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3才児健康診査における眼科的スクリーニングの実際 患者の動態を中心に

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Academic year: 2021

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3才 児 健 康 診 査 に お け る 眼 科 的 ス ク リー ニ ン グ の 実 際 患 者 の 動 態 を 中 心 に 愛知県総合保健センター 川 瀬 芳 克 I. 緒 言 眼 位 異 常 の 早 期 発 見 ・早 期 治 療 を 目 的 に,当 部 で は3才 児健 康 診査 の 場 で,眼 科 的 ス ク リー ニ ン グ を行 う こ と を考 え,約4年 前 か ら愛 知 県 知 多保 健 所 と協 力 して 作 業 をす す め て き た.今 回 ス ク リー ニ ン グが 一 応 の 形 態 を と と の えて き た 昭 和49, 50年 の2年 間 を 対 象 と して取 り上 げ,本 ス ク リー ニ ン グ の 実 際 を示 す. II. 目 的 眼 位 異 常 の 早 期 発 見 ・早 期 治 療 で あ る. III. 対 象 昭 和49, 50年 度 愛 知 県 知 多保 健 所 管 内 の3 才 児 健 康 診査(以 下 「健 診 」と略 す)の 対 象 者 は 表1に 示 した.知 多保 健 所 の 健 診 は 予 約 制 で, 初 回(予 約 日)に 受 診 しな か つ た者 は 未 受 診 者 と して 指 導 され る.表1は 初 回 の 受 診者 の 数 で 後 日受 診 した 者,あ るい は指 導 の 結 果 受 診 した 者 は 含 まれ ない.従 つ て 最 終 的 な受 診 者 数,率 は 表1の 数 を上 まわ り,地 域 に よつ ては 大 体100 %で あ る. 表1. 対象 者及 び受診 者 知 多保 健 所 管 内 は,東 海 市 ・知 多市 ・常滑 市 の3市 で,知 多 市 に 知 多保 健 所,常 滑 市 に 同 常 滑 支 所 が あ る.当 部 は 名 古 屋 市 に あ り,知 多保 健 所 管 内 とは 名 古 屋鉄 道 ・知 多 中央 道 な ど で 連 絡 され て い る.当 部 と知 多保 健 所 間 の 交 通 所 要 時 間 は 約1時 間 で あ る. IV. 方 法 ス ク リー ニ ン グ は 保 健 所 で 健 診 の 際 行 な わ れ る.ア ンケ ー トと保 健 所 医師 の診 察 が 全 員 に 行 問 診 票 図1. ス ク リー ニン グ専 用 の問診 票

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-4-なわ れ る. ア ン ケ ー トは 東 京 方 式 健 診 ア ンケ ー トと本 ス ク リー ニ ング 専 用 の 問 診 票(図1)を 用い た.こ れ は 大 阪 市 の 保 健 所 及 び 大 阪 小 児 保 健 セ ン ター で 用 い られ る も の を参 考 に して 作 製 した. 保 健 所 医 師 に よ る検 査 は視 診,問 診,眼 位 ・ 眼 球 運 動 検 査 で,こ の 検 査 の た め担 当 の 医 師 に 当部 で 諸 検 査 法 を習 得 して 頂 い た.問 診 が 先 の ア ンケ ー トと重 複 す るが,こ れは ア ンケー ト と は 独 立 に 保 健 所 医 師 が 行 な うもので,ア ン ケ ー ト と の 照 合 は診察 の後 に 行 ない,誤 りや もれ の 出 ない よ うに して い る. 以 上 の2つ の 方 法 に よ り何 らか の 異 常 が 疑 わ れ た者,及 び 家 族 らに 訴 え の あ る者 が 精 密 検 査 対 象 者(以 下 「要精 検 者 」 と略 す)と な る. 要 精 検 者 の 中 に は ス ク リー ニ ン グ の 時 点 で 既 に 医 療 機 関(当 部 を含 む)で 十分 な観 察 ・治 療 が な され てい る者 が あ る.こ れ らの 者 は 当 該 の 医 療 機 関 で 継 続 して 観 察 ・治 療 を うけ,保 健 所 で そ れ を追 跡 す る.そ れ 以 外 の 要 精検 者 は 当 部 に 紹 介 され る.当 部 で は精 密 検 査後,指 導 ・治 療 方 針 を決 め 保 健 所 に も通 知 す る.こ の 過 程 で 未 受 診 者 ・観 察 治 療 の 中断 者 は 保 健 所 で 追 跡 調 査 を 行 な う.以 上 が 本 ス ク リー ニ ング の 概 要 で あ る. V. 結 果 と 考 察 図2は 受 診 者 の流 れ を示 した もの で あ る.受 図 2. 診 者8,529名 中,要 精 検 者 は202名2.4%で あ る.う ち21名0.3%は 以 前 か ら 医 療 機 関 で 観 察 ・治 療 を う け て い る.残 り181名2.1%が 当 部 へ 紹 介 され,当 方 で 精 密 検 査 を 行 な い3群 に 分 け た.I群 は 処 置 不 要 者 で,正 常 者 も含 む.II 群 は 現 在 治 療 を 必 要 と し な い が 定 期 的 な 観 察 を 要 す る も の.III群 は 治 療 を 必 要 と す る も の で あ る.II群 ・III群に つ い て は そ れ ぞ れa.終 了 群, b.継 続 群,c.中 断 群 に 分 類 した.

I群 は55名0.7%, II群 は47名0.5%, III群 は56名0.7%でI群 の 率 が 高 い の は,疑 い の あ る 者,訴 え の あ る 者 全 員 に 行 な つ た か らで あ る. II群 ・III群及 び ス ク リ ー ニ ン グ 以 前 よ り観 察 ・ 治 療 を受 け て い る者 の 合 計 は124名 で,受 診 者 の1.4%に あ た る.こ れ は 眼 位 異 常 の 有 疾 患 率 に きわ め て 近 い. II群 ・III群 を 分 類 す る と 表2の よ う に な る. II群 の 外 斜 視 は,X及 びXPTで あ り,垂 直 斜 視 は 軽 度 の 下 斜 筋 過 動 症 で あ る. 昭 和49年 度 の 要 精 検 者 で 当 部 を 受 診 し た の は92名 で,I群 の 特 徴 は 不 明 者2名 を除 き医 療 機 関 を 受 診 し た こ と が な い.結 果 的 に は そ の 必 要 が な か つ た の で あ る が,35名 中17名 が 異 常 の 疑 い を も ち な が ら放 置 さ れ て い た こ と は 注 意 す べ き で あ る. II群 は29名 中5名17.3%が 以 前 に 医 療 機 関 を 受 診 して い る が,4名 は 検 査 不 能 の ま ま 中 断 表2. II群 ・III群 の 疾 患 分 類 5

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し,残 り1名 は 当 部 で 観 察 中 で あ る.29名 中 21名72.4%は ス ク リー ニ ン グ で の 指 導 で 当 部 を 受 診 して い る. III群で 特 徴 的 な こ と は28名 中23名82.2% が 疾 患 に 気 付 い て い る.し か し 当 部 で 治 療 中 の 1名 以 外 は 未 処 置 で あ る.以 上 よ りIII群 は,(1) 疾 患 に 気 付 い て い る者 が 多 い.(2)そ の 反 面 放 置 さ れ て い る者 が 多 い. 主 訴 に つ い て ま と め て み る とI群56名 中29 名 に も訴 え が あ り,II群20名,III群16名 の 合 計36名 に は 訴 え が な か つ た.こ れ は121名 中 29.8%を 占め,こ の こ とか ら現 在 の ア ンケー ト の み で ス ク リー ニ ン グ を行 な うの は 危 険 で あ る. 未 受 診 及 び 中 断 者 の 追跡 調 査 は,中 断 した 患 者 に 共 通 な こ と は 受診 回 数 が1回 ∼2回 と少 な い こ とで あ る.又II群(観 察 群)で の 中 断 者 に は 次 回 の 検 査 日が6ケ 月,1年 と長 い た め,そ の ま まに な つ て しまつ た者 が 多数 で あ つ た.未 受 診 者18名 中9名,中 断 者15名 中13名 は そ の 後 の 指 導 に よ り観 察 ・治 療 を続 け て い る. VI. ま と め 眼 位 異 常 の 早 期 発 見 ・早 期 治 療 を 目的 に 健 診 の 場 で眼 科 的 ス ク リー ニ ング を行 つ た.対 象 者 の ほ ぼ 全 員 を検 査 で き,又 追 跡 調 査 な ど に よ り 観 察 ・治 療 を要 す る者 の把 握 もで きて い ると 考 え る.こ の こと か ら本 ス ク リ ー ニ ン グ は 一 応 目 的 を 達 して い る と 考 え る.今 後 は こ の ス ク リ ー ニ ン グ を よ り効 率 の よ い も の に す る た め,(1)検 査 法 及 び ア ン ケ ー トに つ き 簡 素 で 且 つ 精 度,信 頼 度 の 高 い も の の 開 発,(2)追 跡 調 査 な ど ア フ タ ー ケ ア の 充 実 ,(3)住 民 へ の 広 報 活 動 な ど を 保 健 所 な ど と 協 同 して す す め る こ と を 考 え て い る. 質問 (香川 白井 病 院)内 田冴子 保 健 所で の ス ク リー ニ ン グの 際 視 力測 定は どんな 方法 で した か.ま たそ の 際困 難 な点 は どん な もの が あ りま し たか. 答 弁 視力 は測 定 してい ない. 質 問 (川崎 医 大)阿 部 哲子 3才 児 健 診 で異 常 を発 見 した 時,早 期 治療 を す るには 両 親 の理 解 が大 切 です が,理 解 を深 め る ため に特 に注 意 した ことが あれ ば お教 え 下 さい. 答 弁 特 別 な こ とは して いな い.視 機 能及 び そ の発達 ・ 疾 患 ・治 療 方 針等 を十 分説 明 し,親 が 正 しい理 解 と見通 しを持 つ よ う努 力 してい る.広 報 と して各 戸 に 「保健 所 ニユ ー ス」 が配 布 され る.親 の た めの 手引 書 の よ うな も の を作 成 したい. 質 問 (順天 堂大)川 村 緑 従来 か らの保 健所 の 活動 か ら,医 師 が 眼位 ス ク リー ニ ン グに熱 意 を もつ こ とに敬 意 を 表す る.ORTが 今 後そ の 分野 に 活動 す る こ とに どうい うお 考 え を もたれ るか. 答 弁 将 来は 活動 が 必要 と さ れ る分 野 で あ る.し か し ORT自 身 の能 力 ・各 医療 機関 の 情 況 ・保 健 所 との関 係 等 困難 が 多 い.安 易 な姿 勢 で は取 り くめな い 問題 で あり, 実 際 の活 動に 入 る まで にか な りの 準備 期 間 が必 要 と考 え る.

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