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応用美術と競争

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(1)

応用美術と競争

著者 中山 信弘

出版者 法学志林協会

雑誌名 法学志林

巻 116

号 2・3

ページ 33‑56

発行年 2019‑02‑22

URL http://doi.org/10.15002/00023110

(2)

応用美術と競争(中山)三三

応用美術と競争

中   山   信   弘 一   はじめに

  近年の著作権法界において、応用美術の問題が大いに議論されているが、実はこの問題は、昭和四五年の現行著作

権法立法に際し、意匠権との調整問題を巡る大論争があった

)(

。そしてその論争の決着がつかないまま、「この法律に

いう『美術の著作物』には、美術工芸品を含むものとする」(著作権法二条二項)という条文が置かれただけで問題

は先送りされた。その結果、現在に至るまでの論争を引きずり、混迷を招くこととなった。

  著作権法には「美術」と「応用美術」の定義規定はないが、「美術」(純粋美術)に関しては一応のコンセンサスの

ようなものは存在する

)(

。それに対して応用美術の概念は必ずしも確立しているとは言えないが、通常は純粋美術に対

応する概念として用いられており、一応、「実用に供され、あるいは、産業上利用される美的な創作物

)(

」、即ち美的な

(3)

法学志林 第一一六巻 第二・三号合併号三四要素を備えた実用品ということができよう。しかしそれだけでは応用美術の概念は不明確であり、特に現代美術にお

いては実用品そのものが美術として捉えられることもあり

)(

、ますます両者の区別はつきにくくなっている。そのよう

な中、平成二七年に、椅子のデザインが応用美術として著作物たりうるとした知財高裁の判決(TRIPPTRAPP判

決)が下され、知的財産の学界で大いに注目され、議論されるようになった。

  著作権法は、美術工芸品

)(

は美術の著作物と規定され、著作物たりうることを明らかにしている。しかし美術工芸品とは壷とか抹茶茶碗のように、昔から美術品として疑いのなかったジャンルにつき、念のために著作物であると書か

れているだけであり、実質的には意味が無い規定であるのみならず、この条文は無意味な論争を招く種にもなった。

学説としては、応用美術として著作権法の保護を受けるのは美術工芸品に限るとする説(限定説、区別説

)(

)から、広

く応用美術一般にまで広げようとする説(例示説、非区別説

)(

)、その中間説まで、千々に乱れ帰一するところを見な

い。不用意に妥協の産物のような規定を設けると余計な混乱を招くという一例であろう。他方、学説の混乱をよそに、

従来の判例は、応用美術の著作物性を認める可能性は肯定しつつも、現実にはそれを認めることには消極的であった

が、前述のように、最近になって知財高裁が椅子のデザインについて著作物性を認めるに至った。

  従来は、実用品は著作権の世界の問題ではないと考えられがちであったが、近年ではプログラムやデータベースまで著作物とされるようになり、実用品であるというだけでは著作物性を否定する理由にはならない。現に判例におい

ても、限定的ではあるが実用品である応用美術の一部に著作物性を認めており、著作権法と意匠法とのある程度の重

複適用は不可避である

)(

。そこで著作権法と意匠法との体系的関係、そして重複の程度、それに重複を認めた場合の具

(4)

応用美術と競争(中山)三五 体的弊害が問題となる。この点は、応用美術と競争という問題にも関係している。  ここで問題となるのが、応用美術は意匠法で保護すべきか、あるいは著作権法との重複適応を認めるべきか、という点である

)(

。後述するように両法では保護の方法と効果に大きな差異があり、本稿の目的は、競争という観点から見

た場合に、どちらの方がベターか、ということの検討にある。両法を形式的に見る限り、その答えは出てこない。諸

般の事情を勘案して結論を導くべきではあるが、本稿では競争という観点を中心に検討する

)(1

。一般論として、ある一

つの対象につき二つの保護法制がある場合、その適用関係は一律ではない。両法に調整規定がない限り重複適用を認

めるべきであるという単純なものではなく、二つの制度を設けた趣旨、重複適用した場合の利害得失、立法過程の検

討等を勘案して判断すべきであり、その結果、両法が重複適用される場合もあろうし、一方が他方に優先して適用される場合もあろう。意匠法と著作権法とを比較すれば以下のようになろう。

  意匠権を取得するためには、特許庁に出願をし、審査を受け、登録をして始めて権利となるので、相当の費用と労

力と時間が必要であるために、意匠出願は主として経済合理性に基づいてなされる場合が多い。そして保護される期

間は設定の日から二〇年である。二〇年という期間は長期間のようにも思えるが、著作権と比較すれば、独占的利潤

を享受できるのは短期間と言えよう。

  他方、著作権は創作とともに何らの方式を必要とせずに発生するため、権利取得のための手間も費用も必要とせず、

保護される期間は原則として著作者の死後あるいは公表後

)((

七〇年という長期間である

)(1

(TPP

((が成立したことによ

(5)

法学志林 第一一六巻 第二・三号合併号三六り、平成三〇年一二月三〇日から死後あるいは公表後七〇年になった)。侵害に際し、立証問題等の若干の違いはあ

るものの、事実上、保護期間が長く、審査・登録の必要がなく、物品とは関係なく保護される著作権が意匠権よりも

優位に立つ可能性が大きい。重複適用を認めると、意匠出願を怠った場合、あるいは意匠権が消滅後においても、著

作権は存続しているので、大きな力を有することになる。両法の保護の要件と効果は異なっている点もあるが

)(1

、両法

とも創作法の分野に属し、応用美術に限ってみれば同じ美的創作物を対象としている。つまり製造・販売の差止めや

損害賠償の請求ができるという効果は同じであり、権利者としてはどちらか一方で権利行使できればほぼ目的を達するので、重複適用を認めると、長期間にわたり著作権法で独占的利益を獲得することができることになる。現に後述

するTRIPPTRAPP判決で問題となった椅子は、昭和四七年頃に創作・販売されたデザインであり、それが平成二

七年の事件として争われている。

二   知的財産法と競争

  一見すると、応用美術は競争とは縁がないテーマのように考えられるであろう。しかし特許権や意匠権等の知的財

産法とは、ある種の財産的情報の独占的利用を認める法であるため、私的独占を禁ずる独禁法とどこかで接点がある

はずであり、現に近年、知的財産を巡る独禁事件が増えている。しかし一口に知的財産権と言っても、特許権・意匠権といった工業所有権法(ここでは商標等の標識法については考慮から外す)と著作権とでは大きな相違がある。特

許法・意匠法は経済財として立法されており、その立法趣旨は産業の発展に寄与することにあり(特許法一条、意匠

法一条)、基本的には「国民経済の民主的で健全な発達を促進することを目的と」している独禁法一条に記載されて

(6)

応用美術と競争(中山)三七 いる目的と大きな相違は無いと言えよう。つまり特許法・意匠法が一種の独占権を付与するのはあくまでも産業の発展にあり、特許法・意匠法と独禁法は、向いているベクトルは同じであると言えよう。独禁法二一条には、「この法

律の規定は、著作権法、特許法、実用新案法、意匠法又は商標法による権利の行使と認められる行為にはこれを適用

しない」と記されており、この条文を巡って論争のあるところであるが、ここでは深入りはしないこととする。

  特許法・意匠法と著作権法とでは立法趣旨が異なっている。著作権法は「文化の発展に寄与することを目的と」

(著作権法一条)しているが、ここに言う文化とは何を意味するのか。産業の発展を目的としている特許法・意匠法

とは何処が異なるのか、という点が問題となる。従来の著作権法は主として小説・音楽・絵画といった古典的・牧歌

的な著作物を対象としており、特許法・意匠法と比較すると、著作権法はビジネス・ローとしての性格は薄く、競争的な配慮も薄いと言える。しかるに現在では著作権が経済財としての機能を高め、特にソフトウエア関連ビジネスや

コンテンツ・ビジネスを中心に、著作権は特許権・意匠権と並んで企業戦略の柱の一つになりつつあり、著作権は経

済財としての性格を濃くしているものの

)(1

、法的枠組みとしては、著作権法には経済財としての性質よりも、著作者の

人格から派生する著作物を保護する、つまり創作者の人格的利益を保護するという方向にベクトルが向いている。両

方を具体的に比較すると、著作権法には以下のような特色が見て取れる。

   ⅰ  長期の保護期間    ⅱ  権利の発生基準の曖昧さ(無方式主義)

   ⅲ  侵害基準の曖昧さ    ⅳ  強力な人格権の保護

(7)

法学志林 第一一六巻 第二・三号合併号三八

  これらの差異から判明することは、著作権法は産業政策的な法的道具としては経済財としてのフレキシビリティに

欠け、そのことは競争的観点からして、独禁法の趣旨とはベクトルが異なるということを意味している。特許権の保

護期間は出願から二〇年、意匠権は設定の登録の日から二〇年とされているのに対し、著作権は原則として創作者の

死後あるいは公表後七〇年と極端に長く、競争的観点からは、著作権の方が抑圧的に機能する可能性が高い。両法と

もに独占権を付与する法ではあるが、両法の存続期間(独占できる期間)にこれほどの差異があるということは、著作権法は競争を意識していない立法であるという証左と言えよう

)(1

  著作権は無法式主義を採用しており(パリ条約で義務付けられており、他の選択肢はありえない)、創作により直

ちに権利が発生するために、誰が権利者かという判断が難しい場合もあり、流通後に権利の淵源を辿ることも難しい

場合もある。また特許権にはクレーム(特許請求の範囲)という文言により技術的範囲が画されており、その文言で

記述されている範囲にのみ権利が及ぶ(均等論という例外はあるがここでは省略する)。それに対し、著作権の場合

にはクレームに相当するものはなく、何処までが権利の及ぶ範囲かという点も判然としない。小説であれば何ページ、

音楽であれば何小節を剽窃すれば権利侵害になるのか、という原則はない。このようにどのようなものに権利が発生

し、誰に権利が帰属するのか、そして何処までが権利範囲であるのか、ということは、最終的には裁判で決着をつける以外にない。特許法や意匠法の場合であれば、登録により権利が発生し、登録簿を閲覧すれば誰が権利者であるか

ということは明らかであり、その内容も登録簿で一応確認できるので、経済財として重要な法的安定性が確保できて

いる。勿論、特許権の場合であっても、クレームという文言で権利範囲を画しているので、その文言の解釈を巡り争

(8)

応用美術と競争(中山)三九 いも多発しているが、著作権に比較すれば、法的安定性を志向していると言えよう。  もう一つの大きな問題は、著作者には極めて強い人格権が認められ、かつそれには保護期間の限定がないという点である(著作権法六〇条、ただし一一六条で訴権者は限定されている

)(1

)。著作権法の規定する著作者人格権は極めて

強力なものであり、その侵害には差止請求権と損害賠償請求権が認められ、その上刑事罰も規定されており、事実上、

財産権と同等あるいはそれ以上の強い力を持っている。財産権と著作者人格権は全く異なった原理で規定されいるた

めに両者は別個独立なものとされており(著作権法五〇条参照)、場合によっては人格権の行使により事実上財産権

の行使ができなくなり、著作者人格権で著作権の行使と同じ効果を果たすことができる(『財産的人格権』などと揶

揄されることもある)。例えばプログラムに関する著作者人格権の争いの実態は、財産的な利益を巡る場合が多い。人格権と競争法が衝突した判例はないものの、将来の問題として残る。

  強力な人格権を認めるということは、経済財としてはフレキシビリティに欠けるということを意味している。意匠

の場合、いかに美しく個性的な自動車や服飾をデザインしても人格権は認められない。美感を追求するはずの意匠法

で人格権を規定していないということは、極めて重要な制度的意味を有している。それは経済財である実用品のデザ

インに人格権を認めると流通・利用の阻害要因になり、また改良品の開発にも大きな支障が生じるので好ましくない

という政策的判断があるからである。応用美術に長期間存続する著作者人格権を認めると、同一性保持権により第三

者は極めて長期間、改変した椅子のデザインを製作できなくなるし、流通過程においてあるいは最終使用者が正規品

に加工を加えることもできなくなる

)(1

。つまり著作権法においては、経済合理性、あるいは適正な競争よりも、著作者

(9)

法学志林 第一一六巻 第二・三号合併号四〇人格権の方が優位に立っているように読める。それは意匠のような経済財は模倣や改良によって発展するという原理

とは反するものである。特に応用美術については、職人が先輩の技を学びながらより良いものを作ってゆく、という

場合が多く、その際には著作者人格権が邪魔になるであろう。応用美術に著作権を重複的に認めるということは、人

格権を認めないという意匠法の趣旨を滅却することを意味する。

  言うまでも無く、特許権は極めて重要な経済財であり、その独占権は独禁法上大きな意味を有することは間違いなく、特許権と独禁法の問題については研究も進んでいる。しかし意匠権と著作権の重複問題がいかなる意味を有する

か、という点については、競争的観点からは、従来余り議論されてこなかった。それは、従来のわが国の判例は、応

用美術に著作権を認めることには消極的であり、問題が顕在化していなかっただけであり、後述するTRIPP

TRAPP知財高裁判決で椅子のデザインに著作物性を認め、かつ学説としても意匠法と著作権法の重複適用を認める

説が台頭しており、今後は顕在化する可能性もある。

三   応用美術と判例の傾向

  従来の判例の傾向は、応用美術の著作物性を全て否定するというものではないが、実際には応用美術の多くは著作物性を認められていなかった

)(1

。しかし知財高裁平成二七年四月一四日判時二二六七号九一頁(TRIPPTRAPP 判決

)(1

で、椅子のデザインに著作物性を認めるという画期的な判決が下され、知財高裁の判決であるので多くの注目を集め、

著作権法学会でもこのテーマでシンポジウムまで行われた

)11

。本件は、昭和四七年頃にデザインされ販売された椅子に

(10)

応用美術と競争(中山)四一 著作物性を認めたものであり、判決のその内容は以下の通りである。・「実用に供されること又は産業上の利用を目的とすることをもって、直ちに著作物性を一律に否定することは、相

当ではない」。著作権法「二条二項は、『美術の著作物』の例示規定にすぎず、例示に係る『美術工芸品』に該当しな

い応用美術であっても、……『美術の著作物』として、同法上保護される」。・「明文の規定なく、応用美術に一律に適用すべきものとして、『美的』という観点からの高い創作性の判断基準を設

定することは、相当とはいえない。」「実用品自体が応用美術である場合、当該表現物につき、実用的な機能に係る部

分とそれ以外の部分とを分けることは、相当に困難を伴うことが多いものと解されるところ、上記両部分を区別でき

ないものについては、常に著作物性を認めないと考えることは、実用品自体が応用美術であるものの大半について著

作物性を否定することにつながる可能性があり、相当とはいえない。」・「『美的』という概念は、多分に主観的な評価に係るものであり、何をもって『美』ととらえるかについては個人差

も大きく、客観的観察をしてもなお一定の共通した認識を形成することが困難な場合が多いから、判断基準になじみ

にくい。」・「著作権法と意匠法とは、趣旨、目的を異にするものであり(著作権法一条、意匠法一条)、いずれか一方のみが排

他的又は優先的に適用され、他方の適用を不可能又は劣後とするという関係は、明文上認められず、そのように解し

得る合理的根拠も見出し難い」。意匠権は独自に創作した場合でも権利侵害になるという点で著作権よりも強く、一

定範囲の物品に限定して両法の重複適用を認めることによって、意匠法の存在意義や意匠登録のインセンティヴが一

律に失われるといった弊害が生じることも、考え難い。「応用美術につき、意匠法によって保護され得ることを根拠

として、著作物としての認定を格別厳格にすべき合理的理由は、見出し難い」。応用美術の表現に作成者の何らかの

(11)

法学志林 第一一六巻 第二・三号合併号四二個性が発揮されていれば著作物性を認めても、一般社会における利用、流通に関し、実用目的又は産業上の利用目的

の実現を妨げるほどの制約が生じる事態を招くことまでは考え難い。・「著作物性が認められる応用美術は、まず『美術の著作物』であることが前提である上、……その実用目的又は産

業上の利用目的にかなう一定の機能を発揮し得る表現でなければならないという制約が課されることから、著作物性

が認められる余地が、応用美術以外の表現物に比して狭く、また、著作物性が認められても、その著作権保護の範囲

は、比較的狭いものにとどまるのが通常であって」乱立などの弊害が生じる現実的なおそれは認め難い。・本件椅子は「左右一対の部材A」の二本脚である点において特徴的なものといえ、幼児用椅子としての機能に係る

制約により選択の余地なく必然的に導かれるものということはできず、作成者の個性が発揮されており「創作的」な

表現というべきであり「美術の著作物」に該当するとした上で、「脚部の本数に係る前記相違は、椅子の基本的構造

に関わる大きな相違といえ、その余の点に係る共通点を凌駕するものというべきであ」り、相違点が大きいとして著

作権侵害を否定した

)1(

  以上のようにこの判決は、椅子のデザインの著物性を認める理由につき縷々説明しており、著作権法学的には、そ

の全てにつき興味のあるところであるが、競争的には、応用美術著作物性を認めても、一般社会における利用、流通

に関し、実用目的又は産業上の利用目的の実現を妨げるほどの制約が生じる事態を招くことまでは考え難い、と述べている点が最も注目される。本当にそのように断言できるのか、という点こそが最大の問題である。

(12)

応用美術と競争(中山)四三

四   応用美術を巡る著作権と意匠権との関係

  従来から多くの判例は、応用美術でも実用面を離れて美の表現において実質的制約を受けることなく専ら美の表現

を追求して制作されたものと認められる場合とか、鑑賞の対象として純粋美術と同視しうる場合には、美術の著作物

として保護されるとしている。しかしながら著作物一般については、厳密な意味での独創性を有することまでは必要

とされず、何らかの個性が発揮されたものであれば著作物性が認められると解されているのに対し、応用美術に関し

てのみ、「専ら美の表現を追求して制作された」、「高度の美的表象」、「純粋美術と同視しうる」等の加重要件を課す

ことには学説の批判もある

)11

。ただ従来の判例は一見すると加重要件を課しているようにも読めるが、「当然に著作権法の適用を受ける純粋美術」と同視しうるものか否かを問題とし、同視できれば『美術』の範疇に入るとしているだ

けであり、特に加重要件を課したものではないと解すべきである。更に深読みすれば、従来の判例は意匠法との境界

を画するという点において意味を有すると考えることもできる

)11

  しかしながら、意匠権と著作権の適用を完全に分離し、一切の重複適用を認めないといことは不可能であり、一定

の範囲では認めざるを得ない。著作権法自体も美術工芸品は著作物であることを認めているので、壷とか抹茶茶碗等

は、意匠登録もできるし、著作権法での保護をも受けうる。判例では量産品である「博多人形」にも著作物性を認め

ている。このようにある種の応用美術は著作権法で保護されることは否定できないが、応用美術一般に著作権法の保

護を与えると、家具調度・什器・電気製品・文房具・アパレル・自動車・船舶・航空機等の実用品は多かれ少なかれ

(13)

法学志林 第一一六巻 第二・三号合併号四四美的装飾を凝らしているので個性が現れている場合が多く、著作物性が認められる可能性が高くなる。つまり従来は

純粋美術(美術工芸品を含む)と目されるものを著作物とし、それにつき権利処理をしていれば良かったものを、応

用美術一般にまで著作物性を認めると、権利処理をしなければならない範囲が膨大なものとなり、それは裏から見れ

ば著作権の力が極めて強力なものとなり、それだけ競争を阻害することを意味する。この問題は、競争的には、応用

美術を意匠法で保護することが妥当なのか、あるいは著作権法の重複適用を認めることが妥当なのか、という問題に

帰着するのである。

五   応用美術と競争

  前述の通り、応用美術とは、一般に「実用に供され、あるいは、産業上利用される美的な創作物」と考えられてい

る。応用美術は極めて多岐多様であり、しかも実用品であるので、絵画・小説・音楽等とは異なり、これを著作権法

で保護するのか、あるいは意匠法で保護するのか、ということにより、競争的にどのような差異ができるのか、とい

う点が問題となる。

  応用美術を意匠法で保護するとしても、二〇年にも及ぶ独占権を付与することとなり、新規参入にそれなりの影響を与えるし、利用・流通にも影響を与える可能性もある。しかし意匠権は、その期限満了後はパブリック・ドメイン

とし、万人に模倣可能とさせることにより競争が可能となり、産業は発達するという政策的判断の下に立法されてお

り、産業発達にとって好ましいと思われる保護期間が二〇年とされている。その期間が妥当なものであるという検証

(14)

応用美術と競争(中山)四五 は不可能に近いが、一応、法政策的には二〇年が妥当と判断されたのであり、それは著作権の場合と比較すると格段に短い保護期間となっている。つまり独占権を二〇年間付与して独占的利潤を認めることは、その意匠の創作へのインセンティヴとなり、新たなデザインが世に出ることになり、独占期間終了後はパブリック・ドメインとなり自由競争となる。そして総体として、二〇年間に及ぶ独占による弊害よりも、新たなデザインが世に出されるメリットのほうが大きいという政策判断の下に立法されており、それは特許法でも同じことである。  それに対して、著作権法は人格の流出物を保護することが主目的で、著作物の利用・流通のための合理的な保護期間という法政策的判断は殆ど無く、長い期間保護を与えても、競争的には殆ど問題は無いという発想での立法である。確かにピカソの絵や漱石の小説ならば、たとえ著作者の死後あるいは公表後七〇年という長期間の権利を与え、孫や曾孫の世代までの生活を保証するように制度であっても大きな弊害はないかもしれないし、それはそれで著作権法本来の目的に合致しているかもしれない。しかし実用品である応用美術に著作物性を認めると、極めて長期間にわたり同一・類似デザインの実用品の製作・販売を排除するということを意味しており、競争を阻害し、意匠法の趣旨である産業の発達とは相反すると考えられる

)11

。それは、前述のTRIPPTRAPP事件では、昭和四七年ごろ創作された椅

子のデザインが今頃になって事件になったことを見れば明らかであろう。

  意匠法は実用品のデザインを保護する体系となっているのに対し、長期の保護期間と強い人格権の保護を与えてい

る著作権法は、実用品のデザイン保護を想定した制度設計とはなっていないと言えよう

)11

。応用美術については実用品

という観点から、創作・流通・利用の各方面で、それらの実情を考慮して諸々の制約を受けて然るべきであり、その

(15)

法学志林 第一一六巻 第二・三号合併号四六ためにはいかなる法制が好ましいか、という視点を忘れてはならない。実用品のデザインという観点からは、短期間

保護した後にパブリック・ドメインとすることこそ応用美術の発展を促し、社会の厚生(ウエルフェア)の増大に繋

がり、かつ競争的にも健全な社会であると言えよう。

  著作権法と意匠法との一定限度での重複適用は不可避であることは前述の通りであるが、広く重複適用を認めた場

合に生じうる具体的弊害の検討が重要であると考える。作花文雄氏は「いずれの法制を適用すべきかについては、法理論から必然的に導かれるというよりも、関連産業界における秩序への影響ということも大きなファクターになって

いる」と述べており

)11

、正鵠を射ていると考えられる。著作権法立法当時(昭和四五年)は、関連産業界としては応用

美術品を扱う業界(織物業界等)を視野に入れれば足りたが、今日ではデジタル技術の発展により著作物の創作・流

通・利用形態が大きく変化しており、例えば他人の著作物をネットにアップするだけで侵害となるので、現在におい

て両法の棲み分けがいかなる意味を有するかという検討も必要となる。

 TRIPPTRAPP判決は、個性

)11

ある椅子のデザインという応用美術に著作物性を認めているが、個性が現れている

という観点から著作物性を認めるのであれば、家具調度・什器・電気製品・文房具・アパレル・自動車・船舶・航空

機等の実用品は多かれ少なかれ美的装飾を凝らしているので個性が現れていると考えられ、著作物性が認められる可能性が高い

)11

。TRIPPTRAPP 判決は、椅子という実用品のデザインの権利の幅を狭く解釈することで、椅子を製作

しようとする新規参入者はデッドコピーをせずに、自分なりの創作性を加えることによって著作権を回避できるので

あるから、著作権と意匠権との重複適用を認めても新規参入の妨げにはならない、ということを重複適用の正当化の

(16)

応用美術と競争(中山)四七 根拠の一つに挙げている。しかしあるデザインの椅子の人気が高ければ、それと同一あるいは類似のデザインの椅子を製造・販売したいと願うのは通常のビジネスであるが、人気のある椅子という実用品のデザインを著作者の死後あるいは公表後七〇年もの長きにわたり独占的に製造・販売できるということ自体が競争を阻害していると言えよう。意匠法は、設定登録から二〇年経過したら誰でも同一・類似のものを製造・販売でき、当該市場に自由に参入できるという制度設計になっている。創作へのインセンティヴとして、短期間(意匠法では二〇年)の独占を認めることはやむを得ないとしても、著作権で死後あるいは公表後七〇年もの間保護することは到底妥当なものとは思えない。この独占期間を通常の商品に比較してみれば、いかに異常なものであるかが判るであろう。従って意匠権の存続期間である二〇年経過後は、誰でも当該椅子の製造・販売に自由に参入できるほうが競争上好ましいと考えられるが、応用美術に意匠権と著作権の重複適用を認めると、先に述べたとおり、著作権のほうが優位に立つために、意匠法の制度趣旨が没却される。著作権法は文化の発展のための法という建前になっているが(著作権法一条)、椅子という実用

品のデザインを創作者の死後あるいは公表後七〇年もの間保護するということは、応用美術の発展に資するのか、は

なはだ疑わしい。実用品のデザインについては、創作へのインセンティヴを与えるのに十分な期間の独占権を認め、

それ以降はパブリック・ドメインとすることこそが競争上は好ましいと言える。応用美術に著作物性を認めるべきで

はないのは、応用美術にはデザイナー等の個性が発揮されていないからではなく、個性は発揮されてはいるが、二〇

年後には当該椅子のデザインをパブリック・ドメインとすることこそが、デザインの発展に裨益するからと考えられ

るからである。つまり意匠法と著作権法との棲み分けをしており、応用美術に関しては、できうる限り著作権法の適

用には謙抑的でなければならないと考えられる。

(17)

法学志林 第一一六巻 第二・三号合併号四八

  またTRIPPTRAPP判決は、権利者により製造・販売された椅子の流通・利用に関しては何ら述べていないが、

実はその点こそ重要な問題である。椅子に著作権を認めれば、その椅子を小道具としてテレビで放映すれば公衆送信

権侵害、その写真を雑誌に掲載すれば複製権侵害、その椅子を写真にとりネットにアップすれば送信可能化権侵害、

レンタル業者がイヴェント等に貸し出せば貸与権侵害となるが、これらは原則として意匠権侵害とならないが、ただ

業としての貸し渡しは意匠権侵害となる(意匠法二条三項、二三条)ものの、その期間は著作権の場合より格段に短

いし

)11

、権利の消尽が認められるので、貸し渡しが合法となる場合が圧倒的である。しかも意匠登録されているデザインはそれほど多くはないが、著作権は何らの方式無く創作と同時に発生するので、応用美術に保護を与えると、権利

処理が極めて煩瑣になる。テレビドラマや映画を製作する場合、従来から美術品・音楽等の著作物の利用に際しては

権利処理が必要であり、現に面倒ではあるが注意深く権利処理をしているようであるが、コスチューム・家具調度・

什器・電気製品・文房具・自動車・船舶・航空機等に至るまで権利処理が必要となると権利処理の量が激増し、映画

禁止法に近づくことを危惧する。現在では我々の身の周りに著作物が氾濫し、権利処理が著しく困難になりつつある

が、それに加えて更に応用美術である実用品のデザインにまで著作権を認めると、著作権の有する社会的意味も変わ

り、競争的観点から好ましくないだけではなく、実に窮屈な世の中になりそうである。その上保護期間が著作者の死

後あるいは公表後七〇年も続くということは、実に恐ろしいことである。特にデジタル時代においては、著作物の利

用形態が多様化しており(例えばネットでの利用)、身の周りに余りに多くの著作物が存在すると実に生活しにくいことになる。その解決策としては、引用の規定の拡大解釈、あるいは権利濫用等の一般法理を用いて妥当な結論を導

くという裏技もありうるが、大きな危険が伴うということ自体が萎縮効果を招くおそれもある。また家具調度等の応

用美術品には氏名表示のない場合も多いので権利者の探索は一層困難となり、長期間が経過すれば多くの応用美術は

(18)

応用美術と競争(中山)四九 孤児著作物となってしまい、権利処理は益々難しくなる

)11

。このように応用美術一般に著作物性を認めると、著作権者

の権利が余りに強すぎ、健全な経済発展に逆行することになる。

 TRIPPTRAPP判決は、独自創作した場合は著作権侵害とならないのに対し、意匠権では侵害となるので、意匠

権は著作権よりも強い保護を与えられており、意匠法の存在意義や意匠登録のインセンティヴが一律に失われるとい

った弊害が生じることも考え難いと述べている。確かに意匠権には遮断効

)1(

があるが、現実にはそれほど大きな意味を

持つとは思えない。特に本件椅子のように有名になっている商品であれば同業者が知らないということは殆どありえ

ないので、遮断効が決定的に重要とは思えず、現に独自創作の抗弁が認められた著作権事件は多くはない。それどこ

ろか著作権の場合、極めて長期間、公衆送信や出版やネットへのアップが侵害となるし、また強力な著作者人格権で護られるので、著作権で護る方が圧倒的に有利と言えよう。そうなるとTRIPPTRAPP 判決で述べていることとは

反対に、時間と費用と労力を掛けて意匠登録のインセンティヴが下がると推定され、意匠法よりも著作権法を援用す

ることが増えよう。

  以上から、権利制限規定を限定列挙している現行著作権法の下で、著作権法の適用範囲を応用美術一般にまで広げ

る事には大きな危険性を感ずる。ただでさえ我々の周りには著作物が多数存在するが、それに応用美術一般にまで著

作物性を広げると世の中は著作物で溢れかえり、あらゆる場面でそれらの著作権処理をせざるを得ない場合が激増し、

権利処理に要するコストや時間の激増に悩まされることになる。またネット時代においてはいわゆる素人であっても

権利処理の必要な場合が増え、一方では著作権侵害を警戒するあまり萎縮効果を招き、他方では面倒な権利処理を回

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法学志林 第一一六巻 第二・三号合併号五〇避して無断利用が増えモラルハザードを招きかねないが、いずれも好ましからぬ情況である。

  国際的には、応用美術の範囲を広く認める傾向にある

)11

。ベルヌ条約では、応用美術は著作物とされるが(ベルヌ条

約二条(一))、二条(七)では、「応用美術の著作物及び意匠に関する法令の適用範囲並びにそれらの著作物及び意

匠の保護の条件は、第七条(四)の規定に従うことを条件として、同盟国の法令の定めるところによる」とされてい

る。また第七条(四)では、応用美術の保護期間は製作の時から二五年より短くてはならないと規定されており、二五年間保護すれば条約違反とはならない。ベルヌ条約上、これは著作物一般の場合より四五年も短くなっているが、

これは応用美術の実用性という特性を勘案しての規定と考えられる。しかしわが国では、TRIPPTRAPP判決以前

の判例は、応用美術一般的については著作物性を認めることに消極的であったために、著作権法上、応用美術につい

て特別な規定を設けようという機運には無かったが、TRIPPTRAPP判決という知財高裁の判決が出現した現在、

そのような議論が必要となるかもしれない。今後の判例の動向、特に最高裁の判断に注目する必要があろう。

  世界的に、著作権一般に強化の流れにあり、公衆送信権を認めた段階で著作権は極めて強くなったが、その後も強

化の流れは続いている。理論的な側面は措くとして、応用美術一般に著作物性を認めることはその強化の流れに沿っ

たものと言えようが、デジタル時代における著作物の流通・利用形態を考えると、この潮流には極めて大きな危惧を感じる。

  因みに、以上の論述は現行法の解釈論であり、立法論としては、非登録デザイン権や無審査デザイン権の立法、あ

(20)

応用美術と競争(中山)五一 るいはそれらと意匠法とのダブルトラック制度を導入により、意匠権での保護を利用し易くなり、著作権法の適用を認める必要性が減る可能性があろう。また仮に応用美術一般にまで著作権の範囲を広げるのであれば、著作権法中にその弊害を和らげるフェアユース規定や新たな権利制限規定を設けること、権利の集中処理のシステムを設けること、あるいは保護期間を製作時から二五年に減縮する立法等が先決であろう。

【注】

』(勁草書房、二〇一五)三三七頁(本山雅弘執筆)参照。権法コンメンタール一(第二版) 松田政行編『著作(発明推進協会、二〇一三)四五四頁、半田正夫「応用美術の保護について」竹田稔傘寿記念『知財立国の発展へ』 表『現開」高頁、吉二)三社、二究』(日 九(別護」知弘「応頁、本弘「応号)(商務、二九)二 五)二号(二頁、上性(一)」知頁、劉倩「実 護─(半て─」三)院、一(法題』「応念『民  ()修『著は、文照。木・二・五編』ー)九(著

くものとする。  ()それでも現代美術の中は、従来の純粋美術の枠内に納まらないものも現れ、著作権法上、問題もあるが、それは、ここでは一応措

五〇頁に掲げられている応用美術の説明。  ()編』(著ー、二〇)修『著書(昭日)文 な美術的意義を付与したことに著作物性が認められるのであって、物品それ自体に著作物性が認められるからではない」と述べている。 ことがよく行われるが、そのような現代美術が著作物として保護されるとしても、それは、物品の実用的な性格を捨象し、物品に新た (弘文堂、二〇一五)五八三頁は、世紀の知的財産法』「現代美術の分野では、実用品を素材として作者の思想、感情を表現するという 術かを考えさせられる好例であろう。なお横山久芳「著作権法における応用美術の保護のあり方」中山信弘古稀記念『はばたき─二一 既成品の男子用小便器を逆さまにし、『泉』というタイトルを付けて出展し、物議をかもした(一九一七年)。これなどは、何が純粋美  ()マルセル・デュシャン(一八八七~一九六八)は日用品をそのままあるいは若干手を加えたものを提示する作風で知られており、

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法学志林 第一一六巻 第二・三号合併号五二

姫路支判昭五四・七・九無体裁集一一巻二号三七一頁(仏壇彫刻事件)では量産品である博多人形や仏壇に著作物性を認めている。 作品を指すと述べている。それに対して長崎地佐世保支決昭四八・二・七無体裁集五巻一号一八頁(博多人形赤とんぼ事件)や神戸地  ()加戸守行『著作権法逐条講義(六訂新版)』(著作権情報センター、二〇一三)六八頁は、・壁掛け等の一品製作の手工的な美術

 ()立法の担当者はこれに近い考えであったようである。

察」著作権法研究三六号(二〇一〇)九六頁。 〇九(別冊NBL一三〇号)二二六頁、上野達弘「応用美術の保護─著作物の保護の正当化根拠としての「創作的表現」をめぐる一考 土「応頁、駒五)一号(二報』二『知て」て─ (青林書院、一九九七)九四頁、劉曉倩「実用品に付されるデザインの美術著作物該当性(二完」的財産関係訴訟法』)知的財産法政策 蔵野美術大学研究紀要二四号(一九九三)一二一頁、満田重昭「デザインと美術の著作物」斉藤博=牧野利秋編『裁判実務大系二七知 七)八閣、二』(有版)法(第、斉博『著〇)頁(一護」武夫「著頁、中 体的事情に応ずる調整を図るとするのが妥当である」と述べている。半田正夫「応用美術の著作物性について」青山法学論集三二巻一 つあるならば,それぞれの要件に該当する限り,基本的には重畳的保護を行うべきであって,制度間の実体的矛盾が生じた場合には具  ()河野愛「デザインの法的保護」エコノミア四〇巻四号五頁(横浜国立大学経済学会、一九九〇)は「一のものを保護する法制が二

に問題は少ないであろう。 ーカード」が挙げられているが、これらに著作物性が認められうることは明らかである。二次元の応用美術には著作物性を認めること  ()・絵・ク・バ・は分)三一(物は、「グ

 ()著作権法を優先適用して、意匠法の適用を排除すべきである、という説は無い。

(0)  応用美術の問題を総合的に検討したものとしては、中山信弘「応用美術と著作権」論究ジュリスト二〇一六年夏号九八頁参照。

(() 原則は創作者の死後七〇年であるが、法人著作や、無名・変名等の著作権は、例外的に公表から七〇年とされている。

と言えよう。 (() 原則として死後七〇年であるので、著作者が何時死亡したかによるが、大まかに言えば七〇年から一〇〇年程度の保護期間がある

い。そ。例条)項、二に、自 意匠権の効力は登録意匠及びこれに類似する意匠と物品にしか及ばず、それらの業としての製造・使用等が侵害となる(意匠法二条三 ず(意り、条)、物項)でり、意  (()状、模は「物(意の」

(22)

応用美術と競争(中山)五三 て、著は「思て、文芸、学術、美の」(著法二条一項一号)であり、その範囲はかなり広く、しかも物品の特定は必要ないので、ある絵(著作物)を壷に用いようがティシャツる。そは、意権(著二)・公権(著条)・貸権(著三、貸り、市と、レンタル業には著作権侵害の危険性が伴う。それに対して意匠権は業としての貸し渡しにも及ぶが、その期間は著作権より格段に短く、い。著い)・展権(著条、著は、美の「原品」にし、意匠権は譲渡又は貸渡しのための展示にも及ぶが(意匠法二条二項、二三条)、権利の消尽により大きな問題は起きない)。展示については、応用美術の場合には原作品の展示ということは殆どなく、多くの場合は複製物の展示であるので、例えば椅子のデザインに著作権を認めたとしても、市販されている椅子は「複製物」と考えられるので展示権はないものの、著作権法四六条(公開の美術の著用)ので、面る。こは、中弘『著版』(有閣、二〇一四)三六七頁参照。応用美術に著作物性を認めると、意匠権侵害とならないが著作権侵害となる場合が多くなると考えられるが、逆に単なる使用・輸入については著作権侵害とはならないのに対して、業として行えば意匠権侵害となるので意匠権の方が強い場合もあるが、著作権の支分権の他、保護期間の長さと著作者人格権の存在により、著作権の優位性は否めないであろう。

的財産法の理論と現代的課題』 (()  著作権法のビジネスローとしての性格を強調するものとして,相澤英孝「著作権法のパラダイムへの小論」中山信弘還暦記念『知

は、遺憾ながら延長するのが世界の流れである。 項)存年、著が、こる。し(職  (()Windowsり、現り、極れ、例

は限定されているともいえる。 (()  一一六条では訴権者が配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹と限定されているので、その限りでは事実上、死後の保護期間

となるのでは常識に反する。 (()  純粋美術品に比べると、実用品に関しては改変が行われることが多い。服の手直し、椅子の色の塗り替え等々が同一性保持権侵害

頁(テ・二・四件、肯・一・六、京例) (()  の、神例)件、肯頁(仏・九・七

参照

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