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Academic year: 2021

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イスラム教に対する顔イメージの可視化 : ステレ オタイプ内容モデルの役割

著者 守谷 順

発行年 2017‑09

権利 著作権は日本パーソナリティ心理学会に帰属する

URL http://hdl.handle.net/10112/11492

(2)

イスラム教に対する顔イメージの可視化

ステレオタイプ内容モデルの役割

守谷順

1

1

関西大学)

キーワード:偏見,ステレオタイプ内容モデル,顔イメージ

問題

多くのメディア報道でイスラムという言葉が現れる 結果,意図せずイスラム教に対する偏見が強まってい る(Shaver et al., 2017)。偏見が強まれば,自ずとそ の対象の顔イメージもネガティブなものになることが 知られている(Dotsch, et al., 2008)。しかし,イスラ ム教に対して誰もが同じイメージであるとは限らない。

Fiske et al. (2002)のステレオタイプ内容モデルによれ ば,ステレオタイプは温かさと有能さの二次元から構 成される。したがって,イスラム教に対して個々人が 抱く温かさと有能さの違いに応じて顔イメージは変わ るか,イスラム教徒のイメージを可視化して検討した。

方法

実験参加者 大学生43名

質問紙 Fiske et al. (2002)より温かさを表す言葉6 語,有能さを表す言葉6語を用い,イスラム教徒に対 してどの程度あてはまるか5件法で回答させた。

刺激 Chicago Face Database (Ma et al., 2015)よ り60名の男性の顔を平均化し,さらにランダムなノイ ズを足した写真と引いた写真のペアを200用意した。

手続き ペアとなる写真を画面の左右に1枚ずつ提 示した。実験参加者には,どちらがよりイメージする イスラム教徒に近いかキー押しで答えてもらった。そ の後,選ばれた写真をもとに逆相関法を用いて,各参 加者のイスラム教徒の顔イメージを可視化した。

分析 温かさ,有能さの得点からクラスター分析し,

4 つのグループに分類。各グループで可視化された顔 イメージを平均化し,それぞれの顔写真の印象を他の 参加者104名に評定させた。評定では川西(1993)よ り社会的望ましさ(誠実な),個人的親しみやすさ(明 るい),活動性(積極的な)を用い,得点を算出した。

結果

クラスター分析の結果,イスラム教徒に対して①平

均的な印象群(平均群),②有能だけど冷たい印象群(有 能冷群),③温かい印象群(温群),④能力が低く冷た い印象群(無能冷群)に分けられた。各グループがイ メージした顔に対する印象に対し,分散分析の結果,

個人的親しみやすさで主効果が見られ(F (3, 309) = 6.44, p < .01, ηp2 = .06),温群の顔イメージは平均群,

有能冷群の顔イメージよりも個人的親しみやすさ得点 が有意に高かった(図1)。活動性も同様に,温群の顔 イメージは平均群,有能冷群の顔イメージよりも有意 に得点が高かった。

2 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6

平均群 有能冷群 温群 無能冷群

個人的親しみやすさ

図1 各群の顔イメージへの個人的親しみやすさ得点

考察

イスラム教に対して温かい印象を持つ参加者が抱く イスラム教徒の顔イメージは,より個人的親しみやす く,さらに活動性が高いことが分かった。イスラム教 に対する偏見が弱くなれば,それに応じてイスラム教 徒への顔イメージもポジティブなものになると考えら れる。しかしながら,社会的望ましさには影響はなく,

ステレオタイプには影響されないことが分かった。

謝辞

本研究は平成 27 年度関西大学若手研究者育成経費

(個人研究)において,研究課題「偏見による顔イメー ジの変化とその操作」として研究費を受け,その成果 を公表するものである。

(MORIYA Jun)

参照

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