• 検索結果がありません。

職業体験的学習を軸とした職業教育の接続関係~X大学卒業生等へのインタビュー調査より~ [ PDF

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "職業体験的学習を軸とした職業教育の接続関係~X大学卒業生等へのインタビュー調査より~ [ PDF"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1) 職業体験的学習を軸とした職業教育の接続関係 〜X大学卒業生等へのインタビュー調査より〜 キーワード:マージナル大学、職業体験的学習、高校普通科/専門学科、キャリアパス 教育システム専攻 山口 聖孝 構成 . が生じており、伝統的大学・大学生像を「中心」とする. 第1章 研究の目的 . ならその「周辺」に生じた変化を捉える概念として「マ. 第2章 中学・高校の職業体験的学習と大学への接続 . ージナル大学」と命名した。我が国大学の大衆化は、 「非. 第3章 X大学卒業生のキャリアパス . 選抜型」ノンエリート層を大量吸収し進んだ事実が重要. 第4章 研究の成果と課題 . とし、ノンエリート大学生の実態の本質は「学力低下」. 第 1 章 研究の目的 . や「ゆとり教育」の弊害などではなく、同一年齢集団の. 本稿の目的は大学を卒業し就業経験を持った者が、大. 半分を高等教育が吸収することが必然的に従来なかった. 学インターンシップ(以下”IS”とする)から高校 IS、. 多様性を生じさせたとしている。滝川(2004)は精神発. 中学の職場体験と遡り職業人の視点からその職業体験的. 達とは、①認識(理解)の発達と②関係(社会性)の発. 学習(以下“体験的学習”とする)暦を振り返り現在まで. 達の両者のベクトル方向に進んでいき精神発達の分布は. のキャリア形成にどう影響したかを在籍した高校の種類. 両者の平均ラインの交点を中心に高い密度で集中するが. (普通・専門)を考慮しつつ検討する。併せて中・高の. 必ず周縁部にも分布するとしている。上記滝川(2004). キャリア教育の実践状況を明らかにすることである。本. の説明は居神(2010)が「マージナル大学」のノンエリ. 稿では職業への移行が困難な時代であることに鑑み、就. ート大学生の実態の本質を正確に捉えるために引用して. 業することが特に容易でないと考えられる学生層にフォ. おりこの分布図を考えれば①②の平均以上の学生を選抜. ーカスしている。. してきたのが伝統的大学であり、選抜性の低いマージナ. 1-1 研究の背景〜職業への移行の困難 我国の教育から. ル大学では平均以下の分布域からも学生を集めるとして. 職業への移行は 1990 年代後半以降加速度的に困難化す. いる。筆者もこれが「多様性の問題」であり、ノンエリ. る。その背景は主に 1)「労働需要側の要因」2)「労働供. ート大学生の職業への移行は相当深刻であると考えてい. 給側の要因」が挙げられる。1)に関して、池永(2009). る。本稿で X 大学をとりあげる理由は、まさに選抜性が. は 1980 年から 2005 年にかけ非定型分析:知識集約型職. 低く、特に下位普通科出身者が多数を占め、彼等は専門. 業(研究者、技術者)が大きく伸び、非定型手仕事:労働. 学科のような職業教育を受けず、高卒就職しようにも採. 集約型職業(介護、サービス)も増加、定型手仕事(製. 用もされず、単に就職先送りで選抜制の低い大学に入学. 造)は減少としている。上記池永(2009)の分析は 1-2. してきた。実際下位普通科出身者は「無業者等」の出現. で言及する居神(2010)が「マージナル大学」学生の問. 傾向が高い(吉本 2006) 。総体としてまっとうなキャリ. 題性を顕在化させる大きな要因となったという趣旨で引. アパスを進む学生は多くない。本稿ではそのような大学. 用している。筆者もこのような労働市場においては、本. の卒業生、特に大学 IS(一部資格取得の為の実習)を体. 稿で対象とする学生層は労働力としてはかろうじて上記. 験した者に絞り、彼らの職業体験的学習暦の接続関係に. 非定型手仕事には吸収され得るも非定型分析の労働市場. 着目し現在のキャリアとあわせて検討する。 . に参入できる可能性は大きくないと考える。 . 1−3 仮説の設定 「マージナル大学」卒業者の中高大の. 1-2 研究の対象 本稿では「多様な学生」を多く抱える . 体験的学習の接続関係(以下「接続」 )は就業にどう影響. と言われ、私立大の約4割を占める学生数 1,000 名未満. しているか。仮説:マージナル大学卒業者は、その中学・. の地方小規模大学の中で典型的な「マージナル大学」で. 高校・大学の体験的学習が「一貫して」もしくは「探索. あるW県所在 X 大学の卒業生・在学生と同県内中学・高. 的に」接続され、かつ職業適性検査結果で高得点であり. 校教員等を対象とした。居神(2010)は「非選抜型大学」. 当該職種に適性があれば就業に好影響が現れる。 . において、伝統的大学・大学生像では把握しえない変化. 1−4 研究の方法 ①中・高の体験的学習現況の既存調査 1.

(2) レビュー②筆者によるW県内中・高教員等及びX大卒業. タにW県内中学・高校教員・X大学在校生インタビュー. 生・在学生へのインタビュー結果を使用し①との関連や. データを対照させ、W県の職業教育の現状を検討する。. X大卒業生の中・高から大学への体験的学習の接続と卒. 2-1 高校普通科で軽視される職業教育 福岡(2004). 業後のキャリアパスを検討する③最後にX大学卒業生の. は我が国の高校専門学科と高校普通科の職業能力形成の. 「厚生労働省編一般職業適性検査」 (以下 GATB とする). 比較検討から高校普通科における「職業体験的学習」軽. データを加味して仮説と対照し入職後の好影響を既定す. 視の問題を明らかにし、吉本(2012)は低進学率の普通. る要因を検討する。インタビュー 実施:2013 年 2〜7. 科出身者の無業者出現リスクの高さを明らかにしている。. 月。単独インタビューは1名 30〜90 分、グループは約. 2-2 中学・高校における職業教育の現状 . 80 分で行い、録音を基に筆者が逐語記録を作成。インタ. 「実態調査」の調査結果概要と筆者インタビュー結果の. ビュー対象群は以下表 1〜表 4 に示す。. 対照は以下 2-3 の通り。. 表 1 W 県の公立中学校教員等 4 名. 2-3 インタビュー調査より . 教員等 a b c d. 担当教科 音楽 国語 理科 社会. 入職後年数 31 年目 30 年目 23 年目 26 年目. 勤務校(機関)数 9 9(現在W県某市教委勤務) 6 9(現在W県教育庁勤務). 2-3-1.中学校教員等・高校教員「実態調査」に沿って 実態調査1:計画的キャリア教育と実践 中学校ではま ずキャリア教育という呼称は普及していないが、全体計. 表2 W 県の公立高校教員 4 名. 画・年間指導計画実践は確かになされている。実態調査 教 員 e f g h. 担当 機械 数学 世史 日史. 入職後年 数 22 年目 23 年目 30 年目 33 年目. 初任校. 2校目. 3校目. 4校目. 5校目. 6校目. 工 A 下普 中普 上普. 工 B 中普 中普 中普. 工 C 農業 中普 下普. 下普 商業 下普. 中普 上普 上普. 中普 下普. 2:キャリア教育専属担当者の配置状況 中学ではやは り兼任が普通。通常は進路指導主事の 1 名。高校も進路 指導主事がほぼ全て配置されるも、普通科では特に進学. 表3 X 大学卒業生で大学 IS 等の体験者 卒業後 3~8 年目 卒 業 生. A B C D E F G H I J K L M N O. 卒業後 年数. 8 年目 3 年目 4 年目 正規)療養介助職 8 年目 5 年目 3 年目 3 年目 3 年目 4 年目 5 年目 5 年目 3 年目 7 年目 4 年目 7 年目. 卒業後の職業 正規)福祉ソーシャルワーカー 正規)結婚式プランナー 正規)菓子卸営業⇒結婚退社 正規)療養介護職 正規)障害者支援員⇒非正規)教員 正規)ゴルフ場芝管理 正規)農業関係企業販売 公務員予備校⇒正規)出身市職員 正規)医院事務⇒正規)建設業事務 正規)教育業営業⇒正規)宴会場事務. 正規)設備会社営業職⇒警察官 正規)医療ソーシャルワーカー 正規)介護職⇒非正規)介護兼相談職 非正規)町職員⇒正規)町職員 非正規)鉄道会社職員. 高 校 科. 大学 IS/実 習. 高 校 IS/ 実 習. 中 職 場 体 験. 商業 商業 商業 総合 総合 普通 普通 普通 普通 普通 普通 普通 普通 普通 普通. 実習 IS IS/実 IS/実 IS/実 IS IS IS IS/実 IS IS IS/実 IS IS IS. ○ ○ ○ ○ × × × × × × × × × × ×. ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × × ○ × ○ ○. 指導もしくは就職指導というのが実態。実態調査3:キ ャリア教育に関する校内研修への参加状況 参加は半々 であるのかという印象。W県教育庁職員である中学教員 D は研修の「捉え方」が違うとし、W県では5割といわ ずもっと参加しているはずとの見解。実態調査4:職業 体験活動実施状況 中学ではほとんどの学校で実施との 報告は実態と合致する。高校普通科での職場体験の実施 「0日」 、 キャリア教育の不在に符号する発言はあちこち で聞かれた。 しかし最近高校 IS が一部の下位普通科で実 施されるようになってきた。実態調査5:中学生保護者 のキャリア教育への期待 都市部は大学進学が前提で保. 表4 X 大学在学生グループインタビュー6 名。 在学生 P Q R S T U. 学年 3年生 3年生 1 年生 2 年生 1 年生 2 年生. 出身高校科 商業 普通 普通 普通 普通 普通. 護者と対話するが、郡部では高校進学前提。下位普通科 に進学せざるを得ない場合がある一方、普通科一辺倒の 進学で就職は大丈夫なのかという意識は教員のみならず. X大学卒業生 15 名の GATB データを採用した理由はX大. 保護者からも聞かれる。実態調査6:高校生の就職後の. 学生の多くは「非学力考査」で入学し直接学力判定する. リスク対応指導へのニーズ これについては筆者が積極. 材料が乏しいこと、本来機能である適職判定を加味する. 的に聴取しなかったため証言を得ることはできなかった。. ため。上坂・佐藤(1986) により GATB の知的、言語、. 実態調査7:中学校でキャリア教育が学習意欲を向上さ. 数理、書記的知覚の 4 能力が WAIS 知能検査の知識、算. せる可能性 キャリア教育の意義の捉え方であるが都市. 数、数唱と相関することが示されている。 . 部で学習動機、郡部で職業教育そのものとの相違がうか. 第2章 中学・高校の職業体験的学習と大学への接続 . がえた。実態調査8:高校でみられる組織体制や体験活. まず福岡(2004) 、吉本(2010)の先行研究により、. 動の実施状況の格差 商業高校においては商業科目とし. 我が国高校教育における「普通科偏重」 「専門学科軽視」. ての商業実践に加えての IS があり、 商業以外のメニュー. の傾向とその問題を見たうえで「キャリア教育・進路指. も多い。それに対し中上位普通科の取組みは、概して進. 導に関する総合的実体調査」第一次報告書(国立教育政. 学に向かうものであり大学教員の出前授業や修学旅行で. 策研究所 2013 年 3 月以下「実態調査」とする)のデー. 中央の理系大学訪問等であった。 2-3-2 中学校教員等・高校教員インタビュー 2.

(3) 1.幼少期に大人から受ける職業的影響 本稿第 3 章で. 名、商業3名、総合2名。それらの中に他大学中退者も. 採り上げるX大学卒業生へのインタビューでは幼少期に. 含む。第 3 章 3-1 では当該卒業生の中学・高校・大学(X. 見知った親など周りの大人の働く姿からの職業探索的影. 大学). 響が散見。中学教員からも親が保育士・看護師の場合そ. での体. X. の子が同じ職業を志向するという話を聞くことができた。 験的学 しかし、現実には親の仕事を見る機会のある子どもはご. 習の接. く少数。学校や地域がそれを補うような取組みもあるが. 続と卒. 職種は限定的。 2. 高校普通科の進学指導偏重の実態 大. 業後の. 学選択は就業との関連で指導されていない。将来と接続. 就業へ. しない可能性に生徒本人が気づきようがない、あるいは. の移行. 気づいていても強引に指導されてしまう状況もある。 . を右の. 2-3-3 X大学在学生グループインタビュー . A #. # 8. #. X. #. #. #. # # #. #. #. #. 連関図. GATB465( )# ( ). 1.高校普通科の進学偏重主義 下位私立普通科でも熾烈 (卒業 な進学実績競争のなか無理に推薦入試で、分野を問わず入 生 A の例)にて見たのち、評価〜仮説対照を 3-2 以降で れる国公立の学部を目指すよう指導されたり、公立中位普 おこなう。 (表 5 参照) 通科でも教員の進学指導に翻弄され、受験校を自分で決め 3-2 それぞれの「接続」の評価 <仮説>マージナル大 させてもらえなかったという証言もあった。2.職業教育 学卒業者は、その中学・高校・大学の職業体験的学習が ありきの商業高校の大学進学指導 一方商業高校出身の. 「一貫して」もしくは「探索的に」接続され、かつ学力. 在校生からは、高校への求人が減る中、進学者は 2/3 に達. が高く、 就業職種に適性があれば就業に好影響が現れる。. し、商業科目で商業実践力をつけたうえ、手厚い進学指導. ここでいう学力が高いとは GATB の 4 能力得点が高いこと. がなされている。生徒も大学の後を考えて大学を選ぶ。 第2章のまとめ . をいう。GATB の標準得点は平均が 100 で標準偏差が 20. 1.キャリア教育の今後の中身の充実を W県中学校で. であり、4 能力の合計平均 400 となる。上記仮説に従い. は学校によりキャリア教育の捉え方に差があること、中. それぞれのキャリアパスを検討し各体験的学習が「一貫. 学校では職場体験がほぼ普及しているものの、 「職場体験. して」もしくは「探索的に」接続され、かつ GATB 得点と. 学習≒キャリア教育」と捉えられている部分もある。全. 直近職種への適性(適/不適)をみる。(判断事由は次の. ての教科を職業社会と関連づけて指導するという考え方. 3-3 で解説) . については、実践はこれからのようである。2.大学進学. 3-3 6つの類型 . 率上昇のなかでの高校進学指導の違い〜普通科と専門学. 表 5 6つの類型(表中ア〜カ) . 科 高校普通科においては下位公立の一部で IS の広がり. 類 型. がみられる、 上中位普通科では進んでおらず IS はほぼな. 卒 業 生. 職業 正規/非正規. 高 校 科. 体験 的学 習数. 探索. GATB 適性. GATB 得点. 一貫. い。専門学科で実践されるような(本稿では商業、工業). A. 正)福祉施設ソーシャルワーカー. 商. 7. 一貫. 適. 465. B. 正)結婚式プランナー. 商. 8. 探索. 適. 533. 教育の職業的意義は排除され受験指導に主眼が置かれる. C. 正)菓子卸営業⇒結婚退社. 商. 8. 一貫探索. 不適. 348. D. 正)療養介助職. 総. 6. 一貫. 適. 315. F. 正)ゴルフ場芝管理. 普. 2. 弱探索. 適. 360. G. 正)農業関係企業販売. 普. 3. 探索. 適. 366. L. 正)医療ソーシャルワーカー. 普. 10. 一貫探策. 不適. 370. H. 公務員予備校⇒正)出身市職員. 普. 2. 接続なし. 適. 554. I. 正)医院事務⇒正)建設資材業事務. 普. 6. 探索. 適. 454. J. 正)教育営業⇒正)宴会場事務. 普. 6. 探索. 適. 415. K. 正)設備会社営業⇒正)警察官. 普. 3. 探索. 適. 401. E. 正)障害者支援員⇒非正)教員. 総. 5. 一貫探索. 不適. 353. M. 正)介護職⇒非正)同業他社相談職. 普. 5. 一貫. 不適. 324. オ. N. 非正)町職員⇒正)町職員. 普. 5. 探索. 適. 456. 学の職場体験で得られたかもしれない職業への興味関心. カ. O. 非正)鉄道会社職員. 普. 6. 弱探索. 不適. 288. も高校生の7割以上を占める高校普通科を通過するうち. 上記表 5 は対象 15 名の卒業後の職業(正規/非正規)高. に接続が細っている可能性がある。 . 校種、体験的学習数、接続のタイプ(一貫的か探索的か). 第3章 X大学卒業生のキャリアパス . および GATB 結果の一覧である。次は就業に好影響が現. 3-1 それぞれのキャリアパス 検討対象とするのは X 大. れているかどうかを検討するが、ここでは「好影響」を. 学在学中に IS 等体験した 15 名。出身学科は普通科 10. 示す指標として次の2つを挙げた。①雇用形態(正規/. ア. だけで、 「大学の先」を睨んで個々の生徒の将来を尊重し ての教育というものは、一部の高校教員が憂慮している 他は皆無に近い実態が浮かび上がった。一方同じ大学進. イ. 学指導でも商業高校のそれは、大学卒業後を見据えた学. ウ. びへの動機付けが職業との関係でなされている。 3.中学. エ. 校から高校への体験的学習の接続が弱い 全体として、 中. 3.

(4) 非正規)と転職 ②「やりたいこと」をめぐる健全性 . 化する学習(専門学科職業科目と IS 等)を経て就業への. ※健全とは「やりたいことへの接近」に過度の期待やあ. 好影響と繋がる。即ち中学の職場体験、高校 IS や商業高. きらめがないこと、 「やりたいこと」を職業観に現実的に. 校での商業実践、大学 IS、アルバイト等々が徐々に難易. 位置づけていること。と定義する。好影響指標①は以下. 度を上げつつ重層的に積み重なり、効果を発揮するのは. 6 類型(上記表 5 参照)ア. 新卒正規雇用で現在に至る イ. 接続いかんによるという事が今回の結果で言えよう。 既卒 3 年以内正規雇用 ウ.新卒正規⇒転職正規雇用 . また学力も検討した。 今回は GATB の能力尺度データと現. エ.新卒正規⇒転職非正規雇用 オ.新卒非正規⇒転職. 職種への適性の有無とを検討。注目すべきは能力尺度が. 正規雇用 カ.新卒非正規雇用で現在に至る . 平均値以下で就業に好影響が認められる者が4名おり、. 表 6 仮説との対照 . このうち3名に共通するのは低偏差値高校出身、中校大. 卒. 高. GATB 得点 適性 . ①正規/ 非正規 . ②やりたいこと . 仮説と の対照 . 適 . 正 . 健全/発見 . 支持 . 533 . 適 . 正 . 健全/接近 . 支持 . 348 . 不適 . 正 . 健全/発見 . 不支持 . 正 . 健全/接近 . 不支持 . 正⇒非 . 健全/接近不安定 . 支持 . 健全/依存 . 支持 . 正 . 健全/未発見 . 不支持 . 予備校⇒正 . 健全/公務員であること . 不支持 . 正⇒正 . 健全/未発見 . 支持 . 正⇒正 . 健全/接近 . 支持 . 正⇒正 . 健全/接近 . 支持 . 不適 . 正 . 健全/仕事と区別 . 不支持 . 不適 . 正⇒非 . 健全/発見要吟味 . 支持 . 456 . 適 . 非⇒正 . 健全/接近 . 支持 . 288 . 不適 . 非 . あきらめ . 支持 . 業 校 生 種 . 接続 . A 商 . 一貫 . 465 . B 商 . 探索 . C 商 . 一貫/探索 . D 総 . 一貫 . 315 . 適 . E 総 . 一貫/探索 . 353 . 不適 . F 普 . 弱探索 . 360 . 不適 . 正 . G 普 . 探索 . 366 . 適 . H 普 . なし . 554 . 適 . I 普 . 探索 . 454 . 適 . J 普 . 探索 . 415 . 適 . K 普 . 探索 . 401 . 適 . L 普 . 探索 . 370 . M 普 . 一貫 . 324 . N 普 . 探索 . O 普 . 弱探索 . で大変豊富な体験的学習歴をもち、社会福祉士国家試験 に現役合格している点である。卒業生Hとは異なりリテ ラシーが低くともコンピテンシーが高ければマージナル 大学生でも就業に好影響が期待できる。小・中・高・大 ⇒職業社会の接続の拡充が期待されるところである。 4-2 今後の課題 ①今回調査の限界:対象を大学 IS 体 験者としたこと。取材受諾者は就業状況が比較的良好の 者に限られ無業者は対象外。② 今後の課題:しかしマー ジナル大学にとり重要なのは卒業後無業になる者を少し でも減じる方策の拡充であることから、 今後 IS 非体験者 や無業者にアプローチし、その卒業後と就学中の接続の. ※網掛け部分は仮説「不支持」となる要因。 . 連関解明を図る等、マージナル大学生のエンプロイアビ. ※GATB 欄数値は能力(知的、言語、数理、書記的知覚)の. リィ向上に資することが今後の課題となろう。 . 合計値。各能力の平均値 100、4 領域で平均値計 400。 「適. . /不適」は該当者が就業している職種への適性有無。 . [主要参考文献]. 仮説との対照 「好影響で不支持」CDGHL。 「好影響で支. マーチン・トロウ(1976) 「高学歴社会の大学」天野郁 . 持」ABIJKN。 「悪影響で支持」EFMO。以上より 15 名中 10. 夫 喜多村和之 訳 東京大学 出版会. 名の状況が仮説支持。 . 本田由紀(2005) 『若者と仕事』東京大学出版会. 第4章 研究の成果と課題 . 居神 浩(2010) 「ノンエリート大学生に伝えるべきこと. 4-1 研究の成果 インタビューより中学校では職場体. -『マージナル大学』の社会的意義」 『日本労働研究雑誌』. 験は普及するも 3 年次の進学指導と 2 年次の職場体験の. 602 号 27-38 頁 . 両者が別個のものとして扱われ職場体験≒キャリア教育. 池永肇恵(2009)「労働市場の二極化―ITの導入と業務. との捉え方もある。また教科を職業社会と関連づけた指. 内容の変化について」 『日本労働研究雑誌』NO.584 . 導方針も言われているが実践はこれから。高校に関し最. 73-90 頁. 大の課題は普通科と専門学科の職業教育の落差。中学教. 滝川一廣(2004) 『 「こころ」の本質とは何か』筑摩書房. 員の間には「高校普通科の存在意義」とは?との問題意. 上坂武、佐藤昌子(1986) 「GATB の解釈と活用」 『日本. 識が伺われた。X大学卒業生にもそうした「普通科の経. 教育心理学会論文集』(28),524-525 頁. 緯」を辿り大学ミスマッチで国立工業大学を中退後再入. 福岡 哲郎(2004) 「高等学校での職業能力形成と職業体. 学した卒業生Hが存在した。だが就職だけをみればHの. 験的学習」九州大学学位請求論文. ように体験的学習がほぼゼロでも公務員になっている。. 吉本 圭一 編(2012) 「インターンシップと体系的なキ. 現実には同ケースは普通にあることで、リテラシー(知. ャリア教育・職業教育」 『高等教育研究叢書』117 広. 識)が高ければコンピテンシー(体験知)が低くとも、. 島大学高等教育開発センター. いちおうの就職ができるケースであったと考えられる。 . 国立教育政策研究所(2013) 『キャリア教育・進路指導. 第 3 章ではX大学を例に体験的学習の効果を検討し就業. に関する総合的実体調査第一次報告書』国立教育政策. に好影響をもたらす接続形態や規定要因があることがわ. 研究所生徒指導・進路指導研究センター. かった。①早期の職業への興味関心の発生、②それを強 4.

(5) . 5.

(6)

参照

関連したドキュメント

一貫教育ならではの ビッグブラ ザーシステム 。大学生が学生 コーチとして高等部や中学部の

小学校学習指導要領総則第1の3において、「学校における体育・健康に関する指導は、児

就職・離職の状況については、企業への一般就労の就職者数減、離職者増(表 1参照)及び、就労継続支援 A 型事業所の利用に至る利用者が増えました。 (2015 年度 35

(※1)当該業務の内容を熟知した職員のうち当該業務の責任者としてあらかじめ指定した者をいうものであ り、当該職員の責務等については省令第 97

 履修できる科目は、所属学部で開講する、教育職員免許状取得のために必要な『教科及び

 履修できる科目は、所属学部で開講する、教育職員免許状取得のために必要な『教科及び