❶関西縄文社会論における課題
❷理論的基盤と論点の整理
❸資源利用の方向性と強化の程度の検討
❹結論
関西地方の縄文社会の地域的特色,それを醸し出した要因や背景を問うた。議論のポイントは,〈資 源の収穫期間の長さ〉と〈資源利用の方向性と強化の程度〉である。そこで,出土堅果類,打製石 斧数,磨製石斧数,堅果類貯蔵量の数量的分析などを行った。
結果,東日本に比べ,遺跡出土の堅果類はより多様で,収穫期間もより長く,集約的な労働編成 の必要性が低かった可能性を改めて見いだした。また,土地・森林の開発強化には消極的で,資源 利用の強化の程度も低く抑えられていたことも見いだせた。関西縄文社会の集団規模は極小さく,
求心的な社会構造も生まれていないが,それは資源環境が貧しいからではなく,集団の求心性より も世帯の自律性が優先され続け,社会の階層化や財・権力の集中にブレーキをかける仕組みが保持 されていたからであり,収穫期間がより長い森林資源環境が,その地域的特色の維持を支えていた と考えられる。
【キーワード】関西縄文社会,地域的特色,サケ・マス論,食料資源,生産様式
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国立歴史民俗博物館研究報告 第208集 2018年3月
関西縄文社会の地域的特色と その背景
瀬口眞司
The Factor and Background of Characteristic of Jomon Society in Kansai District
SEGUCHI Shinji
108.0 105.5
[論文要旨]