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18ヶ月児との相互交流場面における母親の内省機能に関する研究 [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)18 ヶ月児との相互交流場面における母親の内省機能に関する研究 key words:内省機能,母子相互作用,関わり行動,マイクロアナリシスインタヴュー 人間共生システム専攻 岡本 潤. 【問題と目的】 近年心理臨床実践の対象となりつつある母子間の関 係性だが(e.g., Stern,1995),関係性そのものを捉える 枠組みとして,アタッチメント理論は生涯発達の観点を. mind-mindedness(Meins,1997)など発達心理学の見地 から検討されているが,これらの知見を参考にすること で,内省機能の様相をより多面的に把握することができ ると考えられる。 これまで内省機能は内省機能マニュアル(Fonagy et al.,. 踏まえ先駆的な研究が展開されている。中でも注目され. 1998)を用いて測定されたものとストレンジ・シチュエ. ている概念の 1 つとして,Fonagy & Target(1997)によ. ーション法 SSP によって測定されたアタッチメントの関. って提唱された mentalization が挙げられる。Mentalization. 連が検討されている(e.g., Fonagy, Steele, Steele, Higgitt, &. とは,「人との間で生じる行動を“心の状態”という観点. Target,1994) 。しかし,実際の母子相互作用場面におけ. から理解,解釈,説明する能力」を指し,自己の組織化. る内省機能を検討した研究は,本邦においてはほとんど. や情動制御の決定因になるとしている(Fonagy, George,. 見られない。 そのため, 有用な概念であるにも関わらず,. Jurist, & Target,2002) 。Mentalization は,アタッチメント. 母子の関係性を捉える上では理論的所産の範疇を出てい. 理論に加えて心の理論研究や脳神経科学の観点からも検. ない。よって,実際の相互作用場面から内省機能の様相. 討がなされており,その概念としての有用性は実証され. を把握することには意義があると思われる。なお内省機. つつある。また,臨床実践においても意義ある概念とさ. 能を把握するにあたって,具体的にどういう行動を内省. れ,境界性パーソナリティ障害の治療に貢献することが. するのかを踏まえておく必要があるだろう。特に,母親. 報告されている(e.g., Bateman & Fonagy,2004) 。. の子どもへの関わり方は,内省の在り方に大きく影響し. Mentalization の具体的な現れは内省機能とされるが,. ているものと思われる。そこで,内省機能の検討に先立. 近年実証的検討がなされつつある。内省機能とは,自己. ち,母子相互交流場面における母親の関わり行動にも注. の心的状態や他者の心的状態から,自分や他者の行動の. 目する。. 意味を認知し理解する機能(Fonagy,1991)のことであ. ところで,Lewis, Sullivan, Stranger, & Barone (1991)は,. り,次の 5 つの点で意義がある。すなわち,①行動の予. 自己や他者またはその関係性に目をむけることができる. 測を高める,②安定したアタッチメントを維持,促進す. ようになる生後 1 年目後半になると,経験される情動の. る,③現実と非現実との区別をつける,④コミュニケー. 様相が異なるとしている。一方,3 歳以降,自我機能の. ションを促進する,⑤自己と環境との有意義な結びつき. 成長によって,幼児は母親からの分離に耐えられるよう. を強める点である(Fonagy, et al.,1998) 。. になり,母親以外の他者との関わりが増加する(青木,. 発達の早期段階における重要な環境として母親が挙. 1999) 。よって,より純粋な母子情緒交流を抽出するため. げられるが,母親の内省機能は乳幼児の自己の組織化に. には, この 15 ヶ月から 3 歳の移行期にあたる乳幼児を対. も影響を与えると言われており,母親の役割として,母. 象とすることが適切であると考えられる。. 親が子どもの心的経験を内省し,子どもが理解できる行. 以上を踏まえ,本研究では 18 ヶ月前後の乳幼児とそ. 動の言語に翻訳して,これを再提示できる能力が求めら. の母親のユニットを対象として設定し,母子相互交流場. れる(Fonagy,1991) 。この能力は,母親によって個人差. 面における母親の関わり行動を踏まえ,内省機能の様相. があると仮定できる。たとえば,乳児の泣きといった生. を検討することを目的とする。. 理的状態の指標に対して,親はあたかも乳児がその状態. 【研究 1:母親の関わり行動の分析】. について,何かしたいという「意図」のサインとして, あるいは,何とかしてほしいという「要求」のサインで. 目的. 内省機能の検討に先立ち,母子の相互交流場面に. あるかのように解釈する(Kaye,1982)。このような母. おける母親の関わり行動を始発的関わりと応答的関わり. 親による乳幼児の心的状態の解釈に関して,近年では. とに分類し,関わり行動の傾向を探る。.

(2) 方法 研究協力者 1 歳 6 ヶ月健診で協力者を募集し研究の協 力の同意が得られた, 西日本在住の母親と 18 ヶ月児のユ ニット 9 組を対象とした。母親の平均年齢は 32.6 歳(レ ンジ 24- 41)であった。子どもに関して女児 6 名・男児 3 名,第 1 子が 3 名,第 2・3 子が 6 名であった。 調査時期 2007 年 10 月∼12 月 手続き 同意書への記入後約 30 分ウォームアップを実 施。その後,約 10 分間母子の自由な交流場面のビデオ録 画を行った。 分析単位 篠原・遠藤(2003)らを参考に,自由な交流 場面における母親の子どもへの関わり行動を,始発的関. Fi g ure 1 始発的関わり,応答的関わりごとのカウント数. わりと応答的関わりに分類した(Table 1) 。. 始発的関わりのカウント数は 185,応答的関わりのカ. T a bl e 1 母親の関わり行動の評定基準. ウント数は 251 と応答的関わりの方が多く観察された。. 母親の関わりカテゴリー. この結果は,本研究と同様に,母親の関わり行動を始発. 始発的関わり. 的関わりと応答的関わりという視点から分析を行った毛. 定義:母親の行動,表情,発声が先行し,以下のような意味で行われる関わり方. 利・大野(2002)の研究結果と一致するものであった。. ① 子どもの注意を喚起する e.g., 母親や環境の中の事物,行動に注意を向けさせる ② 子どもの注意の方向を転換する e.g., 母親の持っている玩具に注意の対象を転換させる ③ 新たなやり取り,遊びへの誘いかけ e.g., 母親が持っている玩具を使った新たな遊び,玩具の操作への誘い 【観察項目】 A 言語,音声:話しかけ,名前を呼ぶ,声かけ(ほら,こっち見て,等) B 非言語:指差し等の動作,笑いかけ,うなずき,等で刺激する C 物(玩具等) :玩具など物を呈示する,など. その考察においては,子どもとの遊びの中で,母親たち が子どもの関心の対象や行動にしっかり注意を向け,子 どもの注意や関心に沿った関わりをかなり高い割合で行 っていることを表すと述べられている。また,遊び場面 という設定が,母親主導というよりも子どもの自発性を 重視した関わりが相対的に行われるようになった要因と. 応答的関わり. して想定される。このように応答的関わりが行われた背. 定義:子どもの行動,表情,発声が先行し,以下のような意味で行われる関わり方. 景にある母親の意図や理解に関しては,内省機能の考察. ① 子どもの行動や発声への返答 e.g., 子どもからの何らかの働きかけや行為,発声に対し,母親が応答する ② 子どもの行動や発声の内省 e.g., 子どもからの何らかの働きかけや行為,発声に対し,その内容を内省して言語化な いしは行動で示す 【観察項目】 A 言語,音声:話しかけ,音声による返事,反応(うん,はい,あら,これ?等) B 非言語:動作,微笑,表情等により応答する C 物(玩具等) :子どもが玩具などを要求していると思われる行動をしていて,玩具や物を 渡す,呈示する,示す,あるいは子どもから玩具を受け取る,等 D 模倣:子どもの動作や音声をそのまま真似ることで応答する. で詳述することとする。 また,始発的関わり,応答的関わりそれぞれに関して, それらが行われる形態に着目した分析を行ったところ, 次の結果が示された。すなわち,始発的関わりにおいて は,物(玩具)を子どもに呈示する形態が最も多く観察 された。このことには,まだ言語面での理解が不十分な 子どもに対して,物によってコミュニケーションを持ち. 分析方法 5 分間を分析対象とするタイムサンプリング. かけることが最も分かりやすい方法の 1 つであり,最も. 法により分析を行った。その際,分析単位について 10. モチベーションを引き出しやすいという理由が想定され. 秒を 1 フレームとする排反的コード化を実施し,行動カ. る。一方で,応答的関わりにおいては言語や音声,非言. テゴリーごとにチェック回数を合算して得点化した。. 語による形態が相対的に多かった。このことには,コミ. 信頼性検討 大学院生 1 名と筆者により全体の約 20%を. ュニケーションを受けた自分の情動を子どもに伝えるの. 独立に分類,得点化した。Cohen の  係数を算出したと. には,より直接的に伝わる形態が用いられていると考え. ころ =.79 の一致率が認められた。そのため,以降の分. られる。. 析は筆者 1 名で行った。. 2. 母親ごとの関わり行動の個人差. 結果と考察 1. 母親の関わり行動の全体的傾向 母親の関わり行動を,始発的関わり,応答的関わりごと に評定し,Figure 1 に示した。. 各々の母親ごとの関わり行動の特徴を Figure 2 に示し た。.

(3) ンタヴュー内容はすべて録音された。 manipulation check 心理学を専攻する大学院生 1 名 に適切な場面選定を行ったかに関して-2 から+2 の 5 件法 で評定を依頼した。その結果,取り上げるのに相応しく ないと判断された 3 場面は,分析対象から除外された。 分析方法 ii)母親の気持ち,意図はどのようなもので あったのか,および iii)母親の反応を子どもはどのよう に感じていると思うかに関して, 前者を母親自身の内省, 後者を子どもの気持ちの内省とし,それぞれを分析の対 象とした。総反応数は 110 であった。各項目に関して, 1967) 心理学専攻の大学院生 2 名と筆者で KJ 法 (川喜多, を実施し,カテゴリーにまとめた。 結果と考察 Fi g ure 2 各母親の関わり行動の特徴. 2 名の母親においては始発的かかわりが応答的関わり を上回っていた。うち母親 C に関しては,関わり行動自. 1. 母親自身の内省 母親自身の内省は,7 のカテゴリーと 17 のサブカテゴ リーに集約された(Table 2) 。. 体が他の母親と比較して極端に少なく,特に応答的関わ. T a bl e 2 母親自身の内省カテゴリーと反応例. りは 2 単位のみであった。自由遊びの最中にも,何をす. カテゴリー. ればいいのか観察者に尋ねてくることがあったが,これ. 子ども主体の応答. らの背景の 1 つとして多分に緊張していた,という要因. 支持的態度. が想定される。一方,全体の傾向のように応答的関わり. 援助. の方が上回っていた母親に関しても,その形態は様々で あり,この要因を探る上で内省を探ることが重要になっ. 指示的関わり. 反応数(%) サブカテゴリー 16 子どもの気持ちの言語化 28.57% 協調行動 4 見守り 7.14% 次の遊びにつなぐ 6 手助け 10.71% モデル呈示 6 他のことをさせよう 10.71% 子どもにさせてみよう 12 しつけ. てくるものと思われる。. 21.43% 注意. 【研究 2:母親の内省機能の検討】 目的. 教育. 母親自身の規範意識 言葉を覚えてほしい. 母親の応答的関わりに着目し,そのインタヴュー. 内容を通して内省機能の探索的検討を行う。 方法. 6 ポジティヴな感情 母親自身の感情. 研究協力者 研究 1 と同様の母親 9 名であった。 手続き Stern et al.(1985) ,青木・馬場・出藏・古川(1999) が行った,マイクロアナリシスインタヴューという半構 造化面接法をもとに, 観察場面に関する面接を実施した。 場面の選定 自由な交流場面のうち,母親が応答的関わ りを行っている場面を実験者が任意に選定した。選定に あたっては,幅広いインタヴュー内容を得ることを目的 に,重複する行動に関しては 1 場面のみを抽出した。 インタヴュー内容 青木ら(1999)に準じて,母親に観 察直後に選定された場面を見てもらい,i)子どもの気持 ち,意図をどのように捉えているか,ii)母親の気持ち, 意図はどのようなものであったか:母親自身の内省,iii) 母親の反応を子どもはどのように感じていると思うか: 子どもの気持ちの内省,iv)この場面や面接者とのやり 取りを通して思い浮かんだことは何か,v)普段もこのよ うなやり取りはあるのかをインタヴューした。なお,イ. 明確な意図なし. 10.71% ネガティヴな感情 6 単純な応答 10.71% 復唱 無意識. 例 反応数 % 私が一個持ってたんでママといっしょだね 9 16.07% 同じことをしたら相手が喜ぶかなと思って 7 12.50% 見てるよ。やってみてということで応えた 2 3.57% 次の遊びにつながるかなと思って 2 3.57% 箱の深さがあって取りたいものがとれないのかな 3 5.36% と思って こんな風に遊べるよみたいな感じ 3 5.36% 新しい遊びをさせたくて反応を見てみた 4 7.14% 家でも歌わせていることが頭に浮かんで,歌うか 2 3.57% なと思って おもちゃではあるけど,痛みに分かる子に育って 4 7.14% ほしいという気持ちで Dr.に歯の形のことで注意されたので止めさせよう 3 5.36% と思って つなげてあげなくてはいけないと思った 3 5.36% 言葉を少しでも覚えたらいいかなと思って。子ど もが何かしたときにはしゃべりかけるようにして 2 3.57% いる まさかあんな具合にうまく回るとは思わなかっ 3 5.36% た。母親自身も面白かった びっくりしたしどうしましょう。やっちゃったま 3 5.36% た,みたいな (返事を)返してあげようと思って 3 5.36% だいたい子どもが言ったことに対して復唱するよ 2 3.57% うにしている 特には考えてなかった 1 1.79%. カテゴリーを構成するにあたって, 「明確な意図な し」を除き,上に配置されるに従って,母親が自分自身 よりも子どもの内的状態や行動の意図に沿った理解や意 味づけを,下に配置されるに従って母親自身の動機や理 由づけを重視した配列にした。 各カテゴリーを概観すると, 「子ども主体の応答」が 最も多く,28.57%を占めた。これは,青木ら(1999)が 母子相互作用場面における調律行動時の母親の主観的体 験を分析した所見と一致した。一方,子どもの自発性に 任せようという意図を示す「支持的態度」は 4%と最も 少なかった。また,母親が積極的に介入し,子どもの遊 びを促進したり展開させようという意図を示す「援助」 , および「指示的関わり」はともに 10.71%を占めた。さら.

(4) に,遊び場面に限定されず,幅広く子どもの成長促進の 意図を示す「教育」は 21.43%と 2 番目に多く見られた。. 【総合考察および今後の課題】. このサブカテゴリーの中には, 「言葉を覚えさせたい」 と. 本研究では,母親の関わり行動を踏まえ,内省機能を. いう内省が含まれていたが,18 か月という年齢は言語獲. 分析,考察することでその様相を検討してきたが,行動. 得の只中にあり(小林,1995) ,遊びにおいても言語獲得. レベルでは同じような応答であったとしても,その背景. を促進しようとする傾向がみられた。このように,18 か. には様々な内省がなされていることが分かった。. 月という発達的特徴が影響しているものもいくつか存在. 一方で, 課題も多く残されているが, その 1 つとして,. した。また,自身に基づく「母親自身の感情」は 10.71%. 母親の内省機能を測定する方法として採用したマイクロ. を占めた。最後に,応答の意図が語られなかった「明確. アナリシスインタヴューが挙げられる。これは,観察直. な意図なし」も 10.71%を占めた。. 後に実施されるため,母親の内省のダイナミックな側面. 2. 子どもの気持ちの内省. を捉えることができる点が長所とされる。今回も,実験. 子どもの気持ちの内省は,4 つのカテゴリーと 12 のサ ブカテゴリーに集約された(Table 3) 。. た。例えば,子どもが投げたボールが箱の中に入って, 母親の顔をにっこりしながら見ると,母親が「上手ね」. T a bl e 3 子どもの気持ちの内省カテゴリーと反応例 カテゴリー. ポジティヴ反応. 思考・認識. 反応数 サブカテゴリー (%) 23 喜び 42.59% 共感 被受容感 安心感 欲求の充足 13 理解. 無関心. 気持ちがいいと思っているんじゃないかな 一緒に遊んでくれてうれしい 自分の言葉が理解された 安心していると思う よかった。してくれるんだ こんな風にするんだ. 24.07% 母親の反応を窺う ママ喜んでくれた。いいことをしたんだ 反省. 行動で反応. 例. やっぱりだめか。してはいけないのか こういうこともするんだな,こっちもしてみよう 11 母親の応答の実行 かなって思っている 20.37% 反発 注意されたのが気に食わなかった 7 遊びに集中 反応なかったからそれだけ集中しているかも 意外とあっさりとした性格なので,特には思って 12.96% 状況に焦点 ないかも。あ,取れたぐらい. 者が想定していたものとは異なる回答を得ることができ. 反応数. %. 7 6 5 3 2 8. 12.96% 11.11% 9.26% 5.56% 3.70% 14.81%. と言う場面があったが,このときの「上手ね」と言った 母親自身の内省としては「狙っていなかったとしてもボ ールが的の中に入ったので言った」と認知的側面が語ら れた。このとき実験者は,情緒応答性(Emde,1984)の 観点から情緒面を強調しての発言だと想定していた。こ. 3. 5.56%. のようなズレが生じる背景にはどういった要因が関連し. 2. 3.70%. 7. 12.96%. ているのかの検討も求められるが,母親独自の語りの特. 4 4. 7.41% 7.41%. 3. 5.56%. 徴が見られたのもマイクロアナリシスインタヴューの長 所であると言える。その一方で,実験者が任意に場面を 選定するため,妥当性に欠けるといった短所もあるよう. 各カテゴリーを概観すると,母親の応答を肯定的に受. に思われる。選定基準に関して,先行研究においても,. け取ったと捉える「ポジティヴ反応」が最も多く,42.59%. 観察単位の中で重複するような関わりが見られた場合に. を占めた。この点に関して,母親自身の内省においても. は,いずれか 1 つのみをインタヴュー対象とするなど,. 「子ども主体の応答」の割合が最も高かったが,それを. 統制しきれていない側面があった。よって,妥当性の再. 子どもが肯定的に受けとめてくれていると感じる母親が. 検討も含め新たな測定方法の開発が求められるだろう。. 多いことを示唆するものと考えられる。これは,α機能. 親- 乳幼児心理療法(Stern,1995)においては,母親. (Bion,1962)の観点から説明することもできるだろう。. 自身の表象が治療対象とされており,その点で今回得ら. 次いで,認知的側面を強調した「思考・認識」が 24.07%. れた知見は臨床的にも活用できる可能性があると思われ. であった。このサブカテゴリーである「母親の反応を窺. る。また,同様に世代間伝達も重要な概念であるため,. う」 は, 子ども側の発達的特徴が表れていると思われる。. 今後は乳幼児の表象も視野に入れ,乳幼児側の内省機能. 具体的には,善悪の判断の確認として機能しているエピ. の検討,さらにはアタッチメントなどの概念との関連の. ソードから考察すると,Emde ら(1985)によって提唱. 検討が課題とされる。そして,臨床乳児研究からも検討. された社会的参照が影響していることが想定される。こ. を加えることで, より多面的に概念を把握していきたい。. れは,不確実さを解消するために重要な他者の情緒の表 現によって状況を探ることを指すが,善悪の判断が内在. 【文献】. 化されていない子どもにとって重要な機能であると言え. 青木紀久代・馬場禮子・出藏みどり・古川真弓 (1999).. る。また,内省のプロセスは協調されず母親の応答を直. 調律行動場面における母親の主観的体験 心理臨床. ちに行動に移す「行動で反応」が 20.37%を占めた。最後. 学研究,16,521-527.. に,母親の応答には関心を示さないとする「無関心」が 12.96%を占めた。. Fonagy, P., & Target, M. (1997). Attachment and reflective function: Their role in self-organization. Development and Psychopathology , 9 , 679-700..

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Figure 2 各母親の関わり行動の特徴 2 名の母親においては始発的かかわりが応答的関わり を上回っていた。うち母親 C に関しては,関わり行動自 体が他の母親と比較して極端に少なく,特に応答的関わ りは 2 単位のみであった。自由遊びの最中にも,何をす ればいいのか観察者に尋ねてくることがあったが,これ らの背景の 1 つとして多分に緊張していた,という要因 が想定される。一方,全体の傾向のように応答的関わり の方が上回っていた母親に関しても,その形態は様々で あり,この要因を探る上で内省を探ることが

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