図書館司書の重要性
著者 赤松 信彦
雑誌名 同志社大学図書館学年報
号 42
ページ 1‑1
発行年 2017‑03‑31
権利 同志社大学図書館司書課程
URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000015391
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恥ずかしながら、学生時代、図書館を使った記憶はあまりない。学期末試験の前に利 用したくらいである。利用したと言っても、試験勉強のために空間を確保しただけで、
検索した文献に基づいた思索とはほど遠いものであった。しかし、アメリカで過ごした 大学院では、図書館との関係は一変した。週末以外、一日のほとんどを図書館で過ごし た。授業中活発に行われるディスカッションに参加するため、毎回、課題として挙げら れた書籍や論文以外に、それら文献に関連する論文を検索し、重要と思われる物を読ん だ。この時、図書館司書の方には大変お世話になった。
今のように、コンピュータ画面にキーワードをタイプすれば、該当する文献がリスト アップされるシステムなど存在しない、アナログ時代のことである。索引カタログの調 べ方、マイクロフィッシュの使い方など、文献検索のイロハから親切に教えて頂いた。
授業で配布された課題リストを見せ、どのような検索方法が効率的か尋ねたこともあっ た。相談する度に的確なアドバイスを頂き感じたことは、図書館司書の方の知識の豊か さと図書館司書という専門職に対するプライドの高さであった。これは、個人の努力も さることながら、多くの図書館司書が大学院で図書館学に関する専門的な教育を受けて いたことと深い関係がある。アメリカではすでにlibrary scienceという学問領域が確 立しており、図書館司書が担う役割の大きさについても、広く社会で認識されていた。
日本の図書館司書に対する認識とは雲泥の差があった。
現在、情報のデジタル化が進み、情報化社会が加速する中、日本でも、図書館学の重 要性が認識されつつある。同志社大学の図書館司書課程は長い伝統を誇り、成果を生み 出してきたが、今後、司書課程や司書教諭課程が果たす役割はより一層大きくなるであ ろう。さらなる発展と活躍を期待したい。
(あかまつ のぶひこ。免許資格課程センター所長、文学部教授)