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教員養成プログラムとしての「野外教育論」の有効性

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Academic year: 2022

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(1)野外教育研究. Japan Outdoor Education Journal 2-1:31-37 (1998). 教 員 養成 プ ログ ラム と して の 「 野 外 教 育 論 」の有 効 性 恵 土 孝 吉1)・ 大 久 保 英 哲1)・ 佐 川 哲 也1)・ 池 田 幸 應2). Efficacyofalecture"TheoryandPracticeonOutdoorEducation" as Teacher Training Program. Koukichi. EDO,Hideaki. OKUBO,Tetsuya. SAGAWA,Yukio. IKEDA. Abstract Outdoor. activities. dren.But,today,there a small number. together. with peers play an important. are few chances. of teachers. for children. who have sufficient. role in the mental. to play outdoor.There. knowledge. of outdoor. and physical. is another. development. problem. of chil-. that there are only. activities.. This study examines the efficacy of tae lecture,"Theory and Practice on Outdoor Education" , which has given last two years as a teacher training program.In the academic year 1997,students learned outdoor activities such as striking fire from Maikiri,messtin cookout,Japanese snowshoes making.Almost students didn't have chance to experience before,they acquired fundamental knowledges and skills with impression.In 1998 academic year, this lecture held in combination with"Friendship Project for Teacher Training Course supported by the Ministry of Education".In this combinated lecture,the students learned outdoor activities and taught them for primary school students as a leader.The result of the venture lecture showed the following efficacy;1)outdoor activities are effective for education,2)teaching. experience on outdoor activity to children is effective for students of. teacher training course to understanding children,3)this lecture is a necessary program for teacher training curriculum. Key words:Teacher training, Outdoor Education, Establishment of Subject. を育 成 す る こ とで あ っ た 。 「課 題 別 選 択 必 修 科. 1。 は じ め に. 目」 と は そ の よ う な 課 題 に応 え 、 か つ 今 日学 平 成8年 度 か ら金 沢 大 学 教 育 学 部 は大 規 模 な. 校 教 育 で 生 じて い る 「い じめ 」、 「差 別 」、 「不. 改 革 を行 っ た 。 そ の 基 本 理 念 は変 化 の 著 しい. 登 校 」、 「 健 康 」 な どの 諸 問 題 を十 分 理 解 す る. 社 会 の 要 請 に答 え て 、 学 部 学 生 定 員 を コ ンパ. と と も に 、 メ デ ィ ア教 育 を通 し て 十 分 教 育 機. ク トに しつ つ 、(1)教 育 科 学 と専 門 科 学 を統 合. 器 の 活 用 が で きる 人 材 を育 成 す る 目的 で 開 設. した 研 究 者 を 養 成 す る こ と。(2)教 育 実 践 の 場. され た金 沢 大 学 独 自 の 科 目群 で あ る 。 具 体 ¥的. に お け る諸 問 題 に 的確 に対 応 で き る専 門性 を. に は 「人 権 教 育 」、 「表 現 と メ デ ィ ア 教 育 」、. も っ た人 材 を育 成 す る こ と。(3)多 様 な レベ ル. 「 環 境 と健 康 の教 育 」 とい う3領 域 の 科 目群 か. で 第 一 線 の 担 い 手 と し て 、 ま た 指 導 的 な人 材. ら成 り立 っ て い る。. 1)金. 1)The Faculty of Education Kanazawa University, Kakumamachi,Kanazawa (920-1192) 2)Kanazawa Collegeof Economics, 10Usi,Goshomachi,Kanazawa(920-8620). 沢 大学 教育 学部. 〒920‑1192金 2)金. 沢市 角 間町. 沢 経済 大学. 〒920‑8620金. 沢 市 御 所 町 丑10. 31.

(2) 恵土 孝 吉 ほか. 齢58歳. 本 研 究 対 象 の 「野 外 教 育 論 」 は免 許 法 に定. 、 教 育 歴35年. 、 の 動 学 専 門 の 男 性 で体. め る免 許 状 取 得 の た め の 科 目で は な い が 、 上. 育 科 教 育 法 、 個 人 の 動 、 ス ポ ー ツ トレ ー ニ ン. 述 した 諸 問 題 を 十 分 理 解 し、 対 処 で きる 人 材. グ な ど を担 当 し、 野 外 教 育 は 非 専 門 家 で あ る 。. を養 成 す る た め に設 け られ た 「 環 境 と健 康 の. B教. 教 育 」 の 一 つ で あ り、平 成8年 度 か ら 開 講 さ. の 男 性 で 体 育 史 、 個 人 の 動 な ど を担 当 し、 野. れ た もの で あ る。. 外 教 育 は 非 専 門 家 で あ る。 な お 、 サ ポ ー タ ー. 官 は 年 齢47歳. と し て 年 齢35歳. 本 研 究 は 、 過 去2年 間 に わ た っ て 実 施 さ れ た 「野 外 教 育 論 」 の 教 員 養 成 プ ロ グ ラム と. 、 教 育 歴20年. 、 教 育 歴6年. 、体 育 学 専 門. 、体育 学専 門 の. 男 性 教 官 一 名 が 参 加 した。 2.4.成 績 評 価 の 方 法. て の 有 効 性 につ い て検 討 した もの で あ る。. レ ポ ー トま た は 試 験 で 評 価 し た 。. 2.平. 成8年 度 「野外教育 論」. 2.5.結 果(参. レ ポ ー トは 、 計16回. 2.1.内 容 と 実 施 方 法 平 成5年. 加 学 生 の レ ポ ー トか ら) の講 義 が す べ て 終 了 し. た後 に 自 由記 述 で 書 か せ た 。 初 め て実 施 した. か ら実 施 さ れ た 大 学 教 育 の 大 綱 化. に よ っ て 従 来 の よ う な 「講 義 」、「演 習 」、「実 習 」. た め に 、授 業 内 容 の 未 整 備 や 理 論 的 な 基 盤 の. の 区 分 が 比 較 的 緩 和 さ れ た の を受 け て 、 「野 外. 未 確 立 な ど多 くの 課 題 が あ っ た に もか か わ ら. 教 育 論 」 の 講 義 回 数 計16回. リ. ず 、 学 生 の 反 応 は お お む ね こ ち ら の予 測 を 越. イキ ン. え て 好 評 な もの で あ っ た 。 以 下 に そ の い くつ. の う ち 、1)オ. エ ン テ ー シ ョ ン 、 野 外 教 育 と は 、2)ハ. か を示 す 。. グ の 理 論 と実 際 は、 教 室 を使 用 した 講 義 と し た が 、3)火. を 起 こ す 、4)自. (テ ン ト ・ロ ー プ ワ ー ク)、5)木 加 工(竹. 馬 ・紙 鉄 砲)、6)秋. に 生 き る 、11)カ. 「木 と木 の 摩 擦 で 火 を 起 こ す 。 い つ も ラ イ タ. や竹の採集 と. の 医 王 山 、7)レ. リ エ ー シ ョ ン ・ゲ ー ム の 指 導 、8)野 理 論 と 実 際 、9)野. 2.5.1.学 校 教 員 養 成 課 程T・Y. 然 の 中で生 活. ー や 電 気 コ ンロ で 気 軽 に 火 を付 け て い る 。 今. ク. の 私 た ち の 暮 ら しの 中 で こ の よ う な 原 始 的 な. 外炊飯 の. 方 法 は と て も新 鮮 だ っ た 。 方 法 は い た っ て 簡. 外 の た め の 技 術 、10)雪. 単 。 木 の 摩 擦 に よ りで きた 火 の 粉 をお が屑 な. ン ジ キ を 作 る ・履 くは 演 習 、. 実 習 形 式 と し て 実 施 し た 。 こ の う ち 、3)、4)、. どで大 き く し、 火 を 木 に燃 え 移 す 。 文 章 で 書. 5)は. け ば そ ん な と こ ろ で あ る 。 しか し 実 際 に 体 験. 大 学 構 内 で 担 当 教 官 が 指 導 し た が 、7) 近 くの. し て み れ ば 、 ま ず 木 の 上 下 の 動 が 上 手 く行 か. 医 王 山 に教 官 と学 生 とが 一 緒 に ハ イ キ ング を. ず 、 煙 が 出 て く る と気 が 焦 っ て す ぐ に 木 屑 に. 実 施 し た 後 に 、8)を. 移 そ う と して 消 して しま う。 木 屑 に空 気 を吹. は 非 常 勤 講 師 に 依 頼 した 。 ま た 、6)は. 10)、11)は. 実 施 し た 。 な お 、9)、. き込 も う と す る と 目 に 煙 が 入 り涙 が 出 る 。 全. 冬 季 に指 導 教 官 が 指 導 実 施 した 。. 当 初 計 画 した. く着 火 し な か っ た 。 額 に 汗 を 滲 ま せ な が ら作. 「雪 洞 作 り」 に つ い て は 降 雪 量. 業 し た の も 久 し振 りだ っ た 。 勝 ち 負 け の な い. や 時 間 の 関 係 上 実 施 す る事 が で き な か った 。. こ の よ う な 作 業 で 悔 し い 思 い を し た の も久 し. 2.2.対 象 学 生 課 題 別 選 択 科 目 「野 外 教 育 論 」(2単 回)を. 振 りだ っ た 。 最 後 に 飲 ん だ コ ー ヒ の 味 は 格 別. 位 ・16. だ っ たが 自分 が 起 こ した 火 で は な か っ た の で. 履 修 し た 教 員 養 成 課 程 所 属 の 大 学1年. 生 で 、 野 外 活 動 経 験 男 子2名 活 動 未 経 験 男 子7名. 、 女 子1名 、 野 外. 、 女 子18名. 、 計28名. 屈 辱 の 苦 み が あ っ た。 み ん な で 一 つ の こ と に 集 中 し 、 熱 中 す る の は と て も 良 い 。 ア ドバ イ. であ. ス を くれ る者 もい れ ば 、 少 し手 助 け を して く. る。. れ る者 もい る 。 自然 の 中で 仲 間 と こ う い う こ. 2。3.担 当 教 官 担 当 教 官 は2名 で あ る 。 こ の う ちA教. とが で き れ ば 、 教 師 か ら教 え ら れ る こ と よ り. 官 は年. 32.

(3) 教 員 養成 プロ グ ラム と して の 「 野外 教 育 論」の有 効性. も 自分 た ち 、 仲 間 同士 で 得 る こ との 方 が 多 い. とで あ っ た 。 こ の 点 に 関 して は 非 専 門 家 に よ. の で は な い か と思 う 。 … 略 … 。」. る手 探 りの 状 態 か ら始 め た 授 業 計 画 で は あ っ. 2,5.2.学 校 教 員 養 成 課 程H・M. た が 、 学 生 の 反 応 は 結 果 で 示 した よ う に予 想. 「金 曜 日 の2限. 目 は 私 に とっ て 毎 回 楽 しみ な. 以 上 の 生 き生 き と した 反 応 と好 評 な もの で あ. 90分 で し た 。 そ も そ も こ の 講 義 を受 け よ う と. り、 十 分 とは 言 え な い ま で も初 期 の ね らい を. 思 っ た の は …(中. 達 成 で き た もの と考 え る。 例 え ば 、T・Yが. 略)…. た だ 座 っ て ノ ー トに. 写 す よ り も 、 自 分 自 身 で 体 験 して そ こ か ら学. 火 を起 こす こ とにつ い て記 述 した 点 で 、 「 方法. び 、 そ の 経 験 を将 来 活 用 した い と思 っ た か ら. はいた って簡単…略 …文章 で書 けば そん な と. で し た 。 火 起 こ し は …(中. も う感 動 も. こ ろ で あ る … 略 … しか し実 際 に体 験 して み れ. の で し た 。 何 度 も棒 を ま わ し て 火 種 を 作 る の. ば 云 々」 と言 う よ う に思 考 と実 際 との 差 異 を. に は か な り体 力 が 要 り ま し た が 、 …(中. 略). 実 感 した こ とは 本 授 業 の 有 効 性 と して の 好 例. 、驚. で あ る 。 しか し、 現 在 の 教 育 現 場 に 置 か れ た. き と達 成 感 が 一 緒 に な っ て バ タ バ タ とは しゃ. 学 校 病 理 や 社 会 病 理 に対 処 で き る 能力 とい う. い で しま い ま した 。 ま た 、 そ の 日、 火 起 こ し. 観 点 か ら本 受 講 生 の 実 践 的 な指 導 力 を考 え れ. 器 を実 家 に 持 ち帰 っ た と こ ろ 父 母 が 大 変 珍 し. ば今 一 つ 不 足 を感 ず る。 実 際 に子 ど も た ち を. が り、 庭 で 二 人 で 火 を 起 こ し始 め 、 感 動 して. 引 率 して 、ハ イ キ ン グや レ ク リエ ー シ ョ ン ・. い た の に は 更 に驚 き ま した 。 自分 が経 験 す る. ゲ ー ム の 指 導 あ る い は 炊 飯 な どが 安 全 に効 果. こ とで 今 度 は 自分 が 率 先 して他 人 に教 え る こ. 的 に指 導 可 能 か と言 え ば 、 そ の よ う な 能 力 は. とが 出来 る よ う に な る と思 い ます 。 将 来 で き. 甚 だ乏 しい。 炊 飯 活 動 で は 火 起 こ し器 で 火 が. れ ば 希 望 して い る教 師 に な っ て教 え た い 。 こ. な か な か起 こ せ ず 食 べ 終 え る ま で に 約2時 間. の 講 義 か ら は ひ と味 違 っ た 教 え を 学 び 、 大 学. の 時 間 を 要 した こ と、 あ る い は レク リエ ー シ. ら し い 授 業 を 受 け る こ と が で き て 凄 く得 を し. ョン ・ゲ ー ム に つ い て の体 験 が 皆 無 で あ る こ. た と思 い ま す 。 … 略 … 。」. とな どは 、その 例 と して あ げ る こ とが 出来 る 。. 略)…. … 目 の 前 に い き な り炎 が 出 現 し た と き は. 2.5.3.学 校 教 員 養 成 課 程A・K. 今 後 の 課題 は 、炊 飯 活 動 と レク リエ ー シ ョ. 「授 業 の 感 想 、 何 を 書 こ う か 分 か ら な くな る. ン ・ゲ ー ム の体 験 は も と よ り、 子 ど もた ち と. 程 この 授 業 はバ ラエ テ ィ に富 ん だ授 業 だ っ た 。. 実 際 に 共 同 で 作 業 す る 内 容 を盛 り込 ん だ 演. 特 に 印象 的 で あ っ た の は ハ イ キ ング で ア ケ ビ. 習 ・実 習 に す る こ とが 必 要 で あ る 。 幸 い な こ. を 発 見 し た こ と 。 ま た 、 な め こ を 採 り味 噌 汁. と に 、 平 成9年 度 「野 外 教 育 論 」 は文 部 省 の. に 入 れ て 食 し た 味 は 格 別 で あ っ た 。 … 略 … 。」. 「教 員 養 成 学 部 フ レ ン ドシ ップ 事 業 促 進 等 経. 2.5。4.学 校 教 員 養 成 課 程A・U. 費 」(注1)の. 「カ ン ジ キ 作 り は 予 想 よ り も か な り時 間 が か. 受 講 生 は子 ど もた ち を対 象 に 「フ レ ン ドシ ッ. 助 成 が 受 け ら れ る こ と と な り、. っ て し ま っ た が 自分 の 手 で物 を作 る機 会 が ほ. プ 講 座 」(注2)を. と ん ど な い こ と も あ っ て 、 カ ンジ キ を履 い て. とが可 能 とな っ た。. 開 講 し、 実 際 に指 導 す る こ. 雪 の 上 を歩 い た 時 の 感 動 は大 き か った 。 講 義. 3、 平 成9年 度 「野 外 教 育 論 」. を 終 え た 今 の 感 想 は と て も楽 しか っ た 、 の 一 言 に 尽 き る 。 … 略 … 。」. 2.6.考. 3。1.内容 と実施 方 法. 察. 原 則 的 に は 前 年 度 と 同 じ内 容 と した が 、 今. 本 授 業 の ね らい は 、 現 在 学 校 教 育 に 最 も欠. 回 は フ レ ン ドシ ップ 事 業 促 進 達 成 の た め に 、. け て い る教 育 方 法 論 の 一 つ で あ る 野 外 教 育 指. 子 ど もた ち と寝 食 共 にす る1泊2日 の合 宿(総. 導 の た め の 基 礎 理 論 と基 礎 技 能 を習 得 す る こ. 合 学 習)、 天 体 観 察 と望 遠 鏡 の使 い 方 、 報 告 書. 33.

(4) 恵 土 孝 吉 ほか. 教育委 員会. 養 護 教 諭1名. と 共 に フ レ ン ド シ ッ プ 講 座 を 振 り返 っ て の 反. 加 わ っ た。. 作 成(コ. ン ピ ュ ー タ ー 学 習2回)、. 、 レ ク リ エ ー シ ョ ン指 導 員2名 が. 省 会 を加 え た 。 な お 、 実 施 方 法 は 前 年 度 とは. 3.4.成 績 評 価 の 方 法. 大 幅 に 異 な り、 学 生 を 対 象 と し た 「事 前 授 業 」. 前 回 と 同 じ方 法 で 評 価 を行 っ た 。. と 学 生 が 子 ど も た ち と共 に 行 う 「本 授 業 」(フ レ. 3.5.結 果(参. ン ドシ ッ プ 講 座 、1泊2日)と. レ ポ ー ト は 前 回 と は 異 な り、 そ の 範 囲 が あ. に分 け て行 っ た 。. 事 前 授 業 は 、 フ レ ン ドシ ッ プ 講 座 が10月 句 に 実 施 さ れ る こ と か ら 、 正 規 授 業(10月 旬)を 10月1日. 加 学 生 の レ ポ ー トか ら). 中. ま り広 範 囲 に わ た ら な い よ う に あ ら か じめ 教. 中. 官 が3項. 目 す な わ ち 、 設 問1:小. 流 を 通 し て の 感 想 、 設 問2:自. 繰 り上 げ て 行 う 必 要 が あ っ た 。 そ こ で 、. 学生 との交 然 との ふ れ あ. い や ク ラ フ トな ど の 活 動 を 通 し て の 感 想 、 設. 、2日 に 学 生 に あ ら か じめ 火 起 こ し を. さ せ 、 テ ン ト設 営 、 野 外 炊 飯 な ど の 技 術 的 な. 問3:班. こ と を1日 半 か け て 集 中 的 に 指 導 し 、 フ レ ン. 想 を 設 定 し レ ポ ー ト を 提 出 さ せ た 。 表1に. ドシ ッ プ講 座 に 備 え た 。 但 し、正 規 授 業 内 容. な 項 目 を レ ポ ー トの 内 容 の 中 か ら ま と め て 示. で あ る 他 の 項 目 す な わ ち 、 カ ン ジ キ を作 る 、. し た 。 ま た 、 レ ポ ー トの 一 部 分 を 以 下 に 示 す 。. カ ン ジ キ を 履 い て 雪 上 行 動(雪. に 生 き る)は. 冬 季 に学 生 の み を対 象 に 実 施 した 。 したが っ. 表 一1.設 問 と主 な 感 想 文. て 、 雪 に 生 き る に つ い て は本 稿 で は 除 くこ と と した 。 本 授 業(フ. レ ン ド シ ッ プ 講 座)は. 、事前授. 業 で 学 習 し た 内 容 と ク ラ フ ト作 り 、 天 体 観 測 、 レ ク リ エ ー シ ョ ン ・ゲ ー ム 、 感 想 文 作 成 を 加 えた。 実施場 所 は、教育 委員 会や大 学所 有の 野 外 施 設 ・研 修 所 を 利 用 し た 。 指 導 は 、 大 学 生 が2〜3名. 一 組 で5〜6名. の 子 ど もた ち を受. け持 った。そ の際、大 学教 官や教 育委 員会主 事 な ど は 学 生 の 指 導 ぶ り を観 察 し、 子 ど も た ち へ の 直 接 の 主 だ っ た 指 導 を 避 け た 。 但 し、 レ ク リ エ ー シ ョ ン ・ゲ ー ム の 指 導 は 主 に 非 常 勤 講 師 に委 ね 、 学 生 は補 助 的指 導 に加 わ っ た。 子 ど もた ち の 募 集 は、 石 川 県 能 美 郡 辰 口教 育 委 員 会 が 地 域 の3小 小 学 生40名. 内 の ス タ ッ フ との協 力 を通 して の 感. 学 校 に案 内 し、 応 募 した. を対 象 と した 。. 3.2.対 象 学 生 「野 外 教 育 論 」 科 目 を履 修 した教 員 養 成 課 程 所 属 の大 学1年 生 で 、野 外 活 動経 験 者 男 子2名 、 女 子2名 、野 外 活 動 末験 者 男 子4名 、女 子14名 、 計22名 で あ る 。 3,3.担 当 教 官 担 当 教 官 ・サ ポ ー タ ー は 前 回 と 同 じ で あ る が 、 こ の 他 に 地 域 教 育 委 員 会 関 係 者 が3名. 、. 34. 主.

(5) 教 員養 成 プロ グ ラム と して の 「 野 外教 育 論 」の有 効性. 3.5.1.学 校 教 員 養 成 課 程H・Y. て 分 か っ た 。 … 略 … 。」. 「自 分 た ち の 指 示 通 り に 動 い て くれ な か っ た. 3.6.考. 場 合 に 、 注 意 を与 え る こ と は大 変 難 し く、 ど. 察. 今 回 の 学 習 の ね ら い の 幾 つ か は 、(1)実 際 に. う して も見 過 ご して し ま う傾 向 が あ り ま した 。. 子 ど もた ち を引 率 した り、炊 飯 活 動 や テ ン ト. ま た 、 小 学 生 を う ま く指 導 す る こ と が 出 来 な. を子 ど も た ち と共 に 設 営 す る 中 で 、 子 ど もた. い と 、 小 学 生 も何 を し た ら 良 い の か 分 か らず 、. ち に対 して適 切 な指 導 を行 う こ と、 企 画 の 営. 結 局 時 間 が か か っ て しま い 、 だ らだ ら して し. の 能 力 を 養 う こ と 、 並 び に 、(2)子 ど も た ち へ. ま う こ と を 学 び ま し た 。 … 略 … 。」. の 理 解 と交 流 で あ っ た 。. 3.5。2.学 校 教 員 養 成 課 程K・M. (1)に つ い て は学 生 た ち の レポ ー トに見 られ る. 「… 略 … フ レ ン ドシ ッ プ 講 座 中 は 指 導 す る 立. よ う に 、子 ど もた ち の 活 動 力 や 予 期 せ ぬ 言 動. 場 よ り、 一 緒 に な っ て 楽 し ん で い た 気 が す る 。. に驚 き、 戸 惑 い 、 テ キパ キ と した指 示 も ま た. い ろ い ろ な小 学 生 が い て 面 白 か っ た が 、 そ れ. 適 切 な 指 示 内 容 も十 分 で は な く、 加 え て い た. を 一 つ に ま とめ る と な る と か な りの重 労 働 で. ず ら っ子 の 出 現 でパ ニ ッ ク寸 前 の 経 験 を した. あ る こ と が 勉 強 で き た 。 … 略 … 。」. 学 生 が 少 な か らず あ った 。 と りわ け 教 官 の 観. 3.5.3.学 校 教 員 養 成 課 程Y・N. 察 に よれ ば 、 女 子 学 生 の 身体 に ま つ わ りつ い. 「私 は テ ン トを 組 み 立 て た り 、 野 外 で カ レ ー. て な か な か 離 れ ない 子 ど もの 出 現 で 、 女 子 学. を 作 っ た り、 竹 馬 に 乗 っ た り と い う 野 外 活 動. 生 は も と よ り男 子 学 生 も子 ど もた ち に どの よ. を今 まで あ ま り して こ な か っ た の で 、 今 回 の. うな 指 示 を与 え れ ば 良 い の か 、 ある い は どの. 体 験 は 新 鮮 だ っ た 。 … 略 … 。 今 回 の 参 加 を通. よ う に指 導 した ら良 い の か 判 断 に戸 惑 い と躊. して 小 学 校 の 先 生 は 大 変 な 仕 事 だ と思 っ た 。. 躇 が 観 られ た 。 こ れ ら の こ と は 入 学 半 年 後 、. 小 学 生 は言 う こ と を 聞 か な い し、 い ろ い ろ 質. そ れ もほ と ん ど専 門教 育 、 す な わ ち 児 童 心 理. 問 して 来 る し、 お どお ど し っ ぱ な っ しで あ っ. 学 や 教 育 心 理 学 等 に つ い て未 履 修 で あ り、 事. た 。 で も、 「純 粋 な ん だ な あ 」 と感 心 す る こ と. 前 調 査 か ら も理 解 で きる よ う に野 外 活 動 を通. も 多 か っ た 。 … 略 … 。」. じて 子 ど も た ち との 触 れ 合 い経 験 の希 薄 さや. 3.5。4.学 校 教 員 養 成 課 程K・F. 団体 活 動 の 経 験 不 足 等 が 主 な原 因 と考 え られ. 「… 略 … フ レ ン ド シ ッ プ 講 座 で 強 く感 じ た こ. る。 一方で は. とは. 「小 学 生 は 元 気 だ な あ 」 と い う こ と で あ. 、教官 が子 どもたちの安全 や学 生. っ た 。 あ の パ ワ ー に は 若 者 の 私 た ち で もつ い. の 資 質 等 を考 慮 して 、 初 対 面 で い き な り生 身. て行 く こ と は 難 しか っ た 。 日中 は 勿 論 そ こ ら. の 子 ど も た ち40名. を預 け 、 しかも 野 外 で の. 中 走 り回 っ て 、 な お 夜 中 ま で 動 き 回 っ て い た 。. 活 動 を させ る こ と を考 え る と、 初 め て の こ と. … 略 … 。 私 の 周 りに は 小 学 生 く らい の 子 ど も. で あ り比 較 的 予 定 さ れ た 活 動 計 画 や プ ロ グ ラ. が い な い の で 、 「こ れ が 子 ど も な ん だ な あ 」 と. ム を組 ま ざ る を得 なか った こ と も関係 して い. 実 感 し た。 で も、 最 初 は 戸 惑 っ た 。 まず 、 ど. る もの と考 え られ る。. う扱 っ て 良 い の か 分 か ら な い 。 そ れ に、 あ れ. (2)につ い て は 、 総 じて子 ど も た ち の行 動 や心. だ け の 集 団 と もな る と さす が に気 が 滅 入 りそ. 理 状 態 の 把 握 が 十 分 で は な く五 里 霧 中 で フ レ. う に な っ た 。 列 を乱 す 子 もい れ ば 、 掃 除 を さ. ン ドシ ップ講 座 を運 営 して い る傾 向 が あ っ た. ぼ る 子 も い る 。 よ く見 れ ば い じ め っ 子 もい る. に して も、 レポ ー トに見 られ る よ う に 子 ど も. こ とが 分 か る 。 そ うい う時 、 私 は 単 に 怒 鳴 っ. た ちへ の あ る 意 味 で の 理 解 や 交 流 が 深 ま りそ. て し ま うけ れ ど、 そ れ で 良 か っ た の か は 分 か. して 高 ま っ た こ と は事 実 で あ る 。. らな い 。 先 生 稼 業 も大 変 だ とい う こ とが 初 め. 35.

(6) 恵土 孝 吉 ほか. で あ る。 そ の場 合 、(2)天体 観 測 や 地形 、植 物 、 4.総. 括. 動 物 の 知 識 、 児 童 の心 理 や 行 動 を熟 知 して い. 平 成8年 度 か ら金 沢 大 学 教 育 学 部 改 革 に伴. る学 内外 の他 分 野 の 教 官 との 共 同 授 業 ・事 業. っ て体 育 教 室 で は 「野 外 教 育 論 」 を 開 講 、 そ. とす る こ とが 現 在 の 大 学 教 育 に と っ て 重 要 か. して そ の 発 展 的 な 授 業 形 態 と して の 「 平 成9. つ 必 要 で あ る と思 わ れ る。. 年 度 文 部 省 教 員 養 成 学 部 フ レ ン ドシ ッ プ事 業. (な お 、本 研 究 の 一 部 分 は平 成9年 度 文 部 省. 促 進 等 経 費 」 を実 施 した 。 平 成8年 度 にお い. 教 員 養 成 学 部 フ レ ン ドシ ップ事 業 報 告 書 よ り. ては初期 の ね らい、す なわ ち、現在 学校教育. 引 用 した 。 ま た一 部 は本 学 会 の 第 一 回大 会 で. に 最 も欠 け て い る教 育 方 法 論 の 一 つ で あ る野. 発 表 した。). 外 教 育 指 導 の た め の 基 礎 理 論 と基 礎 技 能 を習. 注. 得 させ る こ とは 、 参 加 学 生 の レポ ー トか ら一一 応 成 功 で あ っ た こ とが 窺 え る。 しか し現 在 の. 1)教 員養 成学 部 フ レン ドシ ップ事業 促進 等経 費. 教 育 現 場 に置 か れ た 学 校 病 理 や 社 会 病 理 に対. 教 員 養 成 大 学 ・学 部 にお け る教 職 を志 す 学. 処 で きる 能 力 と い う観 点 か ら、 本 受 講 生 を判. 生 の 教 員 と して の 実 践 的 指 導 力 育 成 に資 す る. 断 した 場 合 、 大 学1年 生 とい う こ も あ っ て不. た め に設 け られ た もの で 、 次 の よ う な留 意 事. 十 分 で あ っ た 。 こ の 点 を 踏 ま え て 平 成9年 度. 項 を満 た す こ とが必 要 で あ る。. で は 「野 外 教 育 論 」 と 「フ レ ン ドシ ッ プ事 業 」. 1.留 意 事 項. との 合 併 授 業 を試 み た 。 そ の 結 果 、 教 官 が 比. (1)教. 員 の養成段 階 にお いて、 学生 が種 々. 較 的 予 定 され た 活 動 計 画 や プ ロ グ ラ ム を組 ん. の 体 験 活 動 を通 じて 、 子 ど もた ち とふ れ. だ こ とや 、 野 外 活 動 未 経 験 とい う こ と もあ っ. あ い 、子 ど も た ち の 気 持 ち や 行 動 を理 解. て 、 「フ レ ン ドシ ップ事 業 」 の 趣 旨 を十 分 習 得. し、 実 践 的指 導 力 の 基 礎 を 身 に つ け る よ. させ る に は多 少 無 理 が あ っ た 。 と は 言 え 、 一. うな機 会 を設 け る こ と。 (2)上. 方 で は3.6.考 察 で 示 した よ う に、 子 ど も達 へ. 記(1)の. 趣 旨 を内 容 とす る授 業 科 目. を 開設 す る こ と。. の 理 解 と交 流 につ い て は 、 学 生 た ち の 感 想 文. (3)都. を 読 む と 、 あ る意 味 で の 理 解 や 交 流 が 深 ま り. 道 府 県 ・指 定 都 市 教 育 委 員 会 等 と連. 帯 ・協 力 す る こ と。. 高 ま っ た こ と は事 実 で あ る 。 ま た 、 大 学 、 教 育 委 員 会 、社 会 教 育 施 設 等 の 関 係 者 か らな る. 2.経 費 の 対 象 の 内 容. 平 成9年 度 シ ン ポ ジ ウ ム 「フ レ ン ドシ ップ 講. (1)フ. レ ン ドシ ップ事 業 の実 施. 座 を振 り返 っ て」 の 席 上 、 あ る 学 生 か ら 「子. (2)大. 学 、教 育 委 員 会 、 社 会 教 育 施 設 等 の. ど も た ち の 心 理 に つ い て 講 義 を して 欲 しい 」. 関 係 者 か らな る企 画 運 営 協 議 会 を設 置 す. と い う発 言 が あ っ た 。教 育 心 理 学 や 児 童 心 理. る こ と。 (3)大. 学 の 重 要 性 に学 生 が 自 ら の体 験 を 基 に気 付 い. 学 、教 育 委 員 会 、 社 会 教 育 施 設 等 の. 関 係 者 か らな る シ ン ポ ジ ウ ム を 開 催 す る. た こ とは大 きな 収穫 で あ っ た と言 え よ う。. こ と。. 今 後 の 在 り方 と して は 、(1)野 外 教 育 論2単 2)フ. 位 の 中 で の フ レ ン ドシ ップ 講 座 に よ って 、 フ. レ ン ドシ ップ 講 座. レ ン ドシ ップ 講 座 の 趣 旨 を十 分 習 得 ・発 揮 さ. 趣 旨… 「 野 外 で の 生 活 、工 作 や 遊 び の体 験. せ る に は 無 理 が あ る 。 した が っ て 本 来 の 野 外. を通 じて 、 自然 の力 や 素 朴 な道 具 の持 つ 役 割. 教 育 論 は 正 規 に じ っ く り と展 開 し、 そ の 応 用. を 理 解 し安 全 に指 導 す る 能 力 を 見 に つ け る 。. 演 習 と して 「野 外 教 育 論II」 ま た は 「フ レ ン. また 、 小 学 生 た ち と の 共 同 生 活 や 交 流 を 通 じ. ドシ ッ プ講 座 」 を別 途 に開 講 す る こ とが必 要. て子 ど もた ち の 理 解 を深 め る と と も に集 中力 、. 36.

(7) 教 員 養 成 プ ロ グ ラム と しての 「野外 教 育論 」の 有効 性. チ ャ レ ンジ 精 神 、協 力 す る こ との 大 切 さ を体 験 し、社 会 生 活 の 基 本 的 な行 動 や様 式 を 理 解 し 、 ま た 、 指 導 で き る 能 力 を 身 に つ け る こ と」 で あ る。. 参考 文献 1). 江橋慎 四郎 際,. 2). (1998):. 野 外 教 育 の 理 論 と実. 杏林 書院. 金 沢 大 学 教 育 学 部 ・辰 口 教 育 委 員 会 (1998): 金 沢大 学教 育 学 部. 「平 成9年. 度文 部省 教員. 養 成 学 部 フ レ ン ド シ ッ プ 事 業 」 報 告.金. 沢. 大 学 教 育 学 部 ・辰 口 教 育 委 員 会 3). 佐野. 豪. (1993):. 高齢 者 のため の レク リ. エ ー シ ョ ン ワ ー ク ,不 4). 昧堂. 日本 野 外 教 育 研 究 会. (1994):. 野外活 動 テ. (1989):. テ ィーチ ン. キ ス ト, 杏 林 書 院 5). 日本 野 外 教 育 研 究 会. グ イ ンザ ア ウ ト ドア ー ズ,杏 6). 日 本 野 外 活 動 団 体 協 議 会( 動 同 マ ニ ュ ア ル,. 7). 池田 礎 理 論,. 勝. 林 書院 1988):. 野外 活. 杏林書 院. (1989):. レク リエ ー シ ョンの 基. 杏林 書院. 37.

(8)

参照

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