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今後の計画系建築教育に関する研究 [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)今後の計画系建築教育のあり方に関する研究. 近江 麻衣 1.序論. 表1 「計画系教科」の領域. 1­1. 研究の背景と目的.  建築設計演習. 表2 「建築計画」の6つの分野 Ⅰ)建築計画の概論. (デザイン演習,造形演習etc).  建築教育への関心は国際資格教育の問題や、大学教育.  建築史 (日本・西洋建築史,近代建築史, 都市史,居住史,文化史etc). と関連してますます大きな問題になっている。建築計画系.  建築論. 教育を技術系の教育プログラムとの関連で定義し直す課. (作品論,建築家論,建築理論 etc). 題は大学教育課程の認証問題と関連して中でも大きな関. Ⅱ)計画の基礎.  建築意匠論 (建築デザイン論,建築美学etc). 心を呼んでいる。これまでの建築教育は多くの問題を持っ.  建築設計論 (環境デザイン論,UD,FM,イン テリア・ランドスケープデザイン etc). ており、これらを 21 世紀の要求をみたすものへと再構築 空間認知論. する必要がある。. 環境行動学.  本研究では、計画系建築教育の現状分析によってその. Ⅲ)計画の手法.  建築情報論. るモデル大学の事例、学部と大学院の連携教育の事例、.  住居計画. 建築行政. (住居論,居住論,居住空間論,居 住計画,コミュニティ計画etc). 建築法規. 海外教育の事例、医学部教育の事例により計画系教育の. 建築生産 防災・経済. あり方を考えるものとする。. ・モデリング(空間モデル, 行動モデル). ・調査方法 ・マネジメント ・評価. ・「住まう」意味 Ⅳ)住居,住宅,居住の ・住生活 計画.  施設計画 (地域施設計画,施設マネジメント 論etc).  地域計画 (まちづくり,地域空間計画,地域 環境計画etc). 1­2. 研究の方法.  都市計画. Ⅴ)施設の計画. (都市地域論,都市計画マネジメン ト,都市空間計画etc). (1) 新しい計画系教育プログラムと大学院の取り組みに対. (景観デザイン論,都市環境デザイ ン,都市建築デザインetc). (2) 海外の事例に対して、資料収集及び筆者の経験から.  建築計画演習 (都市,地域計画演習etc). 整理し、考察する。. ・住空間構成 ・住戸,住棟計画 ・住宅地計画 ・居住水準 ・コミュニティ計画 ・地域対応 ・都市居住 ・文化施設 ・教育施設 ・医療施設 ・福祉施設 ・オフィス ・その他.  都市設計. して、ヒアリング及び資料収集によって整理し、考察する。. ・プログラミング ・ゾーニング ・プランニング. ・参加型デザイン ・数理計画. (建築デザイン計画,建築設計計画,建築計画基礎,総論etc). 建築構法. ・建築設計の基礎知識 ・方法計画,規模計画 ・平面計画 ・単位空間の設計基礎 ・使われ方,住み方 ・行動科学 ・空間認知 ・人間−環境系. ・デザイニング. (空間メディア,建築情報システム 学etc). 建築計画. 問題点と課題を考察し、さらに新しい取り組みを行ってい. ・建築,社会,生活,人間 ・建築計画の定義 ・建築計画とデザイン ・成功例,失敗例 ・計画・設計プロセス ・建築計画学の系譜 ・建築行政 ・建築的課題. ・作品論 Ⅵ)空間論,建築家論, ・作家論 職能論. Ⅶ)演習. ・職能論. 3. 学部教育における新しい計画系教育プログラム. (3) 現況と新しい計画系教科の取り組みに対してシラバス により実態の分析を行う。. 3­1. カリキュラムの制度設計. 2. 計画系教育の現状と課題.  大学のカリキュラムの組み方は、基本的に半期ごとの ウィークリー制であり講義時間が 90 分と限定されている。. (問題点と課題) ①知識詰め込み型から技能重視型、②リアリティ欠如,. そのため、現地見学、フィールドワーク、スタジオワーク、ワー. モチベーションの低下、③新しい時代の「川上段階」の知. クショップなど座学に徹底できない科目を行えないという. 識と能力の養成、④単一職能養成型教育から多様な職能. 問題がある。この制度を根本的に改め、時間割の自由度. 養成型教育、⑤社会貢献,倫理,マネジメント等のフロン. を上げると共に、様々な教育方法が大胆にとれるような仕. ティア職能の養成. 組みを考案する必要がある。  金沢工業大学と東京電機大学の2大学に対して①講義. (提案) ①教育目標設定型の教育プログラムの体系化、②ダブル. の短縮と②3学期制の実態調査を行った。その結果、①. メジャー型教育体系の教育プログラムの立案、③問題発. 講義の短縮は学生の集中力と理解力を向上させ、②3学. 見,問題解決型学習方法の教育方法、④統合教育の重. 期制は2学期制に比べ少ない科目を短期間で集中して学. 視、⑤「講義と演習」から多様な教育方法(ワークショップ,. 習できる等の利点が確認できた。しかし、時間割に自由. スタジオ,少数人数等)、⑥教員の統合型教育体制. 度があるかは確認できず、教育方法の多様化と共に今後.  計画系教科を現況の領域から「理論」, 「知識」, 「手法」. の課題と言える。. に再編し, 「講義」中心から「多様な教育方法」へ再編成. 3­2. コース制. する(表 1,2)。特に, 「知識」分野は,スタジオ教育等と.  我が国の建築教育におけるホーリスティック制度と専門. 連携する。. 教育の短さは専門プログラムにおいて問題がある。そこで、 23-1.

(2) 一定のコース選択を行うなどの方法によって、専門教育に. うためには、 「研究室」という小さな単位で動かざるを得ず、. おいては徐々にコース特化することが考えられる。多様化. そうすると単位認定されないなど課題は多い。今後、ワー. する職能に対して , スペシャリスト教育かジェネラリスト教. クショップ教育を多くの大学で進んで取り組んでいくため. 育かを意図的に選択するような方向も考えられる。. には、まず2­1で述べたように、時間割の自由度を上げ.  コース制を採用している6大学(千葉大学、近畿大学、. ることが必要であると言える。. 工学院大学、日本女子大学、東北芸術工科大学、慶應. 3­5. フィールド教育. 義塾大学)について実態調査を行った。コース制は、①.  大学のシラバスからフィールド教育に取り組んでいる5. 多様化する職能に対してスペシャリスト教育を行う方式、. 大学を選択し、シラバスの実態の分析を行う。フィールド. ②専門領域においてコース特化する方式、③計画系と構. の対象として、(a) 設計、(b) 建築・都市、(c) 歴史的建築、(d). 造系の並存から脱却し独自のバランスを持つ方式、④専. 公園の4つがあった。今後の課題として、ワークショップ. 門化していく教育内容を融合化する方式、の4つに分類で. 教育と同様の問題点(3­4①∼④)地元との強い連携が. きる。これは、コース制に至った目的が異なることを意味. 必要であり、カリキュラムの制度を見直すことが求められて. すると考えられる。. いる。. 3­3. 統合型教育. 3­6. エクスカージョン教育.  北海道大学の「建築序説」と「建築都市ゼミナール」.  大学のシラバスからエクスカージョン教育に取り組んで. について実態調査を行う。. いる3大学を選択し、シラバスの実態の分析を行う(表 3)。.  同大学は、カリキュラムの制度設計の改革は行っていな. 表 3 エクスカジョン教育のシラバス分析 大学. いが、連続講義・演習を設け、さらに全教官によって実. 千葉大学. 科目名. 選択 1. 法に対応している。 「建築序説」のように、全教官がオム. 夏休みに8日間. ニバス型で行う形式は、専門教育の初動期に全体を包括. 対象. して学ぶのに適していると言える。また、 「建築都市ゼミナー ル」のように、全教官が各々コースを提供する形式は、学. 宿泊型建築学実習. 京都・奈良などの. 東京都内の建築物. ・レポート. 選択 2 2週間. (数回). 建築設計業務の見学 ・スケッチと解説. 海外建築研修. 日帰り型建築学実習. (2泊3日). 古建築・民家・町並. 評価方法. 2年 後. 選択 4. 期間. 施することで柔軟な科目構成を可能とし、多様な教育方. 芝浦工科大学. 建築学実習. 3年 前 集中. 区分・単位. 三重大学. 3年 後. 建築史野外実習. 学年 前・後. 近代建築家等の展覧会. 海外の都市・建築. 地方都市の視察. ・研修旅行前後の作業. ・レポート. ・報告書.  対象地は①京都・奈良、②東京、③海外と広範囲に渡っ. 生に幅広い選択肢を提供でき、専門性を深めていくのに. ており、それぞれ目的が異なっていることがわかる。参加. 適していると言える。. する学生は、事前に見学する建物について調査し知識を身. 3­4. ワークショップ教育. につけておくことが義務付けられており、また、旅行後の.  和歌山大学、前橋工科大学、足利工業大学の3大学に. 報告書も提出することが求められている。旅行が長期に渡. ついて実態調査を行う。ワークショップ教育の位置づけと. る場合は、夏休みなどの休暇が利用されている。. して、研究室活動と授業科目の2つのケースがあり、授業. 3­7. インターン教育. 体系は学外と学内で行われるものに分類できた。学外の.  大学のシラバスから 6 大学を選定し、インターン教育の. 活動は、市民や産業界との交流から立ち上げに至る傾向. 実態をシラバスから分析する(表 4)。. が強く、産・学・市民による地域連携の中で成立している と言える。また、学外に活動を拡げることにより、学生に. 表 4 インターン教育のシラバス分析. 現実社会との接点を与え、リアリティのある教育を与える. 大学. 神戸大学. 北海道大学. 科目名. 学外演習. 学外建築実習. 通年. 3年 通年/4年 前. ことになると同時に、実践を通じた倫理教育ともなる。一. 学年 前・後 区分・単位. 選択 1. 方、学内の活動は、ある対象に対して、討論を繰り返し. 対象. 自主的な活動全般. 派遣先. ながら精度を高める手法として効果的である。これには、. 選択 1. 実習、研修旅行. 建築・まちづくり関係. 評価方法. ・実施報告書. ・レポート. ・教官とのディス カッション. 通年. 工学院大学 学外研修 3年. 千葉大学. 都市環境システム. 実習 3年 通年 集中. 選択 2. 選択 2. 実習. 実習. 実習. 実習. 指定. 都市環境関係. オープンデスク 施工現場等. 45時間以上 ・企画書.  一般的にワークショップ教育を行うには、幾つかの障. 2∼4年. 東北大学 インターンシップ. 選択 1.5. イベントの参加. 期間. ファシリテーターを務められる教員が必要である。. 東北芸術工科大学 インターンシップ. ・レポート ・課題. ・出席等. 設計事務所. 企業の設計・施工. ・研究開発部門等 教官と相談 ・レポート. 2週間以上3週間以. 下 原則として夏期. ・学外研修評価 ・学外研修日誌 ・成果発表会. 選択 2. 2週間以上 ・レポート ・発表. 害があり、主に①他の授業との兼ね合いで土日もしくは集.  全6大学で選択科目として設けられており、必須課程と. 中休暇しかできない、②フィールドの確保が困難であり、. して位置づけられるまでには至っていなかった。また、一. 教員の個人的コネクションに頼りがちになる、③研究室. 部の大学では自主的な活動全般を認めるものもあり、イン. 活動の一貫としてされる場合、単位が認定されないなどが. ターンシップの解釈に幅が見られた。評価の方法は、自己. 考えられる。また、多くの学生を抱える大学では、④比. 報告書の提出を求める大学が多く、実習先の評価は加味. 較的少人数でないと行えない点も問題となる。少人数で行. されない傾向がある。 23-2.

(3)  将来的には、建築家の国際資格問題と連動してより整.  各々の国、大学によりその特徴は異なるが、一般的に. 備されていくと考えられるが、まずは演習としてインターン. 欧州の大学は UIA アコードにある5年以上の専門教育機. シップに対し単位を与えることで、学生に参加を積極的に. 関、インターンシップ教育、スタジオ教育の重視等につい. 勧めている段階であり、大学側が UIA ユネスコの教育プ. て当然満たされていた。フランスの大学では、研究室が. ログラムを視野にいれ、設計教育の対応を図り始めた初期. 存在せず、教員は本業の建築家としての仕事と兼業である. 段階であると言える。. ことが多く、研究者が殆どいないという点で、研究者教育. 3­8. 職能教育. ではなく実務者教育を目指していると言える。.  医学部のカリキュラム制度設計は時間割の自由度が非常. 6. 新しい計画系教科. に高く、様々な教育方法を可能としている。例えば、クオー. 6­1. 倫理. ター制やデイリー制を敷いており、小グループのディスカッ.  大学のシラバスから「倫理」を取り扱っている5大学を. ション、学習プロジェクト、グループ学習、インターンシッ. 選択し、シラバスの実態の分析を行う(表5)。. プ体験、模擬体験、ロールプレイ、ロールモデル、PBL、 講義、演習等の教育方法が用いられている。医学の職能 教育の視点から建築教育を点検する必要があるだろう。. 表 5 「倫理」のシラバス分析 大学. 千葉大学. 京都大学. 東北大学. 学年 前・後. 4年 後. 4年 後. 4年 前. 科目名. 単位数. 担当者. 4. 学部教育と大学院教育の連携. 教材.  1で述べたように、近年 JABEE、UIA への早急な対応. 内容. が求められている。 しかし、 現況では様々な問題が横たわっ ており、主に (1) 学部と大学院教育の分離、(2) 研究重心 型による研究者教育と実務者教育の非分離と教員の実務 者不足、(3) 大学院での設計軽視、(4) 研究室運営型に よる縦割り・囲い込み教育の4つの問題が考えられる。そ こで、大学院教育において先進的な取り組みを行っている 早稲田大学、東京工業大学、京都工芸繊維大学、東京 大学の4大学について実態調査を行い、その対処方法を 分析した。  大学院教育の改革方式は、① 学部・大学院を6年間 一貫教育にする、②現存の大学院の建築専攻を充実させ る、③新たに建築大学院を起こすの3つに分類できる。① と③では大規模な改革を要するため、学部と大学院の教 科が連続的に整理され、内容が検討されていた。いずれ の大学も改革に至った動機として、UIA を挙げているが、 JABEE に対しては積極的な対応は見られなかった。  大学院の設計教育を充実させる際に、教員に実務経験 者が不足することが問題となる。元来、教員の中に建築家 が多い大学では移行が比較的容易に行われており、不足 した大学では、非常勤講師の配置を大学院に移動するこ とと、学部4年と大学院の設計課題を合併科目とすること で対応している。以上のように、設計教育の重点化が図ら れているが、③以外の大学では大学院の活動の中心は研 究であり、日本の教育特徴が残されている。インターンシッ プは①と③の大学で積極的に取り組まれているが、1年間 のインターンシップを行うまでには至っていない。. 工学倫理. 2. 2. 多学部の複数の教員 工学部の複数の教員 指定なし 社会との関係におけ る工学者の使命、 規. 範、 役割、 権利と義 務等について広範な 視点から論述. 指定なし. 三重大学. 芝浦工業大学. 3年 後. 3年 後. 工学倫理. 建築家職能論. 1. 1. 倫理学の専門家 ・プリント教材 ・工学倫理の本. 学科の複数の教員. ・雑誌. れの研究分野におけ 割、 社会や地球環 役割、 社会的責 る倫理をトピックス 境に対する責任等 任、 建築界にお を論述. 2. 実務経験者. ・学会の建築倫 ・教官が書いた本 理用教材. 各学科からの担当教 国際社会における 各教官の視点か 官によって、 それぞ 工学技術者の役 ら建築技術者の. 別に講述. 建築家職能論. ける立場等を論. ・建築家職能の本 歴史的な背景や 建築家の考え方. から建築家職能 の今後の課題や. あり方を論述.  倫理教育を工学部の共通科目として広範的に扱っている 「工学倫理」と建築学科独自でより専門的に行っている「建 築家職能論」の2つのタイプに分けられる。倫理担当者 には「工学倫理」の場合は、 (a)多学部の複数の教員、(b) 工学部の複数の教員 ,(c) 倫理学の専門家の3つの方法が あり、 「建築家職能論」には、(d) 建築学科の複数の教員、(e) 実務経験者の2つの方法があった。教育方法には、複数 の教員によってトピックス別に講述されるタイプと、個人で 倫理教材を活用して行われるタイプがあった。前者は個々 の授業中でその倫理的な意味合いに触れることができると いう点で後者より優れていると言える。教材には、技術倫 理の本以外に、NHK のプロジェクトX 等のビデオ教材の 活用が考えられる。  倫理教育を「倫理」科目として独立して行うことには限 界がある。倫理回復のためには、倫理教育を技術者教育 の主軸に据え、マニュアル的な方法ではなく実践を通じて 体得するといった方法が必要である。 6­2. マネージメント.  大学のシラバスから「マネージメント」科目を取り 扱っている5大学 12 科目を選択し、シラバスの実態 の分析を行う。  マネージメント系の名称が多様であり、マネージメント 全般にわたって広範囲に行われているものと専門的に行わ れているものがあることが判る。しかし、そもそも広義な 意味でのファシリティマネージメント(FM)の概念ががプ. 5. 海外の状況  フランス、ベルギー、ドイツ、ポルトガルの大学につい て実態調査を行う。. 工学倫理. ロジェクトマネージメント(PM)に非常に近いものである など、マネージメントがそれぞれの領域に明確に分かれて. 23-3.

(4) いるとは言い難い。従って、例えば「コンストラクションマ. 大学とも、古社寺から町並み保存に至るまで幅広く取り. ネジメント」と「建築プロジェクトマネジメント」の授業内. 扱っており、その流れをくんでいると言える。. 容が似通っていたりと科目の名称からではその差別化が難.  今後さらに高まっていくであろう保存再生の流れの中で、. しかった。また、 「施設計画マネージメント論」や「都市. 歴史的保存の教育は歴史・意匠だけを中心とするのではな. 環境マネージメント」のように、建築計画もしくは都市環. く、構造、材料施工、設備といった工学系知識と建築計画、. 境の領域にマネージメントの要素を取り入れている科目も. 都市計画、建築設計など計画系知識を提供するものになっ. あった。. ていく必要があると考えられる。. 6­3. 地球環境建築. 6­5. 情報リテラシー.  大学のシラバスから「地球環境建築」を取り扱っている.  先進的な情報教育を行っている4大学10科目を取り. 7 大学 13 科目を選択しシラバスの実態の分析を行う(表. 上げ、シラバス分析を行う。尚、Jw_cad ソフトを用いた. 6)。地球環境を直接の目的としない科目は対象外とする。. CAD 教育やコンピュータの動作原理、プログラム技法と. 環境工学・技術. ・通風. いったシステム分野は、多くの大学で行われているため対. ・屋上緑化、緑化. 象外とする。. ・風力発電. ・地下住居. ・太陽光発電 ・湿気冷却. ・日照、 採光.  情報教育は段階別に構成されており、共通基礎、共通. 表 6 「地球環境建築」の8領域. 応用、専門基礎、専門応用の4段階に分けられ、学年が. ・自然エネルギー ・省エネルギー. ・環境影響評価 都市. 社会. ・社会活動とNGO/NPO. ・エコシティ. 政策・制度. 環境問題. ・スケルトン・インフィル. 気象学. ・資源の再利用化. ・ストック建築の再利用 ・建築の超寿命化 ・建築環境. ・建設廃棄物の問題. ・産業廃棄物の再資源化 ・環境共生建築 ・耐用計画. ・地球環境(酸性雨、温暖化等). ・セキュリティ. ・Web サイトの開設. ・プレゼンテーション ・Web ページの作成. ・ごみ. ・2 次元 CAD. 専門応用 ・3次元 CAD ・CG. ・温室効果. ・地球大気環境問題.  情報化技術の進展に伴い、建築デザインの表現方法と. ・成層圏オゾン. ・リモートセンシング. して伝統的な手書きによる造形表現だけでなく、情報リテ. ・資源・エネルギー. ラシー教育と現代的表現技法の獲得が重要となった。し. ・化学工学. かし、CAD 教育にどのように設計に取り込むかは課題で. ・酸性雨 化学技術. 専門基礎. 図 1 情報教育の段階構成. ・資源・エネルギー・水. ・環境のまちづくり ・コンバージョン・転用. ・ワードプロセッサ ・表計算. ・汚染. ・環境共生 建築設計・計画. ・PC の基本操作 ・インターネット ・電子メール ・情報倫理. ・建築環境性能評価(JIS/ISO等). ・歴史的建造物の転用 ・歴史と生態学からの再生. ・環境基本法. ・環境性能の国際条約. ・都市再生. ・スロー・シティ. ・環境政策. ・リサイクルの法令. ・エコロジー. 共通応用. 共通基礎. ・開発問題. ・コンパクトシティ ・環境管理. あがるごとにステップアップする傾向が見られた(図1)。. ・生活環境主義. ・途上国の環境問題. ・都市環境問題. ・クリマアトラス. ・環境社会学. ・物理化学. ・リサイクル. ・ヒートポンプ. あり、早期でのコンピュータの導入により、ツールとしての.  地球環境建築の授業内容は、環境工学、都市、建築. コンピュータの使いこなしも重要であるが、一方で手書き. 設計・計画、社会、政策・制度、環境問題、気象学、化 学技術の8領域におよび、実に広範的で、多様的である。 同科目を複数設けている大学では、各々の領域から専門. ついて対応できる能力を育てる必要もあるだろう。. いない大学では、多領域にわたって行われていた。  環境について考えるためには、都市、建築、環境工学、 造園学、社会学など様々な領域の混成性が必要である。 また、環境設計には技術的な知識が必要不可欠であり、 これまでの設計教育を構造、環境の領域に及ぶものにす. 7. まとめ  建築教育の再構築には同時に建築資格の再定義を要 し、まず職能としての建築家のあり方を再考すべきである。 今後は、広範囲かつ専門的に学ぶことができるシステムを 確立することと、カリキュラムの制度設計を行い時間割の. ることが必要である。そのためには、従来の職能構成に. 自由度を上げていくと共に、多様な教育方法に取り組むこ. 従った縦割り専門化された構造を総合化することが求めら. とが必要である。. れると考えられる。. (謝辞). 6­4. 歴史的保存.  調査にあたり、北海道大学、早稲田大学、東京電機大学、足利工業大学、前橋工 科大学、法政大学、大阪大学、東京大学、京都工芸繊維大学の担当者にご協力いた.  大学のシラバスから「歴史的保存」を取り扱っている 2. だきました。ここに記して深謝いたします。. 大学を選択し、シラバスの実態の分析を行う。. (参考文献).  かつては歴史的保存といえば、文化財建造物の保存・ が叫ばれるようになり、その分野は幅広くなっている。両. ピュータの操作方法を教えるだけでなく、現代社会におけ る情報の意義や役割を理解させ、情報化社会の諸問題に. 的にアプローチする傾向があったが、単一科目しか設けて. 修復の分野であったが、近年、近代建築や町並みの保存. による表現訓練とのバランスをとる必要がある。単にコン. (1) 21 世紀計画系建築教育特別調査研究委員会:建築設計者をそだてるデザイン教 育 2004 年度日本建築学会大会 パネルディスカッション資料  (2) 建築教育委員会 建築教育制度小委員会:グローバル化時代に通用する建築教 育の条件を考える 2004 年度日本建築学会大会 パネルディスカッション資料 . 23-4.

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