* 東京学芸大学(184-8501 小金井市貫井北町 4-1-1)
日本・台湾における小中学校管理職の「質の高い学校」づくり意識の構造
-デルファイ調査から(その1)
葉 養 正 明 教育学講座*
(2006年9月29日受理)
まえがき
本稿は,日本,台湾両国で進む教育の構造改革のも とで,小中学校管理職に抱かれている,「質の高い学校」
づくりに関する意識の構造を明らかにすることをねらい としている。今回は台湾・台北市の小中学校管理職の 実態を取り上げることにする。日本各地と台湾の小中学 校管理職を対象としたデルファイ調査の第一報である。
「質の高い学校」(Quality school)づくりは,学校の多 様なステイクホルダーが抱く学校教育に対する意識の 結節点をなしており,その有様は,それぞれの学校が,
それぞれのステイクホルダーの満足をどのような方策に よって満たそうとしているかに係る焦点といってよい。
我が国における近年の潮流として見られるように,それ ぞれの学校がマニフェストを公にし,学校のミッション を明確化しようとすればなおさら,「質の高い学校」づ くりをどうとらえるかは基本問題となる。我が国の政策 動向としても,たとえば中央教育審議会答申「新しい時 代の義務教育を創造する」(平成17年10月)では,「義 務教育の質保証」がかぎ概念とされている。
しかし,「質の高い学校」の具体像については,前 記中央教育審議会答申でもその内実は必ずしも明細 に示されているとはいえない。米国では,“QUALITY
SCHOOL”, “EFFECTIVE SCHOOL”に関する数十年間
にわたる研究蓄積があるが
1),2001年に成立した連邦 政府による初等中等教育法 “No child left behind act”を きっかけに,改めて「質の高い学校」づくりの内実に関 心が高まっている。
そこで,一連の研究では,まずデルファイ調査の手法 を用い,日本と台湾の小中学校管理職を対象とした質的 調査を実施することにした。本稿はその第一報であり,
台湾・台北市の小中学校管理職対象の調査結果につい て報告することにする。
1. 研究の枠組み
「質の高い学校」意識をどのような枠組みでとらえる か,という問いは,アンケート用紙作成に当たり,まず もっての課題となる。
本研究では,図1のように,「質の高い学校」づくり の要因連関を考えることにした。
図1に見られるように,「質の高い学校」づくりの焦 点は,学校社会の教育関係資本の蓄積にある。したがっ て,「質の高い学校」づくりの意識構造を明らかにする には,現在グローバルに進みつつある教育の構造改革 に向けた諸方策(学校評議員制・学校運営協議会導入,
学校評価,教員評価,教職員の協働関係,職能開発等)
に関連する質問が配置される必要がある。
なお,ここで使用している「教育関係資本」という用 語は必ずしも熟したものではないが,政治学,社会学等 をはじめとして社会科学の諸領域でその意義が再確認 されつつある「ソーシャル・キャピタル」論の援用を考 えたものである。しかし,「質の高い学校」意識の構造 と学校社会のソーシャル・キャピタルとの関係について は,本稿のテーマとはしていない
2)。
2.「質の高い学校」づくりのデルファイ調査
今回の調査は,当初,日米台湾の3カ国を対象に考え,
英語,中国語,日本語の三様のアンケート用紙を用意し
た。まず,日本と台湾については,2005年11月初旬か
ら12月31日の間,郵送調査を実施している。
台湾については,台北市の国立台湾師範大学教育政 策・行政研究所所長張明輝教授に依頼し,31校の小中 学校(うち2校は高校,1校は中高一貫校)校長にアン ケートを郵送した。回収率は,74.2%(23通回収)で あった。
その後,同研究所に返送されたアンケート用紙を筆 者の住所に転送していただき今回の集計のデータとなっ ている。なお,アンケートの郵送先については,張教授 に委ねたが,小中学校対象で台北市内という条件で依 頼した(なお,翻訳については東京学芸大学大学院教 育学研究科在籍院生5名に委嘱し,最終的な日本語の チェックは筆者が行っている)。
日本については,筆者の研究室から国内各地の校長 120名に郵送され,回収率は34.2%(41通)であった。
なお,調査対象者の選定は,記述式の調査であること を勘案し,教育関係雑誌に頻繁に登場する校長や著書 を執筆しているなど,この調査に対して高い識見で回答 できると判断された校長に限定している。
台湾・台北市でアンケートに答えている小中,高校の 学級数や教職員数は,図2のようになっている。
表 台湾・台北市の回答小中,高校の学級数,
教職員数(2005年度)
学校種別 学級数 教職員数
中学校 62
小学校 61 101人
高校 73 198
小学校 68 112
小学校 38 67
小学校 48 77
小学校 26 80
中学校 9 27
高校 49 116
中高一貫 70 168
小学校 66 122
中学校 65 139
中学校 36 77
小学校 105 176
中学校 55 125
中学校 30 92
中学校 50 112
中学校 9 27
中学校 30 72
中学校 56 125
小学校 50 85
小学校 25 65
小学校 85 143
図1 「質の高い学校」づくりの要因連関 質の高い学校づくり
(Outcome)
学校社会の教育関係資本の豊かさ
ステイクホルダー間の信頼︑相互作用︑規範
(indicators)
文化システムの革新
(教育内容、教授学習システム)
学校社会の役割システ ムの満足化(組織マネジ メント)
学校ボーダーマネジ メント
学校の歴史、文化 施設設備等の学校環境
学校の健康 (healthy school) 学校の危機管理
知育的側面(学力)
徳育、体育的側面
3.台湾の学校管理職の意識
各質問項目に対する回答一覧は以下のようである(○
で囲まれた数字は,それぞれ回答者の校長を意味し,
各質問項目の同じ番号は同一の校長を意味している)。
アンケート全体についての回答状況については,
2007年度に作成予定の科学研究費補助金研究成果報告 書に譲り,ここでは,回答傾向として特徴的な側面に焦 点付けて紹介することとしたい。
まず,
〈「質の高い学校」とはなにか,その指標〉に関連する回答状況を見ると,その全体は,以下のように なっている。
①
1.質の高い学校 1)正常で,効率的な行政 2)人間性のある近代的な教学 3)健全なキャンパス
2. 指標を明確にし,行動の指針を提供することによ り,学校教育の質をいっそう有効にコントロール できる。
②
1.効率のよい学校行政
2.高い水準を有する教師の専門性 3.子どもの学習の状況が高まっている 4.保護者の参加の拡大
③
質の高い学校:子供を中心に,あらゆる機会に子ども の利益にそって考える学校をつくること
(1)質の高い学習環境 (2)質の高い学習雰囲気 (3)質の高い学習資源
④
質の高い学校:各方面で効果的な学校であり,高い 質を持っている学校を指す。校長の指導性,教職員の 専門知識の水準,子どもの学習能力と動機付けの高さ,
教職員の自己啓発意欲の水準及び学校の文化と価値な どを含む。
質の高い学校の指標は「輸入-過程-輸出」のモデ ルを使用し考えることが出来る。学校に対する行政指 導,教職員の協働性を通し,(質の高い学校づくりに向 けた)学校文化を形成し,質の高い学校づくりのための 経営目標を達成する。
1. 輸入の側面:行政指導(道徳指導,改革動向の教
育,専門指導,総合的な指導)
2. 過程の側面 :行政管理,教育課程の開発,教師専 門性,子どもの学習,教育資源の効率的な活用,
キャンパスの効果的な運営
3. 輸出の側面 :学校文化の形成と成熟(ビジョンの 共同確立,全員参加,チームワーク,協調性,新 規創造,発展の永続)
⑤
「質の高い学校」は以下のような特徴を有すべきだと 思われます。
一. 一流の行政管理
二. カリキュラムを体系化し,特色が発揮されてい ること。
三. 教職員は効果的な教育に励み,学級経営の活 性化に努めていること。
四. 子どもの全般的な教養水準は高く,基本学力 が一定のレベルに達していること。
五. 全教職員が絶えず研究し,教育革新に寄与し ていること。
六. 各種の資源を活用し,学習環境を充実すること。
七. 学校は友好的で,自然・人文と科学技術が一 体化する環境にあること。
「質の高い学校」を表示する指標についてで すが,個々の学校は違う発展段階にあるため,
学校の経営方針から保護者,教員や生徒の状 況まで異なるので,その指標を定義するのは とても難しいことです。そこで,共通の指標の ほかに,各学校の個性を活かし,それに適切 な評価を与えたほうがよいと思います。
⑥
個人的には,質の高い学校は以下のような指標で判 断すべきだと思います。
1. 行政管理の面において,教員,保護者及び生徒へ の対応が効率的であること。
2. カリキュラム開発の面で,学校本位の(自主的な)
カリキュラムの研究を奨励し,体系化に努めるこ と。
3. 教員がその教育行為について研究及び交流を行い,
その成果を教育実践に活用すること。
4. 学校文化の面では,規律を持った,持続的に革新 する学校文化の形成,提示された学校のビジョン のために全員で努力すること。
5. 研究開発については,教員も生徒もすべてが特定
のテーマを抱き自律的に研究を進め,学校全体の,
そしてまた,個人の能力を向上させるために努力 すること。
6. 保護者の資質を高めること。保護者もすべて積極 的に学校の活動に参加し,学校とともに進歩する こと。
⑦
一. 「質の高い学校」とは以下のような学校だと思わ れます。
1. 明確な学校の教育目標がある。
2. 学校の行政組織の効率が高い。
3. 質の高い教育内容をそなえている。
4. 子どもが高い学習成果を示している。
二. 「質の高い学校」を表示する指標は,以下のよう な観点に基づくものであることが必要になる。
1. 指標の内容は,総体性と個別化,両方に配慮を 加える。
2. 指標は,質と量,両方に配慮を加える。
3. 指標の組み立ては,過程と結果,両方に配慮を 加える。
⑧
1. 学校の構成員に,協働性を基礎とした願望,目標,
信念が見られること。
2. 教職員は専門的研修を継続して進め,カリキュラム は絶えず改善され,評価基準が明確であること。
3. 学校行政の(効率化のための)専門訓練と学校管 理の継続的な改善が進められるような戦略。
4. 子どもの潜在力を引き出すことが可能になるよう に,個性的なカリキュラムが編成され,子どもは 基本的な学習水準に達しているとともに,それぞ れの子どもの個性,適性を評価する仕組みがある こと。
5. キャンパスには,安全,暖かさ,芸術性,文化性,
インテリジェント化などの要素を勘案した計画と 施設設備が備えられていること。
6. 子どもは規律を守るとともに,学校環境全体を通 しての教育的感化を通じて,優れた学習態度と習 慣を持つようになっていること。
7. 教育のための資源が,有効に整備されていること。
8. 公正で,子どもを励ます仕組みが備えられている こと。
⑨
「質の高い学校」とは,学校が,教師と子どもに対し,
ソフトウェアとハードウエアの両面にわたり優れた教育 環境を提供し,教育専門的な実践を通じて,子どもの 潜在力を開発し,子どもを全人的に育てていること。
その指標としては,校長のリーダーシップ,カリキュ ラム開発,行政管理の質,教師の授業力,子どもの学 習の状況,教育資源の有効活用等が考えられる。
⑩
質の高い学校とは:
1. 子どもの個性と生きる力を育む教育。
2. 子どもの能力の違いを重視して,社会的な公正や 社会的正義に基づく教育機会を与える。
3. 豊かな,創造的な教育活動を行う。
4. 高い質を持った教育,目標管理と総括性評価を追 求すること。
「質の高い学校」を表示する指標は,各学校の校 長が校務を推進し,教師を誘って学校の教育目標達 成に向けるための重要な側面だと思う。
⑪
1. 豊かな地域資源や優れた伝統を活かし,新しい時 代の趨勢と国際潮流に適合的に,子どもが自主的 学習と積極的探究を基礎に,学習を進める環境を 形成すること。
2. 子どもの生活や学習関心に配慮し,学習の環境と 教育課程を編成し,子どもが積極的に学び,のび のびと成長し,祖国を愛し,領土を保護する意識 が培われるように教育すること。
3. 子どもの学習の過程を重視して,自主的な探究を 導き,問題解決力と思考力を育む教育を通じて キャリアに沿って準備することができるように育 ててゆくこと。
⑫
「質の高い学校」とは,子ども一人一人の成長の手助 けをし,子どもたちの個性に応じて潜在性を引き出す手 助けをするものです。さらに,「公平」といった価値を 追求するだけでなく,子どもの「潜在性」を「顕在化」
させ,子どもに「自分を知る」きっかけを与え,導く役 割を担うことが必要です。
「質の高い学校の基準」は,多方面に視野を広げつく られ,かつ先導的な役割を担わなければなりません。
⑬
「質の高い学校」とは,子どもが学校で楽しくさまざ
まな場で学び,効率よく学ぶことができること。また,
教師は,教育指導に対する満足感が高まるように,か つ効率的に進めており,親に対し子どもを安心して学校 へ任せ,学校を全力的に支えようという意識を生み出し ていること。また,学校行政の質を高め,校務全体を 発展させ,学校教育における資源活用を効率的に進め,
サービスの質を高めることです。
⑭
1. 学校像: 教育法令に沿い,時代の変化や地域の特 色,子どもの将来を基礎に描かれた学校像である こと。
2. 投資部分:十分な資源が用意されていること。
3. 過程部分:学校のビジョンが適切に作られており,
プロセスと能率とに配慮を加え,組織におけるメ カニズムの改善という視野も抱いていること。
4. 産出部分: 学校の成果が,子どものニーズに適合 していること。
⑮
1. 学校は明確な発展計画を持ち,教師は共通の価値 観を共有している。
2. 教師と行政は,学習を焦点にした組織を形成し,
学業の質を高めるための創意工夫を凝らしている。
3. 子どもは学習成績が優秀で,生活や道徳の面でも 卓越している。
4. 学校評価結果が良好である。
⑯
質の高い学校は,卓越・特色・満足・能率の組み合 わさった学校である。子どものそれぞれの個性に合わ せた成長を保障し,潜在能力を発揮する機会を提供す る。同時に,教育機会の平等を保障する。
⑰
質の高い学校: 在籍する子どもたちは,すべて公平な 教育を受ける機会があって,個人の資質に応じて異なっ た方法で教育を施し,潜在的能力を啓き,個性適合的 に育てること。
指標は,学校のさまざまな側面を含む必要がある。
例えば,校長の指導力,学校行政,教育課程開発,教 師の教育指導の質,子どもの学習状況,教育資源の体 系的活用,キャンパス整備,学校文化形成など全部含 みます。
⑱
下記の五つのことから説明できます。
(一)行政の水準,(二)教師の教育指導の水準,
(三)子どもの学習の水準(四)保護者の学校,教育 支援の水準 (五)地域の学校,教育支援の水準
⑲
1.「質の高い学校」の定義 :
① 教育の本質に基づき,「子どものニーズ」と「親 の期待」を基礎とする
② 学校づくりのプロセスに,「卓越性」,「創造性」,
「精致化」を活用する
③ 教師の授業力を高め,子どもの学習の質を改善 する
2. 「質の高い学校」を表示する指標:企画性,系統 性,全面性が含まれる必要がある。
⑳
組織運営が効率的であること。
施設設備と環境が教育実践のニーズに適合している。
教育課程の設計が子どものニーズにあっていること。
多様性のある教育活動によって,子どもの潜在能力を 発展させる。
地域と保護者の支持,支援。
質の高い学校とは,
・生徒が楽しく効果的な学習を進めている。
・ 教師が熱意を持っており,持続的に専門的知識を 高めようとしている。
・ 保護者の学校信頼と支援
・ 学校カリキュラムを学校の教育目標達成に向けら れるよう心がけている。
指標:
・リーダーシップ ・行政管理 ・カリキュラム ・教師教育 ・生徒の学習 ・学校環境 ・教育資源 ・学校文化
質の高い教育は以下のように考えられます。
1. 効率の高い学校行政
2. 優れた専門知識の持ち主としての教師
3. まじめで,勉強を楽しむ生徒 4. 学校行事に積極性を見せる保護者
A. 「質の高い学校」を表示する指標は,行政の過程,カ リキュラムと教育指導,子どもの学習,教育指導のス トラティジー,学習補充活動,保護者の参与,資源整 備などの方面から考えることができる。その上で,温 かく,調和のとれた学校文化の形成,学校ビジョンを 基礎にして,学校教育目標を達成した学校が「質の 高い学校」と言える。
B. 「質の高い学校」の指標は,教育理論や教育関係者の 承認,専門家や学者などの意見,子どもたちの意見な どを通じ生まれるものだと思います。
以上のように,総括的に「質の高い学校」とはなに か,また,それを表示する指標はなにか,と問うと,台 北市の校長の回答には,学校マネジメント・モデルの有 様として考える指向が明確に現れている。
なお,この回答傾向を読み取る際には,台北市教育局
が作成した「質の高い学校」モデルも念頭に置く必要 がある。総括的に図2で示されている
3)。
次に,以上の回答に関連して,それぞれの学校にお ける学校経営計画の作成についての回答も見てみよう。
〈学校経営計画の有無,行政機関への提出の必要,行政 によるモデルの有無〉
①
1. 経営計画をつくるプロセスは,参加を原理として,
有益な意見を幅広く吸収するものとなるべきある。
2. 学校経営計画は,教育行政機関に提出し承認を得 るようにすべきである。
3. 教育行政機関が制定することも考えられる。
4. 学校がつくる方法と教育行政機関がつくる方法の 兼用も考えられる。
図2 台北市教育局による「質の高い学校」モデル(2004年12月作成)
②
教育局の示している指針を基礎に,学校の経営計画 をつくり,教育局に提出することもできるが,現在は関 連規定がないので,実際には報告していない。
③
1. 学校経営計画の制定 1)基本信念を確立する。
2)共同のビジョンを描く。
3)地域資源を統合する。
4)適切な策略を提出する。
5)徹底的に実行する。
6)実施効果をチェックする。
2. 学校ごとの特色に基づいて経営計画をつくり,教 育関連機関に提出し,調べるために備えておき,
実際の需要と一致させる。
④
質の高い学校づくりのため,当校では「学校校務発 展計画」がつくられている。校長の校務経営の理念と 手順,学校の理想目標の達成,及び学校のさまざまな 業務の日課,内容,経費の必要性の度合い,効果に対 する評価などを校務会議の共同討論の過程を通して話 し合う。教職員間の意見の交換を積極的に行い,共通 認識を持てるように心がけ,「学校校務発展計画」がつ くられた後は計画の具体化につとめる。
現状を説明すると :
1. 校務発展計画は,国の政策,地方教育政策を踏ま えながら,本校の発展方向を見通してつくられる。
その手順は,まず,学校内の各部門が部門発展 計画をつくり,主管部門に報告したうえで,討論,
修正を経て,校務発展計画へと集約するという過 程をとっている。
2. 校務発展計画の内容には,計画の目的,経営理念,
学校の教育目標,学校運営の背景の分析,学校の 特色,具体的な行動の方針,経費の需要,効率の 予想と評価などが含まれる。
3. 校務発展計画は,校務会議で決定後実施に移し,
計画内容を学校の行政ネットを通じて公表し,さ まざまなルートを利用して宣伝し,広報する。
ア. 教職員朝礼,拡大行政会議,学年会議,家長 会などを利用して,教職員に計画内容を理解 させる。期間中,個々の教職員に,学校の経 営の方向を熟知させる。
イ. 校務発展計画をホームページに掲載し,保護 者が随時閲覧できるようにして,学校の発展,
実務の経営を理解してもらえるように工夫し,
改善への意欲を高める。
4. 毎年,主管報告,拡大行政会議,及び校務会議な ど正式の会議を通して,実施状況を検討し,修正 を行って,実際に合致させる。
5. 各部門は校務発展計画に基づき,年度業務計画を 立て,実施する。
教職員全員に計画内容を理解させるため,各部 門は積極的に企画を立て,周到な実施計画をつく るほか,設備の経費予算も積極的に獲得して,教 育活動に必要な設備を整える。校務の発展報告も 学校のホームページに掲載し,教職員全員が随時 検索できるようにし,その内容を理解させる。
教育行政機関は,学校ごとの経営計画の提出を 要求してはいない。質の高い小学校教育のため,
台北市の教育局は計画的に小学校の校務評価を 行っていて,当校も積極的に協力している。校務 評価の自己評価書を提出する以外に,実際の校務 評価過程の中では,「学校校務発展計画」に関し て第三者の評価も行われ,調査や質問,意見の提 案もされるので,参考になる。
学校校務発展計画のモデルに関しては,学校本 位でつくられ,教育行政機関の統一的モデルに基 づいてはいない。
⑤
「質の高い学校」は,保護者,教員と生徒が共同で作 り出すものですから,ティームメンバーが認識,態度 及び行為の各方面について共通である必要があります。
そういうわけで,本校は学校経営計画を制定するとき,
必ずある程度の論議を行い,学校の教育理念を共有す るようにして,実行方法を計画します。これらの全体的 な計画または部分的な計画は,その性質,経費などに よって異なってきますが,教育委員会に提出して許認可 をもらう場合は,教育行政機関の作成したモデルに基 づいて制定します。その他の場合には,ほかの学校や 学術機構の研究成果または本 校の独創的なやり方に基 づいて作成します。
⑥
1. 学校経営計画は,各部門の年度計画と中期計画を 調整し,教育政策及び学校の目標,教員,生徒並 びに保護者の要求を考慮に入れながら,総合的に 作成します。
2. 校長選挙が行われる際には,校長は学校経営計画
を主管機関に提出しなければなりませんし,校長
として再任される場合には,経営計画について見 直し,コメントをしなければなりません。
⑦
1. 学校経営計画書作りは,最初に各部門で草案をつ くり,それを「行政人員代表」,「教員代表」,「保 護者代表」たちが共同に参加する校務分掌会議で 討論し,審議を行います。採択された場合,具体 的な内容を公開し,実行します。毎年,校務分掌 会議で草案について修正意見を交換します。
2. 校長は,学校経営計画書を必ず教育行政機関に提 出して,教育政策との整合性をチェックすべきだ と思います。
⑧
課程発展委員会と校務会議,及び関連会議,保護者 会などを通じて,校務年度計画などを作り,その計画 書を教育行政機関に提出し,教育行政機関の政策,教 育白書及びそれぞれの領域(授業)課程要項に基いて,
本校の優れた質を持った教育目標を定める。
⑨
学校経営計画作りは,民主的参加の方式を採用し,
学校行政,教師,親の代表と専門学者,地域住民代表 を招聘し,国家教育政策,教育改革指針,教育思潮,
社会環境変革に伴う人材への要求,運用可能な資源な ど点を組み合わせて,革新的,かつ,特色を持ったもの としていく。
⑩
学校は,教師と行政職員で構成されているので,学 校経営計画の作成は,両者が参加して行われる。まず,
カリキュラム開発委員会で原案を作った後,校務会議 で検討し,その後実施に移す。特色ある学校づくりや 学校文化の醸成の視点でつくられる学校経営計画は,
教育行政機関によるモデルに基づくが,教育行政機関 に提出する義務はない。
⑪
教育部の国家教育政策,台北市政府教育政策,台北 市良質学校経営ハンドブック,本校の子どもの意見につ いての検討,家長の意見,教師の意見,管理職員の意 見,あるいは,カリキュラム開発会の分析などに基づい て,質の高い学校づくりを目指し学校経営計画を作る。
⑫
学校経営計画書は,教育政策を基本とし,それに学 校の資源,特色とを勘案して,作られるものです。通常 は,ボトム・アップの方式の集団討論を通じて共通理解 を図ったうえ,学校経営プランをつくることにしていま す。行政機関に提出する必要はなく,全面的に行政機 関のモデルに基づくというわけではありません。
⑬
1. 教育政策の方向を勘案し,同時に,地域特性,子 どもの資質や親の社会経済的背景,学校文化の有 様などを踏まえ,学校経営計画をつくります。
2. 学校経営計画は,各学校のネットワークを活用し,
公開されているので,必要であれば,ホームペー ジより参照することができます。
⑭
学校経営計画は,学校経営の初歩計画です。その有 様は,地域の特殊性を反映します。そこで,経営計画 は学校がつくり,教育行政機関に提出し,経費補助が つくように努めます。一部については,教育行政機関が つくった教育白書に基づいて,学校経営計画がつくられ ます。
⑮
1. SWOTS 分析を通じて,ビジョンと目標を統合し,
保護者会と教師会の力をあわせて,学校経営計画 に対する共通の意識を形成します。
2. 学年が始まる前,カリキュラム発展計画を,主管 する教育行政機関に提出します。
⑯
高い品質を持った学校をつくるために,以下の方法を 用いて学校の経営計画をつくる。
(1) 学校をどのような方向に発展させるか,という問 いと,学校の置かれる環境の評価
(2) (関係者が)協力して優れた質のビジョンを描き,
有効な戦略を探ります。
(3) 教師の教育指導,子どもの学習,親の参与といっ た方面から,学校経営計画を策定する。
高い質を有する学校は,その経営モデルは主 管教育行政機関と学校との相互協力と支持に よってつくられるはずです。また,教育政策の発 展と地域ニーズを踏まえて学校経営計画をつく ります。
⑰
教育理念,政府の政策,学校の主観的,客観的条件 などの検証,将来に向けての展望などに基づいて,学 校の教育目標を制定します。その後,学校づくりの具体 的な手順を盛り込み,校務発展計画を制定します。一 部の計画は,法令にしたがい,必ず主管教育行政機関 に報告し,審査を受け,記録に載せてもらいます。この ような必要のない箇所もあります。報告した計画は,行 政機関のモデルに基づいて制定しています。しかし,学 校側としての特別の要求がある場合は,修正し,調整 します。
⑱
学校計画は,質の高い学校づくりに必要な手段と策 略ということができます。
実行に移し易いモデルを作るとき,上記の問6で出し た五つの条件を得るのが重要です。
⑲
一. 学校には,長期計画(8年),中期計画(4-6年),
短期計画(2-4年)などが定められています。毎 年度,これら三種類の計画を基礎に,本年度の 経営計画を作ります。
二. 経営計画書の中には,教育行政機関の法令に基 づく事項も含んでいます。この経営計画書は,本 校では「教務会議」を通じて具体化に向けてい ますので,教育行政機関に出して審査される必 要はありません。学校自身による自己管理だけが 問題になります。
⑳
これまで作成された教務計画を参考にする→実際の 事情及び教育政策によって変わっていく,或は教育行 政機関の政策によって変化する
・学校経営計画を作成し,校務会議で承認を得る。
・ 学校カリキュラム計画をつくり,カリキュラム発展 会議で承認を得る。
・ 学校経営計画は各学校それぞれでつくられており,
モデルは違い,教育局に提出することもない。
・ 学校カリキュラム計画のモデルは,教育局によって 定められており,毎年提出が必要
学校経営計画書づくりは,教育委員会の「質の高い
学校」づくり指標を参考にするが,重要なのは,学校 の発展に応じた計画書づくりである。学校の立地条件,
環境,生徒の家庭状況,教師の専門知識と優れている 点などを,学校経営計画書の内容の中に全面的に盛り 込む必要があります。これによってこそ,生徒の学習能 力を順調に学習効果に転換させることができます。
A. 質の高い学校つくりのための校務発展計画(学校 経営計画)は,非常に重要だと思います。それは,
現状に対する分析,質の高い学校指標に基づいて,
学校ビジョンに照らし,教師と生徒の共同参与,
及び,議論を経て制定されるべきだと思います。
B. 学校経営計画は,教育行政機関に提出する必要は ありません〈審査は不可能です〉。でも,「視導区 督学」には必ず報告するべきだと思います。その モデルとしては,画一化を避け,各学校が各自に 特色を発揮すればよいと思います。
ただ,教育行政機関は,説明会,検討会などを 開き,質の高い学校づくりのための学校経営計 画制定のプロセスの意義を高める必要はあると 思います。
では,こうした学校マネジメント・モデルのもとで保 護者の教育参加についての実態や学校管理職のそれに 対する意識の状況はどうなっているのだろうか。次には,
この点について取り上げてみよう。
〈学校への親の信頼感調査,学校公開,親の参加〉
①
1. 学校に対する親の信頼感を調べる調査は,まだ実 施されていない。
2. 実施されているのは,以下のようなことがら。
1)親との面談 2)学校の家長会 3)学校の刊行物 4)親教育の講座,活動 5)キャンパスの開放 6)保護者のホットライン
3. 積極的に,学校のいろいろな活動に参加する。
②
まだ実施されていない。学校のホームページには学
校のあらゆる情報が掲載されており,保護者たちは,常
に学校の状況を知ることができる。学校のさまざまな活
動や放課後の社会活動にも,家長の参加が見られる。
③
1. 本校では,家長の参加は多方面にわたり,十分進 められている。学校のさまざまな活動および会議 は家長に開放され,参加と理解を得るようになっ ている。
2. 信頼感を調べる仕組みは実施されていない。家長 の学校に対する意見のフィードバックは,充実し ている。
④
まだ実施してないので分析,比較する具体的なデー タはない。
保護者に学校を公開する開放ルートは多様である。例 えば,定期的な「学校の日」の活動,親の懇親会等。学 校のホームページ,学級のホームページ,家長会のホー ムページ,電子連絡簿,電子メールなどによるホットラ インの設置をし,効果的な連携を進め,保護者が,学校 や学級の事務について理解できるルートを提供する。
保護者の学校参加の状況を見ると
1. 家長会は組織が健全で,保護者が学校教育の事務 を理解するルートが開放されている。
2. 校務の必要上家長会の参加が求められる場合,校 内の重要な政策委員会に家長会代表が出席する。
例えば,校務会議,教育評価会,カリキュラム開 発委員会,教科書の選択,学生上告委員会などで ある。
3. 保護者と教師の連携ルートをつくる。例えば,定 期的に親との懇親会等を組織する。ホットライン を設置し,学級のホームページと電子連絡簿をつ くる。
4. 保護者ボランティアを設け,学校の活動に積極的 に参加させ,学校の教育活動,関連情報,学校経 営理念と特色を広報する手助けとする。
5. 保護者教育の活動を行い,保護者,地域住民の参 加を促し,保護者の教養レベルを高める。
6. 保護者と教師が協力して活動を行う。例えば,学 校の創立記念日の活動,懇親会,学校の日,家長 代表会など。
7. 放課後の社会発展委員会をつくり,保護者の参加 を通して,団体の支援力を強化し,人的,物的,
金銭的な支援を充実させ,団体の発展を促進する。
⑤
全面的に調査したことはありませんが,一部具体的な
テーマについて調査したことがあります。例えば,サー クル活動,昼食,運動服など。
本校は開かれている小学校ですので,親はさまざま なルート,例えば,保護者会,教育評価会,教科書評 議会とか,様々な任務に対応して編成されたグループ,
例えば,親と教師とのコミュニケーション・グループ,
英語推進グループなどを簡単に利用できます。
そのほか,学校は,E メールアドレス,保護者会専 用の電話回線を設置しており,保護者達の参加意欲は とても高く,学校のことをよく理解してくれますし,サ ポートしてくれます。
⑥
1. 本校は,保護者の学校に対する信頼感について,
調査を実施したことはありません。ただ,クラス の保護者会,学校日などの会議を利用して保護者 たちの意見を聞く一方,こちらからもクラスや学 校の状況を紹介し,お互いの意見や考えを交換し ます。
2. 通常,保護者の出席率は平均的に6割(60%)に 達しています。
⑦
一. 本校は学校に対する親の信頼感を調べる調査は 実施したことはありません。
二. 学校公開のような試みは,以下のようになってい ます。保護者代表は学校の戦略や方策を決める 会議などに参加する。
1. クラスの保護者代表は,保護者会を組織してク ラスの事務に参加する。
2. 保護者は学校のホームページ,掲示板,通知,
E メールを通じて,学校の情報を得る。
3.「学校参観日」を開いて,保護者を学校に招く。
4. 「教育成果展覧」活動を開いて,保護者を学校 行事に参加させる。
三. 保護者達の参加意欲は非常に高く,約80%に達 しています。
⑧
次の方法で信頼感の調査をし,親の積極的参加と支 持を獲得する。
1. 学校日の懇談。
2. 学級会での懇談。
3. ホームページと E メール。
4. 電話。
5. 刊行物,手紙。
6,子どもの学習状況報告,出欠席の通知。
7. 家庭訪問(必要な時)。
8. 個に応じた指導。
9. 多くの親が,学校のそれぞれの研究討論,活動な どに参加している。
⑨
1. 正式の調査は実施してない。
2. 学校を開放し(保護者会,学校日,学校づくりの 説明会など),親に校務を理解させ,校務改善の 参考にする。
⑩
1. 本校の保護者会には,申し立て委員会が設置され ており,親の意見や申し立てを受け入れるように している。「愛心母会」「ボランティア会」も協力 してくれる。お互いに助け合い,相互理解を通じ て信頼感を築いていく。
2. 各座談会などを通じて,親が学校を理解する程度 を知ることができ,親のニーズも知ることができ る。
3. 親が保護者会及びさまざまな学校活動に参加する ことで,教師と親の連携を促進することができる。
⑪
学校としては,親の信頼感の調査を実施していない。
家長は,学校の家長座談会,学校日,学級活動,サー ビス父兄会,学校の運動会,学校創立記念日に積極的 に参加しているので信頼度は高いと思われる。
⑫
1. ありません。
2. 本校は,学校記念日,父母会,出版刊行物,サイ トの設置,親の学校参加(様々な会議への参加)
などの方法で,親に学校を知っていただきます。
3. 親の学校参加は,非常に積極的です。重要な会 議や学校行事,重要な校則改正などのおりには,
ほとんどの親が参加します。同時に,経費の提供 も行って,教師と生徒を励ます活動を展開してい ます。
⑬
ありません。
1) 学校行事や校内組織の運営に,各分野一人ず つ保護者会の代表者を設けています。
2)参加率は普通です。
⑭
本校では,学校に対する親の信頼感について,毎年 一回以上調査しています。ほとんど学校日(建学日)の 当日を利用して催しますが,本校に対する親の信頼度 は,かなり高いです。
本校は,「開かれた学校」に所属します。親が学校を 知りたいときは,インターネットや電話,文書資料及び さまざまな活動の参与などを通じて調べられます。親の 参与度は,とても高く,かつとても積極的です。
⑮
学期ごとに学校日を持ち,保護者の参加を促します。
子どもと保護者は,保護者会と両親成長クラスを通じ て,学校を深く認識し,参与することができます。
学校日のアンケート調査によると,保護者は本校をお およそ信頼しています。
⑯
登校日や親業教育の機会に,学校を知る機会が与え られます。保護者に学校参与の仕組みを理解させるこ とは一般的に行われています。たとえば,校務会議,カ リキュラム発展委員会,教師評価会,導師会,申評会,
校外教学などの会議で,保護者の代表が参加し共同で 学校運営について討論し,方針を決めます。学期ごと に,定期的な登校日を設け,クラス,保護者座談会,親 業教育といった機会を通じて,保護者と教師と生徒の 間の,コミュニケーションの場を提供します。
⑰
1. 実施していません。
2. 毎学年度に2回「学校日」というイベントを行っ て,その時学校を開放して保護者の見学に便利を はかります。
3. 保護者委員会が定期的に会議を行って,校長と各 級主管は一緒に出席して報告します。
4. 学校がホームページを作って,関連がある情報を みんなに周知させて,保護者から違う意見がある 時,直接学校に電話してもいいし,あるいは予約 してから学校に来てもらって相談する場合もあり ます。
⑱
(一)こんな調査はありません。
(二) 毎学期に「学校日」を行っています。また,「家長
会」という正式な組織も常に活動を進めています。
⑲
一. 毎学期,家長会から行うアンケート調査があって そこで,保護者が,学校の校務について意見及 び信頼感などについて書きます。その結果,家 長会と保護者たちの本学校に対する信頼感は,
89%以上に達しました。(うち,2%は意見を表明 しましたが,学校を支持している保護者です)
二. 学校の創立記念日,卒業式などにいつも保護者 を誘って参加していただいています。参加率は 45% ~ 70%です。
⑳
一. 毎年,学校側から行うアンケート調査があってそ こで,保護者が学校の校務について意見を書き ます。その結果,保護者たちの本学校に対する 満足度は,82.7%でした。(本校の区域外就学率 は89%)
二. 学校の情報は,いつも社会に開放しています。
保護者はいつでも,学校のホームページ,電話な どを利用して学校と連絡できます。
三. 保護者たちの校務に参加する意欲は非常に高く,
毎学期の来校率は85%以上で,多いクラスはさ らに95%を超えています。
・ 学校日などの機会を利用し,親へのアンケート調査 を実施
・ 調査結果は,肯定的に受け止められているものは 保ち続け,意見事項は実施に移す可能性を考え,
可能性のあるものは学校運営計画の内容に入れて 実施し,逆の場合には学校の公刊物で説明
・ 学校通信を通して,クラス通信や学校のHPで,
PTA 会議などを利用し,学校の理念や成果を親に 説明する。親の代表による,校務会議,カリキュラ ム委員会,児童給食会議,児童制服会議への出席 は,法律的に権利を与えられています。
教育委員会は,学校が始まる頃には必ず「学校日活 動」(学校参観)を行うことを義務付けています。本校 も,学校参観日を借りて,保護者に学期ごとの教育計 画と実施活動を説明しています。保護者たちは非常に 積極的で,多くの保護者からは個人の意見も提出しても らって共同議論を行う場合もあります。さらに,保護者 たちが最も夢中なのは,学級のさまざまな活動に参加す ることです。学級活動を通じて,学校に対する理解と信
頼を深める機会にしています。
A. 本校では,学校に対する保護者の信頼感を調べる 調査は実施したことがありません。
B. 本校の保護者の学校行事に対する参与は非常に 積極的です。志工団,保護者会の役割も非常に効 果的です。
C. 保護者の学校理解へのルート
1. 学校のホームページに保護者会欄を設置,教職 員たちのメールアドレスの公開,学級ごとにホー ムページを設置,伝言板の設置などです。
2. 保護者会,「志工団」及び,一般の保護者,「志 工」たちは,参加の頻度も高く,非常に積極的 です。
3. 学年ごとの学級保護者代表会は,定期的に行わ れます。会議は,学年で選抜された保護者が司 会になり,教師及び,関連の行政人員も招かれ,
参加します。
近年における学校マネジメント方式のグローバルな傾 向のひとつに,教育行政機関からそれぞれの学校に意 思決定権を委譲する SBM(それぞれの学校を基礎にし た経営)と呼ばれる方式の拡大が見られる。「学校の自 律性」を強めようとする方策である
4)。
その反面,保護者や地域住民の学校運営参画機構を 整備し,校長の権限拡大を抑制しようとする動きも見ら れるが,台北の校長はこのような動向をどう評価してい るだろうか。この問題に係る回答を,次に見てみよう。
〈学校運営への保護者,地域住民参画の意義〉
①
1. 社会発展の趨勢に合致している。
2. 責任を分担し合い,資源を有効に活用する手法と して,保護者,地域住民の資源を上手に運用する のは,教育者が備えるべき常識と能力といえる。
②
学校の運営に保護者や地域住民が参画する仕組みは,
学校の地域化の主旨に一致する。学校は地域の重要な
構成部分であり,この仕組みをきっかけに地域との結び
付きを深め,地域資源を導入することで,よい効果を生
み出すことができる。
③
保護者が学校の教育に多元的に参加するのは,教育 改革の動向である。学校は多元的な参加ルートをつくり,
保護者が教育に関する認識を深めるのを促すことによ り,家庭,地域の支持を強めることができる。また,教 育の過程の中に豊富な教育資源を導入して,学校教育 の効果を高める。
④
まず,家長及び地域住民が,学校参加に対する正確 な意識を持ち,効率的な運営システムのもとで,多様な レベルの教育事務に参加し,親と教師が連携し合って,
質の高い学校を共同してつくる。
1. 保護者及び地域住民が学校運営に参加
保護者と地域住民は,学校経営への積極的な参 加を通じて,経営ビジョン達成に協力する。保護 者と地域住民の学校経営に関する意見は,「学校 の日」,家長会を通して,学校に対する提案と受け 止められ,学校が未来に向かって進めるように協 力する。
2. 保護者及び地域住民は,学級の教育指導と補習に 参加
本校の保護者及び地域住民は,学級の教育指導 と補習活動に自発的に参加し,学級業務の推進と 教育指導の設計で,保護者の資源を十分に運用す る。例えば,学級の家長会,校外教学,教学見学,
記念活動,教室の配置,学級の事務処理などは,
保護者と教師が共同に討論,参加して,子どもの 学習に豊かな基礎を固める。
3. 保護者及び地域住民が学校の教育事務に参加 本校の保護者と地域住民は,常に学校の会議,
活動に参加し,校務の発展を了解する。例えば,
校務会議,カリキュラム開発委員会議,教科書選 択委員会議,昼食業者選出会議,「学校の日」の 準備会議,卒業旅行の準備会議,ボランティア大 会,「学校の日」活動,入学生の保護者懇談会,
学園祭交流活動,卒業式などである。各会議,活 動は関連保護者と地域住民の参加があり,貴重な 意見などを提供する。
影響:
1. 保護者と地域住民が各会議に参加することで,家 長会の業務や学校事務が相談できる。
2. 保護者と地域住民が学級事務に参加することで,
保護者と教師のコミュニケーションと連携を強 める。
3. 保護者と地域住民の校務運営に対する熱心な参加
によって,学校にさまざまな支援を提供すること ができる。
⑤
学校経営への参画の仕組みは,社会発展の趨勢で,
発展した成熟社会の象徴です。台北市もこの段階まで 到達しました。このような仕組みの導入については,基 本的には受け入れていますし,楽観的な態度を持ってい ます。ただ,法制化の面では,個人としては,保護者や 地域住民の参画は法律に基づいて実現されることを期 待しており,保護者や地域住民の参画によって教育事 業の範囲が曖昧化されてはいけないと思います。
もし法制化の仕組みが完成されたもので,かつ,合 理的であれば,段取りを踏み,一歩一歩前進していけ ば,質の高い学校を作るのにプラスの影響を与えるで しょう。
プラスの影響とは,障害のないコミュニケーション,
より多くの資源(人的資源も含む)が学校に流れてくる こと,より開かれている学校になることなどが含まれま す。もちろん,教員も,よりプロフェッショナルになる ことによってより多くの信頼を得ることができると思い ます。
⑥
保護者が学校のカリキュラム及び教学に関心を持ち,
積極的に参画し,教員と一緒に生徒の発展のために努 力することは現代教育の発展趨勢なので,抵抗すること ではありません。ただ,制度の面から言えば,台湾の学 校行政システムはアメリカの教育委員会の運営と違うの で,学校行政管理に対する監督権はアメリカと比較する のは困難です。現在,台湾の保護者会の参画は,学校 にあまり干渉しない程度で行われており,学校に対する 過度な干渉を避けたほうがよいと思います。具体的に言 えば,保護者会及び地域住民の参画は,彼ら自身の啓 発や,子どもの学習および学校の正常な運営に協力す ることに主要任務を求めるべきだと思います。
⑦
1. 台北市の各学校には,教育委員会の法の規定と指 導のもと,すでに,十分な機能を発揮している保 護者参画の仕組みが構築されています。個人的に は,この仕組みは学校の運営に欠かせないもので,
きわめて重要で,その意義は大きいものだと思い ます。
2. 保護者の学校参画の仕組みは,学校が,それぞれ
の事業での質の向上を図ることにも役立ちます。
それは,保護者は社会のいろいろな領域から集ま るし,また,消費者の立場から意見を出してくれ るからです。
⑧
回答なし
⑨
協力は積極的に行われている。
⑩
学校の運営に保護者参画を導入するのは有効であり,
親と教師の共同活動で,教育指導の質を高めることが できる。
地域住民の参画はまだ検討中。
⑪
このような仕組みに対して,私は肯定的である。こ の仕組みは「質の高い学校」の構築にプラスになると 思う。
⑫
無回答です。
⑬
まず,地域住民及び保護者の特質を見極めてから適 切に導入すべきです。時には,校務推進の抵抗力(障 害物)になる恐れがあるので,無計画的に保護者の学 校参加を導入してはなりません。
⑭
特に,国民小学校の場合ですが,学校は地域社会の ために存在するものです。したがって,親や地域社会の 人々(学校参加)の参与が必要です。彼らは,教育の 質を評価する一員であり,彼らの参与は質の高い学校 を構築することにプラスの影響をもたらすはずです。
⑮
1. そのとおりである。
2. 保護者と社区の支援と参与をうけて,学校で各種 の質の高い教育を実施するのは,理想を達成する 後押しになります。
⑯
保護者が学校教育に参与するのは教育改革の流れで あり,学校は多元的な参与のルートを提供することで,
保護者の側にも深い認識を促します。したがって,多く の家庭,コミュニティ,および社会に支えられ「開かれ た学校」づくりを進めることで,保護者や社会からの抵 抗力を排し,教育資源を豊かにし,学校の資を高めるこ とができます。
⑰
1. 学校は地域の一部で,地域とともに存在し,共同 して繁栄を求めているはずです。保護者や地域住 民たちが学校の運営に参加するのは当然のことで,
「質の高い学校」の構築が地域住民の日常生活に 良い雰囲気をつくり出します。
2. 先進国の仕組みを導入するとき,必ず正しい観念 と教育理想がなければなりません。でなければ,
派閥闘争に流れて,私心のため学校の運営を干渉 する非理性的な介入になってしまったら大変不幸 なことになると思います。
⑱
回答なし
⑲
一. 保護者と地域住民の思考が正しいとき,彼らの 参与は障害ではなく助力になりますので導入する 方が良いと思います。そうでない場合には,この ような仕組みの有益性と有効性を評定する必要 があります。
二. もし学校行政及び教師会,家長会などの運営が 正しくてプラスであれば,このような仕組みを導 入したら学校の教育の発展にもっと役立ちます。
そして,導入した資源は,子どもの成長の助けに なります。
⑳
一. 学校と保護者,地域住民は,「家族」を形成して おり,お互いに協力するはずです。
二. 保護者のニーズに十分な洞察力を持たなければ なりません。学校は,必ずただちにいろいろな情 報を手にいれるべきです。
三. 学校の努力が効果的であれば,保護者の支援を もらえるし,地域の承認も受けられ,質の高い学 校づくりにプラスになります。
・ 保護者の教育への期待はそれぞれ異なっているた
め,学校教育への意見の一致を見ることは難しい。
そのために,学校や教職員の教育上のさまざまな 営みが難しくなる。
・ 保護者の参画のあり方の法制化,枠組み,モデル 化などはこれからの課題のひとつであり,保護者自 身の資質もこれからは大事になっていく。
学校と保護者及び,地域は非常に密接な関係にあり ます。学校の運営に保護者や地域住民が参画する仕組 みは,現在では学校運営のモデルになっています。子 どもたちは,地域社会を教育資源として活用することで,
質の高い学校づくりに顕著な効果が現れると思います。
A. 学校の運営に,保護者や地域住民が参画する仕 組みは,今日多元的で,開放的な社会で確かに必 要性とそれなりの価値を有します。ただし,「参 与」と「干渉」の境界線をはっきりするのが大事 であります。共同の認識があるからこそ,質の高 い学校構築の実施に生かすことができます。
B. 上記の原則が把握できた場合こそ,質の高い学校 の構築はプラス指向になりうるのです。本校の事 例を見ても,学校の運営に保護者や地域住民参画 する仕組みはデメリットよりメリットが多いと思 います。
最後に,我が国でも大きなイッシューとなりつつある 教員評価について,台北市の校長の回答状況を見てみ よう。
〈教員評価に対する評価〉
①
1. 東方社会は,まだ成熟の度合いが低いようである。
2. 影響
1)学校では毎年定期的にトラブルが発生している。
2)マイナス面がプラス面より多い。
②
教員評価の仕組みが先進国に広がっているのは,必 然的な発展である。学校の教師に発展の動向を認識さ せ,教師の成長を手助けするなら,プラスの影響になる。
一方,ただ荒っぽく推し進め,教師の成長を信頼しない 場合には,ボイコットが生じる。
③
質の高い教育プログラムは,包含する範囲が広くて,
強調する課題も,社会の変遷に伴い,変化する。
教職の専門性,質の高い教育及び教育改革目標は,
最前線に立っている教師にかかる,という考え方に基づ くと,教師の専門性を発展させる課題は,質の高い教育 プログラムにおいてもっとも重視すべき課題である。
教師がどんなルートで持続的に学習,成長し,自分の 専門知識を発展させるか,または,どのように日ごろの 教学過程の意義を生かしていくかは質の高い教育プロ グラムを作る際に重視すべき課題である。
④
教師を含め,専門職であれば合理的な評価を受ける べきである。教員評価は,教師の勤務態度を判断し,
専門知識の発展を促進する連続過程である。教員評価 は,専門知識及び教学の効率を向上する重要ポイント である。台湾は民国60年の「公立学校の教職員考課成 績考課方法」公表から今まで,長い間の実施結果を経 て,弱点を見出した。長い間,小中学校の成果考課は,
総括的な外部評価に偏っていて,教師の教学能力に関 しては,正確な評価ができなかった。
プラスの影響
1. 教員評価の実施は時代の趨勢と一致し,教育革新 のエネルギーを喚起する。
2. 教員評価の実施は教育指導の参考になるし,教育 指導の効率を改善する。
3. 教員評価制度は教師の生涯を企画する参考になり,
成長に有利である。
4. 教員評価制度は所属部門に提出し,任命,進級,
昇進の際に,客観的な評価の根拠として役に立つ。
マイナスの影響
1. まだ関連基準の制定,PRなどを行っていないので 疑問が生じやすい。
2. 評価するメンバーに対するプレシャー,または,
主観判断は考課機能を形骸化させる。
3. 評価するメンバーは忙しく,日ごろの考課は実施 できない。
4. 評価の結果を教育指導に生かせなかったら,教師 の成長を助けるのに限界がある。
⑤