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帝京大学 CVS セミナー スライドの説明 off pump の導入は on pump CABG を安全にする これは クリーブランドクリニックの有名な外科医 Bruce Lyttle が 彼の論文の中で使っ ていた言葉を和訳したものだが ( この論文の全文訳はこのテキストの後半に ) 彼は何を伝

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スライドの説明

“off pump”の導入は、”on pump CABG”を安全にする。

これは、クリーブランドクリニックの有名な外科医Bruce Lyttle が、彼の論文の中で使っ ていた言葉を和訳したものだが(この論文の全文訳はこのテキストの後半に)、彼は何を伝 えたかったのだろうか? CABG を、人工心肺装置を使用せず、心臓を拍動させたままで行うには、 まず細い冠動脈で精巧な吺合操作を行うためには、吺合部分は静止野を確保する必要があ る。次に、心臓の下面に位置する右冠動脈や、裏側にある回旋枝に吺合を行うには、心臓 をひっくり返して、術野を展開する必要がある。最後に血だらけでは精巧な吺合はできな いので、無血視野を得る必要がある。 静止野の確保は、かつてはこのような吺合部位を圧迫して局所的に心拍動を制御する装置 や、同じようなものを開胸器に固定する装置が考えられたこともあるようだが、現在では、 心表面を陰圧で吸着することによって、吺合部を固定するスタビライザーというものを用 いるのが一般的である。術野の展開についても同様に、これまでは絵で示すようなさまざ まな装置が考えられたが、どれも十分な心臓の脱転操作は行うことができなかった。最初 に普及した方法はLima Suture(Lima は外科医の名前)といって、心臓の後ろの心膜に糸か けを行い、その糸を牽引することによって心臓の向きを変える方法である。この方法によ って心臓を動かしたまま、裏側に吺合操作を行うことも可能になった。現在最も普及して いるのは、やはり陰圧で心臓の一部を吸着して固定し、そのまま心臓を引っ張り上げるよ うなポジショナーと呼ばれる装置である。われわれは、このスタビライザー(商品名オク トパス)とポジショナー(商品名スターフィッシュ)の2 つを用いて、写真で示すように、 心臓の展開と、静止野の確保を行っている。無血視野については、複数の方法を組み合わ せて行うことが多い。ひとつは内シャントチューブといって、細いチューブを冠動脈内に 挿入して、血流の大部分を管の内部に流す方法である。無血視野の確保と同時に、尐ない ながらも末梢の血流を保つことが可能となる。吺合部の中枢で糸を締め、血流を遮断させ る方法もある。こちらの方法では末梢側には十分な血流が得られなくなるが、中枢側は出 血をとめることにより、幾分高い潅流圧で血流を保つことができる。残った血液について は、CO2 ブロアーといって、細いチューブの先端から二酸化炭素を吹き付けるようにして、 血液を飛ばしてしまう。これらの方法を組み合わせて無血視野を売る。上記方法について は動画も参照のこと。

次にoff pump CABG の利点について学習する。

はたして体外循環は体に優しいのであろうか?答えはNo である。たとえば、体外循環中は、 ずっと白血球は活性化され続け、さまざまな炎症反応が引き起こされている。その結果、

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長時間にわたる体外循環は、臨床的にも目に見えるような形でさまざまな合併症を引き起 こすことが知られている。

ではoff pump CABG で体外循環の使用を回避することによって治療成績は改善するのだ ろうか?2 つの治療方法を比較する方法として、もっとも信頼性が高いとされるのは無作為 比較試験という方法である。これは対象となる患者群を、どちらの治療方法にするかくじ 引きで決定し、治療を行う。そして、治療後にそれぞれの成績を比較する方法である。Off pump と on pump を比較した無作為比較試験は多数を行われており、これらの結果を集計 した論文(メタ解析)を見ると、死亡率では 2 つの治療の間に差はみられず、脳梗塞の発 症率はoff pump にやや尐ないが、やはり差は見られないという結果であった(ほかのメタ 解析で脳梗塞発症頻度には差があるとするものもある)。つまり、どちらでも目立った治療 成績の差はみられないという結果であった。しかし、特定の患者群を対象とした試験(無 作為比較試験ではない)を見ろと、高齢者、透析患者、上行大動脈に動脈硬化がある患者 などが対象であれば、明らかにoff pump CABG のほうが成績は良好だったという報告もあ る。このような結果はどのように解釈をすればよいのだろうか。現在では一般的に次のよ うに考えられている。あまりリスクの尐ない患者群が対象であればon pump CABG でも十 分に良好な治療成績が得られ、off pump との間の差も生じにくい。しかし、on pump では 満足のいく成績が得難いようなリスクの高い患者群(たとえば、高齢者、透析、著明な動 脈硬化)において、初めてoff pump の優位性が明らかとなる、という解釈である。Puskas は米国胸部外科学会のデータベースをもとに、患者の手術リスクごとに、on pump、off pump それぞれの手術死亡率を比較しているが、患者の手術リスクが高くなるほど、両治 療法の治療成績の差は顕著となり、off pump の優位性が明らかとなることを報告している。 では冒頭で紹介した、Lyttle の

“off pump”の導入は、”on pump CABG”を安全にする。

という言葉は、どういうことなのかもう一度考えてみよう。これはつまり、これまでは手 術リスクの高い症例、低い症例全体をon pump で治療していたのが、手術リスクの高い症 例をoff pump でするようにすれば、on pump は手術リスクの低い症例だけをすればよい ことになる。つまり、on pump はより安全になる、という意味である。一方 on pump で リスクの高い症例は、これはまさに off pump の優位性が高い症例であるため、以前の on pump よりも off pump のほうが明らかに良い成績で治療を行えることになる。これが CABG 全体の治療成績の向上にもつながると期待される。

帝京大学 心臓血管外科 講師 真鍋 晋

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Bruce Lyttle

On pump CABG と off pump CABG

人工心肺装置はこれまで狭心症の外科治療の発展の基礎であってきた。もちろんごく早期 の冠状動脈手術は人工心肺装置を使わずに行われたが、本手術が広く普及したのは、人工 心肺装置が発達した結果、十分に心筋や他の臓器を保護しながら、複雑な血行再建を確実 にしかも比較的安全に行うことができるようになってからである。 しかし、人工心肺装置は正常とは言い切れない。いかに人工心肺装置が発達したと言って も、いくつかのマイナスの側面を有しており、たとえば血液に対する傷害、一連の免疫反 応の活性化、空気や粥腫の塞栓症―そのほとんどが大動脈の壁についた動脈硬化性の粥腫 であるがーなどである。ここ10 年間のうちにこうした人工心肺装置による危険を回避しよ うとする考え方が注目を浴びてきた、それが“オフポンプ手術”である。外科医の経験の 蓄積と技術革新によって、全米では20-25%のバイパス手術がオフポンプで行われている。 オフポンプ手術自体が可能であることはいまや誰もが知っているが、しかし、オフポンプ は果たしてリスクを軽減するのであろうか?どのようなリスクが軽減するのか?またどう いう患者層がその恩恵を受けるのか?オフポンプ手術が外科医療に導入された当初は、こ の術式により手術期の合併症が軽減し、ひいては手術死亡率も軽減するのではないかと期 待された。しかし、その一方では手術難易度が上昇し、その結果十分な血行再建が行われ なかったり、長期間にわたってみると有効ではなかったりするのではないかといった事が 懸念された。こうした問題を取り扱った多岐に及ぶ研究が行われてきた。しかし、そのい ずれにも欠点がある。無作為化していない試験(本文で言う後ろ向き比較試験)では治療 法選択の際に、医師の思惑が入り込むため、対象患者に偏り(selection bias)が生じてし まい、患者側の因子のために治療法自体による効果が隠れてしまうことが懸念される。ま た無作為化した試験では、(倫理的な問題からリスクの尐ない人だけを対象に選択すること が多いため)研究に参加する時点で偏りが生じており、このような選らばれた患者に対す るしかも小規模な研究では、実際の多岐に及ぶ患者の代表にはなり得ないと考えられる。 Lagare らの研究は 300 人を対象とした無作為比較試験で、いわば選ばれた患者に対して行 った小さな試験であるといえる。選ばれたというのは、緊急手術が除かれており、心機能 低下(左室駆出率 30%以下)も除かれ、これらを統括すると”リスクの低い”患者群である といえる。手術は平均して 3 箇所のバイパスを行っており、動脈グラフトもかなりの数使 用されている。結果は非常に良好で、手術死亡率は両群ともに1%ときわめて低く、合併症 頻度も差はみられない。また輸血率、人工呼吸時間、ICU 滞在時間、入院期間も差が見ら れなかった。 これまで他に 3 つの無作為比較試験が行われており、どの試験の結果もオンポンプとオフ ポンプで差はないか、差があってもわずかである。Van Dijk らの 281 人のリスクの低い患 者を対象にした試験では、輸血率と術後酵素上昇(おもに手術中の心筋への傷害の程度を

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表す)という点においてのみわずかにオフポンプが有利であった。一人の外科医によって 行われた研究ではPuskas が報告しているように、死亡率、脳梗塞発症率とのにいずれも低 い値ではあるが両群に差はなく、輸血率と術後酵素上昇のみオフポンプで有利であった。 英国の研究では、オフポンプのほうが入院期間が短く、術後の心房細動の発症が低く、輸 血率も低い結果であったが、死亡率、脳梗塞発症率に関してはやはり両群同等であった。 これまでに行われた無作為比較試験は、リスクの低いまたは標準的な患者層が対象であり、 またどちらの手術方法を選んでも手技自体のリスクは低いことが証明された。またバイパ スの本数という観点からもどちらの手術も同等であることも示された。

そのほかの研究としては大規模な後ろ向き研究(large database observational studies)があ り、統計学的なリスク調整を行うことによって患者の偏り(selection bias)を補正する試 みがなされている。Al-Ruzzeh らは英国の 1997-2001 年のデータベースを使用し、手術死 亡率、神経学的合併症(主に脳梗塞)、呼吸器合併症、腎臓合併症のいずれもオフポンプ手 術のほうが有意であったと報告している。また Cleveland らは米国のデータベースをしよ うし、手術死亡率、神経、呼吸、腎臓、出血合併症のいずれもオフポンプ手術のほうが低 いと報告されている。 一つの施設内で行われた後ろ向き研究においても、死亡率や脳梗塞発症率といった主要な リスクについてオフポンプに優位な報告をしている。無作為化していない試験に一貫して いえることはオンポンプ症例のほうが無作為化試験のどちらの群とくらべても高いリスク を有する患者が多いということである。 それゆえ、多施設でおこなわれているような”real world”の研究では、無作為化試験では対 象外とされるようなリスクの高い患者はオンポンプ群のほうに含まれているといえる。無 作為化試験で対象外とされるのは、尐なくともある面では人工心肺装置の使用にはリスク が高いとも考えられる。たとえば大動脈の動脈硬貨性病変が強い場合などである。こうし たことは、オフポンプ手術の優位性を実証するのをより困難にしている。また無作為試験 は選ばれた患者に行われているだけではなく、“選ばれた外科医”が行っているということ も忘れてはならない。というのは、参加している外科医はオンポンプ、オフポンプのどち らも行うことができるからである。大規模な調査にはオフポンプの経験のない外科医も含 まれており、彼らはオンポンプが危険と判断した場合にもオフポンプには変更できない。 つまり、オフポンプができるということは、オンポンプをより安全にできるということで もある。こうした事を考えれば、無作為化試験でオフポンプの有意性が実証できなかった ことは必ずしも、特定の患者についてオフポンプ手術が優れていないということをあらわ しているわけではない。 人工心肺のリスクはすべての患者に同様ではない。いくつかの後ろ向き試験において、特 に人工心肺のリスクが高いと思われる特定の患者群に焦点が当てられ、オフポンプ手術が 劇的に効果があることが示されている。Sharnoy らの研究では、超音波検査で大動脈に動 脈硬化性変化が強い患者ではオフポンプ手術は手術死亡率(オフポンプ手術死亡3.8%、オ

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ンポンプ手術死亡11.4%)、脳梗塞発症率(オフポンプ 2.4%、オンポンプ 4.7%)を劇的に 改善していることがしめされている。Cleveland らの研究では、脳血管障害のある患者では 手術期の脳梗塞発症が低いことが示され、また Ascione らは腎不全のリスクが減弱される ことが示されている。 高齢者も人工心肺の高いリスクを有していると考えられているが、ほとんどの研究におい て、オフポンプ手術が有益であることが示され、手術死亡や脳梗塞発症が減弱できること が示されている。 それでは、たとえ大きな差でないにしろ、オフポンプ手術によって手術手技に伴うリスク がいくらかでも軽減することができるのであれば、どうしてオフポンプ手術だけを基本手 術として行わないのであろうか?主たる問題は血行再建の効果にある。グラフト本数やグ ラフト開存率の面からもオフポンプ手術が望ましいことが報告されてきた。しかし、オフ ポンプ手術では、同じ患者に対してオンポンプ手術で行うのとまったく同じ血行再建を行 うことはできないであろう。無作為化試験では血行再建の程度が両群で同等であったとい っても、いくつかの後ろ向き研究ではオフポンプ手術はグラフト本数が尐なく、完全血行 再建の達成率も低かった。効果的な血行再建の基準は完全血行再建だけではない。左右 2 本の内胸動脈を用いたほうが、1 本の内胸動脈と静脈グラフトを用いるよりも長期成績が改 善することは様々な調査で明らかになっている。これまで報告のあった 3 つの無作為化比 較試験では、基本的には1 本の内胸動脈と静脈グラフトで行われている。Legare のグルー プの報告だけが、複数の内胸動脈を使用しているが、この研究では手術中のオフポンプか らオンポンプへの移行率が比較的高い。 複数の動脈グラフトを用いた血行再建術とオフポンプ手術は相容れないものではない。し かし、これら二つの手術方法はそれぞれが異なる次元の難しさが付随する。それは特に患 者の側が動脈グラフトを連続(sequential)または複合(composite)グラフトを必要としたり、 細いびまん性や心筋内走行した血管への吺合が必要である場合に困難となる。無作為比較 試験において術後急性期の合併症にほとんど差が見られないことを考えると、尐なくとも リスクの低い患者に対しては、オフポンプで行うために最適な血行再建を犠牲にするよう なことは賢明な選択とはいえない。 オフポンプの手術も人工心肺装置もいずれも外科的に血行再建を達成するための道具であ る。二つの方法が今存在し、いずれも特定の患者に対して、長所と欠点を有している。現 状におけるわれわれの意見としては、つぎのような原則に集約される。 1. リスクの低い患者については人工心肺装置は安全である。術後合併症に明らかな差はみ られず、無作為比較試験でも手技に関連した成績の差はほとんど見られていない。人工 心肺装置を用いることにより、最適な手術視野が得られ、複数の内胸動脈を用いるなど 複雑な血行再建が望ましい場合などには、人工心肺装置を用いることは効果的である。 2. 重篤な上行大動脈の動脈硬化性病変があったり、脳梗塞の既往がある患者は、人工心肺 装置のリスクが高まる患者群であり、オフポンプ手術の恩恵がしばしば期待できる。特

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に大動脈に操作が及ばないようなオフポンプ手術が望ましい。

3. 高齢者においては、オフポンプ手術を行うことにより、回復が早く、脳梗塞のリスクが 軽減されているようである。

オンポンプ、オフポンプいずれの手術方法も発展の途上にある。人工心肺と心拍動下の組 み合わせも試みられている。”one size fits all”(単一の方法ですべてを行う)時代は終わっ た。バイパス手術も様々な方法が可能であり、いずれも十分な効果を持っている。これか らの外科医の役割は患者の特性を十分に理解し、長期的な効果を最大限に達成し、短期的 なリスクを最小限まで回避するように、手術手技を適応することが求められるであろう。

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参考文献 meta-analysis

Off-pump coronary artery surgery for reducing mortality and morbidity. Meta-analysis of randomized and observational studies.

Wijeysundera DN, et al.

J Am Coll Cardiol 2005;46:872-882

背景 術後合併症や死亡率を減尐させる可能性があるものの、実施診療におけるoff pump CABG の役割にはいまだ議論がある。本研究の目的は off pump CABG の死亡率や合 併症発現頻度に及ぼす影響を評価することである。

方法 37 の無作為抽出試験(RCT)と 22 のリスク調整後ろ向き試験(observational) のメタアナリシスを行った。

結果

手術死亡 RCT(10) off pump CABG の死亡率は 1.7%で、on pump CABG と有意

な差は見られず。 (オッズ比 0.91)

Observational off pump CABG が有意に減尐。 (オッズ比 0.72) (14)

脳梗塞 RCT(12) off pump CABG の脳梗塞の頻度は 1.3%で、わずかながら有意

差なし。 (オッズ比 0.51)

Observational off pump CABG が有意に減尐。

(15) (オッズ比 0.62)

心筋梗塞 RCT(19) 周術期心筋梗塞の頻度は2.7%で、有意な差なし。

(オッズ比0.79) Observational off pump CABG で有意に減尐。

(6) (オッズ比 0.66)

心房細動 RCT(18) 心房細動の頻度は22%で、有意差あり。 (オッズ比 0.59) Observational off pump CABG で有意に減尐。

(4) (オッズ比 0.78) カテコラミン RCT(16) 有意差あり (オッズ比 0.48) 低心拍出量 RCT(11) 有意差なし (オッズ比 0.71) Observational 有意差あり。 (オッズ比 0.62) (3) 急性腎不全 RCT(5) 有意差なし。 (オッズ比 0.61) Observational 有意差あり。 (オッズ比 0.54) (8) RBC 輸血 RCT(17) 有意差あり。 (オッズ比 0.33) Observational 有意差あり。 (オッズ比 0.62)

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(2) 遠隔期死亡 RCT(5) 遠隔期死亡が改善。 (オッズ比 0.82) Observational 差はみられない。 (オッズ比 1.01) (2) 心筋梗塞 RCT(5) 遠隔期心筋梗塞が減尐。 (オッズ比 0.61) (遠隔期)Observational 差はみられない (オッズ比 0.91) (2) 再血行再建 RCT(5) 有意ではないが増加。 (オッズ比 1.75) Observational 増加する傾向がみられた。 (オッズ比 1.35) (2) 結論 observational study では手術死亡、脳梗塞、心筋梗塞、低心拍出量症候群、 急性腎不全いずれにおいてもoff pump CABG で良好であったのにくらべ、無作為抽出試験 では、心房細動と輸血率においてしか有用性が認められなかった。

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参考文献 Randomized controlled study 1 Gerola LR, et al.

Off-pump versus on-pump myocardial revascularization in low-risk patients with one or two vessel disease: Perioperative results in a multicenter randomized controlled trial. Ann Thorac Surg 2004;77:569-573

方法 多施設無作為抽出試験。選別を行ったリスクの低い160 例について、80 例は 体外循環下CABG、80 例は体外循環非使用(オフポンプ)CABG に無作為に割り振られた。 105 例男性、平均年齢 58.8 歳(39-70 歳、中央値 59 歳)。術前の患者背景は両群で差は見 られなかったが、心筋梗塞の既往だけがオフポンプ群で高かった。本研究の除外項目は、 重症心機能不全(駆出率35%以下)、腎不全、回旋枝およびその分枝の病変であり、無作為 化の上で適当でないと考えられる病状の患者は同様に本研究の対象から除外された。 結果 On-pump 群 vs. off-pump 群 p 値 手術死亡 3.7% 1.2% 0.62 グラフト本数 1.81 1.77 0.833 手術時間 205 分 189 分 0.79 周術期心筋梗塞 6 例(7.5%) 3 例(3.7%) ns 挿管時間 11.8 10.5 0.28 呼吸器合併症 4 例(5%) 6 例(7.5%) 1.0 術後出血 680ml 678ml 0.107 輸血症例 35(43.7%) 36(45%) ns 輸血量 2.9pack 2.2pack ns 一過性脳虚血発作 3 例(3.7%) 6 例(7.5%) 0.32 心房細動 4(5%) 7(8.7%) 0.53 カテコラミン投与 19 7 0.004 ICU 滞在時間 2.4 日 2.3 日 0.45 CK-MB(0hr) 68.63 29.72 0.0001 (8hr) 79.57 35.39 0.0014 (16hr) 90.08 36.04 0.0071 (24hr) 75.05 43.70 0.116 結論 リスクの低い患者に対しては、on-pump、off-pump いずれの方法を用いても、 手術死亡、術後合併症に有意差は見られなかった。

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参考文献 Randomized controlled study 2-1 Straka Z, et al.

Off-pump versus on-pump coronary surgery: final results from a prospective randomized study PRAGUE-4

Ann Thorac Surg 2004;77:789-793

方法 単一施設無作為抽出試験。選別を行っていない400 例(平均年齢 63 歳)につ いて、体外循環下CABG、体外循環非使用(オフポンプ)CABG に無作為に割り振られた。 本研究の除外項目は、緊急手術だけである。 結果 On-pump 群(n=184) off-pump 群(204) p 値 手術死亡 1.1% 2.0% 0.39 グラフト本数 2.3 2.7 <0.001 手術時間 205 分 189 分 0.79 周術期心筋梗塞 1.6% 2.0% 0.81 低心拍出 4% 5% 0.59 IABP 0% 2% 0.07 挿管時間 5hr 4hr 0.15 創感染 4% 1% 0.06 縦隔炎 2% 1% 0.27 術後出血 680ml 560ml <0.001 輸血症例 51% 49% 0.76 再開胸手術 2% 4% 0.32 脳梗塞 1.1% 0% 0.22 心房細動 24% 20% 0.30 透析 1.1% 1.0% 0.65 カテコラミン投与 ICU 滞在時間 24hr 23hr 0.40 入院費用 4384 ユーロ 3451 ユーロ <0.001 CK-MB(6hr) 0.56 0.15 <0.001 (18hr) 0.51 0.24 (36hr) 0.35 0.26

結論 off-pump CABG は 85%の症例に施行可能であり、on-pump と安全性、効果 の良縁で同等であった。

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参考文献 Randomized controlled study 2-2

One-year coronary bypass graft patency. A randomized comparison between off-pump and on-pump surgery. Angiographic results of the PRAGUE-4 traial.

Widmsky P, et al. Circulation 2004;110:3418-3423 背景 近年 off-pump 冠状動脈バイパス術は広く用いられる技術となった。しかし、 選別されていない一連の患者を対象とした心拍動下で行われたグラフトの 1 年後の開存率 に冠するデータはごく限られている。この研究の目的は心拍動下(off pump)で行われたグラ フトと従来の方法(on pump)のによるものとの1年後の開存率を比較することである。 方法 PRAGUE trial では 400 例の 1 連の手術予定患者を on pump 群 192 例と off pump 群 208 例に振り分けた。255 人について 1 年後の血管造影検査を行った。

結果

1. 1 年後の動脈グラフト開存率は両群ともに 91%であった。

2. 静脈グラフトでは on pump 群 59%、off pump 群 49%であった。患者 1 人あたりの静 脈グラフト開存率はoff pump 群のほうが低かった。(off pump 0.7 vs. on pump 1.1, p<0.01)

3. on pump 群では 46%の症例で全グラフトが開存しており、off pump 群では 52%であ った。

4. 慢性閉塞した冠状動脈の遠位につないだグラフトの開存率は、左前下行枝では 100%で あったが、そのほかの動脈では23%であった。

結論 心拍動下で行われた動脈グラフトの開存率は良好で、on pump で行われたも のと同等であった。特に選別されていない患者群においては、off pump CABG では患者 1 人あたりの開存している静脈グラフトの本数がより尐なかった。

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参考文献 Randomized controlled study 2-3

One-year coronary bypass graft patency. A randomized comparison between off-pump and on-pump surgery. Angiographic results of the PRAGUE-4 Trial.

Widmsky P, et al. Circulation 2004;110:3418-3423 方法 選別しない100 例の CABG 症例に無作為抽出試験を行った。1 年後のグラフ ト開存率を比較した。 結果 1. off-pump 群 208 例、on-pump 群 192 例であった。 2. グラフト開存率 On-pump off-pump p 左内胸動脈 91% 91% ns 静脈 59% 49% ns 3. 1 人あたりの開存静脈グラフトの数は off-pump CABG の方が尐なかった。(0.7 vs. 1.1) 結論 off-pump CABG の動脈グラフトの開存率は良好で、on-pump CABG と同等 であった。ただ、開存している静脈グラフトの数はoff-pump のほうが尐なかった。

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参考文献 Randomized Controlled study 3

Off-pump coronary artery bypass grafting provides complete revascularization with reduced myocardial injury, transfusion requirements, and length of stay: A prospective randomized comparison of two hundred unselected patients undergoing off-pump versus conventional coronary artery bypass grafting.

Puskas JD, et al.

J Thorac Cardiovasc Surg 2003;125:797-803

方法 選別されていない待機的CABG 患者 200 例を無作為に Off-pump CABG と on-pump CABG に振り分けた。 結果 On-pump 群(n=99) off-pump 群(98) p 値 手術死亡(<30 日) 2% 1% >0.999 グラフト本数 3.40 3.39 0.829 手術時間 3.41 時間 3.40 時間 0.626 周術期心筋梗塞 2% 1% >0.999 創感染 7% 4% 0.537 縦隔炎 1% 2% 0.621 輸血症例 44% 26% 0.007 輸血量 0.40 pack 0.61 pack 0.013 再開胸手術 2% 1% >0.999 脳梗塞 2% 1% >0.999 一過性脳虚血 0% 1% 0.497 心房細動 22% 16% 0.367 透析 0% 2% 0.246 ICU 滞在時間 23.9hr 26.8hr 0.820 入院日数(日) 6.1 5.1 0.005 CKMB <0.001

結論 on-pump CABG と off-pump CABG を比較した結果、同等な血行再建が可能 であり、入院、30 日以内の結果も同等であり、off-pump のほうが入院時間、輸血量、心筋 傷害がより尐ないことが判明した。

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参考文献 Randomized Controlled study 3-2

Off-pump vs conventional coronary artery bypass grafting: Early and 1-year graft patency, cost, and quality-of-life outcomes

Puskas JD, et al.

JAMA 2004;291:1841-1849

方法 選別しない200 例の CABG 症例を無作為に on-pump と off-pump CABG に 振り分け、1 年後のグラフト開存率と臨床経過、quality of life について検討した。 結果 (1 年後) On-pump 群(n=93) off-pump 群(89) p 値 手術死亡(<30 日) 2.2% 3.4% 症候性グラフト閉塞 1.1% 2.2% 狭心症再発 1.1% 3.4% 心不全 5.4% 3.4% 再CABG 0 0 心臓再入院 9.7% 12.4% 脳梗塞 0 1.1% 術直後 グラフト開存率(動脈) 99.2% 100% >0.99 グラフト開存率(静脈) 96.7% 98.4% 0.48 1 年後 グラフト開存率(動脈) 98.1% 94.1% 0.26 グラフト開存率(静脈) 94.2% 93.3% 0.93 結論 off-pump CABG は同等のグラフト開存率を示した。臨床結果や生活の質も同 等であったが、医療経済コストがoff-pump CABG のほうが低かった。

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参考文献 Randomized controlled study 4

A randomized comparison of off-pump and on-pump multivessel coronary-artery bypass surgery.

Khan NE, et al.

N Engl J Med 2004;350:21-28

方法 単一施設で104 例の患者を on-pump CABG(50 例)と off-pump CABG(54 例) に振り分けた。 結果 On-pump 群(n=50) off-pump 群(54) p 値 手術死亡 0% 0% ns グラフト本数 3.4 3.1 ns 低心拍出 35% 24% 0.24 挿管時間 12.6hr 11.9hr 0.63 創感染 10% 0% 0.02 術後出血 898ml 1031ml 0.18 輸血症例(RBC) 65% 37% 0.004 再開胸手術 4% 0% 0.13 ICU 滞在時間 24hr 24hr 0.86 Troponin T <0.001 graft 開存率 98% 88% 0.002

結論 off-pump CABG は on-pump と同等の安全性があり、心筋傷害はより尐なか った。しかし、術後3 ヶ月のグラフト開存率は off-pump CABG のほうが有意に低く、遠隔 期の臨床成績への影響が懸念された。

(16)

参考文献 Randomized controlled study 5

A comparison of on-pump and off-pump coronary bypass surgery in low-risk patients. Nathoe HM et al.

N Engl J Med 2003;348:394-402

方法 多施設、無作為抽出試験を施行し、主に1枝または2枝冠疾患を有する症例 を、139 人を on pump CABG に、142 人を off pump CABG に振り分けた。術後 1 年後の 心血管転機と医療経済コストを調査した。

結果

1. 術後 1 年で、死亡、脳血管障害、心筋梗塞、冠状動脈再血行再建回避率は、on pump 群で90.6%、off pump 群で 88.0%であった。

2. グラフト開存率は、on pump 群 93%、off pump 群は 91%であった。

3. on pump CABG は患者 1 人あたり、1839 ドルの追加コストが必要であった(14908 ドル vs. 13069 ドル)。 On-pump 群(n=139) off-pump 群(142) p 値 手術死亡 0% 0% ns グラフト本数 2.6 2.4 手術時間 3.82 時間 4.17 時間 周術期心筋梗塞 5.0% 4.9% 0.97 輸血量 1.07 0.85 脳梗塞 1.4% 0.7% 0.55 ICU 滞在時間 1.62hr 1.43hr 入院日数 8.65 8.11 1 年後 死亡 1.4 1.4 0.98 脳血管障害 1.4 0.7 0.55 心筋梗塞 6.5 4.9 0.58 再血行再建 2.9 4.9 0.37

結論 リスクの低い患者では、on pump CABG と off pump CABG の間で 1 年後の 心血管転記に差はなかった。Off pump CABG はよりコスト削減につながった。

(17)

参考文献 Randomized controlled study 5-2

Early outcome after off-pump versus on-pump coronary bypass surgery. Results from a randomized study

Van Dijk, et al.

Circulation. 2001;104:1761-1766 方法 多施設無作為抽出試験で 281 人の患者(平均年齢 61 歳)を on-pump と off-pump に振り分けた。 結果 On-pump 群(n=139) off-pump 群(142) p 値 手術死亡 0% 0% グラフト本数 2.6 2.4 0.05 手術時間 3.8 時間 4.2 時間 <0.01 周術期心筋梗塞 4.3% 4.9% 挿管時間 9 時間 3 時間 <0.01 術後出血(12h) 400ml 500ml 0.02 輸血率 13% 3% <0.01 再開胸手術 2% 4% 0.33 脳梗塞 1.4% 0.7% 感染 5% 5% 0.96 心房細動 21% 20% 0.79 カテコラミン投与 28% 27% 0.88 透析 1% 0% 0.31 ICU 滞在時間 22hr 22hr 0.88 入院日数(日数) 7 6 <0.01 CK-MB(0hr) 277 164 <0.01 (2hr) 16.0 7.0 <0.01 (4hr) 15.0 7.0 <0.01 (8hr) 14.5 8.0 <0.01 (12hr) 13.0 8.5 <0.01 (20hr) 13.5 10.0 <0.01

結論 選別された症例においては、off-pump CABG は安全で on-pumpCABG と同 等の短期成績をもたらした。

(18)

参考文献 Randomized controlled study 6

Coronary Bypass Surgery performed off pump does not result in lower in-hospital morbidity than coronary artery bypass grafting performed on pump.

Legare JF, et al. Circulation 2004;109:887-892 方法 単施設で300 例の CABG 症例に対して無作為抽出試験を行った。除外項目は 緊急手術、同時心臓手術、左室駆出率30%以下、再手術であった。 結果 On-pump 群(n=150) off-pump 群(150) p 値 手術死亡 0.7% 1.3% 1.0 グラフト本数 3.0 2.8 0.06 周術期心筋梗塞 0.7% 2.7% 0.37 挿管時間 4 時間 4 時間 0.54 輸血率(全部) 8.7% 9.3% 0.84 輸血率(RBC) 8.7% 8.7% 1.0 再開胸手術 2.0% 1.3% 1.0 脳梗塞 0% 1.3% 0.50 縦隔炎 0.7% 0% 1.0 心房細動 32% 25.3% 0.20 IABP 0.7% 1.3% 1.0 カテコラミン投与 12.0% 12.7% 0.86 ICU 滞在時間 22hr 22hr 0.97

(19)

参考文献 retrospective study 1

A comparison of short- and long-term outcomes after off-pump and on-pump coronary artery bypass graft surgery with sternotomy.

Racv MJ, et al.

J Am Coll Cariol 2004;43:557-564

方法 1997 年から 2000 年の間に、New York 州で off pump CABG を施行した 9,135 人とon pump CABG を施行した 59,044 人について、短期、中期成績(入院死亡率、合併 症、3 年死亡率、再血行再建率を調査した。

結果 リスク調整入院死亡率は、off pump2.02%、on pump 2.16%で有意差はなかっ た。

Off pump CABG は周術期脳梗塞率が低く(1.6% vs. 2.2%, p<0.001)、再手術を必要とする 出血が尐なかった(1.2% vs. 0.9%, p=0.003)。また Off pump CABG は消化管出血、穿孔、 梗塞率が高かった(1.6% vs. 2.2%, p=0.003)。

Off pump CABG は術後入院期間が尐ない(5 日 vs. 6 日, p<0.001)。

On pump CABG は 3 年生存率が高く、死亡または再血行再建率からの回避率が高かった。 ただし、調査の最後の2年間に手術を受けた患者に限定すると、中期死亡率の差は有でな くなった。 On-pump 群(n=59044) off-pump 群(9135) p 値 手術死亡 2.16% 2.02% 1.0 (adjusted) 脳梗塞 2.0% 1.6% 0.003 心筋梗塞 0.7% 0.9% 0.062 胸骨感染 1.0% 1.1% 0.176 敗血症 0.9% 0.9% 0.854 消化管出血、 0.9% 1.2% 0.003 穿孔、梗塞 腎不全(透析) 0.7% 0.7% 0.948 呼吸不全 4.1% 3.9% 0.198 結論 on pump CABG を受けた患者のほうが、中期生存率、再血行再建回避率が高 かった。しかし、on pump CABG による生存率の優位性は、調査期間の最後の 2 年に限定 すると消失した。

(20)

参考文献 retrospective analysis 2

Comparison of coronary bypass surgery with and without cardiopulmonary bypass in patients with multivessel disease.

Mack MJ, et al.

J Thorac Cardiovasc Surg 2004;127:167-173

方法 4 つの施設において行われた、過去 3 年間の冠状動脈バイパス術の結果を分析 した。

結果 off pump 7283 人(41.9%)、on pump 10118 人(58.1%)であった。 手術死亡は、off pump 1.9%、on pump 3.5%(p<0.001)あった。

対象症例のうち11548 人について propensity match を行った。 死亡率はoff pump のほうが低かった。(2.8% vs. 3.7%) 多変量解析で死亡率が高い患者背景は、女性(オッズ比 1.83)、脳梗塞の既往(オッズ比 1.74)、過去の冠状動脈バイパス手術(オッズ比 4.22)、人工心肺の使用(オッズ比 2.08)、最 近の心筋梗塞(オッズ比 2.31)。 Off pumpCABG は合併症を軽減し、輸血率(32.6% vs. 40.6%, p<0,001)、脳梗塞(1.4% vs. 2.1%, p=0.002)、腎不全(2.6% vs. 5.2%, p<0.001)、呼吸器合併症(4.1% vs. 9.5%)、再手術 (1.7% vs. 3.2%, p<0.001)、心房細動(21.1% vs. 24.99%, p<0.001)、消化管合併症(3.6% vs. 4.8%, p=0.02)を軽減した。

(21)

参考文献 retrospective analysis 3

Equivalent midterm outcomes after off-pump and on-pump coronary surgery. Sabik JF, et al.

J Thorac Cardiovasc Surg 2004;127:142-8

方法 1997 年から 2000 年の間に 481 人が off pump、3231 人が on pump CABG を 行った。Propensity matching を行ってそれぞれから 406 人を選び出し、比較検討を行っ た。

結果 on pump off pump p value 生存率 91.2% 87.5% 0.2 心筋梗塞回避率 95.7% 92.6% 0.7 PCI 回避率 95.5% 94.3% 0.9 再CABG 回避率 99.0% 98.1% 0.4 心事故回避率 82.9% 75.2% 0.14 (死亡、心筋梗塞、再血行再建)

結論 off pump と on pump の間で、中期成績は同等であった。Off pump のほうが バイパス本数は尐なかったが、4 年間の生存率の低下や心事故の発生の増加にはつながらな かった。

(22)

参考文献 retrospective analysis 4

Off-pump coronary artery bypass grafting decreases risk-adjusted mortality and morbidity.

Cleveland JC, et al.

Ann Thorac Surg 2001;72:1282-1289

方法 1998 年から 1999 年の間に off pump または on pump CABG を行った患者を 米国胸部外科学会(STS)のデータベースから抽出し、比較、検討を行った。

結果 調査期間中に126 の心臓外科施設で 118,140 の冠状動脈バイパス術が施行さ れた。Off pump は 11,717 例(9.9%)であった。

リスク調整手術死亡率はon pump 2.9%、off pump 2.3%であり、off pump CABG のほうが 低かった。

主要な合併症発生率も、on pump 14.15%、on pump 10.62%であり、off pump CABG の ほうが低かった。

結論 off pump CABG は死亡率、合併症ともに軽減した。正しく選別された患者に おいては、off pump CABG は on pump CABG より優れていることが証明された可能性が ある。

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