述するようにパンフレットや争点に対応する事情や意見. を効果的に聞くための質問表のようなものが有効であろう︒また︑調査官には︑すでに調査官の関与基準が策定さ. れ各家庭裁判所で実施に移されている︒そのため︑マニュアルが緊急的に必要なのは︑困難な調整役をつとめる家. 事調停委員ではないだろうか︒事実︑私の回りの調停委員の中でも詳細なマニュアルを求める声は決して小さくな ︵12︶. い︒大阪家庭裁判所岸和田支部の井垣康弘判事を中心とした﹁家事調停改革実務研究会﹂は︑弁護士用マニュアル の作成を試みている︒. 実務上の指針に関しては︑すでに最高裁事務総局から﹃家事調停の手引き﹄︵平成六年二月︶︑東京家庭裁判所. ﹃家事調停・乙類審判事件処理要領﹄︵昭和六三年九月︶︑日本調停協会連合会﹃改訂家事調停備忘録﹄︵平成五年一. 月︶︑東京家庭裁判所参調会﹃家事調停実務のポイント﹄︵昭和六三年三月︶︑同﹃新訂版家事調停ハンドブック﹄. ︵平成二年三月︶など実務上の留意点やマニュアルに近いものが出されている︒家事調停委員ひとりひとりは︑日々. の事件処理にあたり苦心をしており︑その経験や調整のテクニックが相当程度蓄積されているといってよい︒しか. し︑そうした貴重なノゥハウが文書化されず個人のレベルにとどまっているのは残念でならない︒したがって︑新. しく調停委貝になる人にとっても︑また︑調停委員としての経験豊富な人にとっても︑共通の財産として実務指針. を形成し︑これを改善し発展させながら︑変化の激しい現代の家事紛争処理手続のために︑また調停制度への社会. 一般の信頼や期待に応える意味でも︑叩き台としてなにがしかの実務指針を提示してはどうかというのが本稿を草. 三一九. する動機となった︒そこで︑本稿では︑まずはじめに︑面接交渉の法的性質︑許否基準︑実情などについて概観し 子の監護調停の実務指針.

(6) 早法七一一巻四号︵一九九七︶. 三二〇. たうえで︑ついで︑子の面接交渉の調停実務指針として︑初回調停期日から終了にいたるまでの手順︑調停委員の. 調整方法︑援助技術などを中心に具体的に提示し︑最後に︑ロサンゼルスでの子の監護調停手続の概要と特色に触. れることで︑わが国における子の監護のための調停事件における関係者の役割分担と相互協力等ついて若干の展望. 最高裁判所事務総局編﹃司法統計年報三家事編平成七年﹄八⊥一頁︵︸九九六年︶参照︒. を試みることにしたい︒ ︵1︶. ︵2︶ 最高裁事務総局編﹁家庭事件の概況−家事事件1﹂家月四八巻一号二四頁︑三〇頁︵一九九六年︶参照︒たとえば︑京都家審. 子の引渡しをめぐる家裁での事件処理については︑梶村太市ほか六名による﹁子の引渡し保全処分事件の処理をめぐる諸問. 平成六.三二二一判時︻五四五号八一頁︑東京家審平成七・︸○・九家月四八巻三号六九頁等︒. ︵3︶. 斎藤秀夫n菊池信男編﹃注解家事審判法﹇改訂﹈﹄三四九頁以下︵沼邉愛一︵一九九二年︶︶︒. 題﹂家月四七巻七号一頁以下︵一九九五年︶に詳しい︒ ︵4︶. ︵6︶. 法務省民事局参事官室﹁民法の一部を改正する法律要綱案﹂戸籍時報四五七号五頁︵一九九六年︶︒. ︵5︶ 法務省民事局参事官室﹃婚姻制度等に関する民法改正要綱試案及び試案の説明﹄七〇頁︵一九九四年︶︒. ︵7︶ 山口亮子﹁親子不分離の原則﹂﹃児童の権利条約﹄二︻六頁以下︵一九九五年︶等参照︒児童の権利条約については︑廣部和. 一〇五九号一〇六頁以下︵一九九五年︶︑世取山洋介﹁子どもの権利条約がわが国に与えるインパクト﹂法学セミナー四七四号六. 也﹁児童の権利に関する条約﹂法学教室一六六号四三頁以下︵一九九四年︶︑鈴木隆史﹁子どもの権利条約と家族法﹂ジュリスト. 二二五頁以下︵一九九四年︶︑石川稔﹁児童の権利条約と家族法﹂戸籍時報四二三号二頁以下︵一九九三年︶︑永井憲︸臼寺脇隆夫. 頁以下︵一九九四年︶梶村太市﹁子どもの人権と児童の権利条約1その法学的検討﹂児童青年精神医学とその近接領域三五巻二号. 瓜生武H山口恵美子﹁面接交渉の実情と実行のための援助﹂判例タイムズ八九六号一二頁︵〜九九六年︶参照︒. 編﹃解説子どもの権利条約﹄一二頁以下︵一九九一年︶等参照︒. ︵9︶ 寺戸由紀子﹁離婚後の面接交渉権その二−実務の現状と問題点ー﹂﹃講座現代家族法第三巻﹄一一四三−二五二頁︵一九九一年︶︒. ︵8︶. なお︑昭和四四︵一九六九︶年と少し古いが︑相原尚夫ほか﹁面接交渉の実態調査﹂調研紀要二三号﹃八頁以下︵︸九七三年︶も.

(7) ある︒. ︵10︶. 年︶︒. 若林昌子﹁離婚後の面接交渉権その一ー実務の現状と問題点1﹂﹃講座現代家族法第三巻親子﹄二三三頁︵一九九二年︶︑永田. 梶村太市﹁家事調停の現代的課題﹂﹃家族法と戸籍1その現在及び将来1﹄四一七−四一九頁︵一九入六年︶参照︒. 秋夫ほか﹁子の監護に関する処分︵面接交渉︶事件における調査官関与の在り方﹂家庭裁判月報四八巻四号一一四頁︵一九九六 ︵U︶. 面接交渉の実情と法的性質. ︵皿︶ 井垣康弘﹁家事調停の改革﹂判例タイムズ入九二号入頁以下︵一九九六年︶参照︒. 二. 1 面接交渉の法的性質と権利性. 離婚によって親権者または監護者とならなかった親が直接子と会ったり︑文通をしたり電話をかけたり︑誕生日 ︵13︶. のプレゼントを渡すなど︑親として子と定期的に面会したり接触交流をもつことは許されるか︒諸外国では明文の. 規定をおくところが少なくないが︑わが民法では面接交渉に関する規定がないため︑これまでさまざまな議論が展. 開されてきた︒離婚後親権者とならなかった実母が再婚した父の許で暮らす五歳の男の子に対する面接交渉を求め. ︵14︶. た事案で︑東京家裁がはじめて﹁親権もしくは監護権を有しない親は︑未成熟子と面接ないし交渉する権利を有. ︵15︶. し︑この権利は︑未成熟子の福祉を害することがない限り︑制限また奪われることはない﹂と説示してから︑面接. 交渉権をめぐる論議は一段と活発化した︒最高裁昭和五九年七月六日第二小法廷決定により︑少なくとも判例実務. 三一二. では︑面接交渉は民法七六六条・家事審判法九条一項乙類四号の子の監護に関する処分として︑家庭裁判所がその 子の監護調停の実務指針.

(8) 早法七二巻四号︵一九九七︶. 三二二. 具体的方法・場所・回数等を子の福祉の観点から定めることができるとする実務的取り扱いがほぼ確立した︒最近. の審判例でも﹁親権者及び監護者とならなかった親がその子と面接することは︑親子という身分関係から当然に認. ︵16︶. められる自然的な権利であるという側面を持ち︑しかも︑これは監護する機会を与えられなかった親として最低限. 度の要求であり︑親の愛情︑親子の関係を事実上保障する最終のきずなともいうことができる﹂とか︑﹁本来普通. に行われれば子の福祉に適うべき母子面接の機会を事件本人が得られないのもやむを得ない︑とすることは妥当で. なく︑これら大人の側の事情は種々の方策を工夫してできる限り面接を実施しうるよう図るべきである﹂と説示 ︵17︶. して︑民法七六六条の子の監護に関する処分として処理している︒なお︑別居中の夫婦間での面接交渉について. は︑民法七六六条︑家事審判法九条一項乙類四号を類推適用する説が有力であるが︑民法七五二条︑家事審判法九 ︵18︶ 条一項乙類一号の夫婦の協力に関する処分として面接交渉の調停審判をするケースもでている︒. しかし︑面接交渉の法的性質や権利性をめぐっては判例学説上種々の見解の対立があり︑いまだに定説らしきも ︵19︶. ︵20︶. のはない︒たとえば︑面接交渉権の法的性質に関しては︑親子という身分関係から当然に認められる自然権と解す ︵21︶. ︵22︶. る自然権説︑監護そのものでないが監護に関連する権利とみる監護関連権説︑親権の一権能としての監護権の一部. ︵24︶. と解する説︑親として有する自然権であるとともに具体的には監護に関連する権利とみる説︑親との交流をとおし ︵23︶ て精神的に成長発達することは子の権利であって面接交渉権は子の権利と捉えるべきとする説︑親の権利であると. ともに子の権利でもあるとする説などが主張され︑多様である︒また︑右のような面接交渉権を法的に承認するこ. とは︑かえって子の利益を害するとして権利性そのものを否定する消極説もある︒この説は︑監護親の意思に反し. て非監護親との面接交渉を認めることは︑子に忠誠心の葛藤︵δる一昌8色§︶を生じ心理的親子関係の安定にと.

(9) 5︶. つても有害であること︑親が子に会いたいという心情は理解できるがそれは事実上の関係として当事者の協議にま ︵2 つべきもので︑法的権利として強制されるべきものではないこと等を論拠としている︒しかしながら︑子どもにと. っては︑離婚後も父母との継続的接触や交流をもつことが望ましく︑親の離婚という不幸な事態から家族をめぐる ︵26︶ 人間関係・愛情・相互交流が切断されることがないように配慮される必要があるように思われる︒しかも︑離婚の. 際に親権者・監護者とされなかった親でも︑子の監護養育への一切の義務が免除されるわけでなく︑非親権者に監. 護できないような事態が発生したときには︑親として監護養育を引き継ぐ可能性も存在し︑そのためにも親子の最. 低限の接触や交流は認められなければならない︒確かに︑父母の離婚をめぐる対立葛藤が激しい場合には︑子に対. しても夫婦間での憎悪の感情が持ち込まれ︑親と会うことそれ自体が子のストレスとなり︑子の精神的安定にかえ ︵27︶. って有害な結果となることもありうる︒しかし︑面接交渉が子の利益にならないというときには︑これを制限して. ゆけばよく︑権利性を全面的に否定する必要はないと思われる︒少なくとも︑面接交渉の一般的抽象的な権利性は. 認めつつ︑具体的な日時︑場所︑実施方法︑回数等を含めた具体的な権利の内容は︑協議︑調停等で形成されると. 考えればよいのではなかろうか︒積極説では面接交渉権の法的性質をめぐり︑基本的に親の権利とみるか︑子の権. 利としてアプローチするかの対立はあるが︑その実定法的根拠は民法七六六条一項︑二項︑家事審判法九条一項乙. 類四号に求め︑当事者間の協議または子の監護に関する処分事件として家裁での調停審判に委ねられることに異論. はない︒したがって︑問題の焦点は︑実際にどのような条件のもとで︑どのようにして具体的な面接交渉を実施す. べきか︑また︑面接交渉は当事者の協議や家裁の調停によって定められるべきか︑もし協議ができず調停も成立し. 三二三. ないとき家裁の審判で決定されるべきかという︑いわゆる面接交渉の許否基準︑面接交渉の具体的実施方法︑面接 子の監護調停の実務指針.

(10) 早法七二巻四号︵一九九七︶. 面接交渉の許否基準. ︵28︶. 交渉の決定手続に絞られてくるであろう︒. 2. 三二四. 面接交渉の許否基準は︑一般的抽象的には子の福祉・子の利益になるかどうかにあるとする点で判例学説に争い. はない︒面接交渉の具体的な設定・行使の基準として︑①父たりえない者または母たりえない者は面接交渉をなし. えない︵親権喪失事由に該当する父母は面接交渉権を全面的に制限される︶︑②非監護親たる父母が扶養能力を有しな. がら子の扶養義務を果たさない場合︑子の方から非監護親に対して面接交渉を望む場合を除き︑親としての義務を. 怠りながら親としての権利行使をすることは許されない︑③子や子と監護親との関係に悪影響を及ぼす可能性のあ. る場合︑たとえば監護親の悪口や罵言を言ったり︑非監護親が子に暴力行為を行うような場合には面接交渉は認め. られるべきではない︑④非監護親が子を奪取する可能性がかなり高い場合も面接交渉は認められない︑⑤離婚後長. い間子と接触していなかった非監護親が突然面接交渉を申し出たときは︑子にどのような影響を及ぼすかであり︑. 子の年齢が高い場合は子の意思が尊重される︑⑥子が非監護親との面接交渉を望まない場合についての取り扱いは. ︵29︶. むずかしいが︑子の意向を慎重に調査する必要がある︑との一応の分析をし具体的設定基準の定立を試みる説が ある︒. 実務審判例では︑子どもの心理状態︑非監護親との面接交渉に対する子の態度︑子の監護状況︑非監護親の子に. 対する態度や愛情︑面接交渉に臨む姿勢︑監護親の意向などを総合的に考慮した上面接交渉が子の福祉を害すると. 判断される場合でなければこれを認めるとの判断基準がとられているといってよい︒そして︑家裁実務では︑具体.

(11) 的には︑面接交渉のプラス面︵審判例は︑非監護親の子に対する自然の情愛の尊重︑非監護親と子との情緒的交流の維. 持︑両親の愛情を受けることによって得られる人格の健全な育成と円満な発達などを挙げる︒︶と︑面接交渉から生じう. るマイナス面︵子の精神的動揺や緊張︑情緒不安定からくる学業や生活態度面への悪影響︑子の安定した生活の破壊︑父. 面接交渉の実情. 母間の紛争の激化など︶を比較考量して︑後者が明らかに大きいときは面接交渉は認められないことになるし︑後 ︵30︶ 者の大きさいかんによって面接交渉の回数や方法がしかるべく制限されることになるという︒. 3. また︑最近の家庭裁判所調査官有志による面接交渉の実態調査の結果︑四二%の子が別居親と交流をもち︑離婚. しても親が子に会うのは当然という意識が一般に浸透しつつあること︑子が小学生の頃が面接交渉になじみやすい. こと︑別居している親と子の住居が近いほど交流し易いこと︑離婚時に養育費送金の取り決めがあり︑収入の多い. 親の方が交流しやすいこと︑別居開始当時から交流を始めていると︑離婚後も交流しやすく︑離婚後年月がたつと. 交流は減る傾向にあること︑離婚原因が非監護親による生活破壊行為にある場合また双方あるいは一方の親への不. 信感がある場合は親子の交流はしにくいことなどの傾向がみられたという︒そして︑面接交渉は家事調停のプロセ. スの中で合意により取り決められる傾向にあり︑合意ができなければ無理に説得して形のみ整えることはしないと. し︑調停にあたっても︑双方が相手の環境を考えながら連絡を取りあえる人達で︑養育・教育方針に大きな差がな. く︑人生観・価値観に著しい違いのない人達かどうか等を含む面接交渉の可能性をじっくり考えること︑子の二ー. 三二五. ドを考えるよう早期に面接交渉のガイダンスをすること︑事前連絡をきちんと行い︑約束は守るなど他方に不安や 子の監護調停の実務指針.

(12) 早法七二巻 四 号 ︵ 一 九 九 七 ︶. ︵31︶. 三二六. 不快感を与えないようにさせること︑調査官を活用して当事者の個別面接︑子の意向や環境を含めた家庭調査をす. べきことなど面接交渉を成功させ継続させるためのアドバイスをしているのがじつに示唆深い︒. また︑家庭問題情報センターが平成六年一一月から平成七年九月まで実施した東京での﹁子どものいる夫婦の離. 婚﹂というセミナー参加者のアンケートの結果でも︑父母が不和または離婚により別居した後︑約五〇%くらいの. 別居親が子どもと面会交流を行っており︑回数が月一回以上が四分の三を占め︑週一回以上も二〇%くらいいたと. いう︒もちろん︑サンプル数が四八名と少ないこと︑離婚後の子の問題に関心がつよいグループであることなどの. 特殊性があり︑ただちに一般化できないかもしれないが︑面会交流が定着しつつあることはうかがえる︒しかし︑. 面接交渉を強く別居親が望みながら︑同居親の反対のために会えないとか︑面接交渉を実施しているものの︑別居 ︵32︶. 親へのこだわりが解消できず︑喜んで子どもを送り出せない負担感がつきまとい︑親の心理的葛藤の処理や調整が 子の面接交渉の援助で重要であるとの提言がなされている︒. ドイツ民法でも﹁身上監護が帰属しない父母の一方は︑子と個人的に交流する権限を有する︒身上監護が帰属しない父母の一. 方と身上監護権者とは︑子と他方との関係を侵害したり教育を阻害したりする一切のことをしてはならない︒﹂と規定して︵一六. ︵13︶. ︒R這寧 きにのみ︑制限や排除が許されると定めた︵一六三四条二項︶︒く覧評一き舞ω自鴨益oぽω○①器9ぼ魯ぴ︒︾亀一︒ωψまc. 三四条一項︶面接交渉権の権利性を認め︑その具体的範囲や方法は家庭裁判所が決定できるものとし︑子の福祉のため必要あると. ドイツについては︑岩志和一郎﹁ドイツ民法における離婚後の面接交渉と子の意思﹂﹃現代家族法の諸相﹄一三五頁以下︵︸九九. 三年︶に詳しい︒なお︑石川稔﹁西ドイツ新監護法における子の監護﹂ケース研究一八七号一〇頁︵一九八一年︶︑木暮英夫﹁西. が︑一九七〇年法︑一九七五年法によって明文の規定が置かれた︒訪問権は父母のみならず︑祖父母等にも認められ︑権利の基礎. ドイツ新監護法﹂国学院法政論叢三輯一入〜一九頁︵一九八三年︶等参照︒フランスでも︑訪問権は判例により認められてきた. は血縁関係にもとづく自然権であるとされる︵山田美枝子﹁離婚後の子の処遇をめぐる比較法的考察﹂法学政治学論究︵慶応義塾.

(13) によるのでなければ拒否されえない︵二八八条二項︶︒なお︑詳しくは田中通裕﹁フランスにおける訪問権︵RO津号く巨器︶﹂法. 大学大学院︶一四九頁︵一九九一年︶︒親権単独行使の場合の非行使者たる親に認められる訪問および宿泊の権利は︑重大な理由. と政治三二巻一号一五三頁以下︵一九八一年︶︑石川良雄﹁フランス判例における訪問権について﹂家庭裁判月報四〇巻四号二四. イギリスでも︑監護命令の一つとして非監護親に子に対する合理的な面接交渉︵お霧○轟巨Φ節8①ωω︶が認められ︑子の側から. 頁以下︵一九八入年︶等参照︒. みても︑一緒に暮らしていない親との継続的な交流や接触は︑子の長期的な精神的成長や健やかな発展に寄与するところが大きい. 一事件で控訴院は︑合理的な面接交渉は親の権利ではなく︑子の権利︵夢①吋蒔算OP冨魯ま︶と説示した︒同時に控訴院は︑面. といわれる︵℃09吊び︑︑>8Φωω80窯露おp.︑旨①ω○一置8吋︑ωぢ弩轟菖○︒ω︵8︾R=お○︒Ny︶︒そのため︑﹈≦く﹂≦︒口鶏呂N︾=団因. 接交渉が排除されたり制限されるのはそれが子の利益となるという特別の事情がなければならず︑そうでないかぎり︑いかなる裁. 判所も親から面接交渉を奪うことはできないとも説示した︒の禽閃8R巴辱ω①畠PO﹃ま鍔名薯﹂ミし一認︵お・︒︒︶・一九八九年の新. い︶と子が電話や手紙による文通︑訪問︑滞在等の交流をすることを命じる交流命令︵8旨蝉90&段︶を下すことができるもの. 児童法でも︑裁判所は︑子の福祉を至高の考慮事項として︑子と起居をともにする親に対して︑他方の親︵必ずしも親に限られな. とした︵ω①①頃匙俸霞○長8P>O巳889Φ○呂痔窪︾9這︒︒︒も﹄一︵お8ご卑窪量鵠oお騎①夢評8暮ω餌&O琶象①PP︒︒. ︵奪げa・這器︶■︶︒最近のイギリスについては︑菊地和典﹁面接交渉・その困難性と履行促進の方策ーイングランド・ウェールズの. 場合1﹂ケース研究二四六号一三頁以下︵一九九六年︶に詳しい紹介がある︒イギリス児童法については︑許末恵﹁英国一九八九. については︑統一婚姻及び離婚法︵q巳噛9B鼠餌霞壁鴨きΩUぞa8︾8四〇七条で訪問権についてつぎのように規定する︒﹁@. 年児童法についての一考察﹂神奈川工科大学研究報告A人文科学編一七号六七頁以下︵一九九三年︶等に詳しい︒アメリカ合衆国. 子の監護権を付与されなかった親は︑合理的な訪問権︵お霧○轟亘Φ≦降簿δpユ讐琶を有する︒ただし︑裁判所が審理の後当該. 訪問が子の肉体的精神的道徳的情緒的健康に重大な危険を招来すると認めるときは︑このかぎりでない︒㈲裁判所は︑命令の変更. が子の最善の利益になるときはいつでも訪問権を認める命令または訪問権を否定する命令を変更することができる︒裁判所は︑訪. 問が子の肉体的精神的道徳的情緒的健康に重大な危険を招来すると認めた場合でなければ︑親の訪問権を制限してはならない︒﹂. なお︑英米の面接交渉権については︑野田愛子﹃家族法実務研究﹄二五四頁以下︵一九八八年︶参照︒. 三二七. ・ ︵ω﹃α①2霧︶・ 9蓉召多男一>畠善穿︒鋸︾︒同貿︒遷︾¢舅じ身z︒︒冨︵一︒︒・刈yぎ穿>頚評葺曜﹃ヨz>2霧臣F︒ ︒一︒. 子の監護調停の実務指針. 。. 。。.

(14) 1︶. 早法七二巻四号︵一九九七︶ 東京家審昭和三九・一二・一四家庭裁判月報一七巻四号五五頁︒. 最判昭和五九・七・六家裁月報三二巻九号八三頁︑判例時報三﹃三号七九頁︒ 名古屋家審平成二・五・一一二家裁月報四二巻一二号五一頁︑五四頁︒. 東京家審昭和六二・三二三家裁月報三九巻六号五八頁︑六二頁︒. 三二八. たとえば︑京都家審昭和五七・四・二二家裁月報三五巻九号﹃〇五頁︑東京高決平成二・こ二九家裁月報四二巻入号五七頁. 民法七六六条.家審法九条一項乙類四号とするが︑岡山家審平成二二二・三家裁月報四三巻一〇号三八頁は︑民法七五二. 森口静一匪鈴木経夫﹁監護権者でない親と子の面接﹂ジュリス上三四号七五ー七六頁︵一九六五年︶︑東京高決昭和四こ・. 山本正憲﹁面接交渉権について﹂岡山大学法経学会雑誌一八巻二号一八五頁︵一九六七年︶︑佐藤義彦﹁離婚後親権を行わな. 久貴忠彦﹁面接交渉権覚書﹂阪大法学六三号一一七頁︵一九六七年︶︑高橋忠次郎﹁子の監護と面接交渉権﹂ジュリスト四七. 国府剛﹁面接交渉権の制限と憲法一三条﹂﹃家族法審判例の研究﹄一四九頁︵一九七一年︶︑稲子宣子﹁子の権利としての面接. 交渉権﹂日本福祉大学研究紀要四二号九九頁︵一九八O年︶︑佐藤隆夫﹃離婚と子どもの人権﹄二〇頁︵一九八入年︶︑山田美枝. ︵23︶. 権﹂﹃現代家族法大系二﹄二五二頁︵一九八○年︑久貴・﹃親族法﹄二一九頁︵一九八四年︶︑浦和家審昭和五七・四・二家裁月報 三五巻八号一〇八頁等. 二号一一九頁︵一九七一年︶︑沼邊愛一﹁子の監護をめぐる諸間題﹂家裁月報二五巻四号一六頁︵一九七三年︶︑田中實﹁面接交渉. ︵22︶. 性について﹂前掲書︵前注︵B︶︶二七五頁︒. 報四一巻九号一四三頁︵一九六九年︶︑川田昇﹁面接交渉権﹂﹃民法の争点1﹄二二〇頁︵一九八五年︶︑野田﹁面接交渉権の権利. い親の面接交渉権﹂同志社法学一一〇号五五頁︵一九六九年︶︑中川淳﹁離婚後親権を行わない父母の一方の面接交渉権﹂法律時. ︵2. ︵20︶ 明山和夫﹃注釈民法︵23︶親族︵4︶﹄七五頁︵一九六九年︶︑東京家審昭和三九・二一・一四前掲︒. を親の憲法上の基本的権利とする︒. 等︒棚瀬孝雄﹁離婚後の面接交渉と親の権利︵上・下︶﹂判例タイムズ七一二号四頁︑七=二号四頁︵一九九〇年︶は︑面接交渉. 裁月報二二巻三号七七頁︑大分家中津支審昭和五一・七・二二家裁月報二九巻二号一〇八頁︑東京家審昭和六二・三・三一前掲. 八.一四家裁月報二〇巻三号六四頁︑大阪家審昭和四三・五二天家裁月報二〇巻一〇号六八頁︑東京家審昭和四四・五二一二家. ︵19︶. 条・家審法九条一項乙類一号とする︒. は馨9過芭超.

(15) 石川稔﹁離婚による非監護親の面接交渉権﹂﹃家族法の理論と実務﹄別冊判例タイムズ八号二八六頁︵一九八O年︶︑棚村政行. 子﹁現代離婚法の課題としての子の権利の保障﹂法学政治学論究一一号一一五頁︵一九九一年︶︒. ﹁離婚後の子の監護−面接交渉と共同監護の検討を中心としてー﹂﹃家族法改正への課題﹄二五六頁︵一九九三年︶︑山脇貞司﹁離. ︵24︶. 婚後の親子の面接交渉﹂﹃ゼミナール婚姻法改正﹄二六二頁︵一九九五年︶︑山口國夫﹁面接交渉権﹂﹃二一世紀の民法﹄︵小野幸二. き︑子の監護義務を全うするために親に認められる権利である側面があるとともに︑人格の円満な発達に不可欠な両親の愛育の享. 教授還暦記念︶四五〇頁︵一九九六年︶︒なお大阪家審平成五・ニマニニ家月四七巻四号四五頁は︑面接交渉権の法的性質につ. 梶村太市﹁子のための面接交渉﹂ケース研究一五三号九四頁︵一九七六年︶︑島津一郎﹃親族・相続法﹄一〇三頁︵一九八○. 受を求める子の権利としての性質も有するとの立場をとる︒ ︵25︶. 年︶︑鈴木禄弥n唄孝一﹃人事法1﹄二二頁︵一九八○年︶︒なお︑梶村太市﹁﹃子のための面接交渉﹄再論﹂﹃一二世紀の民法﹄. ︵小野幸二教授還暦記念︶四二五頁︵一九九六年︶以下では︑面接交渉の審判を申し立てる手続的権利はあり︑子どもの権利条約 利とまで言う必要はないとされる︒. 批准との関係でも︑子の情緒的安定を害するという抽象的な理由で一切認めないという運用は許されないが︑あえて実体法上の権. 若林昌子﹁離婚後の面接交渉権その一﹂﹃講座現代家族法第三巻親子﹄二二六頁︵一九九二年︶は︑抽象的面接交渉権と具体. ︵26︶ 有地亨﹃家族法概論﹄二四〇頁︵一九九〇年︶等︒. 的面接交渉権に分け︑協議・調停による形成が望ましいが︑家裁による審判によることも認める立場にたつ︒そして︑権利性を肯. ︵27︶. る︒. 定しても︑子の利益にならないときは制限されるわけであるし︑権利性を否定して調停条項にした場合その効力が疑問だとされ ︵28︶ 棚村・前註︵24︶所掲論文二四〇頁︒. 佐藤千裕﹁子の監護事件における面接交渉﹂家裁月報四一巻八号二一二頁注︵15︶︵一九八九年︶参照︒. ︵29︶ 石川・前註︵24︶所掲論文二八八頁︒. 寺戸由紀子﹁離婚後の面接交渉権その二﹂﹃講座現代家族法第三巻親子﹄二四三頁〜二六五頁︵一九九二年︶︒なお︑谷川克闘. ︵30︶. 篠田悦和﹁子の親権・監護をめぐる紛争処理の実情と課題﹂家族︿社会と法﹀二号九九〜一〇二頁︵一九八六年︶は具体的に離婚. 1︶. ︵3. 三二九. 後における親子交流の条件を提示しているが︑面接交渉・共同監護を含む離婚後の親の監護責任法を形成するうえできわめて有益. 子の監護調停の実務指針.

(16) 早法七二巻四号︵一九九七︶ である︒. 2︶ 爪生ロ山口・前註︵8︶所掲論文一〇頁以下︒. ︵3. 一二一二・﹂. 参考までに︑アメリカにおける子の監護調停と調停者の役割について触れておきたい︒たとえば︑カリフォルニア州では︑裁判. の行動科学の修士号︑児童発達︑児童虐待︑精神病理などとカリフォルニア州の家族法や司法制度についての知識を有し︑二年以. 所の調停者︵8二辞BΦ島簿○邑の資格として︑心理学︑ソーシャル・ワーク︑結婚・家族カウンセリング︑児童カウンリング等. 上の実務経験を有することが要求されている︵9﹃ρく●雰99目吻嵩ホ︵詣Φ馨ω8Pお3︶︶︒ミディエーターには︑家庭問題の. 調停援助者としてこのような最低限の資格が定められているが︑調停手続での調停者の役割の重要性を考えると︑これでさえも決. 二五日に同委員会は︑子どもの監護紛争の調停者のための倫理コード︑事件処理の均一性を維持するための知的基礎︵知識︶︑援助. して十分なものではない︒そこで︑カリフォルニア州では︑裁判所の調停者のための資格認定委員会が設置され︑一九八四年三月. 技術などを報告書にまとめ勧告した︒これらは︑調停者の資質や援助介入技術の水準が実際の調停の成功不成功に大きな関係をも 1. 調停者は︑すべての人間の個人の尊厳︑価値︑自己決定権︵匡讐茸o器〒α9R邑p呂9︶を信頼する︒. つことを前提としている︒以下︑概略のみを紹介する︒まず︑倫理コードの前文︵ギ$ヨ霞Φ︶として︑. 調停は︑目標志向的︵αQO巴6践①算9︶である︒調停は︑仲裁︑鑑定評価︑裁判︑治療とも異なる︒当事者たちは︑これら. めの交渉を援助する紛争解決手続である︒. 2 調停は︑公正な第三者が当事者たちの同意にもとづいて紛争に介入し︑紛争の対象となっている問題の納得のいく解決のた 3. 調停は︑資格ある専門家すべてに開かれた特別な専門的技術の領域である︒調停者は高度な職業倫理基準にしたがい実践を. 調停は︑ダイナミッタな社会での変化する個人の二ーズに対して柔軟かつ適合的なアプローチである︒. の手続の区別や他の解決手段をとりうる権利があることを知らされなければならない︒調停者は︑当事者に調停手続の範囲 及び限界を伝えなければならない︒ 5. の倫理コードとして︑公正中立性︵囲ヨ冨岳呂昌︶︑秘密保持︵Oo菖こ窪猷巴一蔓︶︑調停手続の目標︵08一︶1調停者が初回. 調停での合意は裁判所の適切な法的基準にしたがって︑取り決められなければならない︒子どもの監護紛争のための調停者. 調停者は︑つねに高度な能力を維持する責任を承認しなければならない︒. する責任をもつ︒調停者は︑当事者の紛争解決を援助するに際して︑学際的なアプローチでのぞまなければならない︒. 4. 6. 7.

(17) 期日に調停手続について説明し︑調停の目標が関係者すべての最善の利益になる合意をめざす︑とくに子どもたちの最善の. 利益はなにかを主たる考慮事項とすることを明らかにする︑回付︵襯8惹一︶ー調停者は調停手続の進行や履行の確保のた. い︑研修と教育︵↓3巨轟きα閃身8試8︶1調停者は調停手続に関連する技術︑知識︑情報をつねに向上させる責任を. め心理的︑教育的︑医療的財政的︑法的措置が必要な場合には︑いつでも適切な専門家や専門機関に回付しなければならな. 為をしてはならないなどの厳格なコードを定める︒また︑確認されるべき知的基礎及び技術能力として︑たとえば︑法律的. 有する︑不正︵一ヨ虞o寝冨昌︶1自己の地位を濫用して不相当な利益を得てはならない︑利益相反や職業倫理に違反する行. の監護に関する裁判例︑家庭内暴力や性的虐待に関する法律や手続︑さらに︑家族の動態的把握の視点から︑結婚離婚にお. には︑子どもの監護訪問に関する法律︑調停手続︑家庭調整裁判所︑離婚や子どもの監護をめぐる司法手続︑離婚や子ども. ける個人︑夫婦︑家族のライフ・サイタル︑家族問題︑家庭生活に関する社会的文化的要因︑子どもの生活における拡大家. 響︑子どもの監護や養育についての選択肢︑離婚後の家族再編成の諸段階︑離婚した親と継親との葛藤︑再婚家庭の特色と. 族のメンバー︑介入に対する折衷的アプローチ︑大人にとっての離婚の感情的段階︑子どもに対する親の別居や離婚の影. の親の養育プランと子どもへの影響調査︑成人の発達︑離婚の影響︑調停のために紛争解決︵08旨9ω因89旨一9︶理論︑. 実情︑家庭内暴力︑児童の発達︵子どもの年齢に応じた特色と行動︑子どもの発達に対する父母の役割︑さまざまな離婚後. こと︑怒りを処理すること︑訴訟のコストや調停のメリットを強調すること︑創造的な解決の選択肢をイメ⁝ジさせるこ. 交渉技術︑コミュニケーション理論︑危機介入技術︵9醒ω冒8宅①暮凶8↓①畠乱ε8︶︑調停者の技術として︑信頼をうる. と︑コミュニケーション技術︵よく聞くこと︑明確にすること︑的確に質問すること︑意味論や言語の活用︶︑自已認識と. 三三一. −9§ミ&ミ§§声ω罫舅↓一・z. 衡︑ストレスの減少︑危機管理︑診断評価技能︑合意の起案など広範な点検︑チェック項目をならべている︵ω接R︑冒畠−. 対向転移︵分析者が治療中に自分の抑圧された感情や願望を患者に向けること︶︑現実に焦点をあてたテクニック︑力の均. ρ乞○●G︒︶零−認︵一〇〇︒㎝y︶︒. の・pω①葭欝p閃①鼠︒犀︶=︒<ω①冨pO巽gp節ぎ一冨拝韓ミミし︒躰§§ミGり誉\Gミ. 子の監護調停の実務指針.

(18) 子の監護調停の実務指針. 早法七二巻四号︵一九九七︶. 三. 三三二. まず︑従来の﹃改訂家事調停備忘録﹄︑﹃家事調停実務のポイント﹄などとアメリカでの実務指針を参考にしなが. ら︑家事調停一般に共通する部分と面接交渉に特有の部分に関し︑以下のような一応のマニュアル作りを試みた︒. 1 調停委員によ る 導 入 的 説 明 ︵ 調 停 の 趣 旨 説 明 ︶. 当事者のほとんどははじめて調停を経験するため︑調停がどのような制度で︑裁判とどのようにちがうのか理解. していないことが多い︒その結果︑裁判所に呼び出されて︑﹁裁かれる﹂というイメージがつよく︑かなり緊張し. 先入観をもってしまっている︒かりに︑調停委員のほうから簡単な説明を受け︑このような紛争解決方式について. 知ったあとでさえ︑多くの人は調停について不安を感じたり︑はたしてうまく話合いが進むのか︑自発的な合意で. 紛争が解決できるか自信をもてない状態にある︒そのため︑最初の段階での調停委員による導入のための説明と話. し合いの雰囲気作りがきわめて重要な意味をもつ︒導入のための説明の目的は以下の点にある︒①当事者たちに調. 停がどのように行われるかを説明すること︑②対立する当事者たちに緊張をほぐして気楽な気持ちになってもらう. こと︑③自分たちの問題を自分たちで解決することができるという自信をもてるよう援助すること︑④合意が成立. した場合に当事者たちだけが合意を実効的にできるということを認識してもらうことなどである︒オリエンテーシ. ョンは︑当事者に調停という場をうまく活用してもらい︑共同作業を進めるうえで大切な役目を果たす︒.

(19) ω. 調停導入のための雰囲気作り. そのため︑初回に留意すべきことは︑最初に当事者たちに会うとき︑打ち解けた感じで友好的に接すること︑当. 3︶. 事者の一方や代理人と親しそうにしすぎて不公平感を抱かれないようにすること︑時間を厳守し一〇分前くらいに ︵3 は調停室にいるようにすることなどが指摘される︒ちなみに︑ロサンゼルスの研修用マニュアルでは﹁自己紹介を. したら握手して︑相手さえ受け入れてくれればファースト・ネームで呼び合うようにしたらどうか﹂と勧めて. 転罷・日本では当事者に調停委員の氏名を明らかにすべきでないといわれる︒しかし︑事件手控えに出頭の確認で. 当事者に署名してもらうとき︑調停委員の印鑑が捺してあるためそれで委員の姓を知ったり︑最終的に調停が成立. すれば調書に調停委員名も記載され︑早晩調停委員の氏名は明らかになろう︒調停委員がコ・・︑ユニケーションの促. 進役としての役割を果たすべきものなら︑せめて︑姓くらいは名乗ってもいいのではなかろうか︒ロサンゼルス郡. 調停制度の趣旨説明. の研修用マニュアルでは﹁近くにソフトドリンクでもあれは︑これを勧め︑気楽な気持ちになってもらい︑調停の ︵35︶ 期日には当事者たちの﹃しあわせ﹄に関心があることをつねに示しなさい﹂となっている︒. ω. 調停制度のあらましを伝える場合に︑裁判との相違点を明らかにしつつ︑以下のような簡潔な説明がよいと思わ. れる︒①裁判所とはいっても︑普通の裁判とちがって︑当事者双方の言い分を裁判官や調停委員が聞いて白黒をつ. けるものではないこと︑②あくまでも︑公正中立な立場で裁判所︑調停委員が間に入り︑当事者双方の話し合いに. よる円満な解決をめざすこと︑③当事者自身が思っていること︑考えていることを自由に言い︑納得ができるまで. 三三三. 話し合いをもつこと︑④調停の席で話したことの秘密は守られ︑後で不利になったりプライバシーが漏れたりしな 子の監護調停の実務指針.

(20) 早法七二巻四号︵一九九七︶. 三三四. いこと︑⑤調停は︑双方の譲り合いの精神で解決を図るが︑内容が法律にかなっていることも必要で︑足して二で ︵36︶. 割るようなものでないこと︑⑤もし︑双方に合意ができ調書に記載されると確定した判決と同じ効力をもつことな どを説明する︒. ロサンゼルスの研修用マニュアルでは︑﹁紛争解決のための訴訟に代わる手続として︑調停を選択するための積. 極的意見を提供しなさい︒むずかしい専門用語を使わず︑できるだけ簡潔に調停というものがどういう仕組みかを. 説明する︒調停の任意的性格といかに当事者が主役で主体であるかを強調しなさい︒当事者たちに調停期日で言わ. れたことは全部秘密が守られ︑裁判や訴訟で不利に扱われないことを明らかに説明しなさい︒当事者たちの感情的. 対立が激しかったり︑開きがありすぎて調停が行き詰まったときは各当事者と別々に話し合う可能性があることを. 調停の進行方法︑各当事者への時間配分等. 確認する︒調停者は︑あくまでも中立の立場であり︑一方の立場を擁護したり弁護する立場にないこと︑合意を強 ︵37︶ 制する裁判官や警察官でもないことを確認しなければならない︒﹂と同様の配慮をしている︒ ⑥. 今後の調停の進行の仕方︑各当事者の時間配分︑合同対席面接方式か個別単独面接方式でいくかなど︑当事者た. ちの意見や希望を聞きながら︑当事者が解決の主体となって積極的に参加するように働きかけることが必要であろ. う︒なお︑意見を徴する場合も︑発言の多い一方に偏ることなく︑発言の少ない当事者に対しても︑意見が言える よう促すなど︑バランスをとる役割も調停委員としては重要である︒. 当事者たちによる最初の事情説明. 2.

(21) ω. 当事者による事情説明を聞く目的. 初回の当事者たちの事情説明の目的は三つある︒①当事者それぞれが紛争につきどのように見ているかを説明す. る機会を与えること︑②当事者それぞれに相手方の紛争の見方を伝えること︑③調停委員や裁判所に紛争の性格や 当事者たちの関係を十分知らせること︒. この手続段階での重要性は︑調停委員が︑当事者たちに最初の事情説明をする目的を理解させ︑調停委員自身が. 積極的に耳を傾ける技術を使い︵︾&話ロ器巨轟ω巨一ω︶︑一定の基本ルールを示すことにあるといってよい︒ま. ず︑対席面接方式による場合には︑各人が相手の話をさえぎることなく︑十分に話しができ︑相手方は注意深く聞. きメモをとするように調停委員が促してはどうか︒個別面接方式では︑多少︑冗長でもできるだけ当事者の言いた. いことを積極的に聞くよう努めるべきであろう︒調停委員は︑あくまでも︑話を聞くことに徹し︑本人の言うこと を整理しつつ必要な範囲でのみ質問をすることが肝要と思われる︒. 調停委員は︑紛争の範囲︑これまでなされた合意の範囲︑紛争当事者たちの相互関係︑表明される感情︑当事者. たちの力関係の性質︑採りうる選択肢を検討するに際しての当事者の柔軟性などに注意しておかなければならな. い︒合同対席面接方式を原則とする場合には︑﹁どうしても︑最初の事情説明の段階で︑強い感情的不満や異論が. 表明され︑相手方は途中から話しを中断させざるをえない場合もでてくる︒このような中断や妨害への対策として. 五つの方法がある︒①当事者に邪魔しないよう求める︑②妨害する当事者から椅子を離してみる︑③手続を中止し. て妨害しないことの重要性と理論的根拠︵自由な話し合いコミュニケーション︶につき十分話し合う︑④それでも妨. 三三五. 害が続くときは︑妨害する当事者とだけ話し合い︑相手方を含む双方の話を十分に聞くことの重要性を訴える︑⑤ 子の監護調停の実務指針.

(22) 早法七二巻四号︵一九九七︶. 事情説明と事情聴取との違い︵対審構造の手続にならないために︶. 三三六. その当事者に︑明らかにすべきポイント︑付け加えるべきこと︑争うべきことを注意してメモしてもらうよう求め ︵38︶ る︒﹂以上が︑対席面接方式を原則とするロサンゼルスでの実務上のポイントとして指摘される事項である︒ ③. これまでは︑裁判所による事情聴取ということで︑まず申立人側から︑①氏名︑住所︑年齢︵生年月日︶︑職業︑. 学歴などを聞き︑つぎに②申し立ての趣旨︑事件の経過︑紛争の実情︑事件の解決方法についての意見などについ ︵39︶. て述べてもらい︑それから③相手方の年齢︑氏名︑職業等の確認︑④相手方から申立人の主張に対する答弁︑相手. 方の事情︑事件解決への意見述べてもらうことになっていた︒しかし︑気をつけなければならないのは︑導入説明. で︑裁判とのちがいや話し合い重視と言っておきながら︑事情聴取のやり方いかんで︑警察の﹁取り調べ﹂のよう. に圧迫感を与えないともかぎらない︒そのため︑調停委員の役割は︑当事者が事情の説明をし易いように適切な質. 問を発することに徹し︑決して調停委員主導の当事者追及型の質問にならないよう注意しなければならない︒ま. た︑迅速で簡潔な説明を求めたい場合でも︑当事者が言いたいことを遮ったり︑中断させたりすると︑当事者の中. には萎縮したり言いたいことが十分に言えなくなったりする者もいる︒ロサンゼルスの家庭裁判所のマニュアルは. あくまでも︑対席面接方式を前提としているため︑直ちに日本に導入できない部分もあるかもしれないが︑相手方. の気持ちや立場になって︑じっくり話を聞くこと︑真意をくみ取り︑うまく話ができるよう援助すること︑相手方 の要旨やポイントを確認しながら進めることなどは重要であろう︒. ㈹ 合同面接方式と個別面接方式. 日本では︑これまでなんとなく個別面接方式が原則とされてきた︒したがって︑実務上は当事者双方を同席さ.

(23) せ︑調停に関する一般的説明をし︑時間配分などをしたうえで︑申立人側から事情を聞き︑ついで相手方から事情. を聞いて︑双方の主張の一致点と相違点とを確認し争点にしたがって調整を図り︑最後に合意がまとまると合同対. 席面接方式で締めくくるというのが一般的であった︒確かに︑個別単独面接方式は︑相互の不信感や感情的対立が. 激しく︑当事者が自由かつ遠慮せずものを言うことができない事情があるような場合には︑気兼ねなく当事者が話. をでき︑調停委員や裁判所としても真意が聞けるメリットをもつ︒しかし︑他方で︑相手方の主張や事実の説明に. 食い違いがでて︑些細なことで紛糾しやすく︑疑心暗記に陥ったり紛争をさらにエスカレートさせる可能性もあ. る︒別々に事情を聞くため︑かなり時間がかかり︑また︑調停委員から相手方の意向や気持ちを間接的に聞いても. ピンとこないケースもある︒むしろ︑このようなケースでは︑多少の摩擦は生じても︑当事者どおしが直接コミュ. ニケーションをとることで︑自分たちの現実を認識できることもある︒アメリカでは︑むしろ合同対席面接方式が. 原則で︑当事者双方が直接相手方の発言や話を聞くことができ︑事実の確認もし易く︑コミュニケーションの促進. を図るメリットもある︒そこで︑わが国でも︑個別面接方式と合同対席面接方式とを︑ケースにより当事者により 柔軟に使い分けていくことが必要ではなかろうか︒. なお︑個別面接方式を実施する場合︑当事者の一方は待っている間︑調停委員会のほうから︑こういう事情につ. いてお聞きしたいという﹁質問要旨﹂後掲の﹁お尋ねしたいこと︵面接交渉︶﹂の紙を渡し︑メモを取りながら考. えておいてもらうというのはどうであろうか︒調停の進行を効率化するとともに︑当事者にもメモをとってもらう. 三三七. ということで︑紛争解決のため積極参加を促す効果が期待できる︒また︑待ち時間にメモを書くことで︑自分の気 持ちや主張を整理する機会にも使える︒ 子の監護調停の実務指針.

(24) 3. 早法七二巻四号︵一九九七︶. コミュニケーションの促進. 三三八. すでに互いに反目し合っている当事者にコミュニケーシンを容易にさせようとすることはきわめて困難な作業で. ある︒当事者がきわめて感情的になっているため︑ちょっとした言葉の使い方で相手を刺激することも多い︒有益. な話し合い︵コミュニケーション︶を促進するための示唆として︑ロサンゼルスの研修用マニュアルでは︑ よく聞くこと︵︾&話口の8三紹︶. 問題の立て方を変える︵菊9声邑畠︶︑再構成してみること. と示さなければならない︒. ①言葉以外での関心︵Zo薯R3二具RΦ豊. 頷いたり︑関心あるというゼスチャーをしたり︑ほほ笑んだりする. 双方の見方や意見をよく聞いて︑ 十分に理解していること︑あるいは理解しようとしていることを態度ではっきり. ニケーションを促進するための共感︵Φヨ℃9ξ︶を作る技法といわれる︒調停委員として︑自分たちは当事者たち. ここでは︑ まず第一によく聞くことと問題の立て方を変えることに焦点をあてたい︒熱心に聞くことは︑コミュ. 熱心に聞くこと. 手続を運営す る ︵ ∪ 冨 & 躍 甚 ① 即 8 霧 ω ︶ ︵40︶ 現状について披露する︵9巴o巴轟魯o旨跨Φ零8霧ω︶の6項目の留意点を挙げている︒. 一休みしたり︑沈黙を活用する︵評参一鑛Rdω一轟普窪oΦ︶. 自由な質問の活用︵d巴轟○℃8出区80まωけご霧︶. (1)654321.

(25) ことが含まれる︒言葉以外に紛争解決につよい関心と熱意をもっていることを示す必要があろう︒ロサンゼルスの. 研修用マニュアルでは︑調停者による言い直しを非常に重視している︒②言い直し︵墨R興野良︶ つまり︑当. 事者が言ったことを︑調停委員が彼らの見方からも見てあげていることがわかるように︑自分の言葉で簡潔に表現. し直すことが求められる︒③相手の気持ちへの配慮︵ぎ85自頴9茜ωV そして︑調停委員は︑相手方の気持ち. や感情の動きを配慮し推し量ることをつねに忘れてはならない︒④話したポイントを明確に また︑当事者が良く. 調停委員は︑できるだけ︑覚え書きを詳細に作成し︑事件手控え︵諾曾量︶作成の準. 聞いてもらっていると感じるように︑話し手の主要な力点に焦点をあてて︑言ったことの要点を明らかにする作業 も重要である︒⑤要約する. 調停委員は︑質問することが相手方への威圧と受け止められることがないように︑. 備としてポイントを整理し要約しておくべきであろう︒⑥議論したり︑モラルを押し付けたり︑判断をしたり︑忠. 告や約束することを避ける. ﹁なぜ﹂というような聞き方でなく︑﹁どんなふうに﹂︑﹁いつ﹂︑﹁何を﹂と相手方が答え易いような聞き方に努める. 問題の立て方を工夫すること︵肉駄轟邑轟Hωω奉ω︶. べきであろう︒熱心に聞くことは︑調停にとって大切な信頼と率直さを生み出すというのが︑ロサンゼルスの研修 ︵姐︶ 用マニュアルでも強調されている︒ ⑭. 問題の立て方を変えるというのは︑問題に対して新しい視点からみるとか︑出来事や動機付けについて新しい観. 調停がなされている間︑すでになされた合意を力説することはとても重要である︒調. 点を与えることをいう︒これにはいくつかの方法がある︒. ㈲合意を強調すること. 三三九. 停をするという合意に対して︑両当事者を褒めて歓迎することからはじめるとよいと言われる︒調停を開始するこ 子の監護調停の実務指針.

(26) 早法七二巻四号︵一九九七︶. 三四〇. とへの同意︑前回記録の確認と話合われた内容への同意︑これまでの合意点などを強調することが次のステップの. ためには重要である︒たとえば︑﹁現在︑お母さんとしては子どもを父親に会わせたくないようですが︑プレゼン. トや手紙を渡すことについてはかまわないということでしたね︒﹂︑﹁いつ︑どこで︑どのようにして子どもと会わ. 争いがある問題に対して解決をしうるように肯定的問題を取り上. せるかという合意はできていませんが︑そのための話し合いをするという合意はしたでしょう︒﹂︵調停委員︶. ㈲対立する問題点に対して積極的に触れる. げることが重要である︒﹁父親と会うと高価な玩具を買い与えたり︑甘やかすので困る﹂との母親のクレームに対. して︑﹁父親に子を会わせることが問題なのではなく︑父親の玩具の与え方︑父親の会い方に問題があるようです. ね︒﹂﹁久しぶりに会う父親は︑子どもへの愛情を玩具や食べ物を与えることでしか表現できないのかもしれません. 解決されるべき問題点に当事者たちが的を絞れるようにする︒たとえば﹁あんな母親のも. が︑これから︑節度をもって面接してもらうためのルール作りをしませんか︒﹂︵調停委員︶︒. @否定形は避ける. とで子どもが暮らすのでは︑可哀相だ﹂という父親の主張に対して︑﹁母親は確かに夫婦問題のゴタゴタでかなり. 感情的になっているかもしれません︒しかし︑もう少し落ち着いてコミュニケーションがてきるようになれば︑彼. あくまでも︑当事者たちの主張にそのまま同調するのではなく︑一般論に置き換. 女は︑もっといいところが沢山でてくるのではないでしょうか︒﹂︵調停委員︶. ⑥一般論や標準化して話す. えて話を進める︒たとえば︑母親が﹁あの人は︑子どもに﹃母親は非常識な人間で﹄﹃妻として失格だ﹄などと悪. 口を言って︑子を混乱させる︒﹂と訴えるのに対して︑﹁あなたが憤慨する気持ちはよくわかります︒もし︑子ども. からそんな話を聞いたとしたら︑皆さんいい気持ちはしないでしょう︒﹂﹁子どもに親の悪口や片方の人格攻撃をす.

(27) 当事者たちが問題を解決したい気持ちであることに焦点をあて︑肯定. ることがないよう︑お互いに気をつけないといけませんね︒﹂︵調停委員︶. ㈲基礎にある意思を肯定的に再編する. 的に双方の立場を言い直す︒たとえば︑﹁あなた方がこの問題で争ってきたことはわかっていますが︑これを進ん. で解決したいと思っていることも良く知っていますよ﹂︒﹁あの人は︑いつも口先ばかりで調子がいいんです︒子ど. ものためと言いながら︑子どものことなんか本当は全く考えていません︒﹂という母親の主張に対して﹁あなたが. 望んでおられるのは︑子どものために父親に誠実に行動して欲しいということですね︒﹂﹁それでは︑父親に本当に 子のためになるようきちんと協力してもらいましょう︒﹂︵調停委員︶︒. あるいは︑父親が子どもを可愛がらないため︑面接交渉させる必要がないと母親が主張するケースで︑﹁自分ひ. とりだけで︑子どもの世話教育すべてをやろうと考えているでしょう︒だけどへあなたにも父親が本当に良いお父. さんになれて︑子どもたちとのいい関係を築けるよう支援してやる大きな責任がありませんか︒﹂︵調停委員︶. 要するに︑問題の立て方を変えるというのは︑当事者たちが新しい目で紛争の実相を見れるように援助すること. 話合いが停滞したり︑行き詰まったとき︑調停委員がする質問が抽象的で一般的なもので. そのほかの有益な方法. であるといってよい︒. ⑥. ㈲自由闊達な質問. あると︑なかなか答えがかえってこない恐れがある︒たとえば︑﹁離婚後の親子関係についてどう考えています. 三四﹂. か︒﹂とか︑﹁子どもの最善の利益とはなんですか﹂などの一般的質問では︑かえって答えにくい︒﹁休みの日にお 子の監護調停の実務指針.

(28) 早法七二巻四号︵一九九七︶. 三四二. 父さんは︑子どもとキャッチボールやサッカーをすることがありましたか﹂﹁夏休みには︑家族で一緒に旅行に行. くことがありましたか﹂﹁そのときは︑どんな風でしたか︒子どもはどんな感じでしたか︒﹂など具体的でしかも︑. 自由に答えられる質問をしたほうがよい︒二つに一つを選択させるような質問の仕方は適切ではない︒自由に答え. ﹁沈黙は金なり︵望窪8︒き幕讐崔聲︶﹂という格言にもあるように︑一休みする. られる質問のほうが︑当事者から多くの生の情報を引き出すことができる︒. ㈲一時的に休んだりする. ことで︑コミュニケーションを促進することもある︒ときには重大な局面に達したときには︑少々の時問をおくこ. とも必要なときがある︒調停委員は︑決して焦らず︑当事者を﹁急かさない﹂よう配慮する必要がある︒激しいや. 調停委員は︑あくまでも調停の結果を決定したり管理するわけでなく︑調停の進め. り取りの後︑当事者に喫煙室で一服するとか︑水やお茶を勧める余裕があってもよいかもしれない︒. ◎手続を運営し指示する. 方や運営をまかされているにすぎない︒当事者の一方がしゃべりすぎている場合︑他方にも話をするよう促すと. いろいろな経験について披露したり︑現状を率直に明らかにすることが︑コミュ. か︑話しがし易いよう仕向ける役割がある︒一つの話題が解決しそうもないときは︑取りあえず別の話題に移るこ とも必要であろう︒. @行き詰まった場合の開示. ニケーションの困難を解消するうえで役立つこともある︒当事者が重要な点で相譲らず混乱したり暗礁に乗り上げ. たときは︑調停委員は率直に平行線にあり調整が困難な状態にあることを伝えたほうがいい︒行き詰まりを率直に 明かす必要がないと思えば︑休みをとることも考えられる︒.

(29) 4. 覚え書き︵9ゆσq雪盆︶の作成. カリフォルニア州のマニュアルのように︑当事者たちが最初に話をしている間︑調停委員は︑当事者たちから提. 起されたすべての事実に関する問題︑感情的問題︑細かい派生的問題を書き留めるようにすべきである︒そして︑. 言い終わったら︑調停委員は︑当事者に協力をお願いして︑共通の覚え書き︑話し合いの対象となって︑調停で解. 決すべき問題点の一覧表を作成したらどうであろうか︒覚え書きは︑当事者たちの今後の交渉を組み立てるときに. ひじょうに役立つ︒この覚え書きは︑新しい問題が起こり︑挙げられた問題が重要でなくなったり︑もはや争いが. なくなったときは︑調停の進行に合わせて訂正されることになる︒覚え書きの作成中︑調停委員の役割は︑調停で. 解決されうる問題と他の方法で処理されるべき問題を区別して当事者に熟慮させることであろう︒調停委員は︑当. 事者たちが覚え書きの作成に積極的に参加するよう促したらよい︒ロサンゼルスでの研修用マニュアルによると︑. 二人の積極的な参加を促すために︑当事者の面前で紙片︑または黒板に︑覚え書きの項目の概要を書く︒. 覚え書き作成手続で︑調停委員が留意すべきガイドラインは以下のとおりである︒. i. 当事者たちが問題点を明確にし︑解決すべき問題の優先順位を決められるよう援助するにつき積極的役割を. 可能なかぎり︑覚え書きの事項が当事者双方の共通の関心事であることを中立かつ穏やかな言葉で表現す. 果たす︒. 2. 3 る︒. 子の監護調停の実務指針. 三四三. 覚え書きの事項として︑﹁コミュニケーションの改善﹂を具体的な言葉で話し合い解決すべき問題に含める︒. 4 当事者たちにとって重要なすべての問題︑派生的問題も全部取り上げる︒ 5.

(30) 早法七二巻四号︵一九九七︶. @当事者たちの緊急の二ーズ. 6 以下のことを考慮しながら︑覚え書きの事項の優先順位をつける︒. ㈲もっとも簡単に解決でき︑当事者たちが早期に合意や解決感を味わえる問題. ︵42︶. 当事者たちの話したい問題点の表明に対して積極的な後押しをしてあげる︒. 面接で論ずる問題にも注意する︒. 三四四. 事者たちが潜在的な問題について今後の話し合いや交渉をする間︑後に覚え書きに追加されたり︑単独個別. ⑥一方にとって重要な問題とされることを話し合い︑ついで他方の重要と思う間題に移る. ⑥その問題の解決が他の問題の解決に有益である重大かつ中心的問題. 7. 8. 子との面会交流で重要な問題となりうるのは︑後掲の﹁お尋ねしたいこと︵面接交渉︶﹂での子の心身の状況︵健. 康︑精神状態︑発育状況︶︑子の生活歴︵出生時の状況︑過去の家庭状況等︶︑子の現在の生活状況︵家庭︑学校︑友人︑. 地域社会︶︑子育てのプラン︵監護の実績︑交流の実績︑教育的関心︑配慮等︶︑面会交流をめぐる双方の希望︵可能. 性︑時期︑回数︑具体的方法︑条件等︶であろう︒これに︑別居や離婚に伴う家族関係の変化︵再婚や養子縁組等︶︑. 養育費や婚姻費用の分担︑離婚給付の支払いなどが複雑に絡んでくる︒当事者が問題にしたい事実上の問題点︑こ. 調停合意の形成︵Oo昌8号σq︶. れに関連する法律上の問題を整理し区分することが調停委員には何よりも求められる︒. 5. 合意形成の目標は︑自主的な紛争解決手続として︑ 調停をしましょうと当事者たちが自発的に合意し︑合意した.

(31) 基本的な調停運営のルールにしたがうことであろう︒最初のガイダンスの段階で調停委員は︑調停がどのようなも. ので︑調停手続の基本的ルールを十分説明し︑当事者たちが十分納得して調停手続に参加できるようにしなければ ならない︒. 調停について明確にされるべき基本ルール. ①調停は任意のものである︒当事者は手続をいつでも中止したり︑提案された妥協案や合意案を受け入れることも. できるし︑拒否する権利もあることが明らかにされていなければならない︒当事者が主役で︑いつでも﹁ノー﹂と. いえる権利をもっている︒調停委員の中には︑審判との連続性︑移行を背景に権威的に合意を迫る向きもあると聞. く︒しかし︑調停委員に︑合意を強制したり押し付ける権限はないことは︑最初にきちんと説明しなければならな い︒. ②調停委員は中立でなければならない︒調停委員は︑公正中立な立場で︑コミュニケーションを促進し︑当事者た. ちの感情に流された問題提起に含まれる問題点を析出し明確にする技能を備え︑当事者双方の利益が考慮されるよ う手続を運営しなければならない︒. ③調停は誠実な交渉の場である︒信頼の基礎は︑両当事者が誠実であり信用できると感じられることにある︒この. ことは︑紛争に関連する重要な情報を完全かつ誠実に開示することを要請している︒そのためには︑重要情報の共. 有と開示が不可欠である︒また︑調停委員は︑誠実かつ率直に話し合いが進むようコーディネーターとならなけれ ばならない︒. 三四五. ④調停では秘密が守られる︒調停でなされたいかなる話も︑後の手続で一方に不利に使われたり︑外部に漏れたり 子の監護調停の実務指針.

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