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seino jps2018spring X線自由電子レーザー施設SACLAにおける高強度レーザーを用いた真空回折の探索

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Academic year: 2018

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(1)

清野結大,稲田聡明A,難波俊雄A,浅井祥仁,

籔内俊毅B,富樫格BC,犬伏雄一BC,玉作賢治B,井上伊知朗B,

大坂泰斗B,矢橋牧名BC,石川哲也B

東大理,東大素セA,理研/SPring-8B,JASRIC

2018/03/25

X線自由電子レーザー施設SACLAにおける

高強度レーザーを用いた真空回折の探索

(2)

Strong-Field QEDと真空回折

量子場の理論は標準理論をはじめ自然を良く記述しているが、高強度電磁場下


ではあまり検証されておらず、Strong-Field QEDと呼ばれる新分野を構成


 Strong-Field QEDで起こりうる物理現象の例


  - 電磁場による真空の屈折率変化


  - 相対論的運動をする荷電粒子と光の相互作用


  - 高次の非線形相互作用


 →高強度レーザーの発達により検証可能に!


局所的な電磁場(pump光)で屈折率勾配を生み出すと、


probe光に回折が生じる→真空回折


小さな構造を通過するほど大きく回折


するため、非常に小さい(かつ高強度な)


pump光が必要


高強度なprobe光も必要

回折光

Probe光

光子エネルギーE

Pump光

サイズw

θ

θ 30µrad ×

1

µm

w

◆ ✓

E

10keV

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(3)

実験場所:XFEL施設SACLA

SACLA

500 TWレーザー

XFEL

SACLAでは高強度レーザーとXFELが 両方使える!

Pump光:500 TWレーザー

・昨年に導入完了

 瞬間的に高強度なフェムト秒レーザー

  パルス幅30 fs、パルスエネルギー10 J   波長800 nm

・補償光学の技術により、1 µmまで


 集光可能

Probe光:SACLAのXFEL

・瞬間的に高強度の光パルス

  パルス幅<10 fs 


(4)

実験セットアップ

500 TWレーザーを1 µmに集光する

500 TWレーザー

(5)

rad

µ

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

TMath::Gaus(x,[0],[1])

実験セットアップ

X線レンズ

10 keV

500 TWレーザー

~ 30 μrad

スリット

衝突点

ProbeのXFELを、スリットで迷光等を切りつつ

2 µmまで絞る

Probe XFELと500 TWレーザーを集光点で


正面衝突させる

Probe XFELの一部が回折される


確率:∼10-13 角度発散:∼30 µrad

穴あき 集光ミラー

Probe XFEL

θ [µrad]

d

N

/d

c

o

s

θ

[a

.u

.]

角度発散分布

回折光

(6)

rad

µ

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 TMath::Gaus(x,[0],[1])

実験セットアップ

X線レンズ

10 keV

500 TWレーザー

X

検出器

スリット ~ 30 μrad

~300 μm

~10 m

衝突点

スリット ビーム

ダンプ

Probe XFELはXFELの集光点付近でダンプ

スリットを用いて回折光だけを切り出す

2日間のDAQでシグナル数は


100 photonsに達する

穴あき 集光ミラー

Probe XFEL θ [µrad] d N /d c o s θ [a .u .]

角度発散分布

回折光

1σ ~30 µrad

シグナル領域

(7)

rad

µ

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 TMath::Gaus(x,[0],[1])

実験セットアップ

X線レンズ

10 keV

500 TWレーザー

X

検出器

スリット ~ 30 μrad

~300 μm

~10 m

衝突点

スリット ビーム

ダンプ

Probe XFELはXFELの集光点付近でダンプ

スリットを用いて回折光だけを切り出す

2日間のDAQでシグナル数は


100 photonsに達する

穴あき 集光ミラー

Probe XFEL θ [µrad] d N /d c o s θ [a .u .]

角度発散分布

回折光

1σ ~30 µrad

シグナル領域

(スリット開口)

実験のキモはレーザーとXFELを

ぶつけられるかどうか

空間( µm),タイミング(< ps)の

(8)

プロトタイプ実験@2017/12

まずは出力の弱いレーザーを用いてプロトタイプ実験を行った


目的:- 時間・空間のアライメント技術の確立


   - 世界初の真空回折実験成功


ビームタイム:2017/12/18 ∼ 12/21 (72時間)


Probe光:XFEL


      - 光子エネルギー 9.8 keV


Pump光:フェムト秒レーザー


      - パルスエネルギー 0.9 mJ (500TWレーザーは10J)


      - 波長  800 nm


(9)

実験ハッチ俯瞰写真

XFEL

コンプレッサ

レーザー

衝突点 ビームダンプ

シグナル

PD

(10)

衝突チャンバ写真

レーザー 1σ 3.5mm

集光点撮像系へ

XFEL

衝突点

(サンプル位置) 穴あき

(11)

レーザー&XFELサイズ

10um

レーザーパラメータ

 ・集光サイズ

   縦:2σ  9.8 µm

   横:   9.7 µm 

 ・ポインティングのゆらぎ    縦:1σ  0.6 µm

   横:   0.3 µm

レーザー集光像

XFELのワイヤースキャン結果(縦) XFELパラメータ

・衝突点でのXFELサイズ

  1σ 縦:28 µm

    横:36 µm

0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16

p

d

vo

lt

a

g

e

[V]

h1d_waku

(12)

レーザー&XFELサイズ

10um

レーザーパラメータ

 ・集光サイズ

   縦:2σ  9.8 µm

   横:   9.7 µm 

 ・ポインティングのゆらぎ    縦:1σ  0.6 µm

   横:   0.3 µm

レーザー集光像

XFELのワイヤースキャン結果(縦) XFELパラメータ

・衝突点でのXFELサイズ

  1σ 縦:28 µm

    横:36 µm

0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16

p

d

vo

lt

a

g

e

[V]

h1d_waku

重要なのは、レーザーとXFELが

空間的・時間的に衝突しているかどうか

(13)

空間的アライメント

衝突点位置にZn箔(25µm)をセットし、XFELとレーザーで照射痕を

作る。両者の相対位置を比較し空間的アライメントを行う。

150 µm

(わざとずらした)

レーザー

照射痕 XFEL

照射痕(穴)

衝突点にセットした Zn箔写真

XFELサイズ(2σで60µm)に対し

XFEL中心位置推定の不定性14µmは

十分小さく、レーザーとXFELは 空間的にぶつかっている

中心値 ふらつき XFEL中心位置 推定の不定性

Δx 1.1 µm 1.6 µm 14 µm

Δy 5.0 µm 3.0 µm 4.9 µm

XFELとレーザーの相対距離

(14)

0.5

− 0 0.5 1 1.5

CP OPT Delay (jitter correction) [ps]

0 200 400 600 800 1000 p a r (+: L a se rF a st ) 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 h2d_seikaipar_ps

時間アライメント

GaAs薄膜(5µm)を用いたタイミングアライメントを行った。

レーザーとXFELをGaAs薄膜に照射すると、同タイミングで照射さ

れたときのみレーザー透過率が下がる

レーザー照射タイミング[ps]

上図を定数+erf()でfit  1σ:73 fs

 (これがタイミング合わせの精度)

→要求精度(1ps)を十分達成

レーザー透過光量の変化 タイミング合わせのセットアップ

レーザー透過率 はカメラでモニタ

レーザー透過光量

(15)

6

− −5 −4 −3 −2 −1 0 1 2

[ps] 20 20.5 21 21.5 22 22.5 23 23.5 24 24.5 25 6 10 × PD p h o to n _ a ve * (C Pp h o to n _ Si g n a lR e g io n /C Pp h o to n _ a ve ) h1d_PDphoton_normalized

本測定&limit

レーザー照射タイミングをスキャンしながら本測定を行った

検出光子数

[photons/pulse]

検出光子数:2.102 107 photons/pulse

BG光子数 :2.127 107 photons/pulse

 → シグナル量: -2.5 6.0 105 photons/pulse

QED理論値 をエンハンス

BG平均値

衝突タイミング

レーザー照射タイミング[ps]

QED理論値の反応確率の 1.2 1037上に制限(95%C.L.)

(16)

6

− −5 −4 −3 −2 −1 0 1 2

[ps] 20 20.5 21 21.5 22 22.5 23 23.5 24 24.5 25 6 10 × PD p h o to n _ a ve * (C Pp h o to n _ Si g n a lR e g io n /C Pp h o to n _ a ve ) h1d_PDphoton_normalized

本測定&limit

レーザー照射タイミングをスキャンしながら本測定を行った

検出光子数

[photons/pulse]

シグナル領域 (衝突タイミング)

BG領域

検出光子数:2.102 107 photons/pulse

BG光子数 :2.127 107 photons/pulse

 → シグナル量: -2.5 6.0 105 photons/pulse

BG平均値

レーザー照射タイミング[ps]

QED理論値 をエンハンス

QED理論値の反応確率の 1.2 1037上に制限(95%C.L.)

(17)

真空回折観測へ向けた改善策

BG抑制


 probe XFELを細くするshaper開発


 probe XFELを回折なく細くして、ビームダンプを回り込む光を減らす    BG抑制率:10-4 →10-16

レーザー集光


 表面形状が変形するデフォーマブルミラーを用いてレーザー波面を成形


 きれいな波面のレーザーで小さく集光し、シグナルの角度発散を増加させる


 - レーザー集光サイズ:10 µm→1 µm   - シグナル角度発散:3 µrad→30 µrad


    シグナル数12桁up  

500 TWレーザー光学系の設計及び実験


 pulse強度4桁upでシグナル数8桁up


 真空回折の初観測

レーザー波面

デフォーマブル ミラー

shaper ビームダンプ

Probe XFEL

(18)

まとめ

・局所的な高強度電磁場は、伝播する光に回折を引き起こす

 これは真空回折と呼ばれる、Strong-Field QEDでの現象だが未検証

・本実験では高強度電磁場を500 TWレーザーで生成し、  SACLAのXFELをprobeとして真空回折を観測する

・プロトタイプ実験を世界に先駆けて行い、真空回折現象に初めての  制限をつけた

・レーザーの集光、BGの抑制が今後の課題  

参照

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