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智山學報 第58 - 006伊藤 尚徳「圓測の一乗観 : 『解深密経疏』における三乗と一乗の平等性」

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(1)

NII-Electronic Library Service

』 に

る 三

と 一

N工工一Eleotronlo  Llbrary  Servloe

 

 

 

圓測の一乗観 (伊 藤)

  唐 代 に 発 展 し た 中 国 唯 識

( 玄 奘 の 新 訳 唯 識 を 根 本 教 義 と す る グ ル ー プ 以 下 唯 識 学 派 ) と 他

( 特 に 涅 槃 ・ 天 台 ・ 華 厳 学 派 な ど ) と の

渉 に つ い て 、 一

思 想 を テ ー マ と し て 研

し て い る 。   玄 奘 が

え た

来 の 唯 識 思 想 に よ っ て 示 さ れ た 五 姓

別 の 思 想 は 、 成 仏 で き な い

生 を 認 め る 教

で あ り 、 『 法

』 や 『 涅

』 に 基 づ く 、

ら ゆ る

生 に 仏 性 を 認 め 、

も が

仏 で き る と い

当 時 の 一 般 的 な 認 識 と は

な る 見 解 が 示 さ れ た 。 こ れ に よ っ て 唯 識 学

と 他

の 間 で 無

情 の 是 非 に つ い て

論 が な さ れ た が 、 こ の 議

は 一 乗 思

に も 関

し て い る 。   玄 奘 以 前 、 そ れ ま で 中 国 に あ っ た 仏 教 思 想 は 、 初 め て

来 し て よ り 数 百

の 歴 史 の 中 で

細 に 吟

さ れ 、 中 国 の 文 化 や 思 想 の 影

分 に

け な が ら 発 展 し て き た 。   『 涅 槃 経 』 は 、 す べ て の

生 が 成 仏 で き る 可

し 、 修 行 の

果 と し て 必 ず

で き る と す る 一 切 衆 生

83

(2)

智 山学報 第五十八輯 仏

の 思 想 を 説 く

で あ る と 解 釈 さ れ 、 『 法 華

』 は 、 あ ら ゆ る 衆 生 を

済 す る

乗 経 典 の

た る も の と し て

け 入 れ ら れ 、 そ の 一 乗 思

乗 特

義 と し て

示 さ れ た 。   し か し 唯 識 学

で は 『 涅 槃

』 に

来 す る

ら ゆ る 衆 生 に 仏 性 が

わ っ て い る と い う 教 義 を 認 め

、 『

』 の 一

便 の

え と し て

釈 し 唯 識 教 理 の 拠 り

で あ る 『 解 深 密

』 や 『 摂

論 』 に 示 さ れ る 一 乗

こ そ が

で あ る と 主

す る 。 こ の 唯 識 の 一

義 は 現

と し て さ ま ざ ま に 区 別 さ れ る

生 を 認 め た 上 で

に は

の 、 菩

に は

薩 の そ れ ぞ れ に 相 応 し い 證

へ と 導 く た め に 開 示 さ れ た 教 え で あ る 。  

な わ ち 一 言 に 「 一 乗 」 と い っ て も 唯 識 学 派 と 他

派 で は 、 そ の 意

合 い や 位 置 づ

が 大 き く

違 し て お り 、 一

は 、 あ ら ゆ る

生 に 同

の 成 仏 が 期

さ れ る

え で あ り 、 ま た 一 方 は 、 一 分 の

生 の 不 成 仏 を

め な が ら

ら ゆ る

生 が

の 教 え に

し 、 包 摂 さ れ て い る と い う 教 え を 示 し て い る 。   こ の よ

な 唯 識

の 教 理 を 明 示 し た の は 玄 奘 の 直

で あ り 、 初

唯 識 学 派 に お い て 活 躍 し た

基 ( 六 三 ニ ー 六 八 一 ) に 依 る と こ ろ が 大 き い 。 基 は 唯 識 教 理 を

度 な 仏 教

と し て

系 化 し た 人

で あ り 、

し て 及 ぼ し た

力 も 少 な く な い 。 一 乗 義 に 関 し て も 唯 識

理 の 拠 り

で あ る 『 解

』 や 『

』 な ど の

に つ い て 、 五 姓 各 別 説 に 基 づ き な が ら 論 を

開 し て い る 。   基 の 思

は 初

識 学 派 の

理 を 理 解 す る 上 で

可 欠 で あ

代 に お い て も 基 の

書 が

奘 の 正 統 を

ぐ も の と し て 重 要 視 さ れ る 。 し か し 、 唯 識

派 の 中 に は 基 と 同 時

に 活 躍 し た

は 他 に も お

ら の 思

と 基 の 思 想 を 比

す る こ と で 、 は じ め て 初 期 唯

に お け る 基 本 的 な 思 想 傾

に つ い て 知 る こ と が で き 基 の 思

に つ い て も そ の 特 徴 と 、

響 力 に つ い て 考 察

る こ と が 可 能 と な る と い え よ

。  

識 学 派 の 諸 師 の 中 で 基 よ り も 先 輩 で あ り 、

高 く 法 相 の 教 理 を

述 し た 者 に

圓 測 ( 亠 ⊃ 三 ー 六 九 ⊥ ハ ) が い る 。 一

84

(3)

NII-Electronic Library Service  

測 の 思

は 、 玄 奘 よ

も 真

を 強 く

け て い る と

え ら れ た こ と や 、 法 相

二 祖 と さ れ る

沼 撰 『 成

論 了

』 の 中 で

と し て

き く

り 上

ら れ た こ と な ど ま た 、 い く つ か の 伝 記 に 誌 さ れ た 人 物

な ど か ら 、

的 な

に お い て 異

さ れ て き た 歴 史 が あ る 。   し か し 近 年 の

究 に よ り 、 圓 測 は や は り 玄 奘 の

響 を 強 く

け 、 五 姓

別 説 を 主 唱 し て い た こ と が 明 ら か に さ れ た 。 そ の こ と を

慮 し て 、 圓 測 が

と 同 じ 立 場 で 唯 識 教 理 を

い て い た と す る な ら ば 、 両

を 比

る こ と で 初

唯 識

に お け る 思

す る こ と が で き る と

え る 。 そ し て 一

義 に 関 し て 、 ど の よ

な 理 解 が

派 と の 争

と な る の か 、 こ の 時

が 一

め ら れ た の か を 知 る

が か り と な り

る で あ ろ

N工工一Eleotronlo  Llbrary  Servloe

圓測の 一乗観 (伊藤)

 

つ い

 

圓 測 の 思 想 は 、 伝 統 的 な

教 理

に お い て

さ れ 日 本 に お い て は 基 ・ 慧

・ 智

の い わ ゆ る 三

に よ る 正

と は 異 な る

と し て

さ れ て い た 歴

が あ る 。

 

圓 測 の

記 に は 、 以 下 の 四

類 が

げ ら れ る 。

 

 

 

遠 ( 入 五 七

1

? ウ

徳 圓 測

尚 諱 日

 

 

 

( 九 一 九 ー 一 〇 〇 二 ) 撰 『

僧 伝 』 (

師 西

 

 

 

( ?

1

一 一 一 五

1

? ) 撰 『

西 明 寺

徳 圓 測

利 塔 銘

序 』

 

 

 

矗 ( ?

1

一 二 八 五

1

? Ψ 撰 『 亠 ハ

僧 伝 』 ( 周 圓 測 )

 

特 に そ の 中 で も   『

伝 』 の 描 写 は 狡

な 学

と し て の 圓 測 像 を

え て い る こ と で 有

で あ る 。

 

   

 

  ( 1 )

 

  『 宋

伝 』 一

85

(4)

智山学報第五 十八 輯

 

 

慧 解 縱

。 三

慈 恩 基 師 。 講

翻 唯 識

。 測

守 門 者 隱 聽 。

則 緝

。 將 欲

講 。 測 於 西

 

 

鳴 鐘 召 衆 。 稱

唯 識 。

 

 

幼 き よ り 明

に し て 慧

縦 横 な り 。 三 藏

の た め に 新 翻 の 唯 識

を 講 ず 。

は 守 門 の 者 に

し て

 

 

し 、 歸 り て 則 ち 義

を 輯

す 。 ま さ に

を 罷 め ん と 欲 す る と き 測 は 西

寺 に お い て 鐘 を

を 召 し 、

 

 

唯 識 を

講 す 。

 

し か し

 

銘 』 に

え ら れ る も の に は 、

 

 

                                    ( 2 )

 

 

周 西 明

故 大

圓 測

師 仏

銘 并

 

 

雅 。 字 圓 測 。 親 羅 國 王 之 孫 也 。 三

出 家 。 十 五

業 。 初

常 辨 二

師 聴

。 天 聰

越 。 雖 数

言 。

 

 

一 歴 其

。 不

於 心 。

 

 

は 文 雅 。

は 圓 測 な り 。 親 羅 國 王 の

な り 。 三 歳 に し て 出 家 。 十 五 に し て

し 、

に 常 ・ 辨 の 二

 

 

に 聴

。 天 聰

越 に し て 、 数

萬 言 あ り と い え ど も 、 一 た び

を 歴 る の み に し て 、 心 に

れ ず 。

 

 

                              ( 3 )

 

と あ り 、

 

『 宋 高 僧

』 や   『 六 学

伝 』 よ り も 圓 測 の 生 涯 を

し く

き な が ら 、 高 徳 の

と し て の 圓 測 像 が

さ れ る の で あ る 。

 

』 に

れ ば 、

測 は

も 師

し た 『 摂 大 乗

』 の

家 で あ る 法 常 ( 五 七 六 − 六 四 五 ) や 僧 弁 ( 五 六 八 − 六 四 二 ) に つ い て 学 ん だ

、 玄 奘 門 下 に 入 り 『 瑜 伽 師 地

』 、 『 成 唯 識

』 に つ い て

び 、

を 翻 訳 し た 。 後 に 西

の 大 徳 と な っ て 『 成 唯 識 論 』 を 講 述 し た が 、 地 婆 訶 羅 ( 六 一 八 − 六 八 七 ) が 来

し た 際 に は 、 『 密

』 や 『 顕 識

』 等 の 訳 出 に 証

と し て あ た り 、

に 実 叉 難 陀 ( 六 五 ニ ー 七 一 〇 ) の 八 十

厳 の 訳 出 に

加 し 、 未 完 の ま ま 遷 化 し た と い

 

以 上 の

え ら れ る 圓 測 像 は 一 定 で な い が 、 仮 に 最 も

な 『

銘 』 の 記

っ て み て 訳 出

業 の

義 一 86 一

(5)

NII-Electronic Library Service の

に あ た る よ

な 高 僧 で あ る に も 関 わ ら ず 、 『

』 の よ

な エ ピ ソ ー ド が

え ら れ 、 異

と し て

わ れ る よ う に な っ た の は な ぜ で あ ろ

か 。

 

こ の こ と は 正

と さ れ る

よ り も

に 『 成 唯 識 論 』 を 講 じ た と さ れ る こ と や 、 圓 測 の 著 作 に 表 れ る 思 想 自

が 基 と 異 な る と い

こ と な ど が

え ら れ る 。 実 際 に 慧

が 『 成 唯 識 論 了 義 燈 』 の 中 で 、

の 学 説 を 引

し て 批 判 す る

所 は

い の で あ る が そ の

を 証 左 と し て 圓 測 は 真 諦

説 を 重

し た 人 物 と し て 認 識 さ れ て き た の で

る 。

 

に 、 圓

が 主 要 な

で 、

諦 説 を 頻 繁 に

用 す る こ と か ら 一 切 皆 成 仏 説 を 唱

し た と い う 誤 解 が

、 こ の た め に 五 姓

を 説 く 正

と 相 違 す る と さ れ て き た の で あ る が 、 近

村 邦

氏 や

昭 氏 の 研

に よ り 圓

の 学

立 場 が 再 検

さ れ 、 圓 測 が

諦 説 よ り も 玄 奘 の

説 を 自 ら の 基

的 立 場 と し て い る こ と や 、 一 切

成 仏

 

 

                                         

 

 

 

 

                                    ( 4 )

を 唱 え る の で は な く 五

別 を 明

に 主 張 し 、

の 唯 識 思 想 を

承 し て い る こ と が 明 ら か に さ れ た 。 圓 測 は

期 の

識 学

を 支

た 人 物 だ っ た の で あ る 。

在 、

奘 の

里 に 建 て ら れ た

院 に は 玄 奘

を 主 尊 と し て 脇

に 基 と 圓

が 配 さ れ て お

、 西

の 興 教

に は 、

塔 を 中

と し て 両 側 に 基 と 圓 測 の

が 並 立 し て お り 、 中 国 唯 識 学 派 に お け る 三 師 の 重 要 性 が

わ れ る 。 一

87

N工工一Eleotronlo  Llbrary  Servloe

圓測の 一乗観 (伊藤)

 

つ い

  現

残 っ て い る 圓 測 の 著

の 中 で

も 唯 識

理 を

細 に

し た も の と し て 『 解

経 疏 』 が あ る 。 『

』 そ の も の が

識 教 理 の

り 所 と さ れ る 六 経 十 一 論 の 最 た る も の で あ る と い う こ と と 、

者 で あ る 圓 測 の 唯 識

派 に お け る 立

す れ ば 『

』 は 単 な る 一

典 の

釈 と い う

え て 、 唯 識 教 理

の 基

的 な

徴 を

示 し て い る 書

の 一 つ で あ る と み る こ と が で き よ

(6)

智 山学報第五   さ て 、 『 解 深

』 を 構 成 す る 八 部 の

ち 「 無 自 性

品 」 中 に は

来 が 密

を も っ て 一

義 を

が 示 さ れ る 。 こ の 一 乗

く 前

と し て 三 無 性 説 が 説 か れ て お り 、 そ の 三 無 性 の

義 に 基 づ い て 一 乗

を 開 示

る の で あ る 。           ( 5 >     『 解 深

経 』     如 來

説 法 要 。 謂 相 無

性 性 。 及 勝

性 性 。 爲 欲

其 於 一 切 行

故 。 … … 乃 至 諸 聲 聞

有 情 。     亦

此 道 此

跡 故 。 證

無 上

隱 涅

獨 覺

情 。 諸 如 來

。 亦 由 此

。 説

無 上     安 隱

槃 。 一 切 聲

菩 薩 。

共 此 一

道 。

同 此 一 究 竟 清

。 更 無 第 二 。 我

。 密

言 唯 有 一     乘 。

於 一 切 有 情

中 。 無 有

種 性 。

鈍 根

中 根

。 或 利

。     如 來 は

の た め に

要 を

。 謂 わ く

自 性 性 。 及 び 勝

性 。 其 れ を し て 一 切

に お い て 能 く 正     し く 厭 わ し め ん と

す る た め の

に 。 … … 乃 至 、 諸 の

は 亦 此 の 道 、 此 の

跡 に

る が 故 に     無 上

隱 涅

を 證 得

。 諸 の 獨

種 性 の

、 諸 の

の 有

も 亦 此 の 道 、 此 の

跡 に 由 る

    上 安 隱

を 得 る と

く 。 一 切 の

聞 獨 覺 菩 薩 は

共 に 此 れ 一 妙 清

な り 。 皆 、 此 れ 一

を 同 じ く し     て 更 に

二 無 し 。 我 は 此 に

る が

に 、 密 意 に 唯 だ 一 乘 の み 有 り と

言 す る も 、 一 切 の

中 に お い て

種     の 有 情 の

い は 鈍

い は 中 根 性 、

い は 利

の 有 情 差 別

る こ と

き に あ ら

。   こ こ で 説 か れ て い る 一

に よ っ て 開 示 さ れ る 空 性 と い

在 り 方 に 立 っ て 声 聞

、 縁

の そ れ ぞ れ が

な る も の で は な い 「 一

浄 道 」 を 示 す も の で あ る 。 た だ し 、 こ こ で 説 か れ る 一

義 は す べ て の 衆 生 が 同

を 期 待 で き る と い

な 一 乗

と は

な る 。 こ こ で

来 は 密 意 を も っ て 一 乗 を 説 い て は い る が 、

情 界 と い う 現 実

の 場 面 で は あ ら ゆ る 機 根

別 が

す る こ と が 文 の 最

で 強 調 さ れ て い る 。   も ち ろ ん 一 乗

る 上 で は 機 根 差 別 が

提 と な る こ と は ど の 経 典 で も 同 様 で

る が 、 『 解 深

経 』 で は

仏 で き な い 衆 生 ( 一 向 趣 寂 聲 聞 ) に つ い て 言 及 し て お り そ の よ う な

で き な い

生 を

想 し な が ら 一 乗 一

88

(7)

NII-Electronic Library Service 圓測の 一乗観 (伊藤)

を 説 く と い

点 に 『

』 の 特 徴 が あ る 。 長 文 で は あ る が 、 こ の 本 文 に つ い て の 圓 測 の 注 釈 を み て み る 。                   ( 6 )     圓

『 解

』    

日 。 此 下 第 四

三 無

一 乘

於 中 有 三 。 初 約 聖 道

義 。 次

子 下 明 趣

聲 聞 定 不

佛 。

   

下 明 迴 向 聲

得 成

。 総 釋 意 云 。 第 一 段

姓 。

來 方 便 説 爲 一

。 就

正 理 具

三 乘 。

證 無

   

。 勝

意 亦 同 此

性 二

唯 證 二

。 必

伽 云 。 二

唯 證 二    

有 真 如

位 。

姓 廻

聞 必 當 成

。 是

便

説 。

。     理

果 。

依 此 説 。 方 便 説 三 。 就

爲 一 。 故

云 。 十

土 中 。 唯

乘 法 。 無 二 亦

三 。

    方 便

。 今 此 →

義 倶

深 密

最 了

如 別

) 就

分 爲 三 。 初 明 三

證     自

約 聖 道 方 便 説 一 。

明 理

差 別 。 此 即

一 。

以 無 性 妙 清 淨 道 。 證 無

    涅

界 。

。 名 之 爲 道 。 即 彼 聖

諸 聖 遊 履 。 亦 名 行

此 道 迹 。 離 諸 煩

。 證

常                  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          ( 其 疑 共 )     住 寂 滅 之

。 是

。 説 爲

穏 涅

。 … … 總 説

云 。 謂

皆 其 此 【 妙 無 性 道 。 即 説 此 道

究 竟

有 此 道 。     更 無 第 二 。

一 道 。 説

。 故

密 云 。 唯

一 清

道 。 更 無 第 二 。 而 不 別 説

竟 清 淨 。 唯

此 道 。 更

第     二 。

。 説 爲 一

。 故 深 密 云 。 唯 有 一 清

道 。 更

二 。 而 不 別 説 究

。 故

。 究

清 淨

妙 清 淨     道 也 。     釋 し て 曰 わ く 。 此 の 下 は

四 に 三 無 性 に 約 し て 一

を 辨

は 中 に 於 い て 三

り 。       初 め に 聖 道 に 約 し て 一 乘

を 辨

。      

の 「

男 子 」 の 下 は 趣

め て 成 佛 せ ざ る こ と を 明 か す 。      

の 「

迴 向 」 の 下 は 迴

め て 成 佛 を

る こ と を 明 か す 。     総 じ て

を 釋 し て 云 わ く 。 一

89

一 N工工一Eleotronlo  Llbrary  

(8)

智山学 報 第五 十八 輯

 

一 段 中 は 三

姓 に

す 。 如 來 は

便 し て 説 い て 一

と す 。

の 正 理 に 就 い て は 具 に 三 乘 あ

の   究

涅 槃 を

。 『

』 の

も 亦 こ の

に 同 じ く す 。

 

の 意 は

性 の 二 乘 は 唯 だ 二 乘 の

の み を 證 し 、 必 ず 後 時 に 成 佛

る こ と な し 。

に 『 瑜   伽 』 に 云 わ く 。 「 二

は 唯 だ 二 乘 の 無 餘 涅

の み を 證 す 。 唯 だ

如 清

法 界 の み あ り 。 」 と 。

 

三 段 の 位 は 不

種 姓 た る 廻

聲 聞 は

べ し 。 是

華 』

便 品 に 説 く 。 「 二

の 種 姓 は   理

に は

し て 成

果 を

る こ と を な

」 と 。 若 し こ の 説 に

ら ば

便

し て 三 を

く も

に 就 い て 一 と な す 。

に 『

華 』 に 云 わ く 。 「 十 方 佛 土 中 。 唯 だ 一 乘 法 の み あ り 。 二 も 無 く 亦 、 三 も 無 し 。 佛 の 方 便

を ば 除 く 。 」 と 。 『 法

』 と 『 勝 鬘 』 は

る 。 今 、 こ の 一

倶 有 な り 。

に 『

深 密 』 は 是 れ 最 了

な り ( 義 は 別 章 の 如 し ) 。   初 段 の 中 に つ い て

た 分 け て 三 と な す 。 初 め に 三

餘 涅

を 證 知 す る こ と を 明 か す 。

に 聖

に 約 し て 方 便 も て 一 を 説 く 。

に 理 實 の 三

差 別 を 明 か す 。 こ れ は 即 ち

一 な り 。 謂 わ

姓 は

、 無 性 妙 清 淨

を 以 っ て 無 餘 依 妙

槃 界 を 證

。 然 る に

の 聖 道 は

な る が

に 、 こ れ を 名 づ け て

と な す 。 即 ち

の 聖 道 は 諸 聖 の 遊 履 に し て 亦 、 行

と 名 つ く 。 こ の 道 迹 に よ

の 煩

・ 有

を 離 れ 常 住 寂 滅   の 樂 を 證 得 す る 。 こ の

に 説 い て 安 穏 涅

と な す 。 … …      

 

   

 

   

 

   

 

                    ( 其 疑 共 ) … … 總 じ て

を 説 い て 云 わ く 。

わ く 彼 の 三

、 其 れ 此 れ 一 妙

道 な り 。 即 ち こ の 道 を 説 い て

と 名 つ く 。 唯 だ こ の 道 の み

り て

に 第 二 無 し 。

に 一 道 に 約 し て 説 い て 一 乘 と な す 。 故 に 『 深

』 云 わ

。 唯 だ 一 清 淨

の み

り て 更 に

し と 。 而 も 別 し て

竟 清

を 説 か

に 知 ぬ 。 究 竟 清

は 即 ち

な   り ○ こ の 段 は

 

「 初 め に 聖

に 約 し て 一 乗

を 辨 ず る 」 に 相

す る 箇 所 で あ り 、

聞 ・ 縁 覚 ・ 菩 薩 の 三 つ の

姓 を

90

(9)

NII-Electronic Library Service 圓の一乗観 (伊藤)

と し て

が 一

義 を

い て い る 場 面 で あ る 。   た だ し 、 こ の と き 如

便 を も っ て 一 乗 を 開 示

る と さ れ て お り 、 三 種 姓 の 三

さ れ る と い

わ け で は な

、 「 初 明 三 乗

證 自 乗 無 餘 涅

」 と あ る よ

に 三

姓 の そ れ ぞ れ は

ら の 機

に 相 応 す る 涅

を 証 す る こ と が

か れ て い る 。   こ の

 

「 趣

め て 成 仏 せ ざ る こ と 」

 

聞 の

め て 成 仏 を

る こ と 」 が 明 か さ れ る

脈 と な っ て い る の で 、 前 三

を 通 じ て 、 三 乗 ・ 趣

聞 ・ 回

と い

そ れ ぞ れ の

に つ い て 一 乗

と 関 連 し て 成 仏 の 可 否 が

釈 さ れ る

開 と な っ て い る こ と が わ か る 。   こ こ で は

聲 聞 を

聞 と 縁 覚 の 二 乗 の う ち 、 涅

に 趣 く こ と だ け を 求 め て 、 利

を 顧 み な い 決

性 の 二 乗 に 相 当 さ せ る 。 回

聲 聞 に つ い て は 、 は じ め 小 乗 の

え で 学 び な が ら も 、

薩 に

仏 果 を

ら れ る と す る 不

で あ る と し て い る 。   こ の よ

な 解

三 乗 聲 縁 菩 ) ・ 趣

( 決 定 二 乗 ) ・ 回

( 不 定 種 姓 ) と い

に 、 一

す る と 五 姓

の 次

に 順 じ て

姓 の 成 仏 の 可

を 論 じ て い る よ

に 思 わ れ る が 、 圓 測 は 無

情 に つ い て は 言

し て い な い 。 圓 測 は

に お い て も

を 『

』 の 方 便 品 で 授 記 の

象 と な る 決

、 『 宝

』 に お け る 寂 滅

当 す       ( 7 ) る と 示 し 、 そ し て 「 一 向 趣

聞 は 本

慈 悲 の

姓 で あ る か ら 、 一

に 衆 生 を 利

す る こ と を 棄 背 す る 。 生 死 の

に お い て 極 め て

畏 す る こ と に よ り 、 た だ 涅

の 意

住 す る こ と あ

。 究

し て

提 に 趣 く こ と は で き な い 。 」 と い

決 定 二

に つ い て の

を 示 す だ け で あ る 。   も ち ろ ん 圓 測 は

に つ い て の 見 解 を も っ て い な い わ け で は な い 。 遁 倫 『 瑜 伽

記 』 の

で 、 圓 測 が 五 姓

別 説 を 主 張 す る 段 が

さ れ て い る 。                 ( 8 )     遁

伽 論 記 』 一

91

一 N工工一Eleotronlo  Llbrary  

(10)

智山学報第五十八輯

 

  測 云 。

一 切 衆 生

有 佛

證 。 謗

翻 經 論 非

正 説 。 此 即 不 可 。 所 以

地 持

 

 

無 種 姓 人 可 以 人 天 而 成

之 。 又 舊 大 莊

一 云 。 次 分 別 無

位 偈 日 。 一 向 行 悪

斷 諸

 

 

脱 分 。 少 善 亦 無 因 。 釋 日 。

般 涅

者 。

。 此 略

二 種 。 一 者

般 涅

。 二 者

 

 

。 時 邊

涅 槃 法

。 有 四 種 人 。 一 者 一

。 二

斷 諸 善

。 三

無 解

。 四

善 不

足 。 畢 竟

 

 

。 無 因

般 涅

性 。 此 謂

生 死 不 樂 涅

人 。 如 此

同 此

姓 。

獨 謗

翻 耶 。

 

 

測 云 わ く 。

る 人 は 『 涅

經 』 に 一 切 衆 生

性 あ り

と 説 く 文 證 に

っ て 、

翻 の

論 は 正 説 に 非 ず と 謗

 

 

る 。 此 れ は 即 ち 不 可 な り 。 所 以

何 。 舊 の 『

經 』 と 及 び 『 地 持

』 に

同 じ く 無

姓 人 は 人 天 を も っ て

 

 

こ れ を 成 熟 す べ し と

く 。 又 、

の 『 大

』 第 一 に 云 わ く 。 「

を 分 別 す る 。 偈 日 。 一

行 惡 行 。

 

 

普 斷 諸

分 。

無 因 。 」 と 。 釋 し て 曰 わ く 。

き 者 は 無 姓

な り 。

 

 

此 れ に

し て 二

あ り 。 一 に は

邊 般 浬

。 二 に は 畢 竟

般 涅

法 。 時 邊 般

法 の 者 は 四 種 の 人 あ り 。 一

 

 

に は 一

に 悪 行 を 行

る も の 。 二 に は

く 諸 の

法 を 斷

る も の 。 三 に は 解 脱 分 の 善

無 き も の 。 四 に は

 

 

具 足 せ

る も の 。

 

 

無 浬

と は

き が

れ 般 涅

性 無 し 。 此 れ は

だ 生 死 の み

め て

槃 を 樂 わ

る 人 と い

 

 

等 の

こ の 論 に 無

姓 を 説 く の と 同 じ く

。 何 ぞ 獨 り

翻 を

ら ん や 。

 

こ の よ う に 圓

を 認 め 新 訳 の 唯 識

を 信 奉

る 立 場 で あ る こ と を

明 し て い る が 、 『 解 深

疏 』

 

 

 

 

                                         

 

 

 

 

( 9 )

の 中 で は 無 性

情 に つ い て は 「

謂 於

有 三 乗 涅

」 と い

の み で 、 あ ま り

は し て お ら

に 述 べ た よ

に 一 乗

に つ い て

釈 す る

に お い て も 積 極 的 に

情 を

り 上 げ る と い

こ と は な い 。

 

氏 の

に よ れ ば 基 と 圓 測 の 比 較 し た 場

に 、 基 は 無

情 に つ い て

調 す る よ

な 態 度 が あ

圓 測 に は 不

姓 に 主 眼 を お き な が ら 五 姓

別 説 を 主 張 す る 態 度 が

認 で き る と い

こ と を

じ て い る 。

村 氏 は 圓 測 が 一

92

(11)

NII-Electronic Library Service 圓測の一乗観 (伊藤) 無

的 に 言

し な い 要

に つ い て 、 瑜 伽

派 に お け る

姓 説 の 発 展 過 程 と 、 圓 測 自

が 新 訳

識 を

ぶ 以

に 摂 論

で 学 ん で い た と い

点 か ら

さ れ て お

、 圓 測 の 関 心 は

よ り も 不

姓 を 立 て る こ と で 『 涅

経 』 な ど の 一 切

成 仏 説 の 論 拠 を 論

し て い く

け ら れ て い た と い

こ と を 論 じ ら れ て い る 。   ま た 、 圓

と は 対 照 的 に 基 が

情 を 強

調

る の は

二 乗 と 無

情 の 不

義 で あ り 、 こ の

自 の 教

立 し て い く た め に

情 の 不 成 仏 を 強 調 す る 姿 勢 を

り 上 げ た と い

を 示 さ れ て い る 。   し か し 、 基 が

有 情 の 存

を 強 調 す る

に つ い て い え ば 、 基 の 一 乗

と い

観 点 か ら

す る と 、 そ の 教 理 上 の 独

だ け で は な い 側 面 も

わ れ る 。   基 は 『

経 』 の 一 乗

り 上 げ て 、 不

姓 を

乗 に 摂 入 す る た め の 一

教 で あ る と し 、 そ し て 『

経 』 の 一 乗

姓 だ け で な く 決

姓 や

情 を も 対

と し て 開

さ れ た 一

義 を 具 え た

典 で あ る と し た 。   基 は 『

』 の 中 で 『

』 と 『 勝

』 の 一 乗 義 に つ い て 、 そ の 性

と 所

根 の

い に よ っ て 前 者 を 「 摂 入 」 と い

だ け を

え た

便 一 乗 と し 、

者 を 「

入 」 と 「 出 生 」 と い

を 具 え た

実 一

と し て

し て い る 。                     ( 11 )     基 『

』    

經 開 方 便 門 顯 眞

相 。 以 二 乘 爲 方

便

。 一

。 依 勝

經 。 若

意 欲 。 而

便

    二

。 此 意

入 大 。

一 乘 者 。

意 語 。

聞 故

是 方 便 説

。 非 爲

姓 不

別 。    

。 無

情 不 成

。 法 華 一

。 以 二 爲 方

便

。 一

。 勝 鬘 經

。 以 道 理

備 機

。     四

一 乘 是 方

便

他 意 語 。

違 。 又

一 乘 唯 依 攝 入 。 體 用

爲 方 便 説 。

。 出     生 .

入 。 二

備 。

。 又 法

依 。

便 。

一 乘 亦 談 無 姓

依 。

。 又 一

93

一 N工工一Eleotronlo  Llbrary  

(12)

智山学報第五    

華 唯 談 不

是 方 便 。 勝

亦 談

。 一 會 之 中 可 宜 聞

。    

る に 法 華

は 方 便 門 を 開 き て 眞 實 相 を 顯 す 。 二 乘 を 以 っ て 方

便

と な し 、 一 乘 を 眞 實 と

。 勝

經 に

れ ば 、    

し く は 如 來 彼 の 意 欲 に 隨 っ て 、 而 も 方

便

し て 唯 だ 有 一 乘 の み 有 り て 二

有 る こ と

し と 説 く 。 此 の 意 は 即     ち 二 乘 を 攝 し て 大 に 入 ら し め ん こ と を 顯 す 。 一 乘 を

く と は 、

語 な り 。 彼 は 宜 し く

く べ き が

に 亦 た     是 れ 方

便

し て 一 乘 有 り と 説 き 、

實 と

す に は 非 ず 。 決

種 姓 に は 記 別 を

け ず 。 唯 だ 一 の み に

ざ る が 故 に 。     無

は 成 佛 せ ざ る

に 。

一 會 は 不 定

に 對 す 。 二 を 以 っ て 方

便

と し 、 一 乘 を 眞

す 。 勝

中 に     は 道 理 を 以 っ て 周

し 、

に 不 定 有 り 。 四

を 實 と

す 。 故 に 一 乘 は 是 れ

便 説 に し て

意 語 な り と 説 く     も

た 相

せ ず 。     又

華 の 一 乘 は 唯 だ 攝 入 に 依 る の み 。 體 用 狹 き が 故 に

便 し て 説 く 。 勝

は 出 生 ・ 攝 入 の 二 を

周 備 す る 。     故 に 是 れ

實 な り 。 又 、 法 華 一 乘 は 唯 だ

性 の み 談 じ て 依 と な す 。

に 是 れ

便

な り 。 勝

一 乘 は 亦 た 無 姓 も     談 じ

と な す 。 故 に 是 れ 眞

な り 。 又 、

は 唯 だ 不

性 の み を 談

に 是 れ

便 な り 。 勝

は 亦 、 決

種     姓 を も 談 ず る 故 に

な り 。   こ う し た 基 の 一 乗 観 は 、 機

論 を 前

と し た も の で あ り 、

性 無 性 の 区

な く 、 五

の す べ て を

と し て 教 え が 開 か れ て い る と い う

義 に 主 眼 を 置 い た も の で あ る と い う こ と が 理 解 で き る 。 こ れ は す べ て の 衆 生 が 成 仏 で き る と す る 一 乗

と は 性 格 を 異 に す る も の で あ る が

姓 や

性 有

性 を 認 め た 上 で

る 一 乗

で あ る 以 上 、 基 が 無 性

情 を 強

調

す る と い

姿

に 傾 く こ と は

然 的 な こ と で あ ろ う 。   同

に 圓 測 が

性 有

に 積 極 的 に 言 及 し な い 理

に つ い て 、 圓 測 の 一 乗

と い

か ら 考

る な ら ば 、

な く と も 圓 測 は 基 の よ

な 全

姓 的 な 包 括

識 し た も の で は な く 、 三 乗 そ れ ぞ れ の

応 し い 證 果 に 対 す る 趣

を 一 乗 義 と

え て い る か ら で あ る と い え る 。 こ の 圓

の 一 乗

に つ い て 次

で 詳 し く

こ と に す る 。 一

94

(13)

NII-Electronic Library Service 圓測の一乗観 (伊藤 )

 

 

一 ・

一 ・

 

で 取 り あ げ た 『 解 深 密 経

』 の 中 で 、 圓 測 は 基 と 同 じ よ

に 『 勝

』 と 『

』 の 一 乗

を 取 り 上 げ て 、

を 「 方

便

し て 一 乗 を 説 き 、

に は 三 乗 を 説 く

」 と し 、

者 を 「

便

し て 三 乗 を

き 、 真

に は 】

を 説 く

」 と し て 、 「

一 義 に

る 。

此 の 一

有 な り 。

は 是 れ

了 義 な り 」 と い

に 、 ど ち ら の

格 も 相 互 に 補

し た 経

で あ る 『

経 』 を 最 了

置 づ け て い る 。 し か し 、 そ の よ う な

め て

似 し た 説 明 構 造 を 用 い な が ら も 、 そ の 解

か ら は 二 つ の

典 の

と な る

論 に ま で は 言 及 し て お ら

定 聲 聞 を 意 識 し て

い て い る

は う か が わ れ な い 。

 

は 『

疏 』 の 一

清 浄 道 を 解

に お い て 、

一 ・ 果 一 ・ 理 一 と い う 三 つ の

点 か ら 一

に つ い て の

を 述 べ て い る 。 こ の

ち 、 圓 測 が 『 法 華

』 と 『

』 の 二 つ の

典 を 相 互 に

完 す る

図 は 理 】 に 関

し て 考 え ら れ て い る こ と に 注 目 し た い 。

 

 

 

 

    ( 12 )

 

 

『 解

経 疏 』

 

 

云 。 一

三 種 。 一 。 道 一 故

一 。 二 。 果 一

一 。 三 。 理 一

一 。

依 此

其 二

道 即

 

 

一 。 究

即 是 果 一 。

此 二 一 。 更 無 第 二 。

意 説 唯 有 一 乘 。 而 不 同 下

中 約 理

一 乘 。

 

 

一 乘 者 。 唯 一 佛 乘 。

云 。

聞 縁 覺

乘 。 大

佛 乘 也 。 又 法

經 云 。 十 方

土 中 。 唯

一 乘

 

 

三 。 可 法 身 以 明 一

。 故

云 。

聞 法 身 。

記 。

 

 

云 わ く 。 一 に 自 ら 三

あ り と い

。 一 に は

一 な る が

に 一 と 名 つ く 。 二 に は 果 一 な る が 故 に 一 と

つ く 。

 

 

三 に は 理 一 な る が 故 に 一 と

つ く 。

こ の 文 に

れ ば

れ 二

あ り 。

は 即 ち

れ 道 一 な

95

一 N工工一Eleotronlo  Llbrary  

(14)

智 山学 報第五十八輯     は 即 ち 是 れ 果 一 な り 。 此 の 二 の 一 に

り て 更 に

し 。

に 深 密 の 意 を 説 け ば 、 唯 だ 一

の み 有 り と い い 、     而 し て 下 の

四 巻 中 の 理 に

し て 無 別 な る が

に 一 乘 を 説 く と は 同 じ か ら ず 。 故 に 勝

經 に 云 わ く 。 「 聲 聞 縁     覺 皆 入 大 乘 。 大 乘 即 佛 乘 也 。 」 又 法 華 經 に 云 わ く 。 「 十

佛 土 中 。 唯 有 】

法 。

無 二 無 三 」 。 或 い は 法

を     以 っ て 一 乘 を 明 か す べ し 。 故 に 法

に 云 わ く 。 「 以 如 來 法

異 。

與 授 記 。 」 と 。  

な わ ち 『 解 深 密 経 』 の 一 乗

は 、 三

姓 が そ れ ぞ れ 證 果 に 至 る ま で の 道 筋 が 一 つ で あ る と い

道 一 。 こ れ に つ い て は そ れ ぞ れ に 開 示 さ れ る 仏 の 教 え の 平 等 性 で あ ろ

え ら れ る が 、 具 体 的 に は 三 無 性

の こ と で あ る 。   そ し て 證 果 の 同 一 性 を 説 い た 果 一 は 、 三 種 姓 そ れ ぞ れ が 至 る

地 は 別 で あ り な が ら も 、 究 極

値 と し て は 同 じ で あ る と い う 意

と し て 理

で き る 。   理 一 に つ い て は 、 こ の 一

釈 に は 用 い ら れ な い が 、 こ れ を 説 明 す る も の と し て は 、 『

』 の 「 聲

大 乗 に 入 る 。

乗 即 ち 仏 乗 な り 」 、 『

』 の 「 十

仏 土 中 に 唯 だ 一 乗 の 法 の み 有 り 。 二 も 無 く

三 も

し 。 」 と い

一 乗

の 証 文 が

げ ら れ て お り 、 ま た 、 「

を 以 っ て 一

を 明 か す こ と 可 な り 」 と し て 『 法

』 の 「 如 来

聞 法 身 は

異 な る こ と 無 き を 以 っ て の

を 与 ふ 。 」 と い

げ て い る 。  

測 は 『 勝

』 と 『

』 に 関 し て 、 前 述 の と お り そ れ ぞ れ 「

便 し て 一

を 説 き 、

に は 三 乗 を

」 と し 、

を 「 方

便

し て 三

を 説 き 、 真

に は 一 乗 を 説 く

典 」 と す る が 、 理 の 同 一 と い

で 両 者 の 一 乗

を 挙 げ る こ と は 、 圓 測 が 三

と 一 乗 が

質 的 に 同 一 で あ る こ と を 示 し て い る と 理

で き る 。 こ こ で 理 の 同 一 と は

と 聲

に つ い て の

等 を 示 す こ と で

強 さ れ て い る よ

に 、

と い う

如 の 境 界 に お け る 平

り 、 こ の 論 拠 も や は り 空 性 や 三

道 を 前 提 と し た 上 で

立 す る も の で あ る 。 一

96

(15)

NII-Electronic Library Service 圓測の一乗観 (伊藤)            

 

 

の 理 一 に 関 連 し て 、 圓 測 は 一 乗 と 三 乗 の

一 を 示 す が 、 こ の 主 張 を

け る よ う に 、 『 涅

』 を 例 示 し 、

諦 な ど の

師 が 示 し た 一 切 衆 生

仏 性 の 思 想 と 、 證 果 は 一 つ で あ

な が ら

な 場 面 で

生 の

の 区 別 が

す る と い

異 な る 二 つ の

を 理 行 二

に よ っ て 会 通 解 釈 を

し て い る 。             ( 13 >     『 解

密 経

』    

此 一

。 譯

一 。 意 趣 深 遠 。 是

競 興 諍

。 一

一 類 諸

。 依

華 等

經 及 論 皆

此 説 。     一 切 衆 生 皆

性 故 。

云 二 十 五

不 耶 。

。 善 男 子 。 我 者 即 是 如 來 藏 義 。 一 切 衆 生

佛    

即 是 我 義 。 又 第 二 十 五 云 。 衆 生 佛 性 不 一 不

。 諸 佛 平 等 猶

虚 空 。 一

生 同

( 此 説 理

) 又 第 二 十 七     云 。 師 子 吼

決 定 説 一

生 悉

。 又 云 。

人 。

有 乳 酪 。

人 間 言 。 汝

蘇 耶 。 答 言 我

   

。 以 巧

便

。 定 當

蘇 。

。 悉

。 凡 有 心 者 。

成 阿

羅 三 藐 三 菩 提 。 以 是    

。 我

説 一 切 衆 生

性 ( 此 説 行

) 又 三

三 云 一 切

生 同

佛 性 。

同 一

。 同 一 解

。 一 因 一 果 。 同     一 甘 露 。 一 切

常 楽

。 是

一 味 ( 通

行 )    

る に 此 の 一

の 聖 教

者 一 に

遠 な り 。 是

に 新

っ て

論 を 興 す 。 一 に

の 一    

諸 師 は 『

と 及 び 論 に

り て

此 の

を 作 す 。 一 切 衆 生 は

佛 性

る が 故 に 。     『 涅

』 第 七 巻 に 云 わ く 。     「 二

不 耶 。

言 。

子 。

者 即

來 藏

。 一 切 衆 生 悉

性 即

。 」     又 第 二 十 五 に 云 わ

。 「 衆 生 佛

不 一 不 異 。

佛 平 等 猶

虚 空 。 一 切 衆 生 同

之 。 」 ( 此 れ 理 性 を 説 く ) 一

97

一 N工工一Eleotronlo  Llbrary  

(16)

智 山学 報第五     又

二 十 七 に 云 わ く 。 「 師 子 吼

衆 生 悉

性 。 」     又 云 わ く 。 「

如 有 人 。

。 有 人 間 言 。

蘇 耶 。

非 蘇 。 以 巧 方 便 。

當 得

   

。 衆 生 亦

皆 有 心 。 凡

心 者 。

得 成 阿 耨

羅 三

三 菩 提 。 以 是

。 我

説 一

衆 生

性 」 ( 此     れ 行 性 を 説 く )     又 三 十 三 に 云 わ く 。 「 一 切 衆 生 同

同 一 乘 。 同 一 解 脱 。 一 因 一 果 。 同 一

露 。 一

常 楽

浄 。

   

一 味 。 」 ( 通 じ て 理 行 を 説 く )   こ こ で 圓 測 は 『 涅

経 』 の 仏 性 に 関 す る 諸 説 に つ い て 、 理

に よ っ て

釈 す る も の と 、

性 に よ っ て 解

す る

の と 、 そ れ ぞ れ 限 定 的 な 解 釈 を 用 い て 分

る こ と を 明 か し て い る 。 理

二 仏

説 は 、 仏

を 理 仏 性 と 行 仏

け 、 理 仏 性 は す べ て の 衆 生 が 本 来 的 に 具

る 仏 性 と い う 意

で 用 い ら れ 、

説 に 矛 盾 し な い 考 え 方 で あ る 。 し か し 、 行 仏 性 の 有 無 は 衆 生 の 機 根 に よ っ て 区 別 さ れ る た め 、 理 仏 性 が あ る か ら と い っ て 、 行 仏 性 の 無 い も の は

仏 す る こ と は で き な い 。 一 切

成 仏 説 は

仏 性 の 無 い 者 に は

で き な い こ と に な る 。                  

 

  〔 14V   理

二 仏 性 説 は 基 の 著

に も 見 ら れ 、

識 学 派 で は 悉

仏 性 一 切

成 説 を 会 通 す る 理 論 と し て 定

し て い た と

                 

 

 

 

 

                                          ( 15 ) え ら れ て い る 。 理 行 二 仏 性 説 の 由 来 と

に つ い て

村 誠 氏 の

細 な 研 究 が あ る 。

村 氏 に よ れ ば

二 仏

説 は イ ン ド 瑜 伽 行

に 由 来 す る も の で は な

、 中 国 の 地 論 学 派 の 仏

説 か ら

展 し た も の で 、 仏 性 を め ぐ る 議 論 の 中 で 変

し て き た も の で あ り 、 唯 識 学 派 で は こ の

え 方 に 基 づ い て 『 浬 槃 経 』 や 『 法

』 の 経 文 を 限

的 に 解

し 、 悉

説 と 一 切 皆 成 仏 説 の 思 想 的 連

の 解 体 を 試 み た と 述 べ ら れ て い る 。  

な く と も 圓 測 に つ い て い え ば 、 ま さ し く こ の 理 行 二 仏 性 説 に よ っ て 、 一 切

成 説 に 限

的 な 解

を 施

L

て い る と い

る 。 し か し 、 こ こ で 『 解 深 密 経

』 の 理 一 の 観 点 と 照 ら し

わ せ て み る と 、 圓 測 の

張 は 理

の 偏

に よ っ て 】

と 三 乗 の 同 質 を 主 張 す る こ と に

け ら れ て い る よ う に も

け ら れ る 。 さ ら に 圓 測 は 次 の よ う に 述 べ る 。 一

98

参照

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