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学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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博 士 ( 工 学 ) 山 木 正 彦

学 位 論 文 題 名

破砕性火山灰土の微小変形せん断係数に及ぼす 凍結融解履歴の影響とその評価法

学位論文内容の要旨

  北海道のようを積雪寒冷地では、冬季間や融雪期に生じる斜面崩壊等の地盤災害は今をお数多く報告され、

道路や家屋をどに多大を被害が発生している。しかしをがら、凍結・融解、降雨や地震履歴、融雪水の存在を どが、どのようを形で災害発生に影響を及ばしているかを詳細に調べた総合的を研究は立遅れているのが現状 であ る。

  一方、北海道に広く分布する火山性粗粒土は軽量で比較的排水性や安定性に優れていることから、これまで 盛土材や埋戻し材等の建設材料として有効利用されてきた。これら火山性粗粒土はその土粒子が多孔質である こと、および粒子が脆弱であること等の特性を有する場合が多いにも関らず、実務では、砂地盤に関する設計 法や施工方法がそのまま適用されることが多い。積雪寒冷地では上述のような厳しい気候条件下にあるため、

特異を性質を有する火山性粗粒土のカ学的を特性を適切に評価することは、融雪期に多発する斜面崩壊等の地 盤災 害を合 理的に 防ぐた めに極 めて 重要と をる。

  このようを背景から、本研究では積雪寒冷地で発生する斜面崩壊等の地盤災害発生メカニズムの解明や災害 予測するための知見を得るために、凍結融解履歴が顕著を破砕性を有する火山性粗粒土の微小ひずみレベルで の動的変形特性に及ばす影響を詳細に調べた。具体的には、北海道に分布する噴出源および粒子破砕特性が異 なる2種の 破砕 性火山 灰土を対象としたー連の変位制御式繰返し非排水三軸試験を実施した。試験では凍結融 解履歴の回数が異をる火山灰土供試体を人工的に作製し、その違いによる動的変形特性の変化を調べている。

  また凍結時の変位拘束条件が異をる供試体を作製し、凍結膨張に伴う間隙構造の変化に着目した試験も実施 して いる。 これら の試験 結果よ り、 破砕性 火山灰土の初期せん断剛性率Goを凍結融解履歴の回数を用いて推 定す る手法 が導出 されて いる。

  本研 究は全9章 で構成 され、 各章 の概要 は以下 のとお りであ る。

  第1章で は、関 連する 既往の研究をレビューし、本研究の位置付けを行った。以前から実施されている凍上 に関する研究、凍結融解履歴を受けたシルトや粘土のカ学挙動の変化に関する研究、凍結サンプリングが非破 砕性 の砂に 及ばす 影響に 関する 研究 につい て紹介 してい る。

  第2章で は、本 研究が 対象とした試料に関して述べている。北海道に分布する火山灰土の概説、および使用 した破砕性火山灰土である富川火山灰土、当幌火山灰土の概説や特徴を示し、本研究で使用した試料に関して 詳細 に述べ ている 。

  第3章で は、本 研究に おける凍結融解履歴に関する検討をし、また凍結融解履歴回数を定義している。本研 究では供試体を基本に考え、その供試体の内部まで完全に凍結した時を「凍結」とし、また供試体の内部まで 完全に融解した時を「融解」としている。以降本論文ではこの条件に従い凍結融解履歴回数を定義している。

  第4章で は、繰 返し非 排水三軸試験に用いる三軸供試体の作製に関して説明している。まず凍結融解履歴を 受け ていを い凍結0回 供試体、および所定の回数凍結融解履歴を受けた凍結供試体の作製手順を述べている。

凍結供試体には、人工的に凍結融解履歴を与えた凍結供試体と、実際に自然環境下で凍結融解履歴を受けた凍 結供試体がある。また凍結に伴う間隙構造変化に着目するために、周面変位拘束条件下と全面変位拘束条件下 で凍 結供試 体を作 製して いる。

    ー26―

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  5章 で は 、 本 研 究 で 使 用 した 変 位 制 御 式 繰 返し 三 軸 試 験 装 置 の説 明 、 お よ び 試 験 結果 の 整 理 方 法 に 関し て 述 べ て い る 。 また 本 研 究 で 用 い た 粒子 破 砕 指 標 で あ る細 粒 分 含 有 率 増 加量 に 関 す る 既 往 の 研究 の 説 明 を 行 っ て い る 。

  6章 で は 、 破 砕 性 火 山 灰 土 に 関 す る 試 験 結 果 を 示 して い る 。 使 用 し た2種 の 破砕 性 火 山 灰 土 は 凍結 融 解 履 歴 を 受 け る とGoが 低 下 す る こ と が 明 ら か に さ れた 。 ま た そ の 低 下は 非 可 逆 的 で 回 復 する こ と 憾 な い よ うで あ る 。 そ のGoの 低 下 の 主 を 原 因 は 、 凍 結 融 解 履 歴に よ り 粒 子 が 破 砕し 、 細 粒 分 含 有 率 が増 加 す る こ と 、 およ び 凍 結 融 解 履 歴 によ る 間 隙 構 造 の 変 化が 考 え ら れ る 。 凍結 融 解 履 歴 に 伴 う細 粒 分 含 有 率 の 増 加法 、 既 往 の 研 究 で そ の 粒 子 の 脆 弱 性 が 指 摘 さ れ て い る 当 幌 火 山 灰 土 の方 が 富 川 火 山 灰 土よ り 顕 著 で あ る こ とが 示 さ れ て い る 。   ま た 当 幌 火 山 灰 土 に 関 し て 、 既 往 の 研 究 で 示さ れ て い るGoの 推 定 式 を 基 に 、 凍結 融 解 履 歴 回 数 を考 慮 し た 新 た をGoの 推 定 式 を 提 案 し て い る 。

  7章 で は 、 破 砕 性 火 山 灰 土と の 比 較 の た め 、本 研 究 で の 応 カ レベ ル で は 破 砕 し な い豊 浦 砂 に 関 す る 試験 結 果 を 示 し て い る。 十 分 に 脱 水 し 、 含水 比 を 低 く し た 豊浦 砂 供 試 体 は 凍 結融 解 履 歴 を 受 け て も変 形 特 性 に 変 化 は 見 ら れ を か っ た 。 こ の こ と は 、 破 砕 性 火 山 灰 土 に 見ら れ た 凍 結 融 解 履歴 に よ るGoの 低下 は 、 主 に 粒 子 破砕 に よ っ て 導 か れ る こ と を 示 唆 し て い る 。

  8章 で は 、 本 研 究 と 同 様 の方 法 で 作 製 さ れ た供 試 体 を 用 い て 実施 さ れ た 、 応 力 制 御式 繰 返 し 三 軸 試 験機 に よ る 試 験 結 果 、お よ び 一 次 元 的 に 凍結 融 解 履 歴 を 与 え、 か つ 三 軸 圧 縮 試験 を 同 一 セ ル 内 で 実施 す る こ と が で き る 凍 結 融 解 履 歴型 三 軸 圧 縮 試 験 機 によ る 試 験 結 果 を 紹介 し て い る 。 試 験方 法 や 供 試 体 作 製 方法 は 異 を る が 、 凍 結 融 解 履 歴 を 受け る と 動 的 ・ 静 的 強度 は そ れ ぞ れ 低 下す る 結 果 が 得 ら れて い る 。 本 章 で は それ ら の 結 果 と 本 試 験 結 果 と の 関 係 を 示 し 、 考 察 を 加 え て い る 。

   9章 は 結 論 で あ る 。 併 せ て 、 各 章 で 得 ら れ た 知 見 を 総 括 し 今 後 の 展 望 と 課 題 を 述 ぺ て い る 。

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学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

破砕性火山灰土の微小変形せん断係数に及ぼす 凍結融解履歴の影響とその評価法

  積雪寒冷地域では、斜面崩壊等の地盤災害が融雪期にも数多くもたらされている。1このようを災 害の発生には地震による応力履歴や降雨履歴に加えて凍結融解履歴や融雪水の浸透をど寒冷地域特 有の 要因が 複雑に 絡み合 い、そ の崩壊 メカニ ズムを特 定する ことは 極めて困難を現状にある。

  積雪寒冷地である北海道には、新第三紀から第四紀にかけた激しい火山活動により、種々の火山 灰質土が生成されており、広域にかつ特異教構造で堆積した地盤にをっていることが確認されてい る。これら火山灰質土の中でも、特に火山性粗粒土は、軽量でかつ排水性や安定性に比較的優れて いるをどの理由から、これまで有効を建設材料として多用されてきた。しかし近年、これらの材料 土は、その粒子の脆弱性により顕著を破砕性を有し、一般の砂質土とは基本的に異誼るカ学性状を 示すことが先行研究より明らかとをってきた。積雪寒冷地では温度履歴誼どにおいて厳しい自然環 境下にあるため、特に火山性粗粒土の凍結融解履歴によるカ学的性質の変化を適切に評価すること は 、 融 雪 期 に 多 発 す る 地 盤 崩 壊 を 防 止 す る 上 で 極 め て 重 要 と 考 え ら れ る 。   このようを背景から、本研究では、まず凍結融解のよう橡複雑を温度変化履歴による破砕性火山 灰土の微小ひずみレベルでのカ学特性の変化について詳細に調べた。具体的には、噴出源および粒 子特 性が異趣る2種の破砕性火山灰土の供試体に任意の凍結融解履歴を与え、引続き一連の変位制 御式繰返し三軸試験を実施している。また、実際の自然条件下で見られる多様を凍結・融解条件を 想定した供試体を作製し、人工の凍結膨張条件と自然のそれとの違いによる構成粒子の間隙構造変 化の評価を目指した試験を実施している。これらの結果より、地盤の工学的安定性評価に活用でき ると 期待さ れてい る微小 変形パラメータ、特に微小変形せん断係数Goにもたらす凍結融解履歴の 影響を詳細に考察するとともに、その推定法を提案している。

  本 論 文 は 全9章か ら 構 成 され る が 、 研究 の 成 果 を章 毎 に 要 約す る と 以 下の よ う で ある 。   第1章では研究の位置付けを行い、本研究の背景と目的、および論文の概要が纏められている。

  第2章では 、本研究 が対象 とした 北海道 域にあ る火山灰土の分布特性や堆積状況を解説してい る。特に本研究で使用した富川火山灰土(支笏降下軽石)および当幌火山灰土(摩周降下軽石)に関 してその堆積環境や工学的特徴を明解に説明している。

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一 明

行 也

義 洋

浦 井

中 川

藤 田

授 授

授 授

   

   

教 教

教 准

査 査

査 査

主 副

副 副

(4)

  第3章では、北海道各地の 気象状況の特徴を示すとともに、地盤や基礎構造物にとっての凍結融 解履歴の意味またその工学的を評価法を検討し、凍結・融解の履歴回数の具体的を算出法を提示し てその妥当性を検証してい る。

  第4章では、室内試験で用 いる三軸供試体の作製法を紹介している。ここで凍結融解履歴を受け ていをい供試体およぴ所定 回数の凍結融解履歴を受けた 供試体の作製手順が系統的に示されてい る。凍結供試体としては、人工的に凍結融解履歴を与えたものと、実環境下で履歴を与えたものを 実験に用いている。なお、 両供試体が持つ凍結融解の理 工学条件の差が詳細に考察されている。

  第5章では、使用した変位 制御式繰返し三軸試験装置の特徴、および試験結果の整理方法につい て記述するとともに、本研 究で採用した粒子破砕指標で ある細粒分含有率増加量の工学的有用性 を、既往の研究結果と比較 しをがら、説明している。

  第6章では、破砕性火山灰 土について実施した繰返し 非排水三軸試験結果を示して いる。使用 した2種の火山灰土は、凍結 融解履歴を繰返し受けるとGoが確実に低下することが明 らかにされ た。その原因は、凍結融解 履歴による構成粒子の破砕と 間隙構造の変化にあることを指摘してい る。教お、凍結融解作用に伴う粒子破砕量が富川火山灰土より当幌火山灰土で顕著にをるのは構成 粒子の破砕特性によるものであることを定量的に説明している。これらの結果から、任意の凍結融 解履歴を有する火山灰土のGo推定式が誘導されている。

  第7章では、豊浦標準砂を 用いた一連の試験を実施し、破砕性火山灰土の結果との比較を行って いる。十分に脱水し、飽和度が破砕性火山灰土の値と近い豊浦砂供試体は、凍結融解履歴を受けて もその変形特性に相違はを いことを確認し、このことか ら火山灰土の凍結融解履歴によるGoの低 下 は 主 に 構 成 粒 子 の 破 砕 に 起 因 す る 配 列 構 造 の 変 化 に あ る と 推 察 し て い る 。   第8章では、温度履歴が大 ひずみレベルの動的・静的強度一変形特性に及ばす影響を調べた研究 結果から、凍結融解履歴に よりもたらされる火山灰土の 液状化特性や静的強度特性の劣化機構が Goのそれと極めて類似して いることを明らかにしている 。これらは、基本的に非破壊型の試験か ら得 られ るGoによ る任意の凍結 融解履歴地盤のカ学特性推定 に有用を手掛かりを与えて いる。

  第9章 は 結 論 で あ り 、 各 章 で 得 ら れ た 知 見 を 総 括し 、 今後 の展 望と 課 題を 述べ てい る。

  これを要するに、著者は、顕著を破砕性を有する火山性粗粒土の微小ひずみレベルの変形特性に 及ばす凍結融解履歴の影響を明確にするとともに、積雪寒冷地域における火山性粗粒土地盤のせん 断剛性率を評価する手法について新た誼知見を得ており、地盤工学の発展に寄与するところ大をる ものがある。よって著者は 北海道大学博士(工学)の学 位を授与される資格あるものと認める。

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