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厚生労働科学研究費補助金
(難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究事業)
分担研究報告書
尿道括約筋機能障害による腹圧性尿失禁に対する傍尿道への脂肪組織由来 幹駆細胞(脂肪組織由来再生細胞)注入治療の臨床的検討
研究代表者 後藤百万 名古屋大学大学院医学系研究科泌尿器科学 教授 研究分担者 舟橋康人 名古屋大学大学院医学系研究科泌尿器科学 助教
研究要旨
医師主導型治験の実施を目的として、非培養自己ヒト皮下脂肪組織由来幹細胞
(脂肪組織由来再生細胞adipose-derived regenerative cells: ADRCs)を用いた 腹圧性尿失禁治療の有用性と安全性に関する先行臨床研究を、平成23年3月ヒ ト幹臨床研究審査委員会により承認されたプロトコールに準拠して実施した。
男性14症例、女性4症例の計18症例について、有効性と安全性に関する中間 成績を解析した。ADRCs傍尿道注入治療を実施した 18症例においては、問題 となる合併症を認めておらず、効果判定可能な経過観察期間を経た男性症例14 例中10例で明らかな尿失禁の改善効果を認めた。特に男性1例では、尿失禁の 完全消失を認めた。フォローアップ期間の短い女性4例では、治療後3ヶ月で2 例において明らかな尿失禁改善効果を認めている。
A. 研究目的
腹圧性尿失禁は、尿道括約筋機能障 害により腹圧負荷時に尿が漏れるも ので、直接生命に関わることはないが、
生活の質を著しく阻害するQOL 疾患 である。妊娠・出産・加齢などが要因 となる女性の腹圧性尿失禁は、本邦で は約 400 万人が罹患していると推定 されている。男性における腹圧性尿失 禁は、前立腺肥大症や前立腺癌の手術 後合併症として発生する。特に近年急 増する前立腺癌に対する根治的前立
腺摘除術を受けた患者の 10〜40%程 度に発生すると報告されている。現在、
本邦での前立腺癌に対する前立腺全 摘除術は年間2万件程度実施されてい ることから、毎年 2,000〜8,000 人の 術後腹圧性尿失禁患者が、新たに発生 していることになる。また、前立腺癌 は 2020年には、本邦男性における癌 発生率の第2位へ急増すると推計され ていることから、前立腺癌術後尿失禁 患者数はさらに増加することが予測 される。本疾患の治療では、理学療法
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(骨盤底筋訓練)が初期治療として行 われ、問題となる合併症はないものの、
中等症以上の例には無効である。腹圧 性尿失禁に対する薬物療法として、β 2アドレナリン受容体作動薬であるク レンブテロール塩酸塩が承認されて いるが、無作為化試験で有効性が確認 されていない。外科的治療としては、
尿道スリング手術が女性腹圧性尿失 禁に対して広く行われ、良好な成績が 得られているが、異物を体内に留置す るという欠点があり、異物としてのス リング素材による膣びらん発生が副 作用として報告されている。腹圧性尿 失禁に対する低侵襲外科的治療とし て、傍尿道コラーゲン注入治療が行わ れることがあるが、注入後数週間以内 に吸収されるため 1〜3 ヵ月以内に再 発することから治療持続効果が高く ない。さらに、唯一日本でコラーゲン を取り扱っていたメディコン社は平 成22年12月でその取扱いを中止した ため、腹圧性尿失禁に対する低侵襲的 外科的治療の選択肢が無くなった。ま た男性における腹圧性尿失禁に対し ては、2013 年 4 月に人工尿道括約筋 移植術が保険適用となったが、機器を 体内に埋め込むことから、感染や機器 の作動異常などが課題となる。このよ うに、男性の腹圧性尿失禁に対しては、
本邦で行い得る有効な低侵襲外科的 治療がないのが現状である。そこで 我々は、2001 年に発見同定された多 分化能を有する皮下脂肪組織由来間 葉系前駆細胞(脂肪組織由来再生細 胞:Adipose Derived Regeneration
Cells: ADRCs)に着目し、本研究では、
細胞供給源としての皮下脂肪組織か ら採取される自己ADRCsを用いた腹 圧性尿失禁に対する新しい治療、すな わち経尿道的内視鏡下ADRCs傍尿道 注入治療を開発し、その有用性と安全 性を検証した。
本研究事業は、世界初の傍尿道への 脂肪組織由来間葉系前駆細胞(脂肪組 織由来再生細胞)注入治療を、保険承 認のための医師主導型治験として実 施し、日本発の新再生治療として世界 に普及させることを目的としており、
本報告書ではその予備臨床試験の中 間解析結果を報告する。
B. 研究方法
患者選択、治療方法、有効性および 安全性の評価は、平成 23年3月厚生 労働省ヒト幹臨床研究審査委員会に より承認(平成23年3月15日承認:
厚生労働省発医政0315第3号)され た プ ロ ト コ ー ル (UMINID : UMIN000006116)に準拠して実施し た。
1.被験者の選定基準
細 胞 移 植 で 生 じ る 効 能 ( 治 療 効 果)・副作用・手技による合併症・利 益・不利益を文書により充分に説明し、
患者自らの意志および家族の理解と 承諾に基づいて、細胞移植治療を希望 する場合のみ施行し、以下のいずれか の患者を対象とした。
(1) 限局性前立腺癌に対して根治 的前立腺摘除術を行った男性患者で、
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根治手術が施行され、再発・転移がな く(術後1年以上前立腺特異抗原:PSA が測定感度以下)、術後 1 年以上続く 腹圧性尿失禁を有する患者。
(2)前立腺肥大症に対する経尿道的 前立腺切除術後またはレーザ切除後 の難治性腹圧性尿失禁患者。
(3)真性腹圧性尿失禁を有する 40 歳以上の妊娠を希望しない女性患者 で、薬物治療および理学療法が無効で、
従来の手術治療を希望しない患者、あ るいは、手術治療無効の患者。尿道ス リング手術適応例で、手術材料に対す るアレルギーを有する、あるいはアレ ルギーが予測される患者。
2.除外基準
(1)選定基準を満たしていても、患 者からインフォームド・コンセントの 得られない場合。
(2)他の合併症により余命が1年以 内と考えられる場合。
(3)悪性新生物を有する、もしくは 5年以内にその既往がある場合。また は、諸検査により悪性腫瘍の可能性が あると判断された場合(前立腺癌に対 する根治手術施行後の患者は除く)。
(4)前立腺癌マーカー(血中PSA) の上昇があり、前立腺癌の存在または 再発がある、あるいは予測される患者。
(5)重大な感染症を有している場合、
または Wa-R,HCV, HBV,HIV いずれ かが陽性で細胞注入により増悪する 可能性がある症例。
(6)重篤な肝機能障害、腎機能障害 が存在する場合。
(7)白血球減少症、血小板減少症な ど重篤な血液疾患および輸血を必要 とする重度貧血が存在する場合。
(8)妊娠中および妊娠の可能性があ る場合。
(9)その他、主治医が不適切と判断 した場合。
3.治療方法(治療手技の流れを図1 に示す)
(1)皮下脂肪組織の採取:(図2)
全身麻酔、あるいは局所および腰椎 麻酔下に、患者腹部または臀部皮下脂 肪組織に混合液[成分:生理食塩水 1000ml+1%リドカイン(キシロカイン)
2ml+0.1%アドレナリン(ボスミン)
1.5ml+8.4%メイロン 10ml]を適量注入 し十分膨満させる。通常形成外科領域 で使用される専用シリンジで脂肪組 織を含む懸濁液を陰圧吸引する。
(2)皮下脂肪組織の処理(ADRCs の分離)(図3)
上記で得た脂肪組織約 250〜300g か ら、ADRCs 分離装置(CelutionTM:Cytori Therapeutics, Inc.)を用いて ADRCs を分離濃縮する(1×106〜8個 /5ml)。
まず、滅菌済みのディスポーザブルセ ットへ採取した脂肪組織を注入し洗 浄する。その後、脂肪組織の融解処理 を行ない、細胞を分離する。
(3)傍尿道周囲へのADRCs移植
(図4)
5ml に分離された ADRCs(約 1×106
〜8個)を用いて2種類の注入細胞溶液 を準備する[(1)ADRCs 0.5〜1.0 ml の細胞溶液、(2)自己脂肪 20g と
ADRCs
液]。全身麻酔、あるいは局所および 腰椎麻酔下に、尿道より内視鏡を挿入 し、準備した2種類の注入細胞溶液を 18G の針注射器を用いて内視鏡下に注 入する。すなわち、外尿道括約筋内へ (1)溶液
(2)溶液を膜様部尿道粘膜下 時)に
閉鎖が内視鏡的に確認できるよう 入する。
図 1 ADRCs
図2
ADRCs の 4.0‑4.5
。全身麻酔、あるいは局所および 腰椎麻酔下に、尿道より内視鏡を挿入 し、準備した2種類の注入細胞溶液を の針注射器を用いて内視鏡下に注 入する。すなわち、外尿道括約筋内へ
溶液 0.5‑1.0 ml
)溶液を膜様部尿道粘膜下 に bulking
閉鎖が内視鏡的に確認できるよう 入する。
非培養自己
ADRCsの傍尿道注入治療の流れ
皮下脂肪の採取
4.5 ml を混和した細胞溶
。全身麻酔、あるいは局所および 腰椎麻酔下に、尿道より内視鏡を挿入 し、準備した2種類の注入細胞溶液を の針注射器を用いて内視鏡下に注 入する。すなわち、外尿道括約筋内へ
1.0 ml を左右各々
)溶液を膜様部尿道粘膜下
bulking 効果による尿道内腔の 閉鎖が内視鏡的に確認できるよう
非培養自己皮下脂肪組織由来再生細胞 の傍尿道注入治療の流れ
皮下脂肪の採取
を混和した細胞溶
。全身麻酔、あるいは局所および 腰椎麻酔下に、尿道より内視鏡を挿入 し、準備した2種類の注入細胞溶液を の針注射器を用いて内視鏡下に注 入する。すなわち、外尿道括約筋内へ
を左右各々2 カ所、
)溶液を膜様部尿道粘膜下(4,8,6 効果による尿道内腔の 閉鎖が内視鏡的に確認できるよう
皮下脂肪組織由来再生細胞 の傍尿道注入治療の流れ
を混和した細胞溶
。全身麻酔、あるいは局所および 腰椎麻酔下に、尿道より内視鏡を挿入 し、準備した2種類の注入細胞溶液を の針注射器を用いて内視鏡下に注 入する。すなわち、外尿道括約筋内へ
カ所、
(4,8,6 効果による尿道内腔の 閉鎖が内視鏡的に確認できるよう注
皮下脂肪組織由来再生細胞
図3
図4
脂肪組織由来前駆細胞を外尿道括約筋へ注入 し、細胞と脂肪組織の混合を外尿道括約部尿 道粘膜下に注入する。
下に針(矢印)を穿刺して注入、
織由来前駆細胞と脂肪組織注入により、括約 筋部尿道が閉鎖した。
4.観察項目
(1)治療効果、安全性の評価:
<主要評価項目>
尿失禁改善効果として、自己記入式 自覚症状・
療前、治療後 ヶ月、
ヶ月、
ごとに
て は 、 尿 失 禁 症 状 ・
(
Incontinence Questionnaire Form
3 皮下脂肪組織から
4 ADRCsの傍尿道注入
脂肪組織由来前駆細胞を外尿道括約筋へ注入 し、細胞と脂肪組織の混合を外尿道括約部尿 道粘膜下に注入する。
下に針(矢印)を穿刺して注入、
織由来前駆細胞と脂肪組織注入により、括約 筋部尿道が閉鎖した。
4.観察項目
(1)治療効果、安全性の評価:
<主要評価項目>
尿失禁改善効果として、自己記入式 自覚症状・QOL
療前、治療後 ヶ月、9 ヶ月、
ヶ月、21ヶ月、
ごとに5年間評価を行う。スコアとし て は 、 尿 失 禁 症 状 ・
( International Consultation on Incontinence Questionnaire
Form)(図5
皮下脂肪組織からADRCs
の傍尿道注入
脂肪組織由来前駆細胞を外尿道括約筋へ注入 し、細胞と脂肪組織の混合を外尿道括約部尿 道粘膜下に注入する。a:注入前、
下に針(矢印)を穿刺して注入、
織由来前駆細胞と脂肪組織注入により、括約 筋部尿道が閉鎖した。
4.観察項目
(1)治療効果、安全性の評価:
<主要評価項目>
尿失禁改善効果として、自己記入式 QOL スコアを用いて、治 療前、治療後2週、1ヶ月、
ヶ月、12 ヶ月、
ヶ月、24ヶ月、以後
年間評価を行う。スコアとし て は 、 尿 失 禁 症 状 ・
International Consultation on Incontinence Questionnaire
5)を用いる。
ADRCsの分離
の傍尿道注入
脂肪組織由来前駆細胞を外尿道括約筋へ注入 し、細胞と脂肪組織の混合を外尿道括約部尿
:注入前、b:右粘膜 下に針(矢印)を穿刺して注入、C:脂肪組 織由来前駆細胞と脂肪組織注入により、括約
(1)治療効果、安全性の評価:
尿失禁改善効果として、自己記入式 スコアを用いて、治 ヶ月、3ヶ月、
ヶ月、15ヶ月、
ヶ月、以後6 年間評価を行う。スコアとし て は 、 尿 失 禁 症 状 ・QOL ス コ ア International Consultation on Incontinence Questionnaire-Short
)を用いる。
21 の分離
脂肪組織由来前駆細胞を外尿道括約筋へ注入 し、細胞と脂肪組織の混合を外尿道括約部尿
:右粘膜
:脂肪組 織由来前駆細胞と脂肪組織注入により、括約
(1)治療効果、安全性の評価:
尿失禁改善効果として、自己記入式 スコアを用いて、治 ヶ月、6 ヶ月、18 6ヶ月 年間評価を行う。スコアとし ス コ ア International Consultation on
Short
図5
他覚所見としては
ストによる尿失禁量測定を治療前、治 療後
ヶ月、
ヶ月、
年間評価する。また、尿流動態検査と して尿道内圧測定、最大尿道閉鎖圧、
機能的尿道長を治療前、治療後 3ヶ月、
<安全性評価>
皮下脂肪吸引後の痛み・出血の有無 と程度を随時評価する。血液検査とし ては、赤血球数、ヘモグロビン、ヘマ トクリット、白血球数、血小板数、総 蛋白、アルブミン、総ビリルビン、
ALT Na、
療翌日、治療後
する。根治的前立腺摘除術後の患者に ついては、前立腺特異抗原(
定を
また、分離
して、無菌試験、分画、分離試験を行
スコア化ICIQ
他覚所見としては
ストによる尿失禁量測定を治療前、治 療後2週、1ヶ月、
ヶ月、12ヶ月、
ヶ月、24 ヶ月、以後
年間評価する。また、尿流動態検査と して尿道内圧測定、最大尿道閉鎖圧、
機能的尿道長を治療前、治療後 ヶ月、6ヶ月、
<安全性評価>
皮下脂肪吸引後の痛み・出血の有無 と程度を随時評価する。血液検査とし ては、赤血球数、ヘモグロビン、ヘマ トクリット、白血球数、血小板数、総 蛋白、アルブミン、総ビリルビン、
ALT、ALP、CK
、K、Cl、Ca 療翌日、治療後
する。根治的前立腺摘除術後の患者に ついては、前立腺特異抗原(
定を3か月〜6
また、分離 ADRCs
して、無菌試験、分画、分離試験を行
ICIQ-SF(0〜
他覚所見としては24
ストによる尿失禁量測定を治療前、治 ヶ月、3ヶ月、
ヶ月、15ヶ月、
ヶ月、以後 6
年間評価する。また、尿流動態検査と して尿道内圧測定、最大尿道閉鎖圧、
機能的尿道長を治療前、治療後 ヶ月、1年に評価する。
<安全性評価>
皮下脂肪吸引後の痛み・出血の有無 と程度を随時評価する。血液検査とし ては、赤血球数、ヘモグロビン、ヘマ トクリット、白血球数、血小板数、総 蛋白、アルブミン、総ビリルビン、
CK、BUN、 Ca、CRP 療翌日、治療後1週間、
する。根治的前立腺摘除術後の患者に ついては、前立腺特異抗原(
6か月毎に
ADRCs の安全性検査と して、無菌試験、分画、分離試験を行
〜21点)
時間パットテ ストによる尿失禁量測定を治療前、治 ヶ月、6ヶ月、
ヶ月、18ヶ月、
6 ヶ月ごとに 年間評価する。また、尿流動態検査と して尿道内圧測定、最大尿道閉鎖圧、
機能的尿道長を治療前、治療後2週間、
年に評価する。
皮下脂肪吸引後の痛み・出血の有無 と程度を随時評価する。血液検査とし ては、赤血球数、ヘモグロビン、ヘマ トクリット、白血球数、血小板数、総 蛋白、アルブミン、総ビリルビン、AST
、Cr、電解質 を治療前、治 週間、1か月に評価 する。根治的前立腺摘除術後の患者に ついては、前立腺特異抗原(PSA)測 か月毎に10年間行う。
の安全性検査と して、無菌試験、分画、分離試験を行 時間パットテ ストによる尿失禁量測定を治療前、治 ヶ月、9 ヶ月、21 ヶ月ごとに 5 年間評価する。また、尿流動態検査と して尿道内圧測定、最大尿道閉鎖圧、
週間、
年に評価する。
皮下脂肪吸引後の痛み・出血の有無 と程度を随時評価する。血液検査とし ては、赤血球数、ヘモグロビン、ヘマ トクリット、白血球数、血小板数、総
AST、
、電解質 を治療前、治 か月に評価 する。根治的前立腺摘除術後の患者に
)測 年間行う。
の安全性検査と して、無菌試験、分画、分離試験を行
う。
<副次評価項目>
画像評価として、
脂肪強調画像)(治療前、治療後 間、
は直腸的造影超音波検査(治療前、治 療後
行う。
ナゾイド
ードップラーにて細胞注入部近傍の 微小血管血流信号を画像表示した。さ らに、定量的評価として、注入部近傍 に関心領域を設定し、関心領域に対す るパワードップラー表示されたピク セル比率を算出した。
5.倫理面への配慮
本臨床は、ヘルシンキ宣言に則って 行い、試験プロトコールは名古屋大学 医学部生命倫理委員会の承認を得る と共に、平成
ヒト幹臨床研究審査委員会(第
厚生科学審議会科学技術部会)におい て承認された(
認:厚生労働省発医政 また、患者には上
を用いて十分なインフォームド・コン セントを行い、文書にて同意を得た。
C.
1.対象患者は、男性
例。男性患者は、前立腺癌に対する根 治的前立腺全摘術後の腹圧性尿失禁 11
腹圧性尿失禁 圧性尿失禁 う。
<副次評価項目>
画像評価として、
脂肪強調画像)(治療前、治療後 間、3か月、
は直腸的造影超音波検査(治療前、治 療後2週間、
行う。超音波検査は、超音波造影剤(ソ ナゾイド○R)を静脈投与
ードップラーにて細胞注入部近傍の 微小血管血流信号を画像表示した。さ らに、定量的評価として、注入部近傍 に関心領域を設定し、関心領域に対す るパワードップラー表示されたピク セル比率を算出した。
5.倫理面への配慮
本臨床は、ヘルシンキ宣言に則って 行い、試験プロトコールは名古屋大学 医学部生命倫理委員会の承認を得る と共に、平成
ヒト幹臨床研究審査委員会(第
厚生科学審議会科学技術部会)におい て承認された(
認:厚生労働省発医政 また、患者には上
を用いて十分なインフォームド・コン セントを行い、文書にて同意を得た。
C. 研究結果
1.対象患者は、男性
例。男性患者は、前立腺癌に対する根 治的前立腺全摘術後の腹圧性尿失禁 1例、前立腺肥大症に対する手術後の 腹圧性尿失禁
圧性尿失禁4
<副次評価項目>
画像評価として、MRI
脂肪強調画像)(治療前、治療後 か月、6か月、1
は直腸的造影超音波検査(治療前、治 週間、3ヶ月、6ヶ月、
超音波検査は、超音波造影剤(ソ
)を静脈投与
ードップラーにて細胞注入部近傍の 微小血管血流信号を画像表示した。さ らに、定量的評価として、注入部近傍 に関心領域を設定し、関心領域に対す るパワードップラー表示されたピク セル比率を算出した。
5.倫理面への配慮
本臨床は、ヘルシンキ宣言に則って 行い、試験プロトコールは名古屋大学 医学部生命倫理委員会の承認を得る と共に、平成23年3月に厚生労働省 ヒト幹臨床研究審査委員会(第
厚生科学審議会科学技術部会)におい て承認された(平成23
認:厚生労働省発医政
また、患者には上記承認された説明書 を用いて十分なインフォームド・コン セントを行い、文書にて同意を得た。
1.対象患者は、男性
例。男性患者は、前立腺癌に対する根 治的前立腺全摘術後の腹圧性尿失禁 例、前立腺肥大症に対する手術後の 腹圧性尿失禁3例、女性患者は
4例であった。
MRI(矢状断像 脂肪強調画像)(治療前、治療後
1年)、経膣また は直腸的造影超音波検査(治療前、治
ヶ月、1年)
超音波検査は、超音波造影剤(ソ
)を静脈投与 5 分後、パワ ードップラーにて細胞注入部近傍の 微小血管血流信号を画像表示した。さ らに、定量的評価として、注入部近傍 に関心領域を設定し、関心領域に対す るパワードップラー表示されたピク
本臨床は、ヘルシンキ宣言に則って 行い、試験プロトコールは名古屋大学 医学部生命倫理委員会の承認を得る 月に厚生労働省 ヒト幹臨床研究審査委員会(第 62 厚生科学審議会科学技術部会)におい
23年3月15 認:厚生労働省発医政0315第3
記承認された説明書 を用いて十分なインフォームド・コン セントを行い、文書にて同意を得た。
1.対象患者は、男性 14 例、女性 例。男性患者は、前立腺癌に対する根 治的前立腺全摘術後の腹圧性尿失禁 例、前立腺肥大症に対する手術後の
例、女性患者は真性 例であった。
22
(矢状断像 脂肪強調画像)(治療前、治療後 2 週
年)、経膣また は直腸的造影超音波検査(治療前、治 年)を 超音波検査は、超音波造影剤(ソ 分後、パワ ードップラーにて細胞注入部近傍の 微小血管血流信号を画像表示した。さ らに、定量的評価として、注入部近傍 に関心領域を設定し、関心領域に対す るパワードップラー表示されたピク
本臨床は、ヘルシンキ宣言に則って 行い、試験プロトコールは名古屋大学 医学部生命倫理委員会の承認を得る 月に厚生労働省 62 回 厚生科学審議会科学技術部会)におい 15日承 3号)。 記承認された説明書 を用いて十分なインフォームド・コン セントを行い、文書にて同意を得た。
例、女性 4 例。男性患者は、前立腺癌に対する根 治的前立腺全摘術後の腹圧性尿失禁 例、前立腺肥大症に対する手術後の 真性腹
2.治療効果に関する成績 実施した男性
治療成績、安全性について評価を行っ た。女性
プ期間が短いため、男女別に解析した。
(1)手術時間
皮下脂肪吸引から傍尿道注入まで の全行程は、全例で
し、ADRCs 平均
54分、平均
図6
(2)脂肪組織から分離された 細胞数
各例において、
より抽出した細胞数は x 10
数は
(表1
(好気性・嫌気性)、真菌培養、マイ コプラズマ(
キシンは、全例陰性であった。
2.治療効果に関する成績 実施した男性
治療成績、安全性について評価を行っ た。女性4例についてはフォローアッ プ期間が短いため、男女別に解析した。
(1)手術時間
皮下脂肪吸引から傍尿道注入まで の全行程は、全例で
ADRCsの抽出時間は
平均97.6分、傍尿道注入時間は 分、平均28.7
ADRCs抽出時間と傍尿道注入時間
(2)脂肪組織から分離された 細胞数
各例において、
より抽出した細胞数は x 107個であり、そのうち 数は6.7 x 106〜
(表1)。抽出した細胞液の一般培養
(好気性・嫌気性)、真菌培養、マイ コプラズマ(PCR
キシンは、全例陰性であった。
2.治療効果に関する成績 実施した男性14例、女性
治療成績、安全性について評価を行っ 例についてはフォローアッ プ期間が短いため、男女別に解析した。
(1)手術時間
皮下脂肪吸引から傍尿道注入まで の全行程は、全例で3時間以内に終了
の抽出時間は
分、傍尿道注入時間は 28.7分であった(図
抽出時間と傍尿道注入時間
(2)脂肪組織から分離された
各例において、Celution System より抽出した細胞数は7.3 x 10
個であり、そのうち
〜6.3 x 107
抽出した細胞液の一般培養
(好気性・嫌気性)、真菌培養、マイ PCR、培養)、エンドト キシンは、全例陰性であった。
2.治療効果に関する成績
例、女性4症例 治療成績、安全性について評価を行っ
例についてはフォローアッ プ期間が短いため、男女別に解析した。
皮下脂肪吸引から傍尿道注入まで 時間以内に終了 の抽出時間は73〜118 分、傍尿道注入時間は17
分であった(図6
抽出時間と傍尿道注入時間
(2)脂肪組織から分離されたADRC
Celution System 7.3 x 106〜 個であり、そのうちviable細胞
7個であった。
抽出した細胞液の一般培養
(好気性・嫌気性)、真菌培養、マイ
、培養)、エンドト キシンは、全例陰性であった。
症例の 治療成績、安全性について評価を行っ 例についてはフォローアッ プ期間が短いため、男女別に解析した。
皮下脂肪吸引から傍尿道注入まで 時間以内に終了 118分、
17〜 6)。
抽出時間と傍尿道注入時間
ADRC
Celution Systemに
〜7.0 細胞 個であった。
抽出した細胞液の一般培養
(好気性・嫌気性)、真菌培養、マイ
、培養)、エンドト
表1
(3)尿失禁量の変化(
禁量)(図 24
の尿失禁量を
の尿失禁量の平均を各評価時期にお ける尿失禁量とした。男性
フォローアップ期間は
か月であった。尿失禁量の経時的推移 を図
改善効果が注入術後
出現し、以後徐々に改善効果が進行し た。術後
ては、
は安定し、大きな変化を認めない。術 後1
較では(
おいては術前から術後最終評価時ま での尿失禁量は経時的に減少し、術後 1年では平均
に減少した(図 中
193.8g 減少率は 方、
れなかった(図 おいては、術後
1:ADRCs抽出細胞数と生存細胞数
(3)尿失禁量の変化(
禁量)(図7、図
24時間パッドテストにより の尿失禁量を
の尿失禁量の平均を各評価時期にお ける尿失禁量とした。男性
フォローアップ期間は
か月であった。尿失禁量の経時的推移 を図7に示すが、改善例では、尿失禁 改善効果が注入術後
出現し、以後徐々に改善効果が進行し た。術後1年以上経過した症例につい ては、1年以上の経過では尿失禁状態 は安定し、大きな変化を認めない。術
1年における 較では(2 例は術後
おいては術前から術後最終評価時ま での尿失禁量は経時的に減少し、術後
年では平均 に減少した(図 中 10 例(71.4 193.8gから73.3g 減少率は 62.2%
方、4例では、尿失禁量の改善 れなかった(図
おいては、術後
抽出細胞数と生存細胞数
(3)尿失禁量の変化(
、図8、図
時間パッドテストにより の尿失禁量を4日間測定した。
の尿失禁量の平均を各評価時期にお ける尿失禁量とした。男性
フォローアップ期間は
か月であった。尿失禁量の経時的推移 に示すが、改善例では、尿失禁 改善効果が注入術後1ヶ月〜
出現し、以後徐々に改善効果が進行し 年以上経過した症例につい 年以上の経過では尿失禁状態 は安定し、大きな変化を認めない。術 年における1日尿失禁量評価の比
例は術後 9
おいては術前から術後最終評価時ま での尿失禁量は経時的に減少し、術後
年では平均244.5gから
に減少した(図8)。尿失禁量は 71.4%)で改善し、平均
73.3g(37.8%
62.2%であった(図 例では、尿失禁量の改善 れなかった(図 8)。改善例中
おいては、術後6ヶ月で尿失禁が消失
抽出細胞数と生存細胞数
(3)尿失禁量の変化(24 時間尿失
、図9、図10) 時間パッドテストにより24
日間測定した。4 の尿失禁量の平均を各評価時期にお ける尿失禁量とした。男性 14 例での
9か月〜3年 か月であった。尿失禁量の経時的推移
に示すが、改善例では、尿失禁 ヶ月〜3ヶ 出現し、以後徐々に改善効果が進行し
年以上経過した症例につい 年以上の経過では尿失禁状態 は安定し、大きな変化を認めない。術 日尿失禁量評価の比 9 ヶ月)、全例に おいては術前から術後最終評価時ま での尿失禁量は経時的に減少し、術後
から171.4g(
)。尿失禁量は14
%)で改善し、平均 37.8%)へ減少し、
であった(図 8)。他 例では、尿失禁量の改善はみら
)。改善例中 1 ヶ月で尿失禁が消失
23
時間尿失
) 24時間
4日間 の尿失禁量の平均を各評価時期にお 例での 年10 か月であった。尿失禁量の経時的推移 に示すが、改善例では、尿失禁 ヶ月で 出現し、以後徐々に改善効果が進行し 年以上経過した症例につい 年以上の経過では尿失禁状態 は安定し、大きな変化を認めない。術 日尿失禁量評価の比 ヶ月)、全例に おいては術前から術後最終評価時ま での尿失禁量は経時的に減少し、術後
(70%)
14例
%)で改善し、平均
)へ減少し、
)。他 はみら 1 例に ヶ月で尿失禁が消失
し、術後約
禁を認めていない。尿失禁改善効果を、
治療前の尿失禁量程度により分けて 検討すると、術前の
が300g
好な傾向がみられた(図 うに、尿失禁量は
で改善したが、尿失禁量が 改善した症例は
であった。なお、改善例中尿失禁量が 50%以上改善した症例は
(90
図7
療前後の経時的変化
図 8
療前後の経時的変化(
し、術後約4年の時点においても尿失 禁を認めていない。尿失禁改善効果を、
治療前の尿失禁量程度により分けて 検討すると、術前の
300g 以下の比較的軽症例の方が良 好な傾向がみられた(図
うに、尿失禁量は
で改善したが、尿失禁量が 改善した症例は
であった。なお、改善例中尿失禁量が
%以上改善した症例は 90%)であった。
男性例における尿失禁量/
療前後の経時的変化
男性例における尿失禁量/
療前後の経時的変化(
年の時点においても尿失 禁を認めていない。尿失禁改善効果を、
治療前の尿失禁量程度により分けて 検討すると、術前の 24
以下の比較的軽症例の方が良 好な傾向がみられた(図
うに、尿失禁量は14例中 で改善したが、尿失禁量が 改善した症例は14例中9
であった。なお、改善例中尿失禁量が
%以上改善した症例は
%)であった。
男性例における尿失禁量/
療前後の経時的変化
男性例における尿失禁量/
療前後の経時的変化(1 年までの変化)
年の時点においても尿失 禁を認めていない。尿失禁改善効果を、
治療前の尿失禁量程度により分けて 時間尿失禁量 以下の比較的軽症例の方が良 好な傾向がみられた(図9)。前述のよ
例中10例(71.4 で改善したが、尿失禁量が 50%以上
9例(64.3%)
であった。なお、改善例中尿失禁量が
%以上改善した症例は10例中9
男性例における尿失禁量/24時間の治
男性例における尿失禁量/24 時間の治 年までの変化)
年の時点においても尿失 禁を認めていない。尿失禁改善効果を、
治療前の尿失禁量程度により分けて 時間尿失禁量 以下の比較的軽症例の方が良
)。前述のよ 71.4%)
%以上
%)
であった。なお、改善例中尿失禁量が 9例
時間の治
時間の治 年までの変化)
図 療成績
女性
過観察期間が短く、
術後 5.3 ヶ月)、
例(
図
治療前後の経時的変化
図 9 男性例における治療前尿失禁量別の治 療成績
女性4例については 過観察期間が短く、
術後3ヶ月の時点で、
5.3→12.8g( ヶ月)、25.8→
例(50%)で改善中である。
図 10 女性例における
治療前後の経時的変化
男性例における治療前尿失禁量別の治
例については(図
過観察期間が短く、中間評価となるが ヶ月の時点で、70
(F2)、19.4
→0.5g(F4
%)で改善中である。
女性例における尿失禁量/
治療前後の経時的変化
男性例における治療前尿失禁量別の治
(図10)、術後経 中間評価となるが
70→95g(F1 19.4→2.8g(F3 F4)と 4 例中
%)で改善中である。
尿失禁量/24 時間の
24 男性例における治療前尿失禁量別の治
、術後経 中間評価となるが F1)、 F3:3 例中 2
時間の
(5)他覚的外尿道括約筋機能の変化
(図 他
尿道内圧測定による最大尿道閉鎖圧 (Maximum Urethral Closing Pressure: MUCP
長(
により評価した。いずれのパラメータ ーも経時的に増加し、外尿道括約筋機 能の増強が認められた)(図
外尿道括約筋機能については、尿失禁 非改善例においても改善傾向がみら れた。治療前
いては、最大尿道閉鎖圧は全例で平均 35.9cm
尿失禁改善群では平均 cmH2O
平均
いずれも改善(増加)した(図 また、機能的尿道長は、全例では平均 16.9
尿 失 禁 改 善 群 で は 平 均 24.7mm
では平均 改善した(図
図11
(5)他覚的外尿道括約筋機能の変化
(図11、12、
他覚的外尿道括約筋機能の変化は、
尿道内圧測定による最大尿道閉鎖圧 Maximum Urethral Closing Pressure: MUCP
長(Functional Profile Length: FPL により評価した。いずれのパラメータ ーも経時的に増加し、外尿道括約筋機 能の増強が認められた)(図
外尿道括約筋機能については、尿失禁 非改善例においても改善傾向がみら れた。治療前と最終評価時の変化につ いては、最大尿道閉鎖圧は全例で平均 35.9cmから46.4 cmH2O
尿失禁改善群では平均 cmH2O(p<0.01 平均33.5から
いずれも改善(増加)した(図 また、機能的尿道長は、全例では平均 16.9から24.0mm
尿 失 禁 改 善 群 で は 平 均 24.7mm(p<0.01
では平均18.8 改善した(図14
11 男性例における
(5)他覚的外尿道括約筋機能の変化
、13、14)
覚的外尿道括約筋機能の変化は、
尿道内圧測定による最大尿道閉鎖圧 Maximum Urethral Closing Pressure: MUCP)および機能的尿道
Functional Profile Length: FPL により評価した。いずれのパラメータ ーも経時的に増加し、外尿道括約筋機 能の増強が認められた)(図
外尿道括約筋機能については、尿失禁 非改善例においても改善傾向がみら と最終評価時の変化につ いては、最大尿道閉鎖圧は全例で平均
46.4 cmH2O 尿失禁改善群では平均36.9
p<0.01)、尿失禁非改善群で から37.5 cmH2O
いずれも改善(増加)した(図 また、機能的尿道長は、全例では平均
24.0mm(p<0.01 尿 失 禁 改 善 群 で は 平 均
p<0.01)、尿失禁非改善群 18.8から23.3 mm
14)。
男性例における MUCP(最大尿道閉鎖圧)
(5)他覚的外尿道括約筋機能の変化
覚的外尿道括約筋機能の変化は、
尿道内圧測定による最大尿道閉鎖圧 Maximum Urethral Closing
および機能的尿道 Functional Profile Length: FPL により評価した。いずれのパラメータ ーも経時的に増加し、外尿道括約筋機 能の増強が認められた)(図11、12 外尿道括約筋機能については、尿失禁 非改善例においても改善傾向がみら と最終評価時の変化につ いては、最大尿道閉鎖圧は全例で平均
46.4 cmH2O(p<0.01 36.9 から49.9
)、尿失禁非改善群で 37.5 cmH2O(n.s.)と いずれも改善(増加)した(図 13 また、機能的尿道長は、全例では平均
p<0.01)と改善、
尿 失 禁 改 善 群 で は 平 均 16.2 か ら
)、尿失禁非改善群 23.3 mm(n.s.)と
(最大尿道閉鎖圧)
(5)他覚的外尿道括約筋機能の変化
覚的外尿道括約筋機能の変化は、
尿道内圧測定による最大尿道閉鎖圧 Maximum Urethral Closing
および機能的尿道 Functional Profile Length: FPL) により評価した。いずれのパラメータ ーも経時的に増加し、外尿道括約筋機 12)。 外尿道括約筋機能については、尿失禁 非改善例においても改善傾向がみら と最終評価時の変化につ いては、最大尿道閉鎖圧は全例で平均 p<0.01)、
49.9
)、尿失禁非改善群で
)と 13)。
また、機能的尿道長は、全例では平均
)と改善、
か ら
)、尿失禁非改善群
)と
(最大尿道閉鎖圧)
の変化
図12 変化
図 よる
図 よる の変化
12 男性における 変化
図 13 男性における尿失禁量改善の有無に
よる MUCP の変化
図 14 男性における尿失禁量改善の有無に
よる FPL の変化
男性における FPL(機能的尿道長)の
男性における尿失禁量改善の有無に の変化
男性における尿失禁量改善の有無に の変化
(機能的尿道長)の
男性における尿失禁量改善の有無に
男性における尿失禁量改善の有無に
25
(機能的尿道長)の
男性における尿失禁量改善の有無に
男性における尿失禁量改善の有無に
女性例では、最大尿道閉鎖圧/機能的 尿 道 長 は 、
26.3mm
→30.2mm
→30mm
→26.3 15)は 16)は
図15
女性例では、最大尿道閉鎖圧/機能的 尿 道 長 は 、23
26.3mm(F1)、 30.2mm(F2 30mm(F3)、
26.3mm(F4
)は4例中3
)は全例で改善中である。
15 女性例での
女性例では、最大尿道閉鎖圧/機能的 23→34cmH2O
)、47→46cmH2O F2)、42→55cmH2O
)、23→47
F4)と最大尿道閉鎖圧(図 3例、機能的尿道長(図 全例で改善中である。
での最大尿道閉鎖圧の変化
女性例では、最大尿道閉鎖圧/機能的 34cmH2O/25
46cmH2O/28.0 55cmH2O/ 47cmH2O/ 最大尿道閉鎖圧(図 例、機能的尿道長(図 全例で改善中である。
最大尿道閉鎖圧の変化
女性例では、最大尿道閉鎖圧/機能的 25→ 28.0
/26
/25 最大尿道閉鎖圧(図 例、機能的尿道長(図
図16
(6)
18、
妥当性の検証された尿失禁症状・
QOL
改善では、男性では、全 療前と治療
月)において、平均総スコアが から
た。尿失禁量の改善した 均総スコア
減少(改善)したが、尿失禁量改善の ない
18.0
れなかった(図
図 状・
ICIQ
禁頻度の項目では、全 コアが
善)(
10
ントへ減少(改善)
尿失禁量改善のない 均スコア
は軽度であった(図 の項目では、全 4.2
16 女性例での機能的尿道長
(6)自覚症状・
、19、20)
妥当性の検証された尿失禁症状・
QOL質問票による自覚症状・
改善では、男性では、全 療前と治療1
月)において、平均総スコアが から 12.4 ポイントへ減少(改善)し た。尿失禁量の改善した
均総スコア13.3
減少(改善)したが、尿失禁量改善の ない 4 例については平均総スコア 18.0から 18.0
れなかった(図
図 17 尿失禁量改善の有無による自覚症
状・QOL質問票(
ICIQ-SFの個別項目については、尿失 禁頻度の項目では、全
コアが4.7から 善)(p<0.05
10例では平均スコア ントへ減少(改善)
尿失禁量改善のない 均スコア5.0
は軽度であった(図 の項目では、全 4.2 から 3.8
での機能的尿道長
自覚症状・QOLの変化(図
)
妥当性の検証された尿失禁症状・
質問票による自覚症状・
改善では、男性では、全 1年後評価時(
月)において、平均総スコアが ポイントへ減少(改善)し た。尿失禁量の改善した
13.3から10.6
減少(改善)したが、尿失禁量改善の 例については平均総スコア 18.0ポイントと変化がみら れなかった(図17)。
尿失禁量改善の有無による自覚症 質問票(ICIQ-SF
の個別項目については、尿失 禁頻度の項目では、全
から3.6ポイントへ減少(改 p<0.05)、尿失禁量の改善した 例では平均スコア4.6
ントへ減少(改善)(p<0.05
尿失禁量改善のない4例については平 5.0から4.7ポイントと改善 は軽度であった(図18
の項目では、全 14 例で平均スコアが 3.8 ポイント、尿失禁量の改
での機能的尿道長の変化
の変化(図
妥当性の検証された尿失禁症状・
質問票による自覚症状・QOL 改善では、男性では、全 14 例で、治
年後評価時(2例は 月)において、平均総スコアが
ポイントへ減少(改善)し た。尿失禁量の改善した 10 例では平 10.6ポイントへ 減少(改善)したが、尿失禁量改善の 例については平均総スコア ポイントと変化がみら
尿失禁量改善の有無による自覚症 SF)総スコアの変化
の個別項目については、尿失 禁頻度の項目では、全 14 例で平均ス ポイントへ減少(改
)、尿失禁量の改善した 4.6から3.3 p<0.05)したが、
例については平 ポイントと改善 18)。尿失禁程度 例で平均スコアが ポイント、尿失禁量の改
26
の変化(図17、
妥当性の検証された尿失禁症状・
QOLの 例で、治 例は9ヶ 月)において、平均総スコアが 14.6 ポイントへ減少(改善)し 例では平 ポイントへ 減少(改善)したが、尿失禁量改善の 例については平均総スコア ポイントと変化がみら
尿失禁量改善の有無による自覚症
)総スコアの変化
の個別項目については、尿失 例で平均ス ポイントへ減少(改
)、尿失禁量の改善した 3.3ポイ したが、
例については平 ポイントと改善
)。尿失禁程度 例で平均スコアが ポイント、尿失禁量の改
善した
3.2 ポイントへ減少(改善)したが、
尿失禁量改善のない 均スコア
はみられなかった(図 項目では、全
から た 10
ポイントへ減少(改善)したが、尿失 禁量改善のない
コア
られなかった(図
図18
失禁頻度スコアの変化
図19
失禁程度スコアの変化
善した 10 例では平均スコア
ポイントへ減少(改善)したが、
尿失禁量改善のない 均スコア5.3から はみられなかった(図 項目では、全14
から4.9ポイント、尿失禁量の改善し 10 例では平均スコア
ポイントへ減少(改善)したが、尿失 禁量改善のない
コア7.8から8.3 られなかった(図
18 尿失禁量改善の有無による 失禁頻度スコアの変化
19 尿失禁量改善の有無による 失禁程度スコアの変化
例では平均スコア
ポイントへ減少(改善)したが、
尿失禁量改善のない4例については平 から5.7ポイントと改善 はみられなかった(図 19
14例で平均スコアが ポイント、尿失禁量の改善し 例では平均スコア
ポイントへ減少(改善)したが、尿失 禁量改善のない4例については平均ス 8.3ポイントと改善はみ られなかった(図20)。
改善の有無による 失禁頻度スコアの変化
尿失禁量改善の有無による 失禁程度スコアの変化
例では平均スコア 3.8 から ポイントへ減少(改善)したが、
例については平 ポイントと改善
19)。QOL 例で平均スコアが ポイント、尿失禁量の改善し 例では平均スコア 4.9 から ポイントへ減少(改善)したが、尿失
例については平均ス ポイントと改善はみ
)。
改善の有無による ICIQ‑SF
尿失禁量改善の有無による ICIQ‑SF
から ポイントへ減少(改善)したが、
例については平 ポイントと改善 QOL の 例で平均スコアが5.7 ポイント、尿失禁量の改善し から 3.8 ポイントへ減少(改善)したが、尿失 例については平均ス ポイントと改善はみ
SF 尿
SF 尿
図20 失禁
女性例 ある ICIQ
は、それぞれ術前 ヶ月
週間
尿失禁量の改善のみられていない 症例では、
から術後
られていないが、尿失禁量改善のない F2
3ヶ月
(7)注入部における血流の変化(図 21、
経直腸的造影超音波検査では、注入 2週後より注入部の血流増加効果が認 められ、
加が認められた。血流増加効果につい ては、男性
女性
1例は術後評価未である。
(傍尿道)を中心に、造影約
パワードップラーでカラー表示され る矢状断面積の関心領域の血流表示 割合%を計測した。症例
20 尿失禁量改善の有無による 失禁 QOL スコアの変化
女性例4例では、尿失禁量が改善中で ある 2 例(
ICIQ-SF(頻度 は、それぞれ術前 ヶ月4/2/2/8、術前 週間 0/0/0/0
尿失禁量の改善のみられていない 症例では、ICIQ
から術後3ヶ月
られていないが、尿失禁量改善のない F2症例では、術前
ヶ月4/2/4/10
(7)注入部における血流の変化(図
、22)
経直腸的造影超音波検査では、注入 週後より注入部の血流増加効果が認 められ、12
加が認められた。血流増加効果につい ては、男性14
女性3例中2
例は術後評価未である。
(傍尿道)を中心に、造影約
パワードップラーでカラー表示され る矢状断面積の関心領域の血流表示 割合%を計測した。症例
尿失禁量改善の有無による スコアの変化
例では、尿失禁量が改善中で 例(F3 と F4
(頻度/程度/QOL/
は、それぞれ術前4/4/7/15
、術前4/4/5/13
0/0/0/0 へ改善中である。また、
尿失禁量の改善のみられていない ICIQ-SF は術前 ヶ月5/4/10/19
られていないが、尿失禁量改善のない 症例では、術前4/4/7/15
4/2/4/10と改善中である。
(7)注入部における血流の変化(図
経直腸的造影超音波検査では、注入 週後より注入部の血流増加効果が認 12 ヶ月まで経時的な血流増 加が認められた。血流増加効果につい 14例中13例で認められた。
2例で改善傾向が見られた。
例は術後評価未である。
(傍尿道)を中心に、造影約
パワードップラーでカラー表示され る矢状断面積の関心領域の血流表示 割合%を計測した。症例
尿失禁量改善の有無による ICIQ‑
例では、尿失禁量が改善中で F4 症例)では、
/QOL/総スコア)
4/4/7/15から術後 4/4/5/13から術後
中である。また、
尿失禁量の改善のみられていない は術前 4/2/8/14 5/4/10/19と改善がみ られていないが、尿失禁量改善のない 4/4/7/15 から術後 と改善中である。
(7)注入部における血流の変化(図
経直腸的造影超音波検査では、注入 週後より注入部の血流増加効果が認 ヶ月まで経時的な血流増 加が認められた。血流増加効果につい 例で認められた。
例で改善傾向が見られた。
例は術後評価未である。細胞注入部
(傍尿道)を中心に、造影約5分後の パワードップラーでカラー表示され る矢状断面積の関心領域の血流表示 割合%を計測した。症例11、症例
27
‑SF 尿
例では、尿失禁量が改善中で 症例)では、
総スコア)
から術後3 から術後2 中である。また、
尿失禁量の改善のみられていない F1 4/2/8/14 と改善がみ られていないが、尿失禁量改善のない から術後 と改善中である。
(7)注入部における血流の変化(図
経直腸的造影超音波検査では、注入 週後より注入部の血流増加効果が認 ヶ月まで経時的な血流増 加が認められた。血流増加効果につい 例で認められた。
例で改善傾向が見られた。
細胞注入部 分後の パワードップラーでカラー表示され る矢状断面積の関心領域の血流表示
、症例F1
以外では血流の増加がみられた。
図 21
部の血流の評価 注入後
流増加がみられる。
図 22 による変化
(8)注入した脂肪組織の る確認(図
MRI
肪組織の、注入
するために施行したが、全例において 最新観察日までの検査において注入 脂肪組織の残存を認めたが、経時的な 以外では血流の増加がみられた。
21 経直腸的造影超音波検査による、注入 部の血流の評価
注入後 2 週から 6 流増加がみられる。
超音波検査による注入部血流の数値化 による変化
(8)注入した脂肪組織の る確認(図23
MRI は ADRCs 肪組織の、注入
するために施行したが、全例において 最新観察日までの検査において注入 脂肪組織の残存を認めたが、経時的な 以外では血流の増加がみられた。
経直腸的造影超音波検査による、注入
6 か月にわたり、経時的な血 流増加がみられる。
超音波検査による注入部血流の数値化
(8)注入した脂肪組織の 23)
ADRCs と共に注入した脂
肪組織の、注入部での存続効果を確認 するために施行したが、全例において 最新観察日までの検査において注入 脂肪組織の残存を認めたが、経時的な 以外では血流の増加がみられた。
経直腸的造影超音波検査による、注入
か月にわたり、経時的な血
超音波検査による注入部血流の数値化
(8)注入した脂肪組織の MRI によ
と共に注入した脂 部での存続効果を確認 するために施行したが、全例において 最新観察日までの検査において注入 脂肪組織の残存を認めたが、経時的な
経直腸的造影超音波検査による、注入
か月にわたり、経時的な血
超音波検査による注入部血流の数値化
によ
と共に注入した脂 部での存続効果を確認 するために施行したが、全例において 最新観察日までの検査において注入 脂肪組織の残存を認めたが、経時的な
サイズの増大は認めなかった。
図 23
注入された脂肪組織は 傾向は認めない。
(9
術中の副作用は全例で認めなかっ た。術後早期の合併症については、
例で皮下脂肪吸引後の皮下出血を認 めたが、全例で
に消失した。血液検査のフォローでは、
全例で検査値の異常を認めていない。
男性例における についても、
時までに異常な上昇を認めていない。
また、抽出細胞液の一般培養(好気 性・嫌気性)、真菌培養、マイコプラ ズマ(
は全例陰性であった。
前立腺癌術後尿失禁に対する治療 例
的再発基準を超える ったが、
めず、また、治療前に基準値以下では あるが
ことから(
立腺癌治療後の自然経過における再 発で、本
いものと考えられる。上昇が続くよう であれば、標準的内分泌治療を行う予 定で、生命予後は問題ないと考えられ る。なお、本事象については、学内倫 サイズの増大は認めなかった。
23 MRI による傍尿道注入脂肪組織 注入された脂肪組織は
傾向は認めない。
(9)副作用・安全性
術中の副作用は全例で認めなかっ た。術後早期の合併症については、
例で皮下脂肪吸引後の皮下出血を認 めたが、全例で
に消失した。血液検査のフォローでは、
全例で検査値の異常を認めていない。
男性例における についても、
時までに異常な上昇を認めていない。
また、抽出細胞液の一般培養(好気 性・嫌気性)、真菌培養、マイコプラ ズマ(PCR、培養)、エンドトキシン は全例陰性であった。
前立腺癌術後尿失禁に対する治療 例 1 例において、術後
的再発基準を超える ったが、MRI
めず、また、治療前に基準値以下では あるが PSA
ことから(0.020
立腺癌治療後の自然経過における再 発で、本治療との直接的因果関係はな いものと考えられる。上昇が続くよう であれば、標準的内分泌治療を行う予 定で、生命予後は問題ないと考えられ る。なお、本事象については、学内倫 サイズの増大は認めなかった。
による傍尿道注入脂肪組織 注入された脂肪組織は 12 週後も存在し、増加 傾向は認めない。
)副作用・安全性
術中の副作用は全例で認めなかっ た。術後早期の合併症については、
例で皮下脂肪吸引後の皮下出血を認 めたが、全例で1週間から
に消失した。血液検査のフォローでは、
全例で検査値の異常を認めていない。
男性例におけるPSA(前立腺特異抗原)
についても、14例中13
時までに異常な上昇を認めていない。
また、抽出細胞液の一般培養(好気 性・嫌気性)、真菌培養、マイコプラ
、培養)、エンドトキシン は全例陰性であった。
前立腺癌術後尿失禁に対する治療 例において、術後
的再発基準を超える 0.471ng/ml MRIでは臨床的局所再発は認 めず、また、治療前に基準値以下では PSA の継続的上昇がみられた
0.020→0.037
立腺癌治療後の自然経過における再 治療との直接的因果関係はな いものと考えられる。上昇が続くよう であれば、標準的内分泌治療を行う予 定で、生命予後は問題ないと考えられ る。なお、本事象については、学内倫 サイズの増大は認めなかった。
による傍尿道注入脂肪組織 週後も存在し、増加
術中の副作用は全例で認めなかっ た。術後早期の合併症については、
例で皮下脂肪吸引後の皮下出血を認 週間から1ヶ月以内 に消失した。血液検査のフォローでは、
全例で検査値の異常を認めていない。
(前立腺特異抗原)
13例で最新観察 時までに異常な上昇を認めていない。
また、抽出細胞液の一般培養(好気 性・嫌気性)、真菌培養、マイコプラ
、培養)、エンドトキシン
前立腺癌術後尿失禁に対する治療 例において、術後PSA が生化学
0.471ng/ml では臨床的局所再発は認 めず、また、治療前に基準値以下では の継続的上昇がみられた 0.037→0.049)、前 立腺癌治療後の自然経過における再 治療との直接的因果関係はな いものと考えられる。上昇が続くよう であれば、標準的内分泌治療を行う予 定で、生命予後は問題ないと考えられ る。なお、本事象については、学内倫
28 週後も存在し、増加
術中の副作用は全例で認めなかっ た。術後早期の合併症については、11 例で皮下脂肪吸引後の皮下出血を認 ヶ月以内 に消失した。血液検査のフォローでは、
全例で検査値の異常を認めていない。
(前立腺特異抗原)
最新観察 時までに異常な上昇を認めていない。
また、抽出細胞液の一般培養(好気 性・嫌気性)、真菌培養、マイコプラ
、培養)、エンドトキシン
前立腺癌術後尿失禁に対する治療 が生化学 0.471ng/ml とな では臨床的局所再発は認 めず、また、治療前に基準値以下では の継続的上昇がみられた
)、前 立腺癌治療後の自然経過における再 治療との直接的因果関係はな いものと考えられる。上昇が続くよう であれば、標準的内分泌治療を行う予 定で、生命予後は問題ないと考えられ る。なお、本事象については、学内倫
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理委員会、厚生省に報告済であり、因 果関係はないものとの判断を得てい る。また、内分泌治療開始後2ヶ月で PSAは測定感度以下に低下している。
D. 考察
腹圧性尿失禁の病態は括約筋機能 障害であり、女性では尿道過可動と内 因性括約筋不全の両因子が関与する。
尿道過可動は尿道支持機構の脆弱化 に基づく解剖学的な要因で、スリング 手術などにより修復するが、近年、腹 圧性尿失禁における内因性括約筋不 全の重要性が指摘されている。また、
男性腹圧性尿失禁は、その多くが根治 的前立腺摘除術あるいは経尿道的前 立腺手術に伴う医原性括約筋障害に よるものである。女性腹圧性尿失禁の 括約筋機能障害の病態として、括約筋 骨格筋細胞の減少、尿道平滑筋細胞の 減少、血流障害、除神経などが示唆さ れており、これらの病態因子は男性の 医原性括約筋障害においても同様で ある。したがって、内因性括約筋障害 の治療には、平滑筋・骨格筋細胞数の 増加、血管新生の促進、神経支配の再 構築などが必要となり、幹細胞を用い た再生治療は理想的な根本治療とな る可能性を有する。
中 胚 葉 性 幹 細 胞 (Mesenchymal Stem Cells: MSCs)は多能性を有する 細胞で、培養下に増殖し、様々な中胚 葉性細胞表現型に分化し得る。実地臨 床では、通常骨髄から採取する自己組 織由来MSCsが用いられ、化学療法後
の血液細胞再生をはじめとして、心筋 再生、下肢虚血における血管再生など において様々な臨床応用が行われて いる。他方、骨髄採取は侵襲的で、細 胞ソースとして様々な制限を有し、採 取量も限界があり、さらに健常者では、
MSCsは有核骨髄細胞の0.01%以下で ある。また治療に必要な幹細胞数を得 るためには体外培養を必要とすると いった欠点がある。
近年、脂肪組織が骨髄に比べて100 倍以上の MSCs 類似の多能性幹細胞 を含むことが示された。脂肪組織は骨 髄に比べて採取が低侵襲で容易であ ること、人体には大量の脂肪組織(通 常体重の 15〜20%以上)が存在する ことから、細胞治療のための細胞ソー スとして脂肪組織が注目されるよう になった。以降、ASCsによる括約筋 機能障害治療のための基礎実験が行 われ、多くの研究は、培養ASCsを尿 道に注入し、注入部の組織学的検討、
尿道閉鎖圧、尿漏出圧、膀胱機能など を検討したもので、いずれもASCsの 腹圧性尿失禁治療への有用性を示唆 するものである。
ASCs は培養下に、骨、軟骨、脂肪、
神経、血管、また平滑筋、骨格筋に分 化することが示され、さらに、培養下 で肝細胞増殖因子 HGF、血管内皮増殖 因子 VEGF などの様々なサイトカイン を産生することも示されている。我々 の 基 礎 的 検 討 (Watanabe T, Maruyama S, Yamamoto T, Kamo I, Yasuda K, Saka Y, Ozaki T, Yuzawa Y, Matsuo S, and Gotoh M: Int J Urol,
18:659-666, 2011)でも、ラット皮下脂肪組