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道徳科における長期的評価の在り方 ―OPP シートを蓄積したポートフォリオでの検討会の試み―

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(1)

はじめに

 本研究の目的は、道徳科における長期的評価 の在り方について検討することである。具体的 には、

OPPA

One Page Portfolio Assessment

一枚ポートフォリオ評価法)1で用いる

OPP

ートと呼ばれる一枚の用紙を蓄積したポートフ ォリオを用い、対話を行いながら学びを振り返 る「検討会(

conference

)」実践に基づいて検 討する。  道徳科の評価について小学校学習指導要領で は、児童の学習状況や道徳性に係る成長の様子 を継続的に把握し指導の改善に生かすことが求 められている2。教育現場においては、道徳科 の指導要録や通知表に関わる評価が求められ 「個々の内容項目ごとではなく、大くくりなま とまりを踏まえた評価」3をどう実現するかが問 われている。「大くくりなまとまりを踏まえた 評価」については、内容項目ごとの評価ではな く、学期や学年といった一定のまとまりの中で 継続的に行われる評価とされているため、本稿 ではこれを長期的評価と捉えることとする。ま た、長期的な学びの文脈の中で、多くの情報源 から多様な方法を用い、情報を集積する「ポー トフォリオ評価法」4や「一枚ポートフォリオ評 価法」に着目する。   しかしながら学校現場では、評価方法に関っ て評価資料の蓄積方法5についての課題や、そ れらを活かした学習の在り方をいかに工夫し形 骸化を防ぐかという課題がある6。さらに道徳 授業は、単位時間で完結する授業が多く、長期 的評価につながりにくいという課題が考えられ る。こうした中、田中耕治が、道徳科にふさわ しい評価方法としてポートフォリオ評価法を取 上げ、子ども達の話合いを積極的に促し、自ら の考えの変容や成長を捉える「検討会」の重要 性と道徳評価の実践的工夫の必要性を指摘して いる7。   上記より、道徳科における実践的なポートフ ォリオ評価の在り方は、未だ提案の途上にある といえる。考察は、次のような手順で進めるこ ととする。第一に、真正の評価論を理論的基盤

道徳科における長期的評価の在り方

―OPP シートを蓄積したポートフォリオでの検討会の試み―

萩野奈幹

【要 旨】  本 稿の目的は、道徳科における長期的評 価の在り方について検討することである。具体的には、

OPPA(One Page Portfolio Assessment:一枚ポートフォリオ評価法)で用いるOPPシートと呼ばれ

る一枚の用紙を蓄積したポートフォリオを活かし学びを振り返る「検討会」を基に検討する。そのため、 1.真正の評価論を理論的基盤とするポートフォリオ評価法に関る検討会の在り方を整理した上で、2 . 徳授業でのポートフォリオ評価の課題克服に向け、児童が振り返りを行いやすい仕組みを組み込んだ OPPシートを蓄積したポートフォリオ評価を提示し、3 .初等教育での実践を通して指導の要点を考察し 長期的評価の在り方を検討する。結果、短期・長期的な視点から学習改善を図り、児童の成長を見通し、 それを前提にカリキュラムを組むことの必要性が導出された。また、児童が多面的に振り返り、自己の 成長に気づけるようなワークシートや教科書に対応した道徳ノートの開発への示唆を与えるであろう。 キーワード:OPPA、検討会、長期的評価 研 究 論 文

(2)

とするポートフォリオ評価法において、子ども 自身が学びを振り返る場としての検討会がどの ように設定されているのかについて整理する。 第二に、主に道徳授業でのポートフォリオ評価 の特質と課題を整理し、一枚ポートフォリオ評 価法において、振り返りを行いやすい仕組みが いかに組み込まれているかを示す。第三に、児 童の振り返りを一層実質化するための学習改善 の具体化に向け、長期的評価の在り方について 初等教育での実践に基づいて考察する。

1.‌‌

「真正の評価」論を基盤とす

るポートフォリオ評価

 本稿では、「真正の評価(

authentic assessment

)」 論を基盤とするポートフォリオ評価に着目する。 真正の評価論は、

1980

年代後半アメリカにお いて学校の説明責任が求められる中、標準テス トが真に学力を保障するものであるのかという 批判から生じた8。真正の評価論とは、パフォ ーマンス評価やポートフォリオ評価の背景にあ るものである。  田中耕治は、真正の評価論では、次のメルク マールを満たすことが大切であるという9。そ れは、①評価の文脈が「真正性」を持っている こと、②構成主義的な学習観を前提としている こと、③評価は学習の結果だけでなくプロセス を重視すること、④学習した成果を評価する方 法を開発し、さらには子どもたちも評価方法の 選択ができること、⑤評価は自己評価を促すも のであること、⑥評価は教師と子どもとの、さ らには保護者や地域住民も含む参加と共同の実 践であることの

6

つである。田中によれば「真 正性」とは、主に教科教育の文脈で評価の課題 や活動がリアルなものであることや、子どもた ちにとって親密なものであり、安易に解決でき るものではないものである。この点で、道徳科 においては、学習成果を捉えることの難しさか ら、教科教育と同じ文脈で真正性を捉えること は難しい。道徳科においては、メルクマールの ③評価のプロセスを重視することや、⑤自己評 価を促すものであることにあるように、自己を 見つめ、自己との関わりでよりよい生き方につ いて考えを深めるプロセスを重視することが重 要であると考えられる。  こうした点を満たす評価法の一つとしてポー トフォリオ評価法がある。西岡加名恵によれば、 教育におけるポートフォリオ評価法とは、「ポ ートフォリオづくりを通して、子どもの学習に 対する自己評価を促すとともに、教師も子ども の学習活動と自らの教育活動を評価するアプロ ーチ」10であると定義されている。ポートフォ リオづくりでは、日常的に資料を蓄積する「ワ ーキング・ポートフォリオ」から、残すべき資 料や作品を考えながら並び替えや取捨選択を行 い「パーマネント・ポートフォリオ」を作成す る機会が重視されている11。西岡は、ポートフ ォリオ評価の特徴について、テストのような量 的評価ではなく、学習プロセスにおいて評価対 象となる力がついているかどうかを重視する質 的評価であるという。また、学力評価の文脈で 発展してきたポートフォリオ評価が、「幅広く教 育を評価する方法として位置づけられる可能性 もある」12と指摘する。さらにポートフォリオ 評価法の原則の一つに、児童が作成したポート フォリオについて、児童同士や保護者・教師と 対話する「検討会」の場をもつことが重視され る。検討会は、「必ずしもきちんとした「会」で なくてもよく、紙面上での対話や机間指導での 対話、一斉指導も検討会となりえ」るという13 その目的は、児童と教師がポートフォリオを基 に、学習を振り返り到達点を確認するとともに、 その後の目標を設定することであるとされてい る。西岡の主張を踏まえ、主に学力を評価する 方法として展開されてきたポートフォリオ評価 が、数値などによる評価を行わない道徳科の評

(3)

価において、いかに活用されるのかが課題とな ろう。

2.‌道徳授業に係るポートフォ

リオ評価の先行研究

 ここでは、道徳授業でのポートフォリオ評価 実践を概観し、よさと課題を見ていこう。

(1)‌‌道徳授業に係るポートフォリオの

実践的な活用法

 松元直史ら14が、評価物を蓄積するために道 徳ノートと振り返りシート、教材をファイルに 綴ったものをポートフォリオとし記述式個人内 評価に活かしている。学期末に振り返りシート への記述を行い、ポートフォリオを活かしなが ら生徒と教師が共同でこれまでの授業を振り返 る。これは、主に紙面上や机間指導での対話を 行う検討会と捉えられよう。松元らの研究は、 ポートフォリオを基に、主に記述式個人内評価 の作成に係る考察を行っており、一斉指導で行 う振り返り学習に関する具体的な考察の余地が あろう。  総合単元的道徳学習を提唱する押谷由夫15が、 日常生活とつなげようとする取組として、「総 合的(総合単元的)道徳学習用ノート」を一種 のポートフォリオとして推奨している。押谷は、 学習記録を蓄積するだけでなく関連する学習活 動において感じ考えたことを自由に記述できる ような活用法を提案している。  松元ら、押谷の先行研究より、道徳授業にお けるポートフォリオ評価には、次の二つの良さ があるといえる。一つめは、教師が日常の道徳 授業での短期的な視点で学習状況を捉えた蓄積 を基に、長期的な視点での道徳性に係る成長の 様子の把握へ結びつけることが可能になること である。二つめは、道徳授業での学びについて、 児童が振り返りの視点を基にしながら、自己を 見つめる際のツールになることである。そのた めポートフォリオには、振り返りシート等が蓄 積されるといった活用が見られる。こうしてワ ークシート等に従い記述する児童は、教師側か らすれば一見主体的に学んでいるように見え る。しかしながら、一方的に教師が、ワークシ ート上で振り返り学習を児童に任せたり、記述 した感想を出し合わせたりするだけでは、とも すると学習活動の形骸化を招くことが考えられ る。また、評価場面が学校教育全体へと拡がる ことにより、ポートフォリオの情報量が多くな れば、評価対象や学習課題が不明瞭になり振り 返り学習がスムーズに進まないという課題が考 えられる。先行研究でみられたような良さを活 かせず、例えば、評価物を評価のためのエビデ ンスとして集積することが目的と化すれば、ワ ークシートや道徳ノートの空欄を埋めることに 追われ、児童や教師相互の負担が増すという懸 念も考えられる。加えて教師が、ポートフォリ オをどのように指導に活かすのか、また、児童 が具体的に何を学び成長したのかについて捉え にくさが生じてこよう。それゆえ児童や教師が、 評価活動における負担を減じながらポートフォ リオを基に、成長や学びの深まりを話合い、そ れを共有し一人一人のよさや次への学びを促す ような学習活動をいかに図るかが問われるべき 実質的な課題であると考えられる。  上記の課題に関しては、荒木寿友16の指摘に 注目したい。荒木は、

L

・コールバーグの道徳 教育理論に基づき、ジャスト・コミュニティの カリキュラムに、個人の道徳性発達検査や集団 の道徳的雰囲気の測定に係る評価に加え、ポ ートフォリオを用いた検討会を位置づけてい る。ポートフォリオの記述を基に学びを振り返 り、教師と生徒との話合いによって自己の発達 や変化を認識し、共同で自己目標を決めるとい う。対話を活かした検討会は、ポートフォリオ

(4)

評価を指導に活かし、新たな目標を設定し次へ の学びに向け

PDCA

サイクルを循環させると いう点で示唆を得る。実践は、ニューヨークの スカースデール・オルタナティブスクールにお いて、

15

名程度の学級で生徒と教師が一対一 で検討会を実施している。日本の学級規模で一 対一の検討会を行うとなれば時間確保の問題や、 他の生徒の多様な意見や価値観と向き合い話合 うという機会が必ずしも保障されない。また、 日本での道徳科における一斉指導で対話を行う 検討会の具体的な実践研究は見られない。

(2)‌‌道徳授業におけるOPPAの先行研

 前節にみたポートフォリオ評価に拠り、堀哲 夫が

OPPA

(一枚ポートフォリオ評価法)を提 唱し実践も行われてきている。

OPPA

とは「教 師のねらいとする授業の成果を、学習者が一枚 の用紙(

OPP

シート)の中に授業前・中・後 の学習履歴として記録し、その全体を学習者に 自己評価させる」17という評価方法である。堀は、 通常のポートフォリオ評価について

3

つの課題 を指摘している18。それは、①学習者の既有の 知識や考えが明確になっていないままに学習活 動が行われていること、②蓄積した情報量が多 すぎ適切な情報の選択が難しいこと、③学習の 成果が不明確になりがちであることである。こ うした課題の克服に向け、堀は、学習状況を可 能な限り的確に捉え、振り返りを行いやすくし

OPP

シートによる点数化や順位づけは行わな いことを主張している。一般的な

OPP

シート の記入欄は、主に

4

つの内容から構成されてい る。

1

つめは、学習者が学習後に記入すること もある単元名タイトル欄である。

2

つめは、単 元を貫く本質的な問いに対する記述欄で、学習 者と教師が単元全体での変容や学びを把握する ために学習前後に同一の形で設定されている。

3

つめは、主に毎時間の授業後に記述する学習 履歴欄である。この欄は、一種のパフォーマン ス課題として授業で一番大切なことを記述させ 学習状況を把握する欄とし、最小限の情報を最 大限に活用できるという。

4

つめは、自己評価 の記入欄である。前後の本質的な問いに対する 記述を比較し、改めてどう考えたかを記入する ことからメタ認知の育成や、学ぶ意味を見出す ために用いられる。堀は、道徳授業において「一 学期単位ぐらいで書かせるシートを作成したほ うがよい」19とし、学期内での内容に関連性を もたせた授業を最終的に行うことにより、自己 の変容に気付き、道徳を学ぶ意味が深まるとい う。  

OPP

シートについては中国・堀20が、複数 の内容項目を扱い

3

時間の道徳単元授業を実施 し、

OPP

シートにまとめた学びを基に、成長 を実感させる活動を見取る評価の試みが為され ている。教師は、単元や学期単位で

OPP

シー トを作成しポートフォリオ評価を行っていくこ とで、短期・長期的な視点から情報を集積する ことができ、学習者は学習過程や自己の変容を 構造的に捉え成長を実感できるだろう。  したがって本研究では、西岡のポートフォリ オ評価の特質を基底に、堀らの道徳授業におけ

OPPA

に学びながら「

OPP

シートを蓄積し たポートフォリオ評価」(以下、「

OPP

シートポ ートフォリオ評価」と略記)を実施する。また、 学習履歴の蓄積を基に、自己の学びや成長の様 子を構造的に捉え、新たなめあてや課題を見出 すために、検討会の実施が重要であると考えら れる。本研究では、

OPP

シートポートフォリ オ検討会を級友や教師との対話を行う一斉指導 の形で実施し、長期的評価の視点から学習改善 の在り方を模索する。  実践では、「ねらいに縛られ窮屈な道徳科の 授業を行うことに陥れば、児童の本音や豊かな 学びを引き出すことは難しく見とりにくさが生

(5)

じ」21ることを防ぐため、理解度を測る厳密な 評価基準等の設定は行わない。道徳科の評価に ついて学習指導要領解説等では、「児童の学習 活動に着目して評価を行う」22ことが重視され ている。それを基に筆者は、道徳科の目標に掲 げる学習活動の具体的な取組状況を把握するた めには、目標と直結するねらいに即した児童の 学習活動に着目して評価を行うことが重要であ ると考える。ただし、ねらいに即していないよ うに思われても、学習活動全体を通して、その 子らしさや成長を受け止め励ますことが教育的 意味をもつと考える。そのためには、ねらいに 即した学習活動に着目した評価が、個人内評価 に照らし出されるような評価の文脈が重要であ る。こうした評価プロセスが、自己を見つめ、 自己のよりよい生き方について考えを深め、児 童のよさや主体性が発揮されるような学習改善 につながり、学習事実に即した長期的評価の充 実に向け意味あることと考える。

3.‌‌OPPシートを蓄積したポー

トフォリオ評価実践‌

―検討会に着目して―

 本章では、小学校

3

学年(児童数:

30

人)を 対象に

OPP

シートポートフォリオ評価(平成

30

1

10

日~平成

30

3

13

日)の具体を えがく。道徳授業や検討会は筆者が実践を行っ た。

1

2

学期は、

OPP

シートポートフォリオ を作成しながら日々の道徳授業を行い検討会に 取組む導入期であった。それを経て、児童がシ ート作りや検討会の目的を分かり、検討会の学 びに主体的に向かおうとする様子が見られるよ うになった

3

学期に着目する。

(1)‌‌OPPシートを蓄積したポートフォ

リオの構成内容と進め方

 本実践で用いる

OPP

シートポートフォリオ (図

1

)と構成内容を以下に示す(丸番号は構 成内容に対応)。構成内容は、①単元名タイト ル「

3

年生 道徳ワークシート」、②学習前・ ③学習 履歴n 学習 履歴n′ 3年生 道徳ワークシート 1月~3月 【3月 日】1 月と 3 月の書いた内容を比べて、道徳の授業はどのような時間でしたか(理由) も) 名前: 心に残っている道徳のお話しの題名 とその理由を書いてみよう。(3月) お家の人からのコメント どんな心を大切にしていますか(理由も)。 先生からの どんな心を大切にしていきたいですか (理由も)。 ②本質的な問い(学習前) ①単元名タイトル ④学習内容全体の自己評価 ⑤印象に残った教材とその理由 ⑥他者評価 ②′本質的な問い(学習後) コメント 理由 理由 月   日【       】 主人公の気持ちになって考えることができましたか。 ◎ ○ △ 心の中で思ったこと,考えたことを発表できましたか。◎ ○ △ 友だちの考えを聞いて考えがふかまりましたか。   ◎ ○ △ 月   日【       】 主人公の気持ちになって考えることができましたか。 ◎ ○ △ 心の中で思ったこと,考えたことを発表できましたか。◎ ○ △ 友だちの考えを聞いて考えがふかまりましたか。   ◎ ○ △ 月   日【       】 主人公の気持ちになって考えることができましたか。 ◎ ○ △ 心の中で思ったこと,考えたことを発表できましたか。◎ ○ △ 友だちの考えを聞いて考えがふかまりましたか。   ◎ ○ △ 月   日【       】 主人公の気持ちになって考えることができましたか。 ◎ ○ △ 心の中で思ったこと,考えたことを発表できましたか。◎ ○ △ 友だちの考えを聞いて考えがふかまりましたか。   ◎ ○ △ 月   日【       】 主人公の気持ちになって考えることができましたか。 ◎ ○ △ 心の中で思ったこと,考えたことを発表できましたか。◎ ○ △ 友だちの考えを聞いて考えがふかまりましたか。   ◎ ○ △ 月   日【       】 主人公の気持ちになって考えることができましたか。 ◎ ○ △ 心の中で思ったこと,考えたことを発表できましたか。◎ ○ △ 友だちの考えを聞いて考えがふかまりましたか。   ◎ ○ △ 図1:OPPシートポートフォリオ

(6)

後の本質的な問い、③学習履歴、④自己評価

4

つに、新たに⑤印象に残った教材とその理 由、⑥他者評価を加えた

6

つである。児童には、

OPP

シートポートフォリオを作成するにあた り道徳授業での学びの足跡を基に、自分の心を 見つめ、成長に気付き、よりよい生き方に向か うための心のシートであることを説明した。  ②学習前・後の本質的な問いについては、今 回は暫定的に学期始めは、「あなたは、どんな 心を大切にしていますか」、学期末は②′「あな たは、どんな心を大切にしていきたいですか」 と学びをつなげるよう語尾を変えて設定した。

G.

ウィギンズらは、本質的な問いの条件に「私 たちの人生を通して何度も起こる重要な問い」、 「学問における核となる観念と探究」23等の含意 があるという。また、「理解とは転移に関する ことである」24と教科教育の文脈で主張してい る。道徳科では目標を踏まえ、道徳的諸価値を 基に、多面的・多角的に考え、自己を見つめ、 自己の生き方について考えを深める学習が重視 される。理解は転移を可能にするというウィギ ンズの主張を踏まえ、道徳科の目標に照らした 道徳的価値の学習を、自分自身が大切にしてい きたい生き方につながるような重要な問いを暫 定的に本質的な問いとして仮定する。子ども達 は、多様な価値観が存在する中で生きている。 指導者が、教科教育のように、道徳的価値を普 遍的なものとして捉えれば、問題解決のための スキルや道徳的価値を絶対的なものとして教授 する直線的な指導に陥る危険性が考えられる。 こうした点から、道徳科における本質的な問い については、今後さらに検討を要する。③学習 履歴は、授業の終末に「今日の道徳授業で一番 感じ考えたことを記述しよう」と毎時同一の問 いを設定した。また、記号(◎・○・△)での 振り返りの項目欄を設け、ヒアリング等に生か した。④自己評価は、「学習前・後に書いた内 容を比べて、道徳授業はぼく・わたしにとって どのような時間でしたか」と問いを設け、自己 を見つめる学習を位置づけた。⑤印象に残った 教材は、パーマネント・ポートフォリオの考え 方を活かし学期内で心に残った教材を二つ選び、 教材名と理由を併せて記述させた。⑥他者評価 欄には、教師と保護者がコメントを記入し、多 面的に自己のよさに気づくことができるよう工 夫した25  

OPP

シートポートフォリオづくりの進め方 は、学期始めに(

1

)学期前の本質的な問いを 記述させる。

2

)学習履歴を毎時間記述させ蓄 積する。

1

枚のシートに学期内の全学習履歴を 収めるには紙面が足らないため、③学習履歴の 部分を本のように貼り合わせ作成する。

3

)毎 学期末に行う検討会の授業展開に併せてシート の左側部分(②′④⑤)を記述させた後、

OPP

シートポートフォリオに題名をつける、という 流れである。

(2)‌‌子どもの長期的な学びの文脈に即

した検討会

 ここでは、児童自身が成長を感じ、次の学び への見通しがもてたかどうかという視点から検 討会の具体を見ていこう。授業では、級友の多 様な考えを聴き、成長や学びの見通しをもち、 考えを表現する児童の姿が多く見られた。それ ら全てを取上げた考察は、紙幅上難しいため数 名の児童を適宜取上げる。主題は「学期内の学 びを自己や他者と対話し、よりよい生き方へ」 (内容項目:個性の伸長 関連価値:相互理解) とした。 ①‌‌‌OPPシートポートフォリオ検討会に係る指 導過程  検討会の前日は、学習履歴や教材を読み返す 家庭学習を行った。検討会当日の朝の学習で、

3

学期の授業の中から印象に残った教材(

8

(7)

間の道徳授業分)と選んだ理由を

OPP

シート ポートフォリオに記述させた。その後、道徳授 業として検討会の授業を実施した。  検討会では、先ず「道徳授業で学んだことを 自分や友だちの心と話し、伝え合いながら道徳 授業を振り返り大切にしたい心を見つけよう」 とめあてを提示した。対話を行う授業展開を図 るため、教師と児童、児童同士が互いに聞き合 えるようコの字型に机を配置した。その後、パ ーマネント・ポートフォリオを作成する際の思 考プロセスを検討会に活かし、印象に残った教 材の選択とその理由を話し合わせた。そこでは、 児童同士や児童と教師が、なぜその教材を選ん だのかについて、級友の考えを聴き合わせ、自 分の考えと照らしながら学期内の学びが振り返 られるよう促した。発表に併せて板書には、教 材名を書いた短冊や学びの足跡として教室掲示 していた挿絵や、手掛りとなる児童の道徳的価 値に関る言葉をイメージ・マップの形式を活か しながら、

3

学期全体の授業内容を視覚的に捉 えさせた。  児童は、板書や蓄積した

OPP

シートポート フォリオを参考に級友の発言を聞き、印象に残 った教材や場面を取上げた理由と心の内を発言 していた。筆者は、児童が大切にしたい心や、 その根底にある理由等を聴き合わせながら「自 分がこうありたい」というめあてとなる考えや 思いを主体的に抱けるよう対話的な学習を行っ た。資料

1

は、教材を中心に自分や級友の考え の変容や成長に気づけるような対話を意識した 場面の一部である。 資料1:検討会における対話の一部 T1 みんな素敵な振り返りシートができていま すね。どのお話が自分の心に残っています か。自分の考えや思いを聴き合うよ。発表 したい人?(略) A児:「電話のおじぎ」では、相手の様子が見え なくても丁寧なおじぎが素敵だなと思いま した。子どもなら友だち関係もよくなって 仲良くなれるなと思うことを前より知れた からです。 T2 丁寧な接し方によって友達関係がよくなる と思えたね。前より気づけたことが成長ね。 B児:私もAさんと同じお話です。勉強したとき のファイル(OPPシート)を見たら「な んとなく分かった」って書いていたけど、 今は、相手が見えなくても、おじぎにこも った心が本当に優しいなと思います。私も そんな心を大切にしたいと思って6年生を 送る会のおじぎのときしました。 T3 大切にしたい心を見つけ実行できたね。そ の心大切に育ててね。みんなの声を聞かせ て。 C1児:はい。ABさんの意見を聞いて似ていて分 かるなと思うけど内容が違います。それは 相手も自分も気持ちよくなるから学校の挨 拶とかも気持ちよくなるような挨拶をした いと思います。 T4 自分の考えだけを言うのではなくて、礼儀 について友だちの意見と自分の考えの思い の違いに気づいたことを発表してくれた ね。深まるねぇ。 D1児:おおてるか分からないけど(悩みながら …)。振り返る心みたいな大切で…。 T4 振り返る心!?(間)Dさんは、具体的に 何がパワーアップした?話していいよ。 D2児:お話に出てくる人の気持ちを考えて話し たことです。どのお話も気持ちが変わって いくところが似ています。 T4 そうだね。ほとんどのお話が、登場人物の 気持ちが変わってるね。 E児:お話が違ってもチョークの線をみたら、丁 寧な挨拶は、相手を思う優しい心とか友だ ちと笑顔で過ごせるお話しと繋がってる。 T5 なるほど新たな発見(児童の呟きから黒板 の関連価値に関る教材に線を引く)。 ②‌長期的な視点で捉える児童の学びと育ち  筆者は、教材に即した道徳的価値に触れなが ら多様な考え方を受け止め、ねらいに即した学 習プロセスに着目しながら対話を行い児童の 学びと育ちを捉えるようにした。資料

1

からは、

A

児が蓄積した

OPP

シートポートフォリオの

(8)

中から「丁寧なおじぎが素敵」と感じた教材を 取り出し、「友達関係もよくなって仲良くなれ ることを前より知れた」という礼儀に係る多面 的な考えを発言し、自己の変容を認識していた ことが捉えられよう。  

B

児は、学習後の「なんとなく分かった」と いう認知から、「相手が見えなくても、おじぎ にこもった心が本当に優しい」という多面的な 考えを基に、

6

年生を送る会でのおじぎに込め る思いを大切にしたという行為に関わる内容を 堂々と発言していた。筆者は、

B

児自身が検討 会を通して、学びの幅を広げ、以前の自分の考 えをより明確なものに捉え直し、大切にしたい 心を見出していたことを成長と受けとめ、成長 を促す言葉を返した。  

C

児は、

OPP

シートポートフォリオをめく りながら、級友の意見に耳を傾け、学びの過程 を振り返っていた。

C

児は、筆者(

T3

)が「み んなの声を聞かせて」と考えを聴き合えるよう な声かけをきっかけに「似ていて分かるなって 思うけど内容が違います」と発話した。その発 話は、挨拶によって自分も相手も気持ち良くな るという気づきや学校での挨拶に活かそうとす る多面的な発言であった。また、

C

児の発言か らは、

A

B

児との考えを結びつけ、その差異 から生じた児童相互の対話の繋がりが伺えよう。  

D

児の発言内容は、挙手をして発言し始めた ものの「おおているか分からないけど」と、た どたどしい口調で「振り返る心みたいな」と教 材や価値に係る内容とは違った発言であった。 筆者は、「具体的に何がパワーアップした?」

D

児の成長を導く問いを投げかけた。

D

児は、 すぐに応えることはできなかった。けれども、 その後「お話に出てくる人の気持ちを考えるこ と」と発言し、自己評価欄には「お話に出てく る人とじぶんと会話の時間」という気づきを記 していた。筆者は、検討会での発言を受け、

D

児が自分なりに道徳授業を振り返る中で「自己 を見つめる」という道徳学習の意義を見出して いると捉えた。それ以降、主に一教材に視点を 置いた道徳的価値に係る発言から、

E

児の発言 のような教材相互の関連や、道徳的価値に照ら しながら多面的な考えに係る対話となり、新た な気づきや思慮深さをもたらすものになった。  実際には多くの児童が、自分の学びを改めて 見つめ直し、道徳的価値に係る気づきや成長を 感じ、次学年に向けた学びや行為に向かおうと する意欲を抱いていた。資料

2

は、紙面の関係

A

B

児の②本質的な問い(学習前・学習後) と、④自己評価に係る記述内容を取り上げたも のである。 資料2:A・B児のOPPシートポートフォリオの記 A児:②1月(学習前)自分の心をよくしていく心。 ②′3月(学習後)うわさに流されない心、仲間 や相手を大切にする心です。わけは、うわさに 流されない心は、うわさを信じてしまうとうそ をついていることになるからです。相手を大切 にすると、相手の気持ちを分かろうとして、何 が相手にとっていいことかを考るし、相手とも っと仲良くなれるから。 ④自己評価(②と②′の比較):4月はとうじょう 人物の気持ちを考える時間だと思っていたけれ ど、3月は自分が生きることを学んで、階だん を一つ上がった感じです。心をゆたかにしてい く時間です。4年生の道とくが楽しみです。 B児:②1月(学習前)思いやりの心。そうしな いと友だちをなくしてしまうからです。 ②′3月(学習後)やさしい心を大切にしたいで す。理由は、相手の気持ちを想ぞうしてやさし い心をもつと友だち(相手)や周りの人にめい わくやおこらせてしまうことがなくなると思い ます。知らんふりすることはやめて、いいはん だんをしたいです。あいさつする時のやさしい 心も大切にしていきたいです。 ④自己評価(②と②′の比較)文しょうのりょう がふえて友達の考えから発見がいっぱいでした。  資料

2

から

A

B

児は、検討会での対話を通 して、様々な教材に描かれた道徳的価値を自己 の中で発展させ「大切にしたい心」を見出して

(9)

いる。

A

児の

1

月当初抱いていた「自分の心を よくしていく心」や、

B

児の「思いやりの心」 を大切にしているという自己認識は、学びの過 程を経て固定化されたものではないことが分か る。さらに、自己評価で

A

児は、具体的ではな いものの

1

月と

3

月を比較し、登場人物の気持 ちを考える時間から「自分が生きること」に係 る学びの時間であるという感じ方の変化を記述 していた。筆者は、学習活動全体を通じて、

A

児自身が「階だんを一つ上った」と成長を感じ、 次学年に向けた道徳授業への意欲を受け止め た。

A

児の変容は、振り返りを行いやすい構造

OPP

シートポートフォリオを基に、検討会 で自己や他者と対話したことや、学習後の振り 返りの問いの記述をする経験や自己認識が根拠 となって生起した言葉と考えられよう。  また、

B

児の

3

月(学習後)の本質的な問い の記述には、相手の気持ちを想像し優しい心を 大切にすることにより、他者に迷惑等をかける ことがなくなると思うと記していた。筆者は、 級友に対してきつい言動が出やすい

B

児が、自 分の正しさをもって知らんふりをせずに優しい 心をもつことの大切さを自分事として捉え、実 践しようとする記述であると捉えた。

B

児の自 己評価には、みんなの考えから発見があったか ら文章の量が増えたと記されていた。筆者は、

B

児が級友の意見に触れることによって生じた 自己評価を基に、新たな気づきを見出せたこと に対して励ます個人内評価を行った。  検討会で対話を行い、長期的な視点で児童の 学びや育ちを捉えようとしたとき、教師は、児 童が大切にしようとする自己の生き方について の考えの深まりや、次への学びやよりよい生き 方に向かおうとする思いや願いに気づかされる。 それゆえ、短期、長期的な視点から捉える児童 の学びや成長は、時間幅から見れば拡がりや深 まりは異ってくるといえよう。

(3)‌道徳科におけるOPPシートを蓄積

したポートフォリオ検討会‌

―指導の要点―  実践を基に、

OPP

シートポートフォリオ検 討会の指導の要点と留意点を以下に整理する。  一つめは、教師が

OPP

シートポートフォリ オ検討会を長期的な学びを振り返りながら対話 を行い、自己の成長に気づき、次への学びや主 体的な生き方につなげる学習活動の場とするこ とである。児童の長期的な学びの文脈に即した 学習活動は、振り返りを行いやすい仕組みが組 み込まれた

OPP

シートポートフォリオを活か し対話を行うことにより実現する。  二つめは、教師が、長期的な学びの振り返り から表出された児童の発言を受容し、ねらいに 係る新たな道徳的価値についての学びや、自己 の成長やよさに気づけるよう教材・児童・教師 の相互作用を生かすことである。筆者は、児童 が心に残っている教材や児童が抱く思い等を受 容しながら「なぜこのお話が印象に残った?」 「何がパワーアップした?」「自分の中で何がか わった?」と自己の成長に気づけるよう言葉を 返した。そこでは

C

児が、級友の意見を聴き合 い「似ているけれど内容は違う」と他者と自分 との差異に気づき、新たな学びが生起してい た。

D

児のように、スムーズに発言できなくと も悩みながら、考えを交そうとする姿や発言を 受けとめ、不完全な発話から聴き合うことによ り、

E

児の発話のように拡張した学びや気づき へと導かれることもある。そのため、検討会に おける自己を見つめることを重視した振り返り 学習と、「こんな心を大切にしたい」という自 己のよりよい生き方に向けた思いとを編み合わ せながら対話を促すことが重要である。  三つめは、教師は、短期・長期的な学習活動 全体を通して、児童の学びの深まりや成長に視 点をあてることである。短期的な視点だけでは、

(10)

D

児の教材を介して道徳授業を学ぶ意義や自己 の成長に対する気づき、さらには

E

児のような 教材相互に関連する道徳的価値に係る気づきは 生じなかっただろう。また、長期的な視点だけ では曖昧な見とりに陥ることも考えられる。検 討会では、児童と教師が共に対話を行うことで 学びや成長を捉え直し、個々の多様な価値観や 考え方を保障する学びの場が拓けると考えられ る。留意点として、道徳教育に基づく年間指導 計画に、意図的・計画的に検討会を位置づける ことが重要であるといえよう。確かに、一定期 間に学習した複数の教材を用いた

OPP

シート ポートフォリオ検討会を道徳授業として年に数 回実施するのかという異論もあるだろう。しか し、児童が他者との対話を通じて自己を見つめ、 主体的でよりよい生き方を見出せるような機会 となりうる検討会は、道徳性の育成にとって大 きな役割を果たすといえよう。

4. おわりに

 本実践では、道徳科における長期的評価の在 り方について検討することを目的としてきた。 その結果、次の

2

点を指摘することができると 考えられる。  第一に、道徳科における長期的評価は、ワー クシートの記述で終わる振り返りに留まらず、 学期末等に敢えて、児童と教師が共に日々の授 業と長期的視点で捉えた授業での気づきや学び とを架橋する時空間を共有することが重要であ る。すなわち、短期・長期的な視点から学習改 善を図り、それを統合、発展させるような学習 活動を構想することや児童の成長を見通し、そ れを前提にカリキュラムを組むことの必要性が 導出される。それにより教師は、検討会を学習 活動として位置づけ、学びの多様性と成長の連 続性を保障する指導と評価を生み出す。児童に とっては、自己の学びを振り返る検討会によっ て、自己との関わりで捉えた道徳的価値に向き 合い成長に気づき、次への学びに繋がる学習活 動の一端が拓かれる。児童も教師も今まで気づ かなかったような自分(その子)らしさや成長 を発見する学びの場は、主体的で、よりよい生 き方へと向かおうとする意欲や道徳教育への拡 がりをも可能にするだろう。  第二に、

OPP

シートポートフォリオの構成 を活かすことは、児童が短期・長期的な視点で 学習を振り返り、自己のよさや成長に気づける ような学習活動の在り方や、ワークシートや教 科書と対応した道徳ノートの開発に示唆を与え る。それにより、児童は、見つめている自己の 質を高めるであろうし、教師は、児童の学びや 成長の全体を把握することに繋がってくると考 えられる。本稿は、始まったばかりの道徳科の 評価において、小学校中学年を対象に、自己を 見つめ振り返ることを重視した一実践にすぎな い。なおかつ、長い見通しをもち発達段階に応 じて力点を変えながら検討会を展開していく必 要がある。今後の課題としたい。 1 堀哲夫(2006)『一枚ポートフォリオ評価 小学校 編』日本標準。 2 文部科学省(2017)「小学校学習指導要領」。 3 文部科学省「学習指導要領の一部改正に伴う小学校、 中学校及び特別支援学校小学部・中学部における 児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等につい て(通知)」,2016729日。 4 B.D.シャクリー他著(田中耕治監訳)(2001)「真 正の評価(Authentic Assessment)への道」『ポー トフォリオをデザインする』ミネルヴァ書房,7頁。 5 中野詠美子・永井博美他(2016)「『特別の教科道 徳』に向けた道徳の授業の在り方(一年次)―広 島県の道徳教育実態調査における指導と評価の現 状と課題を踏まえて―」,『研究紀要 第43号』広 島県立教育センター,37-58頁。 6 前掲2,「評価のための具体的な工夫」112頁には、 年度途中や年度末に自分自身を振り返る学習を工 夫することが明記されている。

(11)

7 田中耕治(2017)「第6章 道徳教育の教育方法  4節 道徳科における教育評価」高見茂他『教職 教養講座 第6巻 道徳教育』協同出版,176-181頁。 8 ポートフォリオ評価法の来歴については、前掲4 4-7頁を参照されたい。 9 田中耕治(2010)『新しい「評価の在り方」を拓く』 日本標準,26-31頁。 10 西岡加名恵(2003)『教科と総合に活かすポートフ ォリオ評価法』図書文化,52頁。 11 前掲1060-61頁。 12 前掲1039頁。 13 前掲1061頁。 14 小城達・松元直史(2015)「よりよく生きるための 基盤を養う道徳科の在り方」,『平成27年度研究紀 要(991号)』福岡市教育センター。 15 押谷由夫(2016)「第1章これからの時代に求めら れる小学校の道徳教育1」渡邉満他編『小学校にお ける「特別の教科道徳」の実践』北大路書房,5頁。 16 荒木寿友(2013)『学校における対話とコミュニテ ィの形成』三省堂,240-268頁。 17 堀哲夫(2013)『一枚ポートフォリオ評価OPPA』 東洋館出版社,20-21頁。 18 前掲1779-80頁。 19 前掲17154頁。 20 中国昭彦・堀哲夫(2011)「自らの成長を実感させ る道徳授業の実践―OPPシートを活用した複数時 間の関連を図った指導を通して―」,『教育実践学 研究:山梨大学教育学部附属教育実践研究指導セ ンター研究紀要16』山梨大学,8-21頁。 21 萩野奈幹(2017)「子どもの学びに即した授業改善 に向けて―道徳科に係る学習評価の視点から―」, 『道徳教育』明治図書,7月号No.70930-32頁。 22 文部科学省(2017)『小学校学習指導要領解説 特 別の教科 道徳編』廣済堂あかつき,110頁。 23 ウィギンズ,G・ マクタイ,J(西岡加名恵訳) (2012)『理解をもたらすカリキュラム設計―「逆 向き設計」の理論と方法』日本標準(原著2005年), 130-131頁。 24 前掲2347頁。 25 萩野奈幹(2017)「道徳科に係る記述による個人内 評価の在り方と課題―学習状況の把握に着目しな がら―」,『道徳と教育』第335号,日本道徳教育学 会,3-14頁を参照。 (兵庫県加古川市立別府小学校)

(12)

A Method of Long-Term Assessment in “Special Subject, Moral Education”:

A Trial in a Conference on One Page Portfolio Assessment

HAGINO Namiki

Keywords:

One Page Portfolio Assessment, conference, long-term assessment in “Special Subject–Moral

Education”

【Abstract】

This study presents a method of long-term assessment based on the theory of portfolio assessment in Special Subject, moral education, and shows its practice. Specifically, a conference primarily for children’s participation will be held, wherein children create their own portfolio consisting of accumulated sheets (OPP sheets) used in OPPA (One Page Portfolio Assessment). First, I clarified the new objectives of Special Subject, moral education, of which qualitative changes as well as effective methods of evaluation were sought for. Then I outlined how portfolio assessment, which involved authentic assessment as its theoretical basis, was utilized. Second, I identified the characteristics and issues of portfolio assessment, referring to previous studies about portfolio assessment in morality classes. Third, I showed significance of challenges involved in long-term evaluation based on “portfolio evaluation with accumulated OPP sheets,” and asserted its necessity to help concretize learning methods and overcome existing problems in primary education.

参照

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