﹃
駄
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五
蔵
回
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茶
羅
理
解
亀
R~ R生彦
山
はじめに
『駄都秘決紗a の首脳~~高級;fl!t商事 先行研究で取りあげられたことはないが、鎌倉時代以後に製作された、真言密教関連の聖教の中では、我宝 (生年未詳ー一三一七)撰と伝えられる﹃駄都秘決紗﹄(以下﹃秘決紗﹄)にも、﹁五蔵品 X 茶羅﹂に関する、かな りまとまった量の記述が確認される。 付法の弟子の一人とされる清我(二ニO
一ー一三八九)が付した奥書によれば、﹃秘決紗﹄は、横尾流の祖と も伝えられる、鎌倉末期の真一言僧我宝が、﹁小野之法則﹂に任せて、一座行法を解釈したもので、そのことから、 ① 今日計イ八本伝えられる、本書の写本の一本は、﹁釈一座行法﹂と題されている。具体的には、仁海(九五一ー一O
四六)、実範(生年未詳!一一間四)、琳賢(一O
七四ー一一五O
)
、実賢(一一七六ー一二四九)、道範(一一 七八ー一二五二)といった真言僧の口説を参照しながら、修法を構成する諸々の所作の秘められた意義が、七巻 にわたって論じられる。 そして、それら所作の中でも、塗香、護身法、召罪、道場観、振鈴の秘義を述べる際に、五蔵量茶羅に言及さ れ る 。 五蔵量茶羅、すなわち、﹁ほとけに象徴される大宇宙と五臓六蹄から構成される身体小宇宙の相似を意図し﹂② / ③ ていると頼富本宏氏が指摘する、五臓、五輪、五仏を中心とする、多種多様な﹁五部法門 L 聞の相応品、﹃秘決 紗﹄において、いかなる意義やはたらきを担っているのだろうか。既に数多くの論考が残される、覚鍍(一
O
八 五 ! 一 一 四 一 一 一 ) ﹃ 五 輪 九 字 明 秘 密 釈 ﹄ ( 以 下 ﹃ 五 輪 九 字 秘 釈 ﹄ ) 、 あ る い は 、 ﹃ 五 蔵 受 陀 緩 和 会 釈 ﹄ ( 以 下 ﹃ 和 会 釈 ﹄ ) の五蔵受茶羅説と比較して、どのような相違点が指摘されるのだろう。 表題にも記す通り、﹃秘決紗﹄の五蔵受茶羅理解を明らかにすることが、本論文の目的である。それはまた、 同じく先行研究で論究されることの少ない、﹃五輪九字秘釈﹄以後の五蔵量茶羅思想の展開を解明することでも ゑ 7 h v。
r駄都秘決紗』の五歳受築緩理解問題の所在
﹃五輪九字秘釈﹄によって体系化された五蔵量茶羅思想が、同書以後、どのように受容され、また展開してい くかについて、先行研究では、真言宗の内外に分けて、次のように概説される。 第一に、真言宗内では、﹃和会釈﹄や道範﹃五知日五歳等秘密紗﹄のような典籍が製作され、五歳受茶羅の更な る拡充が図られた。すなわち、これら典籍を通じて、五昔、五十音、六調子、五穀、十干と一言った要素も合む、 ﹃五輪九字秘釈﹄のそれより更に広範な﹁五部法門﹂問の対応が、説示され句。 第二に、真言宗外に目を向けると、五蔵品足茶羅は、文学、芸能、医学、易学等の基礎付け、ないし意義付けに 用いられ、栗山秀純氏の言葉を借りれば、寸中世日本文化史の上で、その一基調ともなってい﹂句。具体的な事 例としては、栄西(一一四一ー二二五)﹃喫茶養生記﹄における、五臓、五味、五行、五方、五仏、五部聞の 対応への論及が挙げられ句。大別すれば、本論文は、前者、真言宗内での五蔵受茶羅思想の展開を考察するものである。すなわち、我宝 ﹃秘決紗﹄に提示される五成員茶緑説の検討を通じて、鎌倉以後の同受茶羅思想の展開が、単なる﹁五部法門﹂ の拡充に止まらなかったことを明らかにする。より具体的にいえば、﹃秘決紗﹄の五蔵受茶羅説に、次のような 『駄者自秘ik紗』の1i.J/:長量茶羅瑚W(. 特質が確認されることを閑明する。 第一に、﹃五輪九字秘釈﹄では、五輪受茶羅観の﹁大事﹂と解説される、﹁五蔵三摩地観﹂と呼ばれる密教観法 の観想対象として、五蔵品 X 茶維が詳述されるが、﹃秘決紗﹄では、修法の一部所作に関する、﹁秘 L M 中 最 秘 意 ﹂ 、 ﹁最極伝﹂、ないし﹁最秘之極説﹂として、同漫茶繰に論及される。 第二に、﹃五輪九字秘釈﹄や﹃和会釈﹄では、五蔵三摩地観の観想対象ということで、五蔵量茶羅を観ずるこ とによって、現在肉身に五仏の五智を成就することが出来ると説かれるが、﹃秘決紗﹄の場合、今まさに修行を はじめたばかりの真言行者の心中に、﹁諸法即事而真之義﹂や﹁白身本仏之道理﹂に対する直観的な信を育むこ とが、五蔵品五茶維のはたらきとみなされていると考えられる。 本論文は、全二章より構成される。第一章において、﹃秘決紗﹄の撰者、および撰述時期と撰述場所について 考察した後、第二章で、同書の五蔵量茶羅説を検討する。
第一章
﹃秘決紗﹄について
﹃秘決紗﹄の撰者 五蔵量茶羅の細かな検討に入る前に、本章において、同じく論じられることの少ない、﹃秘決紗﹄の撰者、撰 述時期、および撰述場所について考察しておきたい。第一に、本書の撰者だが、﹃真言宗全意口﹄﹁解題﹂や﹃図書総日録﹄に我宝の名が挙げられるの胸、清我と頼宝 ( 一 二 七 八 ー 一 三 三
O
)
が﹃秘決紗﹄巻七に付した奥書に、以下のように述べられるからであろう。 本云 今此重書七帖者。先師自性上人任ニ小野之法則-釈二座之行法﹂凡真言秘密之奥蔵至極甚深之源底也。努力 秘=箱底斗穴賢。莫 ν令=顕露-(中略)鳴呼親雄 ν謁 ニ 師 主 両 -鰍 難 ν間 二 此 金 一 言 -者 鰍 。 生 前 之 大 幸 没 後 之 本 懐 以 ν 之為 ν 足 而 巳 。 r駄郁秘決紗』の五蔵受茶羅理解 元 徳 三 年 三 月 二 十 一 日 金 剛 資 清 我 延 慶 三 年 版 三 月 二 十 日 以 ニ 師 主 上 人 自 性 房 自 筆 一 於 二 鎌 倉 佐 と 目 谷 -書 二 写 之 一 奉 ν与 ニ 性 身 上 人 -畢 。 唯 目 疋 為 ν表 エ 懇 志 之 甚 深 -不 v顧ニ左道之悪筆-者也。設雄 v閑=居彼遠山幽谷之蘭室ベ令 v随 ユ 身 此 一 部 七 帖 之 草 子 斗 常 見 = 牽 端 一 良 察 ユ 心 裏 -而 己 。 ー @ 金剛資頼l
酎紹清 清我が元徳三年(一三三一)三月二一日に付したという奥書によれば、﹃秘決紗﹄は、寸先師﹂である﹁自性上 人﹂が、小野流の法則に従い、一座行法を解釈した、真言密教の﹁秘密之奥蔵 L であり、﹁至極甚深之源底 L で ある。続く頼宝の奥書には、延慶三年(一三一O
)
三月二O
日に、﹁自性房﹂と称される﹁師主上人﹂自筆の ﹃秘決紗﹄を、鎌倉の﹁佐と口谷﹂で書写し、その書写本を﹁性身上人﹂に与えたと述べられる。これら奥書に 登場する﹁自性上人﹂や﹁師主上人﹂が、我宝である。 我宝は、字を自性といい、今日、横尾山西明寺平等心王院の開山として認知される。真言宗史においては、果 宝(二二O
六ー一三六二)、賢宝(一三三三ー一三九八)とともに、東寺の三宝に数えられる頼宝の師として言 及されることが多い。法流に注目すれば、実賢の孫弟子にあたる定融(生没年未詳)の下で金剛王院流を学び、醍醐流の印可を頼助(一二四六ー一二九七)より受け、法助(一二二七ー一二八四)の法資である性仁 ( 一 二 六 七 ー 一 三
O
四)からも法を付嘱されたと、﹃血脈類集記﹄、﹃野沢血脈集﹄、﹃付法相承血脈紗﹄に主張さ ⑨ れ る 。 重 ね て 、 『駄者自秘決紗』のliJ縫畳茶総理解 奥書の記者である清我と頼宝は、ともに我宝の付法の弟子として知られる真言僧である。櫛田良洪氏が自著の 中で紹介する﹃宗大事口伝﹄によれば、正和六年(一三一七)一月に、臨終を目前に控えた我宝の﹁最後之給 ⑬ 仕﹂を務めたのが、右に記す清我であった。頼宝も、同じく我宝の病席に侍り、同僧より真言密教の秘事を授か ったと伝えられ旬。また、櫛田氏によれば、清我と頼宝は、成-一地元年(一三八九)と元徳二年(一三三O
)
に 、 ⑫ それぞれ八八歳と五二歳で没している。﹃秘決紗﹄の奥書を付した時期、清我は三O
歳、頼宝は三二歳であった 計 算 に な る 。 奥書に記載される年号と各憎の生没年の間に削蹄は無く、奥書が付された時期についても、不審な点は、見当 たらない。加えて、奥書が後代の付加と判断される記述も、特段確認されないということで、右の奥書は、清我、 ないし頼宝その人によって付されたものと認めてよいと考える。その記述に従えば、﹃秘決紗﹄の著者は、﹁自性 ⑬ 上人﹂我宝である。 ﹃秘決紗﹄の撰述時期・場所 続いて、﹃秘決紗﹄の撰述時期に関して、﹃真言宗全書﹄﹁解題﹂では、我宝が示寂した正和六年以前の成立で ⑬ ある以外、不明とされる。ところが、前節で取り上げた頼宝の奥書には、延慶三年三月二 O H に、我宝自筆の ﹃秘決紗﹄を書写したと明記されていた。このことから、遅くとも同年月H
までには、本書﹃秘決紗﹄は、 2i
l
古l
の典籍として完成されていたと指摘される。r駄榔秘決iT..の五歳隻茶羅理解 さらに、その﹃秘決紗﹄と、﹃秘蔵記﹄に関する我宝の講義録と伝えられる、﹃秘蔵記問書﹄(以下﹃問書﹄)、 およぴ﹃秘蔵記蔵助抄﹄(以下﹃蔵勘抄﹄)のとある教説を比較したなら、﹃秘決紗﹄の撰述は、﹃問書﹄の元とな る講義が行われた、延慶二年(二ニ
O
九)八月以後と推定される。比較されるのは、﹃聞書﹄、﹃蔵勘抄﹄それぞ れの巻四と、﹃秘決紗﹄巻一﹁塗香事﹂に明らかにされる、真言行者の手指に関する教説である。 ﹃問書﹄巻六に付された奥書によれば、我宝は、延慶二年の七、八月に、頼宝を含む、十人の真言僧を聴衆と して、﹃秘蔵記﹄に関する講義を行っている。頼宝による同講義の記録が、すなわち﹃聞きであ旬。 ヨ リ ニ 右手恵也観也。左手定也止也。右小指次第配ニ植戒忍進禅寸左小指次第宛二恵方願力知見是不空所訳経軌所 ヲ ト ノ ザ ハ ト ノ ユ ノ ⑮ 説也。別翻 v之左小指云 v檀右小指云 ν恵善無畏三蔵伝也。得ニ此意-両三蔵所訳経軌所 ν載印契等結 v之 也 。 右は、﹃問書﹄巻四からの引用だが、それによるとー我宝は、延慶二年の講義中、﹃秘蔵記﹄に明らかにされる、 @ 真言行者の十指を十波羅蜜に配する説を取りあげて、以下のように解説した。すなわち、十指を十波羅蜜に配す る説にも、﹁不空所訳経軌所説﹂と﹁普無民三蔵伝﹂があり、前者の場合、右手の小指、無名指 ( H 薬 指 ) 、 中 指 、 頭指 ( H 人差し指)、大指 ( H 親指)の五指が、﹁檀戒忍進禅﹂の五波羅蜜に、左手の小指から大指までの五指が、 ﹁ 恵 方 願 力 智 L の五波羅蜜に配される。逆に、後者の場合、左手の五指が、﹁檀戒忍進禅﹂、右手の五指が、﹁恵 ⑮ 方願力智﹂の五波羅蜜に配される。 また、延慶二年から数えてちょうど五年後にあたる、正和三年(一三一四)にも、我宝は、同じく﹃秘蔵記﹄ ⑬ の講義を行っている。その講義を記録したものが、﹃蔵勘抄﹄である。同書巻四によれば、同じ十指を十波羅蜜 に配する説に関して、﹁先師上人﹂我宝は、正和三年の講義の場では、次のように述べた。 先師上人云。左恵方願力智。右檀戒忍進禅。此不空説(中略)以ニ左右-配ニ上観定恵禅智等-事両三蔵同也 , , , , , , , , 一 / (中略)右小指檀也。五大中地大五蔵中牌蔵也(中略)無名指者戒五大中水五蔵中腎蔵也(中略)中指者r駄都秘決紗』のTlI旗畳茶羅理解 ノ ノ ノ ノ ノ ニ パ ノ 品 ハ 山 ノ ト シ テ ム 宇 忍五蔵中心蔵五大中火大也(中略)頭指者進也。五蔵中肺臓五大中風大也。肺諸蔵総体裏=諸蔵司皮也。 ノ ニ ハ ノ ユ ハ @ 大指者禅也。五蔵中肝蔵五大中空大也。 右手の五指は、﹁恵方願力智﹂、ないし﹁栂戒忍進禅﹂の十波羅蜜のみならず、地水火風空の五大、牌腎心肺肝 の五臓にも配される。すなわち、小指は、地大と牌臓に、・無名指は、水大と腎臓に、中指は、火大と心臓に配さ れる。残る頭指と大指は、それぞれ、風大と肺臓、空大と肝臓に配される。 以上の、五指、五大、五臓問の配当説だが、第一に、五指と五大の対応に限って昔守えば、これは、﹃大
H
経 疏 ﹄ にならったもの布、決して、我宝に独自の主張ではない。しかし、小指、無名指、中折、頭指、大指の五指を、 @ 順に、牌腎心肺肝の五臓に配する部分に関しては、管見の限り、先例が見出されない。おそらく、我宝自身によ って考案された配当であ旬。 仮に、延慶二年の講義中に、右に紹介する、五指、五大、五臓の配当が説かれていたなら、講義の筆記者が頼 @ 宝である以上、必ず記録されていたことだろう。また、﹃問書﹄と﹃雄助抄﹄を比較した際に、記述内容がほと @ んど変わらない筒所も少なからず確認されることを考慮すれば、配当自体は延慶二年以前に考案されていたが、 同年の講義の場ではあえて説かれなかったという可能性も低い。つまり、右記の配当説は、延慶二年の講義後に 発想されたものと推測される。 これらの考察を踏まえて、﹃秘決紗﹄の教説に目を向けると、巻一﹁三密観印事﹂に、﹁十指則十波羅蜜。成十 @ 法界成十真如﹂と説かれる一方で、同じく巻一﹁塗香事﹂に、次のような記述が見られる。 @ ノ ハ ニ ヲ @ 今 此 五 知 日 衆 生 当 体 之 五 蔵 ︽ ヨ 乙 合 問 凶 ︾ ︽g
︾也。彼五歳校保五指也。故以 ν香塗 v 之 。 詳しくは次章で述べるが、﹃秘決紗﹄では、修法の一部所作に関する﹁秘と中最秘意 L 、ないし﹁最根伝﹂とし て、五蔵受茶羅に言及される。引用文は、塗香の秘釈として-説示された五蔵受茶羅説の一部である。それによる『駄都秘決紗』の五歳受奇書羅理解 と、香が塗布される、小指から大指までの五指は、牌腎心肺肝の五臓の﹁枝篠﹂と理解される。 繰り返すが、﹃蔵勘抄﹄巻四に教示される、五指、五大、五臓聞の配当説は、延慶二年八月以降に、我宝によ って考案されたと考えられる。したがって、﹃秘決紗﹄中の同様の主張も、延慶二年八月以後の発想とみなされ る。ひいては、﹃秘決紗﹄の成立自体、延慶二年八月以後と推定される。 そして、﹃秘決紗﹄の成立が、延慶二年八月以後、岡三年三月二
O
日以前なのであれば、同書の撰述場所は、 横尾山西明寺平等心王院である。建治年聞こ二七五l
一二七八)に、我宝は、平等心王院を下賜され、以後、 同院の住僧となっているからであ旬。﹃秘決紗﹄の五蔵憂茶羅について
第二章
修法の所作と五蔵曇茶羅 ﹁ 問 題 の 所 在 L でも述べたように、先行する典籍の説と比較した場AR﹃秘決紗﹄に説示される五蔵量茶羅に は 、 ﹁ 五 部 法 門 L の拡充以外に、以下二点の特質が確認される。 ①塗香、護身法、道場観、召罪、振鈴といった、修法の一部所作に関する、﹁秘と中最秘意﹂、﹁最極伝﹂、な いし﹁最秘之極説﹂として説示される。 ②初心の修行者に、﹁諸法即事而真之義﹂や﹁自身本仏之道理﹂に対する直観的な信を抱かせることが、そ のはたらきと推測される。 本節では、この中①の特質について検討を試みる。 ﹃五輪九字秘釈﹄の主張を改めて概説しておくと、五蔵品瓦茶羅は、五輪回曳茶羅観の﹁大事﹂、あるいは、﹁秘之五輪、五仏を中心とする﹁五部法門 L 聞 の対応を観ずることで、即座に三摩地の境地を現前させ、現在肉身に五仏の五知口を成就することが出来るとされい 一方、﹃秘決紗﹄では、塗香、護身法、道場観、召罪、振鈴の五所作、正確には、所作それぞれの中核的要素 とみなされる、五指、五印明、不動明王、五峰八柱の楼閣、金剛鈴等の﹁秘と中最秘意﹂、﹁最板伝﹂、ないし ﹁最秘之極説﹂として、五蔵量茶羅が提示される。詳細は、以下に述べる通りである。 中秘﹂義と解説される五蔵三摩地観の観想対象である。行者は、 五 臓 、 r~t 荷[1秘決紗』のÍ1J裁量茶純理解
(
I
)
塗香 ﹃秘決紗﹄巻一﹁塗脊事﹂によれば、小乗仏教では﹁凶位修行之体﹂と﹁果位謹用﹂に二分される、戒、定、 慈、解脱、解脱知見の五分法身は、真言密教においては、東西南北と中方の五方に配当され、結果、五方の五仏、 およびその五智とも同一視される。さらに、これら五分法身 H 五方 H 五智は、衆生の現在肉身中の五臓を生じる @ であり、その五臓の﹁校保﹂が、五指である。五分法身、五方、五知目、五臓、五指聞の対応は、 母 体 ( 遠 足 、 さ 左図の通りである。 〆 脱 解 知見 五 解 脱 慧 定 戒 法 分身 ~t 同 南 東 五方 法 体 性界智 成所作智 観智察妙 大鏡智円 五努日ロ 臓牌 臓腎 臓'Jí~
臓心, 臓肝 五 臓,
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tibJ、神 魂 五神 指 無指名 指頭 指中 大指 指五このように、五臓の﹁枝篠﹂であることから、香は、小指、無名指、中指、頭指、大指の五指に塗られ句。す なわち、ー香を塗布して手指を浄める行為は、五臓へのはたらきかけに他ならない。同じく﹁塗香事﹂によれば、 五指に塗られる香には、﹁清涼之徳﹂が具備される。ここでいう﹁清涼﹂とは、﹁煩悩即菩提﹂と覚悟することで ある。以上の点から、塗香は、現在肉身に﹁煩悩即菩提﹂の徳を具備せしめる行為と理解され旬。
(
H
)
護身法 ﹃秘決紗﹄巻一﹁配当五蔵事 L では、第一に、五臓、五色、五大、五神と、合蓮華、宝珠、八葉蓮華、三角、 方の五形、およぴ、護身法に用いられる、浄三業、仏部三昧耶、蓮華部三昧耶、金剛部三昧耶、被甲護身の五印 @ 明間の対応が、説き示される。対応の詳細は、左図の通りである。 F駄都秘決紗』の五歳隻茶羅理解 臓腎 臓牌 肝臓 ,臓心 肺臓 臓!五 ー唱 賞 青 赤 白 五色*
地 空 火 風 五大 塊 意 魂 やh
ゴ,th=、 五神 方 角 蓮華葉八 珠宝 介蓮華 形 護 被 身申 金 剛 部 蓮華部 部仏i
争 五 ~I) 耶昧 耶昧 昧耶 業 明 これら対応に関する一連の記述をうけて、引き続き、﹁配当五蔵事﹂では、五歳受茶羅と護身法の意義につい て、次のように述べられる。浄三業以下の五印は、﹁五蔵受茶羅真体﹂を結ぴあらわす存在であり、五印明に J @ ﹁五蔵量茶羅義﹂を習うことは、それらに関する数ある解釈中の﹁秘と中最秘意﹂に当たる。また、﹁五蔵品 X 茶羅 義 ﹂ は 、 ﹁諸法即事而真之義﹂に直結していて、第一に、﹁初入修行之人﹂に伝授される。さらに、五臓は、 ﹁大悲胎蔵自身本札受茶羅﹂であり、この五臓と五色の調和、および﹁調熟﹂こそが、第一の護身と理解され旬。 (即)召罪 r駄者I1秘決紗』のJi成主主茶級理解 ﹃秘決紗﹄巻二﹁召罪事﹂によれば、﹁召罪印﹂に用いられる、﹁大師御伝﹂の不動秘印、および同印が表象す @ る不動明.土にも、数多の解釈が存在するが、コハ大無碍義﹂が、その﹁至極﹂である。すなわち、不動明王、不 動秘印、さらに、召罪の怠義について、﹁六大無碍﹂と習うことこそ、それらに関する﹁最極伝﹂である。 そして、この 2 ハ大無碍義﹂とは、﹁真一言行者骨肉脈血皮之五蔵受茶羅﹂のことでもある。 同じく﹁召罪事﹂によれば、不動明王の形像は、①盤石、②山水およぴ大海、③火炎、④不動明王、⑤同明王 の青黒の体色、⑥盤石上の座から構成され、また、これら六要素の一々は、合︾︽丘︾︽
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︾ ︽E
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︾ 、 ないし︽ω
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︾合ω
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︾の五字、五大、五臓の一々に対応させられる。詳細は、左闘の通 り で あ る 。 盤石上 青‘唱 不 動明王 火炎 yおlh k 盤 石 形 像 の よ の の 体 色 大海ぴ 要素 座 ー官
己 ヨロ合、,
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、,ω〆、五. ② 字 空 大 大空 風大 大火 y大~ 地大 五. 大 臓 肝戸
臓肺.
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臓腎 臓牌 五臓以上の対応の次第が、不動明王、ないし不動秘印における﹁六大無碍義﹂の具体相であり、それ故、﹁六大無 碍﹂は、﹁真言行者骨肉脈血皮之五蔵量茶羅﹂を意味すると説かれる。さらに、﹁召罪事﹂では、このような、六 大無碍 H 五蔵量茶羅の義を備える不動明王、ないし不動秘印それ自体が、﹁即身成仏自身本札体﹂と主張され旬。 r駄都秘決紗』の五歳隻茶緩理解
(
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)
道場観 ﹃秘決紗﹄巻三﹁道場観事﹂によれば、修法の本尊を召請する﹁六大法界本有道場﹂を建立するにあたって観 じ顕される、器界(および須弥山)と﹁五峰八柱楼閣﹂、さらに、道場中に召請される本草は、行者の一身にな ぞらえて、次のように解釈される。 J 器界と須弥山は、行者の一身の全体、あらゆる六大と四隻である。﹁自身法界六大塔婆﹂をその寸体﹂とする。 ノ 続いて、器界(ないし須弥山)上に観ぜられる﹁五峰八柱楼閣﹂は、五蔵受茶羅の﹁体﹂、すなわち五臓である。 その中には、五臓の一々に、﹁本味﹂、﹁母昧﹂、寸子昧﹂の三昧が具わることと関連して、﹁法爾応住三部三身三密 , , , , 等﹂の功徳が具足され、同じく五臓に、五色、五味、五声等の﹁五部法門﹂が具わることと関連して、﹁五大明﹂ が観想される。最後に、﹁五峰八柱楼閣﹂内に召請される本尊は、衆生自身の質多心(えきてすなわち﹁慮知分 別﹂の心そのものである。 同じく﹃秘決紗﹄﹁道場観事﹂によれば、これら﹁六大五蔵本尊三種﹂は、﹁本質﹂のごとき存在、﹁自身本有 法身内議功徳﹂とも理解される。 また、詳しい解説は次節に譲るが、本﹁道場観事﹂では、五蔵回受茶羅は、真言行者の﹁信力﹂の具体的な顕れ ともみなされる。すなわち、修法を成功に導くとされる、真言行者の堅固な信力は、第一に、修法を希望した ノ ノ ナ ル ノ ノ ナ ル ﹁施主一身即六大両部受茶義﹂を観ずることと換畳一周される。そして、この﹁施主一身即六大両部品文茶義﹂を観ずることは、具体的には、施主の一身に五蔵受茶羅を観想することと解説され旬。
(
V
)
振鈴 r駄翻i秘決紗』の五蔵員茶綴埋解 ﹃秘決紗﹄巻四﹁振鈴事﹂によれば、振鈴にも、寸最秘之極説﹂として、﹁五蔵配当之義﹂が存在する。すなわ ち、金剛鈴を振るって耳と胸と額の三ヶ所を加持する際の、﹁能加持之体 L に該当する五股杵と金剛鈴は、それ ぞれ、肺と牌の二臓に配当され、﹁所加持之相﹂に当たる耳と胸と額は、腎心肝の三臓に配当される。したがっ て、振鈴は、﹁能所和合﹂した﹁五大五蔵等義﹂を表している。 続いて、それら配当の理由であるが、同じく﹁振鈴事﹂によれば、共に合ロヨ︾字と︽乙字を種子とするこ @ とから、五股杵は肺臓に、金剛鈴は牌臓に配当される。また、耳根が、腎臓の﹁僚葉﹂であり、肝臓の﹁保葉﹂ である血脈が、﹁百会﹂に﹁来集﹂することから、耳と額は、それぞれ腎臓と肝臓に配当される。最後に、心臓 @ が胸部に収納されることから、胸は、同心臓に配当される。 信と五蔵曇茶羅 最後に、﹃秘決紗﹄に説示される五蔵受茶緑のはたらき、すなわち、先述の②の特質について考えておきたい。 @ ﹃秘決紗﹄の場合、﹃五輪九字秘釈﹄や﹃和会釈﹄のような明快な形では、五減量茶羅のはたらきに触れられ ないが、以下に紹介する、﹃秘決紗﹄の記述を総合すれば、初心の修行者の心中に、自らの肉身への深く直観的 な信を育み、彼らを真言密教最上の機へ導くことが、同書の想定する、五蔵受茶羅のはたらきであると推測され る。すなわち、﹃秘決紗﹄巻一﹁配当五蔵事﹂、巻二﹁勝心事﹂、巻三﹁道場観事﹂の各章で、(
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)
五 蔵 受 茶 羅 は 、 ﹁初入修行之人﹂に伝授され、﹁諸法即事而真之義﹂と直結している、 ( H H U ) ﹁自身本仏之道理﹂への﹁深信﹂を 2得た初心の修行者は、そのまま﹁直入直修直悟直誼之機﹂となる、 具体的な顕れとみなされる、と説かれている。 ( ⋮
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五蔵量茶羅は、真言行者の﹁信力﹂の( i
)
、 ( H U ) 、 ( ⋮m )
それぞれの詳細を述べていく。 ノ 前節で概観したよ、ヲに、﹃秘決紗﹄﹁配当五蔵事 L では、﹁五蔵回受茶羅義﹂が、五印明の﹁秘と中最秘意﹂であ ると説かれ旬。そのことを踏まえ、同じく﹁配当五蔵事﹂では、五歳受茶羅の伝授に関して、次のように述べら 以 下 、 r駄都秘決紗』の五減益受言宗羅理解 れ て い る 。 次習=五蔵受茶羅義斗即秘と中最秘意也。初入修行之人授 ν之。直約二諸法即事而真之義寸自家大意一切皆爾 @ 也 。 五印明の寸秘と中最秘意﹂として明らかにされた五歳受茶羅は、第一に、﹁初入修行之人 L 、すなわち、新たに 真言の行道に入ったばかりの、初心の修行者に伝授されるものである。それはまた、真言密教の﹁大意﹂とみな される﹁諸法即事而真之義﹂とも直に結びついている。 続いて、﹃秘決紗﹄﹁勝心事﹂には、真言行者が抱くべき信に関して、次のような解説がなされている。 ュ ト ニ シ ャ ラ ー ド ニ ト ニ ス ル ヲ 所 ν謂 信 者 株 主 日 阿 毘 冒 地 。 此 云 = 信 解 -( 中 略 ) . 又 発 音 遮 撮 駄 者 此 云 ニ 深 信 一 所 v謂 直 信 = 自 身 本 仏 之 道 理 -也 。 ヲ ノ ニ タ ス ル ノ ヲ レ ノ ヲ 不 ν知 = 善 悪 一 不 ν達=内外教理﹂サレトモ深信ニ自身体性-也。此真言教最上機根也。是云=直入直修直悟直誇 シ タ ト ヲ ス レ 、 ヲ ノ ノ ハ ヲ ト ス ル 之機-也(中略)若雛 v受二印一明斗信=自身成仏之義-即真言大乗上機也。 A 1 教以 ν信 為 ニ 極 位 一 即 信 ニ 自 身 ヲ @ 即 仏 -故 也 。 ﹁勝心事﹂によれば、仏教者の信に、﹁信解﹂(
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F
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。 忌 町 ) と ﹁ 深 信 ﹂ ( 句 、 ね え h s h ) の二種があるが、真言行者 が抱くべきは、後者の深信である。深信は、智のはたらきによらず、本有清浄の仏身である﹁自身体性﹂を深く @ 信ずること、﹁自身本仏之道理﹂を直観的に信じることである。同じく﹁勝心事﹂によると、﹁一印一明﹂、すなr~京都秘iた紗』の五雌鍾茶雄理解 一つの印契、一つの真一言を授けられただけの初心の修行者でも、この深信を獲得したならば、それだけで、 ﹁真言教最上機根﹂、﹁真言大乗上機﹂、すなわち﹁直入直修直悟匝讃之機﹂となることが出来る。 以 上 、
(
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)
と( H
)
の内容を総合するだけでも、五蔵品文茶羅の伝授と深信の獲得の聞に、次のような結びつ きが想定される。すなわち、五蔵品又茶羅の伝授を通じて、﹁初入修行之人﹂は、同受茶羅と直に結びついた﹁諸 法即事而真之義﹂を直観する。すると、それが、自身の体性、﹁自身本仏之道理﹂への深信となり、結果、﹁直入 直修直悟直誰之機﹂へ導かれる、というものである。加えて、﹃秘決紗﹄﹁道場観事﹂には、次のような記述が見 ら れ る 。 ノ ニ レ ノ ヲ ト 一切印明皆目疋具ニ横竪自利利他二義一也(中略)利他者為二切衆生及施主等﹂修法建壇等修 ν之也(中略)今 ヲ ノ ヲ ス ル シ ノ ナ レ 、 ノ ス ル ト 此化他之時利ニ衆生一也。及施主等所願祈請也(中略)若行者信力堅固施主所願必成就也。信力者知実知 ナ リ ト ノ / 十 ル ヲ シ 白心。如実知白心者施主一身即六大両部長茶義可 ν観 v之也。若施主人魂等慎有 ν之時。施主肝蔵愛染王及普 -亨 ニ テ ユ ス レ ハ ノ ヲ ニ ス ル ⑬ 賢延命井炎魔天等種子三形等委細可 ν観 ν之 ( 中 略 ) 随 = 所 割 引 ご 随 ニ 病 患 等 -観 = 五 蔵 随 一 一 即 速 疾 所 願 成 就 也 。 ﹁道場観事﹂によれば、あらゆる修法の成否は、それを執り行う行者の﹁信力﹂にかかっている。行者の信力 が堅固なら、修法の実施を希望した施主の所願は、必ず成就される。この信力の詳細を述べれば、それは、﹁知 ノ ノ ナ ル 実知白心﹂であり、﹁施主一身即六大両部受茶義﹂を観ずることである。そして、後者の観を具体的に表現すれ ば、施主自身の五臓の何れか一つに、本尊の﹁種子三形等﹂を細かに観ずることである。施主の﹁五蔵随ごを 観想することで、彼らのいかなる所願も、速やかに成就される。つまり、前節でも概説したように、五蔵且史茶羅 は、真言行者の信力の具体的な顕れともみなされている。 わ ち結
論
r駄都秘決紗』の五歳隻茶掻理解 以下に、各章の検討結果をまとめておく。 ①﹃秘決紗﹄の撰者は、我宝で間違いなく、撰述時期は、延慶二年八月以降、岡三年三月二O
日以前、撰述 場所は、模尾山西明寺平等心王院と推測される。 ②﹃秘決紗﹄では、五蔵三摩地観と呼ばれる密教観法の観想対象ではなく、塗香や護身法等、修法の一部所 作に関する、﹁秘と中最秘意﹂、﹁最極伝﹂、ないし﹁最秘之極説﹂として、五蔵受茶羅が説示される。 J ③同じく﹃秘決紗﹄では、﹁初入修行之人﹂の内に、﹁自身本仏之道理﹂に対する直観的な信を育み、結果、 ﹁真言教最上機根﹂である﹁直入直修直悟直讃之機﹂とすることが、五蔵受茶羅の主要なはたらきとみな されていると考えられる。 以上の結果から、﹃五輪九字秘釈﹄以後の五蔵受茶羅思想の展開が、五臓、五輪、五仏を中心とする、﹁五部法 門﹂の拡充に止まらなかったことは、明白である。このような思想の展開が、何故起こったのか、また、真言宗 @ 内外の五蔵量茶羅思想の展開にいかなる影響を及ぼしたかを明らかにすることが、今後の課題といえる。 註 ①﹃国書総目録﹄(補訂版、一九九O
年、岩波書底)巻五・五六二頁a
段 ﹁ 駄 都 秘 決 抄 ﹂ の 項 参 照 。 ②頼富本宏﹁密教の受容した五臓説l
胎内納入品と覚鎮の﹃五輪九字明秘密釈﹄を中心としてl
﹂ ( ﹃ 東 方 宗 教 ﹄ 九O
、 一 九 九 七 年 、 日 本 道 教 学 会 ) 八 三 頁 上 段 参 照 。 ③ ﹃ 秘 決 紗 ﹄ 巻 一 ニ ﹁ 道 場 観 事 ﹂ に 、 ﹁ 即 是 五 蔵 各 具 ニ 五 色 五 味 五 声 等 五 部 法 門 -故 ﹂ と 述 べ ら れ る こ と か ら 、 本 論 文 で は 、r駄割i秘決紗』の瓦蔵量茶搬理解 ﹁ 五 部 法 門 ﹂ の 語 を 、 五 色 、 巻二三・二一四頁上段参照。 ④栗山秀純﹁﹃五輪九字明秘密釈﹄における五蔵三摩地観﹂(﹃豊山学報﹄一三、一九六七年、豊山宗学研修所)六二 ー六六頁、同﹁興教大師の﹃五輪九字明秘密釈﹄と中世日本文化における五蔵観思想│﹃梁鹿秘抄口伝集﹄と﹃喫茶 養生記﹄を小心にして│﹂(﹃櫛出博士頒寿記念高僧伝の研究﹄、一九七三年、山喜房仏書林)二問八│二五一頁参 昭 山 。 ⑤栗山秀純﹁興教大師の﹃五輪九字明秘密釈﹄と中世日本文化における五蔵観思想│﹃梁塵秘抄口伝集﹄と﹃喫茶養 生記﹄を中心にして│﹂二四三頁参照。 ⑥栗山前掲論文二四六
l
二 四 八 頁 参 照 。 ⑦﹃真全﹄別巻﹁解題﹂一六二頁下段ー一六六頁上段、および﹃国書総H
録﹄巻五・五六二頁a
段﹁駄都秘決抄﹂の 項 参 照 。 ⑧﹃真全﹄巻二三・二八九頁下段。 ⑨﹃真全﹄巻三九・二八六頁上 l 下段、四O
六頁上段、四二七頁下段 l 四二八頁上段、および﹃統真言宗全書﹄(以下 ﹃ 統 真 全 ﹄ ) 巻 二 五 ・ 六 九 頁 下 段 参 照 。 ⑬櫛悶良洪﹃統真昏一 n 密教成立過程の研究﹄(一九七九年、山喜一房仏書林)二九O
頁 参 照 。 ⑪ 櫛 出 前 掲 書 二 八 九l
ニ 九0 .
貝 参 照 。 ⑫櫛田前掲書二八六頁、および二九三頁・註七参照。 ⑬さらに、﹃秘決紗﹄の我宝撰を裏付ける傍証として、果宝自筆の﹃秘決紗﹄が存在していたことが、 詳細は、﹃真全﹄巻二三・二八九頁下段参照。 ⑬﹃真全﹄別巻﹁解題﹂一六五頁上段参照。 ⑬﹃統真全﹄巻一五・二-二頁上段、および櫛田前掲書二九Ol
二 九 一 真 参 照 。 ⑬﹃統真全﹄巻一五・一O
一 頁 上l
下 段 。 ⑫﹃秘蔵記﹄の元の教説に関しては、﹃真全﹄巻九・二一頁下段参照。 ⑬﹁善無畏三蔵伝﹂は、﹃大日経疏﹄巻一三﹁密印品第九﹂中の記述を指す。 五 昧 、 五 声 、 五輪等の総称とした。﹃真言宗全書﹄(以下﹃真全﹄) さ ら に 五 臓 、 五 仏 、 挙 げ ら れ る 。 ま た 、 , , , , , ﹁ 不 空 所 訳 経 軌 所 説 ﹂ は 、 ﹃ 聖 賀 野紘哩縛大威怒王立成大神験供養念諦儀軌法品﹄中の記述等を指すと思われる。﹃大正新情大蔵経﹄(以下﹃大正﹄)巻 三九・七一五頁上段、および巻二
0
・ 一 六 三 頁 下 段 参 照 。 ⑬道我(生没年未詳)が付した奥書によれば、﹃蔵勘抄﹄は、正和三年に開催された我宝の﹃秘蔵記﹄講義を、道我 自身が記録・編集したものである。﹃続真全﹄巻一五・二八三頁上l
下 段 参 照 。 @﹃続真全﹄巻一五・二二六頁下段│二二七頁上段。 @﹃大正﹄巻三九・七一五頁上段参照。 ⑫五指と五臓の対応自体は、湛然(七一一l
七八二)﹃止観輔行伝弘決﹄等にも説示されるが、対応の具体的な内容 が、﹃蔵勘抄﹄とは異なっている。﹃大正﹄巻四六・問OO
頁 中 段 参 照 。 ⑫また、我宝の考案であることの傍証として、隆喰(一七七三ー一八五O
)
﹃ 秘 蔵 記 拾 要 記 ﹄ に 、 ﹁ 蔵 勘 抄 。 左 右 五 指 。 配=五大。五字。五臓乙と述べられることが挙げられる。﹃真全﹄巻九・三七一頁上段参照。 @櫛田前掲書二九O
l
二 九 一 一 貝 参 照 。 @たとえば、﹃秘蔵記﹄中の﹁知去﹂と﹁加来﹂の語を註釈する、﹃問書﹄巻四﹁知去如来事 L と﹃蔵勘抄﹄巻四﹁文 三十二如去等文﹂中の記述の類似等が挙げられる。﹃続真全﹄巻一五・一O
一 頁 上 段 、 お よ び 二 二 六 頁 上 │ 下 段 参 照 。 @﹃真全﹄巻二三・一八二頁下段参照。 @悉曇については、︽︾中にローマ字化したものを記載し、その形式でもって表記することを基本とする。 @﹃真全﹄巻二三・一八一頁上段? ⑫﹃密教大辞典﹄(縮刷版、一九八三年、法蔵館)七六三頁上段﹁西明寺﹂の項参照。 @﹃興教大師全集﹄(以下﹃興全﹄)巻下・一一一二四ー一一五O
頁、一一八O
頁、および那須政隆﹃五輪九字秘釈の研 究 ﹄ ( 再 版 、 一 九 七O
年 、 鹿 野 苑 ) 一O
三ー一八一頁、三二一ー三二二頁参照。 @﹃秘決紗﹄の原文は、﹁今此五包衆乞当体之五恥︽自釦︾合問︾︽日︾也﹂である o ﹃真全﹄巻二三・一八一頁上段参 照 。 ︽ ヨ ω ︾ ︽e
v
p
m
︾は、悉曇文字の母韻を意味する、﹁摩多二ミ誌)、﹁摩但理迦﹂(遣句、き)、ないし﹁摩多羅﹂ を指すと思われる。﹃翻訳名義集﹄や﹃一切経音義﹄によれば、﹁摩但理迦﹂は、﹁本母﹂、あるいは﹁行母﹂と漢訳さ れる。この翻訳に基づき、本論文では︽ヨ乙会乙︽E
︾を、五臓を生じる母体と解釈した。﹃大正﹄巻五四・六一 九 頁 下 段 、 一 一 一O
頁下段、および、﹃仏教語大辞典﹄(縮刷版、一九八一年、東京書籍)一二六六頁 b 段 寸 本 母 ﹂ 、 F駄o秘決紗』の五歳受茶羅理解rli;都秘決紗aのJi.l厳畳茶羅理解 一 二 七 九 頁 b 段 ﹁ 摩 但 旦 ﹂ 、 ﹁ 摩 但 理 迦 ﹂ の 項 参 照 。 @ただし、﹃秘決紗﹄には、五臓と五指聞の対応の詳細は述べられない。前節で紹介した﹃蔵勘抄﹄の記述に基づき、 図のように配当した。 @塗香の詳細に関しては、﹃密教大辞典﹄一三二五頁下段ー一三二六頁中段﹁塗香﹂の項参照。 @以上の記述の詳細は、﹃真全﹄巻二三・一八一頁上
l
下 段 参 照 。 @護身法に用いる印明の詳細と系譜は、高井観海﹁護身法の研究│特に経軌を中心として│﹂(﹃密教大系﹄巻九、一 九九四年、法蔵館)、およぴ中川善教﹁護身法﹂(﹃密教大系﹄巻九)参照。 ⑮五臓を配する以外の解釈については、﹃真全﹄巻二三・一八二氏下段ー一八七頁上段、および一八八頁上段参照。 @以上の記述の詳細は、﹃真全﹄巻二三・一八七頁上段l
一 八 八 頁 上 段 参 照 。 ⑮百罪の詳細については、﹃真全﹄巻二三・二O
八頁上段、およぴ﹃密教大辞典﹄七四九頁下段﹁擢罪﹂の項参照。 @以上の記述の詳細は、﹃真全﹄巻二三・二O
七頁下段l
二O
八 頁 下 段 参 照 。 ⑩以上の記述の詳細は、﹃真全﹄巻二三・二一二真上段│一二八頁上段参照。 ⑪﹃秘決紗﹄﹁振鈴事﹂によれば、金剛鈴菩薩の種子真言が︽宮町︾字、ないし︽乙字であることから、金剛鈴は、 牌臓に配当される。﹃真全﹄巻二三・二四二頁下段│二四三頁上段参照。 ⑫以上の記述の詳細は、﹃真全﹄巻二三・二三八頁下段l
二 四 三 頁 上 段 参 照 。 ⑬﹃興全﹄巻.ト・一一三九ー一一五O
頁、および、﹃金沢文庫資料全書第六巻真一言篇 ( 1 ) ﹄(一九八二年、神奈川 県立金沢文庫)一二九頁上段、二四O
頁下段│二四二頁上段参照。 @﹁五蔵受茶羅義﹂の詳細は、﹃真全﹄巻二三・一八七頁上l
下段、一八八頁上段参照。 @﹃真全﹄巻二三・一八八頁上段。 ⑬﹃真全﹄巻二三・二OO
頁 下 段 。 @信解は、智のはたらきに基づいて、信心を起こすこと、善悪を分別し、内外の教えに通じることで、信心を起こす ことと解説される。﹃真全﹄巻一三了二OO
頁下段参照。また、﹃秘決紗﹄中の信解と深信の解説は、﹃大日経疏﹄の 記述を踏まえている。詳しくは、﹃大正﹄巻三九・六一四頁中段参照。 ⑬ ﹃ 真 全 ﹄ 巻 二 三 ・ 二 一 二 頁 下 段 │ 一 一 一 三 . 員 上 段 。@紙幅の都合上、本論文では割愛したが、﹃秘決紗﹄巻二﹁五色等事﹂や巻三﹁大海底等事﹂にも、短いながら、五 臓への論及が確認される。それらの検討も、今後の課題と言える。 キ ー ワ ー ド 五 蔵 品 文 茶 羅 、 ﹃ 駄 都 秘 決 紗 ﹄ 、 我 宝 r駄都秘決紗』のJi蔵史書寄経理I!解