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「シェーン」事件最高裁判決 について

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(1)

「シェーン」事件最高裁判決 について

奥 那 弘 司

研究論文

1 事案の概要

原告xlは米国の映画会社 である。Xlは、 「シェー ン」 と題す る映画 (以下、

本件映画)の著作者 であ り、本件映画の著作権 を現 に有 してい る と主張 してい る。Xlは、本件映画 に関す る 日本 にお け る恒 久的 な全 メデ ィアの独 占的利 用 権 を訴外会社Aに与 え、Aは昭和48年 (1973年)、 日本 の映像 コンテ ンツ製作会 社 である原告x2に、前記権利 を譲渡 した。

著作権 の存続期間が満 了 した映画の映像素材 の販売等 を行 う日本 の会社であ る被告ylは、本件 映画 を収録 したマ ス ター ・フイル ムを製造 し、 同 じく著作 権 の存続期 間が満 了 した映 画 をDVD化 して販 売等 を行 う日本 の会社 であ るY2 に、前記マ スター ・フイル ムを販 売 した。Y2は購入 したマ ス ター ・フ イル ム を基 に、本件DVDを製造 し、販売 してい る。

Xlは、Ylに よるマ ス ター ・フ イル ムの製造販売お よびY2に よる本件DVDの 製造販 売がXlの著作権 を侵 害す る として、Ylに よるマ ス ター ・フ イル ムの販 売差止 めお よび廃棄 、Y2に よる本件DVDの製 造販 売 の差止 めお よび廃棄 を求 めた。 またx2は、Ylお よびY2の行為 がx2の有す る本件映画に関す る 日本 にお ける恒久的な全 メデ ィアの独 占的利用権 を害す る として、不法行為 に基づ く損 害賠償 の支払 を求 めた。

Xlお よびx2の前記請求 に対 して、Ylお よびY2は、本件映画の著作権 は既 に その存続期間 を満 了 して消滅 してい る と主張 した。

(2)

国 際経 営 フォー ラムN().19

2

争点

本件 にお ける争点の内、最 高裁 まで持 ち込 まれ たのは、本件映画 の著作権が 存続 してい るか否 か とい う点であった。

xlらは、本件 映画 は昭和28年 (1953年) に米国で公表 され た 旨主張 してい たが、独創性 の あ る映画 の著作物 の内、昭和28年 に団体名 義 で公表 され た物 (以下、昭和28年公表映画) は、本来な ら公 表後50年が経過す る平成15年 (200 3年)未で著作権 が消滅す るはずである1。 しか し、映画の著作物 についてその 保護期間を公表後70年 に延 長す ることを定めた著作権法の一部 を改正す る法律 (平成15年法律第85号。平成16年 (2004年)1月1日施行。以下、本件改正法) によって改正 され た著作権法 (以下、改正著作権法)が、昭和28年公表映画 に 対 して適用 され るな らば、その著作権 は平成35年 (2023年)末 まで存続す るこ

ととな る。

この点、昭和28年公表映画に改正著作権法の適用があるか否 かは、同法の時 間的適用範 囲を定める本件改正法附則 2条 「改正後の著作権法 ‑・‑・第 54条第1項の規定は、 この法律の施行 の際現 に改正前の著作権法 に よる著作権 が存す る映画の著作物 について適用 し、 この法律 の施行 の際現 に改正前の著作 権法 に よる著作権が消滅 してい る映画の著作物 については、なお従前の例 によ る。」 の解釈 に よるこ ととな る よ り端的 にい えば、平成15年末 で著作 権 の存続期 間が満 了す る昭和28年公表映画 が、 「この法律 の施行 の際」す なわ ち平成16年1月1日において、 「現 に改正前 の著作権法 による著作権 が存す る」

映画の著作物 に当た るか否かが問題 となったのである。

3

東京地裁判決 (平成

18年10

6

日 :請求棄却)の要旨

以下では、本件最高裁判決 を理解す る前提 となる、東京地裁判決お よび知財 高裁判決 をそれぞれ紹介 した上で、本件最 高裁判決の判 旨にすすむ こととす る。

3‑1 保護期間の起算点

東京地裁 は、Xlを本件 映画 の著作者 と した上で、米 国著作権 局作成 の著作

188

(3)

研 究論 文

シェーン」事件最 高裁判決 について 権登録証明書 にお いて、本件 映画 が最初 に米 国で公 開 され た 日が昭和28年5月 27日と記載 され てい る ことを踏 まえて、本件 映画 は同 日に公表 され た もの と判 断 した。

次 に東京地裁 は、本件映画 が、 旧法 にい う独創性 のあ る映画 の著作物 であっ て、Xl名義 で公 表 され た もので あ る事実 を踏 ま えて、本件 映 画の保護期 間 を、

公表 の翌年 であ る昭和29年 か ら起算す る もの と し、本件 改正法 に よる改正前 の 段 階では、 「本件 映画 の著作権 は ‑‑ ‑平成15年12月31日が終 了す るまでの間 存続す る こ ととなった ‑ ・‑。」 と判 断 した。

なお 、以上 につ いては、知財 高裁判決 で も、 また最 高裁 判決 で も、異 な る判 断 は示 され ていない。

3‑2 平成15年改正法 の適用 の有無

(1)「本件 映画 につい ては,上記 の とお り,平成15年12月31日の終 了 を もっ て著作権 の存続期 間が満 了 してお り,平成16年1月1日の時点で著作権 が消滅 してい るか ら,改正著作権 法54条1項 は適用 され ない と解 され る。」

( 2)

「改正前著作権 法54条1項 に基づ く本件 映画 の存続期 間の満 了点 で あ る 平成15年12月31日午後12時 は,本件 改正法 が施行 され た平成16年1月1日午前 零時 と同時刻 であ るか ら,本件映画 の著作権 は,本件改正法 が施行 され た際存 続 してお り,改正著作権 法54条 1項 が適用 され て,同著作権 は,公表後70年 を 経過 す るまでの間,す なわ ち, 平成35年12月31日まで存続 す る」とす るXlら の主張 に対 しては次 の よ うに理 由を示 して退 けた。

① 「著作権法 にお ける映 画の著作物 の著作権 の存続期 間は,年 に よって定め られ てい るか ら‑‑・その期 間はその末 日の終 了に よ り満 了 し‑‑‑その期 間の認 定 は 日を単位 と して され ,一 方,改正著作権法 の適用 の可否 の基 準 とな る本件 改正法 の施行 日も 日を もって定 め られ てお り=‑‑改正著作権法 の適用 区分 の認 定 も 日を単位 と して され る ところ, この よ うに, 日を単位 として見れ ば,平成 15年12月31日と本件 改正法 の施行 日であ る平成16年1月1日とは異 な る ことに な り,両者 に重 な りも認 め られ ない とい うべ きであ るか ら,本件 改正法が施行 され た時点では,平成15年12月31日は既 に終 了 してお り, この 目に著作権 の存

(4)

国際経営フォーラムNo.19

続期間が満了す る映画の著作物は,既 に消滅 していると解す るのが相 当である。」

②所得税 法や行 政事件 訴訟 法 の改正 を例 に、それ らの場合 に、Xlらの前記 主張 を採用す る と、不 当な解釈 を導 くことにな るため、 「他 の改正法 にお ける 経過 規定 に関す る附則 の解釈 との整合性 の観 点 か らも,Xlらの前記解釈 は採 用できない。」

(3) 「立法者意思 を根拠 と して,平成15年12月31日に著作権 の存続期 間が満 了す る本件映画の著作権 は,本件 改正法が施行 された際存 してお り,本件映画 に対 して,改正著作権法 が適用 され る とす るXlらの主張 に対 しては、次の よ うに述べて退 けた。

「本件改正法の法律案 が国会に提 出 され た際 に示 された提案理 由の うち,吹 画の著作物 の著作権 の保護期 間を延長す ることについての提案理 由は,映画の 著作物 の著作権 の保護期間が他 の著作物 の著作権 の保護期間 よ り短 く,また, 他 の先進諸国にお ける映画の著作物 の著作権 の保 護期間は一般 に 日本 よ りも長 い とい う状況 を踏 まえて,映画の著作物 の著作権 の保護期間を延長 して映画の 著作物 の保護 を強化す る とい うものであ り,いわゆる 日本映画の黄金期 に公表 された各作品の著作権 の消滅 を防 ぐとい う点, さらに具体的 には,昭和28年 に 公表 され た映画の著作権 の消滅 を防 ぐとい う点は,提案理 由 として挙 げ られて いなか ったのであるか ら,国会 にお ける審議 において,昭和28年 に公表 され た 映画の著作権 の存続期 間が満 了す ることを防 ぐことの必要性 に関す る議論はな

され ていた もの とは認 め られ ない。」

また,文化庁文化審議会著作権分科会法制問題小委員会 において、当初 、昭 和20年代後半の作品の著作権 の消滅 を防 ぐ必要性 についての説 明 もな された も のの,審議 を経 た後最終的 に示 され た保護 期 間延長 の理 由 としては、 「他 の著 作物の著作権 の保護期間 との不均衡 の是正 を図 ることが強調 され, 日本映画の 黄金期 である昭和20年代後 半の作品 (と りわけ昭和28年 に公表 され た作品)の 著作権 の消滅 を防 ぐとい う点は挙 げ られ ないまま審議 が行 われ,最終的に映画 の著作物 の著作権 の保護期間の延長 に対す る各委員か らの賛 同が得 られた。

この よ うな経緯 か らすれ ば,同小委員会 において も, 日本映画の黄金期 であ る昭和20年代後半の作 品の著作権 の消滅 を防 ぐとい う点は,映画の著作物 の著

190

(5)

研 究論文

シェーン」事件最高裁判決 について 作権 の保護期 間の延長 とい う法律 改正 にお いて,その明確 な 目的 とは され てい なか った とい うべ きであ る。

そ して,本件証拠 上,前記 ‑で認 定 した ほか に,本件 改正法の立法過程 にお いて,昭和28年 に公表 され た映画 の著作物 の著作権 の消滅 を防 ぐこ との必要性 に関す る議論 がな され た よ うな事情 は認 め られ ない。

したが って,本件 改正法 の制 定 の際の国会 の審議 にお いて,昭和28年 に公表 され た映画 の著作物 の著作権 の存続期間が満 了 して しま うとい う点 を考慮 して, それ を防 ぐための必要性 が議論 され た とは認 め られず ,その観 点か ら本件改正 法附則2条1項 の解釈 につ いて議論 が され た とも認 め られ ないか ら,昭和28年 に公表 され た映画 の著作物 の著作権 の存続期 間が満 了す るの を防 ぐこ とが本件 改正法 の制 定時の立法者意思で あ る とい うXlらの主張 には,理 由がない。」

(4)「45年 改正 法附則2条1項 の解釈 と しては,45年 改正法 が施行 され た昭 和46年1月1日の前 日であ る昭和45年12月31日に著作権 の存続期 間が満 了す る 著作物 に対 して も改正前著作権法 が適用 され る との解釈 が確 立 され てい る とこ ろ,改正前著作権法54条 1項 と改正著作権法54条 1項 とは,著作権 の存続期 間 が満 了 しそ うになってい る著作物 を救済す る とい う同一 の 目的で制定 ない し改 正 され たのであるか ら,45年改正法附則2条1項 と本件 改正法附則2条 とで異 な る解釈 をすべ きではない」 とす るXlらの主張 に対 しては、「45年改正法 附則 2条1項 の解釈 としては,前記イ (筆者 注 :前記 (2)②)で判示 したの と同 じ理 由か ら,同法の施行 日の前 日で ある昭和45年12月31日に著作権 の存続期 間 が満 了す る著作物 に対 しては, 同法 は適用 され ない と解す るのが文理解釈 と し て相 当であ る。」 と して容れ なか った。

また、 「旧著作権 法 下 にお け る 4回 にわた る暫 定延長措 置 と45年 改正法制 定 の経緯 を指摘 して,昭和45年12月31日に著作権 の存続期 間が満 了す る著作物 に も改正前著作権 法 が適用 され る」 とす るXlらの主張 に対 しては、 「旧著作権 法 下 にお いて‑‑‑4回 にわた り実施 され た暫 定的 な著作権 の保護期 間の延 長措置 は,新 たな法律 の成 立 に必要 な時間 を考慮す る と,著作権 の存続期 間の満 了が 間近 に迫 ってい る著作物 に限定せず に,概 ね数年以 内に迫 ってい る著作物 につ いて,その存続期 間 を延長す るこ とを 目的 と した もの と解す るのが合理 的であ

(6)

国際経営フォーラムNo.19

り,上記各暫 定措置 を受 けて制 定 され た45年改正法及 び 同法附則2条1項 も, 同趣 旨を 目的 と してた (ママ) もの と解 され るか ら,上記 の延長措置及 び改正 法制 定の経緯 が,本件改正法附則2条 につ いての前記解釈 を左右す るものでは ない。」 と して退 けた。

4

知財高裁判決 (平成

19

3

29

日 :控訴棄却)の要旨

4‑ 1 保護期 間の起算点

この点 については、3‑1で も触れ た よ うに、東京地裁 の判示 を肯定 した。

4‑2 平成15年改正法 の適用 の有無

(1)「本件 映画 の著作権 は ‑ ‑‑平成15年12月31日の終 了 を もって,存続 期 間の満 了に よ り消滅 す る。 そ うす る と,本件 改正法 が施行 され た平成16年1月 1日においては,改 正前の著作権 法 に よる本件映画の著作権 は既 に消滅 してい るか ら,本件 改正法附則2条 の規定 に よ り,改正著作権法54条1項 の規定 は適 用 され ない。」

(2)改正前 の著作権法に よる本件映画の著作権 の存続期間の満 了点 である平 成15年12月31日午後12時 と平成16年1月1日午前零時 とが同時刻 で あ るこ とを 理 由 とす るXlらの 主張 に対 して は、東 京地裁 の判 決

( 3‑2

① ) と同様 の論 理 で これ を否 定 した。

(3)本件改正法の 「立法者意思 ,本件 改正法附則2条 の趣 旨及 び映画 ビジネ スに対す る影響等 にかんがみ る と,本件改正法附則2条 l項 の 「施行 の際現 に」

とい う文言 は 「平成16年1月1日午前零 時の直前 まで」とい う意 味で あ (る)」 とす るXlらの主張 については、以下の よ うな理 由を示 して退 けた。

(D 立法者意思 に関 しては、東京地裁判決 の対応 す る部分 を引用 した上で、

「当審 にお いてXlらが提 出 した ・‑ ‑ ・ (第156回 国会参議 院 文教科学委員会会 議録第14号)及 び ・‑ ・‑ (第156回国会衆議 院文部科学委員会議録第18号) に よれ ば, 上記改正案 は,参議院 文教科学委員会及び衆議院 文部科学委員会 に付

192

(7)

研 究論 文

シェーン」 事件 最 高裁判 決 につ いて

託 され て審議 され た こ とが認 め られ るが,その審議 にお いて,昭和28年 に公表 され た映画 の著作物 の著作権 の消滅 を防 ぐこ とについて特段 の質疑,討 論等 が 行 われ た形跡 はない。」 旨言及 した後 、 「本 件改正法 において,映画 の著作物 の 著作権 の保護期 間 を公表後50年 か ら70年 に延長す るに当た り,その施行 白眉こ公 表 され た映画 の著作物 の著作権 の保護期 間 を も公表後70年 に延長す るか否 かは 立法政策 の問題 であ る。 ‑‑‑本件映画 の よ うな昭和28年 に公表 され た映画 の 著作物 の著作権 は,本件 改正法 の施行 日の前 日である平成15年12月31日の終 ア を もって,存続期 間の満 了 に よ り消滅す る ものであ る ところ,本件改正法 の経 過規 定 は, あえて,施行 期 日を平成16年1月1日と し (附則1条), 同 日にお いて,改正 前の著作権法 に よる著作権 が消滅 してい る映 画の著作物 につ いては 改正著作権法54条1項 の規 定 を適用 しない もの と した (附則2条) のであ るか ら,個 々の国会議 員 の認識や 内心 の意思 は ともか く,上記経過 規定 自体か ら推 知 され る立法者意思 としては,昭和28年 に公表 され た映画 の著作物 については, そ の著作権 の保護 期 間 を延 長 しない とい うもので あ った とい うはかない。」 と

した。

② xlらは、(i)「施行 の際現 に とい う文言 は、施 行 の直前 を含 め る もの で あ る こ と、(ii)またそ の よ うに解 しない と本件 改正法 附則 2条 が意 味 をな さ ない こ と、(iii)本件 改正法附則2条の 目的 、(iv)昭和45年 改正法 の附則2条 との 整 合性 、の4点 も理 由 と して挙 げたが、裁判所 はいずれ につ いて も退 けた。

( i

)xlらは、

「施行 の際現 に」 とは,平成16年1月1日午前零時 の直前 ま で を意味す る もの と捉 えるのが正 しい解釈 であ る と主張 (した)」が、 「本件改 正法附則 1条 は,本件改正法 の施行 の時点 を 目を単位 として定 めた ものである か ら,本件 改正法附則2条の 「施行 の際」 とい う文言 を,平成16年1月1日午 前零時の直前,す なわ ち,平成15年12月31日午後12時の直前 を も含 む もの とし て理解 す る こ との合理性 は, 兄いだ し難 い ところで あ り, 同様 に, 「施行 の際 現 に とい う文 言を,平成16年1月1日午前零時の直前,す なわ ち,平成15年 12月31日午後12時の直前 まで を意 味す るもの と して理解 す る ことの合理性 も, 兄いだ し難い ところであ る。」 とされ た。

(ii)xlらは、

「この法律 の施行 の際」を平成16年1月1日午前宥時 と置 き 換 えて も, 「改正前 の著作権 法 に よる著作権 」 は平成16年1月 1日午前零 時 に

(8)

国際経営フォーラムNo.19

は存在しないので,「平成16年 1月 1日午前零時に存する改正前の著作権法に よる著作権Jというものは観念し得なし、から,本件改正法附則 2条にいう「施 行の際現にJとは,平成16年1月1日午前零時の直前までと読むのが正しいと 主張(した)Jが、「改正前の著作権法は本件改正法が施行された平成16年 1月 1日午前零時には存在しないものであるが,改正前の著作権法による著作権が,

本件改正法の施行により当然に消滅するというわけではなし、から,「平成16年 1月 1日午前零時に存する改正前の著作権法による著作権」というものを観念 することはできるのであって,本件改正法附則 2条においても,「施行の際現 にJの文言を平成16年 1月 1日午前零時の直前までと読み替える必要はないの である。」とされた。

(iii)  Xlらは、「著作権取引の安全を害し、社会や人々に不測の損害を与え ることJを回避するために、「本件改正法附貝IJ2条は,「公有著作物の保護復活 の禁止Jを定める規定であると解されるところJ、昭和28年公表映画には「本 件改正法の施行までの聞にパブリックドメインとなった期間が存在しなしリ以 上、その「著作権については,改正著作権法への「乗り移り」(更新)を認め ても差し支えなしリ旨主張したが、「本件改正法附員jl2条が「公有著作物の保 護復活の禁止」を定める規定であると解することができるとしても,同条は,

本件改正法の施行日である平成16年 1月 1日において,改正前の著作権法によ る著作権が消滅している映画の著作物については改正著作権法54条1項の規定 を適用しないものとしたのであるから,このような文理の本件改正法附則2条 の下において,本件映画のように,平成15年12月31日の終了をもって存続期間 が満了する昭和28年に公表された映画について改正著作権法54条1項の規定を 適用して保護期間を延長することが,著作権取引の安全を害し,社会や人々に 不測の損害を与えることがないとまではいうことができない。そして,本件改 正法附員

I J l

条は,本件改正法の施行期日を,昭和28年に公表された映画の著作 物の著作権の存続期間が満了する平成15年12月31日の翌日である平成16年 1月 1日としたのであるから,本件改正法附則2条が「施行の際現に」としづ文言 を使用したことをもって,昭和28年に公表された映画の著作物について,改正 著作権法への「乗り移りJ(更新)を認めても差し支えないとの考えによるも のであるということもできない。」とされた。

194 

(9)

研究論文

シェーン」事件最 高裁 判決 について (iv)xlらは、本件 改正法附則2条 と同様 に 「施行 の際 に現 に」 とい う文言 を用 い る昭和45年 改正法附則2条1項 では、 「昭和45年12月31日午後12時 と45 年改正法の施行時である昭和46年1月1日午前零時が同時刻であるか ら,45年 改正法の適用 を受 ける と (され てい る)」こ とを踏 まえて、本件 改正法附則 2 条 も解すべ きであ る と主張 したが、「45年改正法附則2条 は‑‑・その施行 日で ある昭和46年1月1日において,改正前の著作権法 による著作権 が消滅 してい る著作物 については改正前の著作権法の規定 を適用 しない もの とした。 昭和7 年 に死亡 した作家の著作物 の著作権 は,公表 の翌年である昭和8年 か ら起算 し て38年後の末 日である昭和45年12月31日が終了す るまでの間存続す る,す なわ ち,昭和 7年 に死亡 した作家の著作物 の著作権 は,同 日の終 了を もって,存続 期 間の満 了によ り消滅す るのであって,現行 の著作権法が施行 され た昭和46年 1月1日においては,45年改正前の著作権法 による昭和7年 に死亡 した作家 の 著作物の著作権 は既 に消滅 してい るか ら,附則 2条の規定によ り,改正前の著 作権法の規定は適用 され ない ものであ (り)」、 よって 「45年改正法附則2条1 項 の規 定があるこ とを もって,本件改正法附則 2条の規定 にお いて, 「施行 の 際現 に」 とい う文言 を施行 の直前 まで保護期 間が存続 していた著作物 について も引き続 き改正法が適用で きる とい う趣 旨に解釈 しなけれ ばな らない とい うこ とはできない。」 とされ た。

③ xlらは、本件 改正法 について広 く行 われ て きた条文解釈 に基づ き、平成 15年12月31日に著作権 の存続期間が満 了す る映画の著作物 について、著作権が 延長 され ることを信頼 して関係者が ビジネス展開を していた ことを踏 まえれ ば、

「映画 ビジネ スの 円滑な遂行や 取引安全 とい う見地 か ら、 こ うした関係者 の信 頼 は法的 に保護 され なけれ ばな らない と主張」したが、 「改正著作権 法54条 1 項の規定は,映画の著作物 の保護期間を公表後50年 か ら70年 に延長す るもので あって,その適用があるか否かによ り,著作物 を 自由に利用 できる期 間が大 き く相違す る上,著作権 の侵害行 為に対 しては,民事 上の差止 めや損害賠償の対 象 となるほか,刑事罰 の対象 ともなるのであるか ら,改正著作権法54条1項 の 規定の適用の有無は文理上明確 でなければな らない とい うべ きである。上記‑・‑ の とお り,本件改正法附則2条は,その施行 日である平成16年1月1日におい て,改正前の著作権法に よる著作権 が存す る映画の著作物 について改正著作権

(10)

国際経 営フォーラムNo.19

法54条1項 の規定を適用 し,改正前の著作権法 による著作権 が消滅 してい る映 画の著作物 については改正著作権法54条 l項の規定 を適用 しない もの とした も のであって,昭和28年 に公表 され た映画の著作物 の著作権 は本件改正法が施行 された平成16年1月1日において既 に消滅 してい るか ら,昭和28年 に公表 され た映画の著作物 について,改正著作権法54条1項 の規定が適用 され ない ことは 文理上明 らかであ (り)」、それ に反 した解釈 はで きない とされ た。

5

最高裁判決 (平成

19

12

18

日 :上告棄却)の判 旨

「‑‑・本件経過規定 (筆者注 :本件改正法附 2条) 中の 「‑の際」 とい う 文言は,一定の時間的な広が りを合意 させ るために用い られ ることもあ り,「‑ の際 とい う文言だ けに着 目すれ ば, 「この法律 の施行 の際」 とい う法文の文 言が本件改正法の施行 日である平成16年1月 1日を指す もの と断定す ることは で きない。 しか し,一般 に,法令 の経過規定 にお いて, 「この法律 の施行 の際 現 に」 とい う本件経過規定 と同様 の文言 (以下 「本件文言」 とい う。) が用い られ てい るのは,新法令 の施行 日において も継続す ることとな る旧法令 下の事 実状態 又は法状態が想定 され る場合 に,新法令の施行 日において現 に継続 中の 旧法令下の事実状態又は法状態 を新法令 が どの よ うに取 り扱 うかを明 らかにす るためであるか ら,その よ うな本件 文言 の一般的な用い られ方 (以下 「本件文 言の一般用法」 という。)を前提 とす る限 り,本件 文言が新法令の施行 の直前 の状態 を指す もの と解す ることはで きない。」

「したが って,本件 文言の一般用法 にお いては, 「この法律 の施行 の際」 と は, 当該法律 の施行 日を指す もの と解す るはかな く, 「‑の際」 とい う文言が

当該法律の施行 の直前の時点 を含む もの と解す ることはで きない。

本件経過規定にお ける本件文 言について も,本件文言の一般用法 と異 なる用 い られ方 を した もの と解すべ き理 由はな く, 「この法律 の施行 の際現 に改正前 の著作権法 による著作権 が存す る映画の著作物」 とあるのは,本件改正前の著 作権法 に基づ く映画の著作物 の保護期 間が,本件 改正法の施行 日において も現 に継続 中である場合を指 し,その場合 は当該映画の著作物の保護期間について

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(11)

研 究論文

シェーン」事件最高裁判決について は本件 改正後の著作権 法54条1項 が適用 され て原則 と して公表後70年 を経過す るまで とな るこ とを明 らか に したのが本件経過規 定であ る と解すべ きで あ る。

そ して,本件経過規 定 は, 「この法律 の施行 の際現 に改正前 の著作権 法 に よる 著作権 が消滅 してい る映画 の著作物 については,なお従前 の例 に よる」 と定 め てい るが, これ は,本件 改正法の施行 日にお いて既 に保護期 間の満 了 してい る 映画 の著作物 については,本件 改正前 の著作権法 の保護期 間が適用 され ,本件 改正後 の著作権 法の保護期 間は適用 され ない ことを念 のため明記 した もの と解 すべ きであ り,本件 改止法 の施行 の直前 に著作権 の消滅す る著作物 について本 件 改正後 の著作権法 の保護 期 間が適用 され ない ことは, この定 めに よって も明 らか とい うべ きであ る。 したが って,本件映画 を含 め,昭和28年 に団体 の著作 名義 を もって公表 され た独創性 を有す る映 画の著作物 は,本件 改正 に よる保護 期 間の延長措置 の対象 とな る ものではな く,その著作権 は平成15年12月31日の 終 了 を もって存続 期 間が満 了 し消滅 した とい うべ きであ る。」

「Xlらは,本件 改正法 の施 行後 にお いては 「改正の著作権 法」は もはや 存在 しないのであ るか ら,本件 文 言は 当該法律 の施行 の直前 の状態 を指す もの と理解 しない と, 「この法律 の施行 の際現 に改正 前 の著作権 法 に よる著作権 が 存す る映画の著作物 」 とい う規定 自体 が論理破 たん を来す こ ととな る旨主張す る。 しか し・本件 文言 は, 上記の とお り,新 法令 の施行 日において も継続す る こ ととな る旧法令 下の事 実状態又は法状態 が想 定 され る場合 に,新法令 の施行 日にお いて現 に継続 中の 旧法令 下の事実状態 又は法状態 を新法令 が どの よ うに 取 り扱 うか を明 らか にす るために用 い られ る ものであ るか ら,何 ら論理矛盾 は 存 しない。

また,Xlらは,本件 改正 法 の成 立に 当た り, 昭和28年 に公 表 され た映 画 の 著作物 の保護期 間の延長 を意図す る立法者意思が存 した こ とは明 らかであ る と して, この立法者意思 に沿 った解釈 をすべ きであ る と主張す る。 しか し,本件 経過規定 にお ける本件文言 について,本件 文言 の一般用法 とは異 な る用 い方 を す る とい うのが立法者意思 であ り,それ に従 った解釈 をす る とい うのであれ ば, その立法者意思が明 白であ る ことを要す る とい うべ きであ るが,本件改正法の 制 定に 当た り,その よ うな立法者意思 が,国会審議や附帯決議等 に よって明 ら か に され た とい うこ とはで きず ,法案の提 出準備 作業 を担 った文化庁 の担 当者

(12)

国際経営フォーラムNo.19

において,映画の著作物 の保護期 間が延長 され る対象 に昭和28年 に公表 された 作品が含 まれ るもの と想定 していた とい うにす ぎないのであるか ら,これ をもっ てXlらの主張す るよ うな立法者意思が明 白である とす ることはできない。」

6

検討2

6‑1 本件改正法附則2条の趣 旨と本件 の関連

2 争点 で も触れ た よ うに、本件 改正法附則2条 は、映画の著作物 の著作 権 の存続期間を20年間延長す ることを定めた同法の時間的適用範 囲を定める規 定である。本件では、平成15年末 に著作権 が消滅 「す る」映画 の著作物 との関 係 で、 この規定の解釈 が争われ ることとなったが、本件改正法附則2条は何 も 平成15年末に著作権が消滅 「す る」映画の著作物 のみに関係す る規定ではな く て、む しろ平成15年末までに既 に著作権が消滅 「していた」映画の著作物 に とっ て こそ意味のある規定である とい える。

例 えば、昭和27年に団体名義 で公表 され た独創性 を有す る映画の著作物 の場 合 、その著作権 は平成14年末 に消滅 して しまってい る。 したが って、平成15年 の時点では、いわゆる公有著作物 として 自由利用 が 可能 であるo しか し、仮 に 本件改正法が附則2条 を欠 く形 で制定 され 、平成16年1月1日か ら施行 されて いた とした らど うであろ うか。前記平成14年末で著作権 が消滅 した映画の著作 物 の公表 は昭和27年 であるか ら、平成16年 の時点では末 だ公表か ら70年 は経過 していない。 とい うことは、本件改正法 によって延長 され た著作権 の存続期間 内にある とい うことにな り、平成16年1月1日以降、著作権 が復活す ることに なる。言い換 えれ ば、一旦公有著作物 として 自由利用が可能 となっていた物が 再び著作権 の対象 となって しま う不合理 な状態が生 じ、法的安定性 が害 されて

しま う:3。

この点、本件改正法附則 2条は この よ うな不合理 を防いで くれ る。すなわち、

前記平成14年末で著作権 が消滅 した映画の著作物 について、本件改正法の施行 の際 に著作権 が存 しない ことは明 らかであるか ら、附則 2条に よって改正著作 権法の適用 は受 けない ことにな る。結果 、一旦公有著作物 として 自由利用が可 能 となった物 について著作権 が復活す ることもない。

198

(13)

研 究論文

シェーン」事件最高裁判決について この よ うに、法的安定性 の観 点か ら 一旦消滅 した著作権 を復活 させ ない とい うのが本件 改正法附則2条 の趣 旨4なのだ と捉 えた場合 、本件 で問題 とな った 昭和28年公表映画 は、実 は同条 との関係 では、あ る種 異質 な存在 であった とい うことがで きる。 蓋 し、昭和28年公表 映画 については、本件改正法が施行 され た時点 にお いて、そ もそ も公有 とな った期 間は実質的 には存在せ ず 、消滅 した 著作権 の復活 とい う問題 が (理論 的 には別 と して、実際 には)生 じないか らで あ る。 その意味で、本件 は本件 改正法附則2条の特殊 な適用場 面 につ いての解 釈 が争 われ た事件 であった とい える。

6‑2

学説 の状況

学説 とい って も、本件 に先 立 って昭和28年公表映画 について保護期 間の延長 を否 定 した、いわ ゆ る ロー マの休 日仮 処分事件 決 定5が出 され るまで、本件 改 正法附則2条 について議論 ら しい議論 が な され る ことはなか った。 そのため、

同条の解釈 と しては、本件 改正法 について文化庁 が行 った解説 中で示 され た も のが存在す るだ けで あ ったH。 更 に 言えば、文化庁 に よるそ の よ うな解釈 は、

昭和45年改正法 の附則2条 につ いて通説 とされ て きた、 いわ ゆ る時点 同一論7

に基づ くもの と考 え られ るが、昭和45年 改正法 の附則2条の解釈 自体 、 当時の 立法担 当者 の解 説以外 に特段 の議論 は存在せず 、それ が通説 と して受 け入れ ら れ て きた とい う状況で あったH。

したが って、以下 に紹介す る考 え方の内、 (l) の時点 同一論以外 の ものは、

ローマの休 日仮処分事件決 定 または本件東京 地裁 判決 を受 けて公刊 され た論 考 中の諸説 を整理 した ものであ る。 この内、

( 2)

の立法趣 旨論 。か ら

( 5

) の矛 盾 回避論 までは、時点 同一論以外 の観 点か ら、平成15年末 に著作権 が消滅 す る 映画 の著作物 につ いて保護期 間の延長 を肯 定す る論拠 として主張 され た もので

(1)時点同一論

平成15年12月31日午後12時 は平成16年1月1日午前零時で もあって、両者 は 同一の時点であ るか ら、本件 改正法 に よって改正 され る前の著作権 法下で著作 権 の存続期 間が平成15年12月31日に満 了す る映画の著作物 につ いて、本件 改正 法施行 の時点 (平成16年1月1日) でその権利 は末 だ消滅 していない 11

(14)

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(2)立法趣 旨論

法的安 定性 の観 点か ら、既 に公有 に帰 し自由利 用 に供 され てい る映画 の著作 物 につ いて、その権利 を復活 させ ない とい うのが本件 改正法附則2条の立法趣 旨であ る。 この点 、平成15年末 に著作権 が消滅す る映画 の著作物 の場合 、 自由 利 用 に供 され た期 間 は実質的 に存在 しな 12。 とす る と、平成15年末 に著作権 が消滅す る映画 の著作物 につ いて保護 期 間 を延長 して も、本件改正法附則 2条 の立法趣 旨に矛盾す る ことはないか ら保護 期 間は延長 され るべ きで あ る。

(3)立法者意思論

本件改正法 は、 平成15年末 に著 作権 が消滅す る映画 の著作物 について、保護 期 間 を延長 しよ うとす る意思 の もとに立法 され た ものであ るか ら、その よ うな 立法者意思 に則 って保 護期 間は延長 され るべ きであ る。

( 4

) 直前状態含意論

本件改正法附則 2条 は、 「この法律 の施行 の 日にお いて」 とい う文言 ではな く、 「この法律 の施行 の際現 に」 とい う文言を採 用 した。 この文言 は、法施行 の直前 の状態 を捉 えた ものである。 その直前 の状態 にお いて昭和28年公表映画 の著作権 は消滅 していないのであ るか ら、本件 改正法 に よって昭和28年公表映 画に対す る保 護が延長 され る

(5)矛盾回避論

「この法律 の施行 の際現 に」 とい う文言 と 「この法律 の施行 の 日において」

とい う文言 とが 同義 で あ る と仮 定す る と、 「この法律 の施 行 の 目」 には、本件 改正法 に よって著作権法 は既 に改正 され て しまい改正前 の著作権 法は存在 しな いか ら、改正 前の著 作権 法 に よる著 作権 を概 念す る こ とはで きな くな り、 「こ の法律 の施行 の際現 に改 正前の著 作権法 に よる著作権 が存す る映画 の著作物」

とい う本件改正法附則2条の規定は矛盾 した こ とを定 めてい るこ とになって し ま うO この よ うな矛盾 が生 じるのは、 「この法律 の施行 の際現 に」 とい う文言 を 「この法律 の施行 の 「吊こおいて」 とい う文言 と同義 と解す るか らに他 な らな い。 つ ま り、 「この法律 の施行 の際現 に」 とい う文 言を意 味 の あ る もの とす る ためには、同文言 は、改正 前の著作権 法が概念 で きる改正著作権 法施行 直前の 状態 を指す もの と解すべ きであ り、そ う解 した場合 、直前状態含意論の説 くよ

うに保護 が延長 され るこ ととな る。1{

200

(15)

研 究 論 文

シェーン」事件最 高裁判決 について (6)延長否定論

延長 を否定す る見解11は、基本 的 に、 ローマの休 日仮処分事件決定等 を支持 す るものであ り、文理解釈 を重視す る もの とい うことができる。

6‑3

判決の論理 と延長肯定論 の関係

東京地裁判決、知財高裁判決、そ して最 高裁判決 と、本件 に関す る全ての判 決 に共通 してい るのは、 「この法律 の施行 の際現 に」とい う文言 を重視 した上 で、それ は 目を単位 と して捉 えるべ きものであ る と考 え、 「この法律 の施行 の 目にお いて」 とい う文言 と同義 であ る と解釈 してい る点 であろ う15 そ して、

この よ うに解釈す る限 り、昭和28年公表映画の著作権が消滅す る平成15年12月 31日と、本件改正法の施行 日である平成16年1月 1日が 日を異にす る以 上、昭 和28年公表映画の著作権 について、改正著作権法に よって延長 され た存続期 間 は適用 され ない と考 える方が 自然 な理解 とい うことになる。

また、 上記の よ うな解釈 に立っ限 り、時点同一論以下の論拠 によって延長 を 肯定す ることは難 しいo まず 、裁判所 が本件改正法附則2条の文言 を重視す る 立場 を とる以上、立法趣 旨論や 立法者意思論 の分 は悪 い。 さらに、 「この法律 の施行 の際現 に」とい う文 言を、 日を単位 として把握す る以上、時点同一論 は 退 け られ る し、それ を 「この法律の施行 の 日において」 と同義 と解す る以上 、 直前状態含意論は採 り得 ない。 また矛盾 回避論は、直前状態含意論 を補強す る

ものであるか ら、後者 が受 け入れ られ ない以上意味がない。

実際、知財 高裁判決 において、既 に、時点同 一論以下の延長肯定論 は全て退 け られ て しまっていた。 そ して最高裁判決 で も、時点 同一論、立法者意思論 、 直前状態含意論 、矛盾回避論 のいずれ も容れ られ なかった。 立法趣 旨論 につい ては言及 され ていないが、最 高裁判決が、立法者意思 に基づ く解釈 を行 う前提 として、それが国会審議等 で明 白になってい るこ とを求 める極 めて厳格 な立場 を採 ってい ることを前提 にす るな ら、本件 において最 高裁が立法趣 旨論 に基づ く解釈 に理解 を示す とは思われ ない。確 かに、本件改正法附則 2条の立法趣 旨 が、公有著作物 について著作権 に よる保護 の復活 を阻止す ることにあるのは明 らかである。 しか し、先 に触れ た よ うに、同条 と昭和28年公表映画の関係 は特 殊 な ものである。す なわ ち、昭和28年公表映画 については、実質的な意味で公

(16)

国際経営フォーラムNn.19

有 となった期間は存在 しない。 そのため、公有著作物 に対す る著作権 に よる保 護復活の阻止 とい う本件改正法附則2条の立法趣 旨か らは、昭和28年公表映画 をいかに扱 うべ きかについて何 らの方向性 も示唆 され ないのである16。 つ ま り、

立法趣 旨論 の説 くよ うに延長 を肯定す るこ とも、一方でその逆 も、いずれ の場 合 もあ り得 る状態 なのである.その よ うな状態で‑ 立法者意思 に基づ く解釈 を行 う前提 として、立法者意思が 「明 白な」 ことを求 める‑ 最高裁 が、立法 趣 旨論 によって延長肯定の結論 を採 る とは思われ ない。

ま とめ る と、 文理 を重視 して、 「この法律 の施 行 の際現 に」 とい う文言 が

「この法律 の施行 の 目において」 とい う文言 と同義 である と解す る立場 に立つ 限 り、保護の延長 を肯定す ることは難 しい。 また、それ が裁判所 の一貫 した姿 勢であった とい うことがで きる。

6‑4

い くつかの疑問

ただ、裁判所 のそ うい った解釈姿勢 に全 く問題 とい うか疑問がないわけでは ない。

まず 、文理解釈 についてである。裁判所 は 「この法律 の施行 の際現 に」 とい う文言が 「この法律の施行 の 目において」 とい う文言 と同義 だ としたが、文理 の問題 として本 当にそ うとしか解釈 で きないのだ ろ うか。 この点、暫定延長措 置に関す る法律の附則 の文言 の ことを考 える と若干 の疑問が残 る。

例 えば、昭和37年 4月5日法律第74号の附則 は、 「この法律 は‑‑‑この法律 の施行前 に著作権の消滅 した著作物 については、適用 しない」 と定 めてい る。

この規定の意味す る ところ と、本件 において裁判所 が一貫 して説 く結論 とは異 な る ところがない。 蓋 し、 目を単位 として考 える以上、 「この法律 の施行 の 目 において著作権 が消滅 してい る」とい うこ とは、 当然 、 「この法律 の施行前 に 著作権 が消滅 してい る」 とい うこ とにな るか らだ。 ただ、そ うだ とす る と、

「この法律 の施行 の際現 に著作権 が消滅 してい る とい うこ とは 「この法律 の 施行 の 目において著作権 が消滅 してい る」 とい うことと同義である と同時に、

「この法律 の施行 前 に著作権 が消滅 してい る」 とい うこととも同義 とい うこと にな って しま う しか し、 常識 的 な 日本語 の問題 と して、 「目にお いて」 と

「前 に」と 「際現 に」の3つが同義 とい うのは疑問 を持 た ざるを得 ない。

202

(17)

研 究論 文

シェーン」事件最 高裁 判決 について ところで、文理解釈 に関 しては別 の疑問 もあ る。す なわ ち、本件 で裁判所 が 示 した文 言に こだわ る姿が、著作権 関連 の従 来の裁判例 の傾 向 と一致 してい る だ ろ うか とい う点 であ る○例 えば、いわゆ るカ ラオケ法理 を採用 した裁判例 は 少 な くないが、そ こでは、物理 的 な侵 害者 でない者 を侵 害者 と捉 えるこ とにな る。 しか し、 もし著作権法の規定の文理解釈 を重視す るのな ら、果 た してその よ うな把握 は可能 だ ろ うか。 また、ペ イ ン トバ ス事件 〔東京地判 平成13年7月 25日判 時1758号137頁〕や 、雪月花事件 〔東京 高判 平成14年2月18日判 時1786 号141頁〕 は ど うで あ ろ う。 規 定 の文言 を重視す る とい う本件 にお け る裁判所 の解釈態度 自体 は否定 され る ものではないが、何故本件 ではそれ が強調 され る のか、それ とも今後 はそ うい った方向に進 んでい くのか、な ど分 か らない点 は 少 な くないo この点 につ いては、保護期 間 とい う画一的な処理 が望 ま しい事項 と、あ らか じめ外延 を明確 に特 定 Lがたい事項 とでは 自ず か ら異 なって くる旨 指摘 され てい る ところではあ るが17、そ の よ うな形 で整理 がで きてい くか、今 後 の裁 判例 の状況 に注 目す る ことが必要 だ ろ う。

次 に、立法者意思 に基づ く解釈 に対す る厳格 な立場 についての疑問で ある。

確かに、常に、法律 の文言 よ りも立法者意思が重視 されて解釈 され ることは‑

そ もそ も何 が立法者意思か を明確 にす る こ とが難 しい ことも相 まって‑ 法的 安定性 が害 され る可能性 を否定で きず 、決 して望 ま しい とはい えない。 しか し、

一方で立法者意思 を全 く考慮 で きない とい うの も行 き過 ぎであろ う。 この点 、 本件最 高裁判決 は、立法者意思 を探 る場 を、 ほ とん ど国会審議のみ に限 って し まった上 に、それ が 「明 白な」こ とまで求 めてい る。 この結果 、我 が国の国会 審議 の一般 的 なあ り方 も踏 まえれ ば、極 めて高いハー ドル を設 定 した形 とな っ てい る。仮 に この考 え方が一般 化 され るな ら、今後 立法者意思 に基づ く解釈 は 実質的 に封 じられ るこ とにな って しまいかねず 、厳 しす ぎるのではないか との 疑 問が湧 くところであ る。

ただ、本件最高裁判決 の説 くところを制 限的 に理解す るな ら、それ はあ くま で も、立法者意思 に基づ いて、文理 か ら導かれ る もの とは 「異 な った」解釈 を す る場合 にのみ 当て は ま る もの と解 す る こ とが で き る。 そ うで あ るな らば、

「異 なった」解釈 ではな くて、た とえば 「補足」 した り、 「明示」 した りす るよ うな解釈 の場合 は、本件最高裁判決 の設 定 した高いハー ドル は求 め られ ない と

(18)

国際経営フォーラムNo.19

考えることができる。もっともこのように解したとしても、「異なった」と

「補足Jや「明示Jの境界をどこに設定するのか、という点はさらに検討され る必要があろう。

6‑5 

本件最高裁判決の影響

本件最高裁判決の及ぼす影響について検討しておきたい。具体的には、いわ ゆる格安DVD等に関して現在争われている事件への影響、昭和45年改正法附 員jl2条1項の解釈に与える影響、そして、法解釈一般に与える影響の3点であ

る。

( 1 ) 他の格安D

D事件に与える影響

本件最高裁判決は、「昭和28年に団体名義をもって公表された独創性を有す る映画の著作物は、本件改正による保護期間の延長措置の対象となるものでは なく、その著作権は平成15年12月31日の終了をもって存続期間が満了し消滅し たというべきである。Jという具合に、わざわざ「昭和28年に団体名義をもっ て公表された独創性を有する映画の著作物」と念押ししている。これは、昭和 28年以前に個人名義で公表された(または、と主張されている)独創性を有す 映画の著作物について、その著作権の存続が争われている事件18に対して、無 用の混乱を与えまいとする配慮、と考えられる。

もっとも、理論的には、平成15年の時点で、監督が存命であった場合も考え られなくはないぐらいであるから19、そもそも、監督等の個人名義で公表され た独創性のある映画の著作物については、平成15年末の時点で著作権の消滅を 議論する必要性は少なし1へ したがって、最高裁の慎重な言い回しにかかわら ず、この点において本件最高裁判決の射程は極めて限定的であるといえよう。

(2)  昭和45年改正法附則2条の解釈に与える影響

例えば昭和45年改正法附則2条1項は、「改正後の著作権法・一一−中著作権に 関する規定は、この法律の施行の際現に改正前の著作権法一・・ーによる著作権の 全部が消滅している著作物については、適用しなしリ旨定め、本件改正法附則 2条と同様に「この法律の施行の際現にJとしづ文言を使用している。従来、

昭和45年改正法附則 2条の解釈にあたっては、時点同一論が通説として受け入 れられてきたところ、本件最高裁判決を契機として、昭和45年改正法附則2条

204 

(19)

研 究論 文

シェーン」事件最 高裁 判決 について の解釈 について も同様 に解すべ き となるよ うに も思われ る。

しか しなが ら、本件最 高裁判決が、①東京地裁判決や知財 高裁判決 と異な り、

昭和45年改正法附則2条の解釈 について何 ら言及 していない こと、② 「本件 文

の一般用法 と異 な る用 い られ方 を した もの と解すべ き理 由はな (い)」との表 現か ら、理 由によっては一般用法以外 の解釈 を許容す る場合があることを完全 には否定 していない と解せ ること、④ 「本件 文言 の 一般用法 とは異な る用 い方 をす る とい うのが立法者意思であ り,それ に従 った解釈 をす る とい うのであれ ば・その立法者意思が明 白であることを要す る とい うべ き」 とい う言い回 しは、

明 白な立法者意思が存在す る場合 に異なる解釈 をす る余地 を残 してい る と考え られ ること、等 を踏 まえる と、事実関係 次第 では、昭和45年改正法附則2条 に ついて、本件改正法附則 2条について とは異な る結論が導かれ る可能性 が残 さ れてい る とも考 え られ 、本件最高裁判決 の結論 は、昭和45年改正法附則 2条の 解釈 を直接的に左右す る ものではない といえる。

もっ とも、昭和45年改正法附則2条の解釈 は、従来時点 同一論 のみ に基づい て展開 され てきた ところ、今後は本件最高裁判決 によって示 され た枠組 み を前 提 にすべ きこととなった点 を考 えれ ば、本件最 高裁判決 の与 える影響が少 な く ない こともまた事実であるJl

( 3)

法解釈一般 に与 える影響

6‑4で も指摘 した よ うに、本件最高裁判決 は立法者意思に基づ く解釈 を行 う前提 として、極 めて高い‑一 ドル を課 した。 もっ とも、 これ も既 に指摘 した よ うに、そのハー ドル は、あ くまで も、立法者意思 に基づいて、文理 か ら導か れ る もの とは 「異 な った」解釈 をす る場合 にのみ適用 され る ものであ り、 「異 なった」解釈 ではな くて、例 えば 「補足」した り、 「明示」 した りす るよ うな 解釈 の場合 には適用 され る ものではない と考え られ る。 そ して仮 にその考 えが 正 しい とす るな ら、本件最高裁判決が法解釈一般 に与 える影響 も限定的な もの とい うことがで きるだろ う。

しか し仮 にそ うではなか った場合、 または今後 の裁判例がそ うい った限定 を 置かず に本件最高裁判決 を援用 し始 めた とき、影響 は広範 な もの となろ う。

いずれ に して も、 この間題 は、著作権法の解釈 の範囲に留 まるものではない。

(20)

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その意味では、本件最高裁判決の意義は大きい。

;王

1 旧著作権法22条の 3および 6条の規定によれば、独創性のある映画の著作物の内、団体 の著作名義で発行または興行された物の著作権は、発行または興業から30年間存続する

(なお、昭和42年(1967年)および昭和44年(1969年)の暫定延長措置により、最終的には 33年間に延長された)旨を定めていた。また、旧著作権法を全部改正し、昭和46 (1971 11日から施行された昭和45年改正法は、映画の著作物の著作権は公表から50年間 存続する旨を定めているところ、同法は、その附則2条の規定に基づき、同法施行の際現 に著千権が存する著作物についてのみ適用される。

昭和28年公表映画の著作権は、暫定延長措置も含めた旧法の規定に基づけば、昭和61 (1986年)末まで存続するため、昭和45年改正法施行の昭和4611臼には、現に著作権 が存する著作物であるといえるから、同法の規定に基づけば、その著作権は公表から50 問、すなわち平成15年(2003年)末まで存続することとなる。

2 本件に関する評釈等として、作花文雄「判批jコピライト562(2008)40頁および宮坂昌 利「半jl批」LawTechnology 39(2008)71頁がある。また、知財高裁判決については作花 文雄「判批Jコピライト553(2007)51頁および平田直人「最近の著作権判例についてJ ピライト562(2008)25頁があり、東京地裁判決については五味由典「判批」国士舘法皐38 号(2006)192頁がある。また、ローマの休日仮処分事件決定に関する評釈等の中で、本件 東京地裁判決について触れるものとして、作花文雄「判批」コピライト548(2006)22 同「半jlj判例評論575(2007)185頁および小泉直樹「判批j慶磨、法学7(2007)205頁が ある。

作花・前掲注(2)判批〔最判〕41頁参照。

4 作花・前掲注(2)判批〔最半IJ)41頁参照。

5 東京地決平成18年 711日判時1933号68頁。

6 文化庁長官官房著作権課 解説 著作権の一部を改正する法律について」コピライト508 (2003)24頁参照。

「時点同一論Jという名称は、作花・前掲注(2)判批 ローマの休日〕 30頁に倣った。

8 作花・前掲注(2)判批〔最判〕48頁および同・前掲注(2)判批〔高判〕64頁参照。

「立法趣旨論j以下の名称、は、時点同一論に倣い、説明の便宜のために筆者が付与した ものである。

10  もっとも、前記決定等への批判は様々な観点からなされているため、その内の主要なも のとするのが正確だろうなお詳細は、作花・前掲注(2)判批〔ローマの休日〕コピライト および同・前掲注(2)判批〔ローマの休日〕判例評論187〜191頁参照。また、同・前掲注(2) 判批〔高判〕および小泉・前掲注(2)も参照。

11  関連して、加戸守行『著作権法逐条講義 全訂新版』(著作権情報センター・2006)765  頁(「同一時点が法律上の二面性を有している」)を参照。

206 

(21)

研 究論文

シェーン」事件最 高裁判 決 について 12 この点 は、平成15年 改正法 の施行 日の 前 日午後12時 と施行 日当 日の午前0時 を同 ‑時点 と

解す 、解 さない とは関係 ない0

13 つ ま りこの見解 は、直前状態含意論 を補 強す る見解 と もい える

14 例 えば、五味 ・前掲 注(2)179‑ 180頁O また、 ローマ の休 日仮処 分事件決 定 に関す る もの であ るが 、横 山久芳 「判批」NBl.844 (2006) 35‑38頁参照。

15 正確 にい えば、 ローマの休 日仮 処分事件 決 定 も、同 じ解釈 を採 る。

16 決 め」 の問題 と指摘 され てい る。 宮坂 ・前掲 注 (2)74頁参照。

17 横 山 ・前掲 注(13)37貞参照。

18 例 えば、チ ャ ップ リン映画事件 (東京地判 平成19年 8月29日). 詳 しくは、吉 田iF̲夫 ・狩 野雅澄 「判批 」 コ ピライ ト562(2008)49頁参照。

19 例 えば、昭和28年 の時点 で監督 が25歳 で あ った とす る と、 平成15年 の時点 では75歳 とい うこ とにな るが 、 平均寿命 との関係 を考 えて もあ り得 ない話 しではない

20 例 えば、独創性 の あ る映画 の著 作物 を監督 名義 で公表 した後 に、昭和28年 中にそ の監督 が死 亡 した場 合 、 平成15年 末 で著 作権 が消滅 す る こ とにな る。 また、監督 の生前未公 表で あ った もの を、そ の死後 、昭和28年 中に監督名 義 で公表 した場 合 も、平成15年 末 で著作権 が消滅す る こ ととな る。 いずれ も、頻 出す る よ うな事例 ではないだ ろ う。

21 改 めて整理す る と、一般 用法 に照 らす 限 り、 「この法律 の施 行 の際」 とい う文 言は 、 当該

例 えば明 白な立法者 意思 が存 在す る場合 は 一般 用 法 と異 な る解釈 をす る余 地 を残す とい う のが 、本件最 高裁判決 の論理 で あ るLr仮 に この論理 を昭 和45年改正法附則2条の場 合 に 当

昭和45年 末 で著作権 の存続 期 間 が満 了す る著 作物 につ い て昭和45年 改正法 の適 用 はない と い うこ とにな る。 で は、昭和45年改正法 附則2条 に関 して、 ・般 用 法 とは異な る解 釈 を行

うこ とにつ いての明 白な立法者意思 は存在 した とい え るのだ ろ うか。

この点 、昭和45年 改 正法 を審議 した第63回 国会衆議 院 文教 委 員会 (昭和45年 3月 1川 開 催) において、 当時 の坂 Ei]道太 文部 人臣は、法案 の提 案舛 由を説 明す る中で、

なお 、昭和 三十 七年 以 降 の改 iE作業 中に保護期 間 の経 過 に よ り、その権利 が消滅 す る著 作権 者 を救 済す るた め、 四回 にわた り保護 期 間の暫定延長 の措 置が講ぜ られ ま した こ とは、御 承 知の とお りで あ ります。)」 (衆議 院 「63回 同会 衆議 院 文教委 員 会会議録531頁。)

と述 べてい る。 さらに、大 臣の前 記説 明 を補足す る形 で、安達健 二政府委 員 (文化庁次長 : 当時) が、法案 の定 め る経過措 置 の趣 旨につ いて、

次 に、 この法律 の施行 に伴 う経過措 置のお もな ものについて御説 明 申 し上 げ ます この法律 は、従 来 の保護 期 間 の暫 定延 長 の措 置 を も考慮 し1四 十六年 一

か ら施行す る もの といた してお ります。」 (掲 会議録33頁o)

との説 明 を行 ってい る

これ らの説 明が 、法 改 正作業 中に権利 が消滅 して しま う著作物 を救 済す べ く行 われ た暫 定延長措 置 を無駄 に しない形 で経過 措 置 を定 めた 旨を明 らか に した もの で あ る、 と捉 え る ことは 自然 な解 釈 とい え よ う。 ただ、暫 定延長措 置は、 「著作権 の存続 期 間の満 了が間近 に

参照

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